2018年05月24日

◆朝鮮半島勢力巡る歴史的闘いが

櫻井よしこ


「朝鮮半島勢力巡る歴史的闘いが展開中も日本の野党は政治責任を果たし
ていない」

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の動きが派手派手しい。5月7日から8
日、妹の与正氏と共に中国の大連を訪れた。習近平国家主席と共におさ
まった幾葉もの写真を北朝鮮の「労働新聞」に掲載し、米国に対して「僕
には中国がついているぞ」と訴えるのに懸命である。

懐の窮鳥を庇うように、中国共産党を代弁する国営通信社の新華社は「関
係国が敵視政策と安全への脅威をなくしさえすれば核を持つ必要はない」
と正恩氏が語ったと伝えた。習氏は8日、トランプ米大統領に電話し、
「米国が北朝鮮の合理的な安全保障上の懸念を考慮することを希望する」
と語った。正恩氏を囲い込み、米国の脅威から守ってやるという中国の姿
勢であろう。

9日には北朝鮮の招待でポンペオ米国務長官が平壌を訪れ正恩氏と会談、
北朝鮮に拘束されていた米国人3人は解放されて、ポンペオ氏と共に米東
部時間で10日未明にワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した。

トランプ大統領から早速、安倍晋三首相に電話があった。米国人3人の解
放に祝意を述べた首相の思いは、日本人拉致被害者の上にあったことだろう。

この間の9日、東京では日中韓の首脳会談が開催されたが、日本と中韓の
間にある大きなギャップは埋めきれていない。会談後の記者会見で安倍首
相は朝鮮半島情勢への対応を三首脳で綿密に話し合ったと述べたが、日米
の主張する「完全で検証可能な、不可逆的な核・弾道ミサイルの廃棄」
(CVID)という言葉も、北朝鮮への圧力という表現も三首脳の口から
は出なかった。

拉致について安倍首相は、「早期解決に向けて、両首脳の支援と協力を呼
びかけ、日本の立場に理解を得た」と述べたが、中韓両首脳は拉致には共
同記者発表の席で言及していない。彼らの発言は徹底して自国の国益中心
である。

中国の李克強首相は朝鮮半島の核に関して、「対話の軌道に戻る」ことを
歓迎し、経済に関しては「自由貿易維持」を強調した。北朝鮮の核問題は
時間をかけて、話し合いで折り合うべきだというもので、軍事力行使をチ
ラつかせる米国への牽制である。自由貿易に関する発言も、米国第一で保
護貿易に傾く米政権への対抗姿勢だ。

韓国の文在寅大統領は、日中双方が板門店宣言を歓迎したと語った。拉致
にも慰安婦にも触れずに言及した板門店宣言は、二分されている朝鮮民族
の再統一を前面に押し出したものだ。「北朝鮮の非核化」ではなく、米韓
同盟の消滅をも示唆する「朝鮮半島の非核化」を強調するものでもある。

今回の首脳会談からは3か国が足並みを揃えて懸案を解決する姿勢より
も、同床異夢の様相が浮き彫りにされた。

10日の電話会談でトランプ氏は、北朝鮮問題で「日本はビッグ・プレー
ヤーだ」と述べたという。いま、朝鮮半島勢力を巡って日清戦争前夜と
いってもよい歴史的な闘いが展開中だ。朝鮮半島を中国が握るのか、米国
が握るのか、そのせめぎ合いの最前線に私たちはいる。

日本の命運を大きく揺るがすこの局面で叡知を集め、対策を練り、何とし
てでも拉致被害者を取り戻し、北朝鮮の核、ミサイル、生物兵器をなくす
べき時だ。日本全体が団結することなしには達成できない課題である。

だが、国会審議を拒否して半月以上も連休した野党は、国会審議に戻った
かと思えば、まだ、加計学園問題をやっている。立憲民主党の長妻昭氏は
「疑惑は深まったというよりも、予想以上に深刻だ。

徹底的に腰を据えて国会でやらないといけない」と語った。だが、獣医学
部新設は既得権益と岩盤規制を打ち破る闘いで、改革派がそれを打ち破っ
ただけのことだ。長妻氏の非難は的外れである。朝鮮半島大激変の最中、
国民を取り戻し、国民の命を守るにはどうすべきかを論じ、実行しなけれ
ばならない。野党の多くは政治の責任を果たしていない。
『週刊ダイヤモンド』 2018年5月19日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1231 


◆王岐山、初外遊はサンクトペテルブルグだ

宮崎 正弘


平成30年(2018年)5月22日(火曜日)弐 通巻第5709号 

 王岐山、初外遊はワシントンではなくサンクトペテルブルグだ
  米中経済摩擦、ロシアとのバランス重視へ王岐山が舵取りへ

安倍首相は24日から露西亜を訪問し、プーチン大統領と会談する。そこ
で、飛んだハプニングが起こりそうだ。なぜなら王岐山も同日はサンクト
ペテルブルグに滞在しているからである(ただし24日にはベラルーシへ移
動する予定という)。

王岐山は誰が見ても中国のナンバーツー。実質的に「首相兼外相」であ
る。年齢制限のため共産党の最高層序列からは外れているが、国家機構の
制度を活用して「国家副主席」となり、「人治の国」らしく、李克強首相
や王毅外相の役割をこえた、パワフルな地位を獲得している。

国家副主席に選ばれた直後、王岐山が最初に面談した外国要人はフィリピ
ン外相だった。成果はと言えば、スカボロー領海問題をみごとに棚に上げ
て、沖合油断の共同開発に落とし所を持っていった。

ドゥテルテ比大統領がいみじくも言うように「中国と戦争になれば、フィ
リピンは勝てないだろ。それなら領土問題は棚上げしかないじゃないか」
と過激すぎるほど露骨な打算である。

さて、折からのトランプの強硬な対中姿勢、ZTEは経営悪化、というよ
り経営危機に陥って、中国は深刻な様相で、米中貿易戦争に対応する。対
米交渉では米中貿易戦争のタフネゴシエーターとして、訪米すると観測さ
れていたが、どっこい、王岐山はロシアへ向うのである。22日から開催
されるサンクトペテルブルグでの「経済フォーラム」へ出席し、プーチン
大統領とも会見する。

対米バランスを取る均衡策だが、習近平とて、2013年最初の外遊先はロシ
アだったから、意外ではない。

プーチンは来月8日に青島で開催予定の上海協力会議(SCO)に出席を
することになっており、王岐山は、中国外交を当面、ロシアとの蜜月演出
を連続させて、バランス外交を演出しながら、トランプとの交渉を有利に
しようという腹づもりだろう。

ならば中露間の議題、懸案はなにかと言えば、ロシアからみた貿易不均衡
の解消であり、米中摩擦の構造とは正反対だ。外交面では、トランプ政権
の「イラン核合意」離脱と、制裁強化への対策であり、特にZTEが米国
市場から向こう七年間締め出されるのはイランとの不法な取引が原因だった。

◆基礎疾患に注目しよう  

石岡 荘十


「基礎疾患」は医学用語で「病気の大元の原因となる疾患」と定義される。

例えば、よく言われるのが心筋梗塞や脳梗塞の基礎疾患として挙げられる「死の四重奏」。

内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)、高血圧、高脂血症、糖尿病の4つが揃っていることを言い、死亡率は、そうでない人に比べて30倍以上も高くなるという調査結果がある。これにさらに喫煙習慣を加えた五つ揃い文で「死の五重奏」という。

リンゴ型肥満というのは中高年男性の典型的な体型で、写真などで見る金正日氏がその典型的な体型である。女性の場合は、体脂肪が引力に逆らえず臀部に下がってくるので「(西洋)ナシ型肥満」ということになる。


内臓脂肪型肥満の人は動脈硬化になりすく、心臓病や脳卒中へと進んでいくリスクが高まるからだ。

メルマガ「頂門の一針」主宰の渡部氏が治療の経緯を述べておられる。一応、犯人は脳血栓の予防薬プレタールの副作用ということになったようだ。渡部氏は数十年前に禁煙を実行しておられるし、お見掛けしたところ、内臓脂肪もそれほど大量に溜め込んでいる様子はない。しかし糖尿がある。

高血圧、高脂血については伺ったことはないが、もし該当するような疾患の症状があるとすれば、末永く健筆を振るわれるためにも基礎疾患を撃退するよう心がけて頂きたい。

一口に「撃退」といっても、そのほとんどが、長年のいわゆる生活習慣病の結果なのでそう簡単にはいかない。例えば禁煙。簡単に決別できる人もいるが、懲りるような事態、例えば片肺切除に追い込まれてやっと、止めることが出来たという友人もいる。

心臓手術は不整脈の基礎疾患だ。

筆者は、13年前、心臓の大動脈弁が機能しなくなり人工の機械弁に置換する手術を受けた。10歳の頃から大動脈弁がうまく閉じない障害がありながら、手術までの50余年間放置しておいた結果、心臓の筋肉が正常な人の2倍近い厚さ(1.7ミリ)に肥厚し、弾力性を失いかかっていた。

手術後、不整脈の一つである心房細動に悩まされたのは、心臓手術によって傷つけられ弾力性を失った心筋が基礎疾患となって、時々、心臓の細胞があちこちで異常な動きを見せるためだと診断された。そこで、術後8年目(‘07年)、心房細動の根治治療に踏み切った。

カテーテル(ビニールの細い管)を腿の付け根から差し入れて、心臓まで押し進め、異常行動を起こす細胞を捜索・特定し、高周波で焼き切る。

カテーテル・アブレーション(電気焼妁)といわれる最先端の不整脈治療法だ。その上、術後、何種類かの薬の服用を強いられ、辛うじて心房細動の再発を阻止している。

心臓手術を経験すると、心房細動を起こしやすくなる。橋本龍太郎元首相は、心臓の弁(僧帽弁)がうまく閉じなくなり、私と同じように人工の機械弁に取り替える手術を受けた。

その3年後(‘06)、同じように心房細動を起こし、心臓で出来た血栓(血の塊)が飛んで腸に栄養を送る動脈を詰まらせ、どんな鎮痛剤も効かない激痛を訴えながら死亡した、といわれる。

死因は「腸管虚血を原因とする敗血症ショックによる多臓器不全」だが、この場合の基礎疾患は心臓手術→心房細動である。しかし、いまさら手術経験をなかったことには出来ない。

そこで、薬で心房細動を抑え込むことになるのだが、「すべての薬は毒」である。大学の薬学部で教鞭をとっている友人は、学生にまずこのことを教えるという。

だから種類と量の処方にはくれぐれも慎重でなくてはならないのだが、日本では2万種類の薬が使われている。この中からピタリ鍵穴に合う一本の鍵のような薬を処方するのは、至難の技である。

マスターキーはない。そう考えると、副作用が出ないほうがおかしいともいうことが出来る。私もプレタールを服用しているが、渡部氏のような副作用は今のところない。鍵穴の型が異なるということだろう。

アメリカには「5種類以上の薬を処方する医者にはかかるな」というのが常識だそうだが、日本では65歳以上の高齢者は平均して6種類の薬を服用しているといわれる。

が、薬はあくまでその場しのぎの対症療法に過ぎない。その中で一番多いのは複数種の降圧剤だ。ほとんどの降圧剤には性的機能を不能にする副作用があることはあまり知られていない。「そのお歳でもういいでしょう」と、医者はなめて処方しているのかもしれない。なめるな! 

基礎疾患である生活習慣病の克服こそが根治治療法であり、それができれば “毒”をのまなくてよくなる理屈である。“夜明けのテント”も夢ではなくなるかもしれない。        


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2018年05月23日

◆野党の「加計疑獄」狙いは不発に終わる

杉浦 正章



安倍は7対3で3選の方向

「またも負けたか八聯隊(はちれんたい)、それでは勲章九連隊」は、昔
大阪出身の陸軍連隊が虚弱であったことを茶化しているが、これは今の野
党にもそっくり当てはまる、総力を挙げた加計問題が愛媛県による内部文
書の信憑性が問われる事態になってきたからだ。

核心部分である15年2月の安倍の加計との面会が完全否定され、文書ねつ
造が問われるフォントの混入までが明るみに出ており、野党の追及は限界
が見えた。自民党内の空気も「政局化不可能」(党幹部)との見方が支配
的となってきており、9月の総裁選で安倍が3選される流れは7対3で強
まった。

朝日だけを購読している人は今にも「政局」かと思うだろうが、ミスリー
ドされてはならない。読売か産経を併読した方がいい。23日もトップで
「加計の面会否定の根拠示せず」と大見出しを踊らせているが、野党をけ
しかけているかのようで、平衡の感覚に欠ける。

朝日は、加計問題を1年半も取り上げ続けて、けたたましく騒いでいる
が、夢と描く昔の造船疑獄や昭電事件の再来などはあり得ない。なぜなら
安倍や自民党幹部をめぐって贈収賄事件に発展する可能性はゼロだから
だ。発展するならきな臭さが漂うものだが、まったくない。

 そもそも愛媛県の内部文書はテニオハもままならないレベルの県庁職員
が書いたもののようで信憑性のレベルが低い。その核心部分には
「2/25に加計理事長が首相と面談(15分程度)。

理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設定予定の獣医
学部では国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは『そ
ういう新しい獣医学部の考えはいいね。』とのコメントあり。また柳瀬首
相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料
を調整し、提出する予定。」とある。

文書は基本的に、明朝体と思われるフォントで構成されている。ところ
が、「首相からは『そういう新しい獣医学部の考えはいいね。』とのコメ
ント」の部分と「柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示」
の核心部分だけがゴチックになっている。

なぜ肝腎の部分だけがゴチック体なのかは、おそらく後から挿入された可
能性が強い。この継ぎはぎの字体を見ても慌てて中途半端な改竄が行われ
たのではないかと疑いたくなる。強調したいのならアンダーラインを引く
とか、太文字にするとかが考えられるがそうではない。マスコミは、信憑
性のない文書でカラ騒ぎのしすぎだ。

 安倍と加計との会談について、安倍は「指摘の日に加計氏と会ったこと
はない。加計氏から(学部新設の)話をされたこともないし、私から話を
したこともない」と全面否定。2015年2月25日の官邸の記録でも「加計氏
が官邸を訪問した記録は確認できない」と“動かぬ証拠”で反論している。

これに対して立憲民主党の福山幹事長は記者会見で、「首相が国会で虚偽
答弁を繰り返してきた疑いがより強まった。首相の進退が問われる重大な
局面を迎えた」と述べ、無理矢理政局化を目指している様子がありありだ
が、ネズミが猫を狙うようで痛ましい。

また自民党では村上誠一郎が1人「今までの行動パターンをみたら、総理
が本当のことを言ってると思えない。愛媛県の職員がなぜウソをついてま
で書く必要があるのか。ウソは書いてない。柳瀬(元首相秘書官)より信
用がおける。ということは、総理の信用は愛媛県の職員より落ちちゃっ
たってことだ。」と太鼓腹を揺すって毒舌を吐いているが、党内議員で同
調するものはほとんどいない。

自民党の安倍支持勢力は依然として安定している。これまでのところ国会
議員405人のうち安倍支持御三家の細田派94人、麻生派59人、二階派44人
は動かない。細田派は22日の総会で満場一致で早々と連続3選を決めて
いる。トップを切ったのであり、今後各派が態度決定を迫られる。

加えて官房長官菅義偉の影響が強い74人の無派閥も、大勢は様子見なが
ら安倍へと流れる傾向を示している。会期末の6月20日まで1か月を切っ
ており、夏休み入リすれば事態は消え去る。安倍は地方行脚で党員との親
密度を高め、緊迫感漂う極東情勢でも活発な外交を展開する。9月に3選
を達成して5年間好調であった景気の維持に全力を傾注しつつ、2020年オ
リンピックを迎えるのが王道だろう。

◆中国とインド国境に未曾有の金鉱脈

宮崎 正弘


平成30年(2018年)5月22日(火曜日)通巻第5708号 

中国とインド国境に未曾有の金鉱脈。「第2の南シナ海」に化けるのか
   中国、チベットの深奥部で大規模な鉱山開発を着工、一帯に投機ブーム

中印国境紛争は昨夏、73日間にわたる軍事緊張のあと、モディ・習近平の
トップ会談で、相互に150メートル後退して「停戦」が成立した。しか
し、その後も軍事的緊張はすこしも緩和されていない。

インド側からいえば「十年前に、こんにちの南シナ海の状況が予測できた
か」という懸念の拡大になる。つまり、中国が1962年の中印戦争以来
「(インド領の)アナチュル・ブラデシュ州は、もともと中国領だ」と言
い張っている以上、いつ侵略されるかわからないからだ。

日本の尖閣諸島が中国領だと言って、隙を狙っているようなものである。

ところが、インドの国境付近で最近発見された金鉱脈はレアアースなどほ
かの戦略物資をふくみ、その埋蔵は未曾有の規模と地質学者等が判定し
た。付近一帯が沸き立った。

 開発すれば最低に見積もっても600億ドルのレアメタルだとされ、俄に
開発ブームがおこり、評判を聞いて、四川省から移住する人まで出はじめ
した。

実際に深く坑道が掘られ、精製工場らしき設備も整って、かなりの鉱夫が
入植した。
 
当該鉱山の場所はチベット自治区のルフンゼ(中国名は隆子県)。省都の
ラサから直線距離で南東へ200キロ。すでに山岳を削りトンネルを掘っ
て、中国側は道路を造った。

 付近はルパ族というチベット系の少数民族が暮らす村々が点在し、毒蛇
が多いため鉈などで武装、また独特の部族の踊りが有名で、近年は中国の
諸都市から漢族の観光客がエキゾティックは踊りを見に来る。

ルパ族は僅か3500人しかいないため、中国の支配に抵抗するほどのパワー
は持ち合わせていない。 

インド側からみるとアルナチュル・ブラデシュ州の北側、インドの保護国
ブータンから北東に位置し、中国軍の活発な動きが観測される。とくに
ブータンの北部に冬虫夏草を密漁するシナ人が目立ち、対立関係が続くと
ころである。ブータン北部は、いつの間にか中国に侵略されている地区が
ある。

金が掘れるとなれば、中国はインドとの国境防備にますまる力を入れ、気
がつけばあっと驚く軍事施設になっていたなどと懸念されるように、陸の
「南シナ海」に生まれ変わるかも知れない。

◆拉致解決へ激変期の国際情勢を生かせ

阿比留 瑠比


拉致解決へ激変期の国際情勢を生かせ 野党は家族の悲痛な思いより醜聞
探しが大切なのか

現在、国際情勢がめまぐるしく、ダイナミックに動いている。北朝鮮の
金正恩朝鮮労働党委員長は拘束していた3人の米国人を解放し、6月上旬
までに開催される予定の米朝首脳会談の地ならしを進めている。トランプ
米大統領は高揚感を隠さず、10日には米側から申し出て安倍晋三首相と日
米電話首脳会談を行った。

「国際環境は激変期にある。金委員長は、まさに勝負に出ている」

安倍首相は9日夜、中国の李克強首相、韓国の文在寅大統領との日中韓サ
ミットの日程を終えた後、周囲にこう語った。2年半前の前回サミットと
は打って変わり、中国、韓国から歴史問題をめぐる表立った対日批判は出
なかった。

■中韓、現状に危機感

「両国とも、日本と関係をよくしようという空気は強い。北朝鮮情勢がこ
うなってくると、日本ともめていても意味がない」

政府高官も振り返る。米朝首脳会談が決裂したり、当初はうまく運んだよ
うに見えても、後に米国が「また北朝鮮にだまされた」と悟るような事態
になったりすれば、米国による軍事オプション行使は避けがたくなる。

そうなると、直接多大な影響を受ける立場にある中韓両国が、日本と連携
して北朝鮮問題を軟着陸させたいと考えるのは当然だ。それだけ両国が現
状に危機感を抱いている証左でもある。
【阿比留瑠比の極言御免】


◆ 野党は政治責任を果たしていない 

櫻井よしこ


「朝鮮半島勢力巡る歴史的闘いが展開中も日本の野党は政治責任を果たし
ていない」

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の動きが派手派手しい。5月7日から8
日、妹の与正氏と共に中国の大連を訪れた。習近平国家主席と共におさ
まった幾葉もの写真を北朝鮮の「労働新聞」に掲載し、米国に対して「僕
には中国がついているぞ」と訴えるのに懸命である。

懐の窮鳥を庇うように、中国共産党を代弁する国営通信社の新華社は「関
係国が敵視政策と安全への脅威をなくしさえすれば核を持つ必要はない」
と正恩氏が語ったと伝えた。習氏は8日、トランプ米大統領に電話し、
「米国が北朝鮮の合理的な安全保障上の懸念を考慮することを希望する」
と語った。正恩氏を囲い込み、米国の脅威から守ってやるという中国の姿
勢であろう。

9日には北朝鮮の招待でポンペオ米国務長官が平壌を訪れ正恩氏と会談、
北朝鮮に拘束されていた米国人3人は解放されて、ポンペオ氏と共に米東
部時間で10日未明にワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した。

トランプ大統領から早速、安倍晋三首相に電話があった。米国人3人の解
放に祝意を述べた首相の思いは、日本人拉致被害者の上にあったことだろう。

この間の9日、東京では日中韓の首脳会談が開催されたが、日本と中韓の
間にある大きなギャップは埋めきれていない。会談後の記者会見で安倍首
相は朝鮮半島情勢への対応を三首脳で綿密に話し合ったと述べたが、日米
の主張する「完全で検証可能な、不可逆的な核・弾道ミサイルの廃棄」
(CVID)という言葉も、北朝鮮への圧力という表現も三首脳の口から
は出なかった。

拉致について安倍首相は、「早期解決に向けて、両首脳の支援と協力を呼
びかけ、日本の立場に理解を得た」と述べたが、中韓両首脳は拉致には共
同記者発表の席で言及していない。彼らの発言は徹底して自国の国益中心
である。

中国の李克強首相は朝鮮半島の核に関して、「対話の軌道に戻る」ことを
歓迎し、経済に関しては「自由貿易維持」を強調した。北朝鮮の核問題は
時間をかけて、話し合いで折り合うべきだというもので、軍事力行使をチ
ラつかせる米国への牽制である。自由貿易に関する発言も、米国第一で保
護貿易に傾く米政権への対抗姿勢だ。

韓国の文在寅大統領は、日中双方が板門店宣言を歓迎したと語った。拉致
にも慰安婦にも触れずに言及した板門店宣言は、二分されている朝鮮民族
の再統一を前面に押し出したものだ。「北朝鮮の非核化」ではなく、米韓
同盟の消滅をも示唆する「朝鮮半島の非核化」を強調するものでもある。

今回の首脳会談からは3か国が足並みを揃えて懸案を解決する姿勢より
も、同床異夢の様相が浮き彫りにされた。

10日の電話会談でトランプ氏は、北朝鮮問題で「日本はビッグ・プレー
ヤーだ」と述べたという。いま、朝鮮半島勢力を巡って日清戦争前夜と
いってもよい歴史的な闘いが展開中だ。朝鮮半島を中国が握るのか、米国
が握るのか、そのせめぎ合いの最前線に私たちはいる。日本の命運を大き
く揺るがすこの局面で叡知を集め、対策を練り、何としてでも拉致被害者
を取り戻し、北朝鮮の核、ミサイル、生物兵器をなくすべき時だ。日本全
体が団結することなしには達成できない課題である。

だが、国会審議を拒否して半月以上も連休した野党は、国会審議に戻った
かと思えば、まだ、加計学園問題をやっている。立憲民主党の長妻昭氏は
「疑惑は深まったというよりも、予想以上に深刻だ。徹底的に腰を据えて
国会でやらないといけない」と語った。

だが、獣医学部新設は既得権益と岩盤規制を打ち破る闘いで、改革派がそ
れを打ち破っただけのことだ。長妻氏の非難は的外れである。朝鮮半島大
激変の最中、国民を取り戻し、国民の命を守るにはどうすべきかを論じ、
実行しなければならない。野党の多くは政治の責任を果たしていない。
『週刊ダイヤモンド』 2018年5月19日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1231

◆名所旧跡だより 園城寺(大津市)・後編

石田 岳彦




金堂の西側、一段高くなったところに霊鐘堂という小さなお堂があり、横には「弁慶の引き摺り鐘」との案内板が立っていました。中には梵鐘が1つ安置されていて、その側面の一部に擦った痕が残っています。青銅製の鐘が擦れるわけですから、かなりの力が加わったということでしょう。



この鐘については、かの武蔵坊弁慶に関わる伝説があります。


すなわち、源義経の家来になる前、弁慶は比叡山延暦寺で僧兵をしていましたが、ある時、三井寺に攻め込んで、この梵鐘を奪い、延暦寺まで引き摺って帰った際にこの痕が付いたとのこと。


なお、何故、延暦寺に持って行かれた鐘が三井寺に戻っているかというと、延暦寺に連れて行かれた梵鐘が、三井寺に帰りたがって、まともな音を出さなかったので、怒った弁慶が山下まで投げ下ろしたとか・・・。


ちなみに「弁慶の引き摺り鐘まんじゅう」という鐘型の饅頭(名前は違いますが、和歌山の道成寺でも売っていましたね。)が、境内の茶屋や付近の土産物屋で売っていて、甘党の私は来る度に買っています。


霊鐘堂の隣は一切経蔵という、その名のとおり一切経を納めた建物で、回転式の経庫が見た目に面白いです。これを回すとお経を読んだのと同様の功徳があるとかないとか。



南に向かうと唐院と呼ばれるエリアで、三重塔の他に円珍を祀る大師堂、伝法潅頂という儀式を行う潅頂堂があり、大師堂には2体の円珍像と1体の不動明王像が並んでいて、円珍像2体は国宝指定です。


3体の像の中央に祀られている円珍像は「中尊大師」と呼ばれ、上記のように国宝に指定されていて、普段は非公開ですが、毎年10月29日の円珍の命日の法要の後、一般公開されます。


大津地方裁判所での修習生時代、10月29日の昼休みにタクシーを使って、拝みに来たことも、今となっては、よい思い出です。


もう1体の円珍像(国宝)は円珍の遺骨が納められており、「お骨大師」と呼ばれています。この像と不動明王立像(重要文化財。三井寺にあり、「黄不動」の名で有名な国宝の画像を立体化したものです。)は残念ながら、原則として公開の機会はありません(それをいうと中尊大師も原則非公開なのですが、年に1回、定期的に見る機会があるというだけ、ましなのですね)。


三井寺にはこの他にも数多くの質の高い寺宝がありますが、宗教的理由に加え、三井寺に自前の宝物館が無いこともあり、残念ながら、それらの寺宝を見る機会は限られています(同様のことは、同じ大津市内の石山寺にもいえますね。)。


そういう意味では、平成20年から21年に大阪、福岡、東京を回った三井寺展は千載一遇・・・というのはさすがに大げさですが、10年から15年に一度くらいの好機でした。


この展覧会の最大の売りは、国宝に指定された4体の秘仏(「中尊大師」、「お骨大師」、「黄不動(画像)」、「新羅善神像」)の特別公開で、うち中尊大師像を除く3体は十数年ぶりの公開です(他に上記の大師堂の不動明王像等も展示されました)。


展覧会の開催が発表されるや、インターネット上の仏像関係の掲示板が狂騒状態に陥ったのも無理からぬことでした。十数年から20年くらいの周期でこの手の特別展が行われているようなので(保証はできかねますが)見損なった方は気長にお待ちください。


唐院を出て、高台にある観音堂に向かうと途中に勧学院という塔頭があります(三井寺にはこの他にも光浄院等、幾つかの塔頭が存在します。)。

 
三井寺は桜の季節には夜間に境内を無料開放することがあり、私も2回ほど出かけましたが、その際、この勧学院の書院(国宝)が特別公開されていました(こっちは有料でした)。


昼間公開している寺院が、期間を限定して、夜間も特別に公開するというケースは京都市の清水寺、青蓮院等、けっこうありますが、昼間でさえ基本的に公開していない寺院が、夜間だけ特別公開するというのはかなり珍しいケースでしょう(もっとも、普段でも3名以上で予約すれば、拝観可能なようですが)。


日本庭園の中に鮮やかな絵の書かれた紙製の灯篭(中身は電灯です。火事が怖いですので。)がなかなかに幻想的だったと憶えています。


境内の南西のはずれの高台に観音堂と幾つかの建物があり、観音堂は西国三十三番観音霊場の1つです。


西国三十三番観音霊場はその名のとおり観音菩薩様を祀る霊場33箇所を集めたものですが、中にはこの三井寺観音堂のように本堂(金堂)以外の脇役(?)のお堂が入っていることもあります(他に興福寺南円堂、醍醐寺准胝堂)。


この観音堂のある高台からは昔は琵琶湖がよく見えたようですが、近年、大津港の周辺に大型ビルが建てられ、景観が損なわれました。


もっとも、そうまでして建てたビルがテナントの撤退等で上手くいっていないようで、お役所主導の開発の失敗例になっています。


やはり、「この事業が上手くいかなかったら、会社がつぶれるかもしれない。潰れなくても、俺は会社に居辛くなるかもしれない。」という緊張感がないと事業とは上手くいかないのでしょうか。


余談はさておき、三井寺の境内は狭すぎず、広すぎず、通常であれば、のんびり歩いても1時間半あれば、一周できるはずです(少し離れたところに国宝の新羅善神堂がありますが)。


拝観が終わったら、ついでに琵琶湖を観光するのはどうでしょうか。


ミシガンやビアンカといった観光船に乗り込む手もありますが(私は長いこと色物扱いしていましたが、友人たちとガヤガヤと話しながら乗る分には案外楽しいです)、湖風に吹かれながら、湖畔の散策路(大津港の東側は特によく整備されています)を歩くのもよい感じです。      (終)

◆基礎疾患に注目しよう  

石岡 荘十


「基礎疾患」は医学用語で「病気の大元の原因となる疾患」と定義される。

例えば、よく言われるのが心筋梗塞や脳梗塞の基礎疾患として挙げられる「死の四重奏」。

内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)、高血圧、高脂血症、糖尿病の4つが揃っていることを言い、死亡率は、そうでない人に比べて30倍以上も高くなるという調査結果がある。これにさらに喫煙習慣を加えた五つ揃い文で「死の五重奏」という。

リンゴ型肥満というのは中高年男性の典型的な体型で、写真などで見る金正日氏がその典型的な体型である。女性の場合は、体脂肪が引力に逆らえず臀部に下がってくるので「(西洋)ナシ型肥満」ということになる。


内臓脂肪型肥満の人は動脈硬化になりすく、心臓病や脳卒中へと進んでいくリスクが高まるからだ。

メルマガ「頂門の一針」主宰の渡部氏が治療の経緯を述べておられる。一応、犯人は脳血栓の予防薬プレタールの副作用ということになったようだ。渡部氏は数十年前に禁煙を実行しておられるし、お見掛けしたところ、内臓脂肪もそれほど大量に溜め込んでいる様子はない。しかし糖尿がある。

高血圧、高脂血については伺ったことはないが、もし該当するような疾患の症状があるとすれば、末永く健筆を振るわれるためにも基礎疾患を撃退するよう心がけて頂きたい。

一口に「撃退」といっても、そのほとんどが、長年のいわゆる生活習慣病の結果なのでそう簡単にはいかない。例えば禁煙。簡単に決別できる人もいるが、懲りるような事態、例えば片肺切除に追い込まれてやっと、止めることが出来たという友人もいる。

心臓手術は不整脈の基礎疾患だ。

筆者は、13年前、心臓の大動脈弁が機能しなくなり人工の機械弁に置換する手術を受けた。10歳の頃から大動脈弁がうまく閉じない障害がありながら、手術までの50余年間放置しておいた結果、心臓の筋肉が正常な人の2倍近い厚さ(1.7ミリ)に肥厚し、弾力性を失いかかっていた。

手術後、不整脈の一つである心房細動に悩まされたのは、心臓手術によって傷つけられ弾力性を失った心筋が基礎疾患となって、時々、心臓の細胞があちこちで異常な動きを見せるためだと診断された。そこで、術後8年目(‘07年)、心房細動の根治治療に踏み切った。

カテーテル(ビニールの細い管)を腿の付け根から差し入れて、心臓まで押し進め、異常行動を起こす細胞を捜索・特定し、高周波で焼き切る。

カテーテル・アブレーション(電気焼妁)といわれる最先端の不整脈治療法だ。その上、術後、何種類かの薬の服用を強いられ、辛うじて心房細動の再発を阻止している。

心臓手術を経験すると、心房細動を起こしやすくなる。橋本龍太郎元首相は、心臓の弁(僧帽弁)がうまく閉じなくなり、私と同じように人工の機械弁に取り替える手術を受けた。

その3年後(‘06)、同じように心房細動を起こし、心臓で出来た血栓(血の塊)が飛んで腸に栄養を送る動脈を詰まらせ、どんな鎮痛剤も効かない激痛を訴えながら死亡した、といわれる。

死因は「腸管虚血を原因とする敗血症ショックによる多臓器不全」だが、この場合の基礎疾患は心臓手術→心房細動である。しかし、いまさら手術経験をなかったことには出来ない。

そこで、薬で心房細動を抑え込むことになるのだが、「すべての薬は毒」である。大学の薬学部で教鞭をとっている友人は、学生にまずこのことを教えるという。

だから種類と量の処方にはくれぐれも慎重でなくてはならないのだが、日本では2万種類の薬が使われている。この中からピタリ鍵穴に合う一本の鍵のような薬を処方するのは、至難の技である。

マスターキーはない。そう考えると、副作用が出ないほうがおかしいともいうことが出来る。私もプレタールを服用しているが、渡部氏のような副作用は今のところない。鍵穴の型が異なるということだろう。

アメリカには「5種類以上の薬を処方する医者にはかかるな」というのが常識だそうだが、日本では65歳以上の高齢者は平均して6種類の薬を服用しているといわれる。

が、薬はあくまでその場しのぎの対症療法に過ぎない。その中で一番多いのは複数種の降圧剤だ。ほとんどの降圧剤には性的機能を不能にする副作用があることはあまり知られていない。「そのお歳でもういいでしょう」と、医者はなめて処方しているのかもしれない。なめるな! 

基礎疾患である生活習慣病の克服こそが根治治療法であり、それができれば “毒”をのまなくてよくなる理屈である。“夜明けのテント”も夢ではなくなるかもしれない。        


2018年05月22日

◆イラン核合意からの離脱

宮崎 正弘


平成30年(2018年)5月21日(月曜日)通巻第5707号 

トランプの「イラン核合意」からの離脱、次に起こることは何か?
  仏トタルが撤退すれば「イランのガス油田開発利権」はCNPCが引
き継ぐ

2015年に欧米とイランが合意に達した「イラン核合意」とは、究極的なイ
ランの非核化ではなく、反対に将来のイランの核武装に含みを持たせるザ
ル法に近い。

トランプ政権の分析によれば、不用意極まりないものとされ、2025年以降
には制限も段階的に解消されてしまう内容だった。

なぜなら濃縮ウランの備蓄を減らすことしか謳われておらず、技術が保全
される。弾道ミサイルの開発は制限されておらず、さらにはイラン系のテ
ロリスト支援を制限できない。トランプは批判したように、「イラン核合
意は絵空事」だったからである。

しかしオバマが最終的に署名し、じつは欧米メジャーは欣快として一斉に
イランに戻った。欧米メジャーがイランの原油ならびにガス鉱区の開発に
勤しんできた。イランと欧州諸国との貿易は十倍に膨らんだ。

トランプは再びイランへの制裁強化に踏み切った。

そうなると自業自得になって欧米にはねかえる。だから反対論が欧州諸国
には根強い。なぜなら開発途次の油田の利権を失いかねないからだ。
メルケルもマクロンも、トランプに対して執拗に「イラン核合意に復帰せ
よ」と呼びかけるのだ。

 だがトランプは正反対に制裁を強化した。離脱声明(5月8日)直後の
10日にはUAEの9個人と団体にドル調達網を遮断するための制裁を講
じた。在米の資産凍結がムニューチン財務長官から発表された。

これはイランの革命防衛隊の中枢部隊とされる「コッズ部隊」がUEAの
金融機関などにダミー口座を設け、イラク、シリア、レバノンなどの過激
テロ組織に資金を流し、武器を調達したと見られるからである。

すでに直撃を受けたのは仏トタル社。イランで開発途中の天然ガスプラン
トは10億ドル、この九割にあたる9億ドルを米銀からの借り入れで行って
きたため、事業の継続が危ぶまれる。はやくも仏トタルの利権は中国の
CNPC(中国石油天然気集団)が引き受けると観測されている。

中国はイランにおいてい、「一帯一路」(BRI)プロジェクトの一環と
してすでに鉄道工事を始めており、さらに昨年9月に100億ドルの信用供
与を行った。イランと中国の貿易額は2017年度に370億ドルの実績があ
る。主として、中国への原油輸出である。

しかしイランが核武装となれば、中東の軍事バランスは劇的に変わるだろう。

イスラエルは80発以上の核兵器を保有すると観測されるが、イランが核武
装に乗り出せば、サウジアラビアは瞬時に核武装できる。

なぜなら膨大な開発資金を供与してパキスタンに核武装させたうえ、その
うちの20%程度を、いつでもパキスタンはサウジへ渡すという秘密の合
意があるからだ。パキスタンは現在、80−120発の核兵器を保有すると米
国情報筋は推定している。


中東地図はイランが支援するイラク、シリア、レバノンが反イスラエル闘
争を繰り広げており、またイエーメンはイランとサウジアラビアの代理戦
争の様相、カタールはサウジなど周辺国から貿易を遮断され孤立、これで
シリアが片付けば、つぎにレバノンに戦火が飛び火する危険性が高い。