2018年11月07日

◆麦の穂青し、空は一片の雲も留めず

加瀬 英明


来年5月に全国民が慶祝に涌きかえるなかで、126代の天皇陛下が即位さ
れる。

天皇は日本を統べて下さる要(かなめ)であり、民を安ずる使命を授かった
御存在である。

皇室の無い日本を想像することが、できるだろうか。

天皇は他国の君主と違って覇者ではなく、敵対する者が存在しない。古
代・中世の一時期さえ除けば、武力を用いたことがなかった。

天皇は日本でもっとも謙虚な人であり、日本の国柄が結晶した方であられ
る。日本の祭り主として2000年余にわたって皇祖を祀り、つねに国民の幸
せと平和を祈ってこられた。

御代替りが、来年5月に迫っている。そのために、私はあらためて天皇の
存在について考えた。

昭和20(1945)年のアメリカは「天皇を処刑せよ」という世論で沸騰して
いた。

だが、日本は惨憺たる敗戦を蒙ったにもかかわらず、どうして天皇を戴く
国のかたちを、守ることができたのだろうか。

大西瀧次郎中将を偲ぶ

私は9月に同志とともに、靖国神社の靖国会館において、『大西瀧治郎中
将を偲ぶ会』を催した。

大西海軍中将といえば、昭和19年10月にフィリピンにおいて、最初の神風
特攻隊を編成して送り出したことから、「特攻隊の父」といわれてきた。

当日、200人あまりが「偕行の間」に集まったが、その前に昇殿参拝した。

私は代表して、次の祭文を捧読した。

「謹んで大西瀧次郎海軍中将の御魂と、先の大戦中に散華された英霊に申
し上げます。

わが国は先の大戦を自存自衛のために、国を挙げて戦ったのにもかかわら
ず、連合国に『ポツダム宣言』を受諾することによって敗れましたが、世
界史にまったく類例がない特攻作戦を空に海に敢行することによって、連
合国の心肝を寒からしめ、名誉ある条件付き降伏を行うことができました。

『ポツダム宣言』は、『われらの条件は左の如し。われらは左の条件から
逸脱することなし』と述べて、『日本国軍隊の無条件降伏』のみを要求し
ています。

特攻作戦こそは、高貴な日本精神を発露したものでありました。特攻隊員
と、アッツ島から沖縄まで戦場において玉砕した英霊の尊い犠牲によっ
て、わが国の2600年以上にわたる美しい国体が護られて、今日に至ってい
ます。

日本国民は特攻に散った英霊が悲惨な亡国から、日本を救って下さったこ
とを忘れません。御遺志を継いで日本を守ってゆきますことを、お誓い申
し上げます」

日本が国民を挙げてよく戦ったために、連合国が昭和20(1945)年7月26
日に『ポツダム宣言』を発することによって、連合国側から和平を申し出
た。トルーマン大統領はこの4日前に、アメリカ陸海軍(まだ空軍はな
かった)に、「オリンピック作戦(オペレーション・オリンピック)」と名
づけた九州上陸作戦を、11月に実施するように命じていた。

アメリカ統合参謀本部は、7月はじめに「対日計画案」を大統領に提出し
て、日本本土侵攻作戦に500万人の兵力を必要とするが、日本は1947(昭
和22)年まで戦い続け、アメリカ軍死傷者が100万人を超えようと見積っ
ていた。

そのためにトルーマン政権は、前政権が日本に「無条件降伏」を強いる方
針をとっていたのを改めて、条件付降伏を求めることを決定した。

今日では多くの国民が特攻隊や、最後まで戦った将兵が徒死(むだじ)に
だったというが、日本の悠久の国のかたちが、この尊い犠牲によって守ら
れたのだった。

先の対米戦争はアメリカの不当な圧迫を蒙って、已(や)むに已(や)まれず
に戦ったものだった。

和平派だった東郷茂徳外相と、戦後、『カレント』を創刊された賀屋興宣
蔵相は、『ハル・ノート』に接して、もはや已むなしとして、開戦の詔勅
に副署した。

 『海ゆかば』の合唱

偲ぶ会は、東映の協力によって、バリトン歌手・斎藤忠生氏の先導によっ
て、『海ゆかば』の合唱から始まった。

特攻隊員が整列をして水盃を戴くと、次々と離陸して、敵艦に命中する
か、対空砲火によって、海面に激突する実写が上映された後に、東映若手
男優3人が特攻隊の飛行服に、日の丸の鉢巻を締めて登壇して、1人1
人、特攻隊員の遺書を朗読した。

そのうえで、藤田幸生・特攻隊戦没者慰霊顕彰会理事長(元海幕長)、劇
映画で大西中将を演じた父・故鶴田浩二氏の令嬢で、女優の鶴田さやか氏
らが、短い挨拶をした。

講話が終わった後に、壇上に戻った3人の若手俳優と、参会者が『同期の
桜』を合唱したが、全員が頬を涙で濡らした。

参会者が、再び『海ゆかば』を合唱することによって、閉会した。

特攻作戦は、大西中将が発案したのではなかった。昭和19(1944)年7月
にサイパン島が失陥すると、少壮将校から海軍部内に敗勢を挽回するため
に、特攻を行いたいという声が、澎湃(ほうはい)として起った。特攻作戦
が採用され、特攻兵器の開発が始まっていた。

 私には特攻について、多くの関係者の話をきいてまとめた英文の著書が
あるが、特攻作戦は長い歴史によって培われた、日本国民の愛国心と熱誠
が表われたものだった。

会が始まる直前に、実行委員の一人のF君が、「冒頭で『君が代』を斉唱
しましよう」というので、私は反対した。特攻隊が出撃する時には、『海
ゆかば』が合唱されたが、『君が代』が歌われたという例は、きいたこと
がない。

『海ゆかば』は、防人(さきもり)を司る兵部少輔だった大伴家持(西暦
717年〜785年)の歌で、『万葉集』に収録されている。『万葉集』
は私たちの魂の故郷(ふるさと)である。『君が代』は平安朝初期の『古今
和歌集』にある祝歌(ほぎうた)で、悲壮な出撃にふさわしくなかったのだ
ろう。

閉会する前に、F君から「聖寿万歳によって、会を締め括りましよう」と
耳打ちされたので、私は「それはやめましよう」と答えた。

大西中将の自刃後に、淑恵夫人がインタビューで、中将が戦争末期に「天
皇は国民の前に立たれるべきなのに、女官に囲まれている」と憤ったと
語っており、部下に「この戦争は国民ではなく、天皇の側近たちが敗れた
のだ」と、切り捨てたという証言がある。

天皇家は京都の御一家であって、武家の棟梁ではない。私たちにとって、
天皇は文化的な存在である。

特攻について1冊だけ、本をあげるようにといわれたら、『麦の穂青し』
(勉誠出版)を勧めたい。特攻隊員の遺書が集録されている。全家庭に1
冊常備したい本だ。

題名は、昭和20年4月29日に九州から飛び立った23歳の特攻隊員が、出撃
寸前に書いた遺書からとっており、「1215搭乗員整列。進撃は1300より
1630の間ならん。空は一片の雲も留めず。麦の穂青し」という 短いもの
で、心の動揺なく出撃したことが証されている。進撃時間は沖縄 の上空
に着く時間を見積ったものだ。

 語らざる悲しみもてる人あらむ

天皇皇后両陛下が平成24年に、イギリスに行幸啓された。

その時に、前大戦中の元イギリス兵捕虜が、沿道に並んで、抗議行動を
行った。

 この時に、皇后は大戦後イギリス軍の捕虜となって、処刑された国人
(くにびと)を思いやられ、和歌をよまれた。

 「語らざる悲しみもてる人あらむ母国は青き梅実の頃」という御製を拝
して、私は「麦の穂青し」を思って、恐懼した。

 終戦の日ごとに、テレビで玉音放送の録音が流されるが、「朕は茲(こ
こ)に国体を護持しえて」と仰言せられるのを謹聴するたびに、特攻に、
玉砕に殉じた先人たちを誇りたいと思う。

◆これからの日中関係を決める首脳会談

櫻井よしこ


「これからの日中関係を決める首脳会談 騙され続けた長年の歴史から脱
せるか 」

10月23日、私が理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」は
「中国の人権侵害に、日本の沈黙は許されない」とする意見広告を、複数
の全国紙に掲載した。

中国政府は100万人を超えるイスラム教徒のウイグルの人々を収容所に押
し込め、絶え間ない洗脳を行っており、多くのウイグル人が弾圧され、拷
問を受け、死亡し、廃人にされ、或いは深刻な後遺症に苦しんでいる。

米議会はマルコ・ルビオ上院議員らが中心になって、民主、共和両党が結
束し、中国政府に問題をつきつけた。米議会は中国の凄まじい人権弾圧を
「人道に対する罪」と定義し、国際社会に告発した。

2022年の冬期五輪の開催地に予定されている北京を他の都市に変更するよ
う、国際オリンピック委員会に要請し、中国で国家分裂罪で無期懲役の判
決を受けて獄中にあるイリハム・トフティ氏を来年のノーベル平和賞に推
薦するという。

ルビオ氏らは同盟国にも、中国非難の同じ隊列に加わるよう求めている。
米中間で進行中の貿易戦争の背後には両国の価値観の相違がある。ウイグ
ル人に対する不条理な弾圧はそのひとつである。日米安保条約によって同
盟国として結ばれている日本にとって、価値観の闘いで、米国と共同歩調
をとらない理由はない。その意味で日本の政府も国会議員も、いま、ウイ
グル問題で声を上げるべきである。

トルコのサウジアラビア総領事館でジャーナリストのジャマル・カショギ
氏が殺害された。サウジ政府によるカショギ氏殺害の、人権無視の酷いや
り方はもはやどの世界にも受け入れられない。

一人のジャーナリストの殺害事件が、サウジ皇太子のムハンマド・ビン・
サルマン氏の地位を危うくしている。米国とサウジの関係に亀裂が生じ、
サウジの影響力が低下し、イスラエルとの連携も弱まり、イランが得を
し、結果として中東情勢が揺らぐ深刻な展開になりかねない。

人権問題が世界情勢を大きく左右する要素になる中で、中国はサウジより
も遙かに残酷な拷問死の山を築いてきた人権弾圧国家である。日本の政治
家が中国に抗議の声を上げない方がおかしいのである。

たとえウイグル問題がなくとも、日本政府には中国の人権弾圧について発
言しなければならない事情がある。8人もの日本人が中国にスパイとして
囚われている。彼らがスパイであるなどとは信じ難い。中国側は容疑を裏
付ける詳しい情報を全く示していない。これまでにも中国が日本人をスパ
イ容疑で拘束した事例はあるが、いずれも濡れ衣と言ってよい事例だった。

26日(本稿執筆は23日)の、実に7年ぶりの日中首脳会談で安倍晋三首相
が何を語り、何を語らないかで、これからの日中関係が決まる。首相は日
中首脳会談を望みながらも中国が首脳会談実現の条件としてつきつけた要
求に屈しなかった。中国側が欲し、日本側も欲した首脳会談でも、同じよ
うに妥協しないことが日本の国益を守る道だ。

日本側が中国側に求めるべきことは、まず第一に日本国民の人権と命を守
るという意味で、前述の8人の日本人救出である。次に尖閣諸島海域に定
期的に侵入する中国の公船について1ミリも譲らずに抗議することだろ
う。そうしなければ尖閣海域における中国の行動を黙認し、中国が領土を
奪うことを認めることになる。第三に中国の知的財産の窃盗への抗議だ。
米中貿易戦争で米国の側につく意思を示し、同時に日本が被っている損害
について、これ以上許さないとの決意を示すためである。

最低限こうした点をおさえることができれば、首相の対中外交は成功だ。
それができて初めて中国に騙され続けるという長年の日中関係から脱する
ことも可能になる。

『週刊ダイヤモンド』 2018年11月3日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1254

◆奈良木津川だより 太古の木津川地域

白井繁夫


「古墳時代の木津川」を取り上げたいと思って、木津川市山城町の椿井大塚山古墳、木津町の大畠遺跡、土師の七つ塚古墳などを散策していた時、ふと次のことが頭に浮かびました。

前方後円墳の椿井大塚山古墳は、日本最古の箸墓古墳を三分の二に縮めた同型の古墳です。そこでは邪馬台国(九州説もあります)女王卑弥呼の三角縁神獣鏡が三十数枚も出土しました。

他方、記紀に記載された崇神天皇の条:「和訶羅河:わからがわ:(泉河:木津川)」を挟むこの地で、天皇の命を受けた四道将軍の大毘古命(おほびこのみこと)の軍と、反乱軍の建波邇安王(たけはにやすのみこ)との大戦もありました。

第10代崇神天皇は、大和の国の王から倭国を統一した大和朝廷の大王であり、(3〜4世紀に実在した大王とも云われている)、古墳時代の人物ではないか、と云う説があります。

ですからこの度は、太古の時代(旧石器時代)から、弥生時代、古墳時代へと、「木津川地域を散策」しながら、大和朝廷と山背(南山城)と、木津川市とのかかわりも見ようと思います。

地球上に人類が誕生したのは洪積世(氷河時代)で、今から200万年前から1万年前です。
氷河期は水が氷結して海水面が下降し、日本列島は大陸と陸続きの状態になりました。人類は大型動物(マンモスやオオツノジカなど)を追って南北から列島に渡ってきました。

氷河がとける温暖な間氷期を経て日本列島は大陸と離れて、大型動物も絶滅しました。
日本列島の旧石器時代の「人類の遺跡」は昭和24年(1949)に発見された群馬県岩宿(いわじゅく)が最初の遺跡です。そこから打製石器が出土しました。

・前期旧石器時代:3万年以前

列島各地でその後、旧石器時代の遺跡が発見されました。宮城県座散乱木(ざざらき)遺跡、同中峯遺跡、同馬場檀遺跡、栃木県星野遺跡、大分県早水台(そうずだい)遺跡など、出土遺品は初歩的な打製石器です。

・後期旧石器時代:3万年前から1万3千年前:

近畿から瀬戸内にはサヌカイト(安山岩)を用いた瀬戸内技法(ナイフ形石器)が広まる。
「南山城の木津川地域」:八幡市の金右衛門垣内(きんえもんかいと)遺跡:ナイフ形石器、
城陽市の芝ヶ原遺跡:ナイフ形石器と舟底形石器、京田辺市:高ヶ峯遺跡:石核など。

木津川市における同時代の遺跡にしては昭和52年(1977)に木津町の東部の丘陵端:岡田国神社の裏山(岡田国遺跡)で、一点の石器が発掘されました。石材はサヌカイトで4.7cm長の不定形のもので、未完成の製作途中の石器でした。

・更新世(洪積世)終期:1万3千〜1万2千年前:

細石器.有茎尖頭器(有舌尖頭器)の時代:細石器の石刃(長さ数センチ、幅数ミリの特小石刃)、有茎尖頭器(槍の穂先をとがらし、柄に付けるために基部には茎「ナカゴ」をもつ)。

近畿地方は有茎尖頭器が主流です。(細石器のナイフや槍は全国に分布していました)。
「木津川地域では井出町上井出遺跡、木津川市山城町千両岩遺跡、同加茂町例幣遺跡、など」。

・縄文時代(新石器時代):1万2千年前〜前3世紀:

加工技術も進歩して狩猟の弓矢、生活用具などへの応用と、目的と用途が拡大しました。特筆しますと、この時代発明された「土器」は、「煮る」という調理の方法への大変革があったことです。食物の種類と範囲が拡大でき、定住性の強い集落が各地に形成されたことが証明されます。

前期縄文時代の「木津川市山城町の涌出宮(わきでのみや)遺跡」、城陽市の丸塚古墳下層遺跡で、北白川下層式土器が出土しました。(前期の標識土器:京都市北白川小倉町遺跡で出土した爪形文の土器)また、涌出宮遺跡からは連続する三型式の土器が出土し、ここの集落はずっと継続してきたと見なされます。

後期縄文時代:西日本の縄文土器は、東日本と異なる発展をし、土器から縄文が消えて、華麗な装飾を施した多様な器形が盛んになりました。

後期縄文人は丘陵地の動物の減少を補うため、低地へ進出して植物栽培を始めたのです。

「木津川地域」も同様だったと思われますが、「木津川」は大変氾濫が多いため、地下深く眠っている遺跡を発掘する本格的な調査は、未だ実施されていません。

・弥生時代: 紀元前3世紀〜後3世紀中頃 水稲農業と金属器使用の新文化時代

九州北部に大陸.半島から渡来した新文化は、端正な姿形の弥生土器と青銅器.鉄器の時代へ2ルート(瀬戸内地方と日本海沿岸)を通じ、東方へと日本列島を大きく変えました。

・遠賀川式(おんかがわしき)土器:福岡県板付遺跡、佐賀県菜畑遺跡

弥生前期の南山城の稲作文化導入期の土器は河内(東大阪市)より伝わっていました。
(木津川市燈籠寺遺跡、京田辺市宮ノ下遺跡の土器は河内の胎土使用)
北山城(乙訓地区の遺跡など)は、淀川経由ルートで伝播されています。

・弥生中期(紀元前1世紀〜後1世紀)の銅鐸と遺跡の発見

昭和57年(1982)6月木津町相楽山の丘陵(現木津川市相楽台)で相楽ニュータウン造成工事中に銅鐸1個が出土しました。(高さ:40.5cm、型式:扁平紐式6区袈裟襷文)
南山城では八幡市(式部谷遺跡の銅鐸)に次いで2番目、20年ぶりの発見です。(京都市の梅ヶ畑遺跡の4個を含め)山城国では合計6個目です。

銅鐸発見場所から東方約200mの場所で、同時代の集落や墓(方形周溝墓:まわりを方形の溝で囲んだ墓)の遺跡(大畠遺跡)も発見されたのです。

当時の銅鐸は祭祀に使用し、複数の集落を束ねる母体の集落が管理していました。近畿地区の山城、大和、河内では各郡に銅鐸1個の割合ですが、摂津、和泉は1郡に複数(2〜3)個の割合でした。

「木津川市大畠遺跡の集落」の勢力は八幡市、京田辺市北部、同南部、山城町〜井出町南部、城陽市、宇治市西部の6集団に並び立つほどのものと云われています。

稲作農業の人々は低湿地や丘陵の谷間を木製の鍬や鋤で耕し、水田に籾を直播しました。
弥生式土器を用いる生活様式になり、煮炊きする甕、食物を蒸す甑(こしき)、貯蔵用の壺、
食物を盛付ける高杯や鉢などの土器も発達しました。

狩猟や戦闘用の鉄鏃や銅鐸用や銅鏃などの他に、鉄の工具で木材を加工したり、農具にも鉄の刃先を取り付けたり、鉄器の活用で生産活動や生活文化も変化、発展を遂げました。

当時の南山城への物流や文化の伝播は河内から神奈備丘陵(現学研都市丘陵)を越えるルートと大和から佐保丘陵を越えるルートが主流でした。北山城へは淀川経由でした。

大畠遺跡は、近くの音乗ヶ谷遺跡、北隣の町(精華町)を含む複数の集落の母村であり、以後も北へ600mの曽根山遺跡、相楽(さがらか)遺跡へと古墳時代から奈良時代へと続きました。

太古の時代から急ぎ弥生まで、端おって綴ってみました。如何だったでしょうか。

次回は、古墳時代の山城について椿井大塚山古墳を中心に散策記を掲載したいと思います。

<参考資料:木津町史  本文編 木津町
   相楽山銅鐸出土地発掘調査、相楽山銅鐸出土地。大畠遺跡、 木津町教育委員会
   大畠遺跡発掘調査、第1次(1982)、第2次(1983) 木津町教育委員会>

2018年11月06日

◆フリーダムハウス 報告書

宮崎 正弘

平成30年(2018年)11月5日(月曜日)通巻第5877号   

 米NGO「フリーダムハウス」報告書が指摘
  中国の「デジタル・シルクロード」は監視の網を海外にも拡げた

11月2日、米政府系の「フリーダムハウス」による年次報告書『デジタル
専制政治の台頭』によれば、ビッグデータ、フェイクニュース、ネット上
のプライバシーの監視によって、民主主義が破壊される危機にさらされる
可能性があるとした。

同報告書はフェイスブックから5000万人の個人データが流失した事実にも
触れて、防御を強く呼びかけている。

ネット上に流れたフェイクニュースの影響を受けた選挙では、バングラデ
シュ、スリランカ、印度などで暴動が発生した。米国の大統領選挙でもロ
シア、中国のハッカー攻撃と同時にフェイクニュースが何回も流され、選
挙への介入が目立った。

またエジプト、ケニヤ、ナイジェリア、フィリピンなどではデジタル社会
の影響を受けて、民主主義の劣化が見られるとした。

同報告者は中国の新彊ウィグル自治区における住民弾圧、とりわけ百万も
の人々を収容所に入れての再教育を批判しつつ、「この収容されたウィグ
ル族の人々はネットによる通信が傍受されたことによる」と特筆している。

中国のシルクロード構想とは、相手国に光ファイバーや通信機材、設備を
輸出してもいるが、多くで光ファイバー網の建設を同時並行している。
この結果、外国のネット通信の防聴もが可能となっており、まさに「デジ
タル・シルクロード」だと批判している。

      
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1814回】               
――「支那人は不可解の謎題也」・・・徳富(39)
徳富蘇峰『支那漫遊記』(民友社 大正7年)

     ▽

「善言者は、善行者にあらずとは」、「支那人一般に適用す可き名言
也」。だが、彼らが「善く行はれざる」からといって、支那古典に満ちて
いる善言が「善言たるの價値を損」するわけはない。

「白皙人種と競爭するは、單に武力の一點張り、若しくは生産の一方面の
みに、限る可きにあらず」。やはり「此の學問の中樞、若くは中樞の一た
る、支那古典の研究」こそが肝要である。「日支兩國を、精神的に提携せ
しむる」ことからも、「蓋し支那學問の興隆は、興亞の一大長策也」。

 ■「(78)空論國」

議論の際に「動もすれば熱拳を揮」う日本人に対し、「支那人は戰爭中に
も、尚ほ議論を事とする」。「要するに支那は、何よりも先づ言論の國」
であり「文字の國」である。「露骨に云はヾ、空論國」ということになる。

「文字言論の國柄として、支那人の辭令に巧妙なるは、先天的と云ふも
可」であり、同時に「饒舌なるは、亦是れ一種國民的性格」ともいえる。
そこで「言論を以て能事とする代議政治は、支那に取りては、寧ろ適當の
政治」といえるだろう。

「支那が言論國なればとて、我が日本も亦た、之に倣はねばならぬ必要」
はない。「俗吏政治」は問題だが、さりとて「巧辯家政治」にも難があ
る。欧米諸国が「既に言論の厄運に遭ふ」ていることを考えれば、「東亞
も亦た、果して同樣の厄運を迎へざる」を得ないようだ。

■「(79)空論亡國」

日本では「支那的空論の流行」が見られ、残念だが「我が日本は、追々と
空論繁昌の世の中となりつつあり」。「東亞の空論國は、支那のみにて既
に澤山」であるというのに。

じつは「議論の効用は、實行にあ」るわけで、溺れる人を前に、溺れた理
由、救助は必要か、救助された後に褒賞はあるかなどと「御託を並べんよ
りも。寧ろ直ちに手を出して、之を援くるを先務と」すべきだろう。やは
り「日本は專ら實行の方面に、其力を竭」すべきだ。なぜなら「支那人、
印度人、何れも言多くして、實少き」ゆえに、「今日其の國家の衰微若く
は亡滅を招」いているからである。

「我國爲政者」が「他國爲政者の饒舌」に倣うようになっては、日本とい
う「我が國家の前途や、實に憂ふ可きの至り」というものだ。

■「(80)豐富なる?史」

「支那人には、新奇の物なし」。なんであれ「吾國に固有せり」と自慢す
る。それというのも「支那は舊國也、大國也。舊且つ大にして最も百科字
彙的國」だから、ないものはないのが当たり前ともいえる。たとえば「即
今歐米諸國の問題たる、『國民協盟(リーグ、オブ、ネション)』の如き
も、支那には春秋時代に、既に幾許か之を試みたる者ありし也」。

「吾人(徳富)は支那には、殆んど總ての事物存し、然も之れと同時に、
總ての事物、殆んど皆な其の存在の意義を失墜しつゝあるを見る也」。か
くして「此の如き豐富なる?史を有するは、現在及び將來の支那人に取り
て、幸乎、不幸乎、未だ猝かに斷言し易からざる也」と。

――徳富は「未だ猝かに斷言し易からざる也」とするが、やはり「此の如き
豐富なる?史」は不幸というものだろう。なぜなら、彼らが胸を張る「中
華民族の偉大さ」を支える「總ての事物、殆んど皆な其の存在の意義を失
墜しつゝある」からである。

◆これからの日中関係を決める首脳会談

櫻井よしこ


「これからの日中関係を決める首脳会談 騙され続けた長年の歴史から脱
せるか」

10月23日、私が理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」は
「中国の人権侵害に、日本の沈黙は許されない」とする意見広告を、複数
の全国紙に掲載した。

中国政府は100万人を超えるイスラム教徒のウイグルの人々を収容所に押
し込め、絶え間ない洗脳を行っており、多くのウイグル人が弾圧され、拷
問を受け、死亡し、廃人にされ、或いは深刻な後遺症に苦しんでいる。

米議会はマルコ・ルビオ上院議員らが中心になって、民主、共和両党が結
束し、中国政府に問題をつきつけた。米議会は中国の凄まじい人権弾圧を
「人道に対する罪」と定義し、国際社会に告発した。

2022年の冬期五輪の開催地に予定されている北京を他の都市に変更するよ
う、国際オリンピック委員会に要請し、中国で国家分裂罪で無期懲役の判
決を受けて獄中にあるイリハム・トフティ氏を来年のノーベル平和賞に推
薦するという。

ルビオ氏らは同盟国にも、中国非難の同じ隊列に加わるよう求めている。
米中間で進行中の貿易戦争の背後には両国の価値観の相違がある。ウイグ
ル人に対する不条理な弾圧はそのひとつである。日米安保条約によって同
盟国として結ばれている日本にとって、価値観の闘いで、米国と共同歩調
をとらない理由はない。その意味で日本の政府も国会議員も、いま、ウイ
グル問題で声を上げるべきである。

トルコのサウジアラビア総領事館でジャーナリストのジャマル・カショギ
氏が殺害された。サウジ政府によるカショギ氏殺害の、人権無視の酷いや
り方はもはやどの世界にも受け入れられない。一人のジャーナリストの殺
害事件が、サウジ皇太子のムハンマド・ビン・サルマン氏の地位を危うく
している。米国とサウジの関係に亀裂が生じ、サウジの影響力が低下し、
イスラエルとの連携も弱まり、イランが得をし、結果として中東情勢が揺
らぐ深刻な展開になりかねない。

人権問題が世界情勢を大きく左右する要素になる中で、中国はサウジより
も遙かに残酷な拷問死の山を築いてきた人権弾圧国家である。日本の政治
家が中国に抗議の声を上げない方がおかしいのである。

たとえウイグル問題がなくとも、日本政府には中国の人権弾圧について発
言しなければならない事情がある。8人もの日本人が中国にスパイとして
囚われている。彼らがスパイであるなどとは信じ難い。中国側は容疑を裏
付ける詳しい情報を全く示していない。これまでにも中国が日本人をスパ
イ容疑で拘束した事例はあるが、いずれも濡れ衣と言ってよい事例だった。

26日(本稿執筆は23日)の、実に7年ぶりの日中首脳会談で安倍晋三首相
が何を語り、何を語らないかで、これからの日中関係が決まる。首相は日
中首脳会談を望みながらも中国が首脳会談実現の条件としてつきつけた要
求に屈しなかった。中国側が欲し、日本側も欲した首脳会談でも、同じよ
うに妥協しないことが日本の国益を守る道だ。

日本側が中国側に求めるべきことは、まず第一に日本国民の人権と命を守
るという意味で、前述の8人の日本人救出である。次に尖閣諸島海域に定
期的に侵入する中国の公船について1ミリも譲らずに抗議することだろう。

そうしなければ尖閣海域における中国の行動を黙認し、中国が領土を奪う
ことを認めることになる。第三に中国の知的財産の窃盗への抗議だ。米中
貿易戦争で米国の側につく意思を示し、同時に日本が被っている損害につ
いて、これ以上許さないとの決意を示すためである。

最低限こうした点をおさえることができれば、首相の対中外交は成功だ。
それができて初めて中国に騙され続けるという長年の日中関係から脱する
ことも可能になる。

『週刊ダイヤモンド』 2018年11月3日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1254

◆あたる前に必ず「かする」

石岡荘十


旧聞に属すが、ベテラン俳優若林豪さんが2008年3月5日、倒れた。若林さんは小林幸子特別公演「天勝物語」で小林扮する天勝の師匠松旭斎天一役で、名古屋市の御園座に出演していた。

しかし、若林さんの体調は思わしくなく、「セリフもよく入っていなかった」という。この日も昼の部に出演したが、本番を終了直後に病院に向かった。医師の診察を受けて手術が行われた。
 
病名「慢性硬膜下血腫」というのは、脳の血管が切れて脳を覆っている硬膜とその下の脳との隙間に血(血腫)が貯まる病気で、血腫が脳を圧迫する病気だ。

病名は違うが同じ脳疾患で、脳の血管がつまったり、破れたりして、その先の細胞に栄養が届かなくなる「脳卒中」で倒れることを、昔から業界では「あたる」といい、一過性の前ぶれを「かする」という。

つまり「あたる」前に必ず「かする」前兆がある。

したがってこの段階で、“適切な”治療を受けていれば、頭蓋骨を開くというような恐ろしい経験をしなくとも済むかもしれないのだ。

新聞やテレビの報道を総合すると、座長の小林幸子さんは、「2日ほど前、若林さんが小林の楽屋に顔を出し、セリフが引っかかっちゃってゴメンネと謝りに来た。その時は、『長いセリフで大変でしょう』ってお話しはしました。
それが、まさかこの前兆だったと思うと言葉もありません」と話したという。テレビの芸能ニュースでは「右肩がなんとなく下がっているような気がした」と語っている。

このやり取りから判断すると、当時68歳の本人も54歳の座長もいい年、つまり心臓疾患や脳疾患の“適齢期”だというのに、これが重大な病気の前ぶれだと判断する知識をまったく持ち合わせていなかったようだ。

したがって、舞台を降りてでも病院に行くという発想には行き着かなかった。

「舞台に穴を開けられないと頑張ったのでは」と有名な仲間の芸能人が若林さんの芸人根性を褒めたつもりで感想を洩らしていたが、バカ丸出しだ。

もし「あるいは---」と感じながら、無理を通そうとしていたのなら、この年代にとって残った人生で何が一番大切なことか、プライオリティー、つまり優先順位について発想の転換が出来ていなかったということだろう。

変な言い方だが、ポックリいければまだいい方で、160万人以上が半身マヒや言語障害という後遺症で苦しんでいる。

本人だけではない。家族が、大きな負担を強いられることを考えると、「自分に限って---」などという根拠のない楽観は捨て去った方がいい。

救いは、心臓も脳も「あたる」前に「かする」、つまり前兆があるということだ。

その脳疾患の前兆は、
・ 片方の手足がしびれる
・ 持っているものをポロリと落とす、
・ 思っていることが言葉に出てこない、
・ ろれつがまわらなくなる
などなどだ。

心臓の血管(冠動脈)が狭くなる狭心症、完全に塞がる心筋梗塞も高齢者に多い疾患だが、よくよく思い出すとほとんどの人にその前兆がある。

血圧が高い、胸が痛くなったり、なんとなく重苦しい感じがしたりするが15分かそこらで治まるので、「ああよかった」とやり過ごす。

人によっては左の奥歯が痛くなったりうずいたりすることもあるが、このように心臓から遠いところに違和感を覚える人もいる。

これを専門的には「放散痛」というが、大概の人はこれが心筋梗塞の前兆であることに気づかない。

こんなときには、バカにせず、24時間緊急対応をしてくれる専門の医師と検査体制の整った病院へ行って診察を受けることが大切だ。
 
私は、10数年前からかすった段階で診察を受け、診察券を確保して、これを外出のときも肌身はなさず携帯して歩いている。

そのくらいの心掛けがなければ、attackでよしんば一命をとりとめても、半身不随では快適な老後は過ごせない。

よくよく振りかえると、ほとんどの高齢にかすって経験があるはずだ。「ああ---」と思った以上に多くの高齢者が、膝を叩くに違いない。

2018年11月05日

◆ボルソナロ新大統領が中国批判

宮崎 正弘


平成30年(2018年)11月4日(日曜日)通巻第5876号 

 「ブラジルのトランプ」=ボルソナロ新大統領が中国批判
  われわれは「侵略者から国を護る」と当選後の第一声

10月28日のブラジル大統領選挙は、「ブラジルのトランプ」と言わ れた
ナショナリストのボルソナロが当選し、喜びの声はホワイトハウスか
ら、悲しみと落胆は北京から起きた。

選挙中、ボルソナロは「MAKE BRAZIL GREAT 
AGAIN」とまるで、トランプ風の標語と掲げ、「汚職追放、国有企業
削減」ばかりか、「台湾との関係強化」、「イスラエル大使館のエルサレ
ム移転」なども公約としていた。

11月1日、ボルソナロ次期大統領は初めての記者会見に応じて、「わ れ
われは侵略者から国を守る。基幹産業を外国には渡さない」と発言し、
間接的に中国を痛罵した。かと言って具体的に中国への貿易制裁や、規制
強化などのプランを発表したわけではない。

ブラジルは人口が2億900万人(世界第5位)という大国である。

国民ひとりあたりのGDPは9900ドル、日系移民が190万。国民の 65%が
カソリック、公用語はポルトガル語である。

日本との関係は歴史も長く、深い。フィリピンから帰還した小野田少尉も
ブラジルに渡って牧場を経営したし、近年は日本への出稼ぎが多く、浜松
あたりでは「ブラジル村」ができたほどだ。

安倍首相は五輪委員会で2016年にブラジルを訪問している(このとき 東
京五輪が決定した)。ボルソナロ大統領当選直後に祝電を送った。

さて、ボルソナロ新政権は反中路線を掲げて、基幹産業の鉄鉱石や農作
物への中国資本への不満を述べたが、現実問題としてブラジルが中国を排
斥することは考えにくい。

貿易相手国として、すでに中国が米国を抜いてダントツの1位であり、双
方の貿易額は750億ドルに達している。

そのうえ近年、中国資本は通信、自動車から金融にも及んでおり、27 あ
る州のうち、北部では70%の融資が中国工商銀行によって為されている。
 北京はブラジル新政権の出方を固唾を呑んで待っているという構図である。
    
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(速報)
 ロシア金保有、初の2000トン突破
  保有米国債は140億ドルに激減
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世界の国別の金保有や産金国の生産状況、価格推移などを統括する
WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)が11月1日に発表した直近
の統計がある。


ロシアの金保有は年初来93・2トン増やし、全体で2000トン突破 の新記
録となった。これは世界の中央銀行が保有する金全体の17%を占 める。

また金価格を、当日のレート(1214・8ドル@オンス)で計算する と、時
価になおして780億ドルに達する。

反面でロシアは米国債を市場で売却し、その残高は140億ドルに激減さ
せていた。

また中国から大量の金を買い付けたほか、一部の国の貿易決済を金で受け
取ったことが大きな要因と見られる。
      
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  11月25日は憂国忌です!
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三島由紀夫氏追悼 第48回 追悼の夕べ
「憂国忌」のご案内
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前略 貴台におかれましてはご健勝のことと存じ上げます。

ことしもまた憂国忌の季節となりました。三島先生の没後48年にあた
り、政界、言論界でも「最後の檄文」の主張にもある憲法改正の方向性
が出てきました。

また本年は明治150年にあたり、背景に明治の残映から始まる三島先 生の
傑作『春の雪』(『豊饒の海』第1巻)を中心としたシンポジウムな ど
を執り行います。万障お繰り合わせの上、ご臨席いただきますれば幸甚
です。 実施要綱は下記の通りです。

           記

 日時   11月25日(日曜) 午後2時(午後1時開場)
 場所   星陵会館大ホール(千代田区永田町2−16)
 資料代  お一人 2千円 

<プログラム>          (敬称 略、順不同) 

                   総合司会     菅谷誠一郎

午後2時   開会の挨拶     三島研究会代表幹事  玉川博己

      『春の雪』名場面の朗読           村松えり

      『天人五衰』最後の場面朗読         村松英子
午後2時半 シンポジウム  「『春の雪』をめぐって」
                    小川榮太郎、富岡幸一郎、松
本徹 
              司会  上島嘉郎(『正論』前編 集長)
    
  追悼挨拶「憲法改正の時が来た」   中西哲(参議院議員) 
午後4時15分    閉会の辞。 全員で「海ゆかば」斉唱    
 <憂国忌代表発起人> 入江隆則、桶谷秀昭、竹本忠雄、富岡幸一郎、
中村彰彦
西尾幹二、細江英公、松本徹、村松英子
  (なおプログラムは予告無く変更になることがあります。ご了承下さ
い) 

◆これからの日中関係を決める首脳会談

櫻井 よしこ


「これからの日中関係を決める首脳会談 騙され続けた長年の歴史か ら
脱せるか」

10月23日、私が理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」は
「中国の人権侵害に、日本の沈黙は許されない」とする意見広告を、複数
の全国紙に掲載した。

中国政府は100万人を超えるイスラム教徒のウイグルの人々を収容所に押
し込め、絶え間ない洗脳を行っており、多くのウイグル人が弾圧され、拷
問を受け、死亡し、廃人にされ、或いは深刻な後遺症に苦しんでいる。

米議会はマルコ・ルビオ上院議員らが中心になって、民主、共和両党が結
束し、中国政府に問題をつきつけた。米議会は中国の凄まじい人権弾圧を
「人道に対する罪」と定義し、国際社会に告発した。

2022年の冬期五輪の開催地に予定されている北京を他の都市に変更するよ
う、国際オリンピック委員会に要請し、中国で国家分裂罪で無期懲役の判
決を受けて獄中にあるイリハム・トフティ氏を来年のノーベル平和賞に推
薦するという。

ルビオ氏らは同盟国にも、中国非難の同じ隊列に加わるよう求めている。
米中間で進行中の貿易戦争の背後には両国の価値観の相違がある。ウイグ
ル人に対する不条理な弾圧はそのひとつである。

日米安保条約によって同盟国として結ばれている日本にとって、価値観の
闘いで、米国と共同歩調をとらない理由はない。その意味で日本の政府も
国会議員も、いま、ウイグル問題で声を上げるべきである。

トルコのサウジアラビア総領事館でジャーナリストのジャマル・カショギ
氏が殺害された。サウジ政府によるカショギ氏殺害の、人権無視の酷いや
り方はもはやどの世界にも受け入れられない。

一人のジャーナリストの殺害事件が、サウジ皇太子のムハンマド・ビン・
サルマン氏の地位を危うくしている。米国とサウジの関係に亀裂が生じ、
サウジの影響力が低下し、イスラエルとの連携も弱まり、イランが得を
し、結果として中東情勢が揺らぐ深刻な展開になりかねない。

人権問題が世界情勢を大きく左右する要素になる中で、中国はサウジより
も遙かに残酷な拷問死の山を築いてきた人権弾圧国家である。日本の政治
家が中国に抗議の声を上げない方がおかしいのである。

たとえウイグル問題がなくとも、日本政府には中国の人権弾圧について発
言しなければならない事情がある。8人もの日本人が中国にスパイとして
囚われている。彼らがスパイであるなどとは信じ難い。中国側は容疑を裏
付ける詳しい情報を全く示していない。これまでにも中国が日本人をスパ
イ容疑で拘束した事例はあるが、いずれも濡れ衣と言ってよい事例だった。

26日(本稿執筆は23日)の、実に7年ぶりの日中首脳会談で安倍晋三首相
が何を語り、何を語らないかで、これからの日中関係が決まる。首相は日
中首脳会談を望みながらも中国が首脳会談実現の条件としてつきつけた要
求に屈しなかった。中国側が欲し、日本側も欲した首脳会談でも、同じよ
うに妥協しないことが日本の国益を守る道だ。

日本側が中国側に求めるべきことは、まず第一に日本国民の人権と命を守
るという意味で、前述の8人の日本人救出である。次に尖閣諸島海域に定
期的に侵入する中国の公船について1ミリも譲らずに抗議することだろう。

そうしなければ尖閣海域における中国の行動を黙認し、中国が領土を奪う
ことを認めることになる。第三に中国の知的財産の窃盗への抗議だ。米中
貿易戦争で米国の側につく意思を示し、同時に日本が被っている損害につ
いて、これ以上許さないとの決意を示すためである。

最低限こうした点をおさえることができれば、首相の対中外交は成功だ。
それができて初めて中国に騙され続けるという長年の日中関係から脱する
ことも可能になる。

『週刊ダイヤモンド』 2018年11月3日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1254

◆激腰痛で、歩けない

毛馬 一三


激腰痛等に悩まされ出して3年2か月が経つ。歩行が100b位しか出来ず道路で座り込んで仕舞う。バス・地下鉄には立ったまま乗車はできない。ましてや、地下鉄の階段は手すり棒にすがって上り降りをするが、激痛みに襲われている。

家でも、椅子に座ってパソコンに向かい合うのも、30分とはもたない。どうしてこんな腰痛に絡む激痛が起こったのだろうか。昼間、やむを得ない所要で外出先から帰宅すると、激痛のため、布団に寝転ぶしかない。

腰痛といえば、9年前に脊髄部の「すべり症」に見舞われ、下半身が痺れて倒れる症状が起き、大阪厚生年金病院で手術をした。手術は成功し、「すべり症」からは完全回復したので、以後腰痛には何の懸念も抱いていなかった。

ところが、冒頭記述のように、突然3年2か月前から、激腰痛が始まったのだ。そこで、今毎日、整形外科診療所に通って診察とリハビリを受けている。リハビリを受ければ次第に回復すると思っているが、中々痛みが減らない。

整形外科診療医院での診察で、まずレントゲンを撮影し、「すべり症手術の後遺症」の障害有無を調べてもらったが、それは無しとの診断だった。

しかし、痛みは、腰だけでなく、時間が経過するにつれて、右足の臀部、右下肢ふくらはぎ 両膝に広がり、3か月前からは左右の腕筋肉にまで痛みが出だした。

腰痛だけでなく、右足・下肢の筋肉に痛みが広がり出したため、改めて診療所の院長に「病名」を質した。すると「仙腸関節炎」だと伝えられた。ではこの痛みの原因は何であるかを尋ねた処、「分からないです」との回答。

一体「仙腸関節炎」とは何か。日本仙腸関節研究会によると下記の様の記述されている。
<仙腸関節は、骨盤の骨である仙骨と腸骨の間にある関節であり、周囲の靭帯により強固に連結されている。仙腸関節は脊椎の根元に位置し、画像検査ではほとんど判らない程度の3〜5mmのわずかな動きを有している。
仙腸関節障害は決して稀ではない。仙腸関節障害で訴えられる“腰痛”の部位は、仙腸関節を中心とした痛みが一般的だが、臀部、鼠径部、下肢などにも痛みを生じることがある。
仙腸関節の捻じれが解除されないまま続くと慢性腰痛の原因にもなる。長い時間椅子に座れない、仰向けに寝られない、痛いほうを下にして寝られない、という症状が特徴的。
腰臀部、下肢の症状は、腰椎の病気(腰部脊柱管狭窄症・ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう や 腰椎椎間板ヘルニア・ようついついかんばん など)による神経症状と似ているので、注意が必要。
また、腰椎と仙腸関節は近くにあり、関連しているので、腰椎の病気に合併することもあり得る。>

上記説明で、筆者の「仙腸関節炎」の症状や痛み箇所が一致し、神経症状と似ているとの指摘があったことからも、院長の病名診断に納得出来た。

しかし肝腎の「仙腸関節炎」の原因が何処から発生しているのかが分からないのでは、不安が増幅する。

どうすればこの激腰痛から脱出できるのだろうか。整形外科の分野で、「腰痛」の原因は、総じて分からないことが多いという説もある。

当診療医院で、1週間に1度、痛み止め注射(トリガーポイント注射、ノイロトロピン注射、ジプカルソー注射)を打ってもらい、1日3回・薬剤ザルトプロフェン錠80mgを飲んでいる。痛みの各局部には湿布も貼る。

また頼らざるを得ないのは、毎日の主軸治療の「リハビリ」だ。柔道整復師による局部マッサージのあと、ホットパック(タオルによる温め)、干渉波(電気)、腰の牽引の物理療法の4リハビリを40分間行っている。しかし局部の痛み緩和には余り効果はない。

「仙腸関節炎」の原因が分からない以上、対象療法しかないのは事実だ。だとすれば、歩けない、立てない、座れないのが強度になっていくばかりなので、日常寝たきりしかない。

「入院して手術」を受けることしかないのだろう     (了)

2018年11月03日

◆中国は身分不相応な立ち位置

宮崎 正弘


平成30年(2018年)10月31日(水曜日)通巻第5873号 

 「中国は身分不相応な立ち位置を求めるべきではない」
   トウ小平の長男(トウ僕方)が中国身体障害者大会で間接批判

トウ小平の長男(74歳)は文革中の1968年に、ビルの屋上から突き落とさ
れて身体障害者となり、爾来、車いすの生活。中国全国身体障害者組織の
会長として、社会活動に従事してきた。

さきに開催された全国大会で議長に再選され、挨拶に立ったトウ僕方は、
「中国は身分不相応な立ち位置を求めるべきではない」と発言したことが
分かった。これは間接的な習近平批判ではないのか、と。

「中国はもっと広い立ち位置を求め、野心を剥き出しにするような行為を
続けるべきではない。40年前に父が切り開いた路線は、そういう方向には
なかった」。つまり「養光韜晦」(能ある鷹は爪を隠す)というトウ小平
の遺言を重視しろ、と言っているのである。

僕方はまたこうも言った。

「たしかに国際情勢は激変しているが、われわれの求めるものは平和と発
展であって、世界のほかの国々との調和が重要である。それが本当の
『ウィンウィン戦略』である。身分不相応な目標を掲げるのではなく、中
国の国内に関して、もっと議論を為すべきではないか」

1970年代後半、文革が終わり中国は制度改革に踏み切って、民主化のうね
りが目立つ時期があった。それの動きは89年の天安門事件で押しつぶさ
れ、民主学生を弾圧したのもトウ小平だった。

このスピーチは9月16日に北京で開催された身障者全国大会で行われた
が、演説記録は非公開だった。『サウスチャイナ・モーニングポスト』
(2018年11030日)が別のルートから入手し、発表に踏み切った。
     
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1812回】             
――「支那人は不可解の謎題也」・・・徳富(37)
徳富蘇峰『支那漫遊記』(民友社 大正7年)

■「(72)何故に支那文明の同化力は宏大なる乎」

「蓋し支那人の外物を容るゝや、必ず之を支那化せずんば止まず」。「支
那文明の同化力の、其包容力に比して、更に一層宏大な」り。じつは「支
那の文明は、亞細亞の一大平原たる、殆んど一世界とも云ひ得可き地域に
發生し、四圍より、各種の要素を會湊し、之を凝結し、之を結晶したる者
なれば」こそ、「同化作用の無敵なる所以」であり、「如何なる外來の勢
力も、之を其の根底より破壞するは、到底不可能」である。

そこで考えられるのが「支那文明の敵ありとせば」、それは外来の文明で
はなく「其の久遠の?史」にある。「年代と與に、其の消耗する量の多き
に比して、新たに補充する量の少なき結果」、当然のように「文明の新
鋭、活?なる生氣を、減殺」することになる。

――ならば放っておけば、遅かれ早かれ自壊の道を進むということか。

■「(73)日支何れか同化力強き乎」

両国人を「公平に觀察すれば、支那人が日本化するよりも、日本人が支那
化する方、多かるべく推定さらるゝ也」。それというのも、「支那文明
は、其の物質上の愉快、及び便宜に於て、何となく人を引き附け、吸ひ込
むが如き力ある」からだ。

「之(支那文明)に接觸する久し」ければ、「何人も自から支那化し、支
那人化するを禁ずる能はざる可し」。「支那文明は、無意識の裡に、他を
催眠術に誘ふ底の魔力を有す」。かりに「支那が武力的に、不能者たるが
爲めに、總ての點に不能者視」したなら、それは「實に大なる油斷」であ
る。彼らは武力的な短所を補うだけの長所を、「他の方面に有する」こと
を忘れてはならない。

「吾人(徳富)は日支親善を、中心より希望す」るが、彼らの同化力には
「深甚の考慮を廻らさゞるを得ない」。彼らの「同化力や、今日と雖も決
して侮る可らざる也」。

■「(74)二重人格」

「支那人は僞善者」ではない。「心に思はぬ事を、口に語り、表裏二樣の
使ひ分けを、自ら承知の上にて、之を行ふ」という「先天的の二重人格」
の持ち主だ。だから「彼等は僞善を行ひつゝ、自ら僞善たる事に氣附か」
ない。気づかないのだから「之を僞善と云ふは、餘りに支那人を買被りた
る、判斷を云はざるを得」ない。

「表裏二樣の使ひ分けは、支那數千年を一貫したる、一種の國風、民俗」
というものだ。彼らは「理想を立てゝ、之に嚮往する」のではなく、「理
想は理想とし、實際は實際として、截然たる區別を定め」ている。だから
彼らの「實際を知らんと欲せば、寧ろ理想の反對を見る」がいいのだ。

「實際が理想の如くならざればとて、毫も疚しき所」はない。だからこそ
「彼等が煩悶なく、懊惱なきも、亦當然也」。そこにこそ「支那人が比較
的、樂天人種たる所以」がある。

――無原則という大原則に敵う術があるわけがない。ならば面子とは理想な
のか、実際なのか。彼らが掲げる理想のなかに実際があると仮定するな
ら、「實際を知らんと欲せば、寧ろ理想の反對を見る」のではなく、理想
の3,4割を実際と瀬踏みしてみるのがいいのではなかろうか。「煩悶な
く、懊惱なき」ゆえに無反省・・・これを無敵というに違いない。

■「(75)理想と實際」

「支那に於ては、一切の法度、如何に精美に出て來りとするも、概ね徒法
たるに過ぎず。然も徒法たりとて輕視す可からざるは、猶ほ廢道たりと
て、道として保存せらるゝが如し」。

なにせ「世界に支那程、空論國はなき也」。だから「議論の爲めに議論」
であり、「實行と議論とは、全く別物視」している。
そこに「彼等の議論が無責任」の背景がある。《QED》