2017年01月22日

◆米国版“がめつい奴”が矛盾撞着を露呈

杉浦 正章

 

虚構の“失業発言”と品位に欠ける国粋主義 


就任演説は選挙のプロパガンダから一歩も出ず
 

「米国第一」と唱えるのは自由だが、すべてを外国のせいにしてはいけない。トランプの大統領就任演説をつぶさに分析すればするほど、菊田一夫の戯曲「がめつい奴」を思い起こす。攻撃的な言葉の羅列、怒りの露骨な表現。そして想像を絶するような国粋主義。アメリカの利益は善であり、不利益は悪。虚構の矛盾撞着演説の根底に潜むのは白人至上主義。白人と言ってもトランプはWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)の国米国では一段下に見られるドイツ系の先祖を持つ。


戦後の大統領ではアイクと親しまれたアイゼンハワーがドイツ系だが、そのモットーは「物腰は優雅に、行動は力強く」だ。トランプは、似ても似つかぬ姿を露呈した。米国の分断を一層深くして、米国人の心の中に「南北戦争」時代をほうふつとさせる、深い亀裂をもたらした。
 

要するに大統領就任演説は、これまでトランプが選挙戦で発言してきた選挙のプロパガンダを国政のプロパガンダに格上げしただけのレベルであった。大統領職に就けば変化するのではないかという期待を見事に裏切り、自らが国民統一の核である事すら気付いていない。これまでの大統領が就任演説で述べてきた、敗者への配慮などかけらもない。


過半数を超えるクリントン支持者を「ドヤ顔」で、押さえつけるかのような品位に欠けるものであった。危険な国粋主義の兆候は紛れもなくその発言から分かる。「アメリカ第一主義」「アメリカ製品を買う」「アメリカ人を雇う」「アメリカを偉大な国にする」などなど、アメリカ賛美だ。
 

きわめて重要で看過できない矛盾撞着がある。それは「政治家は潤ったが、職は失われ、工場は閉鎖された」「工場は錆びつき、アメリカ中に墓石のごとく散らばっている」「こうしたアメリカの殺戮(さつりく)は、今ここで終わる」などと発言した部分だ。そして「雇用を取り戻す」とつながるが、そこには虚構の問題提起がある。なぜなら米国の失業率は昨年12月で4.6%であり戦後まれに見る完全雇用の状態だ。


米連邦準備理事会(FRB)が同月利上げに踏み切った最大の根拠として挙げたのはこの完全雇用である。完全雇用とは自発的な失業はあっても非自発的な失業は存在しない状態を言う。要するに働く意欲のないものが「失業状態」にあるのが現実なのであり、トランプはあたかも米国が失業者で満ちあふれており、これが中国、日本、メキシコのせいだというのだ。
 

中西部のラストベルト地帯から獲得した票を意識したのであろうが、ラストベルト地帯が鉄鋼生産や製造業から離脱、転換し始めたのは半世紀も前だ。70年代の同地域の労働運動の合い言葉はsteel(鉄鋼)とsteal(窃盗)をかけた「ジャップ・スティール」だったが、これが「チャイナ・スティール」に代わり、産業構造の大転換を迫られた結果、さび付いた鉄工所や製鉄炉が残存するのだ。日本ならすぐに片付けるが、国土の広い米国ではいちいち片づけてはペイしない。


トランプは墓石と言うが、問題の上面しか見ていない。アメリカの製造業は労働集約型の生産工程では低賃金の国に負けるのでこの領域から離れ、高付加価値製品の生産と先進的無人化生産方式に移行している。移行に成功したから現在の繁栄があるのだ。ラストベルト地帯はアメリカでも輸出量で一番の地域である。むしろ好況を謳歌しているのだ。トランプは選挙運動でいったい何を見ているのかと言いたい。そもそもの彼の世界観の多くが、対日関係を見ても70年代80年代の発想から成り立っており、認知症老人に多い若い頃の思い込みの幻影かと思えるほどの発言だ。
 

さらに北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しで、メキシコからの輸入に35%の関税をかけるというが、これも矛盾そのものだ。演説でも「保護こそが偉大な繁栄と力に繋がる」と驚くべき保護主義丸出しの方針を示したが、高関税政策はトランプの大切にする白人貧困層を直撃する。物価は高騰し中国製の安物でかすかすの生活をしている貧困層をさらに窮乏させることになるのだ。


もちろん財政出動による公共投資は一時的に景気を上向かせることができるが、せいぜい持って1年という見方が強い。だいいち、閣僚は誰を見ても大富豪か、株屋ばかりであり、これらの閣僚が弱者に対する的確な政策を打ち出せるかは疑問だ。2年後の中間選挙では馬脚が現れて、共和党が惨敗して過半数を割り、トランプがレームダック化するとの見方がある根拠はそこにある。
 

さらに危険な兆候は、政治も軍事も経験のないトランプが、“禁じ手”に出る事だ。それは安全保障と貿易不均衡を両てんびんにかけた得意のディールである。拡張主義の中国に「一つの中国」政策の見直しで圧力をかけ、貿易で譲歩を勝ち取ることはやむを得ない。


しかし同盟国日本に通商問題で脅して、在日米軍の経費負担や防衛費の増額、中東などでの軍事協力などを求めてくる可能性がある。多国間交渉を嫌い2国間交渉を主張する魂胆はその辺にあるのかもしれない。筋違いもいいところであり、首相・安倍晋三はなめられてはいけない。
 

演説はヨーロッパでもトランプへの警戒論を強めこそすれ弱めてはいない。演説で「古い同盟を強化し新しい同盟も作る」とロシアに秋波を送った発言が、EUに衝撃を及ぼしている。イスラム国対策だというが、ロシアと対峙している長年の北大西洋条約機構(NATO)の同盟関係ですら、根底から揺るがしかねない発言だ。ロシアに対する世界観が甘すぎるのだ。


アメリカの世界のリーダーとしての存在すら危うくする同盟国への“揺さぶり”は、必ず自分の頭に落ちてくるダモクレスの剣であることを初歩から教育しなければならないのがトランプだ。言葉をもてあそぶ王者には常に危険がつきまとっているというイロハを悟らせるまでが大変だ。

<今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)

◆地下銀行が日本でも猖獗

宮崎 正弘



<平成29年(2017)1月20日(金曜日)通算第5170号 > 

  〜外貨持ち出しを厳格に制限しているが、地下銀行が日本でも猖獗
  中国の外貨準備、急減中。米国債まもなく1兆ドルを割り込むか?〜

中国の外貨準備が急減していることは明らかだが、虎の子の米国債保有高
が1兆ドルを割り込む気配となってきた。
 
2016年11月末の米国債権保有高は1兆493億ドルで、日本が首位を回復した。

中国人の海外旅行熱はまだ続いているが『爆買い』がおわったことは誰も
が認めるところだろう。
 
年間5万ドルに制限され、銀行へ外貨両替に行くと、手続きが面倒で、事
実上両替が出来なくなっている。

銀聯カードは世界中のATMで使えなくなっている。

ならば「上に政策あれば、下に対策あり」の中国人はどうするか。
 すでに小誌でもみてきたように、外為取引(FX),ビットコイン、そ
してレクサスなど高級車、金の延べ棒、つまり「換物投機」がおこる。
ソ連崩壊時のそれはマルボロだったように、人民元減価の前にモノを買っ
ておこうとするのが庶民の投機行為に現れる。

日本に来て高給腕時計、高給カメラなど「運搬しやすい」モノへの投機が
顕著となっている。持ち出し制限を超えて、人民元を持ち込むか、あるい
は地下銀行で決済し、現金で買い物をしている。

外貨の稼ぎ頭だった貿易も急減していることが明らかとなった。

中国の2016年通年の貿易統計で輸出は7・7%減少、輸入も5・5%減少
となった。

明らかに貿易減退の傾向が出ている。

中国税関総署の発表(17年1月13日)によれば、ドルベースの輸出額は7・
7%減で2兆974億ドル。輸入は5・5%減で1兆5874億ドルとなった。貿易総
額も6・8%減少したことがわかった。

輸出から輸入額を差引いた貿易黒字は5099億ドルと発表された。

      
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 しょひょう  
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 冴え渡る日下節、今日も明日も元気で楽しい
  日本が世界史のプレーヤーに躍り出る時代が来た

  ♪
日下公人『ついに日本繁栄の時代がやって来た』(ワック)
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『WILL』に連載されているコラムから選別し、並べ替えて加筆した集
大成。目から鱗の一冊でもある。

なにしろ日下氏が言うのは世間一般、とりわけ官僚の世界からは異次元の
話、ものの見方が異星人的である。日下ファンは、これを「日下節」と読
んで重宝している。

アベノミクス第1弾は3本の矢だが、金融出動、財政出動までは快適なエ
ンジンだった。途中で息切れしたのは何故か。

新しいアベノミクスとは『日本出動』にあり、日本が発信するメッセージ
が次の世界を牽引するとその基本は楽天主義である。
 
かく言われる。
 
「新しい模範国として、日本はまもなくトップになるような気がする。そ
れはこれまでリーダーだった国から新しい提案がでてこないばかりではな
く、日本は言わず語らずの裡に新しいことを次々と提示しているからであ
る。(中略)
 
相変わらず欧米追従が進歩発展の道だと思っているらしいが、そんな考え
はまもなく日本の半分だけになり、絶滅危惧種として残ることになる。残
り半分は欧米追随以外の道を歩む人で、いまは墜ちこぼれとか、ニートと
か、変人とか、遊び屋のなかにいる。
 
山中伸弥教授は京大や神戸大では『ジャマナカ』扱いだったらしいが、
ノーベル賞委員会が心を入れ替えて東洋重視、応用重視になると、日本で
の評価が変わった」

日米構造協議の延長になったTPPは、日本が裨益するところとは何もな
く、アメリカが一方的に押しつけようとしていた貿易ルールだが、雲散霧
消した。

日下氏は早くから、そう主張されてきたが、トランプの出現でTPPは本
当に雲散霧消となる。

アメリカからルールを提示されて、たちまちその対応をとってきたのが日
本。しかし、そろそろ日本がルールを決めてアメリカと侃々諤々のルール
協議をはじめるときが来ている、と日下氏はあらためて自尊自立の精神
を、やさしく面白い比喩を多用して、諄々と説かれるのである。

息抜きの清涼剤として有益な一冊である。

◆友と語らん鈴懸の径

渡部 亮次郎



散歩する恩賜公園は落葉樹の殆どが裸になって冬支度を急いでいるが、
鈴懸(すずかけ・プラタナス)だけは落葉が遅れて、汚い様を見せてい
た。

スズカケノキ(木) (common) plane‖Platanus orientalis 日本には明
治初めに渡来し,小石川植物園に植えられた。秋に多数の小堅果からな
る直径3〜4cmの球形の集合果が山伏の着る篠懸の衣に付いている房の形
に似ているところから,鈴懸という和名がついた。

バルカン半島からヒマラヤまでの温帯に分布し,紀元前からすでにイタ
リアに入り,16〜17世紀にはフランス,イギリスでも街路樹に用いられ
たという。

日本で栽植されているものは,スズカケノキのほかに2種ある。

アメリカスズカケノキ P.occidentalis L.(英名 buttonwood)は高さ30m,
とくに大きなものでは50mになり,樹皮は乳白色で小さくはがれる。葉は
浅く切れ込み,集合果は1個が柄で垂れる。北アメリカ東部に分布し,日
本には1900年に入ったが,あまり広められていない。

日本で最も多く植栽されるのはモミジバスズカケノキ(一名カエデバスズ
カケノキ) (英名 Londonplane)で,スズカケノキとアメリカスズカケノ
キの雑種といわれ,樹皮は灰緑色で鹿の子まだらにはげ,葉の切れ込み
は両種の中間で全形がカエデの葉に似る。集合果は1〜2個ずつ垂れる。

スズカケノキの仲間は,やせ地や低湿地でもよく生長し,公害に強く,
刈込みにも耐えるので,世界の温帯で広く植栽される。

日本でもプラタナス(英名plane tree)と総称して明治40年ごろから挿木
で広がり始め,今日各地で街路樹としてはイチョウと並んで最も多く用
いられている。

スズカケノキ科 Platanaceae は1属だけからなり,ヨーロッパ南東部か
らインドまで,インドシナ半島,北アメリカからメキシコに6〜8種が隔
離的に分布する。(世界大百科事典(C)株式会社日立システムアンドサー
ビス)

「友と語らん 鈴懸の径(みち) 通いなれたる 学舎(学びや)の街 
やさしの小鈴 葉かげに鳴れば 夢はかえるよ 鈴懸の径」と灰田勝彦
が唄ったのは昭和17(1942)年。

兄の灰田晴彦が作曲、それに新聞記者出身の作詞家佐伯孝夫が詞をはめ
た。大東亜戦争に命令されて出陣する学生たちは、万感の思いを込めて
この歌を唄ったという。

あの戦争中はまず学徒動員が日中戦争が始まって間もない1938年(昭和13)
ころから、食糧、軍需品生産の人手不足を補うために行われた。学生、
生徒の勤労動員。学徒勤労動員ともいう。

大東亜争中の44(昭和19)年3月の学徒動員令からは中学生(旧制)以上は全
員、軍需工場などに動員され、45年8月の敗戦まで、学校教育は事実上、
停止した。(地域で差があるが、旧制中学の1、2、3へ年生は食糧増産
のために農家への勤労動員に駆り出され、軍需工場に動員されたのは四、
五年生)

学徒出陣はそれに続く措置。戦争下で、徴兵猶予制度の廃止により理工
科系・教員養成系をのぞく大学生・高専生を入営させた措置。それまで
大学生、高等専門学校の生徒には、26歳まで徴兵猶予の特典があった。

しかし満洲事変につづく日中戦争で兵員の不足に悩んでいた政府は、
1941(昭和16)年10月以降、修学年限の短縮による繰り上げ卒業の措置で
兵員を補った。

戦局の悪化でさらに兵員の不足が深刻になると、1943年10月に「在学徴
集延期臨時特例」を公布して、20歳以上の学生・生徒の徴兵を決定。
「徴兵猶予」とう特典を消して徴兵をかけたわけだ。

10月21日、冷雨のなか明治神宮外苑競技場(現在の国立競技場)で、文
部省主催の出陣学徒の壮行会出が挙行された。東京とその近県から集まっ
た出陣学徒は、東条英機首相の閲兵と激励を受け、場内を行進。

スタンドを埋め尽くした6万5000人の家族・級友・女子学生などがこれを
見送った。出陣学徒は、13万人とも20万人とも推定されている。

中国大陸や南方戦線、南太平洋へ送られ多くの戦死者を出した。1949年
には戦没学生の手記「きけわだつみのこえ」が出版され、大きな反響を
よんだ。参考:マイクロソフト「エンカルタ」

◆いま必要な「サラダ・ボウル理論」

石岡 荘十



日本では小さいときから障害を持つ子ども達を、特殊な存在として特別な学校で教育をすることが当然のように行われている。障害を持ち、盲・聾・養護学校で特別な教育を受けている児童・生徒は約10万人に上る。

「普通の学校へ通わせたい」
親がこう希望しても、障害を持つ子が一般の学校への入学を果たすには多くの困難を伴う。受け入れられると、上記の地裁決定のように、それが美談風なニュースになるほど稀である。さすがに最近では、障害を持つ子どもが、障害を持たない同じ年代の仲間と一緒に学び成長していくことが、双方の人格形成に大きな意味を持つとして、障害児が一般の小・中学校で教育を受けるケースが増えているそうだ。しかし、まだまだ十分とはいえない。

私たちは障害を持った人をどのような存在として考えたらいいのだろうか。福祉国家として知られるデンマークで「ノーマライゼーション」という考え方が生まれたのはいまから半世紀以上前のことで、社会福祉を考える上で極めて重要な理念だといわれてきた。

ノーマライゼーションの理論は、はじめは、障害者が社会に適応していく手助けをする、そのことによって障害者が出来るだけ普通の社会に適応できるようにする、障害者をノーマルにするという考え方だった。

道路の段差を無くす、駅にエレベーターを設置する、車椅子の購入費を補助する------「まだまだ」と批判されながら、国や自治体の行政レベルで進められてきた様々な支援策の根拠になっている思想だと言ってもいいだろう。このような施策は「同化主義」、つまり健常者を基準にして作られている社会のバリアーをなくし、障害者が健常者主導の社会に同化できるよう手助けをしようという考え方だ。

しかし、そこには多数の健常者がノーマルな存在で、障害者は「特異な存在」だという偏見がある。このような初期のノーマライゼーション理論には限界がある、と批判された。

そこに登場したのが、「多元主義」という考え方である。障害者を特異な存在としてではなく、当たり前の存在としてありのまま受け入れ共に生きていこうというものだ。このような考え方を、「サラダ・ボウル理論」と言っている。一つひとつの野菜の個性をそのまま残しながら、いろいろな種類のナマの野菜をサラダの入れ物(ボウル)に盛りつけることで、別の味覚を創造する。そんな社会をイメージした理論だ。

障害者が健常者に近づくのではなく、目が見えない、耳が聞こえない、歩けなくとも、手助けは必要だが、そのままノーマルな存在として受け入れられるという考え方である。

重要な認識は、障害者をノーマライズするのではなく、健常者がひそかに持っている偏見をノーマライズするということだ。このような認識でいうと、現実は、明らかに健常者サイドに問題がある。

障害を持つ子どもは特別の教育施設に“隔離”されている。そんななかで、“普通”の学校で育った子どもに、大人になって突然、「障害者を特異な存在と思うな」と言っても、長年、無意識のうちに刷り込まれてきた差別意識や偏見を拭い去ることが出来るだろうか。ノーマライズされなければならないのは、むしろ健常者と言われる人々が抱いている差別意識や偏見だと言えるのではないか。

自宅近くに聾学校があり、手話で話す生徒とバスに乗り合わせることがよくあるが、健常者と見られるほかの乗客が彼(彼女)らを「当たり前の存在」と受け入れている様にはとても見えない。中には、見てはいけないものに出逢ったとでも言うように、ことさら目線を外らす気配さえ感じさせる。手話に興味津々の子どもの手を引っ張って、顔を無理やりそむけさせる親もいる。

「何で自分が-----」「まさか自分が------」
大きな病気になると、誰もがそう思う。ある調査では、障害者と認定された人、心臓病と診断された人は、100パーセントそう思うという。だが人は経験して学習する。心臓手術の後、私は身体障害者となった。その経験は、身障者のことを改めて考えさせる “絶好”の大事件であった。よく言われるように「障害はその人の個性」である。自分もその個性を与えられたことで、別の世界が見えてきたような気がする。

日本は猛スピードで高齢社会に突き進んでいる。だから養老院、高齢者向け養護施設が盛んに造られている。それも空気のいい郊外に多い。しかし、こうして高齢者をまとめて街から遠ざけ、若い世代の人たちの目に触れないところに体よく“隔離”する施策がノーマルといえるだろうか。「養護施設と小中学校は必ず隣合わせに作る」くらいの英断がなければ、サラダ・ボウルを目指す意識改革は無理かもしれない。


2017年01月21日

◆気になる政治家の顔

北村 維康



ビル・クリントンは、二枚舌だけで世渡りをするチンピラに見えました。

ヒラリー・クリントンは、シェークスピアの『マクベス』に出てくる、
マクベス夫人のやうに、冷酷な野心家に見えます。

(私の知人である米国の婦人が言ひました。「ヒラリーはビルより
も”more mean”なのよ」と。ミーンとは、たちが悪いといふほどの意味で
せうか)

それに対して、トランプには「可愛げ」があります。国内政治、国際政治
について何の既成知識も無くても、「本当はこうやるんだよ」と親切に

教えてやれば、「あ、そうか、ウン、わかった」と素直に聴くやうな人で
はないでしょうか。


安倍首相が大統領選挙に当選したてのトランプにすぐに会ひに行ったの
も、時宜を得てゐました。恐らく、政治家の先輩として、「老婆心なが
ら、、、」とい ろいろと教へたのではないでせうか。因みに、安倍首相
の顔も、春風駘蕩といふ感 じで、このやうな顔の人を中心者に持つ我等
日本人は、幸せです。


トランプは何のジョーカー春一番   これは一年前に、私が入ってゐる
句会の句誌に投句したものです。

トランプは遂にやったね春二番    これは本日作ったものです。

来年の今頃、トランプはどんな政治をやってゐるでせうか。期待を込めて
見守りたいと思ひます。

◆日本を救う名医に俺は成る!

伊勢 雅臣



政治の本質 No.325
    
(前号から続く)

しかし、以下の様な反論が有るかもしれません。

ソ連の通貨ルーブルは世界の金融や経済と関連性を持たなかったが
シナ共産党中央の発行する人民元はドルペッグ制で人民元自体も
今年、IMFから国際通貨としてのお墨付きになるSDR(特別引き出し権)
を得たでは、ないか?

つまり、シナ共産党中央はアメリカが発行する新たなドル紙幣分、
人民元を印刷するので軍拡競争に負けないのでは?
との主張です。
ここで、産経新聞のエースである田村秀夫記者の記事から転載します。

中国が1兆ドル分印刷すると、軍備は500億ドル増える
http://blogs.yahoo.co.jp/sktam_1124/40817051.html

前略

中国の通貨、人民元制度は実は、中央銀行制度と政府紙幣発行制度の
両側面を兼ね備えている。大国としては比類ない、いいとこどりである。

詳しく言うと、発券銀行である中国人民銀行は軍と行政府同様、党の支配
下に置かれている。人民銀行から資金供給を受ける国有商業銀行も党支配
下にある。

つまり、人民銀行を中心とする金融システム全体が党によってコントロー
ルされる。通貨の発行と配分権は党指導者が保有しているのだから、人民
元はその本質において、政府紙幣である。

見かけは日米欧のような中央銀行制度をとっているのだから、人民元は
グリーンバックのように国際金融資本から憎まれることもない。

世界の大手金融機関は人民元業務を新たな収益源にしようと躍起になって
いる。

中国が2008年9月のリーマン・ショックから世界で最も早く立ち直った秘
密はこの人民元制度にある。当時の胡錦濤総書記・国家主席は人民銀行に
人民元資金の国有商業銀行への大量供給を命じ、商業銀行は前年比で2・
3倍も融資を増やさせた。

あとから見ると、乱開発、不動産バブルと代償は大きいが、ともあれ投資
ブームが起き、経済は09年に2ケタ成長に舞い戻り、10年には国内総生産
(GDP)規模で日本を抜き去った。もっと恐るべき事実がある。

人民元資金供給こそは中国の軍拡の原動力だ。グラフを見ればよい。
リーマン後、人民銀行による人民元資金供給量がドル換算で1兆ドル
増えるごとに、軍事費は約500億ドル増えている。

中国は米国の量的緩和政策に伴うドル資金増加量に見合う分、通貨を膨張
させてきた。それに合わせて軍事にカネをつぎ込んだのだ。

毛沢東は「銃口から権力が生まれる」と言ったが、カネから銃口が生まれる。

転載終了


問題は、この先も中国人民銀行が今までと同様に新規ドル発行分に相当す
る人民元を発行できるのか?という点です。

再度、田村秀夫記者の別な記事から転載します。

米国第一主義、トランプ氏が「沈む中国」を踏み台に なだれこむ巨額資金
http://blogs.yahoo.co.jp/sktam_1124

前略

中国からの資金流出規模は膨らみ続け、この11月までの12カ月合計で
1兆ドルに及ぶ。

流出には、中国企業による米欧企業買収や旅行者の「爆買い」も含まれる
が、米欧のアナリストの多くは、当局の取り締まりをくぐり抜けた資本逃
避が5千億ドルに上ると推計している。

資金流出は外国為替市場での元売りを伴い、元相場を暴落させかねない。
中国人民銀行は外貨準備を取り崩して元を買い支えている。

逃避資金の大半はドル資産となって香港、ケイマン諸島など租税回避地
(タックスヘイブン)に移る。最終的にはドル金融の総本山、ニューヨー
ク・ウォール街を潤す。

債務国米国は、年間で約1兆ドルの外部資金流入を必要としているが、そ
の多くは中国発の逃避資金で賄われる。

トランプ氏は中国の通商、通貨や南シナ海への軍事進出などについて
厳しく批判し、従来の米政権が踏襲してきた「一つの中国」容認路線に
束縛されないと強気に出る。背景には、一方的な中国からの巨額資金奔流
がある。

2009年の政権発足当初、米国債購入を北京に頼み込んで以来、北京に軟弱
姿勢で一貫してきたオバマ政権とはわけが違う。

後略

次に評論家の宮崎正弘氏のメルマガから転載します。

「上に政策あれば、下に対策あり」の特性が顕著にでた中国人

 外貨預金、住宅ローン、ビッドコイン、そしてシャドーバンキング復活
https://melma.com/backnumber_45206_6463327/

異常というより不気味である。

過剰流動性のカネが、異様な方向へ膨らんでいる。中国人民銀行が頭を抱
えている。

第1に外貨持ち出し制限が強化されて以来、中国国内で出来る

「外貨預金」へ、預金が殺到している。11月だけで204億ドルも増えて合
計すると中国の「外貨預金」の総額は7026億ドルに達した。

このカネはすでに流出した外貨とは別枠である。いずれ帳尻を合わせる
ために中央銀行は理論上、ドルを予約しなければならない。

第2に住宅ローンの貸しだしが驚くほど急増し、1174億ドル
(人民元で7946億元)に達している。

新規借り入れが71・6%増加していると、中央銀行報告書がいう。

この2つだけでもバランスを破壊していることは明白で、人民元売り
ドル買いの為替介入による人民元レートの死守は困難を極めてきた。

中略

かくして10月にSDR入りした筈の人民元に対して中国人の反応は
逆であり、誰も人民元預金を信じないで、外貨交換のためには外貨預金、
ビッドコイン。また将来の元暴落を見越して、住宅ローンで借金をつく
り、或いはシャドーバンキング復活となった。

どう考えても、人民元暴落に庶民がいまのうちに交換できる通貨、不動
産、そしていま人民元で借金しておけば有利とばかり、当局の裏を
かいていることになる。

まさに「上に政策あれば、下に対策あり」という中国人の特性が
顕著に現れてきた。人民元暴落は秒読みである。

転載終了

要するに、バブル崩壊でシナ国内で通常の買いから入り値上げで儲かる相
場でなく人民元の下落を見込んで人民元の売りから入るポジションを多数
の市場参加者が取っているので外貨預金への預金が殺到しているのです。

この為に、中国人民銀行は、いずれドル予約をしなければならないのです
が果たして出来るのでしょうか?

ドルは勿論、中国人民銀行が発行できないので大量のドルを予約する際に
担保が要求されたら、どうするのでしょうか?

外貨準備高が十分にあってドルを持っていれば良いのですが、田村秀夫記
者の記事にもある様に、年間1兆ドルもシナから流出しているのです。

シナ当局が公表している様に3兆ドルも本当に所有しているのでしょうか?
若し、外貨準備高が底をついていてトランプ次期大統領が軍拡を本当に
シナ共産党中央政府に仕掛けたとしたら・・・


汝の日は数えられたり!


トランプ次期大統領はシナ帝国を滅亡させた大統領として歴史の教科書
に記述されるでしょう。

◆高齢者の運転講習 

渡邊 好造



運転免許更新のため高齢者講習を受けた。”講習予備検査・認知機能検査”という。70歳を超えると無事故無違反ゴールド免許でも、3年毎に更新しなければならない。

受講は最寄りの自動車教習所に電話で申し込み予約する。所定の日午前9時集合の15分前には受講者6名が全員集合し控室で待っていた。隣合わせの人から「何処からいらっしゃいました、普段何をしておられますか、講習料6千円は高いですね」などと話しかけられ、「この教習所に近い接骨医に毎日通い、腰の治療を受けています」といったたわいのない話をしているうちに講習が始まった。話し相手の人は別グループとなりその後顔を合わせることはなかった。

記憶力・反応力のテスト、運転実習まできっちり3時間を要し、改めて何かにつけて衰えているのを実感させられた。老人事故は最近増えているという。アクセルとブレーキの踏み間違いでコンビニに突っ込んだり、屋上の駐車場から落ちたり、高速道路の逆走など。

現にこの講習中でも同乗した受講者の一人は、試験場とはいえ信号が赤でもお構いなし、脱輪、車庫のポールに当たる、指示器は出さない、終わってもサイドブレーキは掛けないなど無茶苦茶な人もいた。

それでも合格、わが身もこのまま運転を続けるかどうか、どこかでケジメが必要だと感じた次第。

その3日後、常診の接骨医に行き診察カードを提出すると、受付の女性が「最近、自動車教習所に行かれましたか」と聞いてきた。「やはりあなたでしたか。隣合わせだったのは私の父なんです」と言うではないか。名乗ったわけでもないし、接骨医なら周辺にいくらでもある。私の話の受け答えや態度、特徴のある杖とカバンを持っていたのが印象的だったようで、その人は何気なくその日の様子を家族に話したらしい。

それを聞いた彼女はすぐに気付いという。なにしろ昨年12月からこの7月までほぼ毎日通院していたのだから、印象的だったのだろう。偶然とはいえ出会いとは面白いものだと思った。

ところで、18〜30歳前後の若い人の交通事故も目立つ。未成年の無免許・居眠り運転による死傷事故、30歳男の暴走死傷事故、定員5人なのに7人も乗った若者の転落死傷事故など、、。なかでも京都祇園の事故は、私の隣家のご主人が経営する老舗・京小物専門店(創業慶応元年=1865年)の店先であっただけに特に印象深い。

高齢者の特別講習もさりながら、彼らのように車の危険さを分っていない25歳までの連中にも2年周期、さらに30歳までは高齢者と同じ3年周期で、講習を受けさせる必要があるのではないか。

暴論覚悟でいうのだが、20歳前後の若者だけの男女4〜5人の死亡事故がよくある(深夜に多い)。よくぞ誰も巻き添えにせず死んでくれたと思う。こんな連中がもしこのまま生きていたら、関係のない多くの他人を死に追いやるもっと大きな事故を起こすに違いない、とそんな想像をしてしまうからである(完)

2017年01月20日

◆アメリカを二分する大統領就任式!

 
浅野 勝人(安保政策研究会理事長)



アメリカの大統領就任式は、世界の人々が祝福します。
そして、明日への期待を込めて見守っています。

それがどうしたことでしょう。
大統領の就任を祝福して、各種の世論調査にご祝儀相場の高い支持率が表れる時なのに、トランプの支持率は40%。同じ時期のオバマ(85%)の半分以下です。

60人の民主党議員が式典をボイコットするそうですし、招かれた民間人の欠席者も少なくないらしい。
トランプを正当な大統領と認めていない人たちが、就任式に合わせて全米各地で反対・批判デモをするという報道ですが、ウソでもなさそうな雰囲気です。

国論を二分するような姿を見たくありませんが、まもなく始まる就任祝賀パレードが、反対デモの妨害を受けるような事態になったら前代未聞の醜態です。

選挙戦での悪態は、どっちもどっちですし、勝つためのパフォ―マンスと大目にみてくれます。
ところが、トランプの場合、新大統領の立場になってからも、自分を批判するメデイアに対しては「うそつき。ごろつき」呼ばりで、聞く耳持たないどころか、質問をさせない傍若無人ぶりです。公式の記者会見でのことです。

今のうちは、それでも通りますが、ホワイト・ハウスの定例記者会見をボイコットされたら、国民とのパイプが途切れてしまいますから大統領職にとどまることが出来るでしょうか。第二の「ウオーターゲート事件」がそこまで来ているように私には見えます。

アメリカ、エール大学教授の歴史家、ポール・ケネディは、
「トランプは、反知性主義であるのみか、専門家全般を軽んじている。無知から来る自信過剰は、早晩つまずくだろう。公約を政策として具体化するには専門家の叡智が必要だ。公約が実現できなければ、有権者は失望して離れる。
反知性主義は世界的現象で、西欧やロシアにも顕著にみられる。人類史には進歩と反動の波がある。今は反動期で、やがて揺れ戻しは来る」
と述べています。

今回の大統領選挙の特徴は、極く大雑把(おおざっぱ)に言って、中産階級から転落したプアーホアイト(白人貧困層)を中心とする「白人」はドナルド・トランプ。「有色人種」がヒラリー・クリントンでした。
カリフォルニア大学のアリー・ホーチチャイルド名誉教授は、
「彼ら、白人貧困層は大統領になったトランプにいずれ裏切られてがっかりする。そしてトランプは責任を誰かになすりつけようとするはずだ」と述べて、トランプ政権に行方を暗示しています。

1980年代後半、中国は世界経済の5%を占めるだけでした。今は20%に迫っています。一方、アメリカは30%から20%に低下しています。アメリカの地位は以前ほど強力ではありませんが、そうはいっても、アメリカがくしゃみをすると日本を含めて風邪をひく国がまだまだ少なくありません。

各国の利害が過去のいつの時代よりもいっそう複雑に絡み合っている現在、アメリカが一方的に世界から撤退することはたやすいことではありません。アメリカの利益を決定的に失うからです。

アメリカ大統領の影響力は、依然、計り知れないパンチ力があります。トランプが「アメリカ第一主義」と叫んで、アメリカを自己中心のモンロー主義国家に変身させようとしても、アメリカが生きていくためにできない相談です。

兎にも角にも就任式をめぐる一連の行事が、おだやか且つ華麗に行われることを祈り、トランプのツイッターのつぶやきに過剰反応しないで、しばらくお手並み拝見とまいりましょう。
(元内閣官房福長官)



◆米軍は台湾に駐留すべきか

宮崎 正弘 

<平成29年(2017)1月19日(木曜日)通算第5169号>  

 〜「米軍は台湾に駐留するべきだ」とジョン・ボルトン元国務次官、元国
連大使
   台湾は地政学的に(日本やグアムよりも)南シナ海に近い〜

ジョン・ボルトン元国務次官が爆弾発言をウォールストリート・ジャーナ
ル(1月17日)に寄稿して「台湾に米軍を駐留させるべきだ」と持論を展開
した。

トランプが「ひとつの中国に拘らない」としてきているだけに、このボル
トン論文は、次期政権の対中政策のスタンスがにじみ出ているのではないか。

ボルトンはワシントン政界で「タカ派中のタカ派」として知られる論客。
トランプは次期国務副長官に指名する可能性が高い。
 
もともとボルトンは共和党支持者で、学生時代にはゴールドウォーター選
挙から政治活動に目覚め、ジェシー・ヘルムズ上院議員の補佐官を経て、
レーガン政権、ブッシュ政権で要職を歴任した。

共和党の野党時代はAEIに在籍し、「台湾との復興、台湾の国連加盟」
などを発言してきた。

ジェシー・ヘルムズ上院議員といえば、「レーガンを右旋回させた男」と
して、嘗てTIME誌が特集を組んだほどの有力議員だった。1980年には
日米安保条約をより対等な内容への改定を提議している。

このヘルムズ議員の周りを囲んだ人々がブッシュ政権前後に{Bチーム}
を結成し、台湾擁護、中国外交へのスタンスの切り替えなどを訴えてきた。

ボルトンはイスラエル擁護派としても知られるが北朝鮮問題でも強硬姿勢
を示してきたうえ、日本の拉致家族が訪米したときも、まっさきに会見した。

      
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 しょひょう  
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 トランプ革命でやってくる東アジアの地殻変動
   その足音が聞こえる。聞こえないのは日本の左翼メディアだけだ

  ♪
西村幸祐 vs ケント・ギルバート『トランプ革命で蘇る日本』(イー
ストプレス)
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異色の顔合わせかも知れない。副題は「日米新時代が見えてきた」。

題名と副題からわかるようにトランプ勝利をプラスに評価し、新しい時代
の到来に期待していることで2人の基調は一致している。

左翼メディアの偏向報道についてはいまや周知の事実だから、当選後のト
ランプへの罵詈雑言も、期待と夢をぶちこわす世論工作とみれば、さして
気にする必要はない。

問題はトランプ政治へ、いったい日本はいかなる心構えと態勢作りをして
おく必要があるか、ということである。

両者はまずEUの暗い未来に触れ、高級官僚の支配するEUは、いずれ失
敗すると読む。

次の会話が展開している。

ケント「今後、フランスとイタリアが離脱したらEUは終わりですね」

西村 「EUはドイツの第四帝国ですからね」
 
ケント「戦前日本の大東亜共栄圏のヨーロッパ版です」

西村 「マルクがユーロに代わっただけですから」

なるほど、分かりやすいが、分析は大胆すぎるかもしれない。ドイツの立
つ瀬がない。

大事なことは日本の自立自尊、自主防衛である。
 
口火を切るのはケント氏で、こう問題を提議する。

ケント「日本が尖閣の防衛を米国に全面的に期待するのはおかしなことで
す。アメリカが日本にいるのは、日本を守るためではまったくありませ
ん。ついでにやっていることであって、日本はまず、その現実を見つめる
必要があります。アメリカと日本が運命共同体としてスクラムを組めるか
どうかは日本次第なんですよ。トランプが言っているのは、『日本はちゃ
んとやるつもりがあるのかどうか』ということです」

それはそうだろう。日本が尖閣を防衛し、しかるのち、本当の危機に瀕し
たらアメリカが援助に駆けつけるということは日米安保条約に謳われてい
ることである。

西村氏はこの現実をさらに台湾問題へと演繹し、アメリカで地政学者のミ
アシャイマーが書いた「さようなら台湾」という論文を俎上に載せる。

西村「台湾が独立するためには軍備をはじめ、相当なことをしないと無理
であり、将来的には香港のようになる以外にないと結論づけていました
(中略)。これが地政学的な見方であって、議論というものはここから始
まるわけです」

自立自尊の精神が期間になければならないという意味で、ここでも二人の
基調は一致している。

ならば韓国の身勝手な振る舞いはどうなのか。このままでは次に親北政権
が生まれそうな気配であり、もしそうなるとTHAAD配備は白紙に戻る
危険性あがる。

じつは、そのポイントに、米国の韓国観が存在しているようである。評者
(宮崎)の見たてでは、韓国軍がクーデターをやらかしても米国はきっと黙
認するのではないか。

ケント氏が続ける。

ケント「トランプが地政学上の緩衝地帯という概念を理解しているかどう
かわかりませんが、日本とPRC(中国)との緩衝地帯として、韓国はど
うしても(日米両国に)必要な国なんですよ。ややこしい国ではあります。
(中略)PRCにとっては北朝鮮が韓国イコール、アメリカとの緩衝地帯な
わけです。もし韓国がPRCの属国となってしまった場合には、統一させ
てPRCに統合する選択肢も出てきます。しかし、これは大統領が誰で
あっても、アメリカは許さないと思います」

◆のど自慢の日は1月19日

渡部 亮次郎



ものの本によると、日本では1年365日、毎日、何かの日である。たとえば
2007年に地方選挙の後半戦の投票日だった4月22日は、
(1)地球の日(アースデー)
(2)清掃の日(清掃法制定記念日)
(3)霊山神社例大祭(福島県)
(4)多賀祭(滋賀県)だった。

いい加減に1月19日と入れたら、パソコンは1月19日はのど自慢の日と出た。

<NHKラジオの視聴者参加番組「のど自慢素人音楽会」が1946(昭和21)年
のこの日にスタートしたことに由来。

スタート当初の参加応募者は900人にものぼり、そのうち予選を通過した
のは30人。応募者が歌った曲で多かったのは、当時の人気歌手・霧島昇が
歌う『リンゴの唄』『旅の夜風』『誰か故郷を想はざる』などだったそうだ。

「のど自慢」は「明るく楽しく元気よく」をモットーに、1948年には早く
も全国コンク−ルが実施されるほどの人気を博し、NHKにおける戦後最初
のヒット番組となり1953(昭和28)年にはテレビ放送が開始され、ラジオと
テレビで同時放送されるほどに成長していった。

実は北島三郎、島倉千代子、美空ひばりはこの番組の常連。大物歌手とし
てその名を知られる3人だが、彼らも当時は鐘の数を気にしつつ歌ったの
だろうか>。

若原一郎、三船浩は合格によってレコード会社からスカウトされて歌手に
なった。荒井恵子もそうだった。荒井は「森の水車」を初めて唄ったが
NHK専属で、レコード会社には属してなかったから販売されたレコードや
CDは残っていない。

「のど自慢」はいまではNHKの看板番組である。この世に歌がある限り続
くのではないかと思われるぐらいだが、この世に歌がいくらあっても唄う
のは大嫌いと言う人が居る。音痴である。だが音痴は訓練によって治るも
のだそうだ。

世界大百科事典(C)株式会社日立システムアンドサービスによると

音痴 おんち

<大脳の先天的音楽機能不全の状態。聴覚,言語など,ほかの精神的・肉
体的機能が健常で,特に音楽的能力だけが劣っている場合をいう。これに
対して,かつて音楽能力があった者が疾病,外傷など何らかの原因によっ
てその能力を失った場合を〈失音楽症〉という。

音痴の原因は,大脳右半球に推定される音楽中枢の発育障害による機能不
全であるとされ,遺伝と環境の双方に起因するものとみられているが,医
学的には未解決である。

音痴は感覚性音痴と運動性音痴に大別される。前者は,音楽の認知,理
解,記憶に障害があるために音高やリズムの感受そのものが不可能な状態
を言いう。

後者は,音高の連続的変化のパターンを組み立てる運動統合中枢に支障が
あるため,歌うと調子はずれになるものを言う。しかし,俗に音痴といわ
れるのは難しい音程をうまく歌えない場合であり,正しい訓練や音楽環境
をつくることで,矯正は可能とされている。山本 文茂>
音痴についてインターネットで検索した。その結果、297万件も出てきた。
如何に音痴に悩む人が多いかを物語るものではないだろうか。
その中にこういうのがあった。

山本恵理子の「音痴について」である。
http://www.osaka-c.ed.jp/matsubara/kadai/27ki/kadair21.htm

なぜ音痴になるか

『人はなぜ音痴になるのか』 音に対する感覚が鈍く、音程やリズムが正
確にとれず歌が正しく歌えないこと。三重大学教育学部の弓場徹助教授
は、「音痴の原因は、出力(脳から声帯に指令が伝わり、震わせて音を出
す)する際の、輪状甲状筋の訓練不足によるものである。」と語った。

輪状甲状筋は声帯を引きのばす筋肉で、低い声を出す時に声帯を縮め、高
い声を出す時は声帯を前後にのばす。そして、他の背中や足などの筋肉と
同じく、鍛えなければ成長せず衰えてしまうのである。

歌を歌う時は、普通の会話のより高い音域を使う場合が多いため、輪状甲
状筋の働きが不可欠だ。自分のことを音痴と思っている人は、歌う機会を
避ける傾向がみられる。兵庫教育大学音楽科の鈴木寛教授は、小脳モデル
(処理系)について次のように説明した。

初めて自転車に乗る時、バランスがうまく保てず、転びながらその問題点
を修正して大脳が学習する。その情報は大脳に集約され「自転車に乗る」
という一つのモデルが小脳に移り記憶される。

1度、小脳モデルが記憶されれば、何年も自転車に乗らなくもすぐに乗る
ことができるという。歌を歌う場合の小脳モデルは、音程を取り正しい音
を発生し、リズムをとるというものである。大脳に作られた音の高さを判
断する基準に音階スキーマというものがある。

正しいスキーマが形成されている場合は、耳からある音が入ってくると
A=Vという判断ができる。しかし誤ったスキーマが形成されている場合
は、A=Vという判断ができずに音痴になってしまう。

人は6歳頃まで音階スキーマが形成されてしまう。赤ちゃんは知らず知ら
ずのうちに母親の声を真似している。自分を守ってくれる母親と他人をな
るべく早く認識し、コミュニケーションをとろうとするためである。そし
て、この特性のため母親の声や、音程までも真似するようになる。

他にも音痴の原因となる環境として、

1.音の出るおもちゃなどの電池がきれかかり、変な音を出す。

2.音楽や両親の会話を聞く機会がすくない等がある。

音痴を治すには裏声を意識的に出すことによって輪状甲状筋を鍛えたり、
音を認識しながら根気よく練習し音階スキーマを改善する方法がある。

つまり、音痴は適切な訓練方法によって克服できる!『音痴を治すに
は?』音痴は運動音痴(運痴)と比較される。どちらも運動系の微妙な調
節がうまくゆかない。それが原因で運動嫌い、歌嫌いになる可能性もあ
る。運痴は指導によりある程度は矯正できるが、音痴はどうだろうか。

「歌う」運動のメカニズムは、喉頭筋群の複雑さもあり未だに不明な点が
多い。聴覚能の問題もある。一体どのように声をだしたら良いのか科学的
なアプローチは少ない。

発声には声帯を動かす伸展筋と声門を閉じる閉鎖筋という2つの拮抗的な
筋の運動に、呼吸の圧力が加わった3要素が関係するのだが声帯を伸展さ
せて裏声を生み出す輪状甲状筋の構造と機能に着目。

結果的に裏声(ファルセット)を中心に音を合わせてうまく歌うトレーニ
ングが音痴矯正に有効という。骨格筋は伸展時により大きな力が発揮され
るので、この方法は歌う運動の燃費を高めるかもしれない。

具体的に何をやればいいかというのには次のような説がある。

1)はっきりとした裏声を出せるようにする。

2)裏声で簡単なメロディーを歌う。

3)裏声で歌い始め、表声の音程まで下がっていく。※表声というのは胸
声のこと。

誤りも多くて評判が良くないリー百科事典『ウィキペディア
(Wikipedia)』だが、ここでは、音痴(おんち)とは、音感が無いか劣
る人を言うと決めて、次のような珍談を紹介している。

<・・・リズムを合わせるという感覚が鈍い人もおり、歌っている途中でど
んどんずれて早くなったり遅くなってしまう場合も見られる。

最も有名な例は、フローレンス・フォスター・ジェンキンスという富豪の
夫人がオペラファンで、1944年にカーネギーホールで「客に金を払って」
リサイタルを開いた。(あの戦争中!!)

このときの録音は現在The Glory of Human voices (RCAより発売、ASIN
B000003F97)(国内盤のタイトルは『人間の声の栄光』)というタイトル
でCD化されている。

このCDが国内大手CDショップで発売された際、「チョーオンチ」という販
促ポップが付けられた事がある。またこのジェンキンス夫人の音痴ぶりを
題材にしたミュージカル"Souvenir"がある。

音痴は訓練で克服できる場合が大半だが、まれに音感がない(耳で聞いた
音程を声で再現することが出来ない)人もいる。一種の病気(異常)であ
り、このタイプの音痴は直すことができないと言われる。有名人では俳優
のジェームズ・ディーンがこのタイプだったと言われている。

転じて、音の認識に限らず特定の能力が劣る人に対しても使う。例えば、
味覚に対しての味音痴、東西南北等方角把握能力に対しての方向音痴、運
動能力に対しての運動音痴、機械に対しての機械音痴、等がある。>

痴呆とか痴人とかが差別語になっているようだが、音痴はどうなんだろ
う。