2018年12月16日

◆「和歌に登場する京都山科」

渡邊 好造


百人一首など平安、鎌倉時代の和歌集に登場する山科の代表地は、「これやこの行くも帰るも分かれては 知るも知らぬも逢坂の関」と、蝉丸が詠んだ"逢坂の関"である。

清少納言や藤原定方ら有名歌人もこの地を取上げているのは以前に紹介した。行政的には隣の滋賀県大津市になるが、現地に立ちその地形をみれば山科エリアだと十分頷けるはず。

今回はそのすぐ隣りの"音羽山"など、和歌に詠まれた古都京都の奥座敷、山科の優雅な雰囲気を感じとっていただきたい。
 
音羽山は高さ593メートル、逢坂の関の南西、山科四ノ宮の南東に位置し、山科盆地を囲む山の一角にある。音羽山が登場する和歌として有名なのは次の2首。

紀貫之(平安時代の歌人・土佐日記の作者・原典は古今集)= 「秋風の吹きにし日より音羽山 峰のこずえも色づきにけり」。貫之の従兄弟にあたる紀友則(歌人・古今集)= 「音羽山けさ越えくれば時鳥 梢はるかに今ぞ鳴くなる」。逢坂の関と音羽山の両方を詠んだ和歌も多い。

代表例をあげると、

・源実朝(鎌倉幕府3代将軍・金槐集)=「逢坂の関やもいづら山科の 音羽の滝の音にききつつ」。

・後鳥羽院(鎌倉時代第82代天皇・原典不明)=「逢坂の関の行き来に色変わる 音羽の山のもみぢ葉」。

・源俊頼(平安時代歌人・金華和歌集)=「音羽山もみぢ散るらし 逢坂の関の小川に錦織りかく」。

・慈円(慈鎮・鎌倉時代天台宗の僧・原典不明)=「音羽山卯の花垣に遅桜 春を夏とや逢坂の関」。

・在原元方(平安時代歌人・古今集)=「音羽山音にききつつ 逢坂の関のこなたに年をふるかな」。

この他、当時の和歌集には小野、花山(かざん)、栗栖野、日の岡といった山科の地名が、いくつも登場する。

・藤原権中納言長方(平安時代公家、歌人・続古今集)=「見渡せば若菜摘むべくなりにけり 栗栖の小野の萩の焼原」。

・後鳥羽院(平安・鎌倉時代の天皇・夫木和歌抄)=「秋はけふくるすの小野のまくずはら まだ朝つゆの色ぞにほひぬ」。

・藤原定家(鎌倉時代公家、歌人・定家の歌集拾遺愚草)=「花山の跡を尋ぬる雪の いろに年ふる道の光をぞみる」。

・土御門院(鎌倉時代の天皇、後鳥羽天皇の皇子・続古今集)=「はし鷹のすすしの原 狩りくれて 入り日ノ岡にききす鳴なり」。

和歌に登場する1千年程前の山科の眺望は想像し難いが、現在の山科の絶景は、と問われたなら、筆者は次の3つを挙げる。

@東山ドライブウエー将軍塚辺りから見下ろす京都中心部の眺望(京都タワーは目障りだが、、)。
A山科疎水道からの山科の展望。
B音羽山から眺める東山連峰に沈む夕陽。

夕陽については、朝陽のような眩しさや暑さを感じさせないので、じいっと見つめるうち、両手を合せてつい願い事を呟きたくなる。

平安・鎌倉時代の歌人達が眺めた山科の夕陽は、三方を山に囲まれた盆地にあって、今とはまったく異なる自然が一杯の目を見張らせる光景だったはずだが、各種の資料をひっくり返してもこの夕陽を詠んだ和歌は発見できなかった。

京都古人、宮廷人、天上人の視点は、大地、天空、山脈、天下の情勢、庶民生活などを大きく広く見渡すことよりも、恋人、愛人(不倫)、片想い(失恋)、鳥、植物など目前の夢の世界にのみ向けられているかにみえる。

こうした天上人のお気楽な暮らしぶりに対し不満がくすぶり、やがては積重なって鎌倉時代以降の武家社会へと変革していく、そうした様が和歌に窺える。(再掲)

2018年12月15日

◆大学教授が突然、飛び降り自殺

宮崎 正弘

平成30年(2018年)12月14日(金曜日)弐 通巻第5916号  

張首晟スタンフォード大学教授が突然、飛び降り自殺した
張主宰の「丹華資本」(デジタル・ホライゾン・キャピタル)を米が警戒
中だった

12月1日、スタンフォード大学で開催されたパーティが撥ねて、サンフラ
ンシスコに戻った張首晟教授がビルから飛び降りて「自殺」した。享年55
歳。一種「怪死」である。

張首晟教授は15歳で神童とされ、上海の名門「復丹大学」に入学し、その
後、ドイツ自由大学、ニューヨーク州立大学へ留学、30歳の若さでカリ
フォルニアの名門校スタンフォード大学教授(物理学)となった。

同僚の多くが「ノーベル賞に一番近い天才肌の学者」と太鼓判を捺すほど
の業績を挙げた。自殺という悲報を聞いてスタンフォード大学教授のス
テーヴ・キベルソンは哀悼の書簡を公表した。

こういう人物を中国が放置するはずがあろうか。

突如、張首晟教授は「丹華資本」(デジタル・ホライゾン・キャピタル)
という得体の知れない「ファンド」を立ち上げ、とりわけ「AI」(人工
知能)研究の学者や学究の卵をあつめ始める。資金は400億円あったそうな。

また2018年5月には上海科技大学の特任教授に推挽された。この大学の学
長は江沢民の息子・江綿恒である。

AI技術、量子物理学の先端エンジニアに投資する動きは、動いている資
金も膨大であり、なおかつバックが不透明なために、USTRが「スー
パー301条」の対象としてリストに挙げていた。
謎は深まるばかりだった。

第一に「丹華資本」なる実態のないファンドが本当は何をしていたのか?

第二に奇しくも張教授が突然の自殺に走る直前、バンクーバーでファー
ウェイ副社長の孟晩舟が逮捕拘束されている。

この2人の繋がりは如何に?

第三にスーパー301条の捜査対象にリストアップされていた事実は、米国
が同ファンドをスパイ基幹ではないかと疑っていたことを意味する。
 
       
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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例えば、江藤淳はロックフェラー財団のプログラムでアメリカに留学したのに
 後日、なぜ江藤はアメリカから「日本の右翼思想家」と酷評されたのだ
ろう?

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齋藤禎『文士たちのアメリカ留学 1953−1963』(書籍工房早山)
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ロックフェラー財団が慎重に選んだ日本人作家がアメリカに一年留学する
制度があった。

占領が終わった翌年から、この不思議なプログラムが始まったのだが、選
定過程の舞台裏で、推進の中心人物だったチャールズ・B・ファーズに協
力し、選定に活躍した日本人女性がいた。

その名を坂西志保という。ファーズは日本研究の先駆け、ライシャワーと
も親しく、選定にあたっては「坂西に最大限頼った」と書き残した。

となると、彼女はいったい何者? 

米国のスパイだったのか、それとも?

坂西志保は早くも戦前からアメリカに留学している。真珠湾開戦時、日本
海軍のスパイ容疑として拘束され、日米交換船で帰国した。ところが戦後
はGHQに勤務し、さらにはアメリカ通としてNHKなどで活躍、漫画
「ブロンディ」の翻訳もこなし、アメリカでも名を知られたから、ロック
フェラー財団の選定に深く関与したことになる。

すると二重スパイ? 

陰謀好きな、勘ぐりの好きな向きには様々な想像が出来るが、彼女はベス
トセラー作家として、後年は伊藤博文の大磯の別荘を買い取り、また巨額
を国際文化会館などに寄付している。

不思議な女傑というべきか、波瀾万丈の人生を送った。

さてロックフェラー財団が選んでアメリカに一年留学した日本人作家と
は、福田恒存、小島信夫、阿川弘之、江藤淳、有吉佐和子、大岡昇平、安
岡章太郎、庄野潤三、石井桃子、中村光夫と合計10人であった。

齋藤禎氏は、これら10人の作家の留学先から、その経緯、帰国後のアメリ
カ観などを仔細に追求し、1953−1963という不思議な戦後の時代に焦点を
あてる。とくに1960年の安保騒動を基軸に、時代は急速に変貌し、日米安
保をめぐっても、留学体験組みは多彩な発言を繰り出した。

「アメリカ嫌い」として知られた阿川弘之とか、ノンポリの庄野潤三とか
が、ロックフェラー財団の招きでアメリカへ行ったのも、おそらく坂西の
選球眼のしたたかさに求められるのではないだろうか。

先駆者には漂流した挙げ句に捕鯨船ビジネスで活躍し、英語使いとして帰
国したジョン万次郎のような奇跡体験もあれば、新島襄のように密航組も
いた。

明治新政府の遣欧使節団が組織され、海外を見て、あらゆることを学ん
で、帰国後「近代化」に邁進するのが、大久保利通だったとするなら、大
久保に負けずとも劣らず外国の知識を得て将来を嘱望されていたにもかか
わらず、しかし留学後は国粋主義的となって大久保の元を離れたのが村田
新八だった。

村田が新政府の顕官を辞して薩摩へ帰郷し、西郷のもとで西南戦争に加わ
るのだから、大久保が悲嘆にくれたことは言うまでもない。

江藤もまた、村田新八の軌道を辿ったのではないのか、と齋藤氏は行間で
それとなく示唆する。

というのも、江藤淳は「西?は日本の思想だ」と書いた『南洲残影』のな
かで村田新八の心境を、次のように表現しているのだ。

「明治維新は、失敗であった。弐年間の歳月をかけ、米欧を回覧してき
て、自分にはそのことがよく分かった。西洋を知らない者が国粋主義者と
なり、西洋を実地に知っている者が開明派にあるなどというのは俗見に過
ぎない。

自分は大久保と同じ汽車に乗り、同じ宿に泊まり、同じ諸国を見て廻っ
た。その結果大久保とはまったく反対の結論に達したのであるから、これ
は西洋を知る知らないの問題ではない。いや、むしろ西洋をよく知ってい
るからこそ、自分は到底大久保に同じ得ないのだ」

著者の齋藤氏は元『諸君』編集長、前『歴史通』編集長。週刊誌時代のレ
フチェンコ証言スクープでも知られる。
その氏が3
年以上の歳月をかけて、この労作に挑んだ。
      

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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1827回】           
――「支那の國ほど近付いてあらの見ゆる國は無し」――關(11)
關和知『西隣游記』(非売品 日清印刷 大正7
年)
 
        ▽

關は「支那人教育の缺乏は、單に公共的事物に對して著しく感ぜらるゝの
みならず、其私的生活に於ても亦然り」と指摘する。じつは「彼等は無學
を耻とせず」、「中流以下階級の子弟多くは皆無?育者なり、無知識、非
文明の國民を基礎として、共和民政の確立を望む亦難矣哉」。

また「有名無實の國家」とも見做す。日清戦争敗北によって「其の性體の
内外に曝露せらるゝや、眠れる獅子は却りて死せる豚として(世界から)
認めらるゝに至れり」。「堂々たる六千年の?史的大帝國も、今や一朝に
して亂離骨灰、名許りの共和民主國、統一も無ければ秩序も無し」。

現地で接してみれば判ることだが、やはり「社會ありて國家なく、人民あ
りて國民無し」。建築、美術、装飾などは「遠方より眺むれば實に結構、
輪奐、美を極むる」ようだが、「近く之を觀れば幼稚にして粗末、不器
用、不體裁なること甚し、以て國家國民性を表現するものに似たり」。つ
まり、なにからなにまでがハリボテでダメ。体裁を取り繕っているだけ。
これが結論ということになろうか。

そんなハリボテ国家やらハリボテ国民を相手にしなければいいのだが、欧
米列強が手を突っ込んでくるものだから、日本としても対応しない限り、
国が立ち行かなくなる。そこで英国と同盟を結ぶことになるのだが、日本
の影響力が強くなってくると英国としても甚だ心愉しめない状況に至る。

「英國人の日本に對する惡感は漸く甚しきものあり、政治上の同盟國は、
寧ろ經濟上の敵手たるの觀あり、支那に於ける排日的議論運動の中心が
往々に是等材在留英國商人等によりて煽動せられ、英本國に於て時に非日
英同盟の言論を傳ふることある、多くは此の關係より生じ來れる現象」で
ある。

だが英国商人が反日を煽動しようとも、「地理的、歴史的、及び習慣、風
俗、言語等、日本の利便は彼等諸外國民の如何ともする能はざる所」だか
ら、「日本は實に無敵なり」。だが「唯恐るべきは拙劣、無能の本國政府
の外交によりて、支那の民心を驅りて日本に離叛せしめ、却りて我が不利
を招致するに至ること是なり」。

おそらく「地理的、?史的、及び習慣、風俗、言語等、日本の利便は彼等
諸外國民の如何ともする能はざる所」だから、「日本は實に無敵なり」と
いう“確信”が生まれ、かくして「日本は既に不抜の地歩を占めたから」、
「支那に臨むには所謂王道を以てする必要がある」などといったアンチョ
コな結論に立ち至るのだろう。

だが「幼稚にして粗末、不器用、不體裁なること甚し」い国民に、どう
やって「所謂王道を以てす」べきなのか。これを実際の国策として遂行す
る場合、広大な国土に生きる膨大な人口を相手にして、費用対効果を考え
たうえで実行に移すに具体的方策はあるのか。単なる思い込みや軽口、あ
るいは勢いに任せての発言は厳に慎むべきだ。

これまでもみてきたし、再三にわたって記してきたと思うが、「地理
的、?史的、及び習慣、風俗、言語等、日本の利便は彼等諸外國民の如何
ともする能はざる所」といった「根拠皆無」な自信(過信?あるいは過度
の思い込み)こそが、日本の大陸政策を大きくネジ曲げてしまったといえる。

これは確信をもって指摘できる。「地理的、?史的、及び習慣、風俗、言
語等」について「日本の利便」など、どだいありえない。

酷評が許されるなら、こう言いたい。

当時、大学同窓を訪ねての母校自慢の物見遊山程度で感じたような、まさ
に一知半解の知識をひけらかし、それを基に国策を論ずるといった愚が横
行していたようならば、総合的でまともな大陸政策が策定できるわけがない。

いまこそ強く言いたい。「お前ら、ボ〜ッと生きてんじゃね〜よッ」。お
粗末に過ぎる。《QED》

◆迫る御代替わり、国柄を知る機会とせよ

櫻井よしこ


「迫る御代替わり、国柄を知る機会とせよ」

天皇皇后両陛下の各地へのおでましが続いている。今年、雨の園遊会では
お二人で大きなビニール傘を一緒にさされていた。お二人は寄り添われる
ように歩まれ、お言葉をかけられ、慈愛に満ちた視線を人々に注がれる。
そのご様子をメディアは「この行事への」或いは「この地への」、「最後
のご出席」「最後の行幸啓」と報じる。

あと数か月で今上陛下は本当に譲位なさり、新天皇が即位される。御代替
わりが近づいている。

日本にとって、東京五輪よりはるかに大事なのが御代替わりだ。日本の国
柄を体現する、重要な歴史の一局面である。世界の元首百数十人を迎え
て、広く世界に日本国を印象づける好機である。だが、政治家もメディア
も世論も、御代替わりについてあまり考えていないと懸念するのは、心配
しすぎだろうか。光格天皇以来200年振りのご譲位を機に、日本の国柄へ
の理解を内外において深めようという熱気が感じられない。

そんなときに日本政策研究センターが『解説 即位の礼・大嘗祭』(以下
『解説』)という60頁余の小冊子を出版した。御代替わりのさまざまな儀
式を通して、皇室とはどんな存在か、皇室を戴く日本はどんな国か、ここ
に至るまでにどんな歴史を辿ったのかを、非常に簡潔かつ適切にまとめて
いる。来春に迫った御代替わりと、日本の深く長い歴史を認識するのに格
好の教科書である。以下『解説』の内容を紹介する。

来年2月24日、ご譲位に向けてまず、政府が「天皇陛下御在位三十年記念
式典」を主催し、この後、一連の行事が続く。4月30日に「退位礼正殿の
儀」が執り行われる。これによって陛下のご譲位(政府はこれをご退位と
言っている)が国民に宣言される。

ご譲位は江戸時代の光格天皇以来のことで、約200年間、事例がなかった
ために、どのような関連儀式があるのかについて現行の皇室典範には規定
がない。そのために先例を基本にして、今回、新たに国の儀式として創設
したという。柱は二つ、内閣総理大臣から陛下への「奉謝」と天皇陛下の
「おことば」である。

皇室に批判的な勢力

首相が国民を代表して天皇陛下に感謝の気持ちを捧げ、天皇陛下がご譲位
に際してのお気持を表明される。天皇陛下の「おことば」は、本来、「譲
位宣命(せんみょう)」と呼ばれ、譲位に際しての大事な核を成していた。
しかし、平成のいま「譲位宣命」ではなく「おことば」と平易な表現にさ
れたわけだ。

今上陛下のご譲位が宣言された翌5月1日には、皇太子さまが第126代天皇
に即位なさる即位の礼が国の儀式として行われる。即位の礼の行事は、ご
即位当日に行われるものと、それから約半年後の秋に行われるものに大別
される。

ご即位直後の行事が「剣璽(けんじ)等承継の儀」と「即位後朝見の儀」だ。

周知のことだが、三種の神器は簡単にいえば、鏡と剣(つるぎ)と勾玉(ま
がたま)。正式に言えば草薙剣(くさな ぎのつるぎ)と八坂瓊勾玉(やさか
にのまがたま)、それに八咫(やたの)鏡(かがみ)である。

また「剣璽」とは三種の神器のうちの二つ、剣と勾玉を意味する。従って
「剣璽等承継の儀」は新天皇がこの二つの神器を受け継がれる儀式という
意味だ。

残るひとつ、八咫鏡は最も神聖な神器として賢所に奉安されており、儀式
で動かされることはない。

さて、ここで『解説』は大事なことを指摘している。旧皇室典範では「天
皇崩スルトキハ皇嗣即チ践祚シ祖宗ノ神器ヲ承ク」と書かれており、この
規定に基づいて「剣璽渡御(とぎょ)の儀」が行われる決まりになっていた。

ところが昭和天皇崩御による御代替わりが起きたとき、皇室に批判的な勢
力が現行憲法に定めている政教分離(憲法20条)を盾に、「渡御」はまか
りならぬと主張し、政府は「渡御」という表現を「承継」に変えざるを得
なかったというのだ。また「剣璽渡御の儀」には「等」の一文字が加えら
れ、前述のように「渡御」も否定され、「剣璽等承継の儀」となった。本
来、剣と勾玉の二つの神器を意味していた剣璽が「等」の一文字が入って
「御璽(ぎょじ)」(天皇の印、おおみしるし)、「国璽(こくじ)」も含ま
れる意味に拡大された。つまり「皇位」とともに新天皇に伝わるべき由緒
ある物の継承という建前になった。

「剣璽渡御」は皇室の由来を、剣と勾玉に象徴される、深く豊かな日本の
神話につなげる意味合いが濃かったが、その色を薄める結果になった。

皇室に批判的な勢力は、剣璽は神話に基づく。従って政教分離の趣旨に反
する、国の儀式として不適切だとも主張する。

世界は感動している

だが、神話と宗教は異なる。どの民族にもどの国にも、国の誕生と民族生
成物語としての神話がある。神話の否定は、民族の精神性や文化の否定
だ。民族のルーツを断ち切るようなものだ。国家というものは伝統や宗教
的な価値観を一切合切排除してしまえば、もはや成り立つものではないだ
ろう。

昭和天皇崩御の時の大喪の礼を振りかえると、政教分離という言葉が飛び
交っていた。憲法20条第3項は「国及びその機関は、宗教教育その他いか
なる宗教的活動もしてはならない」と定めている。これを表面的、機械的
にとらえて宗教性が強いとして、大喪の礼への国の関わりを批判する声が
あった。たとえば葬場殿の儀は宗教儀式だとして、国ではなく、皇室の公
的行事として行われた。続く大喪の礼では、宗教色をなくすため鳥居が除
かれた。日本の伝統に基づけば穏やかに行われるべき自然なことが批判さ
れたが、政教分離については最高裁判例がある。『解説』から引用する。

まず、憲法が禁じる「宗教的活動」とは「国およびその機関の活動で宗教
とのかかわり合いをもつすべての行為をさすものではな」いと最高裁は判
断している。

憲法が禁じているのは、社会的、文化的諸条件に照らして、「かかわり合
いが相当とされる限度を超えるもの」であり、「行為の目的が宗教的意義
をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等にな
るような行為」だと限定されている。

最高裁判例は、政府が特定の宗教を援助したり、反対に圧迫したりするこ
とは許されないが、常識の枠内での政治と宗教の融合は禁じてはいないと
いう意味だろう。むしろ日本人の自然観と宗教観の美しい融合に、世界は
感動している。それを象徴していたのが大喪の礼である。イスラエルのヘ
ルツォグ大統領(当時)は次のように語っていた。

「昭和天皇の御喪儀を通じ、日本の偉大な伝統に接し、深い感銘を受け
た。……皮相な現代の世にあって良い伝統を近代化の中に維持していること
に敬意を表する」

御代替わりに関連して、日本の歴史や国柄を学びたいものだ。
『週刊新潮』 2018年11月29日号 日本ルネッサンス 第829回

         

◆ 幽冥界で彷徨う台湾

Andy Chang


台湾はいつまでも国籍未定で幽冥界に留まるのだろうか。現状維持と
は幽冥界に留まることである。中国に併呑されれば煉獄に陥る。独立
すれば中国と戦争になって負ける。結果は同じだ。

ハーバード大学の国際関係の学者、Graham Allison氏が最近「Destined
for War: Can America and China Escape Thucydides'sTrap」と言う本
を出版し、今月10日に台北で台湾の将来について講演し、アメリカと中
国は既にツキジデスの罠に嵌まっているのかもしれないと喝破した。
つまりアメリカと中国、2つの強国が争えば結果は全面戦争に発展す
るかもしれないと言うのだ。

戦争を避けるため中国を挑発するのは避けるべきとし、台湾における
民主主義の発展を称賛する傍ら、独立宣言などで中国を挑発してはな
らないと述べた。しかもアリソン氏は米中両国が戦争に発展する可能
性は台湾独立だけでなく、例えば北朝鮮と韓国の紛争や、南シナ海に
於ける衝突でも戦争になる可能性があるとした。

つまりアリソン氏の主張には台湾に建設的な助言はなく、台湾は挑発
を避けるべきと言うだけである。トランプは中国に強い態度を取って
いるが国会でも全面的に強いアメリカを支持している。彼はトランプ
の強勢態度に建言することもなく台湾は中国を刺激するなと言うだけ
である。

アリソン氏はアメリカは台湾関係法で台湾を守る義務がある、しかし
台湾が中国を刺激すればアメリカは空母を派遣しないかもしれないと
述べた。アメリカの保護がなければ台湾は中国に併呑される。アメリ
カは台湾独立を支持しない。独立しなければ現状を維持するしかない、
つまり台湾の国際的地位をいつまでも「幽冥界」に留めることになる。

●台湾人はどうすべきか

この状態がいつまで続くかは誰にも分らない。明らかなのは独立主張
は人民の支持を得られないことだ。台湾人は独立願望が強い、しかし
米国の支持がなければダメとわかっている。

台湾独立を主張しても人民の大半は支持しない。これは今回の選挙の
結果を見ればわかることだ。だが人民は民進黨の現状維持に強い反感
があるし、国民党政権にも反対、台湾と中国は一つの「92共識」も反
対である。台湾人民は独立主張ができないし、中華民国を台湾国に変
更することもできない。アメリカが支持しない。八方塞がりだ。

今の政治体制で新政党の成立は人民の支持がなくてはならない。今回
の選挙の結果を見ればわかるように台湾人民に賢明な政治意識が欠如
している。今の民進黨政治に反対だから国民党に投票する国民が多く
いた。人民は70年の恐怖政治、蒋介石時代の白色恐怖を忘れ、馬英九
時代のひどい汚職も忘れて国民党に投票したのである。

民進黨政権になってもアメリカに摘発された金融汚職を処罰できなか
ったし、掃雷艦建造について大がかりな汚職が発生しても懲りずに、
再び潜水艦自力建造と称して10億元の予算を組むと言う間違いを犯
している。民進黨政権は呆れるほどダメ、民進黨政治家もダメ、人民
も愛国意識がなく政治オンチばかりである。

●台湾は幽冥界から脱出できるか

アメリカには政治意識の希薄な台湾人を防衛するつもりはない。台湾
が国民党政権に戻って中国に併呑される危機を迎えたらアメリカは撤
退するかもしれない。韓国が北朝鮮と統一すればアメリカは韓国から
脱退する、台湾も同じである。その時になって韓国や台湾が独裁者の
煉獄に落ちても自業自得である。

台湾の将来はアメリカに頼るしかない。今のところトランプと習近平
の闘争はアメリカの方が優勢だが、時間がたてばアメリカの衰退もあ
るし、予想に反して中国が優勢に立つかもしれない。キッシンジャー
のようなパンダハガーは中国が民主化すれば戦争を避けて平和になる
とバカな間違いを犯したが、中国の覇権思想はアメリカを打倒するこ
とにあり、民主主義で平和を達成するなどあり得ない。

中国が覇権闘争に負けてチベットと東トルキスタン、香港が独立し、
中国が東西南北の小国に分裂してから初めて台湾が独立を達成できる
だろう。その時が来るかどうかはわからないが、その時が来るまで
台湾は幽冥界から脱出できないだろう。

at 09:00 | Comment(0) | Andy Chang

◆「侵略」の時効は?

石岡 荘十


どなたか教えてください。

先日、大学時代の友人数人と会った。その席でひとりがこう訊いて来た。

「歴史上、人の国を侵略し、植民地化し、虐殺し、じつに多くの人を大
規模に連れ去って奴隷とした例は数知れない。日本はいま、70数年前の
戦争をめぐって、近くの国から『謝れ。口ばかり出なく、謝罪の意を行
動で表せ』と攻め立てられている」。

その上「戦争指導者を祀っているところに,総理がお参りするのはけしか
らん。おまえの歴史認識をこっちと同じに改めない限り、会ってやらん
と脅されている」

そこで、2つ訊きたいと友人は言う。

まず、歴史上、他国を侵略し、占領し、植民地化した国々が、謝った話
はあまり聞かないが、あるとすればどこの国がどこにどんな謝り方をし
たのか。先の戦争で謝罪をしたのは、ドイツと日本ぐらいだと思うが
------。ほかにあったっけ? 

次に、歴史認識が国によって異なるのは当たり前だと思う。が、それを
変えなければ、会ってやらんとごねた国は、歴史上あるのか。あるとす
ればどの国がどこの国にそう言ったのか。言われた方は、どう対応した
のか。

日本はかつて蒙古に襲われたり、近海でロシアの海軍相手に戦ったりし
たこともあった。防衛のために多数の死傷者が出ている。幸い、侵略未
遂だったが、彼らは謝ったのか。

加藤清正のことを謝れとは言っていないようだが。

友人はつまり、先の戦争が「侵略」だったとして、それがいつになった
ら時効になるのか、そんなものに時効はないのか、教えてくれと言って
いる。

酒席だったこともあって、むにゃむにゃとごまかして、議論は消化不良
のまま終わってしまった。

どなたか、正解を教えてくれませんか。

2018年12月14日

◆ファーウェイCFOの孟晩舟の逮捕

宮崎 正弘


平成30年(2018年)12月13日(木曜日)通巻第5914号  

謎だらけ、ファーウェイCFOの孟晩舟の逮捕
  7つのパスポート、4人の子供たちは世界各地に分散

当に華僑の伝統「分散投資」の典型かもしれない。

カナダ当局に「イランへの不正送金」を表向きの逮捕理由として拘束さ
れたファーウェイの孟晩舟CFO(財務統括責任者)は、バンクーバー当
局が取り調べの結果、7つのパスポートを所持してきた。中国、香港、そ
してカナダの永住権をもつパスポート。そのほか4つのパスポートは別名
のものだった。

イランへの不法行為は別会社名義でなされており、またHSBCが絡ん
でいることも判明しているが、全容は不明。ともかく謎だらけなのだ。

バンクーバーには3軒の豪邸、いずれもバンクーバーの不動産業界で
「大豪邸」のカテゴリーに分類されある物件で、広い庭付き、数台のガ
レージ、3階建ての英国風。ただし、夫名義で登記されている。

孟女史はカナダ永住権を持ち、保険証を保持し、カナダで税金も納めて
いたとされる。

また4人の子供達は香港、深せん、バンクーバー、マサチューセッツ州
にばらばらに住んでいて、前夫との間にできた長男(16歳)は、バン
クーバーにいるとされるが、孟晩舟とは別の住まい。

この孟女史逮捕劇は、ルノー日産のCEO、カルロス・ゴーン逮捕の衝
撃劇より大きく、世界のメディアが注目している。なにより中国で株式の
暴落が始まっているが、日本でも孫正義率いるソフトバンクが17日に上
場を控えているため、日本市場が受ける衝撃も、かなり甚大になると懸念
されている。
 
米国は5G競争でも徹底的にファーウェイの排撃に動いているほか、産業
スパイの摘発を強化している。

12日、孟女史は8億円の保釈金を積んで保釈されたがカナダからの出国を
禁止されている。

もし米国に引き渡されると、最長30年の禁錮刑が待っている。ライトハ
イザーUSTR代表は「カナダにおける孟逮捕劇と米中貿易戦争とは関係
がない」とわざわざ記者会見している。

     
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評BOOKREVIEW
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日本海沿岸に漂着する北の船は「漁民」だけが乗ってきたのか?
   すでに百隻以上も。その漂着地と上陸地点は不気味に一致する

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荒木和博『北朝鮮の漂着船 海からやってくる新たな脅威』(草思社)
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荒木氏は志願して予備自衛官になった。動機は「拉致被害者を救出する
ため」の訓練だった。
 予備自衛官はどの国にも常識的な国防の制度であり、現職軍人と同数
か、それ以上の人員が、非常事態には動員できるシステムになっている。
国民皆兵のイスラエルでは、緊急事態には全員が戦闘員となる。この世界
常識としてのシステムが日本にはない。退役自衛官でも、予備自衛官にな
らない人が多いことも問題だ。

さて実際に訓練に行くと二つの発見があった、と荒木氏はいう。

第一に予備知識としてあった「たるんでいる。士気が低い」という情報
は嘘で、予備自衛官の訓練でも士気は旺盛、しっかりした種々の訓練をし
ていること。

第二に予備自衛官の多くが、じつは拉致問題に詳しくない、具体的な情
を持っていないという驚くべき事実だった。

本書の中で、いくつも重要な情報が挿入されている。
とりわけ注目は、めぐみさんの拉致現場は、従来言われた警察発表の場所
とは違うことだ。実際の拉致現場は、付近の女子学生が悲鳴を聞いた「角
地」だったらしい。

北朝鮮に拉致されていた曽我ひとみさんが、嘗てめぐみさんと一緒に住ん
でいたときに「わたしも拉致された」とお互いがうち解け、現場の様子を
話してくれた情景と日本のメディアがつたえた場所とは異なると証言して
いることなど耳新しい情報である。

示唆するのは日本の官僚システムの「事なかれ主義」、つまり「なかっ
たことにする」体質である。国家の存立基盤である国防に関しての重要な
案件を国会で誰も正面から議論したがらず、いつまでの国防体制強化に踏
み切れないのは、軍事的脅威を隠蔽する体質が官僚機構にあるからだ。

日本海沿岸に漂着する北の船には漁民だけが乗っているのではない。工
作員が多数含まれているが、工作員である必要さえない。だれでも日本に
ひそかに上陸出来るのだ。警備が未整備だからである。

すでに百隻以上も北の「漁船」がやってきた。
その漂着地と上陸地点は不気味に一致するのは何故か、こうしたミステリ
アス情報が満載である。
 
      
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なぜ財務省と御用エコノミスト、政治家、マスコミは消費増税に前向き
なのか
 
凍結しなければ日本経済は沈没から這い上がれないだろう

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田中秀臣『増税亡者を名指しで糺す』(悟空出版)
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正式な本書のタイトルは長い。『消費増税は最悪の下策だ ーー増税亡
者を名指しで糺す』である。

10月に予定される消費税率の10%への引き上げは、「最も愚かな政 策」
であり、もし安倍政権が生き残りを賭けようと意気込むのなら、衆参 同
時選挙(予定されている)の直前に「消費税凍結」を表明し、選挙に勝
つことではないのか。

「増税亡者」はあまたいるが、本書で田中教授が批判するのは池上彰、
濱炬子、石破茂、小泉進次郎、枝野幸男、中西宏明、金子勝、内田樹らで
ある。

速いテンポ、快活・快調な説明と簡潔な文体で、総枠を説明しつつ、虚
論を次々と斬ってゆくのは一種爽快な読後感を運んでくれる。

しかし表題に釣られてしまうと、田中教授が展開している本質の日本経
済論が横にずれてしまう怖れなきにしもあらずだ。

氏が言いたいのは『財政赤字』というフェイクニュースが、そもそも誤謬
の基本に転がっているという指摘である。

つまり日本国債暴落論を言いつのる不思議な論客がメディアに支配的だ
が、すべては財務省とその御用エコノミスト、そして事態を正確に租借で
きないメディアの情報操作に起因しているのではないか。

「注意すべきは、すべて『消費増税ありき』での報道であることだ。
(中略)財務省はまた、国際機関にも血税を利用して工作員(海外出向
者)を送っている。その有力な工作席がIMFである」とする。

なるほどIMFの日本への分析はまるで増税推薦である。

かねて不思議と思ってきたが、あれは日本側の情報工作だったのか。

しかし、そのIMFが、『日本は財政危機などまったくない』と別の報
告書で分析している。びっくりだ。

日本の赤字国債はたしかに問題だが、日本のもつ金融資産というバラン
スシートを見れば、日本の借金は実質ゼロ、つまり日本国家は健全そのも
のの財務体質にあること、したがって増税の必要はまったくないことが理
解できるのである。

評者(宮崎)も、かねてからの持論は消費税撤廃(詰まり凍結ではなく
撤廃だ)である。

米国や中国の借金体質とことなり、日本国民の貯蓄性向が高く、預金、
生命保険、株式その他の金融資産はGDPの3倍。まして日本円が強い
のは、対外債権が対外債務をはるかに上回っていること。

表面的な外貨準備統計より、事実上の外貨資産バランスを勘案するとすれ
ば、おそらく日本円は一ドル=80円くらいであろう。しかし経済政策的
に「円高はまずい」結果を生むので対外純資産をことさら情報として流さ
ない。だから国民は知らない。気がつかないという悪性の情報操作スパイ
ラルとういう陥穽に落ちているのである。


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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1826回】             
――「支那の國ほど近付いてあらの見ゆる國は無し」――關(10)
關和知『西隣游記』(非売品 日清印刷 大正7年)
 
              ▽

最前線に立って外交を担うべき「公使館有力者」が「日本の外交は今實
に危機に瀕せり」。

加えるに大学同窓人脈を動かすべき立場の人間が「我が對支外交は全く
消極的なり、無能力なり」とは。やはり、この方々には当事者意識と責任
感という当たり前の感覚が欠如している。

「公使館公使館有力者」は日本外交に対して飽くまでも『お役所仕事』と
いった感覚であり、關ら早稲田同窓生のご一行は徹底して他人事でしかな
さそうだ。

NHKテレビで目下話題の「5歳の女の子」の決めセリフではないが、「お
前ら、ボ〜ッて生きてんじゃね〜よッ」と言いたくもなる。

外交の次は兵士・兵制について。

「支那の新式軍隊」は日清戦争敗北の反省から、「其の編制、體裁悉く
日本軍隊と同一なり」。だが国民皆兵ではなく「募兵を以て成立するが故
に、自ら一種の雇傭的關係を有し、給金の如何によりて何時にても軍隊を
離れることを得るの風あり」。

だから「忠實勇武の良兵を得んことを到底望む」ことはできない。じつは
「劍を佩び銃を荷ひ肩を聳かして威風を誇る支那兵が、その一朝有事の日
に際せば、銃を天に擬して彈丸を濫發し、其の盡くるに及びて逃去するを
常とするが如き偶然に非ず」。

だから「支那の兵權の統一、兵制の改革、即ち國民皆兵主義の實行は、支
那の國家統一上最大急務なるは言を須ひず、然も前清朝以來之が計畫一再
にして止ま」らない。戸籍法が完全ではないゆえに、「到底望みて實行ひ
得べきじ非ず」というものだ。

北京の農事試験場は新式の公園とでもいうべき体裁だが、日本が提供した
日本式三階建て家屋は「田舎の農家に見る養蠶所」にも及ばないほどの
チャチナなもの。その無様な意匠は日本側関係者の無自覚さを表している。

そこで關は、これを「日本人の非文明的不道?の紀念」とし、「由來日本
人の支那に對する心術態度の誠意を缺き、友誼を缺くこと、必ずしも此建
築物に於けるのみならず、政治上、經濟上、甚しきは?育上に於てすら
往々にして詐僞的、財利的の嫌ひあるを免れざるは、吾人の慨嘆措く能は
ざる所」だ。「今此の醜陋愚劣なる建築物」の傍らに立って「支那の公人
紳士に接す」ると、「慚赧の極、羞辱の限り、冷汗背に溢るゝを覺ゆ」
と。穴があったら入りたい、といったところであろう。

美術工芸に関しては、「仔細に觀察する時は、壮大なれども森嚴の氣無
く、華麗なれども風韻を缺き、纎巧なれども生氣乏しく、精美なれども雅
趣を認めず其規模、題材一體に保守的氣分に充滿し、新機軸、新趣味の如
きは容易に發見すべからず、蓋し其天然の感化、國民性の然らしむる所な
らん」。ということは、彼らの美術工芸には見るべきものナシということ
だろう。

次は女性。「支那の婦人は無能にして而も、權力あること世界に無類な
り」。「女子驕りて男子を壓する」。

かくて「嬶天下を現出するに至る」とのこと。「之を近づければ即ち不
遜、之を遠きにすれば即ち恨む」と、孔子ですら持て余したわけだから、
「今日支那國民の因循懦弱卑屈不活?にして毫も勇壮、快豁剛毅、進取の
意氣無きもの、畢竟其の内的生活に於ける女性化結果」だということになる。

まあ無能が天下を握ってロクなことはないことは判るが、關は最後に「小
艾より以て老年に至る、子孫繁殖以外全く一事の能無きなり」と締め括る
に至っては、些か気の毒にも思える。

ついで彼らの「一種の諦めの哲學」である「没有法子」については、
「因習久しくして彼等唯一の安立の地が遂に自屈自卑の『没有法子』に歸
着せる」ものであり、どのような局面でもみられる「消極的なる卑屈」を
示す「亡國的格言」だと断じている。《QED》
    

◆いもち病(稲熱病)の怖さ 

         渡部 亮次郎


「蓑(みの)着て笠(かさ)着て鍬(くわ)持って お百姓さんご苦労さ
ん」という童謡がNHK第1放送から流れていた時代がある。明治でも大正で
もない、昭和も敗戦直後、1947、8年ごろだった。食糧難の時代、国民みん
なして百姓にゴマをすったのである。

蓑や笠を着る百姓は今やどこにも存在しない。すべて機械化して田圃から
は女性が姿を消した。田植えも稲刈りも機械がやるし、除草は農薬が解決
してくれた。結果、農村からは猫背、蟹股、腰曲がりが居なくなって久しい。

しかし、その代わり、田圃から女性と共に居なくなったのが泥鰌(どじょ
う)とトンボである。稲作の大敵「いもち病」を防除すべく禁じ手「水銀
系農薬」を使ったからである。「いもち」はそれほど恐ろしい。今でも恐
ろしい。

「いもち」とはイネに対する最も普通の病気で,穂,葉,茎などに発生し
て大害を与える。とくに山間,北部地域では,いもち病との闘いが稲作の
大きな課題であった。この事情を反映して,日本植物病理学の分野では最
も多く,また深く研究されてきた病害である。

穂に発生すると発病部位から先の方は実らないので、「穂首いもち」は被
害が深刻である。「葉いもち」、穂いもちとも同じ菌によって起こるが、
発生の様相としては、比較的葉いもちが多くて穂いもちの少ない南日本型
と、逆に葉いもちよりも穂いもちの多い北日本型がある。

若いイネに激発すると株全体が萎縮して枯れてしまう。この病状を「ずり
込みいもち」という。防除に失敗すれば収穫ゼロ。

防除薬剤としては,戦前はボルドー液万能であったが,戦後一時期有機水
銀剤が脚光を浴び目覚ましい効果を挙げた。これが禁じ手と気付いて止め
たものの遅かりし。泥鰌は死滅した。

現在では抗生物質剤(ブラストサイジンS、カスガマイシンなど)や有機リ
ン粒剤などが使われている。

いもちは一般に,日照不足,多雨,低温のときに病気が多く,またイネの
体内に遊離の窒素成分が多く,ケイ酸が少ないときに発生が多い。

いもち病の発生程度は年次によっても異なり,ほぼ10年周期で大発生が記
録されている。昭和年代に入ってからは,1934(昭和9)年の稲作冷害が
有名で,東北地方では娘の身売など深刻な社会問題が発生した。

陸軍のクーデター「2・26事件(1936年)」の背景であるが、この不作には純
冷害のほかにいもち病による被害が大きかった。

戦後では,53(昭和28)年,63(38)年,74(49)年に大発生をみている。

的確な防除を行うには発生を予察することが肝要である。以前から気象条
件,イネの体質,胞子の飛散などを知って穂いもち病の発生を予測してい
たが,近年コンピューター導入で,大量のデータからの予察も試みられて
いる。

日本ではじめてこの病気が記録されたのは,1679年(延宝7)の《永禄以来当
院記録年鑑》(広積院祐栄書)とされるが,その後の《耕稼春秋》(1707ごろ)
の記載が人口に膾炙(かいしや)している。

イネ品種によってかなり抵抗性に違いがみられる。外国イネには強度の抵
抗性のものがあるが,日本在来の品種は概してかかりやすい。

従って日本にいける稲の品種改良は、収穫量、食味の追及とともにいもち
など稲の病害虫に対する抵抗力の研究に重点が置かれてきた。

最近は外国イネの強い抵抗性因子を導入した品種も育成されている。しか
しせっかく抵抗性品種ができても突然ひどく罹病してしまうことがある。
これはレース新生のためであることが多い。

レースrace とは形態が同じでありながら病原性の異なる菌で,日本には
今16以上のイネいもち病菌レースが知られている。

ここ数年 Pyricularia属菌の菌学的な研究が進み,イネいもち病菌とシコ
クビエいもち病菌の交配によって有性胞子が形成され,またイネいもち病
菌がタケに寄生性のあることが知られるなどして,菌の所属について検討
される時機にある。

資料 世界大百科事典(C)株式会社日立システムアン
ドサービス 2008・07・07



◆日本は既に移民大国、入管法の厳格化を

櫻井よしこ


国内の人手不足解消のために即戦力となる外国人労働者の受け入れを進め
るべく、出入国管理法が改正される。政府与党は、同改正案は野放図に外
国の人材を受け入れるためではなく、これまで殆ど管理できていなかった
外国人労働者を管理するためだと説明する。

具体的には外国人労働者を「特定技能1号」と「特定技能2号」に分類し、
1号は上限5年間働いて、より高度の日本語能力や専門技術を達成したと、
省庁が定める試験に合格することにより認定されたら、特定技能2号に
「格上げ」してもらえる。資格が1号のときは配偶者や子供を呼び寄せる
ことはできないが、2号に昇格すれば家族を呼び寄せ、事実上日本に永住
できるようになる。

野党の一部は、2号に分類される人々は「結局移民になる」と批判する
が、与党や維新の会は、1号から2号に進むには厳格な資格審査があり、2
号の資格が取得できるのは全体の5%程にとどまる見込みだと説明する。

また入国在留管理庁を新設し、人員をふやすことで出入国管理がより効果
的に行われるとも説明する。現在、日本で働く外国人の中から、驚くべき
ことに毎年6000〜7000人規模の「行方不明者」が出ている。

技能実習生或いは留学生として来日する人々の内、膨大な数の人々が消息
不明なのである。彼らは日本のどこかに潜んで生活しているはずだが、法
務省は追跡できていない。この「無法」状態は、彼らにとっても日本に
とってもよいはずがない。これからは追跡調査もできるようにしたいとい
うのが、入国在留管理庁新設の理由のひとつだ。

私の手元に西日本新聞の連載が書籍化された『新移民時代』(明石書店)
がある。留学生や技能実習生の実態が具体的事例で説明されており、現実
の深刻さが伝わってくる。

75万人に上る事実上の移民

たとえば殆ど日本語能力のない学生が、日本語資格証明書などの偽造書類
を提出して諸国の中で一番働ける日本に留学する。留学生は週28時間労働
まで合法である。しかし留学に係る借金の返済や、家族への仕送りのため
に、多くの留学生はもっと働かなければならない。というより、最初から
出稼ぎ目的の留学生は少なくない。

もっと働くために彼らが活用し始めた方法が難民申請だ。審査結果は半年
から1年後に出るが、その間にフルタイムで働ける特定活動の在留資格が
得られる。申請が却下されたら異議申し立てを繰り返し、特定活動の資格
で働き続ける。その間に就職できれば就労ビザに切り替える。こうして彼
らは事実上の移民となる。

無論、名目どおりに大いに学ぶ留学生もいる。だが、留学生や技能実習生
の実態は日本における外国人受け入れの無防備さを示している。

実は日本はこの他にもっと深刻な外国人問題を抱えている。シンクタンク
「国家基本問題研究所」が12月3日、緊急政策提言として発表した75万人
に上る事実上の移民の存在である。国会での議論もメディアによる報道も
ないまま、法務省の匙加減ひとつでこの20年間に急増した、一般永住者の
問題である。

日本の永住者は右の一般永住と特別永住の2種類に分かれる。後者は戦前
日本が朝鮮半島や台湾を統治していたという特別の事情から、日本に居住
していた朝鮮半島や台湾出身者に、まさに「特別に」与えた在留資格だ。
彼らには選挙権はないが、その余の事については日本人とまったく同等の
権利が与えられている。

大きな潮流として、彼らは、3世4世になるに従って日本に帰化したり、日
本人との婚姻で日本国籍を取得したりして減少し、その数は現在33万人程だ。

問題なのが前述の一般永住者である。1998年に9万人だったのが、20年間
で8倍以上の75万人にふえた。国基研研究員、西岡力氏の調査によると、
中国人が最多で25万人、次にフィリピン人の13万人、ブラジル人11万人、
韓国人7万人と続く。

一般永住者は歴史的に日本と特別な関係にあるわけではない。にも拘わら
ず、特別永住者同様、選挙権がないだけで日本国民と同じ権利を与えられ
ている。滞在期間は無制限で、働く権利も働かずに生きる権利もある。政
治活動も全く自由だ。

日本には北朝鮮の金正恩委員長に忠誠を誓う在日本朝鮮人総連合会(朝鮮
総連)があるが、彼らは日本で多くの権利と自由を保障されていながら、
法を破り官憲の捜索を受けたりする。日本人を拉致した独裁国の北朝鮮を
賛美し、歴史問題では事実を歪曲して日本を非難する勢力を支えもする。
一般永住者の3分の1を占める中国人が、中国版朝鮮総連のような組織を作
ることも、現行法では可能なのである。

中国人留学生が集結

一般永住者が急増した背景に橋本龍太郎内閣の下での規制緩和の流れが
あった。98年、法務省が入管法22条の解釈を変えたのである。それまでは
一般永住の許可要件は日本で20年間、社会のよき一員として暮らした実績
が必要とされた。これがいきなり10年に短縮され、さらに特別の技術を
持っている人材は5年で是とされた。この件は国会で審議されたわけでも
ない。メディアで公に議論されたわけでもない。法務省の行政判断による
ものだった。その結果、誰も気づかない内に事実上の移民が75万人にふえ
た。繰り返すが、その3分の1が中国人である。

中国政府は2010年に国防動員法を定めたが、控えめに言ってもこれはかな
り危険な法律である。有事の際、在外中国人は中国共産党政権の命令に従
わなければならないと定めている。ここまで言えば、多くの人の脳裡に北
京五輪の聖火リレーが長野県を通過したときの事件が蘇るのではないか。

その年、チベットの人々は中国共産党の弾圧の凄まじさを世界に訴えよう
と考え、日本の支援者も思いを共有し長野に集った。するとあっという間
に4000人規模の中国人留学生が集結し、五星紅旗が林立したのだ。彼らは
チベット人や日本人支援者を取り囲み、ひどい暴力を振るったが、この大
量動員は驚くべきネットワークを中国大使館が作り上げていて初めて可能
だったはずだ。

中国共産党は外国で自国民を一気に集結させ、暴力行為に走らせるのだ。
中国政府はその後、先述の国防動員法を整備した。このような法律に縛ら
れた中国人一般永住者が自衛官を上回る数、日本に存在する。そのことの
意味の深刻さを私たちは知るべきだ。

現在審議中で10日にも成立する出入国管理法改正案には、一般永住者の資
格要件に関する付帯決議をつけるべきだ。「入管法22条の厳格な運用」を
書き込み、法務省の行政判断を以前の在日歴20年に戻すべきである

『週刊新潮』 2018年12月13日号 日本ルネッサンス 第831回

◆健康百話 点滴で自宅治療(後編)

寺内孝子(看護師)


点滴をしながら自宅で生活する方法についてお話いたします。

これは「在宅中心静脈栄養法」と言われ、病気等により口から栄養が取れない場合、口から食べても腸が栄養を吸収しない場合など様々な原因で栄養が取れない方に、太い血管に細いカテーテルを通してそこから濃度の高い栄養剤を点滴する方法なのです。

自宅に帰られる場合、埋め込み式のカテーテルを使用すれば、点滴をはずし自由に過ごす時間を作ることができやすくなります。

こうした点滴をしながら自宅で生活する方法についてお話を、前編でご紹介しました。

これは「在宅中心静脈栄養法」と言われ、病気等により口から栄養が取れない場合、口から食べても腸が栄養を吸収しない場合など様々な原因で栄養が取れない方に、太い血管に細いカテーテルを通してそこから濃度の高い栄養剤を点滴する方法なのです。

そこで80歳すぎの女性に「在宅中心静脈栄養法」で在宅療養を送ることを紹介したのですが、その話の続きを後編としていたします。

私達は、医師の紹介状や看護師の看護サマリーをもとに、何度も地域の医療機関と連絡を取り合い情報交換を行います。

同時に、お話をしていた80歳すぎの女性の娘さんには、「在宅中心静脈栄養法」を行えるようパンフレットを利用し、点滴の液をチューブに通す方法や針をさす方法・点滴が時間通りに終わるよう調節する方法・注意点などを、病棟の看護師に指導してもらいました。

退院前には患者・家族・訪問看護師・ケアマネージャー・病棟看護師・医師が集まりカンファレンス(話し合い)を行い、どんなところに注意したらいいか、どんな援助が必要か、どんなことをしてほしいかなど話し合い、患者・家族の方がより安心して自宅に帰れるように配慮しました。

また、自宅の改修をおこなうために外出してもらい、より効果的な手すりの位置を業者の人と検討してもらい、退院前に手すりをつけることができました。

この外出が自信となり回復へのはずみにもなりました。そして、必要な点滴のセットや点滴の内容を準備して、いよいよ退院となりました。

退院後顔を見せに来てくださいましたが、本当に嬉しそうににこやかで、「家がいいわ、順調に過ごせています」。「いい人達を紹介してくれて感謝しています」という言葉を頂いた時は、この仕事の喜びを感じる時でもあります。

このように点滴をしながらでも、自宅でその人らしい生活を送ることができます。迷っていらっしゃる方が一歩前に踏み出せるようお手伝いさせていただくのが、私達退院調整看護師の役割です。(完)
大阪厚生年金病院 

2018年12月13日

◆司法長官にウィリアム・バー

宮崎 正弘


平成30年(2018年)12月9日(日曜日)通巻第5910号 

司法長官にウィリアム・バー、国連大使はナウアート女史
  統幕議長はアーク・ミリー陸軍参謀長、ケリー首席補佐官が辞任か

トランプ政権の閣僚人事は電撃的である。

セッションズ司法長官辞任に伴い、ウィリアム・バー(ブッシュ父政権下
でも司法長官)、また年内に退任するヘイリー国連大使に替わるのがナウ
アート(国務省報道官)女史を指名した。

ダンフォード統合参謀本部長に替わるのはアーク・ミリー陸軍参謀長。
 そのうえ、ジョン・ケリー首席補佐官も更迭が噂されており、トランプ
政権当初からの閣僚はロス商務商館、ムニューシン財務長官、マティス国
防長官らとなった。

大統領補佐官も陣容が大きく代わり、外交面とりわけ中国に対して穏和的
だったティラーソン解任後、もっとも強硬路線を堅持するポンペオ国務長
官になった。

日々、大統領に國際情勢を報告し、助言するのはジョン・ボルトン補佐
官、テクノロジー擁護に先頭を走るのがナバロ通商産業局長、そしてライ
トハイザーUSTR代表が「対中強硬4人組」となった。

しかも驚くことにトランプより中国に強硬なのが民主党である。
それよりも強硬な反中派がNYタイムズなどの大手メディアだから、前掲
四人組へのイデオロギー的批判はさっぱり聞かれなくなった。
こうなると、物別れに終わった米中首脳会談のあと、さらに強硬な中国制
裁が発表される可能性が高まった。

    

 ☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆⌒☆
読者の声 どくしゃのこえ 
READERS‘ OPINIONS 読者
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   ♪
(読者の声1)第42回 家村中佐の兵法講座 兵法書として読む『古事
記』『日本書紀』

日本最古の史書とされる『古事記』『日本書紀』には、遠い昔から今に伝
わる日本人の戦争観や武力行使のあり方、優れた戦略・戦術や軍隊の指
揮・統率など、現代社会においても十分に役立つ最高の兵法書としての教
えが数多あります。

今回の兵法講座では、崇仏派である蘇我氏系の女帝・推古天皇の治世とそ
れを支えた摂政・聖徳太子による十七条憲法の制定、上古の文書が消され
てしまった経緯、また『隋書』東夷伝の記述と対比しながら遣隋使の実相
や隋・日本・朝鮮半島諸国の力関係、隋と高句麗の戦いの実態などにつき
まして、図や絵を用いながらビジュアルに、分かりやすく解説いたします。

                記
 
日 時: 12月15日(土)13:00開場、13:30開演(16:30終了予定)
場 所: 文京シビックセンター5階 会議室A
講 師: 家村和幸(日本兵法研究会会長、元陸上自衛隊戦術教官・予備
2等陸佐)
演 題: 第15話 推古天皇と聖徳太子
参加費:1,000円(会員は500円、高校生以下無料)
お申込:MAIL info@heiho-ken.sakura.ne.jp
 FAX 03-3389-6278(件名「兵法講座」にてご連絡ください。
    事前に、「新説『古事記』『日本書紀』でわかった大和統一」
(宝島社新書486)をお読みいただくと、理解が深まります!
    (日本兵法研究会事務局)

  ♪
(読者の声2)僕はトランプ政権のブレーンであるピーター・ナバロの
<Death by China 2011>を原書で読んでシナの悪徳を再確認したが、宮
崎氏はそんなことは既に知り尽くした上で、さらなるシナの悪徳を描いた
本がこれ(宮崎正弘『AI管理社会・中国の恐怖』、PHP新書)だ。
宮崎氏の無数のシナの各地への実体験の取材がこの本の土台となっている
のは間違いない。世の中保守と言っても大半がまがい物だ、いや大半以上
がそうだろう。唯我独尊の綺麗事の保守思想を奏でる輩が無数にいる。衆
愚の無知な連中を引き付けるために街宣車のごとくだ。でも、この手の似
非保守が闊歩する役割を否定しない。

僕は宮崎氏をまさにこの20年客観的に尊敬している。それは宮崎氏の、ま
さに日本で稀有の鋭い、研ぎ澄まされた視線なのだ。日本で誰であろう
と、宮崎氏の現場主義を踏まえた視線に敵わないだろう。それほど日本の
保守論壇は稚拙であり夢想の綺麗事なのだ。

この本をむさぶるようにして読んだ。見事なまでのシナの分析には感服の
限りだが、このような本を是非日本人全員が読んでほしい。

宮崎氏も20年存じ上げているが、僕はシナの謀略に対するこの著の緻密な
批判は大評価するとして、この本でそれ以上に僕の心に刺さったのは、
218ページの<合理主義というニヒリズム>の根幹の批判だ。

この本はシナの悪徳の検証だが、それはそれで超一級だが、僕が嬉しかっ
たのはこの宮崎氏の文明批判ともいうべき、AI批判をはじめとする箇所に
痺れる感動を与えてくれたところだ。

単純右翼と化す最近の保守論壇よ! よく聞け、さらに根底にあるべき哲
学があまりにも君たちに欠けているのではないのか! 宮崎氏が只者では
ないまさに三島由紀夫の本流を行く保守論壇だと痛感した次第だ。
  (奥山篤信)

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(読者の声3)大東亜戦争時代の戦時労働者問題に対する日本側の対応策
に関していろいろな意見が賑やかしく議論されています。

国交断絶とか戦争とかいう意見もあれば、韓国の要求を受け入れろという
意見がありますが、合法性と実施可能性と効果という観点から考えてみま
した。

私は、合法性と実施可能性と効果という観点から以下の3つの策が有効と
考えます。

1.特定永住者への特別優遇処置の廃止

海部首相と全大統領の会談の際に日本側が一方的に韓国に提案したものです。

韓国在住の親族を扶養家族に含めて納税申告ができるので、所得税と住民
税で年間約2000億円の課税漏れがあります。在日韓国人の日本への帰化が
進まない大きな原因となっています。

また、2000億円あれば、韓国でいわれなき資産差し押さえになった日本企
業に保証するのに十分でしょう。さらにこの徴税漏れは、今までの累計で
4兆円位あります。今後こんなバカなことを辞めることは戦時労働者問題
の解決如何に関わらず喫緊の課題と考えます。

また、銀行口座等で一人が3つの日本名を使うことができるという制度
は、マネーロンダリング等の不正に利用されていますが、これを減らすこ
とにも役立ちます。

2.就労ビザの発給制限

観光旅行のビザなし渡航を停止するという意見がありますが、これは、韓
国が日本に対して行ったときに行えばよいことです。なにも日本から先に
やる必要はありません。それより、最近多くの韓国人、主に若者が日本で
就労していますが、これを大きく制限することは、就労ビザに申請審査で
立法せずに行えます。

韓国が逆に行えば、在韓日系企業で働く日本人が減り、サムソン等の大手
企業が必要とする 基幹物資や技術が手に入らなくなります。

3.パチンコ税の導入

トランプ大統領に習ってパチンコの売り上げに25%掛けれるのが好いと思
います。平成29年のパチンコ業界の総売り上げは経済産業省の統計によれ
ば21兆円です。課税によってパチンコ業界の総売り上げが、12兆円に
減っても税額は3兆円です。

10年以上前に韓国でパチンコが禁止されましたが、それまでパチンコに使
われていたお金が物品の個人消費に回り、景気が良くなったそうです。日
本でも同様のことが起きることが期待できます。(當田晋也)

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(読者の声4)内閣官房長官補佐官辞任をめぐる疑惑については、水道法
改正審議の過程においてとりあげられるものと期待していましたが、ほと
んど登場せず、マスコミでも『日刊ゲンダイ』が報道しただけだったとこ
ろ、大手マスコミとしては初めて、東洋経済ONLINEが、12/7(金)
5:50配信 で「水道民営化促進で内閣府に出向した人の正体 」として、報
じています。

既に水道法改正が成立した後で、いささか遅すぎます。私は、重要性にお
いてモリカケ問題の比ではなく、官房長官辞任、安倍内閣崩壊にもつなが
るものと予測したのですが、どうも予測が違いました。クサイ背景を感じ
ます。

『東洋経済』ONLINE記事の一部を、以下に紹介します。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181207-00253769-toyo-bus_all&p=1

■水道民営化のために任用された大臣補佐官

水道法改正の背景が怪しい――実は今年10月末にそのような話を耳にした。
11月9日に菅義偉官房長官の大臣補佐官を辞任した福田隆之氏をめぐる怪
文書がきっかけだ。

福田氏は野村総合研究所で国が初めて実施した国家公務員宿舎建て替えの
PFI(Private Finance Initiative、民間資金、運営で公共サービスの提供
を行う)案件を担当した。

2012年からは新日本有限責任監査法人のインフラPPP(Public Private
Partnership、公民の連携で行う)支援室長としてコンセッション関連アド
バイザリー業務を統括した。

そのような福田氏が内閣府大臣補佐官に就任したのは2016年1月で、
PPP/PFIの活用を盛り込んだ「『日本再興戦略』改定2015」が閣議決定さ
れた5カ月後のことだった。

ちょうどその頃、産業競争力会議も「成長戦略進化のための今後の検討方
針」を決定。「観光振興や人口減少等の地域的、社会的課題に対する公共
施設等運営権方式を含めたPPP/PFI の活用方策を検討するとともに、 積
極的な広報活動や地域の産官学金による連携強化等により、広く地方公共
団体や民間等の関係者の理解促進や機運醸成を図る」とPPP/PFI導入の本
格的取り組みを宣言した。

これを主導したひとりがパソナグループ代表取締役会長を務める竹中平蔵
氏で、同氏が主導してPPP/ PFIの活用促進に向けた環境整備について検討
した「産業競争力会議フォローアップ分科会」などには福田氏が参加して
いた。

福田氏の補佐官登用も竹中氏の意向があったと言われている。(CAM)

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(読者の声5)12月16日、王明理さんが日台政策研究所で講演「父王育徳
を語る」
 
日台政策研究所では7月に第1回セミナーを開催しましたが、その第二弾と
して、12月に王明理さんを講師にお迎えし、セミナーを開催いたしたく存
じます。

王明理さんは、かつて台湾語研究と台湾独立運動に邁進した故・王育徳氏
のご息女であり、台湾独立建国聯盟日本本部の委員長をお勤めになってい
ます。最近は、9月9日に台南・呉園内にオープンした、王育徳記念館の設
立にも尽力されました。当日は王育徳氏の思い出や台湾語研究、また台湾
独立運動の現在について、お話が聴けるものと存じます。
               記
・日 時:2018年12月16日(日)13:00〜16:00
・場 所:山形大学東京サテライト リエゾンコーナー508AB
     東京都港区芝浦3-3-6 キャンパス・イノベーションセンター
     JR山手線・京浜東北線JR田町駅(東口)芝浦口より徒歩1分
     都営地下鉄浅草線・三田線 田駅(A4出口)から 徒歩5分
     https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/area/tokyo-s/
・講 師:王明理(台湾独立建国聯盟日本本部委員長)
   [おう・めいり]東京都生まれ。慶應義塾大学文学部英文科卒。台
湾独立運動の先駆者で台湾語研究者だった王育徳・明治大学教授の次女。
2011年9月、台湾独立建国聯盟日本本部委員長に就任し現在に至る。著書
に詩集『ひきだしが一杯』、詩集『故郷のひま     わり』。訳書に
ジョン・J・タシク編『本当に「中国は一つ」なのか』。編集担当書に 
    『王育徳全集』、王育徳著『「昭和」を生きた台湾青年』、王育
徳著『台湾─苦悶する。

その歴史(Taiwan:A History of Agonies)』。解説担当書に王育徳著
『王育徳の台湾語講座』。日本李登輝友の会理事、在日台湾婦女会理事、
日本詩人クラブ会員、詩誌「阿由多」「プラットホーム」同人。
・演 題:「父王育徳を語る―昭和を生きた台湾青年」
 なお、参加人数を把握する必要から、ご参加希望の方は下記事務局の中
澤までご連絡いただければ幸いに存じます。

・お問い合わせ先

 日台政策研究所事務局 中澤信幸
 〒990-8560山形県山形市小白川町1-4-12 山形大学人文社会科学部
 電話:023-628-4822
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(読者の声6)いきなりのお知らせで恐縮です。本日(12月9日)、新宿
で午後3時から開催します。お近くの方は是非足をお運び下さい。

          記  

12月9日(日)午後2時半開場
北朝鮮人権週間「緊急トークセッション&上映会」
「キューポラのある街」から見える拉致―川口から消えた5人
場所 JazzBarサムライ Tel.03-3341-0383
JR新宿駅東南口 徒歩2分 甲州街道ガード沿
入場料/2500円(1ドリンク付)/最多40席
""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
昭和37年の日活映画「キューポラのある街」を見て、様々な切り口から拉
致問題と北朝鮮の現状に迫る、白熱トークセッション。
出演/藤田隆司(特定失踪者家族)、
   荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)、
   三浦小太郎(評論家)野伏翔(映画監督)西村幸祐
詳細はリンク先に
https://www.facebook.com/events/267010854012365/