2016年08月31日

◆世界大乱の兆しあり

宮崎 正弘 

<平成28年(2016)8月29日(月曜日)弐 通算第5009号 > 

世界大乱の兆しあり

  ▽
南シナ海における中国の軍事覇権をねらった大胆な行動、7つの岩礁の不
法占拠ならびに軍事施設建設に対して国際仲裁裁判所は「九段線など中国
の主張に歴史的根拠はない」と最終判断を示した。

提訴したフィリピンは漁民の利益を守るためにも「受け入れる」とした
が、中国は開き直り、「あんなもの(判決)は紙くず」と放言し不法占拠
を続ける。アセアン諸国のうち、領有権を争うブルネイ、インドネシア、
マレーシアを沈黙させ、残る対立国家はベトナムだけ。ラオス、カンボジ
アとタイは中国のロビィ活動に籠絡されてしまった。それというのも日本
があまりにも頼りないからである。

しかし習近平のパラノイア的軍事路線を危険と判断した米国は、ソフト路
線を後退させ、軍事的対決へ舵を切り替えた。

8月に入るや、中国は尖閣諸島の海域へ海監の艦船ならびに漁船を二百数
十隻も送り込んでの武嚇行為。まったく反省など見あたらない。そもそも
中国高官は国連の場において「尖閣は日本が盗んだ」などと放言を繰り返
しているのである。

こうなると南シナ海に大乱の兆しがある。

そればかりではない。米国では「アメリカファースト」を獅子吼するトラ
ンプが共和党の大統領候補に正式に撰ばれ、TPP反対、グラス・ス
ティーガル法復活、メキシコとの国境の壁をつくりイスラム不法移民の排
撃など「反グローバリズム」を掲げた。

これはオバマ政治の否定である。
 
また政敵ヒラリー・クリントン女史への攻撃はもっと凄まじく、彼女の国
務長官時代から「死、破壊、テロリズム、衰弱」が始まったのだと非難
し、ニクソンのような「法と秩序」の恢復を力説した。

時代は冷戦構造にもどりそうな気配で、予期せぬ出来事の嚆矢は英国の
EU離脱だった。このことで弾みがついた全欧の保守政党は大躍進を遂
げ、リベラル派が集まるEU議会を困惑させている。

つまり移民排斥というナショナリズムの勃興が続き、他方でトルコは近代
化路線の軍事クーデターが失敗して、むしろエルドアンのトルコは独裁的
なイスラム化路線に復帰しようと西側に背を向けた。

8月9日にはエルドガン大統領がロシアへ飛んでプーチンと握手し、お互
いの経済制裁を解除した。

「このロシアとトルコの結束はEUに取って悪夢」(ボイル前スエーデン
首相)。あまつさえサウジとイスラエルの米国離れが激しく、こうなると
南シナ海に西側列強はかまけてはおられなくなってきたのである。

近未来はたちまち怪しくなり、国際情勢は奇々怪々。

とくに台湾と同様な親日国家であるトルコが建国の父ケマル・アタチェル
ク以来の世俗イスラム路線を転換し、EU諸国に背を向けてロシアとの絆
を強めることは新しいグレート・ゲームの始まりを意味する。

こうした列強の大混乱をチャンスとみる習近平は、権力掌握と国内の不満
をそらすために戦争に打って出る危険性が高まった。
 これから世界大乱が予測される。

◆臓器ビジネスと焼身自殺

伊勢 雅臣



法輪功信者などを数万人単位で逮捕しては、死刑囚として「解体」して臓
器を取り出し、臓器移植を希望する人に売りつける、という「臓器ビジネ
ス」が中国では行われていました。

一方では、チベットでは、中国の弾圧に抗議して、焼身自殺した人々が百
人を超えています。

こういう中国の人権犯罪を報道しない日本のマスコミは、その犯罪に荷担
し、かつ我々の子孫がその被害者となる道を推し進めています。


■野村旗守「『臓器狩り』の闇」「正論」H28.1

2015 年4月、中国の臓器売買を扱ったドキュメンタリー映画『人間狩り
(Human Harvest)』が米放送界の名門、ピーボディ賞を受賞した。・・・

国際調査による数々の証拠を提示しながら、中国が国家ぐるみで受刑者の
生きた人体から臓器を抜き取っている現実を指摘した。

06 年4月20日、ワシントンDCで開かれたシンポジウムでアニーと仮称す
る中国人女性が衝撃的なスピーチをおこなった。

「うちの病院で手術された信者は、腎臓や肝臓などの臓器が摘出され、皮
膚が剥がされると、後はもう骨と肉ぐらいしか残りません。そういった遺
体は、病院のボイラー室に放り込まれました」

アニーの元夫は、2年ほどのあいだに2千人ほどのドナーから角膜の摘出手
術をおこなった。そのたびに月給の何十倍もの現金が支給され、彼女の元
夫は通算で数十万ドルの現金を手にしていたとアニーは言う。

角膜以外に摘出される臓器は、心臓、肝臓、腎臓が多かった。たとえば肝
臓なら、摘出された臓器は約20 万元(約300万円)でレシピエント(患
者)に移植されていた。

囚人の健康状態、血液型、細胞組織形態などを精査し、適する臓器提供者
を見つけては、旅行者の滞在期間中に刑を執行する。これはすなわち、需
要のために人を殺す、オンデマンド殺人だ」『国家による臓器狩り』自由社)

この「オンデマンド殺人」の“恩恵”を、じつは日本人も受けていた。04
年と05年の2年間に、計108人の日本人が訪中して腎臓や肝臓の移植手術を
受けていたことが、これを斡旋していた日本人コーディネー夕ーの証言で
わかった。この人によれば、日本国内ではドナーの数が少ないため、待ち
きれないレシピエントが最大の臓器提供国である中国に渡航していたのだ
という。

移植手術は北京、上海、瀋陽の有名病医院で施術され、費用はアメリカの
十分の一以下で済んだ。別の関係者は「日本人を含め、中国で手術を受け
るための移植ツアーは07、08年を最後に、現在おこなわれていない」と語る。

中国共産党は2015年には死刑囚からの臓器提出は止めると表明したが、額
面通りに受け止めている人は少ない。


■三浦小太郎「話題の書『チベットの焼身抗議』の警告」、「正論」H28.1

2012年1月6日、四川省ンガバ(中国側の統治区域名を使えば、ンガバ・チ
ベット族・チャン族自治州)の路上にて焼身抗議を行った22 歳の青年、
ロブサン・ツルテイムの遺書

「1958年、中国により侵略された後、100万人以上の人々が殺され、僧
院、宝物、家々、そして文化が破壊され、すべての国と個人の貴重な財産
は奪われ、チベット人の第一の精神的よりどころであるダライ・ラマ法王
は亡命を余儀なくされ、リーダーたちも亡命したり、獄に投げ入れられた
りした。そして今、常軌を逸した『愛国再教育』が僧院で行われている。
これは如何なるチベット人も受け入れることができないものである」

婦人ドルカル・キは2012年8月7日に焼身抗議を行ったが、中国当局は、妻
の焼身は抗議ではなく家庭内不和にあったという書面にサインすれば見返
りに金を与えようと持ちかけ、きっぱりと拒否した夫サンゲ・ドウント
ウップはその一週間後に連行され行方不明となっている。

2009年2月に始まり、本書が書かれた2015年8月1日まで、焼身抗議は47人
におよび、うち123人が死亡している。

チベット人の焼身抗議は絶望から行われているのではない。自らの犠牲を
通じて、世界がチベットの現実を知り行動することへの希望こそが焼身抗
議の原点なのだ。


◆蘖(ひこばえ)知ってる?

渡部 亮次郎

少年の頃、実家はまだ囲炉裏だったし、炊事はすべて薪に頼っていた。だ
から春になったら里山での柴刈りに動員されたものだ。何年も前に刈った
柴の根元から生えた新しい芽を鉈で切り取る作業である。

やがて上京して大学に入った。その頃から実家でも燃料はプロパンガスに
なり暖房は石油に代わったから、山での柴刈りのことはすっかり忘れていた。

最近、散歩する都立猿江恩賜公園では、昨年秋、直系30cmぐらいに育っ
た植木を何本も伐採した。ところが新しい春とともに切られた株のねもと
から横へ新しい芽が吹き出した。これを蘖(ひこばえ)と呼ぶ。

子供のころに里山で刈っていた柴もあれはじつは蘖だったのだ。

蘖(ひこばえ)とは、樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のこと。
(以下「ウィキペディア」による)。

太い幹に対して、孫(ひこ)に見立てて「ひこばえ(孫生え)」という。
春から夏にかけて多く見られるが、俳句では春の季語となっている。

森林伐採の後、切り株からの蘖によって新たな森林ができるようにするこ
とを萌芽更新という。かつての里山はこれによって維持された。カシ類な
どは種子からの株は単独の茎をまっすぐに立てるが、切り株からでた場合
はやや斜め、切り株から外向きにでることが多い。

芽が大きな木にまで成長する頃には切り株自体は枯れて腐って消失する
が、わずかに間を開けて複数の幹が、それぞれやや外向きに伸びていれ
ば、その内側に切り株があったのだと分かることもある。

幹を切らなくても、環境悪化などによって主茎が弱った場合などには蘖が
多数でることがある。

◆稲田は民主政権の時限爆弾に近寄るな

杉浦 正章



南スーダンで「戦死者」を出す愚挙
 

親しい自衛隊元幹部が筆者に「我が国防衛のための戦死ならともかく、地の果てのアフリカまで行って戦死では隊員は浮かばれませんよ」と漏らした。いま自衛隊が防衛相・稲田朋美の命令により駆けつけ警護と宿営地の共同警護などを前提にした新任務の訓練を始めている。


内戦状態になっている南スーダンで、新任務を遂行すれば確かに隊員は戦死を覚悟しなければならない。戦後初の戦死者が出る危険がある。1人2人なら稲田の首が飛ぶくらいで済むが、多数の死傷者を出した場合内閣を直撃する可能性が高い。息も絶え絶えの反戦論者を勢いづかせる。民主党の野田佳彦政権が深く考えもしないで自衛隊派遣という時限爆弾を置き、それが爆発しかねない状況なのだ。


稲田は9月中旬に南スーダンを訪れ現地視察する方針のようだが、現場の実態をよく把握して判断すべきだ。

 
南スーダンは日々緊迫感を増しており、国連は国連平和維持活動(PKO)のための軍隊4000人の増派を決め合計1万7000人近くが活動に当たることになる。日本政府は12年1月から陸上自衛隊施設部隊を順次派遣し、首都ジュバで道路建設などのインフラ整備にあたっている。規模は350人であり、その交代時期が11月に到来する。それを機会に、稲田はその派遣部隊に昨年成立した安保法制に基づき、実戦訓練を行うように指示したのだ。


しかし、防衛にど素人の稲田は南スーダンでの駆けつけ警護が何を意味するか分かっているのだろうか。「部隊の派遣準備訓練を始めます。この訓練は平和安全法による新たな内容を含むことになります」 といとも簡単に言ってのけたが、テレビで見る限り官僚の作文を口写しに言っているだけで、分かっている風には見えなかった。

いまのところ訓練はするが、現場で実施するかどうかの判断は派遣直前になる可能性が高い。いわば政府は稲田に観測気球を上げさせて世論の反応を見る動きに出たのかも知れない。最終的には首相・安倍晋三が判断することになろうが、やめた方がよい。


なぜやめた方がよいかを説明すれば、簡単に言えば自衛隊員を戦死させ、国内政局を直撃させるほどの戦いをする“義理”は日本にないからだ。そもそも南スーダンに軍隊を派遣している国は、国連の支払う外貨目当ての発展途上国ばかりである。内乱が自国に及ぶことを警戒する周辺国が多く、加えてインド、モンゴル、ネパール、バングラデシュ、韓国、中国などであり、その「外貨」はどこの国が出しているかと言えば、世界第2位の分担金を支払っている日本が大きく貢献していることになるのだ。


G7で派遣している国はゼロだ。旧宗主国のイギリスですら敬遠している。なぜかと言えば、アフリカにおける泥沼の内乱状態を知り尽くしているからだ。触らぬ神にたたりなしとばかりに見て見ぬ振りをしている。


日本は先進国から出している非常にまれな例である。野田政権がなぜ出したかといえば、事務総長・潘基文から頼まれたからのようだが、ろくろく政府部内で議論もせずに決めてしまったのだ。将来自衛隊に戦死者が出るなどということは考えが及ばなかった模様だ。なぜなら安保法制が成立したのはその後であり、実際、日本は“別格”として、前線には出ずに「お客様扱い」(自衛隊幹部)されているのだ。


野田が派遣した根底にはアメリカに135億ドルもふんだくられて、全然評価されるどころか侮辱された湾岸戦争のトラウマが依然残っている。このトラウマが、こともあろうに泥沼の南スーダンまで自衛隊を行かせたのだ。


当時、防衛省は現地の治安を不安視して消極的であったが、国連平和維持活動 (PKO) 参加を外交カードとしたい外務省が押し切った経緯がある。しかし、外交カードは国連分担金だけで十分だ。これまでの自衛隊のPKO活動の中でも最も過酷なカードを切っても、ろくろく評価されていないではないか。

 
散発的にゲリラが出る状況ならまだしも、稲田は内戦と言ってもよい状態の国にのこのこ派遣して、戦後初の戦死者が出かねない軍事行動を本気でさせるつもりなのだろうか。いくら右寄り思想でもそれはやり過ぎではないか。反政府勢力は何と10歳そこそこの少年兵に武器を持たせて戦わせている。1万3千人はいる反体制派の少年兵を相手に戦うことになりかねないのだ。


自衛隊員は自分の息子のような少年兵に銃を向けて引き金を引けるのだろうか。それとも少年兵でも引き金を引ける訓練をするというのか。自衛隊が行う戦後初めての戦争は「子供の戦争」になるのか。スジの悪さにおいては札付きの場所である。

 
元陸上自衛官の参院議員・佐藤正久は「自分の部隊が道路整備中に襲われ、助けてくれと言う無線が入っても今は助けにいけない」 と、安保法制実行の必用を説くが、まず第一にその危険があるところで道路整備などする必要も義理も無い。また正当防衛は認められており、反撃すればよいのだ。「日本の民間人が助けてくれと言っても助けられない」というが、はっきり言ってリスクを承知で商売する方がおかしい。


要するに外貨目当ての1万7千人ものPKO国連部隊が、治安に当たるのだから、350人の自衛隊が“出る幕”をあえて作る必用がどこにあるかということだ。過ぎたるはなお及ばざるが如し。後方で書類整理でもさせるか、早期撤退を検討すべき時だ。

 自衛隊員の心境を察すれば、日本防衛のために自衛官に応募したのであり、周辺国の侵略には命をかけるのも厭わないが、アフリカの泥沼状況下で訳の分からぬ戦いで戦死することは全く不本意であろう。家族もそう思っているに違いない。戦死者が出るようになれば国論は必ず2分する。反戦論者が有利になり、これが物語るものは内閣支持率がエレベーターのように急落することだ。総選挙で大敗しかねない要素だ。


安倍は内政・外交共にやるべきことが山積しており、民主党政権の置いた時限爆弾などに近寄る必用など全くない。いうまでもなくPKOは平和維持活動により、新政府を支援して民主主義国家を樹立するという崇高な目的がある。南スーダンの人道危機も重要だ。


しかし、戦争による“殉職馴れ”している国と、戦後一発も銃弾を発射していないばかりか戦死者ゼロの日本のケースは別次元の問題だ。世界にはリスクの取れる国とリスクを取れない国があるのだ。

◆私の「古寺旧跡巡礼」当麻寺@

石田 岳彦



<私は大阪で弁護士をしています。大学生時代からの趣味で、社寺、名勝、旧跡から、明治以降のいわゆる近大遺産まで、九州から東北まで(そのうち北海道にも行きたいです)、「歴史的なもの」を見て回っています。今回「私の古寺旧跡巡礼」と題して綴ってみました>。
 
さて本題―。奈良県葛城市(旧当麻町)にある「当麻寺」というのは、不思議なお寺です。

国宝の仏像、曼荼羅、厨子、本堂、2基の三重塔、梵鐘、重要文化財多数を持っているという文化財の宝庫で、「古寺巡礼」、「日本の寺院100選」といった書籍、雑誌の特集があれば、必ず名前のあがるという古寺巡りや古文化財のファンの間では常識というか、知らない人はもぐり扱いされるという有名なお寺ですが、世間一般の知名度は高くないようです。

 おそらく、奈良、飛鳥、斑鳩という奈良県内のメジャーな観光地から離れたところにあるので、観光客が少ないことが原因でしょう。観光ガイドの扱いも微々たるものです。

もし、奈良市内にあれば、東大寺や興福寺は無理でも、薬師寺や唐招提寺なみにはメジャーになれたであろうという、ある意味とても不運なお寺といえます。

もっとも、奈良市内にあったならば、上記の文化財の少なからずが、戦火に巻き込まれて灰になった可能性もありますが。

ところで、当麻寺の最大の売り物(?)は、中将姫伝説です。

中将姫は、奈良時代の貴族のお姫様で、継母に度々、命を狙われるという苦難を乗り越え、阿弥陀如来の導きによって極楽浄土の光景を描いた曼荼羅を織り上げ、極楽浄土へ旅立ったとされる伝説上の人物です。

これが、「本当は怖いグリム童話」なら、シンデレラのように、継母の目を鳩がほじくったり、或いは、白雪姫のように、継母に焼けた鉄の靴を履かせたりといった感じのハッピーエンドになるところですが、そういう物騒な展開はありません。仏教説話ですから。

 継母がその後、地獄に落ちて、閻魔様に舌を抜かれるという因果応報的な後日談はあるかも知れません。仏教説話ですから。

近鉄南大阪線の当麻寺駅を出て、まっすぐ西を目指します。駅から出発してまも無く、右側路傍に当麻蹴速(たいまのけはや)の墓、とされる五輪塔があります。

 この蹴速は、垂仁天皇の時代の人で、天下最強を宣言して挑戦者を募っていたところ、垂仁天皇の命で、出雲からやってきた野見宿禰(のみのすくね)と相撲をとることになり、宿禰に蹴り殺された(当時の相撲は今よりもかなりバイオレンスなルールだったようですね。)という、色々な意味で「痛い」人です。

もっとも、垂仁天皇(日本書紀等の記述によると紀元前1世紀から1世紀にかけて在位。卑弥呼よりも前です。)自体、実在が危ぶまれている状況ですので、この話も歴史というより、伝説の部類です。

この蹴速と宿禰の対戦が、わが国の相撲の始まりとされているそうです。すぐ近くに相撲館という、相撲資料館まで建てられています。中将姫と当麻蹴速とおぼしき男女のかわいらしいキャラクターのイラストがポスターに載っていました。今、はやりのユルキャラというやつでしょうか。余計なお世話だと思いますが、かなり幸の薄そうなカップルです。

駅から歩いて15分ほどで大門に着きます。境内の東端に建っている楼門で、古寺にふさわしい風格です。大門を入ってすぐ、正面には鐘楼があります。国宝の梵鐘を「吊ってある」お堂です。

「吊ってある」というのは、一見、梵鐘が吊られているように見えますが、実は下に台が設けられていて、梵鐘はその上に置かれているからです。以前にお寺の方から聞いた話では、十数年前まで当麻寺には鐘楼は存在せず、梵鐘もいずれかのお堂に置かれていたそうです。

その後、鐘楼が再興され、それに合わせて梵鐘を鐘楼に吊るすことになったものの、いざ、吊るそうという段になって、龍頭(梵鐘を吊るすための上部にある輪状の突起)にひびがあるのが発見され、吊るすことができなくなってしまいました。

にもかかわらず、「せっかく再建したのだから鐘楼に梵鐘を飾りたい」ということで、こうなったようです。観光ガイドにも載っていない、思いっきりどうでもよいトリビアといえます。(つづく)

<福岡県福岡市出身、福岡県立修猷館高等学校、京都大学法学部卒業
大阪弁護士会・弁護士>


2016年08月30日

◆「さぁ、これで逃げる準備は出来た」

宮崎 正弘 


<平成28年(2016)8月28日(日曜日)通算第5007号 >

 〜「さぁ、これで逃げる準備は出来た」
    中国の米国不動産買い漁りは270億ドル〜


2015年4月から16年3月までのわずか1年間で、中国は米国の不動産物件
を2万9000軒買収した。

その金額合計は270億ドル(2兆7000億円)。
 
象徴的な買収は業界2位の安邦保険がNYの名門ホテル「ウォルドルフ・
アストリア」を19億5000万ドルで買収した衝撃のニュースだった。

ウォルドルフアストリアといえば歴代大統領御用達、地下には専用の駅も
ある。

しかし金額的に目立つ物件ばかりか、ニューヨークの目抜き通りの複合ビ
ルやマンション物件を、中国人寿や海航集団などが片っ端から買収している。

とくに中国人寿(生保第1位)が買収したのはNYアメリカンアベニュー
1285番地の複合ビル(16億5000万ドル)。

NYビジネスの中枢の1つである。

ところが、米国は中国の不動産買い占めには楽観的で、警戒感がない。

なぜなら1980年代の日本がロックフェラーセンターを始め高額不動産を
次々と買い占めたが、バブルがはじけると二束三文で売り払って退却した
ように、中国のそうすると楽天的に読んでいるからである。

アメリカ人はやっぱりシナ人の体質、その人生観の本質を知らない。彼ら
は日本と異なって永住が目的であり、売却するときは高値でなければ譲ら
ないだろうし、そもそも日本人のように売り逃げはない。


「さぁ、これで逃げる準備は出来た」とばかりに幹部達は逃亡先でもある。

したがってアメリカ人が、中国が安く売り払うときが買い時と考えている
ようだが、そういうチャンスはない、と中国語の新聞は書いている。
        


◆リオで見えた嘘と真心

伊勢 雅臣



ドーピングや審判買収の嘘が消えて、選手たちの真心が輝いたリオ五輪。

■1.メダル数を大きく減らしたロシア、中国、韓国

リオ・オリンピックが終わった。日本選手団の獲得メダル数は金12、銀
8、銅21の計41個と、過去最多となった。ロンドンでは金7個、合計38
個だったので、金で大幅増、合計でも若干増という結果となった。

メダル数を国別で見ると、ロシア、中国、韓国が大きく減った。ロシアは
ソチ五輪の組織的ドーピング(薬物)問題で多くの選手が出場禁止とな
り、ロンドンでは金24個、合計81個だったのが、今回は金19個、合計56個
と約7割に減少した。

同様に惨敗したのが中国で、ロンドンでは金38個、合計88個で国別では2
位だったのが、今回は金26個、合計70個で、英国に抜かれて3位に転落。
韓国は前回、金13個、合計28個で5位だったが、今回は金9個、合計21
個、8位まで落ちた。

中国はドーピングでの出場禁止処分こそ受けなかったが、かつては組織
ドーピングの内部告発があった。今回は、検査がはるかに厳しくなってお
り、その影響があったのだろう。

韓国はロンドン五輪では、サッカー、柔道、フェンシングなど、「韓国が
らみのおかしな判定」が起きていた。今回は「誤審防止」との名目で、判
定に異議を唱えたら、ビデオ判定するシステムが導入された[1]。今回の
柔道では、16年振りに金メダルゼロに終わった。

ドーピングや審判買収による嘘が消えて、選手達のスポーツにかけた真心
が輝きだした大会だった。


■2.「相手がいますから。しっかりと冷静に礼をして降りようと」

まずは、美しい柔道で金メダルをとったのが、柔道男子73k52KGの大野将
平選手。ロンドンでは日本男子柔道は史上初の金メダル無しで終わった
が、今回も男子90kg級、女子48kg級、男子66kg級、女子52kg級とい
ずれも銅で終わり、重苦しいスタートとなった。それを一挙に吹き払った
のが、大野選手だった。

準決勝を除くすべての対戦に一本勝ちを収めた。決勝戦の相手は、アゼル
バイジャンの欧州王者ルスタフ・オルジョフ。「一発のある選手」と警戒
しながらも、接近戦で勝負に出た。得意の内股で1分44秒に技ありを
奪った。

ポイントをリードした後に、大野の消極的な姿勢に指導が入ると、「逃げ
るより、攻め抜いて投げてやろう」と、再び攻めて、3分15秒、鮮やかな
小内刈りで一本をとった。

日本柔道界に2大会振りの金メダルをもたらした勝利だったが、大野選手
は笑顔もなく、厳しい顔をしたまま、深々と礼をして、オルジョフと握手
で健闘を讃えあった。

ガッツポーズも、喜びの表情もない理由として、大野選手は「相手がいま
すから。しっかりと冷静に礼をして降りようと」と語った。

勝負には勝ちもあれば、負けもある。敗者への思いやりを込めて、礼に始
まり、礼に終わる武道の精神。試合後、大野は「柔道の素晴らしさ、美し
さ、強さを伝えられたと思う」と語った。

だが、井上監督から「プレッシャーの中、よく取ってくれた」と声をかけ
られると、張り詰めたものから解放されるかのように涙があふれたという。

柔道が世界に広まって「ジュードー」となり、ポイントを奪ったら、いか
に逃げ切るか、というせこい勝負になった時期もあったが、礼に始まり、
礼で終わる「美しく、強い柔道」という理想を追い求める大野の真心が爽
やかだった。[2]


■3.「それは無駄な質問だ」

真心の籠もったライバル関係を見せたのが、個人総合で金メダルをとった
内田航平選手と銀メダルをとったウクライナのオレグ・ベルニャエフ選
手。内村選手は5種目までベルニュアエフ選手にリードを許しながら、得
意の鉄棒で最後に大逆転した。オリンピック2連覇で、世界選手権も含め
ると8年連続で個人総合の王者の座を守った。

表彰後のインタビューで、ある海外の記者から「あなたは審判に好かれて
いるんじゃないですか?」という質問が飛んだ。失礼な質問にも内村選手
は淡々と「まったくそんなことは思ってない。みなさん公平にジャッジを
してもらっている」と答えたが、横にいたベルニャエフ選手が怒った。[3]

審判も個人のフィーリングは持っているだろうが、スコアに対してはフェ
アで神聖なもの。航平さんはキャリアの中でいつも高い得点をとってい
る。それは無駄な質問だ。

航平さんを一生懸命追っているが簡単じゃない。この伝説の人間と一緒に
競い合えていることが嬉しい。世界で1番クールな人間だよ。

 銅メダルの英国ウィットロック選手も、「大変素晴らしい。彼は皆のお
手本です。今日の最後の鉄棒は言葉がない。クレイジーとしかいえない」
と声をそろえ、内村選手は気恥ずかしそうにはにかんでいた。


■4.「誰にもできないところまでもっともっとやってほしい」

ベルニャエフ選手の祖国ウクライナは争乱状態が続いており、練習施設も
貧しく、国からの給料も月100ドルほどしかない。毎週試合に出て、活動
費を自分で稼がなければならない状態だという。

 
その実力を見込んで、他国から、国籍を変えて出場しないか、という好条
件の申し出がなされたが、ベルニャエフ選手は家族や友人のいるウクライ
ナから離れることを拒否している。

 内村選手に関しては、過去にこんな発言をしている。

内村は本当に神話的な選手。
でも、僕の目標はシンプルだ。彼と戦うことさ。

こういう選手が、内村選手に対する質問に怒ったのも、当然だろう。質問
が内村選手にとって失礼というだけでなく、自分が目標としてきた内村選
手を貶めるような質問は、自分の生き方に対する侮辱でもある、と受け止
めたのではないか?

内村選手も、ベルニャエフに関して、次のように語っている。

オレグ選手がすごいことをやってきたので、本当にぎりぎりで勝ったとい
う感じなので、次はないと。・・・それぐらいの選手になったし、次から
の世界の体操は彼に引っ張っていってほしいなという感じもあります。

オレグ選手には、全種目を高難度でやるという僕には信じられないことを
やっているので、誰にもできないところまでもっともっとやってほしいと
も思っています。

「誰にもできないところまでもっともっとやってほしい」という発言から
は、体操という道を共に究めようとする同行者と考えているように聞こえる。


■5.記憶に残る真心のドラマ

金メダルをとれなかった事が、ニュースになった場面もあった。誰もが金
メダル間違い無しと信じていた女子レスリング53キロ級の吉田沙保里選
手が決勝戦で敗退して、銀メダルに終わり、五輪4連覇を逃した時だった。

吉田選手を破ったのは、米国のヘレン・マリーレス選手。終始、闘志をむ
き出しにして立ち向かい、1点先取されたが、その後4点取って、逆転勝
ちを収めた。敗戦が決まった途端、吉田はマットに泣き伏したが、マリー
レス選手も同様に泣き崩れた。[4]

サリーレス選手は12歳の時に吉田選手を観て憧れ、両親の反対を押し
切って、吉田選手に勝つことを目標にレスリングをやってきたという。サ
リーレス選手は、表彰台で米国初の金メダルを受けとった際も「これを
ずっと夢に見てきた」と顔を覆って大粒の涙を流した。

試合後には「彼女と戦う準備をずっと続けてきた。彼女は私のヒーロー。
彼女は最もたたえられているレスラーで、彼女と試合をできたのは本当に
名誉なことだった」と語った。[5]

吉田選手の4連覇はならなかったが、事前の予想通りすんなり4連破を記
録するよりも、記憶に残る真心のドラマが生まれたのではないだろうか。


■6.「そんなことないですよ。素晴らしい戦いでした」

試合後に、吉田選手が号泣しながら受けたインタビューがまた、感動的
だった。[6]

― 素晴らしい試合でした。今の気持ちを振り返ってください

(吉田選手は号泣しながら)「たくさんの方に応援していただいたのに、
銀メダルに終わってしまって申し訳ない」

― そんなことないですよ。素晴らしい戦いでした

「日本選手の主将として金メダルを獲らなければならないと思って、ごめ
んなさい」

―決勝戦、非常に厳しい戦いでしたが、あえて敗因をあげるとしたら?

「やっぱり自分の気持ちが、最後は勝てるだろうと思って、とりかえしの
つかないことになっていまって・・・」

―そんなことは誰も思ってないと思います

(中略)

「最後は自分の力が出し切れなくて・・・」

―日本中では拍手を送ってくれていると思います。素晴らしい銀メダルで
した。ありがとうございました。
 アナウンサーはNHKの三瓶宏志氏。応援してくれる人々に申し訳ない
という吉田選手の真心と、その奮闘振りに感謝するアナウンサーの真心が
響き合ったインタビューだった。


■7.「マオ(浅田)にも感謝したい」

内山航平選手とオレグ・ベルニャエフ選手、吉田沙保里選手とヘレン・マ
リーレス選手の真心の籠もったライバル振りを見て、どうしても思い浮か
んでくるのが、フィギュア・スケートの浅田真央選手とキム・ヨナ選手の
関係だ。

浅田選手の高難度の演技につけられた点数が余りにも低いので海外メディ
アが「馬鹿げている」と怒り、会場がブーイングに覆われたり[7]、逆に
キム・ヨナが転倒しても最高得点を出して、解説者も「(得点が)ここま
でどうして出てしまったのか、わからないと正直感じた」 と語った場面
まであった[8]。

浅田真央選手が高難度の演技に真摯に取り組む姿は、世界の選手に感銘を
与えていた。[9]

「女子でトリプルアクセルに2回転をつけて跳ぶことがどれだけ大変か。
それでも勝てないなんて・・・。」

「マオ(浅田)にも感謝したい。果敢にトリプルアクセルに挑んだ姿を見
て、私は悲しいことなんか忘れて正直、燃えたわ。ありがとう」(ジョア
ニー・ロシェット、カナダ、10年バンクーバー銅メダリスト)

「なんて言ったらいいのかわからない。ジャッジはキムの何もかもに加点
しまくっている」

「真央のスケートには誠実さがある。素晴らしいことだよ。傲慢さがな
い。そこが好きなんだ。」

「浅田のスケートには静かな無垢さ(イノセンス)があって、そこが魅力
的だと思う。作った見せ掛けの態度みたいなものがなくて、スケートその
ものをするという感じ。」(エルヴィス・ストイコ、カナダ、94年リレハ
ンメル銀、98年長野銀)


■8.日の丸と真心

キム・ヨナの得点に関する疑惑と反感は、スケート選手の間では相当広
まっていたようで、ソチ五輪の競技後のエキジビションではキム・ヨナ一
人が仲間はずれにされたり、記者会見でもキム・ヨナがまだ話している内
に他の選手が席を立ったりした[10]。

メダルさえとれれば、何をしても良い、という姿勢が、自分たちの神聖な
スポーツを汚している、という怒りが、広がっていたのだろう。

 疑惑の採点などがなければ、浅田真央選手もフィギュア・スケートの究
極を究める事に集中し、その過程で世界のライバルとも美しい争いを繰り
広げられたはずだ。そう思うと、改めて、ドーピングや疑惑の判定で、ス
ポーツの神聖さを汚してきた国々に対する怒りが込み上げてくる。

 今回、大きくメダル数を減らしたロシア、中国、韓国。一事が万事であ
る。これらの国々は、「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」といった嘘を国際
社会に流し、北方領土、竹島、尖閣と我が国の領土を不当に奪ったか、奪
おうとしている。金メダルさえとれれば何をしても良い、と考えるような
国々とは、信義ある外交も不可能だということである。そういう国々に、
わが国は囲まれている。

 そういう国々のメダルが大きく減って、今回は表彰式で日の丸が何度も
上がった。日の丸の白は「神聖と純潔」、赤は「博愛と活力」を現すと言
う。正々堂々とルールを守り、自らの競技の究極を究めようとする日本選
手たちの真心を象徴した国旗ではないか。


■リンク■

a. JOG(360) 金メダル以上の幸せ
 レスリング浜口京子選手は「国民のみなさんとともに金メダルへ向かっ
てともに戦えたことが幸せ」と語った。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257Enippon/jogbd_h16/jog360.html

b. JOG(248) ワールドカップの報道統制
 世界中で報道されていた「判定疑惑」を日本のマスコミは頬被りし、日
韓友好のみ謳い続けた。
http://blog.jog-net.jp/201309/article_3.html

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 世界のニュース トトメス5世「韓国・中国の金メダル激減の理由 
ビデオ判定で八百長困難に」
http://thutmose.blog.jp/archives/65086483.html

2. THE PAGE 「 <リオ五輪>柔道73kg級金メダリスト大野が笑わなかっ
たワケ」
https://thepage.jp/detail/20160809-00000004-wordleafs

3. サラッと速報「内村航平とオレグ・ベルニャエフの関係が良好すぎ
る!?」
http://sarattosokuhou.com/sports/oleg-verniaiev/

4. 「レスリング 吉田沙保里 女子53kg級決勝 リオオリンピック
(2016.8.19)」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm29476021

5. FUNGO「『サオリは私のヒーロー』吉田沙保里に勝利したマルーリスの
エピソードに感動」
http://fundo.jp/88166

6. choco日記「吉田沙保里インタビューで号泣謝罪!感動コメントのアナ
は誰?」
http://wamadai.com/4272.html

7. YouTube「海外メディアが真央を絶賛しキムヨナに皮肉連発 トリノ世
界フィギュア」
https://www.youtube.com/watch?v=lNFBiuFl_G8

8. JCASTニュース「ジャンプで転倒キムヨナが『今季最高得点』 『浅田
真央より上』報道にネットで怒り
http://www.j-cast.com/2012/12/10157544.html?p=all

9. NEVERまとめ「世界中から愛される浅田真央の魅力」
http://matome.naver.jp/odai/2139189471638105001

10.正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現「会見、エキシビ
ジョンでもキムヨナの嫌われっぷり露呈・日本スケート連盟名誉会長が元
在日の荘英介」
http://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/47881058.html


◆私の「身辺雑記」(378)

平井 修一



■8月26日(金)、朝7:00は室温28.5度、快晴、日射しは強いから今日も
猛暑でクーラーのお世話に。体調はまあまあ。

朝食と洗濯の後、PC部屋のクーラーの下で新聞を読んでいたら微かな水滴
が落ちてきて、チェックしたら排水パイプが詰まっているよう。慌てて補
修したが、2時間ぐらいかかってしまった。まったく主夫業は暇なしだ、
いい運動ではあるが。

3時からは庭仕事(壁にはびこる蔦の除去)、終わってからシャワー、そ
してクーラーの効いたLDKで一杯飲み始める。至福の時だ。

このところやたらと宅配便を受け取る。クロネコ、佐川、郵便局・・・カ
ミサンは通販が大好きだし、Nは留守がちなのでわが家に発注品が届くよ
うにしている。1日に3回ほどピンポーン、小生は湯上りのスッポンポン
で、扇風機で(今やすっかり休火山の)股間を冷やしていたが、慌てて半
ズボンをはいて受け取るのだ。

「通販で買うな」なんて、今どき言えやしないし、留守番を含む主夫業全
般をこなすからこそ小生の存在感があるのだから、受け取りも仕事のう
ち、と、まあ諦めるしかない。それにしてもカミサンが奄美から送ってき
たお土産の段ボールは50キロはあったのではないか。小生の力では全く動
かなかったので玄関に放置しておいた。

一休みしたら夕食の用意。とにかくカミサンを「キャイン」と言わせなく
てはならないから大変だ。今晩は、キュウリ・モズクの酢の物、卵豆腐、
鶏唐揚げ、〆は氷入りの冷たい汁の茶そば(薬味はショウガ、ネギ、シ
ソ、わさび)。

「ああ、美味しかった」と言ってくれたので今夜も成功だ。

「お客様から『ああ、美味しかった、また来るよ』と言ってもらうのが、
私らの生き甲斐、やり甲斐なんですよ」。銀座東武ホテルのレストランフ
ロアマネジャーはそう言っていた。レストランのフロアサービス(ウエイ
ター、バスボーイ、ソムリエなど)は接客業、相棒のキッチン(シェフと
その弟子)は製造業、ゴチゴチの職人の世界。

営業部門と現場部門はどこの世界でも軋轢があるが、この両者が上手く連
携しないと仕事は上手く回らない。ホテルに限らず料理人の世界は(多分
今でも)徒弟制度的で、厨房はほとんど戦場だから、「口で言うより足の
方が早い」、つまり、ぐずぐずしていると親方や兄弟子から蹴っ飛ばされ
るのである。

「週刊ホテル・レストラン」の創業者から小生が学んだのは、「熱い料理
は熱く、冷たい料理は冷たく」が料理の基本だということ。だから兄弟子
がステーキを焼いた時点で、弟子は間髪入れずにソースをかけ、添え物を
乗っけないと、「この野郎」と蹴っ飛ばされるのだ。

そしてアツアツのステーキをウェイターがテーブルにサーブする。

この連携はいい時がほとんどなのだが、たまに歯車が狂うと、フロアと
キッチンで無言の戦争が始まったりする。

フロア「10番のオーダーはまだかい」
コック「ちょっとつっかえている、もうちょっと待ってくれ」

フロア「10番のオーダーはまだかよ」
コック「今やっているところだよ、せかすな、バカが」

こんな感じで険悪になり、やがて陰湿なイジメなどになったりする。

明治以降に発展したホテル・レストラン業界では、西洋料理に通じたコッ
クさんは完璧な専門職。シェフは総支配人より給料が高かった。そういう
伝統があるからコックさんはプライドが高いし、徒弟制度ゆえにシェフが
転職すると子飼いの弟子もごっそりついていく。だから経営者は厨房には
なかなか頭が上がらない。

世界的にもそういう傾向だと思う。小生の知っていることはあまりないけ
れど、斯界の方の裏話を大いに聞きたいものである。

■8月27日(土)、朝6:30は室温27度、降りそうな曇、涼しい。これから
は徐々に秋に向かう。体調はまあいい方だが、腰に不快感があるのでカミ
サンに湿布を貼ってもらった。独り暮らしの人はどうしているのだろう。
不便や不都合がいっぱいありそうだ。もっともこの世は不都合や理不尽だ
らけではある。

人権を 守っていても テロの的 情けをかけて 命とられる(修)

人権を 守ると国が 保てない 中露みたいな 国が多数派(修)

<人権(human rights)とは、人間ゆえに享有する権利である。人権思想
においてすべての人間が生まれながらに持っていると考えられている社会
的権利である>(ウィキ)

いろいろな解釈があるが、18世紀から普及していった西欧的な価値観、思
想なのだろう。自由、平等、人権がセットになっている。しかし、国や民
族、宗教によっては、この「3点セット」がまったく根付いていないこと
がある。中露やイスラム教国はおそらく有史以来、それらと無縁である。
「民度が低い」「思考停止」「利害優先」というような状態が数千年も続
いているのではないか。

結局「3点セット」は、それを共有する国民、民族、人種の中でしか通用
しない。それを評価しない異端者にとってはまったく無価値どころか邪
教、神への冒涜、不道徳、腐敗、犯罪、絶滅すべき敵になるのだろう。

そもそもロシア人や支那人、イスラム教徒の多くは「3点セット」を理解
していないし、異物を見るように傍観したり、嫌悪しているだけなのでは
ないか。

自由主義市場経済の観点から言えば「3点セット」国は、まあ近代国家、
近代社会なのだろう。それでも異端者はいるから、常にテロの危険にさら
される。これ以上の異端者の流入は危険の流入でもあるから、欧州各国で
は危機意識が高まっている。

ニューズウィーク8/25「オーストラリアの難民虐待に学びたい? デン
マークから視察団」から。なお、この記者はかなりのリベラル≒難民に寄
り添うバカモドキである。

<オーストラリアは難民問題の解決に野蛮だが効率的な方法を編み出し
た。海の向こうの収容施設に収容し、怪しげな民間企業に管理を委託し、
彼らが難民と認められ次第、第三国定住を強制するのだ。

当然、内外から批判されている同制度だが、これを気に入ったようなのが
デンマークだ。同議会の議員団は今週、南太平洋の小さな島国家、ナウル
にあるオーストラリアの難民収容所を訪問するというまたとない機会を得
た。目的はもちろん、難民申請者が押し寄せている欧州でも、オーストラ
リア方式がうまくいきそうかどうかを確かめることだ。

議員団に査証が発行されたのは、英ガーディアン紙が内部資料をもとにこ
の収容所で横行している人権侵害、性的虐待、自傷行為が暴露した数週間
後。記事によれば、警備担当者が子供の顔を張ったり、教師が生徒に性行
為を迫ったり、バスの運転手が女性収容者の盗撮をしたり、弱い者ほどひ
どい被害に遭っている。(平井:これって普通の国でよくある話。収容所
は天国ではない)

難民は、難民申請をしてから結果が出るまで数カ月、ときには数年も待た
される。たいていは難民と認められるが、その場合はカンボジアに行くか
小さく貧しいナウルの島に留まらなければならない。

2015年、カンボジアはオーストラリアからの4000万ドルの援助と引き換え
にナウルの難民を引き受けた。しかしカンボジアに行ったのは5人だけ
で、そのうち3人は危険を覚悟で帰国した。

「オーストラリアのやり方は面白い」と、ナウルを訪問するデンマークの
議員6人のうちの一人、マルティン・ヘンリクセンは言う。彼は移民排斥
を主張する極右政党、デンマーク国民党に所属している、云々>(以上)

デタラメルケル、ダレモオランドのようなことをしていればテロは永遠に
終わらない。「3点セット」人は異端者から殺されまくるだけである。

豪州スタイルがいいかどうかは分からないが、「敵は誰か」「危険分子は
誰か」を調査研究し、原則として難民モドキをこれ以上受け入れないこと
が大切だ。

涼しくなったので夕食はオデンとタコ焼き。N母子も参戦し、完食。日本
の旨いものは秋と冬に集中する、お節料理は最悪だが。これからが楽しみだ。

■8月28日(日)、朝7:30は室温23度、曇、一気に秋になった感じでとて
も涼しい。体調も今朝は良い。

一方で杭州は大変なことになっている。習近平は暗殺を恐れているよう
だ。辣椒(ラージャオ、王立銘)氏の論考「華々しい杭州G20のウラで中
国人の暮らしが破壊されている」(ニューズウィーク8/26)から。

<今年のG20サミットが9月4日から5日にかけて、中国浙江省杭州市で開
かれる。中国がG20を開催するのも、習近平が中国最高指導者に就任した
後このような会議を主催するのも初めてだ。中国政府はかつてなくこの会
議を重視し、浙江省は7月から道路、鉄道、航空など公共交通機関の安全
検査を強化してきた。

しかし中国では、G20の安全確保のための措置が住民にひどく迷惑をかけ
ている事実がまったくニュースとして伝えられていない。杭州市民はネッ
ト上で自身の体験を語っているが、その内容はあきれるものだ。

8月以降、杭州の多くの企業は休業に追い込まれ、大量の店舗とレストラ
ンが閉店を命じられた。反政府派の人々は強制的に地方観光に行かされ、
杭州向けの宅急便業務も停まった。観光名所である西湖地区のある派出所
は住民に対し、9月4日午後から火を使った調理を禁止するので夕食は派出
所からまとめて配達する、と通知した。

杭州市民は外出もままならなくなった。ネットユーザーの写真によれば、
杭州のバスには1台ごとに2人の警官が配置され、地下鉄では多い場合1両
に10人あまりの警官が立っている。

大量の装甲車と軍用車両が杭州中心部の市街地に配置され、市内全域のい
たるところに検査所が設置されている。検査所を通るたびに所持している
飲料品を一口飲まなければならないため、次のような笑い話が広まっている。

ある市民は夜、次の朝に飲む牛乳を買ったが、家に帰る途中いくつも検査
所を通ったので家に着く前に飲みほしてしまった。また、こんな笑い話も
ある。ある運転手が車のトランクに酒を1箱入れていたが、検査所で検査
員にすべて開けて一口飲むように求められた。車を数メートル走らせたと
ころで、今度は飲酒運転で警察に止められた......。

杭州市は8月20日から西湖を含む一部地区を封鎖。9月1日からG20の終了
時まで、地区内で働くか、生活する身分証を所持した人しか出入りできな
くなった。政府は住民にG20の期間中、居住地を離れることを奨励。杭州
市民は9月1日から7日の間、特別休暇を楽しめることになり、周辺の観光
地は杭州市民だけを対象にした無料あるいは格安イベントを実施すること
になった。

封鎖地区の中はがらんとして、通行する人もいない。ただ、このような人
気のない寂しい光景を指導者は気に入らなかったらしく、G20の2日間は
政府機関の職員に家族連れで西湖近辺を仲良く散歩させよ、と要求した。

G20の国家はいずれも中国との間でさまざまな矛盾を抱えているが、最近
は日中、中韓関係が特に緊張している。習近平は会議の円満な成功のた
め、しばらくは強硬な態度を引っ込めて、耳触りのいい「空論」を口にす
るだろう。

しかし、私は杭州にやって来る首脳たちにはっきりと見てほしいと思う。
この国の指導者がどのように自分の国民に対峙しているのかを。各国のゲ
ストたちが盛大で厳かな歓迎を受ける背後で国民の基本的人権が侵され、
G20の安全確保のために住民が生活上の大きな不便を強いられていること
を。各国のゲストたちは杭州市民の境遇を知ったら、どう思うのだろう
か?>(以上)イラストは↓
http://www.newsweekjapan.jp/rebelpepper/2016/08/20.php

まったくめちゃくちゃだ。ところでG20ってそれほど大事な会議なのか。

<ジー・トゥエンティー【G20】[Group of Twenty]20か国財務相・中央
銀行総裁会議。世界的な経済の安定と成長をはかるための国際会議。年1
回開催。G7(主要7か国財務相・中央銀行総裁会議)の米・英・仏・独・
日・伊・加と、露・中・韓・印・インドネシア・豪・トルコ・サウジ・南
ア・メキシコ・ブラジル・アルゼンチン・EU(欧州連合)の20か国・地域
で構成される>(コトバンク)

現在、世界経済の最大の不安定要因は中共である。

<足下の中国経済は公共投資の進捗による景気減速の喰い止め策の効果も
あり、一進一退の展開が続く一方で根強い下振れリスクがくすぶる。

党及び政府内には景気認識及び経済政策を巡る「対立」に似た動きがみら
れるが、今月初めには金融政策でもこうした問題が表面化した。

発改委が突如追加金融緩和を示唆する動きをみせた一方、人民銀は従来か
らの姿勢を堅持する対照的な動きがみられた。なお、発改委は直後に声明
を取り下げる慌しい動きをみせたが、政府内において新たな路線対立が表
面化した可能性がある>(第一生命経済研究所8/10)

国有企業のさらなる巨大化を進めたい習近平=共産主義統制経済志向(復
古派)、一方で国有企業の分割民営化を進めたい李克強=改革開放市場経
済志向(近代派)という、根本的な対立。これでは二進も三進もいかな
い。ダッチロールするだけだ。

危機的な状況の中共でG20とは皮肉だ。習近平はそもそも危機だという認
識さえ持っていない。ひたすら「一帯一路」のインフラ投資(「在庫一
掃」セール&「過剰設備」温存)で危機突破をと叫んでいるだけ。これで
は多分、何も決まらないだろう。

そもそも周小川・中国人民銀行総裁が6月12日から行方不明だ。中共では
ポケGOがないから探しようがない。周小川は26日にフォーラムで講演する
予定だったがキャンセルになったようだ。すさまじい権力闘争。変な国。

午後からカミサンたちは義妹の墓参りへ。あっという間の8年だ。夕食は8
人で豚バラブロック・タケノコ・昆布の煮物など。(2016/8/28)

◆自民は国益の大局から「安倍3選」を目指せ

杉浦 正章



政治の空白を作るときではない
 

“総裁”任期は「制限なし」とせよ


 失礼にも自民党幹部が飲み会で「今のところ太っちょと痩せぎすと青二才と女が反対している」と漏らし、爆笑を買った。総裁任期の延長問題である。察するところ太っちょは石破茂、痩せぎすは外相・岸田文男、青二才は小泉進次カ、女は野田聖子の皆様のことらしい。筆者はちゃんと「様」付けした。


なぜ反対するかの理由を考えれば首相・安倍晋三の任期の延長につながることに反対しているのだ。しかしここには“史上空前”の誤解がある。任期延長は「総裁」の任期であり「安倍」の任期ではないことが皆目分かっていないのだ。安倍を含めてフェアに総裁選挙をやって、総裁を選出する事が延長論の趣旨なのだ。大相撲で言えば初日から千秋楽までの2週間を3週間に延長するだけである。横綱が優勝するとは限らないのだ。


したがって事は議論を待たない。総裁の任期は延長すべきだ。憲法と同様に制限なしでもよい。なぜならそれが結果的に安倍の任期延長につながって国益にかなってくるからだ。もっとも延長推進派は、今後年末の方針決定まで総裁選に臨むほどの意気込みがなければ大失策を起こすことを肝に銘ずるべきだ。


 反対者たちよ、よく考えても見るがよい。戦後これほど日本を活性化した首相がいたか。企業収益は戦後最高、働きたいものは有効求人倍率が物語るように引く手あまたの人手不足。アフリカへの驚がくの3兆円官民投資の先見性。オリンピックは、ロシアが28個失ったことが作用したが史上最多のメダル数。国政選挙に衆院も参院も連続2回ずつ大勝して、前人未踏の4連覇を成し遂げた。


オリンピックで4連覇が国民栄誉賞になるなら、自民党も安倍に「自民党栄誉賞」を与えて“永代総裁”に据えてももおかしくない。陣笠どもは当選させてもらった恩をすぐに忘れてはいけない。民主党政権が中国、韓国、ロシアから領土で嫌がらせを受けたように、他国は隙あらばと狙っている。弱体政権は極東情勢の危機を招くのだ。


いま極東の情勢激変に対処出来る首相がいることは、日本にとって僥倖(ぎょうこう)以外の何ものでもない。この首相をあと2年で辞めさせて、有象無象が首相になって、また1年で交代を繰り返す時代に戻っていいのか。


 主要国の指導者の任期を見てみるがよい。米国大統領は8年、ロシア大統領は12年、中国主席は8年、ドイツ首相の任期は4年だが任期に制限がなく名宰相メルケルは12年も務めている。サミットの席順が物語るように在任期間が長い指導者ほどよい場所を占める。国際外交の世界では、指導者同士の面識が1番重要なのであり、日本のように1年ごとにころころ変わる首相は、一目置かれないのだ。この際、ドイツのように任期を制限なしとするのもいいのではないか。


 それでは余すところ2年もあるのになぜ今延長かを、反対論者にじゅんじゅんと説くことにしよう。要するに安倍の任期があと2年と限られれば、もう政局は「ポスト安倍」へと動き出すのだ。自民党内の目は石破と岸田の動向に注がれ、その一挙手一投足が注目の的となる。


これに軽佻浮薄なメディアが加わり、早くも総裁選が始まったかのような様相を呈するのだ。政治家も官僚もこの首相は長期に続くと見るから、従うが、任期が決まっていれば手のひらを返すのだ。要するに政治の空白が生じて、安倍は求心力を失い政治力を十分発揮できない事態に陥る。これは国益を棄損する以外の何ものでもない。


 石破はテレビで「権力は長くあるとどうしても劣化する」と述べているが、それは人による。佐藤栄作やメルケルやオバマが劣化したかと言いたい。同じテレビで民主党の藤井裕久は安倍を「独裁色が濃い」とまるでヒトラーのように形容するが、ヒトラーを「ヒトラーちゃん」と呼んだことがあるか。安倍は「安倍ちゃん」と「ちゃん」付で呼ばれており、独裁者とはほど遠い。安倍が独裁などというまともな政治評論は聞いたことがない。人間年を取ると、判断力まで衰えるのかと思うと、75歳の筆者も注意せねばなるまい。


 この政局を快刀乱麻を切るごとくに切った人物がいる。何を隠そう藤井と同じ元民主党幹部で前衆院副議長の鹿野道彦だ。鹿野は、代表選出馬の挨拶に来た前原誠司に「今の政界でただ1人命がけでやっているのは安倍さんだ。お前も命がけでやれ」と、激励したのだ。俳句でいい句が出来るときは打座即刻の句と言うが、鹿野発言はまさにぽんと膝を打ちたくなるような人物評である。

 石破は消費税についても「10%に上げるのは早ければ早いほどいい」と発言したが、閣議決定に同意しておいて後から言うのはおかしい。遠吠えではないか。そんなことをすれば国民の怨嗟を買って、確実に自民党は議席を大幅に減らす。議席を減らす総裁を歓迎するかだ。それでは他の反対論を分析する。岸田は時期尚早論だ。「3年間の任期のさらに先のことを話すのは気の早いこと」と反対している。


これは自民党幹事長・二階俊博がまるで「安倍の任期延長」と受け取られるような発言をしたからいけないのであって、岸田も焦点は「総裁任期の延長」であることに目覚めるべきだ。下手をすると佐藤栄作の3選に反対した三木武夫のように、切られることになりかねないぞ。佐藤は三木を外相にしたことを「不明の至り」として、切ったのだ。


小泉ジュニアの発言は、「なぜ今、議論するのか、率直に言って分からない」と石破と岸田の受け売りのようなものだ。「その次ぎの次ぎの次ぎ」を狙うなら、安倍に付いた方がいいのに、まだ雑巾がけが足りない。分からないのなら分かるように修業せよ。野田は「かつて相当人気があった小泉純一郎元首相ですら任期を守った。安倍首相も任期を守る人だから、必ず18年には総裁選をやる」と発言しているが、当たり前だ。総裁選はやるのだ。やっても人望がなくて本人は泡沫並みであることを知るべきだ。

 いずれの発言も「安倍の後は自分」という、利己主義に根ざしたものであり、国家観に欠ける。反対のおのおの方は大局を見据えるべきだ。るる述べてきたように国内経済は胸突き八丁、極東情勢は緊迫の一途という状況だ。自民党は政争を再燃させている時ではない。

しかし二階も発言した以上は、延長を達成しなければならない。腰折れすれば幹事長のこけんに関わるどころか辞任につながることを肝に銘ずるべきだ。また安倍の周辺も年末に総裁選が前倒しされたというくらいの意識で、陰に陽に結束して事に当たるべきだろう。油断をすると安倍が高転びに転ぶことになりかねないぞ。

◆真正面からの言葉・教えほど尊い(後編)

眞鍋 峰松(評論家)


中学時代の先生で、今でもその先生のお顔もお名前も鮮明に記憶しているが、確か、復員軍人上がりの、しかも将校経験のある人であった。 

その先生の授業中で、担当教科に何の関係もない一言が今でも忘れられない。

それは、黒板に大書された「男子、青雲の志を抱き、郷関を出れば・・・・」という言葉。今から思い起こしても、少々時代錯誤的な言葉に聞こえるようだが、間違いなくその後の私の人生に影響を及ぼした言葉であることは事実だ。


最近になって、陳 舜臣氏の著書「弥縫録」の中で久し振りにその言葉に出逢えた。
  〜青雲の志を抱いて郷関を出る〜といった表現がある。

この場合の青雲の志とは、功名を立てて立身出世しようという意欲のことなのだ。 辞典には、この外に「徳を修めて聖賢の地位に至る志」といった説明もある。 

だが、実際には功名心の方にウェイトがかかっている。「ボーイズ・ビ・アンビシャス! 青雲の志を抱け」というのだ。  

青といえば、すぐに連想されるのが、春であり、東であり、竜である。

東は日の出る方角であり、人生に日の出の時期を「青春」というのは、これに由来している。青は若く、さわやかである。それに「雲」という言葉をそえると、心はずむような語感がうまれる。雲は天の上にあるのだから。若い日の功名心は、まさに天に昇ろうとするかのようである。

流石に、良い言葉ではないか。 要は、望ましい教師像として私が言いたいことは、19世紀英国の哲学者ウイリアム・アーサー・ワードの次の言葉に簡潔に表現されている気がする。

        ・凡庸な教師は しゃべる。
        ・良い教師は  説明する。
        ・優れた教師は 示す。
        ・偉大な教師は 心に火を付ける。
                               (完)