2019年07月31日

◆マラー検察官の国会喚問は大失敗

Andy Chang
 

米国でマラー検察官が22カ月の調査の後で発表したトランプ大統領の
ロシア癒着疑惑の調査では、報告書の第一部でトランプのロシア癒着
の証拠はなかったと結論した。

だが報告書の第2部ではトランプが調査を妨害した疑惑調査では罪の
証拠はなかったが、トランプの名誉を回復(Exonerate)するに至って
いないと結論付けた。マラー検察官は調査結果は全て報告書に書いたから
付け加えることはないと述べたが、マラー検察官は「トランプ有罪の証拠
はなかったけれど、国会が大統領を罷免する権利がある」と付け加えたの
である。

この発言のため民主党優勢の国会はマラー検察官を国会に召喚してト
ランプを罷免するための新証拠を探すとした。共和党側はロシア疑惑
とはヒラリーが選挙違法ででっち上げたものでトランプは冤罪で、冤
罪をでっち上げたFBI/DOJを調査すべきだと主張している。国会喚問
の二つの委員会、司法委員会はトランプが選挙で違法行為があったか
について調査し、情報委員会はロシアの選挙介入についてトランプが
関連した疑惑とトランプがマラーの調査を妨害したかを調査する。

7月24日にマラー検察官は国会の司法委員会と情報委員会の喚問に応
じて、二つの委員会でそれぞれ3時間の質問に答えた。国会喚問の結
論は両党側の議員とメディアが認めたように民主党にとって大失敗
(Disaster)、または不発弾(Dud)だった。もう一つの結果は後述
するようにマラー氏の検察官としての信用がガタ落ちしたことである。

民主党側がトランプ不利な言質を得ようとした度重なる質問に対し、
マラー検察官は二十数回も「報告書に書いている通り」と答え、新たな
証拠はなかった。民主党側の議員がトランプに不利な意見を述べても
マラー検察官は「同意できない」と答えるか、「私の調査に関係ない」
と答えた。民主党側の得た唯一の結果はトランプとロシアの癒着の証
拠はなかったと述べたことである。

トランプの調査妨害についてマラー検察官は「名誉回復(Exonerate)
と結論しなかった」と報告書にあったことを再確認した。民主党側は
名誉が回復できないとは「罪の疑惑が残っている」と主張しているが、
共和党議員は「検察官の任務は有罪証拠を調査することである、証拠
がなければ無罪、名誉回復は検察権の任務ではない」と反論した。更
に共和党議員は、「検察官の任務である有罪証拠がないと結論としたの
にトランプの名誉を回復しなかった」とし、司法部に名誉回復の責任
を取らせるようにしたと譴責した。

トランプとロシアの癒着(Collusion)調査について、マラー検察官は
「癒着」は法律用語ではないとしたが、共和党議員はマラー検察官が
癒着(Collusion)とはトランプがロシアと結合した陰謀(Conspiracy)
のことと報告書に書いてあることを指摘し、陰謀の調査でトランプが
ロシアと共謀した証拠はなかったと書いてあると指摘した。つまり癒
着(ロシアとトランプが共謀した)証拠がなかったなら名誉を回復す
べきなのにトランプの名誉を回復をする責任を司法部になすり付ける
べきではないと譴責した。マラー氏は共和党議員の何回もの譴責にす
べて沈黙を守り返答しなかった。

共和党側はマラー検察官がなぜFBIの高級官僚、Andrew Weissmannや
Peter Stzrokなど、反トランプ陰謀の仲間の人たちを使って調査した
明白な違法行為を追及した。更にこの調査はスティール文書と言う偽
の証拠を元にFBIがFISA(防諜スパイの調査申請)始めたことを追及し
したがマラー検察官はスティール文書、ヒラリー、FISAの違法性など
については一切答えることはしないと断って共和党の追求を避けた。
そして更にマラー検察官は「私は仕事ができる人を起用しただけで、
反トランプの人物を選んで雇用したのではない」と答えた。

これを更に追及されたマラー検察官は呆れたことにAndrew Weissmann
がヒラリーの当選パーティに参加したことやPeter StzrokとSteeleの関
係をみんな知らなかったと述べ、スティール文書がヒラリーの金で
Fusion GPS会社がスティールを雇って作成したことなど、みんな知らな
いと答えたのである。

彼の起用した調査員の政治動向や反トランプの中心であるガセネタの
ことなど一切知らないと答えたのは衝撃的である。これでマラー検察官
が調査に不適任で部下に任せっきりだったことが暴露されたのである。

マラー検察官は数多の質問に答えることが出来なかった。6時間にわ
たる質問で報告書の内容も詳しくないことがわかり、議員の質問に対
して報告書のどのページかと聞き返し、議員に指摘されて報告書の該
当箇所を読んだあとで「ここに書いた通りです」と答えたことが20
数回にも及んだので、恐らくこの調査報告は部下のワイスマンが書い
たのだろうと言うことが判明した。つまりマラー氏は不適任でしかも
調査を部下に任せていたことがわかった。ワイスマンは反トランプの
首魁だから報告書の信憑性、正当性が疑問視されることになった。

この国会喚問は民主党のロシヤ癒着の調査と共和党のトランプ冤罪を
でっち上げた証拠を探すためだったので、民主党と共和党の双方から
いろいろな質問があり、双方にとって有利、不利な結果があったので、
注意しなければ「群盲象を撫でる」報道となってしまう。特に翌朝の
「テレ朝」の報道は、「トランプ氏は大統領の任期を終えたら追訴でき
る」と述べていた。これではまるでトランプは有罪だが在職中は起訴
できないが、退職すればすぐ追訴され有罪判決を受けるように思われ
てしまう。

実際に起きたことは当日朝の聴聞会でTed Lieu議員(民主党)が大統
領を退職後に追訴出来るかと訊ね、マラー検察官が「法律は全ての人
に公平だから退職後は追訴できる」と答えたことである。しかしこの
あとマラー検察官は午後の聴聞会で「この答は不完全である。誰でも
追訴する権利はあるが、本調査でトランプ大統領の有罪証拠はなかっ
た」と追加説明した。

トランプ大統領の追訴について民主党議員は「法律上の時効」は5年
だがトランプ氏が2020年に再選を果たせば退職は8年後で、時効にな
るだろう(ロシア癒着は2016年)と言った議論がなされた。マラー検
察官の追加説明でトランプの有罪証拠はなかったと言明したので時効
論は意味がない。

国会喚問の翌日、民主党側はトランプ有罪の追加証拠はなかったが、
トランプ罷免の努力は継続すると発表、これに対しペロシ国会議長
(民主党)は証拠がなければ罷免はできない、たとえ下院が罷免案を
通しても上院で否決されると述べた。

共和党議員の大多数は、トランプのロシア癒着は冤罪であることが
わかった。今後はトランプの冤罪をでっち上げた真犯人の調査をす
べき、William Bar司法長官の「冤罪調査の調査」に期待すると述べた。


at 11:47 | Comment(0) | Andy Chang

◆「わが祖国」スメタナ

渡部 亮次郎


元気の出ない時に聞く曲はスメタナの「我が祖国」だ。ポロン、ポロンと
珍しくハープの演奏から始まる交響詩組曲である。私のクラシック教室に
は先生がいないから、ここ20年ぐらい、手に入るだけのCDをやたら聴いて
好きな曲を探す。スメタナはそうした1人である。

ベドルジハ・スメタナSmetana,Bedrich (1824〜1884)はチェコの作曲
家。幼いころから音楽への才能を示し,ピアノと作曲を学ぶ。1848年フラ
ンスの2月革命がチェコにも及び,プラハで急進派が蜂起したときそれに
参加,革命軍のための行進曲や《自由の歌》を書いた。

革命が鎮圧された後は,リストの援助を得てプラハに音楽学校を開設。56
年から5年間はスウェーデンのイェーテボリ市の音楽協会〈ハーモニー協
会〉の指揮者を務めた。

61年帰国ののちは,再び大きな盛上がりをみせていたチェコの民族運動の
音楽的スポークスマンとして大活躍を始め,チェコ人のための国民劇場完
成までの仮劇場のために,《チェコのブランデンブルク人》(1863)や《ダリ
ボル》(1867)のようなナショナリズムを鼓吹した愛国的なオペラを作曲した。

また,理想化されたチェコの農村の姿をミュージカル・コメディ風に描い
た《売られた花嫁》(1866。1870改訂)の大成功によって,歌劇場の首席指揮
者の地位も手中に収めた。

しかし74年,50歳のときに聴覚を失い,晩年はチェコ北部のヤブケニツェ
村に隠とんし,肉体的・精神的状態の悪化と戦いながら作曲に専念。祖国
の風物と民族を賛美した6曲から成る交響詩組曲《わが祖国》(1879。

その第2曲《モルダウ》はとくに親しまれている)や自叙伝的な2つの弦楽四
重奏曲,《第1番わが生涯より》(1876)と《第2番ニ短調》(1883)を完成したの
ち,プラハの精神病院で狂死した。

作品にはなお合唱曲と歌曲,多数のピアノ曲などもあるが,〈ボヘミア楽
派〉といわれるチェコの国民楽派の創始者であり,ロシアのムソルグス
キーやフランスのベルリオーズと並んで,音楽におけるリアリズムのあり
方を後世に示した先駆者の一1人でもあった。 佐川 吉男

参考:世界大百科事典(C)株式会社日立システムアンドサービスより。


またhttp://www.kk.iij4u.or.jp/~takuya/vltava.htm  に拠ると、

スメタナは同じチェコ出身で後輩格であるドヴォルジャークと共に、土地
に根ざした作風を持つ、いわゆる「チェコ国民楽派」として有名な作曲家
である。

ヨーロッパ各地で研鑚を積みつつも、やはり自らが生まれ育ったチェコの
ことが忘れられず、帰国後「ヴィシュフラド(高い城)」「モルダウ」
「シャールカ」「ボヘミアの森と草原にて」「ターボル」「ブラニーク」
という一連の交響詩を次々と世に出し、祖国への熱い思いを託した。

この6曲は1882年11月、この順番で連作交響詩「我が祖国」としてプラハ
にて初演され、大好評を博した。

以来この曲はチェコ国民の愛国心を象徴する傑作として、現在チェコで毎
年行われている「プラハの春音楽祭」の初日は決まってチェコ・フィル
ハーモニーにより「我が祖国」全曲が演奏される等、スメタナの生涯をか
けた愛国心はたくさんのチェコ国民に受け継がれているという。

この「モルダウ」はその連作交響詩の2曲目で、しばしば単独でも演奏さ
れる。幸いなことに作曲者自身により、ここは何を描写しているのか具体
的な注釈が残っており、曲を初めて聴く人でも容易にその場面を想像できる。

以下その必見ポイント(?)を順を追って記す。

○「モルダウの最初の源流」
水源地はチェコ西部の山の奥深くである。2本のフルートにより雪が溶け
てやがて流れとなる様子が表されている。繊細なハープのハーモニクスと
ヴァイオリンのピチカートは、あちこちで陽の光に当たってきらめく水の
しずくである。

○「モルダウの第2の源流」
さきの源流(フルート)にやや温度差のある別の流れ(クラリネット)が
合流し、少しだけ水に温かさが加わる。こうして徐々に楽器の数が増え、
水が集まり、河の流れが出来上がってくる。ここでオーボエを伴った弦楽
器により、最も有名なモルダウ河の主題が提示される。

○「森〜狩り」
流れは森の中に入り、ホルンのシグナルとともに馬に乗った勇壮な狩人が
横切る。角笛の音が森のあちこちにこだまする。牧場のカウベルも時折聞
こえ、弦楽器による河の流れは絶え間なく続く。

○「村の婚礼」
拍子は6/8拍子から2/4拍子に変わり、森を抜けると少し視界が開け、村の
集落が見えて来る。今日は村の若者の結婚式。教会から出てきた若い2人
を、村人たちの陽気なフォークダンスが迎え、祝福するヨーデルの歌声が
響く。

○「月の光〜水の精の踊り」
結婚式の夜も更け、あたりは静けさを取り戻す。ファゴットとオーボエの
先導により水の精が登場し、フルートとクラリネットが冒頭と同じような
無窮動を繰り返しつつ楽しげに浮遊する。弦楽器群によりまた水量が徐々
に増え、さきのモルダウ河の主題が再現される。

○「聖ヨハネの急流」
突如として傾斜が急になり、水の勢いが速くなる。岩にぶつかり、激しい
水しぶきを上げる様子がリアルに描写されている。

○「モルダウの力強い流れ」
曲はホ短調からホ長調に転調し、モルダウ河はプラハ市内に入る。オーケ
ストラ全体によりこの「モルダウ河のテーマ」が賛歌として力強く歌われる。

○「ヴィシュフラド(高い城)の主題」
かくてプラハ市内にある歴史的な古城、ヴィシュフラド(高い城)に挨拶
する。ここは前作である交響詩「ヴィシュフラド(高い城)」(「我が祖
国」第1曲)のテーマが回帰する瞬間でもあり、本来ならば全曲を連続演
奏した時に効果が得られるように作られており、プラハ市内を抜けてなお
果てしなく続く流れを見送りつつ、フェードアウトされて曲は締めくくら
れている。

この「モルダウ」の作曲に着手した頃、スメタナは耳の病が悪化し、あの
ベートーヴェンと同様に聴覚を失ってしまった。したがってこの「モルダ
ウ」以降、スメタナ自身は自分の作品を音として聴いていない。

スメタナは1884年に世を去り、自らの作品で歌い上げたモルダウ河とヴィ
シュフラドのすぐ近くの墓地に静かに眠っている。と書かれているが狂死
とはあまりに可哀想だ。2007・06・08

◆フンセン、中国と海軍基地建設で

宮崎 正弘


令和元年(2019)7月23日(火曜日)通巻第6152号 <前日発行>

 フンセン、中国と海軍基地建設で秘密協定に署名か
   30」年担保、99年リース、コッコン空港は2020年に完成

偵察衛星によってカンボジアのタイ湾に面するコッコンの郊外に3600メー
トルの滑走路がほぼ完成していることが判明した。大型ジェット機ばかり
か、この長さがあれば軍用の大型輸送機が発着できる。

かねて情報を掴んでいた米国は昨秋、ペンス副大統領がフンセン首相に書
簡を送り、中国の海軍基地使用を認めるのではないかと打診し、2019年1
月には米国防総省が、カンボジア国防相に問い合わせをしている。

フンセン首相も、カンボジア国防相も「そんなことはあり得ない。フェイ
ク情報だ」と頭から否定してきた。

コッコン開発はタイ国境に近いことからリゾート観光、ゴルフコースなど
を建設し、一帯を「一帯一路」の一環プロジェクトとして、中国は38億ド
ルの投資を表明した地域である。

しかし疑惑は深まり、ウォールストリートジャーナルは7月21日付けで、
「密約の機密文書にフンセンが署名した」と報じた。具体的にはコッコン
を30年の担保、99年のリースとしたことが判明したと報道した。

 この遣り方は、同様な契約を迫られて拒否したタンザニア大統領が、メ
ディアに暴露してことで、世界的に中国が同様なオファーをしている事実
も浮かんだ。
                

◆脅威に囲まれる日本、いま安保を考えよ

櫻井よしこ


7月1日、経済産業省が「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」
を発表した。韓国向けのフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の輸出
審査の厳格化が内容だ。

これらの戦略物資は、これまで韓国をホワイト国、即ち、貿易管理の体制
が整った信頼できる国であると見做して3年間申請不要で許可していた。
だが後述するように韓国はもはや信頼できる貿易相手ではないと判明し、
7月4日以降、輸出案件毎に出荷先、量などを日本政府に申請し、審査を受
けさせることになった。

「朝日新聞」は同措置を安倍晋三首相による韓国への感情的報復措置とみ
て「報復を即時撤回せよ」と社説で主張したが、的外れだ。そもそも今回
の措置は、「禁輸」ではない。これまでの優遇措置を改めて普通の措置に
戻すだけである。たとえばEUは韓国をホワイト国に指定しておらず、普
通の国として扱っている。日本もEU同様、普通待遇で韓国と貿易すると
いうだけのことだ。

安倍総理は地域の安定を損なう通常兵器や関連技術の移転防止をうたう
ワッセナー協約に日本も入っていることを踏まえ、こう語っている。

「今回の措置は安全保障上の貿易管理をそれぞれの国が果たしていくとい
う義務です。相手国が約束を守らないなかでは優遇措置は取れないのであ
り、当然の判断です。WTO違反ではまったくない」

国連安保理・北朝鮮制裁委員会専門家パネルの元委員、古川勝久氏が
FNNPRIMEで指摘した。

「2015年から19年3月の間に韓国国内で摘発されたのは計156件でした。そ
のうち、実に102件が大量破壊兵器(WMD)関連事件でした」

氏が示した具体例の中には、核弾頭や遠心分離機のパーツ等の製造にも使
用されうる高性能の精密工作機械などがあった。「核兵器製造・開発・使
用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制」(NSG)の規制対象と
なる工作機械類の不正輸出事件も多数摘発されていた。核燃料棒の被覆材
として用いられるジルコニウム(14億6600万円相当)も中国に不正輸出さ
れていた。

北朝鮮のために

不正輸出事件は2015年の14件から、17年及び18年の各々40件超へ、さらに
19年は3月までのわずか3か月間に30件以上へと、文在寅大統領の下で急増
した。日本政府は韓国政府に協議を呼びかけてきたが、「過去3年以上、
韓国政府との意思疎通は困難であった」と官房副長官の西村康稔氏が述べ
たように、文政権は話し合いに応じていない。

ここで私は、文大統領の秘書室長(官房長官)だった任鍾?(イム・ジョ
ンソク)氏の奇妙な外国訪問を思い出す。17年12月、氏は4日間の日程で
アラブ首長国連邦(UAE)とレバノンを訪れた。当時両国には韓国部隊
が派遣されており、任氏は大統領特使として部隊激励のために中東を訪問
したという。だが大統領秘書室長の外国訪問は極めて異例である。任氏は
文氏の親北朝鮮政策の主導者であり、親北朝鮮のUAEやレバノンで、北
朝鮮の重要人物と接触か、などと取り沙汰されたが、結局、何もわからな
い怪しい訪問だった。

それから間もない18年1月1日、金正恩朝鮮労働党委員長が新年の挨拶で
「平昌五輪に代表団を派遣する用意がある」と発表した。朝鮮半島情勢激
変の始まりだった。このときまでに、韓国は国際社会による制裁破りも含
めて、北朝鮮のためにあらゆる障害を取り除くと、誓約でもしたのではな
いかと疑うものだ。

現在までに文在寅政権は、韓国軍から北朝鮮に対峙する力を殆んどすべて
奪い去った。対北防諜部隊は事実上解体され、韓国は北朝鮮の工作に対し
て完全に無防備だ。

韓国軍の武器装備体系にはイージス艦や潜水艦が含まれるが、海軍力が殆
んどない北朝鮮に対する備えとしては不必要なものだ。韓国保有の「玄武
2号」、射程300キロの弾道ミサイルは射程を更に長くしようと試みたが、
日本への脅威となるとして米国が止めさせた経緯がある。これらの武器装
備は日本を仮想敵国と位置づければおよそ全て納得できる。文政権が韓国
にとっての敵は日本だと見ていると、少なからぬ専門家が考えるゆえんで
ある。

韓国が北朝鮮にさらに宥和的になって、連邦政府などの形で統一に向か
い、大韓民国が北朝鮮に吸収されるとき、60万の韓国軍は日本への敵対勢
力となる。北朝鮮が核を諦めなければ統一朝鮮は核保有国となる。彼らは
前述のように多数の弾道ミサイルを有し日本攻撃も可能である。対する日
本には核は無論ない。弾道ミサイルもない。どのようにしてわが国を守る
のか、心許ない状況の日本に対して、トランプ米大統領の重大発言がなさ
れた。

米国に頼れない状況

6月24日、ブルームバーグ通信がトランプ氏の「日米安全保障条約は不平
等」「米国は日本防衛の義務を負うが、日本にはその必要がない」「日米
安保条約を破棄する可能性」もあるとの発言を報じた。26日にはトランプ
氏自身が「フォックスビジネス」の電話取材に応じて、「日本が攻撃され
れば、我々は第三次世界大戦を戦う。日本を守り、命と、大事なものを犠
牲にして戦う。しかし、我々が攻撃されても、日本は我々を助ける必要が
ない」と語った。大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議後の記者会見で
日米安保条約破棄の可能性を問われ、「全くない、ただ、日米安保は不平
等だ」とも言った。

現実を見れば、安保条約の破棄は見通せる近未来、日米双方の国益上考え
られない。それでもトランプ氏の一連の発言は「本音」であろう。

トランプ氏は、米軍が差し出すのは命だが、日本側は結局、金でしかな
い。「命と金」の引き替えは不平等だと言っているのだ。それに日本は応
えなくてはならない。

さらにもうひとつの問題が生じた。安倍総理がイランを訪問した6月13
日、ホルムズ海峡で日本の石油タンカーが攻撃を受けた。

7月10日には英国の石油タンカーがイラン革命防衛隊の武装船3隻に拿捕さ
れそうになった。英海軍の護衛艦「モントローズ」がイラン船に砲を向け
て警告し、イラン船は退散した。その後、英海軍は新たに駆逐艦「ダンカ
ン」を中東に派遣した。

この間イラン側は一貫して如何なる関与も否定しているが、9日、米国か
ら「有志連合」結成の提案がなされた。その主旨は、各国のタンカーの安
全は各国が守り、米軍は全体の調整をするということだ。

朝鮮半島、ホルムズ海峡、ペルシャ湾、すべてにおいて自国を自力で守ら
なければならない体制に、世界はむかっている。米国との緊密な関係だけ
に頼れない状況が生まれている。如何にして日本を守るのか。それをこの
選挙で問うべきであろう。

『週刊新潮』 2019年7月25日号 日本ルネッサンス 第861回

◆介護保険の知識―福祉用具

大阪厚生年金病院 看護師

介護保険を使って手に入れることのできる福祉用具についてお話をします。

約4,400種類の福祉用具の中から、自分に合う機種を選べることになっています。在宅生活の自立を支援するためや、介護力の軽減のために使われるもので、よくみかけるものでは、車イスや歩行器があります。

また、脳梗塞で半身マヒの残った患者さんが退院される場合には、三種の神器ではありませんが、電動ギャッジベッドとポータブルトイレ、車イスの三種をセットで準備することが多いものです。

また、整形外科で股・膝関節の手術をうけられた患者さん方には、入浴時のシャワーイスや、風呂場の手すりの準備が必要となります。

介護保険の福祉用具には、貸与(レンタル)で利用するものと、購入して利用するものの2つのタイプに分かれます。

腰掛便座(ポータブルトイレ)や特殊尿器、入浴補助用具などは直接肌に触れるものですから貸与(レンタル)にはなじみません。これらは自分専用のものを購入することになります。

たとえばお風呂で使うシャワーイスの値段は15,000円くらいしますが、介護保険ではその1割の1,500円の負担で手に入れることができます。

ポータブルトイレも1万円前後のものから家具調のもので5万円くらいするものまでありますが、その1割の1,000円〜5,000円で購入できます。

介護保険では4月から翌年の3月までの1年間に合計10万円までの福祉用具が購入できます。

福祉用具貸与(レンタル)で利用できるものは、車イス、電動車イス、特殊寝台(電動ギャッジベッド)、床ずれ予防用具(エアマット)、歩行器、歩行補助杖、手すり、スロープなどです。

たとえば車イスが500円、電動ベッドが1200円、電動車イスが2,000円、エアマットが600円程度の月額料金でレンタルができます。これらは介護度にもとづく利用限度額内でレンタルすることになります。
 
他人が使用したものを使いたくないとダダをこねる方もおられますが、レンタル終了時にはきちんと法に定められた消毒方法が実施されています。しかし考えようによっては、この貸与(レンタル)が案外と重宝することがあるのです。

図体の大きいギャッジベッドや車イスなどを購入しますと、不要になった時に始末に困ります。

しかし、貸与(レンタル)であれば不要となればケアマネージャーに頼めばすぐに引き上げてもらえます。それから、新しい機能のついた新機種が出た時に、借り換えがすぐに出来ることも重宝です。

電動ギャッジベッドを購入しますと25万円くらいしますが、新機種がでたからといって簡単には買い換える決心はつかないと思います。

しかし、貸与(レンタル)であればケアマネージャーに頼んでケアプランの立てなおしを頼み、翌月から新機種を導入してもらえば済むことです。

身体の回復具合にあわせて機種を変更してゆけるという長所を考えていただければ、貸与(レンタル)というのも利点だと思えます。毎年新しい機種が介護保険の福祉用具に認められてきています。

ポータブルトイレにもウォシュレット機能のついたものや、温風便座機能のついたものが新しく認められました。ポータブルトイレはレンタルではなく福祉用具の購入となります。

先ほど述べたように購入は毎年1年間(4月〜翌3月)に10万円が福祉用具を購入できると決められています。

ということは、4月になれば10万円分の新たな購入が可能になるということです。新しい機能のついたポータブルトイレに切り換えたければ、4月まで待って、ケアプランに新たに新機種の購入をあげれば利用が可能となります。

ケアマネージャーは、これらの新情報についてはいち早く手に入れておられますから、ケアマネージャーとはいつも話せる状況をつくっておかれることが大切です。

2019年07月30日

◆雀庵の「大体やねぇ、先を読まんと」

“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/3】先日、友人に数年ぶりに電話をかけたら、
奥様が出たのでイタズラ心を起こし、「おばさん、オレオレ、オレだよ、
今、杉並に来てるんだけどさあ、困っちゃって・・・」。

「カズオ?」「うん、でね、お金の入ってるカバンなくしちゃってさあ、
おばさん、100万円ほど貸してもらえないかなあ・・・」「あ、ちょっと
まって、こっちから電話するから」

電話がないので再びこちらからかけたら友人が出た。「あ、おじさん、オ
レオレ、カズオじゃなくて修一だよ」と告ってともに笑ったが、最後に
「奥さんに甥っ子の名前は言わない方がいいって言っておいてよ」と余計
なお世話をしておいた。


友人は笑っていたが、奥様はきっと怒っているだろうなあ。「あの人、前
からオカシイと思っていたけど、ホント、いやな人だわ」とか・・・

カミサンにこの話をして、「なんで甥っ子の名前をばらしたりするんだろ
うね」と聞くと、我が息子はいつも「「あ、オレだけどさー」と電話をか
けてきて、「あ、アキオ?と私も聞くわよ」だと。

つまり老女は疑うことをしない人が多い、ということだろう。暇だから電
話に飛びつき、たとえセールスコールでも会話を楽しむ。カミサンはケー
タイをもってコンビニのATMを操作し、最後にようやく詐欺だと分かった
という、「還付金詐欺」被害者一歩手前になったことがある。

セールスコールでも長々と会話をしているから、「いつも留守電にしとけ
ばいいじゃん」と言えば、「だって話をしたかったんだもん」。もう病気。

まともな大人は気が遠くなるような長いRDD世論調査電話(多分30分はか
かるだろう)なんて無視するから、数字は老女が作っているようなもの
だ。あてにはならないから政府/自民党あたりは民間に委託しているだろう。

先の参院選で小生が「隠れ革マル」と見ているボンサイ枝野/立憲民主党
がずいぶん議席を増やしたが、革マル教祖のクロカン(黒田寛一)の組織
論は「既成の組織にもぐりこんで組織を乗っ取る」という寄生虫戦略で、
昨年は衆院で野党第一党になるやJR東労組≒JR総連専従の隠れ革マルが何
を勘違いしたのか「ゼネストだ!革命だ!」と叫んで3万人が脱退してし
まった。

JR総連は今回の参議院選挙でも「脱退した皆さん、労組幹部はクビにしま
したからどうぞ戻ってきてください」としおらしくしており、サイトでは
立民について何も触れずにいるが、自治労や日教組、日弁連などでも革マ
ル離れは進むだろう。

政治が不安定になる→労働者がストとデモを繰り広げる→政府が弾圧する→
革命臨時政府ができ、諸悪の根源は政府と煽り内乱になる→アカの桃源郷
ができ、アカ以外は囚人になる。

革マルは100年前のロシア革命を、結党以来70年祈願しても実現できず、
同志はヂヂババばっかり。焦るわな。

「マルクス、エンゲルス、レーニン、トロツキー、毛沢東、カストロ、ク
ロカン様、このまま老いて死ぬのはいやです、どうぞ革命を成就させてく
ださい」と祈っているが、ついに呆けて「今は革命前夜だ!同志諸君、ス
トを!赤旗で国会を包囲せよ!万国の労働者団結せよ!」と叫んで組合員
から見離されたのである。

憐れを催すが、精神病は完治せず「一度キチ〇イ、一生キチ〇イ」だから
気の毒ではある。人のことは言えないが・・・

世界でもアカはリベラルを装って多くの組織に寄生しているが、本質的に
暴力革命、つまり暴力で反対派を潰すのが初期設定だから(フランスを見
よ!)、日本でも「大声で敵の演説を阻止する」「警官のいないところで
敵を殴る」が常態化している。川崎市は半島系が多いから荒っぽい。市も
警察も問題化を恐れて腰が引けている。

毛沢東の紅軍は乞食やゴロツキを糾合した匪賊だったから、彼の論文は非
常に分かりやすい。噛んで含めるように説いている。権力は少数のインテ
リではなく、無学・無知の群衆、大衆こそが土台だと知悉していた。「政
権は銃口から生まれる」、実に言いえて妙である。

リベラル≒アカモドキは、EUでは難民モドキを歓迎するという大チョンボ
をして後退し、デタラメルケルは消えつつある。米国でも民主党は大統領
候補で後期高齢者のバイデンが上位という、なんだか冴えない状況だ。バ
イデンはへたれオバマの副大統領だった。新味はない。ヒラリーのお替り
として女性候補は人気が上昇しているが、米中戦争前夜で24時間戦えるの
かなあ。

世界からアカモドキは消えつつあり、五カ条のご誓文的な“正統リベラル”
に回帰していくような感じはするが、日弁連のように組織に寄生したアカ
モドキは利権にしがみつくから大きく抵抗するだろう。日本の政治は一強
多弱で安定的かも知れないが、一強といっても軟弱な保守連合だし、有権
者の半分を占める女は急な変化は嫌うから、蝸牛の歩みで脱皮するしかな
いのだろう。

欧米のようにすったもんだで殴り合うよりいいが、「大体やねぇ」少なく
とも先を読んで安倍政権のうちに目指す方向を固めておくべきだろう。

発狂亭“怪人デリーシャス”雀庵の病棟日記から。

【「措置入院」精神病棟の日々(123)2016/12/30】承前【産経】猪木武
徳「正論 時代は文明から野蛮へ戻るのか」。曰く――

<反対派を認めつつ共存することが文明の本質なのだ。文明の対立概念で
ある野蛮はこの共存の意志を持たずに、ただ戦闘にのみ集中している状態
を指す。

デモクラシーの平等化の原理は人々をバラバラにして個人主義に陥らせ、
自分と家族の私的世界に閉じ込め、共同の利益への関心を薄める。そこに
デモクラシーの重要な欠陥がある。

欠陥を認めつつ、その弊害をできる限り少なくする知恵を模索するより他
に道はない。

米国の新大統領は「分離と発散」の流れに掉さす(勢いをつける)ことは
あっても、くさびを打ち込もうとはしないだろう。彼が打ち出す保護貿易
主義と排外主義は「文明」を推し進める力ではなり得ない。欧州政治に
も、そうした共存の意志を捨て去ろうとする力が強まっている。

この動きの中にこそ、これからのデモクラシーが乗り越えるべき問題の厳
しさがある>

チャーチルは「デモクラシーはろくでもないが、今までの制度に比べれば
一番いい」と語ったとか。古代ギリシャやローマ帝国では、選挙権は納
税・徴兵義務を果たす国民にのみ限られた。つまりそれが一等国民であ
り、1945年の戦後から欧米的民主主義とセットで「誰でも一票」の普通選
挙が普及していった。

自立どころかお荷物のような確信犯的パラサイトも選挙権を手に入れたの
である。

で、どうなったか。大方の国では低学歴・低所得層が多いから、彼らに迎
合するリベラル≒アカモドキ政党が力をつける。福祉に頼れば生活できる
となれば、一所懸命に勉強して立身出世する、自立するというガッツのあ
る国民は増えないし、殖産興業に回るべき税金が福祉に食われてしまい、
国家も国民も成長どころか、負の連鎖で国際競争に負けていく。

結局、バラマキ福祉デモクラシーは普通国民とパラサイト国民という階級
分化、格差拡大、運命共同利益体である国家・国民の紐帯の劣化を招く。
国民レベルでは利己主義的な個人主義、国家レベルでは国際責任を放棄し
て一国平和主義に向かうことになる。

デモクラシーの理念は、自由、民主、人権、法治だろうが、戦後リベラル
≒アカモドキが推進した戦後民主主義は、寛容・共生・多文化・地球市民
といった口当たりの良い名のスローガンを掲げ、何百年、何千年の歴史の
中で培われてきた民族、国家の価値観と激しく衝突する場面がここ数年、
急増してきた感がある。

犯罪被害者が軽視され、犯人の人権が異常に重視されたり、社会保障、公
序良俗、選挙権の在り方など、見直すべき課題は実に多いのではないか。
自称リベラルや身勝手なデモクラシーを「批判するな」という、胡散臭
く、根拠も怪しい“ポリティカルコレクトネス”を乗り越えて、デモクラ
シーなどのメンテナンスを大いに議論すべきだ。

マスコミ・出版界の求人情報が朝日新聞(月曜朝刊)に集中しているため
もあって、初期設定のほとんどが左傾というマスコミは、反対者と共存す
る気も、意見交換する気もない。彼らが一番恐れているのは売上の減少で
ある。朝日や文藝春秋の部数減は著しい。「見ない、読まない、買わな
い」ことがマスコミの正常化を促すだろう。(つづく)2019/7/29


◆これでも公共放送か、NHK!

宮崎 正弘


令和元年(2019)7月30日(火曜日)通巻第6154号  

 (読書特集)
 小山和伸『これでも公共放送か、NHK!(増補版)』(展転社) 
深田萌絵『5G革命の真実』(ワック)
 樋泉克夫のコラム (連載1930回)
   
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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 なぜ、このような売国的メディアがまだ存在し続けるのか 
   放送法って、法律だろうか。支払い義務があるのだろうか?

  ♪
小山和伸『これでも公共放送か、NHK!(増補版)』(展転社)
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 さきの参議院議員選挙で、とうとう「NHKから国民を守る党」から当
選者がでた。NHKアナウンサーだった和田政宗氏は、自民党比例区から
高位当選だった。
 何かが変わっている。国民のNHKに対する不信感の表れとも言える。
(ただし「N国」は、NHKの偏向報道を問題にしている政党ではない
が)。。。
 そもそも何を根拠にNHKは国民から受信料を徴収できるのか?
 頼みもしないのに、勝手に電波を送りつけ、その酷い内容を反省するこ
ともなく、受信料を強要するかのように、それでいて反日番組を平然と放
送し、出鱈目満載の韓国ドラマを垂れ流す。
 そのNHK職員の平均年収が1750万円というのだから、国民の怒り
は納まらない。
 朝日新聞は購読をやめれば、それで済む。朝日新聞という極左のアジビ
ラを毎日読んで、ここが間違いだと指摘している批評家のことを思うとご
苦労様と言いたくなるが、評者(宮?)は朝日新聞の購読をやめて半世
紀。快適な精神衛生安定の日々を送っている。NHKも見ていないが、ど
んな放送をしてきたかは本書を通じて知っている。
 さて本書は増補版である。
 なぜ増補が必要になったか、小山氏は簡潔に述べる。
 第一に最高裁判所は平成29年に受信料裁判で、放送法64条の憲法論
争に対して合憲判決を出した。
 第二に令和元年五月に『放送法』が改正され、その64条に第四項が追
加された。それはインターネットでNHKをみても、受信料支払い義務が
生じることとなったのだ。
 こうした新状況をふまえて、旧版を増補する必要が生まれたのである。
 対策は「NHK拒絶アンテナ」の普及にあると、当面の課題を提議して
いるが、それにしても、と小山教授は付け加える。
 「自分の国の悪口雑言を語り続けるメディアが、いったい世界のどこの
あるというのだろうか。自国に敵対する国を、嘘を並べてまで褒め立てる
メディア」。
それがNHKである。
        
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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 5Gで中国に勝てないと認識した米国はいきなり「6G戦略」に打って出る
  ゲームの基本をひっくり返すトランプの得意技「6G戦略」って何?

  ♪
深田萌絵『5G革命の真実』(ワック)
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 「三時間でわかる5G通信とITビジネスの未来」というキャッチだ
が、評者(宮?)がじっくりと読んでみても、横文字の連続する技術の説
明部分はよくわからない。横文字と専門用語の羅列、結局、2回読んで
も、難しい箇所は咀嚼できない。

というわけで本書を3回読む仕儀となった。

理工系の頭でないと、理解できないから諦めるかと言えば、そうではな
く、本書は技術説明書ではなく米中戦争の技術覇権の舞台裏で展開されて
いる諜報戦に重きを置いている。その文脈から外れないように、5Gの基
本ラインを認識して読み直すと、いま欧米日が抱え込んだ難題が了解できる。

「中国製造2025」はトランプ政権に警戒ランプを灯らせた。だから習近平
は三月の全人代では一言も「中速製造2025」」に触れなかった。

 ドイツは「インダストリー4・0」を推進すると宣言し、日本政府は
「ソサイエティ5・0」である。

ならば米国は?

5G開発で中国に一歩か、二歩の後れを取ったと焦燥感に苛立ちながらも
実態が認識できた米国はいきなり「6G」に挑戦するようである

4Gの現在、ほとんどの用は足りる。5Gになってもスマホのユーザーが
取り立てて必要となる飛躍的利便性は、じつは「ない」。

5Gとは煎じ詰めれば通信規格であり、ならば米国は「次の次の」通信規
格「6G」を先に開発すれば良いのである。

日本のメディアは米中冷戦を「5G覇権争い」という視点で捉えている
が、筆者の深田女史は大胆な異論を唱えている。

すなわち「米中は通信技術のために争っているのではない。これは諜報イ
ンフラをめぐるグローバルな政治実質支配の覇権争いなのだ。近い将来、
中国製5G基地局によって世界が中国共産党に実質支配されるインフラが
完成するかどうかという瀬戸際にある」(p)74。
ここでようやく合点がいった。

5Gが必要なのは監視体制の強化、あらゆる個人データを管轄し統御する
中国が必要としている技術であり、一般的商業レベルや工業用技術レベル
では、それほど必要な技術とは言えない、ということになる。

▲中国がなぜ基地局に焦点を絞り込んだのか?

中国がもっぱら開発を収拾されているのが5Gのなかでも基地局であり、
ここでデータを集め、解析するキイとするわけである。そのうえ中国は海
底ケーブル網の構築にも力を注いでいる。

この要諦を本書は次のように恬淡として述べる。

「5Gは移動体通信の規格なのでターゲットは移動体(モバイル)になる
のだが、スマホユーザーにとって、大容量のデータを一瞬でインターネッ
トにアップロードする需要がそれほどあるとは考えにくい。ここにお裏の
需要が存在する」
 
ならば、その隠された中国の目的とは?

 「ありとあらゆるデバイス、コンピュータが持つデータを数秒で全て抜
き取りたいという『個人情報を吸い上げようとするインフラを提供してほ
しい国』のニーズだ」(31p)。

深田女史の異色な分析は、グローバリスム時代の闇の繋がりがダークサイ
ドにも深く浸透し、国際的なマフィアや、金融の詐欺集団にも狙われてい
るが、台湾のIT業界がマフィア組織「青幇」と裏で連携しており、重要
人物達の人脈がこんがらがっているという指摘がある。

この種の情報は香港、台湾あたりでよく耳にするけれども、こうした憶測
的分析は裏が取れないので、評者らは記事にしない。

深田女史によれば、馬英九(前台湾総統)もTMSCもフォックスコンも
裏で繋がっており、中国と緊密な連絡があるというのである。

英国がファーウェイの5G採用という英米同盟への「裏切り」に関して、
著者が業界の情報から分析した部分も、えっと声をあげるほどに独自的で
ある。すなわち英国は「中枢部分を除きファーウェイを採用する」とした
が、現実の問題として、ファーウェイは英国に天文学的投資をしているこ
と、立ち上げの段階ではM16の元幹部がファーウェイに深く関与していた
事実経過があり、逆に英国がファーウェイの情報をもぎ取ろうとしていた
のではないか、とする。

また世界の半導体設計の80%を占める「ARM」社を孫正義が買収してい
るが、孫は果たして日本の国益のためにビジネスを展開しているのかとう
いう疑問が並ぶ。複雑怪奇、まるで次世代テクノロジー戦争は伏魔殿である。
このあたりの裏情報は本書に詳述されているので、ここでは省略する。

▲欧州諸国の5G傾斜の読み方

肝要な部分は下記である。

トランプ政権が取引停止、ハイテク企業の買収阻止、スパイ摘発、インテ
ルなどの中国への供給停止など一連の措置をとっているのは「競合を潰す
ために供給を絶つ」戦略の発動である。ところが中国はそれを見越して自
製化を推進し、さらには台湾のファンドリー企業を駆使してきた。

そこで4月のホワイトハウスの会合でトランプは初めて「6G戦略」に触
れた。

当面の中国主導の5Gつぶしに、「5G通信の高周波は、人体の健康に悪
影響」というキャンペーンを始めたのだ。

環境保護とか異常気象に敏感な左翼やリベラル団体は、この呼びかけには
応じる。

現にベルギーは「市民はモルモットではない」としてファーウェイの5G
不採用を決めた。だが、独英仏などは5G特許の五割をしめているため、
米国のキャンペーンは時間稼ぎにはなっても決定的な効果をもたらすか、
とうかは不透明である。

なぜなら既に欧州で60%の国々がファーウェイの5Gを採用を決めるとい
う動かし難い現実があり、ファーウェイは気がつけば、欧州市場でノキア
とエリクソンを市場で凌いでいた。

ファーウェイのスマホ、基地局などのビジネスで欧州ならびに中東で
298億ドルを稼ぎ出した。

かように技術の善し悪しで勝敗は決まらない、最後は政治力である。日本
は半導体開発から5G開発で、お呼びではない状態となり、半導体業界は
みごとに米国に潰された。技術力ではなく、政治力に敗退したのだ。

さてそれなら6Gとは具体的に何なのか? まさに深田女史の次のテーマ
である。

           
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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知道中国 1930回】            
 ――「支那は日本にとりては『見知らぬ國』なり」――鶴見(23)
鶴見祐輔『偶像破壊期の支那』(鐵道時報局 大正12年)

        △
鶴見は、なぜ「偶像破壊期の支那」を旅したのか。自らが定めた様々な仮
定のなかの「其の孰れに支那が落着く」のかを知りたかった。そのために
は「種々の統計、文書、書物」に拠ることはもちろんだが、「それよりも
もつて手近な方法として」、「支那の國論を代表するところの人々に面會
して意見をたゝくことにした」からである。

だが鶴見が「成功の可能性が頗る薄弱」と見做していた「露西亞の如く外
國との連絡を斷つた一個の社會主義國」が、20世紀半ばに毛沢東の手で出
現してしまった。それほどまでに時代の先を読み切ることは難しいと同時
に、中国社会には『未知の変数』が無数に隠れているということだろう。
社会の、そして人々の深層にまで根を張る一強独裁権力という伝統文化の
強靭な生命力に改めて目を向ける必要があるだろう。

ここで鶴見は話題を転じて、「支那に關する外國人の感想」をいくつかの
方面から考える。

第1は「最も同情ある立場をとる者」であり、この種の外国人は「現代の
支那人の生活をその儘に驅歌する。驅歌するといふより寧ろ心醉するとい
つた方が宜いかも知れない」。

「支那の生活を、美術、文藝の方面より觀れば、世界の何れの國にも劣る
まじき偉大が今日の支那にその儘に在るに違いない」。

この「支那の文化生活といふ事は」、古来「無數の苦力の安き賃金の上に
建設されてゐる」。古代ギリシャの文化生活が「大勢の奴隷の苦役の上に
建設された」ことを考えれば、「その事柄の善惡は別問題」として、「兎
に角支那に在るあの文化生活は、その儘に見ても非常に貴いものであり、
美しいものである」。

第2は「理論的に支那を謳歌する者」である。

この議論には多くのアメリカ人が与するようだが、彼らは自らの持つ「人
生に對する樂觀的の性格」「實行的建設的性格」を「現代の支那」に投影
させ、自らの議論を導き出す。「彼等はこの支那人性格の内に在る輝ける
部分を摘出し」、「その基礎の上に築かるべき偉大な支那の將來を感嘆の
眼を以て眺め」るだけではなく、「曾て支那の王朝が築上げたところの支
那人の天才を指してその才能が再び二十世紀に於て目覺むべき日を彼等は
驅歌する」。

いや、「驅歌する」だけではなく、「今支那の上下に瀰漫してゐるところ
のデモクラシーの議論、人道的、平和的の議論、自由主義の主張、それ等
をその儘に受入れて、彼等は新しき支那の目覺を喝采する」。加えるに
「年若き支那人が新しく築くべき將來の偉大を豫想してゐるのである」。

かくして「これ等の樂觀的議論を我々は殊に米國の宣?師の間に見る」と
結論づけるのだが、ここに鶴見の慧眼を見る思いだ。

20世紀後半のアメリカを代表するジャーナリストのD・ハルバースタムは
自著の『朝鮮戦争(上下)』(文春文庫 2012年)で、アメリカが中国を
失ってしまった、つまり毛沢東に拠る共産中国を誕生させてしまった背景
を次のように記している。

「多くのアメリカ人の心のなかに存在した中国は、アメリカとアメリカ人
を愛し、何よりもアメリカ人のようでありたいと願う礼儀正しい従順な農
民たちが満ちあふれる、幻想のなかの国だった。(中略)多くのアメリカ
人は中国と中国人を愛し(理解し)ているだけでなく、中国人をアメリカ
化するのが義務だと信じていた」。

「かわいい中国。勤勉で従順で信頼できるよきアジアの民が住む国」。

「アメリカの失敗はアメリカのイメージのなかの中国、実現不可能な中国
を創ろうとしたためだった」。

鶴見とD・ハルバースタムに付け加えるなら、中国と中国人に対するアメ
リカ人の振る舞いの背後にアメリカ建国に深く関わる『不都合な真実』が
隠されているのでは《QED》
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読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
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   ♪
(読者の声1)戦後のあるイデオロギーによる解釈では聖徳太子は存在し
なかったとする。文献の一部の矛盾だけを指摘してこれまでの歴史を否定
してきた。聖徳太子は権力批判、権威批判の戦後イデオロギーの格好の対
象になったのだ。しかし聖徳太子は実在した。それは法隆寺の存在が証明
している。

 今回講師は田中英道先生です。是非ご友人知人にも声を掛けて頂き、
奮ってご参加頂きます様よろしくお願い致します。
弘志会 幹事 福井成範  fukuima@tree.odn.ne.jp
                TEL090-3090-5452
           記
日時:令和元年8月3日(土) 14:00?17:00
内容:1400!)1530 講演 :東北大学名誉教授  田中英道  先生
 テーマ: 戦後の反日古代史観を排す 聖徳太子虚構説 など
  1530!)1600  質疑応答
  1630!)1700(1800)  懇親会
場所:たかつガーデン(大阪府教育会館)2F 「コスモス」会議室 
TEL:06(6768)3911   〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町7番1号
 地下鉄千日前線(又は谷町線)谷 町9丁目下車(北東へ)5分
会費:4,500円程度(懇親会費一部を含む。講演のみ1,500円)ただし、
学生は無料 
   ♪
(読者の声2)6月28日と29日に日本初のG20会議が開催。世界マスコミ
の注目は対立続く米中首脳会談。それで日本に交流促進など戦略的秋波を
送る習近平に、安倍首相は来年春の「桜の咲く頃」に国賓訪日を招請。
https://www.asahi.com/articles/ASM6Y533NM6YUTFK00G.html
 その一方で中国共産党が一番嫌がるウイグル民族運動指導者ラビア・
カーディル女史にG20開催時期に合わせて来日を許可するビザを発行。
カーディル女史は、中国占領下から亡命したウイグルやチベットなどの少
数民族でつくる国際組織「自由インド太平洋連盟」の会長を務めるそうだ
が、どこかで聞いた覚えが有る様な気が(笑)。日本外交なかなか強か。
というか、安倍ちゃん一流の嫌がらせ、か(笑)。
https://www.nishinippon.co.jp/item/o/520634/

最近、米国も批判を強めているウイグル問題。現在中国はかつての東ドイ
ツを遥かに上回る世界一の国民監視国家となった。当局(恐らく中国国家
公安局)は在日ウイグル人らにスパイとなって仲間のウイグル人の情報提
供する様に要求している。例えば、BSのNHKのニュース番組『国際報道』
の中で同公安局は在日25年のアフメット・レテプ氏を、中国国内の強制収
容所で拘束してる父親とビデオ通話させた後で情報提供を強要。NHKには
批判も多いが、『国際報道』はなかなか良くやってると思う。
https://www.youtube.com/watch?v=sLGKBkwh48U

中国共産党の魔の手はどこまでも続く。6月29日に、G20の開催地すぐ近く
の大阪市中央会館で開かれた自由と人権を守る集会では、会場に潜伏して
いた複数の中国共産党支持者が南モンゴル人発言者の演説が始まったと同
時に妨害を始めた模様。後で会議に参加していた人に聞いたところ、警察
に摘み出されたとの事。

何でも、私服の公安関係者が十人くらい会場の周辺で警備していたとか。
これも安倍ちゃんのおもてなしかな?(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=xBTRq2UfdWc

さて、ウイグルで思い出したのは、あるブログに掲載されていた副島隆彦
という陰謀脳の駄本『中国バブル経済はアメリカに勝つ』の引用。
(引用開始)中国は世界帝国の建設のためにイスラエルと手を切った。そ
して、膨大な石油天然ガスの資源を持つ合計18億人といわれるアラブ・イ
スラム世界と手を組むとはっきり決めた。それが2006年11月のことであっ
た。 ・・・(中略)・・・ 。それ以来、イスラエルの中国嫌がらせ攻撃が
続いている。2009年7月のウイグル暴動などの背後にはイスラエルの
情報組織の動きがあると言われている。日本にも評論家の宮崎正弘氏のよ
うなイスラエルの秘密情報機関モサドによって育てられたすぐれた人材た
ちがいる。日本人の視点から中国研究を綿密に行い、中国を敵視する言論
を日本国内に巻き起こさせている。(p.191-192)(引用終了)
https://blogs.yahoo.co.jp/chanchan_yanagi/51462970.html

以下は私見です。

まず 中国とイスラエルは手を握っても切ってもない。その都度、互いに
利用しているに過ぎない。2006年当時と比べて、中国とイスラエルの関係
は、「切る」どころか、ますます深くなっている。次に、ウイグル暴動は
「ユダヤの陰謀」説??(笑)。かつて、国内ユダヤ陰謀論の元祖宇野正
美は天安門事件の背後にユダヤがあると主張。天皇(現上皇)陛下の中国
訪問の前にはロックフェラーやロスチャイルドが日中両国の結合を恐れ妨
害したそう(笑)。

その弟子筋で元共産党員の太田龍は、米国がチベットを弾圧する中国を批
判するのはハリウッドのユダヤ勢力の陰謀だと主張。似てますね(笑)。
そして本人は否定しながらも宇野正美の影響を色濃く受けている副島某は
ウイグル暴動の背後にはユダヤの陰謀があり、中国は被害者の様に主張す
る。もう一人の宇野の弟子筋のリチャード・コシミズもユダヤ陰謀論と中
国愛好者。さらにネオコン陰謀論の田中宇は何故か北朝鮮訪問するくらい
の、中国と北朝鮮好き。これで、見えて来るのは国内ユダヤ陰謀論者は皆
中国にとって都合の良い宣伝をするという事。(正確に言えば、中朝露な
のだが)。最後に、宮崎先生はお忙しいのに、いつモサッドの研修を受け
たのでしょうか(爆笑)。
通常、根拠無く人を外国スパイ扱いするのは名誉棄損に当たるが、逆に言
えば陰謀脳の馬鹿男副島某はやってる事から見て中国のスパイと言われて
も仕方がないという事になる。
https://blogs.yahoo.co.jp/chanchan_yanagi/51462970.html
   (道楽Q)

◆脅威に囲まれる日本、いま安保を考えよ

櫻井よしこ


7月1日、経済産業省が「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」
を発表した。韓国向けのフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の輸出
審査の厳格化が内容だ。

これらの戦略物資は、これまで韓国をホワイト国、即ち、貿易管理の体制
が整った信頼できる国であると見做して3年間申請不要で許可していた。
だが後述するように韓国はもはや信頼できる貿易相手ではないと判明し、
7月4日以降、輸出案件毎に出荷先、量などを日本政府に申請し、審査を受
けさせることになった。

「朝日新聞」は同措置を安倍晋三首相による韓国への感情的報復措置とみ
て「報復を即時撤回せよ」と社説で主張したが、的外れだ。そもそも今回
の措置は、「禁輸」ではない。これまでの優遇措置を改めて普通の措置に
戻すだけである。たとえばEUは韓国をホワイト国に指定しておらず、普
通の国として扱っている。日本もEU同様、普通待遇で韓国と貿易すると
いうだけのことだ。

安倍総理は地域の安定を損なう通常兵器や関連技術の移転防止をうたう
ワッセナー協約に日本も入っていることを踏まえ、こう語っている。

「今回の措置は安全保障上の貿易管理をそれぞれの国が果たしていくとい
う義務です。相手国が約束を守らないなかでは優遇措置は取れないのであ
り、当然の判断です。WTO違反ではまったくない」

国連安保理・北朝鮮制裁委員会専門家パネルの元委員、古川勝久氏が
FNNPRIMEで指摘した。

「2015年から19年3月の間に韓国国内で摘発されたのは計156件でした。そ
のうち、実に102件が大量破壊兵器(WMD)関連事件でした」

氏が示した具体例の中には、核弾頭や遠心分離機のパーツ等の製造にも使
用されうる高性能の精密工作機械などがあった。「核兵器製造・開発・使
用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制」(NSG)の規制対象と
なる工作機械類の不正輸出事件も多数摘発されていた。核燃料棒の被覆材
として用いられるジルコニウム(14億6600万円相当)も中国に不正輸出さ
れていた。

北朝鮮のために

不正輸出事件は2015年の14件から、17年及び18年の各々40件超へ、さらに
19年は3月までのわずか3か月間に30件以上へと、文在寅大統領の下で急増
した。日本政府は韓国政府に協議を呼びかけてきたが、「過去3年以上、
韓国政府との意思疎通は困難であった」と官房副長官の西村康稔氏が述べ
たように、文政権は話し合いに応じていない。

ここで私は、文大統領の秘書室長(官房長官)だった任鍾ル(イム・ジョ
ンソク)氏の奇妙な外国訪問を思い出す。17年12月、氏は4日間の日程で
アラブ首長国連邦(UAE)とレバノンを訪れた。当時両国には韓国部隊
が派遣されており、任氏は大統領特使として部隊激励のために中東を訪問
したという。だが大統領秘書室長の外国訪問は極めて異例である。任氏は
文氏の親北朝鮮政策の主導者であり、親北朝鮮のUAEやレバノンで、北
朝鮮の重要人物と接触か、などと取り沙汰されたが、結局、何もわからな
い怪しい訪問だった。

それから間もない18年1月1日、金正恩朝鮮労働党委員長が新年の挨拶で
「平昌五輪に代表団を派遣する用意がある」と発表した。朝鮮半島情勢激
変の始まりだった。このときまでに、韓国は国際社会による制裁破りも含
めて、北朝鮮のためにあらゆる障害を取り除くと、誓約でもしたのではな
いかと疑うものだ。

現在までに文在寅政権は、韓国軍から北朝鮮に対峙する力を殆んどすべて
奪い去った。対北防諜部隊は事実上解体され、韓国は北朝鮮の工作に対し
て完全に無防備だ。

韓国軍の武器装備体系にはイージス艦や潜水艦が含まれるが、海軍力が殆
んどない北朝鮮に対する備えとしては不必要なものだ。韓国保有の「玄武
2号」、射程300キロの弾道ミサイルは射程を更に長くしようと試みたが、
日本への脅威となるとして米国が止めさせた経緯がある。これらの武器装
備は日本を仮想敵国と位置づければおよそ全て納得できる。文政権が韓国
にとっての敵は日本だと見ていると、少なからぬ専門家が考えるゆえんで
ある。

韓国が北朝鮮にさらに宥和的になって、連邦政府などの形で統一に向か
い、大韓民国が北朝鮮に吸収されるとき、60万の韓国軍は日本への敵対勢
力となる。北朝鮮が核を諦めなければ統一朝鮮は核保有国となる。彼らは
前述のように多数の弾道ミサイルを有し日本攻撃も可能である。対する日
本には核は無論ない。弾道ミサイルもない。どのようにしてわが国を守る
のか、心許ない状況の日本に対して、トランプ米大統領の重大発言がなさ
れた。

米国に頼れない状況

6月24日、ブルームバーグ通信がトランプ氏の「日米安全保障条約は不平
等」「米国は日本防衛の義務を負うが、日本にはその必要がない」「日米
安保条約を破棄する可能性」もあるとの発言を報じた。26日にはトランプ
氏自身が「フォックスビジネス」の電話取材に応じて、「日本が攻撃され
れば、我々は第三次世界大戦を戦う。日本を守り、命と、大事なものを犠
牲にして戦う。しかし、我々が攻撃されても、日本は我々を助ける必要が
ない」と語った。大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議後の記者会見で
日米安保条約破棄の可能性を問われ、「全くない、ただ、日米安保は不平
等だ」とも言った。

現実を見れば、安保条約の破棄は見通せる近未来、日米双方の国益上考え
られない。それでもトランプ氏の一連の発言は「本音」であろう。

トランプ氏は、米軍が差し出すのは命だが、日本側は結局、金でしかな
い。「命と金」の引き替えは不平等だと言っているのだ。それに日本は応
えなくてはならない。

さらにもうひとつの問題が生じた。安倍総理がイランを訪問した6月13
日、ホルムズ海峡で日本の石油タンカーが攻撃を受けた。

7月10日には英国の石油タンカーがイラン革命防衛隊の武装船3隻に拿捕さ
れそうになった。英海軍の護衛艦「モントローズ」がイラン船に砲を向け
て警告し、イラン船は退散した。その後、英海軍は新たに駆逐艦「ダンカ
ン」を中東に派遣した。

この間イラン側は一貫して如何なる関与も否定しているが、9日、米国か
ら「有志連合」結成の提案がなされた。その主旨は、各国のタンカーの安
全は各国が守り、米軍は全体の調整をするということだ。

朝鮮半島、ホルムズ海峡、ペルシャ湾、すべてにおいて自国を自力で守ら
なければならない体制に、世界はむかっている。米国との緊密な関係だけ
に頼れない状況が生まれている。如何にして日本を守るのか。それをこの
選挙で問うべきであろう。

『週刊新潮』 2019年7月25日号日本ルネッサンス 第861回

◆心筋梗塞は予知できる

石岡 荘十


まず、死因について。

私の父親も死因は「心不全」とされていたが、長い間、この死亡診断書に何の疑問も感じなかった。しかし、よく考えてみれば「心不全」というのは単に「心臓が動かなくなった」という意味であるから、病気の「結果」そのものであり、死のトリガー、「原因」ではない。

<最初は背中が痛いと言われたと報じられていた。亡くなった後では容易に心筋梗塞だったとは解らないのではないか。誰でも経験して学習し教訓に出来る病ではないので、発症した場合の対処は困難だろう>、これこそが「死因」となった心筋梗塞を疑わせる症状だ。

私も大動脈弁がうまく開閉しなくなり、10数年前人工の弁に置き換える手術を受けているが、そこに至る症状として<背中が痛い>を何年にもわたって、何度も経験している。

心臓の血流が途絶えると、背中が重苦しくなる。痛いと感じる人もいる。この苦しさは、血流が滞った程度(狭心症)の場合は、15分程度で回復する。不整脈のひとつ心房細動の時もそうだ。

私が何度も経験したが、それ以上自覚症状が長く、30分とか続くのは血管(冠動脈)が完全に詰まっている(心筋梗塞)だと考えた方がいい。ほっておけば死に至る。

胸が痛くなるという症状だと、「心臓がおかしいのではないか」と分かりやすいが、心筋梗塞になると左の奥歯がうずいたり痛くなったり、肩が凝ったりすることもある。歯医者や整形外科に駆け込む人もいるが、これは心筋梗塞の症状のひとつなのである。

歯医者で鎮痛剤をもらって「一丁上がり」となるが、じつは心筋梗塞の症状だ。こういうのを「放散痛」という。

不幸にして、こんな知識がなく死んでしまった後、患者を解剖すると死因が心筋梗塞であったことは明らかになる。

<発症した場合の対処は困難だろう>といっておられるが、心臓疾患の9割は、対処の仕方を誤らなければ、決して「死に至る病」ではないのである。

本誌常連の前田正晶さんが書いておられる記事が見事にそのポイントを突いている。
その要点をまとめると、

<失神するほどの、激痛と胸部に圧迫感があった。自分で119番に電話して症状を説明していた>

<放っておけば治るとかとは思ったが、何故かこれは「一過性の痛みではない」と判断した>

<救急患者を受付けてくれる大病院が多いこと、救急車が搬送してくれた先が国立国際医療センターだったこと、最も偉い先生が日曜日の当直だった>

<心筋梗塞に対応する準備が整っていたのだった。処置も素早かった>

<その判断が正しかったと後で解るのだが、私の場合は幸運の連続だった>

つまり、前田さまのケースは<幸運が重なった>結果であり、誰でもがこううまくいくわけではない。

年間の死者5千人を切る交通事故死にあの大騒ぎで安全運動を展開している。なのに、心臓疾患で年間15万人以上が死ぬ。なぜか。前田さんのような幸運の女神の恩寵に浴する人はそんなに多くない、それだけ啓蒙が行きわたっていないということだ。

<時間との争いであるなどとは知る由もないだろう。知識は皆無だった>とおっしゃるが、そんな人に幸運が訪れることは滅多にない。

この歳になったら、天下国家の危機を憂うる高邁な論議をする前に、わが身の危機管理に少しのエネルギーを注ぐべきだというのが私からのアドバイスだ。心臓病は<誰でも経験して学習し教訓に出来る病>なのである。


2019年07月29日

◆マラー検察官の国会喚問は大失敗 

         Andy Chang
 

米国でマラー検察官が22カ月の調査の後で発表したトランプ大統領の
ロシア癒着疑惑の調査では、報告書の第一部でトランプのロシア癒着
の証拠はなかったと結論した。

だが報告書の第2部ではトランプが調査を妨害した疑惑調査では罪の
証拠はなかったが、トランプの名誉を回復(Exonerate)するに至って
いないと結論付けた。マラー検察官は調
査結果は全て報告書に書いたから付け加えることはないと述べたが、
マラー検察官は「トランプ有罪の証拠はなかったけれど、国会が大統
領を罷免する権利がある」と付け加えたのである。

この発言のため民主党優勢の国会はマラー検察官を国会に召喚してト
ランプを罷免するための新証拠を探すとした。共和党側はロシア疑惑
とはヒラリーが選挙違法ででっち上げたものでトランプは冤罪で、冤
罪をでっち上げたFBI/DOJを調査すべきだと主張している。国会喚問
の二つの委員会、司法委員会はトランプが選挙で違法行為があったか
について調査し、情報委員会はロシアの選挙介入についてトランプが
関連した疑惑とトランプがマラーの調査を妨害したかを調査する。

7月24日にマラー検察官は国会の司法委員会と情報委員会の喚問に応
じて、二つの委員会でそれぞれ3時間の質問に答えた。国会喚問の結
論は両党側の議員とメディアが認めたように民主党にとって大失敗
(Disaster)、または不発弾(Dud)だった。もう一つの結果は後述する
ようにマラー氏の検察官としての信用がガタ落ちしたことである。

民主党側がトランプ不利な言質を得ようとした度重なる質問に対し、
マラー検察官は20数回も「報告書に書いている通り」と答え、新たな
証拠はなかった。民主党側の議員がトランプに不利な意見を述べても
マラー検察官は「同意できない」と答えるか、「私の調査に関係ない」
と答えた。民主党側の得た唯一の結果はトランプとロシアの癒着の証
拠はなかったと述べたことである。

トランプの調査妨害についてマラー検察官は「名誉回復(Exonerate)
と結論しなかった」と報告書にあったことを再確認した。民主党側は
名誉が回復できないとは「罪の疑惑が残っている」と主張しているが、
共和党議員は「検察官の任務は有罪証拠を調査することである、証拠
がなければ無罪、名誉回復は検察権の任務ではない」と反論した。更
に共和党議員は、「検察官の任務である有罪証拠がないと結論としたの
にトランプの名誉を回復しなかった」とし、司法部に名誉回復の責任
を取らせるようにしたと譴責した。

トランプとロシアの癒着(Collusion)調査について、マラー検察官は
「癒着」は法律用語ではないとしたが、共和党議員はマラー検察官が
癒着(Collusion)とはトランプがロシアと結合した陰謀(Conspiracy)
のことと報告書に書いてあることを指摘し、陰謀の調査でトランプが
ロシアと共謀した証拠はなかったと書いてあると指摘した。つまり癒
着(ロシアとトランプが共謀した)証拠がなかったなら名誉を回復す
べきなのにトランプの名誉を回復をする責任を司法部になすり付ける
べきではないと譴責した。マラー氏は共和党議員の何回もの譴責にす
べて沈黙を守り返答しなかった。

共和党側はマラー検察官がなぜFBIの高級官僚、Andrew Weissmannや
Peter Stzrokなど、反トランプ陰謀の仲間の人たちを使って調査した
明白な違法行為を追及した。更にこの調査はスティール文書と言う偽
の証拠を元にFBIがFISA(防諜スパイの調査申請)始めたことを追及し
したがマラー検察官はスティール文書、ヒラリー、FISAの違法性など
については一切答えることはしないと断って共和党の追求を避けた。
そして更にマラー検察官は「私は仕事ができる人を起用しただけで、
反トランプの人物を選んで雇用したのではない」と答えた。

これを更に追及されたマラー検察官は呆れたことにAndrew Weissmann
がヒラリーの当選パーティに参加したことやPeter StzrokとSteeleの関
係をみんな知らなかったと述べ、スティール文書がヒラリーの金で
Fusion GPS会社がスティールを雇って作成したことなど、みんな知らな
いと答えたのである。

彼の起用した調査員の政治動向や反トランプの中心であるガセネタの
ことなど一切知らないと答えたのは衝撃的である。これでマラー検察官
が調査に不適任で部下に任せっきりだったことが暴露されたのである。

マラー検察官は数多の質問に答えることが出来なかった。6時間にわ
たる質問で報告書の内容も詳しくないことがわかり、議員の質問に対
して報告書のどのページかと聞き返し、議員に指摘されて報告書の該
当箇所を読んだあとで「ここに書いた通りです」と答えたことが20
数回にも及んだので、恐らくこの調査報告は部下のワイスマンが書い
たのだろうと言うことが判明した。つまりマラー氏は不適任でしかも
調査を部下に任せていたことがわかった。ワイスマンは反トランプの
首魁だから報告書の信憑性、正当性が疑問視されることになった。

この国会喚問は民主党のロシヤ癒着の調査と共和党のトランプ冤罪を
でっち上げた証拠を探すためだったので、民主党と共和党の双方から
いろいろな質問があり、双方にとって有利、不利な結果があったので、
注意しなければ「群盲象を撫でる」報道となってしまう。特に翌朝の
「テレ朝」の報道は、「トランプ氏は大統領の任期を終えたら追訴でき
る」と述べていた。これではまるでトランプは有罪だが在職中は起訴
できないが、退職すればすぐ追訴され有罪判決を受けるように思われ
てしまう。

実際に起きたことは当日朝の聴聞会でTed Lieu議員(民主党)が大統
領を退職後に追訴出来るかと訊ね、マラー検察官が「法律は全ての人
に公平だから退職後は追訴できる」と答えたことである。しかしこの
あとマラー検察官は午後の聴聞会で「この答は不完全である。誰でも
追訴する権利はあるが、本調査でトランプ大統領の有罪証拠はなかっ
た」と追加説明した。

トランプ大統領の追訴について民主党議員は「法律上の時効」は5年
だがトランプ氏が2020年に再選を果たせば退職は8年後で、時効にな
るだろう(ロシア癒着は2016年)と言った議論がなされた。マラー検
察官の追加説明でトランプの有罪証拠はなかったと言明したので時効
論は意味がない。

国会喚問の翌日、民主党側はトランプ有罪の追加証拠はなかったが、
トランプ罷免の努力は継続すると発表、これに対しペロシ国会議長
(民主党)は証拠がなければ罷免はできない、たとえ下院が罷免案を
通しても上院で否決されると述べた。

共和党議員の大多数は、トランプのロシア癒着は冤罪であることが
わかった。今後はトランプの冤罪をでっち上げた真犯人の調査をす
べき、William Bar司法長官の「冤罪調査の調査」に期待すると述べた。


     
at 09:47 | Comment(0) | Andy Chang