2019年02月01日

◆半導体大手「インテル」社の

宮崎 正弘


平成31年(2019年)1月30日(水曜日)通巻第5972号        

半導体大手「インテル」社の「イスラエル・シフト」は何を意味するのか?
  インテル新工場に190億ドルの大型投資、イスラエル最大級

おりしも米司法省はファーウェイを「技術盗取」の容疑で追訴を決めた。
これで孟晩舟CFOの米国移送、裁判が確定したと言える。

こうした動きに沿って、半導体最大手インテルの企業戦略に変化がでた。

1974年以来、インテルはすでに380億ドルをイスラエルに投下し、半導体
などハイテク製品の部品を製造し、供給を続けてきた。インテルの最初の
イスラエル拠点はハイファにおかれ、わずか五名の開発研究要員でスター
を切った。

その後、インテルはエルサレムならびに同市南西のキリヤットガット(砂
漠の真ん中)に主力工場を設立し、CPU、フラッシュメモリーなど最先
端部品を生産してきた。

インテルの米国における主力はアリゾナ州、ニューメキシコ州など、やは
り砂漠地帯に置かれるのも、地理的な理由は安全保障上の事由とされる。

かくしてインテルの貢献が大きく、イスラエルは軍事大国にして、軍事汎
用技術でも米ソとならぶ次世代ハイテク技術開発で優位に立ってきた。
 とくに日本とはハッカー防御技術、暗号解読そのほかでの技術協力がと
みに盛んとなった。

イスラエル財務省は発表に先立ち、「半導体大手のインテルが巨額投資を
決断した意味は大きく、予想だにしなかったことであり、イスラエルの技
術的飛躍に繋がる」と歓迎の声明。このためイスラエル財務省も財政的負
担でシェアを約束しており、40億ドルをイスラエル政府が予算化して、新
しいエンジニア養成などに費消される。

2018年春先にインテルはZTE(中興通訊)への半導体供給をストップさ
せたため、ZTEはスマホを製造できなくなって悲鳴を上げた。

ZTEはファーウェイと並んで、スマホで世界的なシェアを誇り、日本で
も廉価ゆえにZTEスマホやWIFIを使っている人が多い。

 嘗てアメリカは日米経済摩擦のときに次世代半導体技術を日本の頭越し
に韓国へ供与した。
このためサムソン、LGなどが飛躍したが、こんどはアジア諸国の猛追
に、戦略を切り替え、軍事同盟国イスラエルとの協同という流れに繋がっ
たのではないか。

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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1850回】               
 ――「支那はそれ自身芝居國である」――河東(8)
 河東碧梧桐『支那に遊びて』(大阪屋號書店 大正8年)

   ▽
 紹興で、かの王羲之の「蘭亭序」で有名な蘭亭に遊ぶ。
 修復中だったが、「總てを金ピカに誇張したがる近代の支那一流の行
き方と全く別なのも、この故跡には打つてつけだ」と好感を持つ。

 蘭亭からの帰路だった。「原といふよりも、運河が自然にひろがつた
水の中に、蓆圍ひの一軒の小屋があ」り、「其のぐるりに數へる程の人數
が傘をさしたり、簔を著たりして立ちめぐつてゐた」。

所は紹興。雨中の舞台ときたら、これはもう紹興生まれの魯迅が綴った
「社戯(村芝居)」の世界だ。河東は、自らが目にした紹興の社戯の情景
を描き出す。

「銅鑼や胡弓の音などが頓狂に、靜かにしつとりと降る雨中を顫はして
響き出した。私達の舟の中からも、舞臺に立つてゐる、きらきらする支那
芝居の衣装が見えたりした」。「見渡す限り水に滿ちた水郷の空にも小や
みのない雨が降つている。總てが物の裏を見せるやうな、冷たい、やるせ
ない、淋しい、寝入つたやうな光景の中に、思ひきつて雜音を響かせる鳴
り物と、盛んな、猛烈な、眩しい彩りを持つた芝居の衣装や顔の隈取り
が、とつてもつかないコントラストをなしてゐるのだつた」。

 「芝居ならば劇場の空氣、能ならば能舞台の空氣、馬鹿囃子なら祭禮と
いふお祭りの氣分」があり、その「空氣」「氣分」が舞台の上と客席とを
結びつける「仲介者」であるべきを、「こんな水の中に、芝居の舞臺を作
つた者の心事からしてが問題になる」と難癖をつける。

あまつさえ「當然あり得るコントラストをさへ無視してゐる支那人の氣分
は、之を大陸的といふのだらうか、或は事理を解しない盲聾者なのだらう
か」と疑問を呈する。

 だが、それは河東の誤解、あるいは思い込みというものだ。水郷で知
られる紹興だからこそ、村芝居の舞台は水の上に作られねばならない。水
上の舞台で演ぜられる芝居は、その舞台に正対して設けられていたはずの
廟に祀られた神様に奉げる酬神戯(ほうのうしばい)であり、たまたま人
間サマは神様のお相伴に与かって観劇するという仕組みなのだ。だから、
河東の考える「當然あり得るコントラスト」など最初から想定してはいな
い。「事理を解しない盲聾者」の類などではなく、芝居というものと社会
との関係が所詮は違うということなのだ。
明らかに河東は芝居を軸として回る彼らの生活文化を誤解していた。  

「油糟を積んだ夜船に、ひどく嗅覺を攪亂されて寧波に歸り著いた
夜」、「馬鹿にハイカラな新芝居」という触れ込みの芝居を観に出かけた。
だが「芝居の筋こそは新式ではあつたが」、「例の銅鑼や胡弓の囃子方は
一切出もしなければ、音も出さない、舞臺装置は、日本の小芝居其のまゝ
に持つて來たものだつた」。そこで河東は「たゞ寫實といふ以外に何の藝
術味もない」ような「無智な片輪な未成品を見せられ」たと落胆する。

だが、ここでも河東は誤解している。
彼が目にしたのは日本で新劇に接した留学生が帰国して起こした「話劇」
と呼ばれる新しい形式の芝居であり、であればこそ「例の銅鑼や胡弓の囃
子方は一切出もしなければ、音も出さない」ばかりか、「たゞ寫實といふ
以外に何の藝術味もない」のが当たり前である。勃興期の話劇であればこ
そ未完成は余りにも当然であり、それを「無智な片輪な未成品」と決めつ
けるのは酷、あるいは筋違いである。

だが、さすが河東だ。
「例の銅鑼や胡弓の囃子方」の音が耳をつんざくような伝統劇の限界と
「無智な片輪な未成品」である話劇の将来性に思い至る。伝統芝居は「我
が舊歌舞伎が單なる目先の變化に支配せられてゐるやうに、次第に時代と
相容れない錯誤に墮落してしまつた。

無智な片輪な寫實芝居が、現在に幾分の觀客を惹き得る――形式好きな支那
人は、容易に舊慣を破ることに贊成しないにも關らず――所以も亦たそこに
ある」。

◆本質を見抜けぬ人々

渡部 亮次郎


50・8対43・2。「右」と言われる産経・フジの世論調査でさえこれであ
る。「日本の政治家は核保有について議論すべきですか」と言う問いに対
し「はい」が50・8%、「いいえ」が43・2%にも達したのである。

朝日新聞や読売新聞がしたらどうなるだろう。

日本が核を持つことが良いか悪いかを論議するだけで中国が震え上がり、
北朝鮮も動揺したと言うのに、読者は43.2%もの人がその仕掛けに気づか
ない。なんと言うことだろうか。

「はい50・8%で安心」という意見もある。2006年11月7日付の「産経抄」で
ある。

< 日曜日のNHK討論番組での、自民党の二階俊博国対委員長の発言に
は仰天した。中川昭一政調会長や麻生太郎外相が提起した核論議に対し
て、「任命権者の責任を問われる事態になりかねない」と、安倍晋三首相
まで持ち出して“封殺”するかまえだ。

 ▼北朝鮮の核の脅威が現実のものとなり、海外では、日本の核武装の可
能性が取りざたされているのに、国内では論議さえ許されない。この
ギャップはどこからくるのか。比較文化論が専門だった鯖田豊之さんは、
かねて欧米諸国と日本の「平和観、戦争観のくいちがい」を指摘していた。

 ▼鯖田さんは、鎖国を例にとって説明する。徳川幕府は、イスパニア船
やポルトガル船の来航を禁止すると同時に、国内で大船の建造を禁止し
た。本来なら海軍力を増強して、これらの船に備えなければならないはず
なのに。

 ▼「相手がどうでるか考えないで、一方的宣言だけでことがかたづくと
するこのような発想は、欧米諸国にはとうていみられないのではあるまい
か」(『日本人の戦争観はなぜ「特異」なのか』主婦の友社)。なるほど
「非核三原則」は、その最たるものだ。

 ▼日本の「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の政策を、核保有
国が見習ってくれる。こんな幻想を持つ国は、確かに国際社会では、「特
異」に違いない。夕刊フジの4コマ漫画「ヘナチョコおやじ」で、作者の
しりあがり寿さんは先週、「核を論議しない」を加えて、もはや「非核4
原則」だと風刺していた。

 ▼笑い事ではないが、幸いにも、きのうの小紙に載っていた世論調査に
よれば、「政治家は議論すべきか」の問いに50・8%が「はい」答えて
いる。国民の多くは、現実的な安全保障論議を求めているのだ。平成
18(2006)年11月7日[火]>

時を同じくして『週刊新潮』の11月9日号で文芸評論家野口武彦氏は連載
「幕末バトル・ロワイヤル」の59回目で「安政内憂録14 ストレスに死
す」と題して老中阿部正弘 39歳の癌死を取り上げている。

これらを併せて読むと、現在の日本が遭遇している状態はまさに「国難」
であり、事態の真髄を理解しているものは政治家にも少なく、民主党など
は開国を装った攘夷派という複雑怪奇な存在と理解できる。

尤も、核問題に関して民主党(当時)では西村真悟氏のような「所有」を主
張するものから旧社会党の残滓まで様々であって、安全保障政策全般につ
いて統一した見解を出せないままだ。そうした状況から幹事長(当時)鳩山
氏の支離滅裂な発言で党を売り込もうとする売国行動が出るのだろう。

それにしても開国に至る過程での阿部正弘の苦悩は大変なものだった。私
の日本史履修はここまで来ないうちに高校卒業となってしまったため、こ
の時期についての理解は小説のみに依存していた。

阿部 正弘(あべ まさひろ)は江戸時代末期の大名、江戸幕府閣僚で老中
首座(総理大臣)を務めた。備後福山藩(現在の広島県福山市)7代藩主。

幕末の動乱期にあって『安政の改革』を断行した。阿部にとってはこれら
のすべてが今で言うストレスとなり、消化器系癌の進行を早めたという見
方である。

文政2(1819)年に5代藩主阿部正精の6男として江戸に生まれた。天保
7(1836)年に7代藩主に就任。翌年(1837年)に正弘は福山(広島県福山
市)へのお国入りを行った(正弘が国許へ帰ったのはこの1度のみである)。

正弘は天保14(1843)年に25歳で老中(閣僚)となり、同年、老中首座で
あった水野忠邦が天保の改革の挫折により失脚したため、老中首座とな
る。第12代将軍徳川家慶、第13代徳川家定の時代に幕政を統括する。

また、薩摩藩の島津斉彬や水戸藩の徳川斉昭など諸大名から幅広く意見を
求め、筒井政憲、戸田氏栄、川路聖謨、井上清直、水野忠徳、江川英龍、
ジョン万次郎、岩瀬忠震、ら大胆な人事登用を行った。

嘉永元(1848)年、アメリカ合衆国の東インド艦隊が相模国浦賀(神
奈川県)へ来航して通商を求めると、正弘は鎖国を理由に拒絶したが、嘉
永6(1853)年に再びマシュー・ペリー率いる東インド艦隊がアメリカ大
統領フィルモアの親書を携えて浦賀へ来航した。

同年7月には長崎にロシアのエフィム・プチャーチン艦隊も来航して通商
を求めた。 この国難を乗り切るため正弘は朝廷を始め外様大名を含む諸
大名や市井からも意見を募ったが結局有効な対策を打ち出せず時間だけが
経過していった。

こうして正弘は積極的な展望を見出せないまま、事態を穏便に纏めるかた
ちで安政元(1854)年日米和親条約を締結させることになり、約200年間
続いた鎖国政策は終わりを告げる。

ところが、安政2(1855)年、攘夷派である徳川斉昭の圧力により開国派
の老中松平乗全、松平忠優の2名を8月4日に罷免したことが、開国派で
あった井伊直弼らの怒りを買う。

孤立を恐れた正弘は同年10月、開国派の堀田正睦を老中に起用して老中首
座を譲り、両派の融和を図ることを余儀なくされた。こうした中、正弘は
江川英龍(江川太郎左衛門)、勝海舟、大久保忠寛、永井尚志、高島秋帆
らを登用して海防の強化に努め、講武所や洋楽所、長崎海軍伝習所などを
創設した。

また、西洋砲術の推進、大船建造の禁の緩和、など幕政改革(安政の改
革)に取り組んだ。しかし、安政4(1857)年正弘は老中在任のまま急死
する。享年39。

ちなみに、正弘は蘭学の導入に積極的であったが、自らは蘭方医を最後ま
で拒んだという。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2006・11・10

◆原発輸出を助け、技術を継承せよ

櫻井よしこ


日本国の土台のあちこちが液状化し始めているのではないか。危惧すべき
ことの筆頭が中央省庁の官僚の劣化である。

厚生労働省の勤労統計調査が15年間も不適切に集計されていた。同統計は
月例経済報告など政府の経済分析に関わる基幹統計で、雇用保険の失業給
付もこれを基に算定される。それが2004(平成16)年以降ごまかされてい
たというのだ。

従業員500人以上の事業所は全て調査しなければならないところを、東京
都の場合、対象事業所1400社の内、実際に調査していたのは約3分の1にと
どまる。悪質なのは、全数調査に見せかけるために、統計上の処理が自動
的に行われるようプログラミングした改変ソフトまで作成されていたこと
だ。当事者たちは不正をよく認識していたのだろう。

この悪しきごまかしは04年度の自民党小泉政権のときに始まり、民主党政
権時代も経て、現在の安倍政権で見つかったということだ。

国の政策の基礎となる統計をごまかすとは、誇り高かったはずの日本の中
央省庁は中国並になりつつあるのか。政権が代わっても、日本は官僚が優
秀だから揺るぎないと言われた時代は、過去のものだというのか。

米国では政権交代の度に公務員が入れ替わる。重要な地位にある人ほど交
代する。日本では自民党政権でも民主党政権でも官僚はほぼ代わらない。
だからこそ中央官僚は責任をより深く自覚しなければならない。彼らが国
家国民に対する責任を果たそうとせず、隠蔽やごまかしに走れば、日本の
未来は確実に蝕まれる。

官僚の無責任と政治家の無責任が重なり合えば、事態は絶望的だ。いまそ
のような危機が生じているのがエネルギー政策、電力政策である。

気概無き政治家

産業基盤も民生の安定も、電力の安定的供給に大きく依存する。電力の安
定供給が断たれたとき、たとえば昨年9月、北海道地震で何が起きたか。
全道が電力停止(ブラックアウト)に陥り、畜産農家の乳牛の3分の1が死
ぬなど、損害を蒙った。当時の、泊原子力発電所が稼働していれば全道ブ
ラックアウトなど起きなかっただろう。だが、泊原発を再稼働させよとい
う声は出てこなかった。

なぜか。まず政治家は、票にならないどころか、落選の要素にさえなりか
ねない原発問題で発言などしないからだ。気概無き政治家の下では、資源
エネルギー庁や経済産業省の官僚も身の安全を優先し、発言しない。原発
反対の日本のメディアの多くは泊原発が存在することさえ報道したくない
ようで、実質無視した。

現在、日本の原発は、原子力規制委員会の不条理な規則によって、動けな
い状況下に置かれている。国のエネルギー計画にも原発についての明確な
方針は盛り込まれず、再稼働は進まず、新設は計画さえされない。

これでは、日本の原発技術者は働く場所を失う。技術の継承が止まり、原
子力産業は基盤を失う。わが国はエネルギー供給の安定性を失い、産業基
盤は崩壊する。停電が度重なり民生は不安定化し、世界の潮流とは真逆に
CO2を大量に排出し続ける。

それでも政府は問題の本質に向き合おうとせず、ごまかしの一手を打っ
た。高速増殖炉「もんじゅ」の件である。政府は16年12月、もんじゅの廃
炉を決定し、フランスの次世代高速炉「アストリッド」の開発に協力する
ことで技術継承を可能にすると説明した。

東京大学大学院教授の岡本孝司氏は、そもそももんじゅとアストリッドで
は目的やシステムが異なると、指摘する。もんじゅは発電しながらプルト
ニウム燃料を生産するが、アストリッドは発電ではなく高レベルの放射性
廃棄物処理のための設備だ。

アストリッドで日本の高速増殖炉技術を継承すると強弁したのは、日本の
技術断絶への懸念や、そのことへの批判を封じるためだったのであろう。
その証拠に、18年11月、フランス政府がアストリッド計画の凍結を伝えて
きたとき、エネ庁も経産省も後継炉をどうするのかについて説明さえしな
かった。高速増殖炉の技術を、日本はこのまま放棄するのか。

国内で原発技術を継承できなければ海外にプラント輸出して、輸出先で日
本人技術者を温存すればよいとも、政府は説明する。しかし、その道もい
ま、閉ざされつつある。

今月17日、日立製作所が、イギリスのアングルシー島で進めていた2基の
原発新設計画を凍結する方針を発表した。総事業費約3兆円のうち、2兆円
を英国側が負担し、残りは日立と日本の電力会社、英国企業の三者が出資
して補う計画だった。それが今回、日本で資金が集まらず、断念せざるを
得ないという。

原発建設のコスト

日本の原発輸出はおよそ悉(ことごと)く挫折している。三菱重工のベトナ
ム及びトルコへの原発輸出も厳しく、日立のアラブ首長国連邦(UAE)
への輸出は韓国に奪われ、リトアニアへの輸出も凍結された。これ以上、
後退する余裕は日本にはない。ここで政府が後押しするべきだ。

日本政府が動かないのは、政府もメディアも、従って世論も、海外におけ
る原発建設のコストについて誤解しているからではないか。東京工業大学
特任教授の奈良林直氏が説明する。

「日本では原発1基の建設費は数千億円、それが生み出す電力は数兆円
で、メーカーのリスクは低いのです。一方、海外では原発建設費とその後
の数十年の設備維持費、人件費を含む費用の合計、つまり総事業費の交渉
となります。ここをごちゃまぜにして数兆円に膨らんだなどとメディアが
報道し、結果、政府も企業も尻込みし、世論も反対に傾くのです。建設費
と総事業費を峻別することが大事です。そのうえで総事業費は政府が債務
保証しなくては輸出は進みません。UAEで日本が韓国に敗れたのは、韓
国政府が債務保証をしてわが国政府はしなかったからです」

政府の後押しなしには海外での競争には勝てないのである。

いまわが国は膨大なお金を太陽光発電に費やしている。総発電量のわずか
5%しか供給できていない太陽光発電に、今年度私たちは電力料金に上乗
せして3.1兆円を支払う。固定価格買い取り制度の下、太陽光発電はまだ
増えるため、太陽光電力には2050年度までの総額で90兆円を支払うと予想
されている。こんな膨大な額を、国際標準よりはるかに高い太陽光電力に
払うことは合理的なのか。

日立の原発輸出に必要なのはわずか9000億円だった。原発輸出を国益の視
点でとらえ、政府は支援に踏みきるべきであろう。

世界原子力協会は、50年までに世界には1000基の原発が稼働し、うち200
基が中国だと予想する。世界は脱化石燃料で原発に移行しているのだ。日
本は全力でわが国の原子力産業の崩壊を防ぐべきだ。

『週刊新潮』 2019年1月31日号 日本ルネッサンス 第837回

◆日本語をなぜ“片仮名文字”にする

渡邊 好造


わが国には漢字という折角の表意文字があるのに、いつのまにか聞いたこともない英語、仏語などをもとにした片仮名文字に変えてしまう。

それで、意味不明にしたり、都合のよい解釈をする。いかにも目新しく、恰好よく見せかけているだけではないか。ちょっと拾ってみるだけでも腹がたつ。

 [片仮名文字=日本語なら⇒本当の裏の意味]

1)カジノ=博打場、とばく場⇒堂々とてら銭をとる公共の超法規的賭場施設。もうすぐ日本にも。
2) シェフ=優秀調理士⇒板前、板長、料理人、包丁頭なら目の前で調理してくれる。シェフは命令するだけ。
3)タレント=芸人⇒ただのお笑い芸人なのになんでも完全にこなす能力がありそうで、照れず厚かましい。
4)コンシェルジェ=ホテルの接客責任者⇒客がどんな悪辣なことを言ったり、したりしても我慢できる接客係。
5)ファイナンス=金貸し⇒利息も安く、簡単に貸してくれ、取立ても厳しくない善意の金融業者。

6)コンプライアンス=規定・法律を遵守した行動⇒規定・法律の抜け道をどこに見つけるかが秘訣。
7) マニフェスト=公約⇒公に約束はするが、後で訂正自由。最近の貼り薬”膏薬”は剥れないのに。
8)アジェンダ=政策課題⇒期限がなく実行希望の政策。後で間違いなく"唖然とする"。
9)タトウ-=刺青⇒やくざのいれる全身のモンモンとは違い、体の一部に化粧するような軽い感覚。
10)エッセイ=随筆⇒タレントが「エッセイ書きました」は、起承転結のない日記、手紙、メモなどの駄文が多い。

11)コラボレ-シヨン=協同競演作業⇒過去の栄光をひきずる者同士の再生 競演策。
12)レシピ=調理法⇒美味そうに感じさせる秘密の調理法。美味くない時の表現”この味は玄人好みですね”
13)パフォ-マンス=表現、才能、処理能力⇒派手な言動、ごまかし、でたらめ演技。
14)リベンジ=雪辱する⇒仇討ち、復讐、返り討ち、闇討ち、暗殺。
15)ホ-ムレス=住む家のない哀れな人⇒道路や公園を不法に占拠する同情の余地のない浮浪者、乞食。

16)バッシング=たたく、攻撃⇒高収入、好待遇に見合う行動、成果をあげないとやっかみで眼の敵にされる。
17)パテシエ=製菓技術者⇒砂糖とクリ-ムをたっぷり使い、高血圧や糖尿病を忘れさせてくれる菓子職人。
18)ボランテイア=時間と能力の無償提供奉仕⇒作業量に見合った経費のいらない、善意に期待した労働。
19)アドバイサ-=助言者⇒野球賭博や脱税など楽して儲かることを教えてくれる人。
20)バックパッカ-=リュックサックを背負う旅人⇒金のない貧乏のふりをして、安上がりの旅行をする人。

21)リーズナブル=価格が手ごろなさま⇒品質が良く、より安いのを手ごろというが、、。つい騙されやすい価格。
22)キャンペーン=企業・団体の目的をもった宣伝活動⇒消費者のためとみせかけて、自社の販売拡大が狙い。
23)アウトソ-シング=外部発注⇒下請け会社に無理やり安く発注し、資金が少なくてすむ経営方法。
24)アシスタント=助手⇒安い給料で便利にこき使える我慢強い見習い人で、「今にみておれ」と歯噛みしている。
25)エコカ-=燃料節約車⇒燃費が安いといわれる高級車で、税金で補填してくれるのでよく売れる車。

26)コメンテ-タ-=解説者⇒聞かれたことの3倍以上にしゃべりまくることの出来る人。「、、そうすね」は失格。
27)カリスマ=教祖⇒一見すると能力ある風で、他人と違うことをする目立ちたがりの超変人。
28)コンテンツ=内容物、中味⇒内容のない、中味のないものでもなんとなく見たくさせる。
29)セレブリテイ=話題の人 、有名人⇒親の莫大な遺産を相続しただけで、実力があるとは限らない。
30)モラトリアム=(融資金返済)一時停止⇒単なる一時停止なのに、「もう取らぬ」と全額返済不要と錯覚させる。

ハングル文字に統一した韓国では、漢字の自分の名前が読めない人が現れたという。中国の物まね商品、商標権侵害を非難したら「日本は漢字を盗んだ」と開き直った。その大事な漢字を略字にしてしまう中国は変な国だ。

片仮名文字はこれからも増え続ける。以上、日本語で”ボヤキ”。(完 再掲)