2016年04月30日

◆私の「身辺雑記」(338)

平井 修一



■4月27日(水)、朝6:30は室温22度、今季最高、冬は完璧に終わった。昨日はジャンパーとマフラーを洗って仕舞い込んだ。新緑を楽しみ、梅雨に耐えたら夏だ。暑さにうんざりした頃に秋になる。まったく四季はいいものだ。

今朝は暗雲。夕べは孫・子来襲で洗濯物がどっさり、おまけに掛布団1枚、シーツ2枚も。チビどもはゲボやら鼻血、おねしょをするから仕方がない。そのうち皆大きくなる。雨が降りそうなので、洗濯物をすぐに取り込めるように散歩は控えた。

豪州の潜水艦はフランス製と決まった。仏は中共包囲網とは無縁である。日本は最高レベルの技術を豪と共有しないから、豪の判断は半分残念、半分安心あたりだろう。

仏はアカ政権だが、豪にもアカが多い。ダーウィン港を99年間、中共に貸し出した。カネのためにはパンツを喜んで脱ぐ。アボットを復活させないと変な方向へ動くだろう。

この間まで白豪主義、それが人口減対策で移民受け入れの多文化主義、インドや支那からの留学生は大学にとって大切なドル箱だから、大学は高校レベルに低下したという。豪州の企業は能力を買うから、大卒=高卒レベルだと就職できない。会計士の資格を持っていても新卒だと経験がないからはじかれるとか。

できる人は米国へ行ってしまう。仕事があるからだ。豪州は資源大国、安直な切り売りの国だから、高度な技術や知識があまり必要とされていないのかもしれない。大卒(実質は高卒)で運転手やウェイター、美容師をやっている人は珍しくないそうだ。

移民を受け入れたところで人材流出。残る人はカスばかり? 社会保障費ばかりが膨らむ。これではなんのために移民を受け入れたのか分からない。よく考えもしないで政策を決めた。これを拙速という。

豪仏同盟で中共を圧迫できるのか。日米豪印ASEANの団結が大事だろう。日豪の結束は後退した。少なくとも日本は「目先の利益で仏を選んだ豪は拙速。大事なことを忘れたのだ」と思うだろう。豪はカンガルーではなくコアラだった。それが分かっただけでも良しとしよう。スクラムを組む友ではない。

サムライブルーの蒼龍よ、東・南シナ海の波高し、深く静かに潜行せよ、やがて紅龍を撃沈すべし。アジアの暗雲払うべし。

明るくなってきたので散歩。散歩しないとしゃきっとしない。緑陰の遊歩道ではヂヂババが10人ほど写生していた。

■4月28日(木)、朝6:30は室温20.5度、中雨、散歩不可。

1952年4月28日から沖縄は米国の施政権下に置かれ、20年後の1972年5月15日に本土復帰した。それから40余年、今はアカに占領されている。

琉球新報、沖縄タイムズは沖縄の朝日、毎日、東京新聞、共同通信だ。この2紙を潰さないと沖縄はまともにはならない。2紙は中共の尖兵、反日の牙城だ。沖縄県民に購読を止めるように訴え続けなければならない。

ASA朝日新聞販売店が「購読料は銀行振替かカード決済にして」と呼びかけている。小生が読売をとっていた2003年頃までは3か月単位で契約していたが、洗剤やビール券をそのつどくれた。この贈呈品は拡材(拡張販売のための材料)といい、今でも奥さん連中はこれを当てにしている人が少なくないだろうが、ASAにとっては人件費もかかるから随分厄介だろう。

それにしても今さらながらの呼びかけだが、よほど内証はきついのだろう。露骨な「角度のついた」偏向報道を止めれば部数減に多少のブレーキはかかるのではないか。古森義久氏(ジャーナリスト・国際教養大学客員教授)の論考「朝日が書く『報道への圧力』NHKは否定」(Japan In-depth 4/24)から。

<朝日新聞はこのところ「日本のニュースメディアは政府の圧力に抑えられている」という主張を熱心に広めている。とくにテレビのニュース関連番組に関しての「政治権力の圧力」を強調するのだ。

ところがNHKの代表的なニュースキャスターがそんな圧力はまったくないと否定した。同キャスターの言葉どおりならば、朝日新聞の描く「メディアへの政治の圧力」は虚構の政治宣伝ということになる。

朝日新聞は4月20日付朝刊から「教えて!ニュースキャスター」というタイトルでの連続インタビューの掲載を始めた。その連載の冒頭には「政治権力の側からテレビへの『注文』が相次いでいる」と書かれていた。そして朝日新聞側の問題提起として以下の記述もあった。

「テレビでは(中略)国谷裕子、岸井成格、古舘伊知郎の3氏が番組を去った。(中略)何らかの圧力や局側の忖度があったのではないかとの疑念も残る。研究者やジャーナリストたちから、政府・与党の動きに対して懸念の声も上がっている」

「テレビの表現の自由は揺らいでいないか。日々のニュースは、萎縮することなく伝えられているのか」

上記のような朝日側の認識に基づいて、この記事に登板したのはNHKの「ニュースウォッチ9」という番組のキャスターの河野憲治氏だった。国際報道体験の長い記者である。

その河野氏は以下のように語ったのだ。

「昨今、国会では『政治的公平性』が話題になっていますが、僕たちの現場で外から圧力を感じたり、萎縮して忖度したりすることはありません。忖度という言葉が独り歩きしている部分もあると感じます」

ちなみに「忖度」というのは「他人の心中をおしはかること」という意味である。だからこの場合は政府や与党の考え方、あるいは野党や他のメディアの考え方を勝手におもんばかって、自分の表現を左右するという自主規制を指すといえよう。

とにかくNHKのニュースの看板キャスターの河野氏は政府や政権からの「圧力」も、政権側の意向に配慮しての「忖度」もないと完全に明言したのだった。朝日新聞が執拗に提起する「政治権力の圧力」を否定したのである。

政府や与党の関係者がニュースメディアの内容について意見を述べることは国民の誰にも認められた表現の自由、言論の自由につながっている。政府や与党の代表が放送法という日本国の法律に違反した場合の措置を語ることも法治国家としてむしろ必要な動きだといえる。

だがこうした言動はニュースメディアに一定の圧力をかけ、報道や論評の内容を変えさせるという強制的な要素がある「圧力」とはまったく異なる。NHKの代表はそんな圧力はまったくないと断言したのだった。

このNHK代表の言葉が日本のメディア界の現実であれば、朝日新聞がしきりに宣伝する「圧力」や「忖度」は虚構の絵図ということになる。しかもきわめて特定の政治意図が露骨な虚構のようなのだ。その意図自体が別種の「圧力」ともいえそうである>(以上)

朝日は「反日=親中」がウリだが、内閣府の調査によると80%の人は中国に親しみを感じない。(沖縄でも同様だが、県民は安保での危機意識ではなく、中国人旅行者のマナーの悪さに辟易しているためらしい。沖縄2紙の偏向報道ゆえのゆがみだ)

日中友好なんて唱える日本人は今やごく一部ではないのか。虚報、偽造、捏造記事の反日親中路線では読者はどんどん離れていく。潰れたくなかったら反省して紙面を刷新することだ。が、現場は岩波書店のように半島人、支那人、アカに乗っ取られているから難しいだろう。自滅を待つしかないか。

■4月29日(金)、昭和天皇ご生誕日、国旗掲揚、皇居、靖国遥拝。

未曽有の国難を軟着陸させた立派な立憲君主であられた。常に「立憲君主とはどうあるべきか」を考え、国論が割れる難しい判断を「朕はこう思う」と適切に助言(臣下にとっては指導)された。

戦後の全国行幸で臣民は改めて日本人として結束を確認した。今では信じられないような、ほとんど無警戒のご訪問だった。GHQは苦虫を噛み潰していたという。

戦後の日本も大枠は昭和天皇の思いに沿ったものだ。今ならなんと思われるだろうか。「暴支膺懲」とは言わないまでも、暴支を抑制せよ、アジアの安定を維持せよと仰るのではないか。

赤子はその御心を汲んで今日も中共の脛を蹴飛ばすのである。天気晴朗なれど風強し、朝6:45は室温18度、晴、日射しがあるためか寒くない。ハーフ散歩。

柯隆氏の論考「中国人は独裁政治に“麻痺”しているのか リスクだらけでも重大なクライシスには見舞われない中国社会」(JBプレス4/28)から。

<中国の専門家の間で、中国あるいは中国経済に関する見方は大きく分かれている。「中国は間違いなく崩壊する」という見方がある一方、独裁政治が続いている間は大丈夫という見方もある。独裁ならば危機に対処する施策を確実に実施できるということのようである。

独裁政治が危機を回避できるかどうかは別の議論として丁寧に分析する必要があるが、中国の「リスク」が「クライシス」になるかどうかをここで考えたい。

リスクとは危険な状態に陥る可能性のことを意味する。それに対して、クライシスはまさに危機、あるいは危険な状態にあることを指す。

1976年毛沢東が逝去したとき、中国は統治力を失い、大きなクライシスに直面していた。それ以降、中国は常にリスクを孕んでいる。だが、本格的なクライシスに陥ったことはない。

中国は局所的なクライシスにはたびたび見舞われている。たとえば、2015年8月、天津港の薬品倉庫で巨大な爆発事故が起きた。それは関係者にとって深刻なクライシスだったが、中国全体の危機ではなく天津港の危機にとどまった。

*中国人は独裁政治に慣れている

日本は世界でも有数の安心・安全な国と言えるが、中国人からみると日本もリスクに満ちた国でもある。中国人は子どもを海外に留学させる際、まずはアメリカまたはイギリスを優先して考える。日本は優先順位が低い。

特に中国人が心配しているのは、日本の自然災害だ。日本では、数年に一度巨大な地震が起きているうえ、毎年、台風や爆弾低気圧に見舞われ大きな被害を出している。

ただし日本人からすれば、確かに日本は地震が多発する国だが国全体が大混乱に陥ることはない。

中国人から見た独裁政治も同様である。中国人は独裁政治に「慣れている」といっても過言ではない。否、慣れているというよりも、諦めているとさえ言える。

筆者は、28年前に名古屋に留学していたとき、故郷の南京に結婚の手続きをしに帰ったことがある。そのとき地元の民生局から「あなたは外国で生活しているので、結婚するために、指定の病院で健康診断を受けなければならない」と言われた。

仕方なくその病院に行くと、生殖能力があるかどうかなどを含めて、何から何まで調べられた。「この野郎、なんてことをするんだ」と真剣に腹が立ったが我慢をして健康診断を受けた。

すると、健康診断証明書をもらうまでに、300元の費用を請求された。300元は当時の中国人の月給2カ月分である。おまけに外貨兌換券でなければいけないという。外貨兌換券は外国人専用の通貨であり、人民元より付加価値が高い。これは明らかに病院の腐敗だった。

健康診断証明書を持ってもう一度民生局に出頭すると、「今日、手続きすることはできない。君が結婚していいかどうか我々のほうで検討しないといけない」と言う。私は「なぜお前らに検討されなければならないのか」とはらわたが煮えくり返っていた。

でも、我慢して「検討にはどれぐらいかかりますか」と聞くと「1週間」だと言う。もはや怒りを通り越してあきれるしかなかった。

中国人は、役所や政府を嫌悪しているが、政権にとってそれがすぐさまクライシスになるわけではない。前述したように局所的なクライシスは絶えず起きているが、国を揺るがすクライシスにはつながらない。

*パナマ文書は「ジャスミン革命」を引き起こすか?

パナマ文書は中国の政治指導者の威信と権威にダメージを与えるだろう。自らへの個人崇拝を強化させようとしている習近平にとっても、その影響は極めて大きい。

中国政府は、パナマ文書のような都合の悪い海外情報をできる限り国民の目から遠ざけようとしている。例えばインターネットでは中国の検索エンジン「baidu.com」で「パナマ文章」と中国語で入力して検索すると、「入力されたキーワードが法に違反するおそれがあるため、表示できない」とのメッセージが現れる。

LINEに相当する「微信」などのSNSへの投稿やe-mailなども、全部検閲される。ネットだけではなく国際郵便の内容も開封されてチェックされる。

パナマ文書によって共産党政権が転覆されることはない。チュニジアのジャスミン革命が中国で起きる可能性はほとんどないと言ってよい。パナマ文書は、中国政府にとっては“局所的”なクライシスである。

共産党は国家を統治するために社会のあらゆることに関与しようとする。そのため人民の怒りの鉾先は往々にして政府に向けられ、中国社会は常に不安定な状態である。だが、今のところは革命が起きるようなクライシスに陥る可能性はなさそうである>(以上)

絶望的な国、諦めるしかないのか・・・マキャベリの言葉を思い出した。

「不正義はあっても秩序ある国家と、正義はあっても無秩序な国家のどちらかを選べと言われたら、私は前者を選ぶ」

秩序崩壊、クライシスは避けよということだ。ただ、こうも言っている。

「政体が(大きく)変わる場合、ある国では無血のうちに達成され、他の国では流血の惨事を伴うのは、どのような理由によるのだろう。それは、その国の建設当初の事情によるのである。

もしも、その国が暴力によって生まれていたとしたら、多くの人間が犠牲になったであろう。それゆえ、このような国が危機に陥ったとき、かつての犠牲者たちが、そして現在も犠牲にされている人々が報復するのは当然である。

この怨念がさらに多くの血を流させ、死者を生む結果になるのである」

中共は地主、金持ち、インテリ、反対派、反革命分子、国民党将兵を殺しまくってできた国である。タガが緩めばユーゴのようにクライシスになり、流血沙汰になるだろう。それを避けるには7大軍閥による分散統治しかない。緩やかな連邦国家。

Record china 2015/7/10『中国には革命が起こるか? 6割が「民主化革命が起こる」と回答』から。

<2015年6月25日、米国際放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の電子版は、中国本国ではなかなか実施できないであろうアンケートを行った。中国共産党現政権存続についての質問を2つ、投げかけている。

【中国には革命が起こると思うか? 起こるとしたらどんな革命か?】(得票:2489票)

・かつてのソ連や東欧のような、共産党政権を打倒する民主化革命が起こる―1538票(61.8%)

・文化大革命のような革命が起こる。少なくとも、国民の経済格差をとっぱらうような経済革命が起こる―357票(14.4%)

・中国共産党は国民の利益をきちんと考えている。あるいは、革命を起こそうとする勢力を制圧する能力があるから、革命は起こらない―306票(12.3%)

・古代の農民一揆的な革命が起こる―288票(11.6%)

【ある学者は中国共産党は20年後も党名を変えて中国の政権を握り続けているだろうと説いたが、この考えに同意するか?】(得票:1958票)

・同意しない、20年後はソ連と同様に共産党は消滅している―1310票(66.9%)

・同意しない、20年後も共産党の名を残したまま政権を握っているだろう―245票(12.5%)

・同意する―211票(10.8%)

・同意しない、20年後の中国共産党は野党になっているだろう―192票(9.8%)>(以上)

標本数が少ないが、「革命あり得る」87.8%、「共産党独裁は消える」87.5%だ。9割近くが変革を希望、予想している。西側世界ではまずあり得ない、非常に珍しい国だ。珍獣パンダ?

人民網4/28がジョージ・ソロスに再び噛みついている。

<氏は(新華網の)取材に対し、

「中国政府は大量失業が経済に大きなダメージを与えることを認識しており、製造業の失業者の受け皿としてサービス業の発展を促進している。これにより、中国の金融危機の爆発時期は先送りになるが、結果的に規模を拡大させる恐れがある。

中国のサービス業は絶えず進歩しているが、サービス業が製造業の失業問題をすべてカバーできない」と述べた。

もちろん(リーマンショック前の)2007年と比べれば、中国の全体的な経済・金融リスクは確かに上昇している。例えば市場と流動性のリスク、信用リスク、外部からもたらされるリスクなどだ。

しかし、中国の金融監督管理能力は徐々に向上しているほか、中央政府にも十分な財力と政策ツールがあり、短期的なリスク上昇はどれも制御可能な範囲内に収まっている。

中国経済の未来は、自国の政策と競争環境だけでなく、改革と革新の継続によって決まる>(以上)

そう「改革と革新」が鍵だ。ところが国有企業は利権を死守しようという人々の牙城だ。「改革と革新」を唱えるだけでは何も進まない。ところが進めれば大騒動になる。そうなると責任者はクビだ。つまりは怖がって誰も実行しない。

「改革と革新」が遅々として進まないから経済低迷は避けられない。去年は株式バブルが崩壊し、年初にはサーキットブレーカーが吹っ飛んだ。去年からの不可解な不動産バブルは近く再び崩壊するだろう。

賃金未払い、失業・・・人民の不満は募って、やがては大爆発というクライシスになる可能性は否定できない。

天網恢恢、疎にして漏らさず、中共殲滅、支那解放。柯隆先生、わっちの見方は偏向してますかのう。ご指導をお願いいたします。

読売4/29「元朝日新聞主筆、若宮啓文氏が死去…68歳」から。

<朝日新聞社で論説主幹や主筆を歴任した若宮啓文氏が28日、訪問先の北京市内で亡くなった。68歳だった。病死とみられる>

天網恢恢、疎にして漏らさず、賞味期限切れのアカ(駒場細胞出身ナベツネの友)が北京に死す、本望だろうな。アカどもは北京詣でしてPM2.5と黄砂でくたばるがいい。アカ用語なら「部数落ちた、ザマミロ、死ね!築地」だな。

散歩コースの本家の4代目の鯉のぼりは子供5人で迫力満点。風が強いからビュンビュン泳いでいる。奥さんと挨拶したが、6人目がお腹にいるようだ。大金持ちだからバンバン産む。すごい迫力。この奥さんも看護婦出身。

カミサンは看護婦がいい。亭主が小生のようなバカ、前科者でも見捨てない。何しろ精神科急性期病棟の婦長さんだから扱い慣れている。それともバカな亭主ほど可愛い? 母性本能がくすぐられるのだろうか。

散歩の帰りに農協市場で地元産の朝掘り初物竹の子3本、菜の花などを買う。今晩は女児の3歳誕生祝なので竹の子ご飯、竹の子と豚角煮、魚肉の唐揚げ、グラタン、お浸し、刺身などを8人で楽しむ。今夜も忙しい。結構な一日だ。(2016/4/29)


      

◆廃娼運動の歴史

渡部 亮次郎



日本には、江戸時代以来の公娼制度が存在していたが、明治5年に、明治政府が太政官布告第295号の芸娼妓解放令により公娼制度を廃止しようと試みた。しかし、実効性に乏しかったこともあり、1900年に至り公娼制度を認める前提で一定の規制を行っていた(娼妓取締規則)。1908年には非公認の売淫を取り締まることにした。

大東亜戦争後の占領下、当時のGHQ司令官から公娼制度廃止が要求されたことに伴い、1946年に娼妓取締規則が廃止され、1947年に、いわゆるポツダム命令として、婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令(昭和22年勅令第9号)が出された。

公娼制度は名目的には廃止されたが、赤線地帯は取り締まりの対象から除外されたため、事実上の公娼制度は以降も存続した。なお、一部の自治体は同時期に売春それ自体を処罰する条例を制定している。

昭和23(1948)年の第2回国会に、売春等処罰法案が提出された。しかし、処罰の範囲等に関する合意の形成が不十分であったため、厳格すぎるとして審議未了、廃案となった。

しばらく間を置いた後の1953年から1955年にかけて、第15回、第19回、第21回、第22回国会において、神近市子ら女性議員によって、議員立法として同旨の法案が繰り返し提出された。しかしこれらは反対多数に遭い、いずれも廃案となった。

第22回国会では連立与党の日本民主党が反対派から賛成派に回り、一時は法案が可決されるものと思われたが、最終的には否決された。

1956年、第4回参議院議員通常選挙を控える中で、第24回国会が召集された。自由民主党は選挙に向けて女性票を維持および獲得しようとの狙いから、売春対策審議会の答申を容れて、一転して売春防止法の成立に賛同した。

法案は5月2日に国会へ提出され、同月21日に可決された。売春防止法は翌年1957年4月1日から施行されることになったが、刑事処分については1年間の猶予期間が設けられ、1958(昭和33)年4月1日から適用するものとされた。

法律が成立して以降も赤線業者は自由民主党の国会議員に接近し、同法を撤回すべしとの説得を試みた。これに応える形で、自由民主党は1957年5月に風紀衛生対策特別委員会(略称:風対委)を設置し、審議の場とした。

赤線業者は、転廃業のための満足な猶予期間および国家補償が必要であるとして、猶予期間の延長を求め、即時の施行に反対する姿勢を示した。また、自由民主党に対しては、全国で63の市町村長、1の県議会議長、37の市町村議会議長、25の自由民主党支部長、151の商工会議所から、法の完全な実施を延期すべきであるとの陳情書が提出された。

1958年4月1日、売春防止法は施行における猶予期間を経過し、以降も売春の業を営む者に対しては刑事処分が課せられることになった。摘発事例は少ない。

だから、現在公認の娼婦街は無いが、大阪の飛田新地など、表向き料理旅館に転向したものの、客と仲居との個室内での自由恋愛の名目の下に、1958年以前と変わらない営業を継続している地域がいくつもある。

また、東京の吉原のように、かつての公娼街がその後もソープランドや風俗営業の多く集まる地域となり、公娼地域まがいに営業を続けている所がある。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2009・11・24


◆「脳内白人化」がグローバル人材養成の落とし穴

平川 祐弘



紫式部を日英両語で読ませよ 

尊皇を唱えて幕府を倒した明治維新の志士たちは、西洋列強の実力と日本の非力を知るや攘夷を断念、開国和親に転じた。ところが革新を唱えて重臣を暗殺した昭和維新の将校たちは、己(おのれ)を知らず敵を知らず、尊皇攘夷を推進、軍国日本は昭和20年、米国に敗れた。

明治日本の国際主義の精神は1868年の『五箇条ノ御誓文』の次の二条に示される。

旧来ノ陋習(ろうしゅう)ヲ破リ天地ノ公道ニ基クベシ。

智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スベシ。

自分の目でじかに世界を見よ

日本が国をあげて西洋文明摂取に向かった明治維新が第一の開国であるとするなら、敗戦後の日本は第2の開国だった。昭和天皇が昭和21年元日の詔書に『五箇条ノ御誓文』を引かれた意味は深い。

昭和20年代に学生生活を送った私なども「智識ヲ世界ニ求メ」ようとした。その時の心理は明治の開国世代と共通する。わが国の精神史の連続性がそこに認められる。

そんな私はこの島国に跼蹐(きょくせき)するつもりはなかった。日本語以外の文化も知りたくて英仏対訳や独仏対訳叢書でひたすら学んだ。外国語を学べば学ぶほど外国がすばらしく見えた。そんな私はパリを夢みたが、同級生には共産国を理想化し、人生を棒にふった男もいる。共産党も罪作りなものだ。

だが旧制高校世代の多くは翻訳書の中に世界観(ヴェルトアンシャウウン)を求めた。なにしろ戦後十数年の間、この国は鎖国のままで、講和後も外貨制限で外国渡航はできず、自分の眼で世界を見ることはできなかった。だからこそマルクスは正しく、ソ連や中国をバラ色に描く『朝日新聞』などの宣伝も可能だったのである。

私は運よく昭和20年代末にフランス政府の奨学金で日本の閉ざされた言論空間の外へ出た。外国の男女とつきあい、外国の新聞を読んで、この目でじかに世界を見て感じて考えて世界観を作った。その方が健全なはずだと思うけれども、5年後に帰国して「安保賛成」といった途端に皆に白い眼で見られた。

「複眼の人」の養成を目標に

一国ナショナリズムを高唱する愚(ぐ)は繰り返したくない。世界の中の日本を知りたい。政治的にもそうだが、学問的にも一国・一言語の枠組みにとらわれたくない。皇国史観も困るが、モスクワ本位のコミンテルン・テーゼとかパリ本位の普遍主義とか、外国本位の歴史観で日本を裁断されても困る。

それから漱石の言い分ではないが、西洋本位の一国研究者で自足している教授は自己の日本人性を喪失している。「彼ヲ知リ己ヲ知ル」という複眼の人こそエリート教育の理想で、それがグローバル人材養成の目標であるべきだ。

では世界に通用する日本人の語学教育はどうあるべきか。グローバル化にい、非英語国民の指導層は母語のほかに、世界語である英語の習得が求められる。その際、英語を一生懸命勉強するのはまことに結構だ。しかし一本の足を自国の文化に、もう一本の足を外国の文化に下ろす「二本足の人間」であらねばならない。

「複眼の人」の養成を目標に

一国ナショナリズムを高唱する愚(ぐ)は繰り返したくない。世界の中の日本を知りたい。政治的にもそうだが、学問的にも一国・一言語の枠組みにとらわれたくない。皇国史観も困るが、モスクワ本位のコミンテルン・テーゼとかパリ本位の普遍主義とか、外国本位の歴史観で日本を裁断されても困る。

それから漱石の言い分ではないが、西洋本位の一国研究者で自足している教授は自己の日本人性を喪失している。「彼ヲ知リ己ヲ知ル」という複眼の人こそエリート教育の理想で、それがグローバル人材養成の目標であるべきだ。

では世界に通用する日本人の語学教育はどうあるべきか。グローバル化に伴い、非英語国民の指導層は母語のほかに、世界語である英語の習得が求められる。その際、英語を一生懸命勉強するのはまことに結構だ。しかし一本の足を自国の文化に、もう一本の足を外国の文化に下ろす「二本足の人間」であらねばならない。

この英語グローバル化現象には、落とし穴が二つある。第一は覇権的言語国である英語国では、世界中どこでも頭のいい人は英語ができると思い込み、英語だけでビジネスはもとより、世界の文学も歴史も論じることができると錯覚し出したことである。第二は、われわれ非英語国民の側の問題で、お利口さんの脳内白人化が進むことである。中心文化と自己同一化したい人々は北米で新しいイズムが生まれれば、それをおうむ返しに唱え出す。

一石二鳥の言語文化教育を

グローバル化する日本で英語習得の重要性が強調されるのは結構だ。だが、外国のファッションを追うだけではつまらない。やはり自己の母なる言語文化にも一本足を下ろす二本足の人になってほしい。外国だけでなく自国の現在にも過去にも通じること。それがグローバル人材の理想と考える。

しかし外国にも日本にも通じるには言葉を習うだけでも時間がかかる。そこで私の提案は一石二鳥の教育を要領よく行うこと。たとえば『源氏物語』をウェイリーの英訳と照らし合わせて読む。ウェイリーは東洋の鴎外に比すべき西洋の大翻訳家である。Tale of Genji を読むと、平安朝の文化とともに、20世紀初頭のロンドンの上流社会の文化も洗練された英語を通じて感得することができる。

徳川時代のエリートは新井白石のように漢文のみか和文にも通じていた。過渡期の鴎外や漱石は和漢洋の知識を血肉化していた。日本人が精神の豊かさを取り戻すには、そのような一石二鳥の教育を広く推進するほかに道はない。
 
「英語より論語を」という主張もあるが、孔子も漢文訓読体と英訳とあわせて教えるがいい。しかし日本人のアイデンティティーをそなえた洗練された世界人の養成には、日英両語で紫式部を読ませるが一番だ。雅(みやび)な古典文化を解する人ならば世界のどこに出しても位負けすることはないだろう。(東京大学名誉教授・ひらかわ すけひろ)

                      産経ニュース【正論】

◆福岡八女茶 今年も届いた

毛馬 一三



筆者の家では、食事後や折を見て八女茶を毎日欠かさず、10杯以上常飲している。祖母の実家が福岡県八女郡の八女茶(元は星野茶)の茶園だったのが縁で、子供の頃から八女茶の煎茶や玉露を嗜んできた。

その嗜みはいま尚継続しており、5月の一番茶の時期になると、八女茶生産元の祖母の実家から、注文した1年分の八女茶の煎茶と玉露が送られてくる。

今年早くも、「特選煎茶」が20本届いた。1年分だ。

早速、今年の「特選新煎茶」の味わいを試みた。

70度位に冷ましたお湯をゆっくりと茶葉を入れた急須に移し、3〜4回ゆるりと左右に回したあと湯飲みに注いで飲み始めると、筆舌に尽くせないまろやかな風味と甘み、それに他所の茶より濃い味が口内に広がり、至福の瞬間がやってくる。

しかも茶に含まれるカテキンの成分が、抗ガン作用と抗微生物作用に効果があることが広まってきたことから、健康維持のためこの八女茶嗜みの習慣を続けている。

八女茶以外に全国には、下記のような有名な茶の生産地がある。

<愛知県(三河茶)、茨城県、(奥久慈茶、猿島茶)、鹿児島県(かごしま茶)、京都府(宇治茶)、岐阜県(美濃茶)、熊本県(肥後茶)、高知県(土佐茶)、埼玉県(狭山茶)佐賀県(嬉野茶)、滋賀県(近江茶)、静岡県(静岡茶)、長崎県(彼杵茶)、奈良県(大和茶)、三重県(伊勢茶)、宮崎県(日向茶)、がある>(日本茶博物館www.kaburagien.co.jp/museum/museum/index.php - 14k -)

京都府(宇治茶)、佐賀県(嬉野茶)、静岡県(静岡茶)、長崎県(彼杵茶)、奈良県(大和茶)は過去に飲んだことがあるが、それなりに芳醇で美味な緑茶だったという印象と思い出がある。

ところで下記のような記述の本が出ていた。これには目を惹かされた。

<緑茶を1日に7杯分ほど飲むことで、糖尿病になりかかっている人たちの血糖値が改善することが、静岡県立大などの研究でわかった。健康な人で緑茶をよく飲んでいると糖尿病になりにくいという報告はあるが、高血糖の人たちの値が下がることを確認した報告は珍しいという。

血糖値が高めで、糖尿病と診断される手前の「境界型」などに該当する会社員ら60人を対象に緑茶に、含まれる渋み成分のカテキンの摂取量を一定にするため、いったん入れたお茶を乾燥させるなどして、実験用の粉末を作製。

これを毎日、湯に溶かして飲むグループと、飲まないグループに無作為に分け、2カ月後の「血糖値」を比べた。

平均的な血糖値の変化を、「Hb(ヘモグロビン)A1c」という指標でみると、緑茶粉末を飲んだ人たちは当初の6.2%が、2カ月後に5.9%に下がった。

飲まなかった人たちは変わらなかった。飲まなかった人たちに改めて飲んでもらうと、同じように2カ月間で6.1%から5.9%に下がった。

2グループで体格や摂取エネルギーなどに差はなく、緑茶からのカテキン摂取量が血糖値に影響したらしい。1日分の緑茶粉末は一般的な濃さの緑茶で湯飲み(約100ミリリットル)約5杯分のカテキンを含み、緑茶粉末を飲んだ人では普通に飲んだ緑茶と合わせ1日に約7杯分のカテキンをとっていた。

研究の中心で、今春に静岡県立大から移った吹野洋子常磐大教授(公衆栄養学)は「運動などの生活習慣改善とともに、食事の中で積極的に緑茶を取り入れてほしい」といっている>。(以上)

前記の様に、カテキンが抗ガン作用に効果が在ったり、良質な緑茶から抽出されたポリフェノールはビタミンEの10倍、ビタミンCの80倍というすぐれた抗酸化力を持っているといわれているが、緑茶僅か7杯の飲料で、高血糖の人たちの値が下がることを確認した報告には驚かされた。

筆者の周りで糖尿病の一歩手前で悩んでいる先輩知人が、最近多い。緑茶7杯で高血糖の人たちに効き目があるというなら、早速緑茶の常飲を勧めよう。お茶の嗜みは、心の安らぎも導いてくれるからだ。   (了)

2016年04月29日

◆怖くて誰も働かない支那

平井 修一



ジャーナリスト・野嶋剛氏の記事を初めて読んだ。経歴を見てちょっと驚 いた。

<1968年、福岡県生まれ。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大 学・台湾師範大学に留学。1992年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・ア モイ大学留学の後、2001年からシンガポール支局長。その間、アフガン・ イラク戦争の従軍取材を経験する。政治部、台北支局長(2007-2010)、国 際編集部次長、AERA編集部などを経て、2016年4月からフリーに>

48歳で独立ホヤホヤ・・・朝日は「2020構造改革計画」の具体化に向け、 組織や要員、事業の見直しを進めていく」そうだが、このリストラの影響 で野嶋氏は辞職したのかも知れない。

氏の論考『「獲得感」なき「獲得感」――官製流行語が示す中国格差社会』 (ニューズウィーク4/25)から。

<習近平指導部の登場とともに党や政府への批判を戒める「七つの"言わ ない"(七不講)」の導入や、改革派新聞の「南方周末」が厳しい介入を 受けた問題などを境に、急激に中国のメディアは元気がなくなり、報道も 面白くなくなって、党幹部へのよいしょ記事が増え、部数は減って広告も 取れなくなり、有能なライターや編集の人材は流出、廃刊や停刊も相次い でいる。

そういうこともあって、このところ中国のメディアをちゃんとウオッチし なくなっていたので、流行語や新語には昔ほど詳しくなくなっていた。こ の「獲得感」という妙な造語に気づいたのも、香港の「亜洲週刊」という ニュース週刊誌が記事のなかで「こんな言葉もある」と小さく紹介してい たからだ。

この「獲得感」という言葉、実は2015年に中国の流行語ランキングの一位 になっている。中国では、日本語以上に流行語が持っている社会的影響力 は大きい。日本の流行語はたんなるお楽しみの域を出ないが、中国の流行 語は社会の変化や動きを真っ先に分かりやすく伝播させる役割があり、中 国ウオッチのなかで流行語ウオッチは立派な一つのジャンルであると言う ことができる。

しかし、知っておかなくてはならないのは、中国の流行語には、二種類あ るということだ。一つは「官製流行語」、もう一つは「民製流行語」である。

中国の流行語で最も権威ある認定元は、季刊で語学系の記事を専門に扱う 「咬文嚼字」という雑誌である。その「咬文嚼字」が2015年12月に発表し た「十大流行語」によれば「獲得感」がトップを飾った。この「獲得感」 こそ「官製流行語」の最たるものだ。

習近平氏が、2015年2月27日、中央全面深化改革領導小組第十回会議で、 「改革の方法について、金の含有量を十分に示し、人民の群衆にもっと多 くの獲得感を持つようにしなくてはならない」と語り、その口火を切った。

「金の含有量」とは、「実際に手にする儲け」のようなニュアンスであ る。「官製流行語」とは、このようにたいてい指導者や政府や意図的に広 めようとして使い始め、メディアが繰り返し引用し、やがて民間レベルに 普及するというプロセスをたどる。

中国での解釈によれば、獲得感と幸福感の違いは、現実において何らかの 利益があるかないかの違いに基づくという。幸福感は生活が安定したり、 家庭が円満だったりすることによるものだが、獲得感は何か具体的なもの が手に入ることから生まれる。幸福感のように中身があいまいではなく、 得たものの価値を実際に量れるもので、新しい消費や生活の改善にも結び つくものだという。

指導部の言いたいことは分かる。改革の「紅利(メリット)」が国民すべ ての層に行き渡るように、ということを実現したいのだ。その指し示すも のは、絶望的なほどの貧富の格差、持つ者と持たざる者の不平等が蔓延す るなかで、「私も何かを手にしている」と人民に感じてもらわないと、改 革開放の正統性、共産党指導の正統性が、疑われてしまうことを恐れてい るのである。

獲得感という言葉が「官製流行語」の限界を超えてもし中国社会に広がる とすれば、それは、富の分配に共産党指導部が成功した、ということにな る。逆に広がらなければ、それは問題が解決していないということと同等 であろう。

そして実際のところ、現状では獲得感という言葉は人民の支持をそこまで 「獲得」していないので「獲得感なき獲得感」になっていると言えよう> (以上)

氏は勧奨退職だろうから退職金も「獲得感」があったのかもしれない。子 供がいれば今年あたりに大学だから、最低でもあと10年くらいは働かなく てはならないが、ライター稼業一本で食うのは大変だ。奥様も働いている のかもしれない。

さて、その支那だが、相変わらず不景気のようだ。加藤嘉一氏の論考「中 国共産党の反腐敗闘争が経済改革にもたらす逆効果」(ダイヤモンドオン ライン4/26)から

<昨秋、米国から北京に拠点を戻して以来、特に地方自治体の党・政府組 織と地元企業との関係に注目してきたが、その過程で私が継続的に痛感し ていることが、まさに反腐敗闘争が経済成長・改革に与えるネガティブな 影響、特に成長や改革の実働部隊である経済官僚らの事なかれ主義や、企 業家も含めた社会全体に広がる無作為主義、すなわち「今は何もしないの が最も安全」という集団的な意識であり、風潮である。

官僚は「次に摘発されるのは自分かもしれない」という恐怖から積極的に 政策を立案したがらない。政策を立案するとなれば、特にインフラプロ ジェクトなどを履行する場合には、必ずと言っていいほど地元企業や社会 との癒着関係が生まれる。

その過程で賄賂をはじめとした不正が発生するのは中国では“ある意味”当 たり前であった。「腐敗は文化」という風潮である。その中には、「汚職 は成長を生む」という意識さえ横たわってきたように思える。

「何か事業をやりたくても、党・政府と話を進める過程で捜査の対象にな るのが怖くて何もできない」

北京を拠点とする某建設会社の社長が私に語ったこの言葉は、多くの企業 家の共通認識であるように聞こえる。経済官僚だけでなく、企業家たちも 反腐敗闘争の“とばっちり”を受けるのが怖くなり、何もしたがらないので ある。

以前、広東省のある政府官僚が私に語った言葉ほど、中国における腐敗と 経済、汚職と成長の関係を赤裸々に表しているものはないと感じている。

「役人と商人が結託すれば必ず汚職が発生する。ただ、汚職の中でプロ ジェクトが生まれる。プロジェクトの中でGDPが上向く。汚職なき成長は なしだ。

しかも、中国におけるすべての役人は下心を持って組織に入っている。こ れだけ給料が低い中、少しの汚職もできずして、誰が好んで役人などにな るか。役人は汚職をするからこそ頑張るのだ。そんな意識が結果的に、国 家の成長や改革を生むのだ」>(以上)

支那人の生き甲斐は、古来より蓄財蓄妾美酒美食であり、これがニンジン (報奨)、エンジンになっているから皆バンバン働いてきたわけだ。この 生き甲斐を奪われ、下手するとパクられるというのではやる気が失せる。

国有企業改革、最終的には首切りになるが、担当者はかなり恨まれること になるし、下手すれば殺されかねない。賄賂という「獲得感」もないし、 現場としては当然ながらやる気なし、やりたくない。結局ずるずると引き 延ばすだけだ。

つまりは経済はひたすら低迷するだけだ。習近平、汚職狩りが続く限りは V字回復は夢のまた夢だろう。 (2016/4/28)


        
     

◆友と語らん鈴懸の径

渡部 亮次郎



標題は戦時中の昭和17年、ハワイ生まれで一時帰国したまま帰れなくなった日本人灰田晴彦が作曲した曲に新聞記者出身の作詞家佐伯孝夫が詞をはめ込んだ。『鈴懸の径(すずかけのみち)』として晴彦の弟勝彦が囁くような歌い方で歌った。

「友と語らん 鈴懸の径 通いなれたる 学舎(まなびや)の街。やさしの小鈴 葉かげに鳴れば 夢はかえるよ 鈴懸の径」

「新版 日本流行歌史 (中)」によると「間もなく学徒動員令が下り、出陣の学徒は万感の思いを込めてこの歌を歌った」とあるが、広辞苑によればそれは「学徒出陣」である。

「太平洋戦争下の1943年、学生・生徒(主として法文科系)の徴兵猶予を停止し、陸海軍に入隊・出征させたこと」とある。学徒「動員」なら勤労動員といい国内の軍需工場などに中学生(旧制)以上のほぼ全員がかりたてられた。私は小学校(国民学校)だから行かなかった。

戦後になって灰田の母校立教大学構内に鈴懸の並木路が出来たらしいと聴いたがまだ見ていない。大変なこじつけもあったものである。

ところで鈴懸の木はプラタナスが元々の名前である。種類が10種ある、とされている。

スズカケノキ科で、落葉高木である。街路樹または庭園樹として広く植えられている。バルカン半島からヒマラヤまでの温帯に分布し、紀元前からすでにイタリアに入り、16〜17世紀にはフランス、イギリスでも街路樹に用いられたという。

日本には明治初め(たしか明治2年)に渡来し,小石川植物園に植えられた。その果が、山伏の着る篠懸の衣に付く房の形に似ているところから、その和名がついたという。

日本で最も多く植栽されるのはモミジバスズカケノキ。本種とアメリカスズカケノキの雑種といわれ、樹皮は灰緑色で鹿の子まだらにはげ,葉の切れ込みは両種の中間で全形がカエデの葉に似る。

スズカケノキの仲間は、やせ地や低湿地でもよく生長し、公害に強く、刈込みにも耐えるので,世界の温帯で広く植栽される。日本でもプラタナス(英名plane tree)と総称して明治40年ごろから挿木で広がり始め、今日各地で街路樹としてはイチョウと並んで最も多く用いられている。材は強硬で、原産地では家具や器具材にも利用される。

私が毎日の散歩コースとしている恩賜公園の北部広場には鈴懸の大木がならんで12本植わっている。公園の完成が昭和50年代だから既に30年以上経っているが、今度おそらく初めて剪定の手が入った。

埼玉県ナンバーの車に乗った造園業の作業員3人が3日かかって大小の枝を殆ど切り落とした。なんだか髭もじゃのルンペンが子供の裸ん坊に変身したみたいにすっきりした。

そういえばこの公園での散歩も10年以上になるが、木々の剪定はあまり見たことがなかった。それが昨年5月に何百株の皐(さつき)を開花寸前にばっさり剪定。

秋にはあちこちの垣根をすべて剪定。おかげで公園は見通しがとても良くなった。東京都がこうした非生産的なことに予算を割く事は随分、文化と言うものに配慮したことであって、或いは知事どのの文化レベルを示しているのかな、と思ったりする。
参照:世界大百科事典 エンカルタ事典
 

◆古代大和への玄関港 泉津

白井 繁夫


本誌でこれまで「木津川」の南岸(東西2.6km)に亘る古代泉津(いづみのつ)の上津(こうづ)遺跡、中津道周辺の散策を綴ってきましたが、今回は、下津道「吐師(はぜ)の浜」周辺に触れてみます。

万葉集に詠われている「木津川」は「泉川」として登場します。そこで古事記、日本書紀(以後『記紀』と云う)に出て来る「木津川」と、古代当地の人々との関わりを連想してみたいと思いのままに、下記に綴ってみました。

まずは、元々「木津川」の呼称だった、「和訶羅川」に触れます。
 
(記)によると、

@地形から、「木津川」は三重県上野から木津へ東から西へと流れて来て、泉津で流れが転換し、大きく湾曲して北の宇治(京都)に向かい、下流側は広々とした河原になります。その地形から、曲(わ)河原(かわはら)川を「和訶羅川」(わからかわ)と云うのです。

A武埴安彦の反乱伝承から、崇神天皇時代大毘古命の政府軍と武埴安彦の反乱軍が和訶羅川で対峙して相挑み戦った歴史があることから 伊杼美(いどみ)から伊豆美(いづみ)となり、「泉」となるのです。

(紀)輪韓河(わからかわ)というのはー。

  「木津川」の水路を利用して多くの渡来人がこの地に住み、帰化して、漢字や技術などを伝えたり、人の往来と共に文物の交易も興しています。 倭(大和)韓(韓三国)河 即ち、大陸、朝鮮半島を繋ぐ水路だったのです。

上述のように、記紀の表現から、古代のこの地とここの人々の営みを、こんな風に連想したくなります。

記紀に出てくる当地「吐師(はぜ)と相楽(さがなか)」について触れます。

「吐師の浜」は、古代大和への下津道の起点で、交通の要衝でした。従って「泉津」での、大和朝廷成立に繋がる各地の王との覇権の戦い、大陸との交流などなどが、記紀に登場しています。

ところで・・・(紀)によると、

<欽明天皇31年(570)4月条と7月条から、越(北陸)の岸に漂着した高麗(高句麗)の使者を迎える為、「山背(やましろ)国相楽郡に、館(むろつみ)を建て、厚く相資(たす)け養え」...とされています。つまり4月条によると、「欽明大王の時代に大和の王権が安定したとされているのです。>

更に<7月条によると、許勢臣猿(こせのおみさる)と吉士赤鳩(きじのあかはと)を使者にたて、飾船(かざりぶね)で近江へ「往ぎ迎」え「高楲館(こまひのたち)に入らせ、高麗の使者を相楽館(さがらのたち)で接待したとなっています。 

序でながら、(記)垂仁紀15年条(相楽伝説)によりますと、

丹波道主(たんばのみちのぬし)王の四女王の物語から、懸木→相楽、輿から墜ち→乙訓の地名伝説とともに、相楽は、当時の丹波(山陰道)・西道(山陽道)・北陸道(越の国)等と繋がる、交通の要衝であったと推察できるのです。

さて、「吐師七ツ塚古墳群」に話を移しましょう・・・。

五世紀の古墳時代、応神大王、仁徳大王の河内王朝が各地の小国の王の前方後円墳の規制を掛けており、南山城の墳形規制は、久世の平川王家に支配されていました。

「吐師の七ッ塚古墳」は、近鉄京都線木津川台駅の北西約500m府道八幡.木津線沿の中島外科の裏側「西北」にありますが、昭和の道路工事などで「1号・2号墳」は破壊され、「3号・4号・5号墳」は現存していますが、その他の墳墓は原型を留めておりません。

「2号墳」が昭和3年の道路工事で発見され調査された際、遺物の中に木棺直葬(長さ3m前後)で埋葬されており、副葬品などから5世紀第U四半期の古墳と推測されました。

現存する「4・5号」は形状より帆立貝式古墳で、出土品等から5世紀後葉から6世紀前葉と推測される為、「吐師」の首長(王)は長期安定的政権を続け、大和の大王と交流していたのではないかと、専門家でない私は昔のロマンを追いたくなります。

そこで「吐師の浜」のことです・・・。

近鉄京都線山田川駅から東北へ約1km、木津川台駅の南東、山田川と藤木川が「木津川」に合流する吐師の東部の辺りです。昭和28年の南山城の大水害で、「木津川」の堤防工事を(木津の浜同様)行い、現在は二重の高い堤防を築いた為、浜の面影はありません。

合流地辺でたまたま出合った老人の話によると、この「木津川」は、昭和十年頃まで帆掛け舟が行き交い、活動写真の撮影場所に最適でしたが、電信柱が建ち、堤防も変わったので、現在は京都八幡の流れ橋辺りに撮影場所が移ってしまい残念、と嘆いていました。

ところで、実に興味深い話題があります。

十八世紀の貝原益軒の紀行文(和州巡覧記)によりますと・・・。

<柞森(ははそのもり)「祝園村」と大和の歌姫村をつらねる郡山街道の中間を、「扼」(やく)としている。

そこには約20軒の荷物問屋があり、淀川、「木津川」を遡行して、大坂、京都からの船荷の米、塩、油粕、干鰯(ほしか:肥料)、荒物をここで下し、牛馬にて大和郡山や南都へ運んだ。大和の産綿などは、「木津川」を遡行して尾張国へ運ぶ>と記されています。

吐師の武田家古文書では、享和2年(1802)の木津浜、吐師浜の船持と船株について、

     船株   船数   渡船  合計船数
◆木津   22   41   10   51
◆吐師    9   26    0   26
と記されています。

江戸時代の「泉津」(木津の浜、吐師の浜)に属する船数や株数から当時の浜の状況も想像できます。当時の問屋の子孫で、今も吐師に住んでいて問屋と地元で呼ばれている屋敷は(昔の船問屋、油問屋など)“数軒”だけになったと云われています。

ところで、江戸時代当時の「木津川」の船は、十石船(淀川の船は二十石)で、木津川六カ浜に属する船は、淀川、宇治川へ入る荷物、運搬のテリトリーと異なったために、両川へは入れず、結局、木津川沿いへの産物の運搬と他国からの貨物は、木津川沿いや大和へ運び込むことに限られていました。

船株を持つ廻船問屋は、大名、幕府御用品や、災害時等の物資運搬も一手に扱っていました。

しかし、「木津川」を遡行して船荷を運ぶ時、曳舟の綱を陸上から引く人達の苦労は並大抵なものではなく、正に「往きは天国、帰りは地獄」の状態だったでしょう。なんと、それが大正時代まで続いていたのです。 (再掲)

                  (郷土愛好家)


2016年04月28日

◆自衛隊のカレー:災害救助

MoMotarou

「カレーライスは住民の手で。迷彩服は学校に来ないで」
「自衛隊ではなく専門の災害救助隊を」

どうも熊本災害現地の写真のようだ。情の無い日本人もいる。
 http://blogs.yahoo.co.jp/momotarou100/63521139.html

      
恐れ入ったニュースを目にする。あの東日本大震災の時には無かった現象だ。災害を「政権打倒」に利用している。東日本大震災の時、「日本共産党」が今のように活躍していてくれれば菅直人元首相の居座りも無かった
だろう。
 
■マスコミが大きく見せる「日本共産党」
 
明らかに「日本共産党」は「日本破壊革命」を目指している。民進党(民主党)もその影響下に置かれつつある。政府は彼ら「反日赤化革命」になすすべもない様にも見える。マスコミ労組が放送内容にも干渉し出したとの噂もあり注意が必要だ。

彼ら「親アカ」の育った環境はGHQや日教組の支配下のものだろう。また両親が共産党員だったエリートでもあろう。私の受けた教育でも共産主義国は「地上の楽園」みたいな扱いの教科書だった。今でも心や頭の中では「共産主義は素晴らしい」との刷り込み意識が消え去らない。小学教育とは恐ろしいものだ。

■反原発:攪乱工作ー不安の増大・世論の分断
○転載(産経WEB)より
<「原発止めろ」の非常識…停電のリスク高まる 懸命の復旧作業の妨げに。

(中略)ところが、反原発を主張する政党や団体は「電力需要からみても川内原発を動かし続ける必要はない」(共産党国会議員団)、「安全性に強い危惧を有している」(脱原発弁護団全国連絡会)と即時停止を訴える。

首相官邸前では(4月)19日、反原発団体が集まり、原発停止を求め「これ以上リスクを拡大するな」と、危機感をあおった。>

■巡回映画の想い出:洗脳工作

小学校のころにやっとテレビが教室に入った。しかしそれは飾りみたいのだった。年に数回「巡回映画」が回って来て暑い講堂で見た。白黒の作品ばかりで貧しい農村の少年少女のお話が多かった。

ハーモニカが買えない農村の少年に、おばあさんがサツマイモに線を刻み「これで練習せよ」と与えたシーンを思い出す。そんな中、訳の分からない言葉を話す映画があった。勇敢な少年のものだ。登場する子供たちは一様にスカーフを首に巻いていた。理由が全く分からないのだ。顔かたちは私たちにそっくりだ。

途中突然画面がカラーになった。綺麗な「体育館」の場面で少年少女達が首に巻いているのスカーフは「赤」だった。5分ぐらいでまた白黒に。そして少年は「ターザン」並みに服を着たまま湖に飛び込み、水泳選手の様に泳いで渡った。小学生にとっては訳の分からない映画だった。

しかし近年の学習のお陰で、それが「中国共産党」の洗脳映画だったのだと知った。「赤スカーフ」はピオネール少年少女団のトレードマークだった。

学校から「校外学習」で全校生徒が見に行った「モスラ」(怪獣映画)の方が大変面白かった。粋な校長や先生方がいたものだ。ただ「モスラ」にも「ロリシカ国」が登場する。これは核兵器保有国のアメリカとロシアを”捩(もじ)った”物。

1964東京五輪の聖火最終走者が“広島生まれ”というものも、敗戦国の細(ささ)やかな抵抗かもしれない。ついでに終戦時の「ソ連日本侵略」を扱った映画「樺太1945年夏 氷雪の門」が1974年制作されたが公開の前に突如東宝は上映中止に追い込まれた。

■「共産主義は愚民主義」馬淵睦夫元ウクライナ大使

「日本共産党」革命蜂起を狙っているのは間違いない。マスコミや国連を舞台に「女子差別・報道の自由」などを使って、あたかも世界が日本を非難しているような「印象操作」を連続的に行ってきている。背後にはどこかの国がいることは明らかだ。

最後の砦はわが民族に秘められた「民族智」だ。戦後70年間の洗脳教育との対決だ。皇室の存在が戦前と戦後を繋ぐ。東宮が心配だ。妃殿下の実父は土井たか子と組んで「東京裁判史観」を定着させた人物なのだ。

祖国防衛戦は始まっている。庶民は「市民」と戦おう!共産主義に明日はない。

  

◆「損失」なんと8000億円

黒田 勝弘



ジコチュウ体質”が生むドタキャン 見ていて疲れる… 

恥ずかしながら最近まで「ノーショー(NO SHOW)」という言葉を知らなかった。このところ韓国でよく聞くので知った。ホテルやレストラン、旅行業界などで連絡無しに予約をキャンセルすることで、いわゆるドタキャンのことだ。「姿を現さない」という意味でそんな用語が生まれたようだ。

なぜ話題になっているかというと、韓国人にはこれが多くて海外の観光地などで非難の対象になっているというのだ。そこでメディアや関連団体が改善キャンペーンを展開しているのだが、国内でもその被害は甚大で、さる調査によると客商売の各種業界でドタキャンによる損失は年間、8兆ウォン(約8千億円)以上に上るとか。

筆者の経験では、田舎に行く高速バスが窓口では満席なのに実際に乗るときは必ず空席があって乗れる。航空便もそうだ。病院の予約で日時確認のメールがしきりにくるのも、親切と思っていたらどうやらドタキャン防止策だったようだ。

韓国人が予約を守らないのは他人に配慮しない“ジコチュウ体質”のせいだ。レストランでも「お店とともに」という姿勢、感覚が客に足りない。

客が身勝手だから従業員もつっけんどんだ。客同士もお互い配慮がない。みんな敵(かたき)同士みたいで、見ていても疲れる。

産経ニュース【ソウルからヨボセヨ】2016.4.23

◆日中韓が“反トランプ”で3国同盟?

杉浦正章



ヘイトスピーチに不満が募る
 

とかくいさかいを起こしがちな日中韓3国だが、最近ただ一点で共通項が出来てきた。米共和党のトランプ候補への反感の高まりである。元祖・ヘイトスピーチともいうべきトランプの差別扇動発言が極東に向いてきたからだ。


最初は笑って聞き過ごしてきた3国も、ひょっとするとひょっとすると思い始めたのかも知れない。とりわけ中韓両国からは強い反論が出始めており、“トランプ大統領”になったら“反トランプ3国同盟”が出来そうだというジョークまである。


トランプ流に暴言を吐くなら「3国同盟を作ってアメリカを潰してしまう」ということになる。大衆催眠術にかかっている米国有権者は気をつけた方がいい。早く目覚めるべきだ。
 

最近、流行っている論考が、トランプになっても大丈夫説だ。レーガンは大統領選挙中に、「中国と断交して、台湾と国交を持つ」と公言していたが、就任後中国との良好な関係を構築したという見方だ。だからトランプも政権に就けば変わるというのだが、ちょっと違うような気がする。


レーガンは俳優出身だが、もともとバランス感覚は抜群であり、狂犬病の“かみつき犬”のようなトランプとは根本的に違う。米政治学者・ジェラルド・カーティスは「共和党はトランプが本選に進出したら外交専門家をつけるだろう。プロのスタッフも送り込む」とテレビで述べているが、果たして効果が出るだろうか。
 

かみつき犬はかみつき犬であり、スタッフの隙を見てかみつくのだ。ホワイトハウスは何をするか分からない大統領を、8年間24時間見張っていなければならないことになる。


核兵器のボタンを押す大統領が、狂ってボタンを押したらすべてはおしまいだ。そのかみつかれ先は最近極東3国だが、日韓に対しては安保ただ乗り論と、核武装の勧めだ。韓国の核武装について朝鮮日報は次期在韓米軍司令官・ビンセント・ブルックスによる上院軍事委員会での証言を掲載した。「米国の核の傘がなくなれば韓国は自国の安全と独立を守る為に核武装しなければならなくなる」との発言だ。コラムでは「衝撃的なほど無知な外交政策」と酷評している。
 

またブルックは安保ただ乗り論について韓国が人件費だけで890億円負担していることを明らかにして「韓国に駐留しているのと同じ規模の軍隊が米国に駐屯したらより多くの費用が必要となる」と言明した。いわば安保ただ乗り論を裏返せば「米軍による経費ただ乗り論」であり、日本でも全く通用する話だ。


日本の負担は「思いやり予算」として今後5年間に9465億円を払う約束をしている。年間1848億円であるが、それとは別に基地周辺対策費、施設の借料、土地の賃料などを加えると年間なんと6710億円の支払いとなる。ちょっとアバウトだが、トランプでも分かるように四捨五入すれば年間1兆円だ。米軍が世界一の規模を維持出来るのは、この「経費ただ乗り」があるからに他ならない。まさにトランプは安保でも「衝撃的な無知」を地でいっているのだ。
 

カーチスは「トランプが大統領になっても対日政策は変更させないが、中国の方が大変だ」とのべているが、その中国はというと確かに大変だ。トランプは「北朝鮮問題を解決しなければ中国を潰してしまえ」と発言したが、環球時報は「トランプ氏の当選は大規模テロに匹敵する」と酷評した。


読者は「頭のおかしいヤツに大統領になって欲しい。米国への罰だ」と反応している。さらにトランプは「大統領に就任した初日に中国を為替操作国に認定する」「中国製品に45%の関税をかける」などと致命的な経済制裁に言及した。


これに対しては財政相・楼継がトランプを「非理性的なタイプ」と批判し「米中は相互に依存していることを認識すべきだ。両国の景気サイクルはつながっている」と警告した。環球時報は「世界経済の毒針だ」とうまい表現を使った。
 

日本の経済攻勢批判に到ってはまさに時代錯誤の極みだ。年を取ってぼけてくると若い頃うけた強烈な印象で物を言う癖がつくが、日本のバブル時代にトランプは自ら狙いをつけたニューヨークの数々の不動産を、日本企業に横取りされた原体験が忘れられないと見える。日米貿易摩擦時代の視点で物事を見ている。1970年代から90年代にいたる日米摩擦を今語っているのだ。


今や日本車は米国内生産だ。3国ともヒラリーが大統領に当選して欲しいという空気でも共通している。
 

こうした中で米国で絶えないのがそのヒラリーがトランプを擁立したという途方もない臆測だ。タブロイド版ではなくワシントンポストやBBC、CNNなど大手マスコミが昨年からことあるごとにこの陰謀説を報じている。


もともとトランプはクリントン夫妻とも親交を重ねてきており、ビル・クリントンとはゴルフを共にする仲だ。そこからクリントンがトランプをおだて上げ、共和党から出馬させて、同党を大混乱に落とし入れるという説がまことしやかに語られている。いわばクリントンがトランプをトロイの木馬に仕立て上げたという説だ。よくできた話だが、ことは筋書き通りに運んでいるから面白い。
 

結局民主党はクリントンが候補になることが確定的となった。共和党はトランプ優位であるものの、指名獲得に必要な全米の代議員過半数1237人に到達するには、テッド・クルーズとの接戦が予想される5月3日のインディアナ州予備選などでの勝利が必要とされている。


とにかくこんなに面白くてスリルのある大統領選はかつて見たことがないが、結局は米国の良識が勝つだろう。本選挙の動向予測の世論調査では依然としてクリントンの方がトランプより強い。

【筆者より】明日から連休に入ります。再開は5月10日。

       <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)