2019年01月31日

◆豪政界も中国に汚染され

宮崎 正弘


平成31年(2019年)1月30日(水曜日)弐 通巻第5973号     

豪政界も中国に汚染され、3人の高官がファーウェイの代理人だった
 孟晩舟はファーウェイ(豪)の取締役としても、陰謀に加担していた

豪政府高官だった3人をファーウェイは、「取締役」に雇用し、高給を支
払って事実上の代理人を務めさえ、オーストラリア市場の拡大に協力させ
てきた。

豪政府は労働党のジラード政権からターンブル保守政権まで、国家安全保
障部門は、ファーウェイの警戒を怠らなかった。

「ファーウェイ(豪)」は現地法人を装いながらも、事実上のスパイ機関
として、機密情報を入手していた。

2011年からファーウェイ豪の取締役になっていた3人の高官とは、ジョ
ン・ブルンビー元ヴィとリア州副首相、ダウナー外相、そしてジョン・
ロード元海軍中将で、いずれもが「ファーウェイのスパイ行為という陰謀
論には証拠がない」と中国を擁護してきたため、豪メディアは疑惑の目を
向けてきた。

さてカナダで拘束されている孟晩舟だが、2005年10月から2011年8月ま
で、このファーウェイ豪の取締役を務め、中国と豪のあいだを行き来して
いたのだ。

米国が起訴に踏み切ったのは23の容疑で、イランへの不法輸出と迂回路の
送金のほかに様々なスパイ容疑が俎上には網羅されている。資金洗浄と迂
回送金に利用されたHSBCは、ファーウェイとの取引から撤退している。

中国はなんとしても孟晩舟の米国への身柄引き渡しを阻止するべく、在中
国のカナダ国籍13名を拘束し、さらに中国人だが豪国籍をもつ楊という
作家を拘束し、カナダに対して猛烈な圧力をかけた。

弱腰トルードー(カナダ)首相とて、ファーウェイ政策には厳しい姿勢を
しめすようになり、駐北京カナダ大使の親中発言に激怒、大使を召還した。
 
ファーウェイ問題、これからの裁判の行方に注目があつまる。

◆法を無視する「力治」思想の国家に対し

櫻井よしこ


「法を無視する「力治」思想の国家に対し日本は力なき国である限り苦し
い立場だ」

1月14日、河野太郎外相とロシアのラブロフ外相が、安倍・プーチン会談
の前座としてモスクワで会った。ラブロフ氏の表情は硬く、視線は険し
く、まるで領土返還への日本の期待を憎んでいるかのようだった。

ラブロフ氏は2004年の外相就任以来、河野氏を含め日本の外相11人と協議
してきたベテランである。片や河野氏は祖父の一郎が日ソ交渉に携わり、
当時の日本の国力の貧弱さ、ソ連に抑留されていた幾万の日本軍兵士の身
柄返還のこともあり、ソ連側に事実上屈服した。

「産経新聞」は、今回ラブロフ氏が国境画定問題に入る前に、歴史的経緯
や国際法の解釈などあらゆる角度から攻めてきたとして、「日本の北方領
土という呼称は受け入れ難い。日本の国内法に北方領土という呼称が規定
されている問題をどう解釈していく考えか」と質したと報じた。

安倍晋三首相が1月4日の年頭記者会見で、北方領土交渉に関連して「ロシ
ア人の住民に帰属が変わることを納得、理解してもらうことも必要だ」と
述べた件では、駐ロシア日本大使を呼びつけて「日本のシナリオを押しつ
けようとするもの」だと非難した。

この一方的主張や姿勢こそ日本側は受け入れ難いが、こんな厳しい雰囲気
が全てなら、安倍首相とロシアのプーチン大統領が24回も会うことはな
かったのではないか。表に出ない部分でより深い相互理解が生まれ、それ
ゆえに交渉は継続されてきたと考えられる。

1月9日に在日米軍司令官、マルティネス氏が「現時点で米軍が(北方領土
に)基地を置く計画はない」と発言した。司令官一人の判断でできる発言
ではなく、国防総省、ホワイトハウスの了承があったと考えるのが普通
だ。つまり、北方領土への米軍の展開に対するロシア側の根強い不安を解
消するために、安倍首相がトランプ米大統領にあらかじめ説明し、要請し
た結果ではないのか。だとすれば、両首脳の話し合いはそこまでは進んで
いると見てよいということか。

ロシアは「力治国家」だ。法や道義よりも力を優先させる国、という意味
だ。力治国家の実態をわが国はまさに北方領土の不幸な体験で承知してい
るが、国際社会も同じように実感したのはクリミア半島奪取の時であろう。

小野寺五典前防衛相が1月11日、「プライムニュース」で、ロシアがウク
ライナからクリミアをどのようにして奪ったかについて、ざっと以下のよ
うに語っていた。

14年3月、ウクライナ全土で突然携帯電話がつながらなくなった。次に
GPSが狂った。その直後にSNS及びラジオで偽情報が流され始めた。
軍を含めてウクライナ全体が右往左往している内に、クリミア半島に知ら
ない集団が入ってきた。気がつくとそれはロシア軍で、あっという間に占
領されてしまった。ウクライナ軍は出来得る限りのドローンを飛ばした
が、どんどん落とされた。ドローン積載の爆弾も信管を電磁波で破壊さ
れ、どれも全て不発弾になって落とされた、と。

実は小野寺氏は、ロシアが従来のミサイルや砲を前面に出す方法から、サ
イバー攻撃などを先行させる方法に戦い方を変えたので日本も対応しなけ
ればならないという文脈で右のように語ったのだが、このような攻め方は
すでにロシアがグルジア(現在はジョージア)に侵攻した08年に実証済み
だった。サイバー攻撃で相手の機能を全滅させたうえでロシア軍はグルジ
アに侵攻し、力任せに奪った。理屈は如何様にもつけられる。

法を無視する力治の思想はロシアだけではない。中国、北朝鮮、韓国も同
じだ。領土も拉致も、日本が力なき国にとどまる限り、交渉では非常に苦
しい立場にある。日本人はそうしたことを覚悟しなければならない

『週刊ダイヤモンド』 2018年1月26日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1264 

◆介護保険の知識―福祉用具編

                                大阪厚生年金病院 
 
今回は介護保険を使って手に入れることのできる福祉用具についてお話をします。

約4,400種類の福祉用具の中から、自分に合う機種を選べることになっています。在宅生活の自立を支援するためや、介護力の軽減のために使われるもので、よくみかけるものでは、車イスや歩行器があります。

また、脳梗塞で半身マヒの残った患者さんが退院される場合には、三種の神器ではありませんが、電動ギャッジベッドとポータブルトイレ、車イスの三種をセットで準備することが多いものです。

また、整形外科で股・膝関節の手術をうけられた患者さん方には、入浴時のシャワーイスや、風呂場の手すりの準備が必要となります。

介護保険の福祉用具には、貸与(レンタル)で利用するものと、購入して利用するものの2つのタイプに分かれます。腰掛便座(ポータブルトイレ)や特殊尿器、入浴補助用具などは直接肌に触れるものですから貸与(レンタル)にはなじみません。これらは自分専用のものを購入することになります。

たとえばお風呂で使うシャワーイスの値段は15,000円くらいしますが、介護保険ではその1割の1,500円の負担で手に入れることができます。ポータブルトイレも1万円前後のものから家具調のもので5万円くらいするものまでありますが、その1割の1,000円〜5,000円で購入できます。

介護保険では4月から翌年の3月までの1年間に合計10万円までの福祉用具が購入できます。

 福祉用具貸与(レンタル)で利用できるものは、車イス、電動車イス、特殊寝台(電動ギャッジベッド)、床ずれ予防用具(エアマット)、歩行器、歩行補助杖、手すり、スロープなどです。

たとえば車イスが500円、電動ベッドが1200円、電動車イスが2,000円、エアマットが600円程度の月額料金でレンタルができます。これらは介護度にもとづく利用限度額内でレンタルすることになります。
 
他人が使用したものを使いたくないとダダをこねる方もおられますが、レンタル終了時にはきちんと法に定められた消毒方法が実施されています。しかし考えようによっては、この貸与(レンタル)が案外と重宝することがあるのです。

図体の大きいギャッジベッドや車イスなどを購入しますと、不要になった時に始末に困ります。しかし、貸与(レンタル)であれば不要となればケアマネージャーに頼めばすぐに引き上げてもらえます。それから、新しい機能のついた新機種が出た時に、借り換えがすぐに出来ることも重宝です。

電動ギャッジベッドを購入しますと25万円くらいしますが、新機種がでたからといって簡単には買い換える決心はつかないと思います。

しかし、貸与(レンタル)であればケアマネージャーに頼んでケアプランの立てなおしを頼み、翌月から新機種を導入してもらえば済むことです。身体の回復具合にあわせて機種を変更してゆけるという長所を考えていただければ、貸与(レンタル)というのも利点だと思えます。毎年新しい機種が介護保険の福祉用具に認められてきています。

ポータブルトイレにもウォシュレット機能のついたものや、温風便座機能のついたものが新しく認められました。ポータブルトイレはレンタルではなく福祉用具の購入となります。

先ほど述べたように購入は毎年1年間(4月〜翌3月)に10万円が福祉用具を購入できると決められています。

ということは翌年の4月になれば10万円分の新たな購入が可能になるということです。新しい機能のついたポータブルトイレに切り換えたければ、翌年4月まで待って、ケアプランに新たに新機種の購入をあげれば利用が可能となります。

ケアマネージャーさんは、これらの新情報についてはいち早く手に入れておられますから、ケアマネージャーさんとはいつも話せる状況をつくっておかれることが大切です。再掲

2019年01月30日

◆民主主義には節度が必要である

Andy Chang


議会がトランプ大統領の要求した国境の塀を作る資金57億ドルを拒
否したためトランプが国家予算に署名を拒否し、一部の政府公務員が
35日も失職状態となった。

民主党のペロシ議長やシューマー上院議員などは2006年と2013年に
塀を作る予算に賛成投票している。それなのに今ではトランプに反対
するため塀を作る資金をストップしている。

アメリカは国境に塀を作る、作らないの論争を13年以上も続けている。ト
ランプがこの長引いた状況を解決するため国会が資金を拒否するなら国家
予算に署名しないという強硬手段を取った。民主党側はトランプの署名拒
否に抵抗しているが、本音は塀を作ると公言したトランプの選挙公約を実
現させ
ないために反対しているのだ。

このように今のアメリカでは反トランプのためとか、政党闘争のため、
個人的な主張を通すために論争を起こし、政治が停頓し社会の紊乱が
続いている。トランプが苦境におちいったと見て来年の大統領選挙に
立候補を発表した民主党政治家は6人もいるが、みんな社会主義的主
張で国民の歓心を買おうとしている。

私は社会主義、共産主義が大嫌いである。社会主義的主張やポピュリ
ズムの勝手な主張は得票に繋がるらしい。例えば減税とか小さな政府
に賛成する人は多くても得票に繋がらない。そのかわり金持ちに70%
の課税とか、大学学費無料、国民健康保険無料などは得票に繋がる。
金持ちは他人のことだから我関せず、政府が金持ちから金を取って国
民に与えると言えば賛成するものが多い。

中間選挙で民主党のアレクサンドリア・オカショ・コルテスが国民健
保無料化と大学学費無料を主張をしてなんと75%の得票率で当選し
た。当選後も不合理な放言が続いているが人気は衰えていない。誰も
オカシイーヨと言わないばかりか、同じ民主党から立候補したエリザ
ベス・ウォレン議員も金持ちに大幅な課税をすべきと発表した。

政府から金を貰うと言えば賛成者が多い。政府の金は何処からくるの
かと聞けば金持ちから、企業から取ればよいと答える。これは共産主
義である。アメリカは資本主義国家である。自由経済が発達している
からこそ今日の発展がある。個人の努力で発達を遂げ、金持ちになっ
たのは自由主義のお蔭であるが、金持ちになったから課税するのは不
合理である。こんな人間が大統領になったらアメリカは大変だ。

オカショ女史はなんと「金持ちは不道徳だ」と喝破した。毛沢東の言
った「黒五類」つまり金持ち、地主、医者、学者などを粛清した共産
党と同じである。言論の自由がコントロール不能となって暴論が多く
なってしまった。サヨクの特徴は理性的な討論をしないことだ。自説
に反対するものはみな間違いで邪悪だと言う。

ペロシ国会議長は「トランプが主張する国境に塀を作ることは不道徳
だ」と喝破した。国境を守るのは大統領、国民全体の責任であるのに
反対する理由がどこにあるのか。国境に塀を作ると言ったトランプの
選挙公約を実現させないために反対するペロシの方が不道徳である。
ペロシ個人のトランプ憎悪で権力乱用になってしまったのだ。

民主主義だから言論の自由、行動の自由があると言うが勝手な言論や
行動で社会の紊乱を招く。今のアメリカでは毎日のように各都市でい
ろいろなデモンストレーションが起きている。曰く、女性の権利、黒
人の権利、同性愛者の権利、堕胎の権利、胎児の生きる権利など。数
百人から数千人の群衆が集まって街頭デモを行っても効果があるのだ
ろうか。しかも群衆デモが暴徒化して破壊行動に移った事例が少なか
らずある。

デモ群衆の主張に同感を覚える人と反感を覚える人の比例はどれぐら
いか。言論の自由から行動の自由に発展しても国民が賛成より迷惑の
方が多いと思う。自由とか権利を主張するが、不合理な主張や破壊行
為や社会の紊乱を招くのはダメだ。民主主義のもとで言論や行動の自
由には節度が必要である。

民主自由は国家社会の安全と平和を守る範囲内と限定すべきである。
おのれの自由は他人の自由を妨げるべきではない。行動は社会の動乱
を招くべきではない。今の民主主義はどんどんサヨクが増えて社会主
義化を抑えることが出来なくなっている。行き過ぎた自由を節度のあ
る自由に改善するにはどうすればよいのか。

at 09:00 | Comment(0) | Andy Chang

◆米国の対中ハイテク輸出規制強化で

宮崎 正弘


平成31年(2019年)1月26日(土曜日)通巻第5970号    

 米国の対中ハイテク輸出規制強化で日本、台湾、韓国経済も直撃
  ハイテク製造メーカーは株価大下落、好況見通しは去った

米国は対中技術輸出に厳格な規制を導入する。運用次第では対中輸出が困
難になる。
とくに14分野の先端技術に絞られ、法の淵源は「国防権限法」である。

規制されるのはAI、バイオ、測位テクノロジー、マイクロプロセッ
サー、次世代コンピュータ、データ分析技術、ロボット、先端的材料な
ど。その多くは日本企業に関連が深く、ましてICなどは米国の基本特許
であるケースや、クロス・ライセンス契約による技術が目立つため、実際
には米国が国防権限法の運用を強めれば強めるだけ、日本企業の対中輸出
も自動的に縮小する。台湾、韓国も同様な影響を受ける。

加えて「アップル・ショック」の到来だ。

 アップルのティム・クックCEOは、1月4日に「2018年第4四半期の
スマホ売り上げ激減」と発表したため、市場は株価激安をしめした。また
「2019年第1四半期の生産予定は10%減らすことになる」と衝撃的予測を
語った。

ちなみにピーク時の18年10月3日から、2019年1月8日までの株価激減率は
 
 TDK      ▼38・2%
 アップル     ▼35・0%
 サムソン     ▼28・5  (韓国)
 鴻海精密     ▼25・9  (台湾)
 日本電産     ▼25・5  (日本)
 マイクロソフト  ▼25・3
 村田製作所        ▼18・8%  (日本)
 TSMC         ▼17・1   (台湾)
 テキサツインスツルメント ▼12・8  

このアップル・ショックという下方修正見通しは日本、台湾、韓国という
スマホ部品、中枢部品、液晶パネル、高純度材料、組み立て、販売という
ビルトイン・システムを根底的に揺らすことは明らかであり、アップルは
時価総額趣意の座から転落し、マイクロソフトに譲った。村田製作所も部
品出荷激減を認めた。

またシャープを買収した液晶パネルなどの大手「鴻海精密工業」は河南省
鄭州工場で5万人、ほかの工場を含めて、とりあえず10万人のレイオフを
実行した。


 ▼「ファーウェイはスパイ機関だ」。トランプ政権、規制強化の姿勢かえず

1月15日に米連邦議会の超党派議員が強力な中国制裁法案を提出した。こ
れは大統領権限強化という法の淵源をさらに強化し、米国の輸出管理法違
反の中国の通信メーカーを制裁する目的をもつ。

米国がほぼ合意しているのは「ファーウェイはスパイ機関だ」という確定
的分析であり、ファーウェイ、ZTE以外の通信メーカーにも対象を広げる。

すでに1月16日のウォールストリートジャーナルが報じたところでは、
ファーウェイが米国携帯で第3位の「TモバイルUS」が企業機密(管理
ロボット技術)を盗まれたとして、2014」年に民事訴訟を起こしている経
過に当局が強い関心を示しているとした。

慌てたファーウェイ創業者の任正非は数年の沈黙を破って記者会見し、
「共産党に命じられたこともなければスパイ行為などしたことがない」と
しらを切ったが、「それなら、なぜ共産党員なのか。党の方針に従わない
党員はいないのではないか」等とする記者団の質問には答えなかった。

米国はカナダで拘束中の孟晩舟ファーウェイCFO(創業者の娘)の送還
を正式に要請した。中国は真っ青になって反論し「国際法違反だ、反対で
ある」などと支離滅裂な駁論を展開した。

これらのニュースが日本市場にもたらした心理的悪影響は、「日本電産
ショック」となった。日本電産の永守重信会長は「2018年10月から異常な
注文減少に直面している。未曾有の注文減少だが、中国ばかりか欧州でも
ビジネスが悪化している」と記者会見した。

かくしてアップル・ショック、日本電産ショックと連続し、不況入り本格
化という衝撃を証券界にもたらし、関連する企業の株価が下落を演じる場
面があった。

日本電産はすでに2019年3月決算の売り上げを350億円マイナスに下方修
正しており、ほかに安川電機、日立建機などが売り上げの下方修正を発表
した。

 日本企業は決算のピークを控え、日本電産の大幅下方修正に続いて中国
依存度の高いミネベア、ダイキン、信越化学、SMC、マブチなどを直撃
した。翌日からも新日鉄住金、ファナック、コマツなどの株価を揺らした。

先行きは暗い。

◆いまどき「飲み、食い合せ」

石岡 荘十


昔、上州の田舎の高校卒業後に上京するとき、喰い合わせにはくれぐれも気をつけるよう母親から戒められたことがあった。曰く、

・うなぎと梅干
・鮎とごぼう
・熊の胆とかずの子
・蛸と梅の実

などなど。「一緒に食べないように」と。本当かどうか分からないが、いってみれば、言い継がれた「おばあちゃんの智恵であった。その後、そんなこと、思い出しもしなかったが、ある“事件”で、いまどきの“飲み喰い合せの禁手(きんじて)”があることを思い知らされることとなった。

・抗血液凝固剤と納豆
・降圧剤とグレープフルーツ・ジュース

これを知るきっかけとなった事件というのは、16年前の心臓手術である。この飲み食いあわせは医学的に「禁忌」とされている。親譲りの大動脈弁が不具合を起こし、人工の機械弁に取り換えた。

が、人工弁は人の肉体にとって「異物」であるから、血流が異物に触れると小さな血の塊、血栓が出来る性質がある。この血栓が大動脈を経由して脳に流れ着くと、脳の血管を塞いで脳梗塞を起こす。

そこで、手術後、血栓が出来にくくする、つまり体内の血液をいつもさらさらに保つ必要がある。それが抗血液凝固剤で、その代表的なものがワルファリン(商品名:ワーファリン)だ。

心臓手術に先立って行われたインフォームドコンセントでも、「一生飲みつづけなくてはならなくなりますが、いいですね」とダメを押されていた。

毎日1回決まった量のワーファリンを飲むのも煩わしいことだが、つらいのは食い合わせに禁忌食品があることだ。納豆である。

理由を理解するためには、血液が凝固するメカニックを学ばねばならないが、複雑すぎて手に負えないのでここでは省く。要するに、納豆は体内で大量のビタミンKを作る。すると、ワーファリンが効かなくなる→血液が固まりやすくなり、最悪、脳梗塞を起こす恐れがある、ということだそうだ。

永年、朝食に納豆を欠かしたことのない年寄り(私)。ある日、耐え難くなってかみさんが買いだめしてあるヤツを盗み食いした。

翌日、かかりつけの循環器内科の医者にこのことを、ぽろっと洩らすと、大騒ぎになった。

自覚症状はなかったが、血液検査では明らかに薬の血中濃度が低下している。脳梗塞に危険が高まっているのだ。あわててその場でいつもの倍のワーファリンを飲まされ、さらに翌朝も倍。お陰で、その日の午後には、危険水域を脱したことが血液検査で確認できた。

薬はすべて毒である。が、過不足なく処方することで薬としての効能を発揮する。しかしその効能を阻害するもの(この場合納豆)を摂取するとバランスが崩れ毒に戻る。血栓が出来やすくなるのである。

患者が納豆を盗み食いして脳梗塞になったのでは、洒落にもならない。担当医にとっても沽券にかかわるということだった。医師があわてるはずだ。

「出先で災害にあったりすると大変だから、いつもポケットに余分に持っていてください」と女医さんにたしなめられた。

歳をとると高血圧患者が増え、降圧剤が処方される人が多くなる。ところが、1991年、英国の医学雑誌「ランセット」に、「フェロジピンまたはニフェジピンとグレープフルーツ・ジュースとの相互作用」という論文が発表になり大騒ぎとなった。

2つともよく使われている降圧剤だが、これをグレープフルーツ・ジュースと一緒に飲むと、降圧剤がスムースに体外に排泄されなくなり、血液の中に滞ってしまう。結果、薬の血中濃度が異常に高くなり、血圧が下がりすぎる、という論文だったのである。

降圧剤を飲んでいる人は何十万人にも上るが、このことを知っている人はどのくらいいるか。ジュースがやばいのは分かった。ならばグレープフルーツの実はどうか。大丈夫そうだがまだ最終的な、科学的な結論は出ていないそうだ。

因みに、脳梗塞予防のために処方されたという抗血液凝固剤「プレタール」もグレープフルーツ・ジュースと「相互作用」を起こす薬だ。副作用を起こす恐れがあるとされている。

医者の中には、そんな説明をしないやつも居る。薬局で渡される注意書きは伊達ではない。小さい赤字で書いてあるが、よく読まれるようお薦めする。

筆者も、プレタールを飲んでいる。したがって、ワーファリンの関係で納豆、プレタールの関係でグレープフルーツ・ジュース、この2つはここ暫く摂取していない。

2019年01月29日

◆法を無視する「力治」思想の国家に対し

櫻井よしこ


「法を無視する「力治」思想の国家に対し日本は力なき国である限り苦し
い立場だ」

1月14日、河野太郎外相とロシアのラブロフ外相が、安倍・プーチン会談
の前座としてモスクワで会った。ラブロフ氏の表情は硬く、視線は険し
く、まるで領土返還への日本の期待を憎んでいるかのようだった。

ラブロフ氏は2004年の外相就任以来、河野氏を含め日本の外相11人と協議
してきたベテランである。片や河野氏は祖父の一郎が日ソ交渉に携わり、
当時の日本の国力の貧弱さ、ソ連に抑留されていた幾万の日本軍兵士の身
柄返還のこともあり、ソ連側に事実上屈服した。

「産経新聞」は、今回ラブロフ氏が国境画定問題に入る前に、歴史的経緯
や国際法の解釈などあらゆる角度から攻めてきたとして、「日本の北方領
土という呼称は受け入れ難い。日本の国内法に北方領土という呼称が規定
されている問題をどう解釈していく考えか」と質したと報じた。

安倍晋三首相が1月4日の年頭記者会見で、北方領土交渉に関連して「ロシ
ア人の住民に帰属が変わることを納得、理解してもらうことも必要だ」と
述べた件では、駐ロシア日本大使を呼びつけて「日本のシナリオを押しつ
けようとするもの」だと非難した。

この一方的主張や姿勢こそ日本側は受け入れ難いが、こんな厳しい雰囲気
が全てなら、安倍首相とロシアのプーチン大統領が24回も会うことはな
かったのではないか。表に出ない部分でより深い相互理解が生まれ、それ
ゆえに交渉は継続されてきたと考えられる。

1月9日に在日米軍司令官、マルティネス氏が「現時点で米軍が(北方領土
に)基地を置く計画はない」と発言した。司令官一人の判断でできる発言
ではなく、国防総省、ホワイトハウスの了承があったと考えるのが普通
だ。つまり、北方領土への米軍の展開に対するロシア側の根強い不安を解
消するために、安倍首相がトランプ米大統領にあらかじめ説明し、要請し
た結果ではないのか。だとすれば、両首脳の話し合いはそこまでは進んで
いると見てよいということか。

ロシアは「力治国家」だ。法や道義よりも力を優先させる国、という意味
だ。力治国家の実態をわが国はまさに北方領土の不幸な体験で承知してい
るが、国際社会も同じように実感したのはクリミア半島奪取の時であろう。

小野寺五典前防衛相が1月11日、「プライムニュース」で、ロシアがウク
ライナからクリミアをどのようにして奪ったかについて、ざっと以下のよ
うに語っていた。

14年3月、ウクライナ全土で突然携帯電話がつながらなくなった。次に
GPSが狂った。その直後にSNS及びラジオで偽情報が流され始めた。
軍を含めてウクライナ全体が右往左往している内に、クリミア半島に知ら
ない集団が入ってきた。気がつくとそれはロシア軍で、あっという間に占
領されてしまった。ウクライナ軍は出来得る限りのドローンを飛ばした
が、どんどん落とされた。ドローン積載の爆弾も信管を電磁波で破壊さ
れ、どれも全て不発弾になって落とされた、と。

実は小野寺氏は、ロシアが従来のミサイルや砲を前面に出す方法から、サ
イバー攻撃などを先行させる方法に戦い方を変えたので日本も対応しなけ
ればならないという文脈で右のように語ったのだが、このような攻め方は
すでにロシアがグルジア(現在はジョージア)に侵攻した08年に実証済み
だった。サイバー攻撃で相手の機能を全滅させたうえでロシア軍はグルジ
アに侵攻し、力任せに奪った。理屈は如何様にもつけられる。

法を無視する力治の思想はロシアだけではない。中国、北朝鮮、韓国も同
じだ。領土も拉致も、日本が力なき国にとどまる限り、交渉では非常に苦
しい立場にある。日本人はそうしたことを覚悟しなければならない。

『週刊ダイヤモンド』 2018年1月26日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1264 

◆米国の対中ハイテク輸出規制強化で

宮崎 正弘


平成31年(2019年)1月26 日(土曜日)通巻第5970号    

米国の対中ハイテク輸出規制強化で日本、台湾、韓国経済も直撃
  ハイテク製造メーカーは株価大下落、好況見通しは去った

米国は対中技術輸出に厳格な規制を導入する。運用次第では対中輸出が困
難になる。

とくに14分野の先端技術に絞られ、法の淵源は「国防権限法」である。
規制されるのはAI、バイオ、測位テクノロジー、マイクロプロセッ
サー、次世代コンピュータ、データ分析技術、ロボット、先端的材料な
ど。その多くは日本企業に関連が深く、ましてICなどは米国の基本特許
であるケースや、クロス・ライセンス契約による技術が目立つため、実際
には米国が国防権限法の運用を強めれば強めるだけ、日本企業の対中輸出
も自動的に縮小する。台湾、韓国も同様な影響を受ける。

加えて「アップル・ショック」の到来だ。

アップルのティム・クックCEOは、1月4日に「2018年第4四半期のス
マホ売り上げ激減」と発表したため、市場は株価激安をしめした。また
「2019年第1四半期の生産予定は10%減らすことになる」と衝撃的予測を
語った。

ちなみにピーク時の18年10 月3日から、2019年1月8日までの株価激減率は
 
 TDK      ▼38・2%
 アップル     ▼35・0%
 サムソン     ▼28・5  (韓国)
 鴻海精密     ▼25・9  (台湾)
 日本電産     ▼25・5  (日本)
 マイクロソフト  ▼25・3
 村田製作所        ▼18・8%  (日本)
 TSMC         ▼17・1   (台湾)
 テキサツインスツルメント ▼12・8  

このアップル・ショックという下方修正見通しは日本、台湾、韓国という
スマホ部品、中枢部品、液晶パネル、高純度材料、組み立て、販売という
ビルトイン・システムを根底的に揺らすことは明らかであり、アップルは
時価総額趣意の座から転落し、マイクロソフトに譲った。村田製作所も部
品出荷激減を認めた。

またシャープを買収した液晶パネルなどの大手「鴻海精密工業」は河南省
鄭州工場で五万人、ほかの工場を含めて、とりあえず十万人のレイオフを
実行した。


 ▼「ファーウェイはスパイ機関だ」。トランプ政権、規制強化の姿勢かえず

1月15日に米連邦議会の超党派議員が強力な中国制裁法案を提出し た。
これは大統領権限強化という法の淵源をさらに強化し、米国の輸出管 理
法違反の中国の通信メーカーを制裁する目的をもつ。
米国がほぼ合意しているのは「ファーウェイはスパイ機関だ」という確定
的分析であり、ファーウェイ、ZTE以外の通信メーカーにも対象を広げる。

すでに1月16日のウォールストリートジャーナルが報じたところで は、
ファーウェイが米国携帯で第三位の「TモバイルUS」が企業機密 (管
理ロボット技術)を盗まれたとして、2014年に民事訴訟を起こし ている
経過に当局が強い関心を示しているとした。

慌てたファーウェイ創業者の任正非は数年の沈黙を破って記者会見し、
「共産党に命じられたこともなければスパイ行為などしたことがない」と
しらを切ったが、「それなら、なぜ共産党員なのか。党の方針に従わない
党員はいないのではないか」等とする記者団の質問には答えなかった。

米国はカナダで拘束中の孟晩舟ファーウェイCFO(創業者の娘)の送
還を正式に要請した。中国は真っ青になって反論し「国際法違反だ、反対
である」などと支離滅裂な駁論を展開した。

これらのニュースが日本市場にもたらした心理的悪影響は、「日本電産
ショック」となった。日本電産の永守重信会長は「2018年10月から 異常
な注文減少に直面している。未曾有の注文減少だが、中国ばかりか欧 州
でもビジネスが悪化している」と記者会見した。

かくしてアップル・ショック、日本電産ショックと連続し、不況入り本
格化という衝撃を証券界にもたらし、関連する企業の株価が下落を演じる
場面があった。

日本電産はすでに2019年3月決算の売り上げを350億円マイナス に下方修
正しており、ほかに安川電機、日立建機などが売り上げの下方修 正を発
表した。

日本企業は決算のピークを控え、日本電産の大幅下方修正に続いて中国
依存度の高いミネベア、ダイキン、信越化学、SMC、マブチなどを直撃
した。翌日からも新日鉄住金、ファナック、コマツなどの株価を揺らした。

先行きは暗い。

◆韓国に分かる形で怒り示そう

阿比留 瑠比


2014年6月、ソウルで元韓国外務省東北アジア局長、趙世暎(チョ・セヨ
ン)氏に慰安婦問題や元徴用工をめぐる訴訟問題についてインタビューし
た。趙氏は1965年の日韓請求権協定に関し、こう明言していた。

「2005年に韓国政府は、反人道的問題である慰安婦問題、サハリン残留韓
国人問題、韓国人原爆被害者問題の3つは請求権協定の対象に入っていな
いという解釈を発表した。裏を返すと、徴用工問題は入っているというこ
とだ」

請求権協定をめぐる日韓交渉では、韓国側が「個人への支払いは韓国政府
の手でする」と主張した。実際、韓国は1975年に元徴用工への補償を実施
し、2008年から追加補償も行っている。

慰安婦問題などに関しては日本政府の見解と相いれないが、徴用工問題は
すでに決着済みだと韓国も自覚していたのである。

それが簡単に韓国最高裁に覆されたのだから、たまったものではない。31
日の自民党の外交部会などの合同会議では、出席議員の言葉もとがっていた。

「韓国は国家としての体をなしていないんじゃないか」(中曽根弘文元外相)

「もう怒りを通り越してあきれるというか、韓国のセンスのなさを言うし
かない」(新藤義孝元総務相)

ソウルの在韓日本大使館前に設置されたウィーン条約違反の慰安婦像を放
置していることも含め、韓国が国際条約もルールも守れない非法治国家で
あると自己宣伝するのは勝手である。

だが、韓国は中国に対してはこんな暴挙は仕掛けはしない。何をやっても
反撃してこないと、日本を甘く見ているのだろう。
 「非常に残念だ」

岩屋毅防衛相は10月20日、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相と
会談した際に、韓国での国際観艦式で、海上自衛隊の自衛艦旗(旭日旗)
の掲揚自粛を求められ、参加を見送った問題でこう伝えた。

日本人らしく抑えた物言いだが、これでは意味がない。麗澤大の西岡力客
員教授は、月刊『正論』3月号でこう訴えている。

「日本人は100のことを言いたい場合は50のことを言う。相手が50のこと
を話したら『本当は100、言いたいのだな』と忖度(そんたく)するわけ
です。でも、韓国人は逆なのです。韓国人は、100のことを伝えたいとき
に200を言います。相手が200を言ったらそれを100と受け止める」

難儀な話だが、韓国に対してはそれ相応の対応を取るしかない。徳島文理
大の八幡和郎教授は10月30日、自身のフェイスブックに「日本は何もしな
いと思われるから韓国は無茶をする」と書き、次の5つの報復措置を提案
していた。

 (1)日本人が(朝鮮)半島に残した個人財産への補償を要求(2)対
北朝鮮経済協力の拒否(統一時も含む)(3)3代目以降に特別永住者の
地位を認めない事(4)歴史教科書における(近隣国への配慮を定めた)
近隣国条項を韓国に限って撤回(5)韓国大衆文化の流入制限−。

八幡氏は筆者に「これらは日本が単独でできる」と指摘し、こう付け加えた。

「日本はここまでやれると見せないと、韓国とは話し合いにならない。紳
士的に対応していたら、韓国政府も(感情に流されがちな)国民を説得で
きない」

韓国側にも理解できる形で、日本の怒りを示すべきだろう。(論説委員兼
政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2018.11.1

◆韓国「青瓦台」襲撃未遂事件

                                 毛馬 一三

全国版メルマガ「頂門の一新」主宰の渡部亮次郎氏が、以前掲載された「歴史の現場に立ちながら」を拝読し 北朝鮮ゲリラによる韓国大統領府「青瓦台」襲撃未遂事件のことを改めて思い出した。

私がNHK大阪府庁記者クラブのキャップをしていた折、同事件に深い関心を覚えたため、単独で渡韓し、既知の韓国有力新聞社社長の紹介で韓国政府公安機関の要人と面会し、事件「詳細」を“取材”した。

勿論休暇をとっての私人的行動だった。その取材内容は立場上「公」には出来なかったが、思い出した序でに「ドキュメント小説風」に纏めた当時の「取材メモ」を探し出した。ご参考までに下記に添えておきたい。

韓国青瓦台奇襲は、1968年1月21日夜10時を期して決行する命令が、金日成首領から金正泰を通じて出された。青瓦台奇襲部隊は組長の金鐘雄大尉(事件後4日目に射殺)ら31名で、唯一生き残った金新朝も一員だった。

全員が機関短銃1丁(実弾300発)、TT拳銃1丁、対戦車手投げ弾1発、防御用手投げ弾8発と短刀で武装した。

奇襲部隊は、1組が青瓦台の2階を奇襲して朴正煕大統領と閣僚を暗殺、2組は1階を襲撃して勤務員全員を殺し、3組は警備員、4組は秘書室全員射殺というのが任務だった。

16日の午後、黄街道延山基地を出発。途中軍事休戦ライン南方の非武装地帯を緊張しながら訓練通り過ぎ、ソウルに真っ直ぐのびる丘陵を辿った。歩哨所や検問に遭遇しなかったため。金組長は「南」の士気が乱れている所為だと勘違いした。このため、31人全員が隊列を組んで堂々と行軍するという行動に出た。

だが行軍しているうち、「戸迷い」にぶち当たった。所持した地図に従いソウルにいくら接近しても、「北」で教育されたような荒廃している筈のソウル市街は21日の夜になっても現れてこない。

南下すればするほど煌々とした市街地が現れてくるばかりだ。「これはソウルではない」。「じゃ、一体ここは何処なんだ」。「北」の教育が間違っているとは一瞬たりとも気付かないミスを更に重ねた。

その上に韓国軍の服装、装備に身を固めている限り怪しまれることはないと思い上がった金組長が、敵地で初めて出会った韓国人2人に「訓練中に道に迷ったのだが、ソウルに行く道を教えてくれないか」と、呆れた質問をしている。

奇襲隊に遭遇した2韓国人は、ソウルへの道筋を教えたものの、不審に思った。眼下に広がるソウルを韓国軍が見つけられない筈はない。発音も韓国訛ではない。まして前年6月から「北」の武装スパイが上陸して韓国軍から射殺された事件を2人は知っていた。2人は急ぎ山を降り、警察に通報した。

奇襲隊は21日夜9時、ソウル北方紫霞門の坂道を通過しようとして、警察の検問にひっかかった。尋問を受けた奇襲隊は慌てて機関短銃を乱射し、市バスと民家に見境なく手投げ弾を投げた。

奇襲隊は、青瓦台の800m手前まで迫りながら、韓国軍と警察の掃討作戦によりちりじりに撃退された。2週間に及ぶ掃討作戦により、金新朝1名が逮捕され、他は全滅させられた。この銃撃戦で韓国側は、崔警察署長を含め68名が死亡している。

序でながら私の「メモ帳」には、青瓦台襲撃に失敗した「北」が、10ヶ月後の11月2日、襲撃組長金鐘雄大尉ら31名の同期生120人のいわゆるゲリラ別斑が、韓国慶尚北道蔚珍郡と荏原道三に海上から「南」に進入している。

このゲリラ隊は、山岳地帯の小部落を武力で占領、赤化せよという工作命令を受けていた。部落民を集めて赤化を強要する「部落拉致事件」。事実従わない者は短剣で刺し、石で殴り殺すという虐殺を行っている。

「共産党は嫌い」と叫んだ李承福という10歳の少年の口を引き裂いて殺した。断崖絶壁をロープでよじ登り、部落を占領して住民を」拉致し、赤化地帯にするという想像を絶するこの「北」のゲリラ事件は、何故かわが国では余り知られていない。

渡部氏は、<私も同様だが、青瓦台襲撃未遂事件、文世光事件がつながっておることを系統的に追跡取材する必要性を感じなかった。これらの事件が「北」による日本人大量拉致事件とつながっていると考える記者は知らなかった>と言っている。

<文世光事件をして、北による日本人拉致事件を予想出来る態勢が大阪府警にあったかどうか。その取材を指揮できる記者かデスクがいたか>とも指摘されている。

「メモ帳」を繰り返し見返しながら、私自身もそこまでは考えもつかなかった。

<今回の拉致事件担当相による売名パフォーマンスをマスコミが非難しないのは自らの足許が暗いからである>という指摘は、まさにその通りだと思う。(了 再掲)