2019年01月25日

◆現在革命続行中、文在寅政権の異常さ

櫻井よしこ


個人的な感想だが、韓国の文在寅大統領は「信用できない男」の典型では
ないか。とりわけ1月10日、韓国大統領府で開かれた年頭の記者会見での
発言や表情は、知的に耐えきれないものだった。

韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊の哨戒機に、日本の排他的経済水域
(EEZ)内で、火器管制用レーダーを照射した問題でも、「朝鮮人戦時
労働者問題」(自称徴用工問題)でも、文氏以下韓国側は自らの非を認め
ず、逆ギレを続けている。

レーダー照射問題に関して、韓国は、自衛隊機が低空で威嚇的に飛行した
と言った。ではなぜ、その場で抗議しなかったのか。日本側が低空飛行な
どしていなかったから、抗議できなかったのであろう。

加えて、彼らは当初、レーダー照射をしなかったとは言っていない。低空
飛行を持ち出して問題をすり替えたのは、なぜか。

日本のEEZ内で韓国の大きな艦船が2隻も目視され、しかもまん中に漁
船らしき小さな船をはさんでいるとなれば、日本の海や空を守る哨戒任務
についている自衛隊機が、上空から様子を見るべく接近しないほうがおか
しい。当然の責務として近づいた自衛隊機にレーダーを照射して追い払お
うとしたのは、韓国側に隠したいことがあったからだろう。

どうしても見られたくない現場がそこにあったために、レーダーを照射し
たのではないか。隠したいことはよほど重要なことである可能性も高い。
その点も含めて韓国側は重大な嘘をついていると考えてよいだろう。

もう一方の朝鮮人戦時労働者問題を、文氏は、「韓国政府がつくり出した
のではなく、不幸な歴史のために生じた問題」だと語り、日本政府に「も
う少し謙虚になるよう」求めた。

韓国大法院(最高裁)が下した判断を、韓国は三権分立の国であるが故
に、韓国政府は尊重せざるを得ない、そのことを日本政府も認識せよと、
文氏は言ったが、同問題の背景に、文氏の遠大な企みがあったと見るのは
決して深読みのしすぎではないだろう。

親北朝鮮の完全な左翼集団

日本企業に慰謝料の支払いを命ずる判決を下した大法院長は金命洙(キム
ミョンス)氏だ。一昨年9月に文氏が大抜擢した。金氏は「ウリ法研究会」
の一員で「親北朝鮮、反日反韓国」の極左思想の持ち主だ。金氏を大法院
長に任命したときに、すでに今回の判決の流れが決まったといえる。

韓国で朝鮮人戦時労働者問題の訴訟を支えるのは「法務法人ヘマル」の弁
護士達だ。「太平洋戦争犠牲者補償推進協議会」や「民族問題研究所」が
支援組織として名を連ねている。

「ヘマル」の中心人物、張完翼(チャンワンイク)弁護士は、2000年に元朝
日新聞の松井やより氏(故人)らと共に、昭和天皇を裁き有罪にした女性
国際戦犯法廷を開催し、検事役を務めた。また、民族問題研究所は親北朝
鮮の完全な左翼集団である。

留意しておくべきことは、文氏が大統領選挙に出馬したとき、法務法人ヘ
マルが全面的に支えたという事実だ。後述するように、朴槿恵前大統領を
弾劾して行った選挙はまさに「革命」と呼ぶべき異常なものだった。その
異常な選挙を乗り切るのに法的支援をしたのが法務法人ヘマルだった。両
者はまさに一心同体と言えるのではないか。

こうしてみると大法院を支配する価値観と、戦時労働者訴訟の原告団を支
援する勢力の価値観は重なる。私たちはこうした人々相手の尋常ならざる
闘いに直面しているのだ。

右のような陣容で裁判をおこし、その中で下された判決を、韓国側は三権
分立を盾にして日本も尊重せよと言う。だが日本にも最高裁が存在する。
日本の最高裁は朝鮮人戦時労働者の件はすべて解決済みと判断した。日本
も三権分立の国だ。日本政府も日本の最高裁判決に従わなければならな
い。その事実を、韓国政府こそ、認識すべきであろう。

現在の韓国政府にはいちいち違和感を覚えるが、日本で発行されている韓
国の週刊新聞、『統一日報』の1月1日版に韓国の常識派の論文が複数、掲
載されていた。そのひとつが、ソウル大学経済学部教授を経て、昨年から
「李承晩学堂」の校長を務める李栄薫(イヨンフン)氏の講演である。

李氏は「反日種族主義を打破しよう」という題で語っている。李氏は「精
神文化の遅滞が、20世紀の韓国史を貫通してきた」と断じ、20世紀の韓国
の近代化を、韓国人は「無賃乗車」で成し遂げたと指摘する。「近代文明
の法、制度、機構は日本の支配と共にこの地(韓国)に移植された」ので
あり、国が滅びたのも国を建てたのも「自力」ではなかったと、韓国人が
一番聞きたくないことを、李氏は語っている。

精神文化の遅滞

それでも韓国がこの70年間大きな成果をおさめたのは、李承晩、朴正煕両
大統領をはじめとする「創造的少数」の功績だと李氏は続ける。その上で
韓国がいま、失敗の中にあるのは「種族主義」のためだと言う。種族主義
とは何かと、『統一日報』担当者に問い合わせると、民族主義以前の閉鎖
的で遅れた段階を指すとの説明だった。

李氏は、そのような精神文化の遅滞ゆえに、韓国は「国際感覚において不
均衡」、「日本に対しては無期に敵対的である反面、中国に対しては理解
できないほど寛大だ」と分析する。

もうひとつ『統一日報』には、前大統領、朴槿恵氏の弾劾及びその後の有
罪判決に関して、非常に重要な論文が掲載されている。

朴槿恵氏は過日、32年の懲役刑を下された。66歳の氏は、98歳まで獄に留
め置かれるということだ。このような結果になった朴氏弾劾事件を同紙
は、「韓国憲政史上、最も恥辱的な出来事」と痛烈に非難している。弾劾
の引き金となった唯一の物的証拠が「タブレットPC」だったが、これは
後に偽物だと証明された。このPCへの疑惑を提起したジャーナリストは
逮捕され、実刑を言い渡された。

どこを調べても朴氏は一ウォンのお金も不正に得ていなかったが、韓国司
法は朴氏に罰金200億ウォン(約20億円)を宣告した。収賄の証拠が皆無
だったために、裁判官の心証に基づいて「暗黙的請託」という新たな論理
をひねり出し、重罪に処するために韓国の刑法にない「国政壟断罪」も急
遽作り出した。

弾劾から裁判に至る過程を見れば背後に広範な工作があり、それは北朝鮮
との共謀関係の中でこそ可能だったと思わせられる。

論文には「韓国では嘘をつくことは、特に左翼勢力の嘘はほとんど処罰さ
れない」と書かれている。

こんな国が文政権下の隣国だと肝に銘じつつ、常識と良識を備えた韓国人
の存在も忘れないようにしよう。

『週刊新潮』 2018年1月24日号 日本ルネッサンス 第836回

             

◆赤穂浪士や龍馬の人気 

渡邊 好造


以前のNHKテレビの大河ドラマ”坂本龍馬”が大好評であったことを、ふと想い出した。

龍馬がなぜこんなに人気があるのか。そこには赤穂浪士の人気と共通するものがあるように思う。大衆芸能で人気を博し、「英雄」となる人物には およそ下記の4つの共通の条件が備わっているのではないだろうか。
                                            
1)逆境に陥る。
2)人から侮られる。
3)努力して大成功を収める。
4)悲劇的最後をとげる。

赤穂藩主の浅野内匠頭が江戸城中で吉良上野介に切りかかり、即日切腹させられ、藩は取り潰し。大石内蔵助を初めとする藩士47人が吉良への仇討を果たす物語が”赤穂義士伝”である。

周知のように、製塩で裕福であった藩の家老大石は、主君の不始末で、生活はたちまち暗転。仇討をするのかしないのかグズグズと日時が経過し、昼行灯とまで揶揄され侮られたが、その後仇討を無事達成し一躍英雄となった。

しかし全員死罪の悲劇的最後を遂げる。まさにこの4条件にピッタリである。

もし、義挙だから救済するべしとの世評通り47人が赦免になって生きながらえていたら、彼らを称える毎年の赤穂、山科での「義士祭」は行われていないに違いない。

坂本龍馬は、土佐藩の下級武士の出で、脱藩して薩長同盟に尽力、海援隊の隊長として活躍したのち大政奉還に寄与するも、慶応3(1867)年刺客に襲われ明治政府の実現直前で死去。

同じように、この4つの条件に合致する大衆受けのする「英雄」を拾うと、

源義経は平家に預かりの身で苦労を重ねた後、不運な境遇から抜け出し平家壊滅の端緒をつくる大功績をあげた。しかし、兄頼朝の不興をかって奥州平泉で滅ぼされる。

豊臣秀吉は、織田信長の家来としてサルと馬鹿にされながらも人一倍の努力を重ねて這い上がり天下を取るに至るが、わが子秀頼は母淀君とともに徳川家康にしてやられる。

織田信長も英雄の一人にあげることができる。”ウツケモノ”として侮られ、その後天下統一の一歩手前で明智光秀の謀反で挫折し、自害する。ただ織田家を継ぐまでにこれといった逆境に陥ってはいないのでやや条件に欠ける。

新撰組の近藤勇、土方歳三は剣の腕前はすごいものを持っていたがもともとの身分が低く、中心人物になって組織をつくりあげるまでにはかなりの苦労を重ねたらしい。最後はともに若くして打ち首と戦死の運命をたどる。

いずれの人物もNHK大河ドラマに登場する「大英雄」である。

反対に、源頼朝、徳川家康らは天下を取ったものの、頼朝は非情な兄であり、家康は腹に一物のタヌキ親父、桂小五郎(木戸考允)も功績はあるが殺されもせず、3人とも最後は大往生をとげているから、英雄の資格に欠ける。その意味では秀吉は病死であり条件にそぐわない面もあるが、次代での悲劇が待っていた。

もちろん、これらの筋立てはいずれも江戸時代の歌舞伎や浄瑠璃作家が客うけするストーリーにしたり、あるいは明治政府を正当化するために創りあげられたものであったりで、史実とは異なる部分が多いことは言うまでもない。

坂本龍馬に至っては、一説によると梅毒に侵され、斬殺されていなくてもそんなに長くは生きられなかったともいわれている。梅毒で死んだ坂本龍馬だと大衆芸能で人気を得るはずがない。(完)

2019年01月24日

◆北方領土で衆参ダブル選挙は無理

                          杉浦 正章


プーチンに「返還」の力なく、交渉長期化へ

ロシアの経済的疲弊がポイント

さすがに怪僧ラスプーチンの国だ。ラスの字はつかないがプーチンも怪僧
並みに狡猾だ。4島返還にこだわってきた日本が「2島+アルファ」に舵
を切ったと見ると、プーチンはハードルを上げた。首相・安倍晋三はいい
ように操られている時ではない。立場の違いが際立った以上、ソ連にどさ
くさ紛れに占領された北方の小さな島々などで焦らない方がよい。またロ
シアとは親戚づきあいなどできないと肝に銘ずるべきだ。交渉の長期化は
避けられない。

安倍が、責任上あの手この手を考えるのは当然だが、25回も会談しても、
会談したことだけに意義があるのではオリンピック精神と同じだ。プーチ
ンは、安倍が「4島返還」から「2島」に変わったとみるや、歴史認識を
持ち出した。歴史認識は文在寅のおはこで、もはや文在寅退任まで韓国と
正常な対話は無理かと思いたくなるが、これに加えてプーチンまで歴史認
識だ。戦後70年もたって、周辺国が歴史認識を取り上げるのは、誠実な日
本が反省して痛がるからだ。

これでは交渉の体をなしていない。従ってまともに応じる必要はない。安
倍はプーチンと6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で再
会談するが、ロシア側が平和条約をめぐる溝を埋める動きに転換する可能
性はない。覚悟を決めて腰を据えた交渉で対応するしかない。

ロシアの基本認識は「第2次大戦の結果として北方領土がロシア領になっ
たことを認めよ」(ラブロフ外相)だ。しかし、これは認識上の誤りであ
り、受け入れることは不可能だ。

北方領土は、ずる賢いソ連が戦争直後のどさくさを絶好の機会とみて占領
したのだ。日本が1945年8月にポツダム宣言を受諾して、無防備になった
のをチャンスととらえて日ソ不可侵条約を無視して日本の領土を不法占拠
したのだ。まるでラスプーチンのように陰謀の国なのだ。

歴史認識を持ち出したことは、日本に交渉の主導権を握られないようにす
る「先手」でもある。ロシアが交渉の主導権を握るための材料なのだ。一
方で領土で譲歩すればプーチンの立場が危うくなる。

ロシア人は広大な領土を持ちながら周辺地域をなんとしてでも入手しよう
という“欲深い”民族なのである。ロシアによるクリミア・セヴァストポリ
の編入がそれだ。国際的にウクライナの領土と見なされているクリミア自
治共和国のセヴァストポリ特別市をロシア連邦の領土に加えた。1991年の
ソビエト連邦崩壊・ロシア連邦成立後、ロシアにとって本格的な領土拡大
となった。2度目の領土簒奪が北方領土だが、ウクライナと異なり日本と
いう“経済大国” が真っ向から異を唱えている。

一方で領土で譲歩すればプーチンの国内的な立場は危機的になることを、
プーチンは知りすぎるほど知っているのだ。そこに突破口を開くことを安
倍は狙わざるをえないのだ。

安倍は周辺に「大変なのは、島にロシアの自国民が住んでいることだ。
プーチンには『私が決めたことだ』と国内を抑えて、一発でやってもらわ
ないといけない」と戦略を漏らしているが、安倍もお人好しだ。わざわざ
手の内を朝日に書かれてしまっている。

たしかに唯一可能性があるとすれ ば領土でプーチンが独断で解決するシ
ナリオだが、厳しいロシア政局で反 対勢力を抑えて大統領になったプー
チンがそんなに甘いかと言えば、逆だ ろう。安倍はプーチンとの関係を
時々誇示するが、プーチンは個人的な関 係と、現実の外交とはきっぱり
と分けて考えている。

 従って安倍の訪露は、具体的な解決策を見いだせないまま終わった。領
土交渉は一筋縄ではいかない現実を露呈した。沖縄の施政権返還ですら佐
藤栄作は対米交渉で散々苦労したが、ましてや主権が伴う領土交渉であ
る。唯一進展の可能性があるのはプーチンが独断で領土問題の解決を目指
すケースだが、正直言って、プーチンはそれほど甘くはない。

プーチンは『日本の要求に簡単には応じられない。平和条約の締結が先
だ』と日ソ共同宣言に書いてある」と突っぱねている。日ソ共同宣言は、
1956年に日本とソ連がモスクワで署名し、同年12月12日に発効した。内容
は「日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日
本へ歯舞群島と色丹島を引き渡す」とある。たしかに平和条約が「先」な
のである。

 安倍はプーチンに足元を見られている気配が濃厚だ。北方領土前進で参
院選を戦おうとしていると読まれたのだ。ラブロフに至っては北方領土の
呼称にすら、異論を唱えている。

しかし、今更北方領土が返ってこないか らといって、安倍に不平を言う
日本人はいない。ことは外交能力の問題で もない。かつてのロシアの歴
史が証明しているように、国内政治が大きく つまずき、領土の切り売り
が始まるのを待つしか方途は考えられない。

したがって親戚付き合いを目指すような甘い顔は見せないことだ。もちろ
ん 2度目の会談をしても、夏の参院選挙を北方領土をテーマにすること
など は無理であり、ましてや北方領土で衆参同日選挙を行うことも、
「無条件 返還」などよほどのテーマが出ない限り困難だ。ここは成果を
急ぐ必要は ない。より一層のロシアの経済低迷が、変化を生じさせる時
を期待し、 粛々と正道を歩むべき時だ。

◆意味不明な言葉に頼る「専守防衛」

加瀬 英明


意味不明な言葉に頼る「専守防衛」 国防と防衛の違いとは

12月に、平成31年度政府予算案が発表された。

防衛費が7年続けて脹らんで、前年比で1.3%増の5兆2594億円となる
かたわら、『いずも型』ヘリコプター搭載・大型護衛艦を、空母に改装す
ることとなった。

日本が講和条約によって独立を回復してから、66年以上もたって、ようや
く旭日旗を翻した航空母艦が、最新鋭ステルスF35Bを載せて、日本の海
の守りにつく。

といっても、岩屋防衛相が「状況に応じて戦闘機を載せるから、他国への
脅威とならない」と述べ、読売新聞が「常時戦闘機を搭載せず」という大
きな見出しを組んで、報じた。

さらに、自民・公明与党が、新空母について「専守防衛の枠内で運用す
る」という、確認書を交換した。

私は頭が悪いので、艦載機を危機が迫ってから載せると、どうして専守防
衛に変わるのか、理解できない。艦載機を常時搭載しないで、訓練、運用
に支障はないのだろうか。

「専守防衛」という言葉は、英語をはじめとする外国語に訳することがで
きない、まったく意味不明な言葉だ。

英字新聞は、”defense-oriented policy”と訳しているが、「防衛を主と
した政策」であれば、どの国もそう装っている。アメリカは国防省、中
国、韓国も国防部を称している。

国家の安危と国民の生命を、このような意味不明な言葉に、依存してよい
ものだろうか。 

戦後の日本の政治家や、マスコミは、脳腫瘍を患っていて、言語障害にお
ちいっている。これでは、国を守ることができない。

11月に、私はワシントンで政権の友人たちと会食した。

なかに、国家安全会議(NSC)補佐官がいた。

「ドイツの国防費は、GDP(国内総生産)の1.15%だ。自国を守る価
値がないと思っている国を守るために、アメリカの青年たちが、血を流す
だろうか?」といった。

オバマ政権下で、北大西洋条約機構(NATO)ヨーロッパ27ヶ国は、
GDPの2%を国防にあてることを、約束した。ところが、イギリスなど
7ヶ国しか、約束を守っていない。GDP比で日本の防衛費は、ドイツ以
下だ。

政府も、私も「防衛費」といっていることに、注目してほしい。「国防」
は禁句とされている。

なぜ、国防といってはならないのか。日本の国防は米軍が行うことで、自
衛隊は米軍をわきから援けて、防衛に当たるからだ。

空母に常時艦載機を載せると、周辺諸国に脅威を与えるというが、中国、
北朝鮮、韓国を除く他のアジア諸国は、日本が空母を保有することを、双
手を挙げて歓迎しよう。「刺激してはならない」というのでは、中朝韓
3ヶ国がまるで暴力団の組事務所のようで、失礼ではないか。

日の丸を翻す空母が登場するのは、60年遅かった。もし、独立を回復した
後に、空母が出現していたら、北朝鮮によって多くの日本国民が、拉致さ
れることがなかった。

拉致被害者は、「日本国憲法」の被害者なのだ。

人体の健康と同じように、平和は守らなければならない。平和を守る努力
をしないのは、平和を大切にしないからだ。


◆中国経済GDP成長は28年ぶりの低成長

宮崎 正弘


平成31年(2019年)1月22日(火曜日)通巻第5963号   

 中国経済GDP成長は28年ぶりの低成長(6・6%)と騒いでいるが
  対米投資は60%の激減、シルクロート破産は目の前に

 米国のシンクタンクAEI(アメリカン・エンタプライズ・インスティ
チュート)の報告に拠れば、中国の対外投資が数字統計でも激減している
ことがわかった。

 2016年  2709億ドル
   17年  2798億ドル
   18年  1791億ドル

 これを裏付けるのが、海外不動産の売却、旅行客への外貨持ち出し制限
などで顕著な動きが裏付けている。
 そして上記のうちの対米投資であるが、

 2016年   541億ドル
   17年   249億ドル
   18年   106億ドル

安邦生命はNYの老舗ウォルドルフ・アストリア・ホテルやニュージャー
ジー州のトランプタワーなどを売却、海航集団はヒルトンホテルチェーン
の株式を売却、万達集団は全米の映画館チェーン売却、ハリウッド映画製
作会社買収を断念した。ほかの売却、ドル確保の事案は枚挙に暇がない。

女優のファンビンビンは脱税など不正行為がばれて、在米不動産資産の強
制売却を迫られ、いずれの動きも外貨準備払底を露骨に物語っている。 
  
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1847回】              
――「支那はそれ自身芝居國である」――河東(5)
河東碧梧桐『支那に遊びて』(大阪屋號書店 大正8年)

               ▽

河東は寧波の名刹を巡り、日本と支那の仏教の違いに気づかされた。「一
方に順次に支那化して行き、他方が順次に日本化して往つた」と考える。

たとえば「今日の支那の僧侶は(中略)、それは體のいゝ乞食に過ぎな
い」。かくて「昔の名僧知識の學問と氣概、それは支那に50年目毎にある
大洪水で東海に流れ去た」というのだ。つまり「昔の名僧知識の學問と氣
概」は「50年目毎にある大洪水」によって「東海に流れ去」り、日本の仏
教が深みを増していったという。これが河東の考えだろう。

 一帯の名刹を歩くと、そこここに倭寇による災害の跡を認めることがで
きる。「一旦金碧燦爛を出來上つた佛閣も、それが倭寇によつて灰燼に歸
した例は、前後56回に達する」。こう聞かされると、現代人は間違いなく
倭寇の「罪業」を詫びるだろう。だが河東は違っていた。頭など下げるわ
けもなく、倭寇の時代に想いを馳せ、彼らの振る舞いの雄々しさに憧れる
のであった。

「獵人の著るやうな蓑頭巾を肩まで垂れて、腰に四尺の太刀をたばさんだ
倭寇の異樣な風俗が、(名刹の)巧妙に反り返った碧瓦の甍の下に立ち塞
がつた光景を腦裏に描いて、事は不自然であるにしても、海波萬里を物と
もしない壮者の湧き立つた血の脈々と動くのを覺えなければんらないの
だ」。倭寇は「海波萬里を物ともしない壮者」だったのだ。

寧波近くの舟山列島の東の端にある小島に向かった時のことである。「埠
頭を離れて一歩島の土を踏むや否や、私の脚下には、蓆を展べて物を乞ふ
僧が坐つてをり、私の間の前には、其衣の袖をひろげて錢をねだる幾人か
の僧が立ち塞がつてゐるのを見出した」。

 また、ある名刹でのことだ。その寺の境内の石畳は「塵一本も止めない
ように掃き清められてゐた」。そこで「穿き汚した靴で、この石疊を蹈む
ことが憚り多い事にも感ぜられた。大股にのさばつてあるくのさへ氣が咎
める程だつた。自然と氣も澄み、尊い匂ひに打たれる、我ながら畫中の人
のやうな思ひをしてゐる目先きに、これは又餘りにあからさまに、餘り無
造作に、之を見のがすことの出來ない人糞一塊!更らに支那的に現實暴露
がこゝに行われてゐるのだ」。

ある名高い廟でのこと。「昔は金碧燦爛たる廣大な建物であつたのであら
うが、これも御多分に漏れないで、隨分荒れ果てたまゝ打棄てゝある。廟
内の石碑を仔細に見て回っても、やはり康熙帝時代以前の古いものは見当
たらないという「悲しむべき結果に了つた」。「支那といふ國は、どうし
てかやうに、過去を抹殺するに性急なのだらう」と訝しむ。

かつては文明を輸出した寧波の現在が、これである。それはまた「總て
が利己と唯物化してゐる現代の支那」の、偽らざる姿というものだろう。

そこで河東は考える。

「多數の支那人の生活が、未來の理想も、過去の追慕をも切り放した、
無自覺な今日主義に魅化されていることが、朽ちも腐りも錆びもしない、
固ち永久であるべきである素質の石にまで滲透してゐる」。つまり本来、
そこに残されておいてしかるべき石碑すらも見当たらないのは、やはり
「無自覺な今日主義」が背景にあるからだ。

「たゞ民衆の思想が一切の過 去を忘れた時、其の過去の思想が滅亡して
しまふやうに、一切の過去の物 質も亦た無に歸するのだ。若し尋ねるも
のゝの見當らない腹立たしさを癒 やさうとするなら、先づ今日の民衆の
思想を呪はねばならないのだ」と、 憤懣やるかたない思いを記す。

歴史や文明の長さを徒に誇りはするが、「民衆の思想が一切の過去を忘
れ」ている。
そこで「其の過去の思想が滅亡してしまふやうに、一切の過去の物質も亦
た無に歸する」。これが現実の姿であると、河東は考えた。そう、この国
には過去は存在しないのです。

◆米大統領選挙に向け最初に名乗り出た女性

櫻井よしこ


「米大統領選挙に向け最初に名乗り出た女性 ウォーレン氏の出馬表明
が映す米国の分裂」

1月3日、昨年11月の中間選挙で改選された米連邦議員らが初めて議会に招
集された。4日付の米各紙は下院に集った民主党議員団の写真を大きく掲
載したが、女性議員が多いために文句なしのカラフルさだった。若い議員
も多く、子連れ姿も少なくなかった。椅子の数に較べて議場に詰めかけた
人数の方が多く見えたのは、1年生議員たちが嬉しさの余り伴侶を連れて
登院したということだろうか。

改めて振り返ると、民主党が下院435議席中、235議席を占めて多数を取っ
た。女性議員は102人で内、89人が民主党である。選良たちの宗教も多様
化し、宣誓で用いるためにキリスト教、ヒンズー教、仏教などの教典が用
意された。国家、国民のために全力を尽くすと、神や仏に誓うのは大統領
だけではないのである。一人一人の議員も誓ってようやく正式に議員にな
れる。大事なことだと思う。

アフリカ系議員は上下両院で55人、LGBTの人たちも上下両院で10人。
米国社会はさらなる多様性の新しい時代に入ったという印象だ。

8年間の野党暮らしを経て、議長に返り咲いたナンシー・ペロシ氏(78)
は真っ赤なワンピースに身を包んでいた。民主党内からは世代交替を求め
ペロシ氏に反対する声もあったが、彼女は執念を燃やし、党内への説得工
作を続けた。8年間のブランクを経て議長に返り咲いたケースは、彼女が
初めてだ。

民主党応援団の新聞として知られる「ワシントン・ポスト」(WP)紙は
喜びを隠しきれないような報道振りだった。たとえば、最年少の下院議員
となったニューヨーク州選出、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏
に関連して次のように報じた。

「オカシオ・コルテスがペロシに一票を投じ、共和党陣営の方を向いてに
こやかな表情で『お気の毒ね(sorry)』と口パクで言ったときは、
共和党議員のうめき声が聞こえるようだった」

若くて、女性で、魅力的なオカシオ氏への入れ込み振りは、彼女を含めた
女性議員らへの、WPの熱い期待そのものだ。

そうした中、上院議員のエリザベス・ウォーレン氏(69)が2020年の大統
領選挙への出馬につながる準備委員会を設立した。大統領選挙に向けて名
乗り出た最初の人材も女性だった。まさに米国は女性の時代である。

彼女は反ウォール街のリベラル派だ。弱者の味方としての立場を強調する
ためか、自分には先住民の祖先がいると主張し、昨年秋、DNAの鑑定結
果を公表して話題を集めた。

鑑定結果は、6〜10代前に先住民の祖先がいることを示したが、彼女の地
元の新聞は彼女の血の「64〜1024分の1」が先住民の血だと冷ややかに報
じた。この血の薄さを以て、「先住民の血を受けついでいると言えるの
か」という意味合いであろうか。

彼女が約2年先に行われる大統領選挙で民主党候補に選ばれるのかなど、
現時点では全くわからない。しかし興味深いのは、彼女がいち早く名乗り
を上げたとき、「彼女はどれだけ当選の可能性があるか」という議論が起
き、それがヒラリー・クリントン氏との比較においてなされたことだ。

ヒラリーはあと一歩で史上初めての女性大統領になるところだった。選挙
資金の集金力も抜群で、得票数もトランプ氏を上回った。しかし、落選し
た。そしていま、ウォーレン氏が出馬に向けて走り出した。グラスルーツ
の庶民の味方という姿勢で億万長者を排斥するが、ヒラリー同様、資金集
めには極めて秀でると分析されている。ヒラリーに関して米国社会は熱烈
な支持者と強い拒否層とに二分された。先はまだ長いが、ウォーレン氏の
出馬表明が米国社会の深い分裂を反映しているように思えてならない。

『週刊ダイヤモンド』 2019年1月19日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1263

◆認知症には「散歩」が効果

向市 眞知


以前、住友病院神経内科先生の「認知症」の講演を聴きに行きました。その時、「こんな症状があったら要注意!」という話から始まり、下記の11の指摘がありました。

1、同じことを何度も言ったり聞いたりする
2、ものの名前が出てこない
3、置き忘れやしまい忘れが目立つ
4、時間、日付、場所の感覚が不確かになった
5、病院からもらった薬の管理ができなくなった

6、以前はあった関心や興味が失われた
7、水道の蛇口やガス栓の閉め忘れが目立つ
8、財布を盗まれたといって騒ぐ
9、複雑なテレビドラマの内容が理解できない
10、計算のまちがいが多くなった
11、ささいなことで怒りっぽくなった

「これらがいくつかあったり、半年以上続いている時は、専門病院へ行きましょう」といわれました。

私自身、同じことを言ったり、物の名前が出てこなかったり、置き忘れやささいな事で怒りっぽくなったなあと思い当たるフシがいくつもありました。専門診療の対象といわれてしまうと本当にショックです。

「認知症」というと周りの人に迷惑をかけてしまう問題行動がクローズアップして、その印象が強いのですが、新しいことが覚えられない記憶障害もそうです。また、やる気がおこらない意欲の低下もそうですし、ものごとを考える思考力や判断する力、そして手順よくし処理する実行力の低下も「認知症」の症状です。

「認知症高齢者」のかた自身の不安は、時間や場所がわからなくなったり、体験そのものを忘れていく中で暮らしているのですから、自分以外の外界のすべてが不安要因になってしまうのです。

ご本人は真剣に外界を理解しようとしているのですが、家族は「ボケ」「痴呆」ということばの印象から、「認知症だからわからないだろう、理解できないだろう」と思い込んでいる例が多くみられます。
 
診察室でなんとご本人を目の前にして「認知症高齢者」の失態を平気でドクターに訴えたり、「母さんがボケてしまって」とはばかりもなく言ってしまったりします。

その瞬間に、ご本人はその家族に対してまた不安をつのらせてしまいます。また話を向けられたドクターも、ご本人を前にしてウンウンとうなづくべきか、ほんとうは困っているのです。

うなづけば家族は安心しますが、ご本人はドクターへの信頼感をなくしてしまいます。

よく「まだらボケ」とか言いますが、「正気の時もあるからやっかいだ」と表現されるご家族もあります。しかしそれは逆で、やっかいと考えるのではなく正気の部分があるのならその正気の部分を生かして日常生活を維持するようにしむけてみませんか。
 
「認知症」があっても、くりかえし続けている一定の日常生活はできるはずです。老年期以前の過去の生活を思い出させてあげると、高齢者は自分の価値を再発見し、意欲も湧いてくるとききました。

高齢者にとって脳機能の低下だけではなく、視覚や聴覚、味覚や嗅覚などの感覚もおとろえてきていることを理解してあげてください。

すべてを「認知症」の一言でかたづけてしまわないで下さい。見えやすくする、聞こえやすくするというような場面の工夫で問題行動が小さくなることもあります。
 
「認知症だからわからないだろう」と思い込むのは大まちがいです。「言ってもしかたない」と決めつけるのは悪循環です。「認知症」の方の感じる外界への不安を考えると、情報が遮断されると余計に不安が大きくなります。

どしどし情報を与えることが不安の軽減につながります。そのために外出しましょう。

「認知症」には「散歩」の効果があります。外界の空気は聴覚、視覚、嗅覚への刺激になり、脳の活性化につながります。
                       医療ソーシャルワーカー

◆蕪村俳句は本当の世界を厳密に伝えるアート

                                シェフツォバ・ガリーナ

                                  ウクライナ・キエフ国立建設建築大学教授

日本の俳句の世界は、松尾芭蕉の現象の夢中になり,彼だけのタレントを注目するそうです.芭蕉は勿論優れた詩人だけではなく,人生の独創的な例としてとても興味深い方です.

けれども与謝蕪村のタレントは松尾芭蕉と同じぐらいのレベルだと思います.それにもかかわらず,蕪村の人生について,知識はとても少なくて,不明な点が多いです.それは勿論直さなければならないことであり,将来の研究者のための大仕事になると思います.でもただの蕪村の人生の情報だけではなくて,彼の俳句の書方,そして文学のスタイルとしてでも,いろいろ研究しないといけないと思います.

私は外国人ですけれども,蕪村の俳句の詳しい言語の特徴を分析すろのは無理だと思いますが,俳句の美しさは言語の形だけではありません.心の温かさ,意味の深さ,世界を見る特別な見方などはメインだと思います.この点は外国語に翻訳した俳句にも感じています.

この見方から芭蕉と蕪村の俳句を比べたら,明らかな違いがはっきり見えます.おざっぱにいうと,芭蕉の俳句の書方は簡単な言葉で、深い人生の哲学を伝わることができて,蕪村の俳句の場合は,本当に生きている世界の絵が見える.同じの簡単な言葉を使いながら,世界のアイコンタクトのイメージも,音や匂いまでに読者のイマジネーションに現れる.それは蕪村の優れたアートだと思います.

言葉を変えれば,蕪村はプロの画家でしたので,俳句にでも,描きと同じに,生世界を厳密に伝わることができるではないでしょうか.


at 05:00 | Comment(0) | ガリーナ

2019年01月23日

◆丸は巨人へ、長野はカープへ

     馬場伯明


「巨人の金満(大型)補強―プロ野球の今オフシーズン。ひときわ世情を
賑わせたのが、読売巨人軍の長大型補強だろう」と硬派の雑誌の「選択」
が2019.1月号の企業研究「読売新聞」で書いていた。4ページの最後の4行
では「巨人もどうやら『永久に不滅』とばかりは言っていられそうもない
情勢だ」と締めくくっている。

巨人の金満補強はベテラン選手の獲得から始まった。C・ビヤヌエバ(内
野手 26歳 年俸2.25億円 MBAパドレス)、中島宏之(内野手36歳 1.5億円
オリックス)、炭谷銀次朗(捕手31歳 1.5億円 西武)岩隈久志(投手37
歳 0.5億円 MBAマリナーズ)など。

その補強の超目玉はFA宣言したカープの丸佳裕を5年契約25.5億円で獲っ
たことだ。たとえ、丸が成績不振に終わっても天敵カープの戦力を削った
から元をとったと言うのだろうか。2019年になっても補強はまだ終わらず
一説には50億円を出動させると言われる。

補強の背景は巨人の成績不振である。過去4年間、2・2・4・3位と低迷し
ている。2019年で勝てなかったら5年連続V逸となり球団史上ワーストを記
録する。

そもそも、巨人選手の2018年俸総額はソフトバンク63.2億円に次いで2位
の46.2億円。カープ26.9億円、DeNA 26.2、中日22.3。それでも巨人が
リーグ優勝できなかったのはなぜか。ずばり、(1)監督の無能采配、
(2)フロントの節穴の目、(3)ヘタな育成であろう。

素質がある選手を育成できない。若手が芽を出そうとしても、古い選手を
他球団から拾ってくるものだから、一軍プレーのチャンスが極端に少なく
なる。結局、育つ前に放出か引退になってしまう(ただ、カープのリーグ
4連覇のためには引き続きそのように間違ってほしいな〈笑〉)。

私は60年超のカープファンである。丸の巨人へのFA移籍はショックだっ
た。「同リーグの巨人だけには行ってくれるな」「行くなら生まれ故郷の
千葉県のロッテへ」「いや、やっぱりカープに残ってくれ」と。しかし、
私の願いも空しく巨人への移籍となった。応援してきた丸を恨まず金満巨
人を恨んだ。丸の巨人移籍にがっかりして、「丸FA喪失症候群」とでもい
うような一種の「鬱状態:精神的な落ち込み」に陥っていた。

ところが、年が明けたらおめでとう!ビックリ仰天!青天の霹靂!巨人の
長野久義(ちょうのひさよし・34歳)が丸のFAの人的保証としてカープへ
移籍となった。あの巨人愛一筋だった長野である。私はこれで目が覚め
た。丸FA喪失症候群はふっ飛んだ。

フリーエージェント(FA)は単なるプロ野球の制度である。その制度の下
で終わった結果にあれこれ悩んでもしょうがない。そう、ずっと愛してき
たカープであるが、ま、たかがプロ野球であり、球団経営も商売である。
私が何かを動かをしている訳でもなく、プレーも経営も他人がやっている
のだ。丸のFA巨人移籍関連のスポーツ新聞等をばっさり断捨離!

それにしても、(原監督も含め)巨人フロントらはアホ(!)だと思う。
ドラフト指名を拒否し思い焦がれた巨人に入団し頑張り巨人愛の塊(!)
だった長野をプロテクト28人枠の外に置いたのだ。「(広島は)若い選手
が育っているから、まさかベテランを獲るとは・・」(大塚球団副代表編
成担当・20.19.1.8スポーツニッポン)。「カープは長野を指名しない」
と読んだ。浅はかな考えと言うしかない。

古い友人で巨人ファンのM君は、巨人が長野を放出したことに怒りをあら
わにし、「長野!(カープで活躍し)古巣を見返してやれ!」と私への
メールに書くありさまである。巨人は古いファンをも裏切ったのだ。それ
に、巨人の金満補強と言っても、丸以外の選手はすでに終わった選手ばか
りだと思う。おそらく大して戦力にはならないだろう。

長野はプロ野球選手として心技体ともに優れ実績も一級品の選手である。
移籍を通告されたときの彼の発言が泣かせる。「驚きました」とか「不本
意」などと愚痴を一切言わず、自分が進むべき未来を語った。

「3連覇している強い広島カープに選んでいただけたことは選手冥利に尽
きます。必要としていただけることは光栄なことで、少しでもチームの勝
利に貢献できるように精一杯頑張ります」(2019.1.8スポニチ)。
オフシーズンもカープが巨人よりも1枚上手である。球団の目標が明確で
あり判断は冷静で賢明である。つまり長期的な若手の育成は重要だから実
践している。だがそれはWANT。今のMUSTは「2019年のリーグ4連覇と日本
一」。それを見据えた長野獲得の決断なのである。

長野のカープ入団は丸を失くしたカープファンの心の穴を埋めた。今広島
の街も沸き長野の入団で盛り上がっている。「広島の知り合いの方々も
口々に『困ったことがあれば何でも助けになるから』言ってくれていま
す」と長野は言う(2018.1.11東京スポーツ)。カープの選手も次々と歓
迎の声を上げた。
鈴木誠也(24):「『まじか・・』が、率直な心境。続けて『楽しみで
す。すごくいい人で優しいのはわかっている。色んなことを聞いてみた
い』『春季キャンプではアドバイスを求める』と声をはずませる」
(2019.1.9デイリースポーツ)。

大瀬良大地(27):「『力を合わせて、リーグ4連覇と日本一を目指して
みんなで頑張りたい』と大瀬良はナインの思いを代弁した」(2019.1.9デ
イリースポーツ)」。

そして、緒方孝市監督:「長野からは7日に直接『お世話になります。よ
ろしくお願いします』と連絡を受けた。緒方監督と長野はともに佐賀県出
身で隣町同士『実家も近い』という。ともに右の外野手。『彼の野球への
取り組み方はいいイメージしかない。今年優勝に向けて、日本一に向け
て、彼の力が必要になってくる。本当に期待するところは大きい』と“が
ばい“期待を寄せる」(2019.1.9日刊スポーツ)。

2019年のカープの開幕スターティング・メンバーを予想する。1田中
(6)2菊池(4)3長野(8)4鈴木(9)5松山(3)6野間(8)8安部(5)
会澤(2)9大瀬良(1)。( )内の数字は守備位置。他の外野手は長野の
ポジションを奪取すべく競争せよ。練習あるのみである。

丸も巨人で活躍してほしい。丸の走攻守の能力には何の注文もない。私は
次の3つを助言としたい。(1)麻雀をするな(強いらしいが)。(2)
カープを忘れろ。(3)カープ投手陣の内角攻めに耐えろ。
本日の結論を述べる。
1. 丸は巨人でも立派な個人成績を上げるだろう。その他の金満補強選手
らは不本意な成績に終わると推測する。
2. 長野はカープで活躍するだろう。DeNAから入団した石井拓朗のように
チームに溶け込み球団の精神的支柱になるかもしれない。
3. カープのリーグ4連覇と日本一は大いに期待できる。

東京スポーツの堀江祥大記者は長野への餞(はなむけ)の記事をこう結ん
でいる(2019.1.9)。「天才長野が王者(カープ)の野球を吸収したと
き、どんな化学反応が起こるのか―。愛したG党の涙に見送られ、赤く染
まった広島の街にもうすぐ飛びこむ」。なかなか名調子である。

長野よ! 巨人を見返す必要はない。過去は捨てろ。カープでひたすらや
るだけだ。私は応援するぞ。(千葉市在住 2019.1.22)



◆米大統領選挙に向け最初に名乗り出た女性

櫻井よしこ


「米大統領選挙に向け最初に名乗り出た女性 ウォーレン氏の出馬表明が
映す米国の分裂」

1月3日、昨年11月の中間選挙で改選された米連邦議員らが初めて議会に招
集された。4日付の米各紙は下院に集った民主党議員団の写真を大きく掲
載したが、女性議員が多いために文句なしのカラフルさだった。若い議員
も多く、子連れ姿も少なくなかった。椅子の数に較べて議場に詰めかけた
人数の方が多く見えたのは、1年生議員たちが嬉しさの余り伴侶を連れて
登院したということだろうか。

改めて振り返ると、民主党が下院435議席中、235議席を占めて多数を取っ
た。女性議員は102人で内、89人が民主党である。選良たちの宗教も多様
化し、宣誓で用いるためにキリスト教、ヒンズー教、仏教などの教典が用
意された。国家、国民のために全力を尽くすと、神や仏に誓うのは大統領
だけではないのである。ひとり一人の議員も誓ってようやく正式に議員に
なれる。大事なことだと思う。

アフリカ系議員は上下両院で55人、LGBTの人たちも上下両院で10人。
米国社会はさらなる多様性の新しい時代に入ったという印象だ。

8年間の野党暮らしを経て、議長に返り咲いたナンシー・ペロシ氏(78)
は真っ赤なワンピースに身を包んでいた。民主党内からは世代交替を求め
ペロシ氏に反対する声もあったが、彼女は執念を燃やし、党内への説得工
作を続けた。8年間のブランクを経て議長に返り咲いたケースは、彼女が
初めてだ。

民主党応援団の新聞として知られる「ワシントン・ポスト」(WP)紙は
喜びを隠しきれないような報道振りだった。たとえば、最年少の下院議員
となったニューヨーク州選出、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏
に関連して次のように報じた。

「オカシオ・コルテスがペロシに一票を投じ、共和党陣営の方を向いてに
こやかな表情で『お気の毒ね(sorry)』と口パクで言ったときは、
共和党議員のうめき声が聞こえるようだった」

若くて、女性で、魅力的なオカシオ氏への入れ込み振りは、彼女を含めた
女性議員らへの、WPの熱い期待そのものだ。

そうした中、上院議員のエリザベス・ウォーレン氏(69)が2020年の大統
領選挙への出馬につながる準備委員会を設立した。大統領選挙に向けて名
乗り出た最初の人材も女性だった。まさに米国は女性の時代である。

彼女は反ウォール街のリベラル派だ。弱者の味方としての立場を強調する
ためか、自分には先住民の祖先がいると主張し、昨年秋、DNAの鑑定結
果を公表して話題を集めた。

鑑定結果は、6〜10代前に先住民の祖先がいることを示したが、彼女の地
元の新聞は彼女の血の「64〜1024分の1」が先住民の血だと冷ややかに報
じた。この血の薄さを以て、「先住民の血を受けついでいると言えるの
か」という意味合いであろうか。

彼女が約2年先に行われる大統領選挙で民主党候補に選ばれるのかなど、
現時点では全くわからない。しかし興味深いのは、彼女がいち早く名乗り
を上げたとき、「彼女はどれだけ当選の可能性があるか」という議論が起
き、それがヒラリー・クリントン氏との比較においてなされたことだ。

ヒラリーはあと一歩で史上初めての女性大統領になるところだった。選挙
資金の集金力も抜群で、得票数もトランプ氏を上回った。しかし、落選し
た。そしていま、ウォーレン氏が出馬に向けて走り出した。グラスルーツ
の庶民の味方という姿勢で億万長者を排斥するが、ヒラリー同様、資金集
めには極めて秀でると分析されている。ヒラリーに関して米国社会は熱烈
な支持者と強い拒否層とに二分された。先はまだ長いが、ウォーレン氏の
出馬表明が米国社会の深い分裂を反映しているように思えてならない。

『週刊ダイヤモンド』 2019年1月19日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1263