2019年07月27日

◆脅威に囲まれる日本、いま安保を考えよ

櫻井よしこ


7月1日、経済産業省が「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」
を発表した。韓国向けのフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の輸出
審査の厳格化が内容だ。

これらの戦略物資は、これまで韓国をホワイト国、即ち、貿易管理の体制
が整った信頼できる国であると見做して3年間申請不要で許可していた。
だが後述するように韓国はもはや信頼できる貿易相手ではないと判明し、
7月4日以降、輸出案件毎に出荷先、量などを日本政府に申請し、審査を受
けさせることになった。

「朝日新聞」は同措置を安倍晋三首相による韓国への感情的報復措置とみ
て「報復を即時撤回せよ」と社説で主張したが、的外れだ。そもそも今回
の措置は、「禁輸」ではない。これまでの優遇措置を改めて普通の措置に
戻すだけである。たとえばEUは韓国をホワイト国に指定しておらず、普
通の国として扱っている。日本もEU同様、普通待遇で韓国と貿易すると
いうだけのことだ。

安倍総理は地域の安定を損なう通常兵器や関連技術の移転防止をうたう
ワッセナー協約に日本も入っていることを踏まえ、こう語っている。

「今回の措置は安全保障上の貿易管理をそれぞれの国が果たしていくとい
う義務です。相手国が約束を守らないなかでは優遇措置は取れないのであ
り、当然の判断です。WTO違反ではまったくない」

国連安保理・北朝鮮制裁委員会専門家パネルの元委員、古川勝久氏が
FNNPRIMEで指摘した。

「2015年から19年3月の間に韓国国内で摘発されたのは計156件でした。そ
のうち、実に102件が大量破壊兵器(WMD)関連事件でした」

氏が示した具体例の中には、核弾頭や遠心分離機のパーツ等の製造にも使
用されうる高性能の精密工作機械などがあった。「核兵器製造・開発・使
用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制」(NSG)の規制対象と
なる工作機械類の不正輸出事件も多数摘発されていた。核燃料棒の被覆材
として用いられるジルコニウム(14億6600万円相当)も中国に不正輸出さ
れていた。

北朝鮮のために

不正輸出事件は2015年の14件から、17年及び18年の各々40件超へ、さらに
19年は3月までのわずか3か月間に30件以上へと、文在寅大統領の下で急増
した。日本政府は韓国政府に協議を呼びかけてきたが、「過去3年以上、
韓国政府との意思疎通は困難であった」と官房副長官の西村康稔氏が述べ
たように、文政権は話し合いに応じていない。

ここで私は、文大統領の秘書室長(官房長官)だった任鍾ル(イム・ジョ
ンソク)氏の奇妙な外国訪問を思い出す。17年12月、氏は4日間の日程で
アラブ首長国連邦(UAE)とレバノンを訪れた。当時両国には韓国部隊
が派遣されており、任氏は大統領特使として部隊激励のために中東を訪問
したという。だが大統領秘書室長の外国訪問は極めて異例である。任氏は
文氏の親北朝鮮政策の主導者であり、親北朝鮮のUAEやレバノンで、北
朝鮮の重要人物と接触か、などと取り沙汰されたが、結局、何もわからな
い怪しい訪問だった。

それから間もない18年1月1日、金正恩朝鮮労働党委員長が新年の挨拶で
「平昌五輪に代表団を派遣する用意がある」と発表した。朝鮮半島情勢激
変の始まりだった。このときまでに、韓国は国際社会による制裁破りも含
めて、北朝鮮のためにあらゆる障害を取り除くと、誓約でもしたのではな
いかと疑うものだ。

現在までに文在寅政権は、韓国軍から北朝鮮に対峙する力を殆んどすべて
奪い去った。対北防諜部隊は事実上解体され、韓国は北朝鮮の工作に対し
て完全に無防備だ。

韓国軍の武器装備体系にはイージス艦や潜水艦が含まれるが、海軍力が殆
んどない北朝鮮に対する備えとしては不必要なものだ。韓国保有の「玄武
2号」、射程300キロの弾道ミサイルは射程を更に長くしようと試みたが、
日本への脅威となるとして米国が止めさせた経緯がある。これらの武器装
備は日本を仮想敵国と位置づければおよそ全て納得できる。文政権が韓国
にとっての敵は日本だと見ていると、少なからぬ専門家が考えるゆえんで
ある。

韓国が北朝鮮にさらに宥和的になって、連邦政府などの形で統一に向か
い、大韓民国が北朝鮮に吸収されるとき、60万の韓国軍は日本への敵対勢
力となる。北朝鮮が核を諦めなければ統一朝鮮は核保有国となる。彼らは
前述のように多数の弾道ミサイルを有し日本攻撃も可能である。対する日
本には核は無論ない。弾道ミサイルもない。どのようにしてわが国を守る
のか、心許ない状況の日本に対して、トランプ米大統領の重大発言がなさ
れた。

米国に頼れない状況

6月24日、ブルームバーグ通信がトランプ氏の「日米安全保障条約は不平
等」「米国は日本防衛の義務を負うが、日本にはその必要がない」「日米
安保条約を破棄する可能性」もあるとの発言を報じた。26日にはトランプ
氏自身が「フォックスビジネス」の電話取材に応じて、「日本が攻撃され
れば、我々は第三次世界大戦を戦う。日本を守り、命と、大事なものを犠
牲にして戦う。しかし、我々が攻撃されても、日本は我々を助ける必要が
ない」と語った。大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議後の記者会見で
日米安保条約破棄の可能性を問われ、「全くない、ただ、日米安保は不平
等だ」とも言った。

現実を見れば、安保条約の破棄は見通せる近未来、日米双方の国益上考え
られない。それでもトランプ氏の一連の発言は「本音」であろう。

トランプ氏は、米軍が差し出すのは命だが、日本側は結局、金でしかな
い。「命と金」の引き替えは不平等だと言っているのだ。それに日本は応
えなくてはならない。

さらにもうひとつの問題が生じた。安倍総理がイランを訪問した6月13
日、ホルムズ海峡で日本の石油タンカーが攻撃を受けた。

7月10日には英国の石油タンカーがイラン革命防衛隊の武装船3隻に拿捕さ
れそうになった。英海軍の護衛艦「モントローズ」がイラン船に砲を向け
て警告し、イラン船は退散した。その後、英海軍は新たに駆逐艦「ダンカ
ン」を中東に派遣した。

この間イラン側は一貫して如何なる関与も否定しているが、9日、米国か
ら「有志連合」結成の提案がなされた。その主旨は、各国のタンカーの安
全は各国が守り、米軍は全体の調整をするということだ。

朝鮮半島、ホルムズ海峡、ペルシャ湾、すべてにおいて自国を自力で守ら
なければならない体制に、世界はむかっている。米国との緊密な関係だけ
に頼れない状況が生まれている。如何にして日本を守るのか。それをこの
選挙で問うべきであろう。

『週刊新潮』 2019年7月25日号日本ルネッサンス 第861回

◆郷愁を誘う「がめ煮」

                             毛馬 一三

友人が会合のあと二次会に誘ったところ、大阪梅田界隈のビルの地階にある古い暖簾の「小料理屋」だった。中に入るとコの字型の椅子席はほとんど満席。予約して呉れていたので座ることができた。

「小料理屋」では老主人が黙々と「つまみ料理」に専念し、老婦人が注文と配膳に気を配っている。ビールで軽く乾杯したあとは、壁に掛けられた「つまみの品」に自然と目が行き出した。下戸だから、酒を飲むより、旨い料理を食したほうが楽しい。

壁をぐるりと眺めて行くうち、はたと目が停まった。なんと「がめ煮」と書かれた品札がぶら下がっているではないか。「がめ煮」とは、筆者出身の福岡筑後久留米の郷土料理の呼称だが、この名前が品札で出されている店は滅多に無い。

そう言えばこの「がめ煮」は、筑後地方以外では「筑前煮」と呼ばれているが、本当は「がめ煮」と「筑前煮」とは具材の味の深みが違い、「がめ煮」の方が食の玄人向きかも知れない。

早速注文して味を確めたところ、味わってきた郷土味と似ていた。九州出の主人ではないにしては、腕は良いのだろう。

さてその「がめ煮」のことだが、博多の方言で「がめくり込む」(「寄せ集める」などの意)が、その名前の由来だとの説がある。

一方で、豊臣秀吉が朝鮮半島を攻めた文禄の役の時に、朝鮮に出兵した兵士が、当時「どぶがめ」と呼ばれていたスッポンとあり合せの材料を煮込んで食べたのが始まりとの説もある。

どうやらこの亀煮が、「がめ煮」と呼ぶようになったという説が、本当ではないだろうか。

しかしいつ頃からかは分からないが、「がめ煮」にはスッポンは使わず、代わって鶏肉をいれるようになった。この作り方を考え出した筑後地方が自慢の郷土料理に仕上げた訳だ。

子供の頃、「がめ煮」が食卓に出る時は、今とは違ってお正月などの祝い事の時だったので、この味に接すると昔の慶事がいろいろと蘇ってくる。

さて、作り方だが、
<一般の「筑前煮」と本場筑後「がめ煮」の一番の違いは、この最初に具材をすべて炒める手順にあるそうだ。まずはだし汁、シイタケの戻し汁、酒、醤油、みりん、砂糖を混ぜて鍋で煮立たせるのから始まる。

そこに、一口大に切った鶏肉を入れてひと煮立ちさせる。その後、里芋、干し椎茸を戻したもの、コンニャク、アクを抜いたゴボウ、レンコン、ニンジン、ナスで筍を一口大に切ったものなどを入れる。

野菜が柔らかくなるまで煮れば、出来上がり。煮あがったところにサヤエンドウにサヤエンドウを加えることもある。>

聞くところによると、福岡筑後の久留米市では2006年10月に作った久留米市食料・農業・農村基本計画で、本来の「がめ煮」を調理することのできる市民の割合を、2014年度までに65%とする目標を立てているという。

きっと「がめ煮」を筑後の伝統料理として後世に残したいためだろう。以前郷里久留米の姉の家に寄ると、昔ながらの見事な味の「がめ煮」を作ってくれた。里芋、椎茸、コンニャク、ゴボウ、レンコン、ニンジンの舌触りは、流石に昔ながらの本場の深みのある味だ。

今回の「小料理屋」で食した「がめ煮」の味は、長く離れた郷愁を誘ってくれた。「食べ物」とは底が深い。(了)
2010.04.16

参考 フリー百科事典ウィキペディア

2019年07月26日

◆フンセン、中国と海軍基地建設で

宮崎 正弘


令和元年(2019)7月23日(火曜日)通巻第6152号  <前日発行>

 フンセン、中国と海軍基地建設で秘密協定に署名か
   30年担保、99年リース、コッコン空港は2020年に完成

 偵察衛星によってカンボジアのタイ湾に面するコッコンの郊外に3600
メートルの滑走路がほぼ完成していることが判明した。大型ジェット機ば
かりか、この長さがあれば軍用の大型輸送機が発着できる。

かねて情報を掴んでいた米国は昨秋、ペンス副大統領がフンセン首相に書
簡を送り、中国の海軍基地使用を認めるのではないかと打診し、2019年1
月には米国防総省が、カンボジア国防相に問い合わせをしている。

フンセン首相も、カンボジア国防相も「そんなことはあり得ない。フェイ
ク情報だ」と頭から否定してきた。

コッコン開発はタイ国境に近いことからリゾート観光、ゴルフコースなど
を建設し、一帯を「一帯一路」の一環プロジェクトとして、中国は38億ド
ルの投資を表明した地域である。

しかし疑惑は深まり、ウォールストリートジャーナルは7月21日付けで、
「密約の機密文書にフンセンが署名した」と報じた。具体的にはコッコン
を30年の担保、99年のリースとしたことが判明したと報道した。

 この遣り方は、同様な契約を迫られて拒否したタンザニア大統領が、メ
ディアに暴露してことで、世界的に中国が同様なオファーをしている事実
も浮かんだ。
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)貴誌7月21日号の読者欄に関して、在日朝鮮人の辛氏は、
野村進『コリアン世界の旅』(講談社α文庫)でこのように。
(以下引用 P.133、辛淑玉へのインタビューより)

「私、1970年頃に阿佐ヶ谷の朝鮮学校(東京都杉並区の朝鮮第九初級学
校)に入るまでは、日本の小学校でいじめっ子だったんですよ。日本人の
子と「朝鮮人ごっこ」っていうのをして、「あんたは朴」「あんたは李」
と、私が決める。気に入らないと名前を付けてやらないわけ。そうする
と、みんな朝鮮人になりたくて、私に媚びてくるんですよ。でも、ならし
てあーげないって(笑)。ところが、朝鮮学校に入ったら、私より強いや
つが山のようにいる」(以下略)(KL生)

  ♪
(読者の声2)今回の参議院選挙で、改憲勢力は発議に必要な3分の2に
手が届きませんでした。憲法改正は遠のいたと思います。

自民党は議席を増やしていますから、一応は勝利なのでしょうが、相変わ
らず莫迦たちの政党が議席を取得しました。なんとも日本には政治がわか
らないポピュリズムが蔓延っているのでしょうねぇ。(GH生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)10代から20代の有権者の自民党支持が急増してお
り、旧「革新」を支えるのが「団塊の世代」以後、とくに60代から70代に
固まっています。

全体として左翼は減速しており、身内での票の取り合いが進んでいるとみ
ました。山本一派が2議席を取り、その代わりに川田龍平が落選しており
ます。

また「NHKから国民を守る党」が1議席とりましたね。快挙では?

一方で「維新」が意外なほど健闘しています。改憲勢力ですが、時代が急
変すれば、少数野党が立場をころりと変えるでしょう。

  ♪ 
(読者の声3)「2019年参議院選挙 ―日本よ、どこへ行く!」
参議院選挙の結果が出ましたが、改憲勢力は憲法改正に必要な3分の2の
多数を失ってしまいました。ペルシャ湾情勢も風雲急を告げる中、今後の
憲法改正と安全保障議論は、どこへ行くのでしょうか?

単なる結果としての議席配分だけではなく、その背景にある民意や政党の
支持構造、無党派層の動向等を知ることで、これからの日本の進路も見え
てくるのではないかと思われます。

そのようなことを目的とした以下の研究会に未だ少しの残席が御座いま
す。貴重な機会ですので多くの方々のお申し込みを待ち申し上げております。

2019年の参議院選挙は今後の憲法改正その他の国家としての日本の進む道
に大きな影響を与える重大なものと思われます。そこで、その結果を詳細
に分析し、背景にある民意を精密に知ることは、これからの日本を考える
上でも非常に重要なものと思われます。

米国型の科学的選挙分析に関する日本の第一人者が、そのような諸件を踏
まえて科学的データに基づいて解説してくださいます。貴重な機会ですの
で、多くの方々のご参加を待ち申し上げております。
            記
【日 時】 平成31年7月25日(木曜日)午後6時〜8時 (受付5時
30分)
【会 場】 憲政記念館・第2会議室 (千代田区永田町1-1-1/国会正面
向側)
【参加費】 2000円
【講 師】三浦博史:慶應義塾大学卒。安田信託銀行入行。その後1979年
から椎名素夫衆議院議員公設秘書を9年間務める。その間、社団法人国際
経済政策調査会事務局長等を歴任。1988年、米国国務省個人招聘プログラ
ムで米国に派遣。1989年、日本初の選挙プランニング会社である「アス
ク」を設立。代表取締役。以後、世界各地の選挙事情の情報収集などにも
努め、日本各地で行われる国会・首長・地方議会選挙で、わが国初の選挙
プランナーとして活動中。
演 題  「2019年参議院選挙 ―日本よ、どこへ行く!」
【主 催】グローバル・イッシューズ総合研究所
【要予約】以下の申込フォームから必ず事前にお申込みください。
https://ozakiyukio.jp/information/2019.html?fbclid=IwAR0bsevQSLSDlZOmpYYXqZhdiWSLNI6PCYAyFNYA_NxdohsvOcJjaFglKoc#0611
   (グローバル・イッシューズ総合研究所)
        
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)貴誌7月21日号の読者欄に関して、在日朝鮮人の辛氏は、
野村進『コリアン世界の旅』(講談社α文庫)でこのように。
(以下引用 P.133、辛淑玉へのインタビューより)

「私、1970年頃に阿佐ヶ谷の朝鮮学校(東京都杉並区の朝鮮第九初級学
校)に入るまでは、日本の小学校でいじめっ子だったんですよ。日本人の
子と「朝鮮人ごっこ」っていうのをして、「あんたは朴」「あんたは李」
と、私が決める。気に入らないと名前を付けてやらないわけ。そうする
と、みんな朝鮮人になりたくて、私に媚びてくるんですよ。でも、ならし
てあーげないって(笑)。ところが、朝鮮学校に入ったら、私より強いや
つが山のようにいる」(以下略)(KL生)

  ♪
(読者の声2)今回の参議院選挙で、改憲勢力は発議に必要な3分の2に
手が届きませんでした。憲法改正は遠のいたと思います。

 自民党は議席を増やしていますから、一応は勝利なのでしょうが、相変
わらず莫迦たちの政党が議席を取得しました。なんとも日本には政治がわ
からないポピュリズムが蔓延っているのでしょうねぇ。(GH生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)10代から20代の有権者の自民党支持が急増してお
り、旧「革新」を支えるのが「団塊の世代」以後、とくに60代から70代に
固まっています。

全体として左翼は減速しており、身内での票の取り合いが進んでいるとみ
ました。山本一派が2議席を取り、その代わりに川田龍平が落選しており
ます。

また「NHKから国民を守る党」が1議席とりましたね。快挙では?
一方で「維新」が意外なほど健闘しています。改憲勢力ですが、時代が急
変すれば、少数野党が立場をころりと変えるでしょう。

         

◆キザ龍も逝ッテしまった

渡部 亮次郎


橋本龍太郎さんが初入閣したポストは厚生大臣。お父上龍伍さんも
勤められたポストだったから、実に熱心に仕事をされた。特に阿波
丸遺骨収集では,園田直外相と連携する場面も多かった。

そんな関係で、外相秘書官だった私は、橋本さんの回顧録の宣伝文
を書かされた。私はためらい無く「若き実力者・・・」と書いた。

私より2つ年下。腹違いの弟さん(橋本大二郎高知県知事)はNHKの後輩
だが、年が違いすぎて、一緒に仕事をする場面は無かった。

それはともかく、園田外相が自民党国会対策委員長時代、メンバーの
一員でもあって親しかった橋本龍太郎さんが若くして亡くなってし
まった。

<橋本元首相が死去、68歳=省庁再編・沖縄問題に尽力

央省庁再編や沖縄の基地負担軽減などに取り組んだ橋本龍太郎(はしも
と・りゅうたろう)元首相が1日午後2時、多臓器不全などのため東京
都内の病院で死去した。68歳だった。東京都出身。

昨年8月の衆院解散を機に政界を引退した橋本氏は、環境などの分
野で活動を続けていたが、6月4日に腹痛を訴え緊急入院。腸管虚血
と診断され、大腸のほとんどと小腸の一部を切除する手術を受けた。

橋本氏は、厚相などを務めた父龍伍氏の死去に伴い、1963(昭和38)
年衆院旧岡山2区から出馬。26歳で初当選し、14回当選した。自民
党内で政策通として頭角を現し、78年の第1次大平内閣で厚相とし
て初入閣。

竹下登元首相(故人)が結成した創政会に参加し、竹下派では梶山
静六元官房長官(同)や小沢一郎氏(現民主党)らとともに「7奉行」
と称された。

その後、党幹事長、蔵相、通産相などを歴任。95年の自民党総裁選
で小泉純一郎氏(現首相)を破り第17代総裁に選出。96年1月、自民、社
会、さきがけ3党連立の村山富市首相に禅譲される形で第82代首相に就任
した。

行政改革や財政改革など「6大改革」を掲げ、中央省庁を現行の1府12省庁
に再編する案をまとめた。クリントン米政権との間で米軍普天間飛行場の
返還で合意し、ロシアのエリツィン大統領とは、2000年までの平和条約締
結に全力を尽くすとした「クラスノヤルスク合意」を結んだ。>  (時
事通信) - 7月1日17時0分更新

大のタバコ好きは有名だったが、大をつければ、風呂好きだった。
総理官邸に棟続きの公邸に住んだとき、24時間沸いている風呂をつ
けさせた。剣道の稽古にも熱心だったから、そうなったのかもしれ
ない。

それはそうと、総理大臣経験者でありながら、週刊誌でこれほど女
性がらみのスキャンダル記事を書かれた人は戦後初めてではないか。

宇野宗佑さんは神楽坂の芸者とのことをストレートに暴露されて有
名になったが、1回だけ。

ところが橋本さんは、ハンサム、イケメンのせいで東京での中国女性工作
員との交際に始まって、赤坂、新橋、柳橋、神楽坂花柳界に浮名流したこ
との数々。最もにぎわせたのは赤坂の天婦羅屋のマダムに富士銀行赤坂支
店から16億円を不正融資させた一件だろう。

女性がらみでなくても、日本歯科医師会から政治資金1億円を受領
しながら「記憶にありません」ととぼけて、元官房長官村岡兼造氏
に責任をなすりつけたのも記憶に新しい。

とくに天婦羅ママに16億円を融資させた事件については、不正融資
の罪を背負って懲役12年の刑に服した元課長が、2006年6月22日号の「週
刊新潮」に暴露記事を寄稿し、再び注目を集めたばかりだった。どうする
のだろうと心配した矢先に逝ってしまった。

厚生省のドンと呼ばれた人は時代の変遷と共に何人もいた。しかし、
橋本氏こそは死ぬまでドンだった。医療、薬品業界の利権の配分を
差配するだけでなく、厚生労働省の次官人事まで左右した。それに
よって泣きながら死んでいった何人かを私(元厚生大臣秘書官)は
知っている。

幼くして実母を失い、継母に育てられた。継母はいわゆるできた人
で、橋本氏も表面的には温和に育ったようだ。腹違いの弟さんとも
仲がよかった。だから大二郎さんも死の枕元にかけ付けたのだろう。

これほど役人に嫌われた政治家も珍しい。初入閣した時、厚生省の
与かる薬価基準を暗記して役人を厭がらせたなんていう話は、大臣
を務めた厚生,大蔵,通産の各省に山となっているはずだ。

キザで、すねる、ゴネるなど、いろいろいわれたが、これらのすべ
てが役人の分析。マスコミも彼を好きではなかったようで、週刊誌
に流して定着させた。

ただ、こうして68歳と言う若さで亡くなったことと考え合わせると
総理在任中、東京都新宿区の国立国際医療センターに長期入院中の
母親をひっきりなしに見舞うのは、自分の治療をカモフラージュす
る手段ではないかと疑って取材に来た記者は優れた記者だったと思
う。

橋本さんはどうも蒲柳の質だったようだ。両親ともに若死にだし、
ご自分も68とは今では若死にの部類だ。短い人生の中で、橋本さん、
たくさんの足し算とか掛け算とか割り算を強いられましたが、棺を
覆われて、何を思われたのでしょうか。合掌。2006・07・01

◆脅威に囲まれる日本、いま安保を考えよ

櫻井よしこ


7月1日、経済産業省が「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」
を発表した。韓国向けのフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の輸出
審査の厳格化が内容だ。

これらの戦略物資は、これまで韓国をホワイト国、即ち、貿易管理の体制
が整った信頼できる国であると見做して3年間申請不要で許可していた。
だが後述するように韓国はもはや信頼できる貿易相手ではないと判明し、
7月4日以降、輸出案件毎に出荷先、量などを日本政府に申請し、審査を受
けさせることになった。

「朝日新聞」は同措置を安倍晋三首相による韓国への感情的報復措置とみ
て「報復を即時撤回せよ」と社説で主張したが、的外れだ。そもそも今回
の措置は、「禁輸」ではない。これまでの優遇措置を改めて普通の措置に
戻すだけである。たとえばEUは韓国をホワイト国に指定しておらず、普
通の国として扱っている。日本もEU同様、普通待遇で韓国と貿易すると
いうだけのことだ。

安倍総理は地域の安定を損なう通常兵器や関連技術の移転防止をうたう
ワッセナー協約に日本も入っていることを踏まえ、こう語っている。

「今回の措置は安全保障上の貿易管理をそれぞれの国が果たしていくとい
う義務です。相手国が約束を守らないなかでは優遇措置は取れないのであ
り、当然の判断です。WTO違反ではまったくない」

国連安保理・北朝鮮制裁委員会専門家パネルの元委員、古川勝久氏が
FNNPRIMEで指摘した。

「2015年から19年3月の間に韓国国内で摘発されたのは計156件でした。そ
のうち、実に102件が大量破壊兵器(WMD)関連事件でした」

氏が示した具体例の中には、核弾頭や遠心分離機のパーツ等の製造にも使
用されうる高性能の精密工作機械などがあった。「核兵器製造・開発・使
用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制」(NSG)の規制対象と
なる工作機械類の不正輸出事件も多数摘発されていた。核燃料棒の被覆材
として用いられるジルコニウム(14億6600万円相当)も中国に不正輸出さ
れていた。

北朝鮮のために

不正輸出事件は2015年の14件から、17年及び18年の各々40件超へ、さらに
19年は3月までのわずか3か月間に30件以上へと、文在寅大統領の下で急増
した。日本政府は韓国政府に協議を呼びかけてきたが、「過去3年以上、
韓国政府との意思疎通は困難であった」と官房副長官の西村康稔氏が述べ
たように、文政権は話し合いに応じていない。

ここで私は、文大統領の秘書室長(官房長官)だった任鍾ル(イム・ジョ
ンソク)氏の奇妙な外国訪問を思い出す。17年12月、氏は4日間の日程で
アラブ首長国連邦(UAE)とレバノンを訪れた。当時両国には韓国部隊
が派遣されており、任氏は大統領特使として部隊激励のために中東を訪問
したという。だが大統領秘書室長の外国訪問は極めて異例である。任氏は
文氏の親北朝鮮政策の主導者であり、親北朝鮮のUAEやレバノンで、北
朝鮮の重要人物と接触か、などと取り沙汰されたが、結局、何もわからな
い怪しい訪問だった。

それから間もない18年1月1日、金正恩朝鮮労働党委員長が新年の挨拶で
「平昌五輪に代表団を派遣する用意がある」と発表した。朝鮮半島情勢激
変の始まりだった。このときまでに、韓国は国際社会による制裁破りも含
めて、北朝鮮のためにあらゆる障害を取り除くと、誓約でもしたのではな
いかと疑うものだ。

現在までに文在寅政権は、韓国軍から北朝鮮に対峙する力を殆んどすべて
奪い去った。対北防諜部隊は事実上解体され、韓国は北朝鮮の工作に対し
て完全に無防備だ。

韓国軍の武器装備体系にはイージス艦や潜水艦が含まれるが、海軍力が殆
んどない北朝鮮に対する備えとしては不必要なものだ。韓国保有の「玄武
2号」、射程300キロの弾道ミサイルは射程を更に長くしようと試みたが、
日本への脅威となるとして米国が止めさせた経緯がある。これらの武器装
備は日本を仮想敵国と位置づければおよそ全て納得できる。文政権が韓国
にとっての敵は日本だと見ていると、少なからぬ専門家が考えるゆえんで
ある。

韓国が北朝鮮にさらに宥和的になって、連邦政府などの形で統一に向か
い、大韓民国が北朝鮮に吸収されるとき、60万の韓国軍は日本への敵対勢
力となる。北朝鮮が核を諦めなければ統一朝鮮は核保有国となる。彼らは
前述のように多数の弾道ミサイルを有し日本攻撃も可能である。対する日
本には核は無論ない。弾道ミサイルもない。どのようにしてわが国を守る
のか、心許ない状況の日本に対して、トランプ米大統領の重大発言がなさ
れた。

米国に頼れない状況

6月24日、ブルームバーグ通信がトランプ氏の「日米安全保障条約は不平
等」「米国は日本防衛の義務を負うが、日本にはその必要がない」「日米
安保条約を破棄する可能性」もあるとの発言を報じた。26日にはトランプ
氏自身が「フォックスビジネス」の電話取材に応じて、「日本が攻撃され
れば、我々は第三次世界大戦を戦う。日本を守り、命と、大事なものを犠
牲にして戦う。しかし、我々が攻撃されても、日本は我々を助ける必要が
ない」と語った。大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議後の記者会見で
日米安保条約破棄の可能性を問われ、「全くない、ただ、日米安保は不平
等だ」とも言った。

現実を見れば、安保条約の破棄は見通せる近未来、日米双方の国益上考え
られない。それでもトランプ氏の一連の発言は「本音」であろう。

トランプ氏は、米軍が差し出すのは命だが、日本側は結局、金でしかな
い。「命と金」の引き替えは不平等だと言っているのだ。それに日本は応
えなくてはならない。

さらにもうひとつの問題が生じた。安倍総理がイランを訪問した6月13
日、ホルムズ海峡で日本の石油タンカーが攻撃を受けた。

7月10日には英国の石油タンカーがイラン革命防衛隊の武装船3隻に拿捕さ
れそうになった。英海軍の護衛艦「モントローズ」がイラン船に砲を向け
て警告し、イラン船は退散した。その後、英海軍は新たに駆逐艦「ダンカ
ン」を中東に派遣した。

この間イラン側は一貫して如何なる関与も否定しているが、9日、米国か
ら「有志連合」結成の提案がなされた。その主旨は、各国のタンカーの安
全は各国が守り、米軍は全体の調整をするということだ。

朝鮮半島、ホルムズ海峡、ペルシャ湾、すべてにおいて自国を自力で守ら
なければならない体制に、世界はむかっている。米国との緊密な関係だけ
に頼れない状況が生まれている。如何にして日本を守るのか。それをこの
選挙で問うべきであろう。

「 脅威に囲まれる日本、いま安保を考えよ 」

『週刊新潮』 2019年7月25日号
日本ルネッサンス 第861回


◆美味い自家製「紫蘇濃縮ジュース」

毛馬 一三


今年も、「紫蘇(しそ)濃縮ジュース」つくりの季節になった。

健康にいいから是非と団地内の友人の勧めで初めてトライしたのが、この「紫蘇(しそ)濃縮ジュース」つくりの始まりだった。

コップの中に氷に混ぜてストローで口に含むと、なんとまあ、風味・舌触り、美味さは抜群。市販のジュースなど論外だ。赤みの色合いにも魅かれてすっかりハマった。この季節の到来を今か今かと我が家は待っていた次第。

今年手に入れた紫蘇は、去年より鮮度が劣っていそうで、出来栄えはどうかなと家内は気にしていたが、出来上がったジュースは去年より味が濃くて美味さも格別。むしろ今年のほうが私向きだ。

さて、「紫蘇(しそ)濃縮ジュース」のつくり方を再掲したい。

<紫蘇(しそ、学名Perilla frutescens)は、シソ科のシソ属の植物。中国原産。
紫蘇には、こんな由来がある。中国の後漢末、洛陽の若者が蟹を食べすぎて食中毒を起こし死にかけたが、名医・華陀が薬草を煎じ、「紫の薬」を作り、同薬を用いたところ、若者はたちまち健康を取り戻した。「紫」の「蘇る」薬だというので、この薬草を「紫蘇」というようになった>。

紫蘇の品種は2種類がある。「青紫蘇」と「赤紫蘇」である。
<i)青紫蘇は、葉や花を香味野菜として刺身のつまや天ぷらなどにする。青紫蘇の葉は野菜としては「大葉(おおば)」とも呼ばれる。
i)赤紫蘇は、梅干しなどの色づけに使用。また葉を乾燥させたものは香辛料として(特に京都で)味唐辛子に配合され、ふりかけなどにも用いられる>。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

ところで、自家製で作る「紫蘇濃縮ジュース」には、「赤紫蘇」を使う。世間で作り方は幾通りもあるようが、家内が手ほどきを受けた作り方が、最高だったので、その作り方をご紹介したい。

<作り方>
(1)紫蘇(300g)を水できれいに洗い、水気をよく切って鍋に入れる。
(2)鍋に水(450cc)を入れ、その中に砂糖(600g)とクエン酸(20g)を加える。
(3)紫蘇を満遍なく混ぜて、鍋をガスの中火で煮出す。
(4)10分ほど沸騰させ、紫蘇の中から泡が出したら火を止める。
(5)鍋で煮だった紫蘇を別のボールに、ザルで濾す。
(6)絞り紫蘇液が自然に冷めたら、その中に「ゆず酢」を大匙2杯弱入れる。これがこの濃縮ジュースの「隠し味」。
(7)真っ赤な紫蘇濃縮ジュースが出来上がったら、氷を入れたコップに濃縮ジュースを好みに応じて注ぎ、水や炭酸水などで4倍に薄めて飲む。

これだけの作り方で、900ccの「紫蘇濃縮ジュース」が出来上がる。冷蔵庫で保存すれば、半年の賞味期限があるという。

この「紫蘇ジュース」は、紫蘇の栄養であるビタミン類、ミネラル類が含まれているので薬用効果があり、アレルギー体質、生活習慣病、食中毒予防等に効果があるそうだ。ただし糖分の加減で、飲む量は1日2杯に抑えたほうがいいとの助言もしっかり脳に刻んでいる。

手前味噌ながら風味・美味しさ抜群の「紫蘇濃縮ジュース」の作り方を紹介させて頂いたが、このジュースが他の作り方と違う点は、隠し味の「ゆず酢」。興味を感じられたら、いま盛りの「赤紫蘇」を求めて作ってみられることを再度、お勧めしたい。
(了  再掲)                             

2019年07月25日

◆雀庵の「戦艦三笠で海戦追体験」

“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/1】巨大で精巧な偽千円札を造って世間の度肝
を抜き、めでたく逮捕されて大いに満足したであろう赤瀬川原平が、「好
きなことばかりに心を奪われるのは、苦労を嫌がる怠け心だ」と読者を
“叱責”していた。自嘲を込めた小話、落語の「まくら」、本番前の前技み
たいなもので、共にハハハと笑っていればいい。

しかし、ロシア、支那など独裁国のアネクドートのようにピリッとした真
実はある。7/21の参院選で憲法問題はほとんど関心を呼んでいなかったよ
うだが、考えようによっては「国民は今の世に満足している」ということ
ではないか。国論を二分する大論争、両派が激突して死傷者続出、投票率
は90%!なんていう事態は誰も望んではいまい。激しい対立や憎悪、苦労
は嫌なもの。香港はどうなるのだろう。

美味しいものがいっぱいあって、お気に入りの服も手に入れやすく、楽し
い娯楽もある、桃源郷、ネズミ―ランド、温泉、スマホ・・・昨日、Kが深
刻な顔をして小生の隔離室に来た。何だろうと不安になったら「あんた、
BSが映らないのよ、韓流ドラマをビデオにとっているのに、あんた、変な
ことしたんじゃない!」。

「何だろうね」とプライヤーをもって展望塔に昇り、回路ボックスを開け
てみたが異常はない。「分からんなあ・・・」と、プライヤーでコツコツ
やっていたら、「アンタ、映った、映った!!」。All is right 世は事
もない。

日本はいい国なのである。火中の栗に手を出せばオイシイかもしれない
が、火傷の恐れもある。先送りできるのだから、何も今、デイリ、喧嘩を
始めなくってもいいじゃないの、韓流ドラマ、一緒に見ましょうよ・・・

冷戦は仕方がないけれど熱戦は勝っても負けても被害は甚大だからなあ、
まさか「有権者の皆さん、喧嘩はわしらがやるさかい、あんたたちは神輿
に乗って、黙ってドーンと構えておりゃええんよ、のう」と言うわけにも
いかないし。

第1次大戦。たった2発の銃弾(+小型爆弾の誤爆)がなんであんな悲惨
極まりない空前絶後の大戦争になったのか、今でも学者も分からないよう
だ。隣国というのは昔から厄介なもので、「遠交近攻」が当たり前で、近
攻を我慢し続けていると内圧が高まって大爆発するのか。火山とか地震み
たいで、もう人智を超えているようだ。

第2次大戦は独VS米のヘビー級タイトルマッチで、ミドル級の日本はやる
気がないのに米国から開戦を挑発された。売られた喧嘩を買わずに小さな
4島に引き籠ったら、今は恐らく三流国、ヘタレのコペル君だろう。日本
は1ラウンドか2ラウンドしかもたないと分かっていても吶喊していった。
その結果として国破れて焦土あり、腹は減れども食うものなし。

しかし、格下の日本が米英仏蘭露にファイティング原田のように果敢にパ
ンチを繰り出し、16世紀以来先進国に植民地化されイジメられてきた有色
人種に大きな勇気を与えたから、世界中から植民地がなくなったのである。

20世紀の最大の世界史的事件は「日本の猛勇・蛮勇・英雄・義侠・狂気的
特攻による世界の植民地解放」、次いで「共産主義の自滅」「米国一強体
制」だろう。100年、200年後には世界の歴史家はそう書くはずだ。

中共は「敵のすきを狙って勝ったら攻める、負けたら36計逃げる」とい
う、毛沢東が世界で初めて理論化し確立したゲリラ戦は得意だろうが(IS
はこれを学んだとか)、正規戦はどうも苦手のようで、中越紛争では散々
な目に遭った。ゲリラ戦でも米軍を追い出したベトナム軍の方が上手だ
し、中共は尻尾を巻いて逃げた。

中共は海戦も空戦も実戦経験が乏しい。中共の海軍、空軍を作ったのは終
戦で武装解除し赤軍(赤匪)に投降した日本軍である。「良い鉄は釘には
ならない」と兵士を軽侮する支那では武士道精神や戦陣訓は伝わらなかっ
ただろう。

中共の兵器はパクリで近代化できるが、最新鋭の戦艦、戦闘機であっても
勇猛果敢で訓練を積んだ将兵がいなければ戦争できないのではないか。

パクスアメリカーナが揺らいでくれば中共はすきを狙って台湾、南シナ
海、東シナ海で開戦する(したい)だろう。国内を団結させることにもな
るし、負けても14億の国を占領して面倒を見るなんて奇特な国はない。た
だ、中共は泰平の眠りをむさぼる日本を目覚めさせる“黒船”にはなる。そ
れは日本にとっては「普通の国」になる僥倖だが、中共にとっては藪をつ
ついて鬼、倭寇を出す奇禍、愚作、亡国になるだろう。

Z旗とともに日はまた昇り、中共包囲網は、昔は竹のカーテンだったが、
今度は鋼のカーテンどころか壁になる。「文明の衝突」であり「新版歴史
の始まり」だが、やがて支那全土は太子党、上海閥、共青団などの衝突に
加えて、ウイグル、チベット、モンゴルなどの独立運動が火を噴くから長
期の内乱になる。建国100年の2049年はどうなっているのか。

あのソ連は建国から72年で消滅した。赤い支那が2021年以降も健在ならば
新記録だが、米国は政権が変わっても中共を締め続けるだろうから、5年
後、10年後は分からない。独裁政権は軍が離反するとあっという間に潰れ
る。チャウシェスク、フセイン、カダフィは政変の始まりと同時に殺された。

先日、親友2人と横須賀へ行った。戦艦三笠の最上艦橋、日本海海戦(明
治38/1905年5月)で露バルチック艦隊を迎撃した東郷司令長官が戦闘の指
揮をとり、秋山作戦参謀らの立っていた所はプレートが示されており、そ
こに立つと「敵艦見ゆとの警報に接し、連合艦隊はただちに出動これを撃
滅せんとす。本日天気晴朗なれども波高し」の有名な秋山参謀の打電が思
い出された。Z旗が掲げられ「皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励
努力せよ」と鼓舞した。

特務艦など後方支援船を含めると日本100隻、露160隻の大艦隊の激突で、
日英同盟の協力もあって日本は圧勝した。インドのネルー、支那の蒋介
石、イスラエル再建を先導したトランベルドール・・・日露戦争での日本
の勝利は虐げられていた民族に大きな勇気をもたらしたのだ。

足萎えで500mしか歩けない小生は先人の「立つんだ、ジョー!」の声に励
まされ、杖を頼りに7000歩も歩いた。三笠をじっくり見学し、横須賀軍港
めぐりの観光船で潮風を浴びて、もうすっかりエクスタシー。でも「天気
晴朗なれども足腰痛し」、果たして「大義に死す」機会はありやなしや。

おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉(蕉翁)

老いた鵜は月夜の海に放たれるのか。桟橋から飛び込もうとすると屈強な
漁師に羽交い絞めされて「ダメだよ、爺さん、こんなところで自沈された
ら皆の迷惑だ。第一、海洋汚染になるだろうが!ウッタク」なんて言われ
そうだな。「地球温暖化」では研究費を引っ張れなくなった学者どもは今
度は「海洋プラゴミ」で稼ごうというのだろう。セコイ、セコスギ! 
ま、みんな、どっこい生きている。

生きるのは大変だが、美しく、格好よく死に花を咲かせるのはとても難し
そうだ。指揮者なら(バイトの唱道する)ブラボーの声の中で心臓発作、
なんて一種の戦死で絵になるが、そういう機会は天恵で、凡婦凡夫は「せ
めて自宅で」がいいところか。

乃木大将の「水師営の会見」は日本と世界へ向けての最後の挨拶だったの
だろうなあ。起承転結の人生のオチ、サゲ、エピローグ、結は難しい。
「ケツ」・・・「自分で自分のケツを拭く(自分の不始末の後処理を責任
持って自分でやる)」。きれいに拭かないと「クソヂヂイ」か。時効とか
免罪符はないのだろうか。

発狂亭“異端爺”雀庵の病棟日記から。

【「措置入院」精神病棟の日々(121)】【2016/12/29】【産経】「安倍
首相 真珠湾慰霊」。1941年12月8日の開戦から75年、45年8月15日の終戦
から71年、恩讐の彼方に「戦後」は終わり、新たな「戦前」が始まってい
るのだろうか。目の黒いうちに中共崩壊を見たいものだ。

阿比留瑠比ボナパルト曰く「寛容の価値 中韓に迫る」って・・・彼らの
政権 or 民族の基軸は「反日怨恨」であり、寛容や受容は永遠にあり得な
い、というのが真実だ。阿比留先生、ないものねだりは止めましょう、
放っておけば潰れますから。

それにしても欧州に参戦したいからハワイの4000人を犠牲に日本を罠にか
け、ハワイ攻撃をさせるなんて、アカのFDR(ルーズベルト)一派はフー
バー前大統領の言うように「狂気」だ。この間の事情を伝える公文書は
100年間は機密とされていたが、最近は130年に延長されたとか。

この狂気のお陰で米国は戦後世界の王者になった。だが4000人とその遺族
に犠牲を強いたことは、沈黙や虚偽ではなく、真実を語り、謝罪し報い、
償うべきだろう。この総括こそが戦後ジグソーパズルの最後のワンピース
になり、歴史博物館の壁に掲げられることになるだろう。

石平「トランプショック 習政権翻弄」、中共軍が米軍の無人潜水機を盗
んだものの慌てて返した件。中共の南海艦隊が北京中央の気を引く(譲歩
を促す)ために個人あるいは組織としてやったのだろう。南海艦隊は胡錦
濤、李克強が率いる共産主義青年団が牛耳っている。北京は軍を掌握でき
ていないのではないか。レームダックが始まっているのかもしれない。

田村秀男+浜田宏一対談「トランプ次期政権 日本経済どうなる」。田村
「日本はカネ余りです。企業も金融機関もそれぞれ300兆円を超す資金を
寝かせている。米国は日本企業の直接投資と銀行の融資を必要としてい
る。日米緊密化は必然ですね」

カネがあるのだから国内に投資しろよ、国内に! 給料を上げて皆を元気
にさせ、消費を増やせよ。首都高などのインフラの老朽化を阻止するな
ど、やるべきことは多い。辰巳JCなんてまるで絶叫マシンで、通るたびに
ゾッとする。大地震に耐えられるのか。日本橋の上の首都高なんてみっと
もない、まるで国辱だ。そのうち世界珍奇愚作奇怪遺産になりそうだ。
(つづく)2019/7/24

◆GAFAは敵なのか、味方なのか

宮崎 正弘


令和元年(2019)7月23日(火曜日)弐 通巻第6153号 
 増ページ特大号〜

GAFAは敵なのか、味方なのか
  独禁法違反もなんのその、中国に協力する懲りない面々

 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)への締め
付けが欧米間で進んでいる。

GAFAは国境を無視したかたちで国際的なSNSの拡充、送金の自由、
手数料の低減などを実現する一方で、ハッカー、サイバー犯罪を助長し、
テロ組織への資金供給のネットワーク構築にも結果的に協力することに
なった。

自由主義経済システムから生まれたビジネスモデルが、西側の安全保障を
脅かす脅威となったのであり、歴史のアイロニーかも知れない。

まずG7で協議されている課題はGAFAの「課税逃れ」対策である。
「節税」と「脱税」は区別されるはずだが、GAFAの税金対策は徹底し
ていて、4社で74兆円もの売り上げを誇りながら、巧妙な手口で、本来収
めるべき税金を逃れてきた。

GAFAが法源として弁解・活用したのは、営業の「拠点」が恒久的施設
(PE)でなければ、課税対象とはならないという法律の穴をつき、例え
ばアップルは税率の低いアイルランド子会社を利用、グーグル日本支社
は、シンガポール子会社との間で広告契約として節税していた。
 
G7では、GAFAの課税逃れを見逃さず、先進国が一致して共通ルール
による課税強化策を講じるという方向はでたが、フランスが強く反対し
て、先へ進んでいない。ともかくG7は、危機感の共有で認識を共有した
ことは事実である。
 
G7各国は安全保障上の共通の利害を共有できても、税金では対立する。
2019年7月10日、フランスは米国との事前協議なしに「デジタル課税法
案」を議会通過させたため、税収が減ることになる米国が激怒した。

同月17日からフランスで開催された「G7中央銀行総裁、財務相会議」で
は、この課税問題を集中的に議論したが、まとまりがつかなかった。
 
就中、フェイスブックは問題視され続けてきたデジタル企業であり、規制
強化の方向性はワシントンで明確にでていた。法律制定には公聴会や専門
家のパネルを重なる必要があり、実際の規制強化には1年以上の時間がか
かるとされる。

2018年3月にフェイスブックから8700万人分の個人情報が漏洩したため、
司法省が調査してきた。西側のコンセンサスはプライバシー保護であり、
司法省の調査を待って米連邦取引委員会が制裁金を課すことになる。制裁
金は5400億円相当になると予測されている(すでにフェイスブック
は、制裁金を予測し積立金を準備中である)。


 ▲プライバシーが盗まれても、平然としているフェイスブックのダーク
サイド

GAFAへの規制強化に関しては欧米、ならびに日豪がほぼ共通の懸念を
抱いており、米国では連邦議会とは別にカリフォルニア州は単独で個人情
報保護の新法を制定した。

EU諸国でも個人情報管理を規制強化しており、EUはスマホOSとアプ
リの組み合わせは独占禁止法に抵触するとしてグーグルに制裁金を、フラ
ンスはプライバシー問題でもグーグルに制裁金を課した。

ドイツはフェイスブックの利用者からのデータ収集に対して大幅な制限を
かけ、またEUはインターネット広告問題でグーグルに制裁金を課した。
米FTCもグーグルに2250万ドルの制裁金を課した。

次なる難題はフェイスブックが発行を予定している仮想通貨(暗号通貨)
の「リブラ」をめぐる意見衝突である。

フランスは「通貨主権が侵される怖れが高く、金融システムに深刻な悪影
響がある」と根底からの疑念を表明した。

ムニューシン米財務長官も「国家安全保障上問題が多い」とG7で発言し
た。この文脈から見えてくるのは中国対策と同義語である。
 
フェイスブックは、親中企業として有名である。なにしろCEO夫人は中
国人。ザッカーバーグは何回も中国に通うほどに、依然として中国の巨大
なマーケットを狙っている。

フェイスブックは世界で27億人が利用している巨大デジタル産業だが、個
人情報の漏洩というスキャンダル、そして選挙介入の「前科」があるた
め、米国議会の多くは「フェイスブックは危険である」と批判してきた。

「リブラ」に中央銀行が反対なのは多くの理由がある。

仮想通貨で決済が可能となれば請求書や振り込み手数料が軽減されるもの
の、それはドル、ユーロ、円などの資金需要を減退させる。究極的にはド
ル基軸体制が破綻する。

第一に通貨発行、通貨供給量を決めるのは各国の中央銀行の裁量であり、
仮想通貨が出回ることは経済主権が侵されるばかりか、国家そのものの存
在が問われる。独立国家としての主権が脅かされるからだ。

第二にマネーロンダリングに使われることは明らかであり、監視網がさら
に必要とされる。監査を強化すれば、資金洗浄の手口はますます高度化す
るといういたちごっこが現状だが、銀行を経由しない送金が可能となれ
ば、まともな監査も出来なくなる。

第三にテロリストへ資金が流れる可能性を否定できないことだ。犯罪行為
への送金も可能であり、言ってみれば暗号通貨「リブラ」発行という行為
は、国境をなくすのではなく国家をなくすという過激グローバリズムの権
化と認識されるからだ。


 ▲トランプ政権が迅速に動いた。

リブラ阻止。明確な行動目的を掲げて議会も動き出した。もとよりFRB
は反対の急先鋒だ。そのうえ、米国はリブラが国際的に流通する前に厳し
い規制をかけ國際的な包囲網を形成する方針である。

英国でもカーニー(イングランド銀行総裁)は、資金洗浄対策が不安定
で、事業開始は認められない」と発言している。

7月16日には米上院銀行委員会が公聴会を開催し、フェイスブック幹部を
呼んで、以下の問いかけを行っている。すなわち「マネーロンダリング対
策は万全なのか」「サービスを個人データに収集するのではないのか

「なぜグーグルは米国を避けて、このリブラの拠点をスイスに置くのか。
課税逃れではないのか」など。

対してフェイスブックのデビット・マーカス副社長は「そもそもリブラは
フェイスブック主導とはいえ、マスターズ、ヴィザ等クレジットカード会
社など28社が参加する「リブラ協議会」のような多国籍企業であり、本
拠をスイスに設置するからにはスイス当局(スイス金融飯場監督寄稿)の
監査に従うし、米国の規則に従う」と明言した。

だが、いまの法体系では独禁法適用しかなく、銀行ではないフェイスブッ
クのビジネスモデルを規制する法律はない。

日本も同じ状況だが、大手SNSの言論空間では保守的な意見を書き込む
とネットから削除される。このような世論操作的な行為が頻繁に組織的に
行われており、グーグルやフェイスブックの言論操作、フェイク情報の垂
れ流しはかねてより問題視されてきた。
 

 ▲グーグルと中国の関係を調べ上げろ

米国の包囲網形成には欧州と日本が同意を示しており、過去の多くの情報
漏洩、個人データの売却ならびに詐欺事件の頻発など、その暗い「実績」
を前にすれば欧米日が、ことのほかフェイスブックに慎重に、否定的にな
るのは当然と言えるだろう。
 
トランプ大統領は「フェイスブックのリブラは信頼性がない。銀行規制を
課すべきだ」とし、パウエルFRB議長も「消費者保護で深刻な懸念を払
拭できない」と牽制した。

またウォーターズ下院金融委員長は「国家安全保障の観点からも開発を一
時中止せよ」。上院のタカ派テッド・クルーズは「反トラスト法に触れる
深刻な問題である」。

「議会と政権が珍しく共闘を演じるのはリブロと中国問題だ」と或る議員
は批判のトーンを高め、「いっそのことリブロ解体が望ましい」とする。

IMFは暗号通貨に関しての報告書をまとめ、金融政策の機能喪失の懸
念、マネーロンダリングの怖れに加えて、銀行業務の縮小懸念をあげた。

以上見てきたようにリブラに関してはフェイスブックだが、ほかにも議会
公聴会にはアマゾン、アップル、グーグルの幹部が召喚され、独占禁止法
抵触、機密情報漏洩、データの流用懸念などについて執拗に質問を浴びせた。
 
トランプ大統領は7月16日に「グーグルと中国の関係」、つまりグーグル
が中国軍に協力している疑惑に対して調査を命じた。
   
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1929回】          
 ――「支那は日本にとりては『見知らぬ國』なり」――鶴見(22)
  鶴見祐輔『偶像破壊期の支那』(鐵道時報局 大正12年)

では、なぜ第2の考えは成り立たないのか。かつて「支那即ち世界であつ
た」。だが、いまや「世界の一部分」であるばかりか「外國の壓迫といふ
ことが支那の政治的大因子であ」り、それ故に「悠長なる無政府状態も、
變遷的過渡期も支那民族にとつては之を續けて行くことが出來ない状態に
なつてゐる」からである。

次に「現状を不滿足なりと爲し革新をしなければならぬといふ説」だが、
今後の変化の可能性について鶴見は「凡そ六つの假定を想像して見る」。
 「その一つは英雄時代の出現である」が、「英雄政治の出現は先づ以て
覺束ないと見る方が穩當である」。

「第二の假定は、英米流のデモクラシー、即ち代議院制度に落付くであら
うといふ説」だが、「支那の如く、英米に全く異なる傳統を有し、國情を
有するところの國に、急に英米流の代議院制度が行はれるといふことは想
像し難きところである」。

「第三に、然らば中央集權に依るところの代議院制度は不可能であるにし
ても地方分權に依るところの聯省自治が可能ではないかといふ問題があ
る」が、その前提としては「支那人が自治の能力を本當に發揮し得る」の
か。加えるに「その自治をしたところの支那人が、果して聯省といふやう
な形で一國を成して存在し得るかどうか」――この「二つの條件」を満足さ
せる必要がある。

「第四に起きる假定は、經濟的立國論」である。これは「政治的に強き政
府を造らなくとも、各地方に産業を興して、支那といふ一個の社會が確立
すれば支那が發達する」という考えだが、ならば「今日直ちに政治的方面
から支那を開發しないでも宜からうといふ」わけにはいかないだろう。

「第五には、昨年華盛頓會議の際、唱へられた所謂支那の國際管理問題で
ある」。その場合、「世界の文明國が公平無私の考を以て支那の爲に政治
を代行する」といふ大前提が必要だが、「列國が果してそれだけの人道的
心持を以て利?を措き、他國の行政を管理し得」るわけがない。それが可
能だったとしても、「國家の體面上」、「支那人は決して之に黙從しまい
と思ふ」。

「第六に起つて來る假定は、支那が凡ての改革手段に失敗したる曉には、
寧ろ露西亞の如く外國との連絡を斷つた一個の社會主義國となることが可
能であるかどうかといふ事である」。当然のように「それは非常に大きな
冒險である」。それというのも、「支那人が果して社會主義の思想を有す
る國民であるかどうか」に加え、「露西亞と異つて支那は外國から侵入さ
れ易き境涯に在る」からであり、であればこそ社会主義化して対外閉鎖を
実行した場合、「外國が之を黙認するかどうか」が「明らかな問題」だか
らである。そこで社会主義化は「成功の可能性が頗る薄弱」と結論づけた。

ところが鶴見の旅行から27年5カ月ほどが過ぎた1949年10月1日、毛沢東に
率いられた共産党は「非常に大きな冒險」の末に、「露西亞の如く外國と
の連絡を斷つた一個の社會主義國」を地上に出現させてしまった。

「支那人が果して社會主義の思想を有する國民であるかどうか」に拘わら
ず、「外國から侵入され易き境涯に在」ろうがなかろうが、さらには「外
國が之を黙認するかどうか」の別なく、である。

しかも建国後を振り返ってみると、「先づ以て覺束ないと見る方が穩當で
あ」ったはずの「英雄政治」が毛沢東の手で実践されてしまった。もっと
も毛沢東の治世は独裁政治であったとしても決して「英雄政治」ではない
と否定されたらそれまでではあるが。
 
27年5カ月ほどを間に挟んだ中国の激変を、鶴見はどのように考えたの
か。もっとも日本も、中国をめぐる国際社会の政治力学も激変に継ぐ激変
であったわけだが。《QED》


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読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
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(読者の声1)ニューズウィークが特集号を出したMMT理論ですが、
ネットで経済評論家の三橋貴明氏が次のようにスティファニー・ケルトン
教授と講演、対談した成果を書かれています。

1.政府の財政赤字は、政府以外の経済主体にとっての黒字
2.国債発行残高は、政府が支出し、徴税で回収しなかった貨幣の履歴
(歴史的な記録)
3.経済の制約は財政ではなく、インフレ率(リソース、供給能力)
4.徴税は、国民の支出能力を奪い取る装置。消費税増税は消費抑制政策
5.経済がバランスしていれば、財政は赤字でも黒字でも均衡でも良い
6.日本は金融政策で国民の債務を増やすのではなく、財政政策で国民の
所得と自信を増やせ!

日本のマスコミは「黒船」に弱い。おまけに金髪で美人のアメリカ人経済
学者の主張となると、それなりに報じてくれるわけです(ケルトン教授を
お呼びした甲斐があった)。というわけで、「completely wrong(でたら
め)」な主流派経済学を否定するためのレトリック、手法は、なかなか洗
練されています。例えば、MMTの始まりと言える「ウォーレン・モズ
ラー氏の名刺」の話や、国民経済を「シンク(水槽)」にたとえる手法
は、見事の一言です。
【Front Japan 桜】ケルトン教授が明かした政府支出と税金の真実(他)
https://youtu.be/ywx-vplOG60
モズラー氏の名刺やシンクは、早速、チャンネル桜の番組で使ってみまし
た。いや、これは使える! あるいはケルトン教授は「財政赤字」や「政
府の負債(国の借金)」という言葉を問題視しており、この点も三橋が以
前からやっていた活動であり、共感しました。

具体的には、「財政赤字⇒国民黒字」。「国の借金⇒貨幣発行残高」
 いかがでしょう。

財政赤字は「政府以外の黒字」です。厳密には「海外」が入っているた
め、「国民」は不正確ですが、その辺りは理解した上で言葉を変更していく。

あるいは、財政赤字とは、自国通貨建て国債しか発行していない国にとっ
ては、「貨幣発行」に過ぎません。つまりは、財政赤字の積み重ねである
「国の借金(政府の負債)」は過去の貨幣発行の歴史的な履歴に過ぎな
い。つまりは、貨幣発行残高。

MMTは、現代の貨幣はもちろん、経済や財政、政府支出、徴税、国債発
行残高等について「正確な理解」を提供してくれる」(以上三橋氏の意見
を要約しました)。

というわけで、MMT理論、如何でしょうか?(YT生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)なにも珍しい理論でもなく、ましてアメリカ人の
発明でもないです。

嘗て丹羽春喜教授が主張していた「打ち出の小槌」論です。政府紙幣を発
行し、経済の需要を高めると景気は恢復する。丹羽先生は1970年代す
でに、限られたデータを元にソ連の崩壊をいち早く予測した人で、アメリ
カでの評価が高かった。

      

◆脅威に囲まれる日本、いま安保を考えよ

櫻井よしこ


7月1日、経済産業省が「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」
を発表した。韓国向けのフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の輸出
審査の厳格化が内容だ。

これらの戦略物資は、これまで韓国をホワイト国、即ち、貿易管理の体制
が整った信頼できる国であると見做して3年間申請不要で許可していた。
だが後述するように韓国はもはや信頼できる貿易相手ではないと判明し、
7月4日以降、輸出案件毎に出荷先、量などを日本政府に申請し、審査を受
けさせることになった。

「朝日新聞」は同措置を安倍晋三首相による韓国への感情的報復措置とみ
て「報復を即時撤回せよ」と社説で主張したが、的外れだ。そもそも今回
の措置は、「禁輸」ではない。これまでの優遇措置を改めて普通の措置に
戻すだけである。たとえばEUは韓国をホワイト国に指定しておらず、普
通の国として扱っている。日本もEU同様、普通待遇で韓国と貿易すると
いうだけのことだ。

安倍総理は地域の安定を損なう通常兵器や関連技術の移転防止をうたう
ワッセナー協約に日本も入っていることを踏まえ、こう語っている。

「今回の措置は安全保障上の貿易管理をそれぞれの国が果たしていくとい
う義務です。相手国が約束を守らないなかでは優遇措置は取れないのであ
り、当然の判断です。WTO違反ではまったくない」

国連安保理・北朝鮮制裁委員会専門家パネルの元委員、古川勝久氏が
FNNPRIMEで指摘した。

「2015年から19年3月の間に韓国国内で摘発されたのは計156件でした。そ
のうち、実に102件が大量破壊兵器(WMD)関連事件でした」

氏が示した具体例の中には、核弾頭や遠心分離機のパーツ等の製造にも使
用されうる高性能の精密工作機械などがあった。「核兵器製造・開発・使
用に利用可能な物品を統制する多者間国際体制」(NSG)の規制対象と
なる工作機械類の不正輸出事件も多数摘発されていた。核燃料棒の被覆材
として用いられるジルコニウム(14億6600万円相当)も中国に不正輸出さ
れていた。

北朝鮮のために

不正輸出事件は2015年の14件から、17年及び18年の各々40件超へ、さらに
19年は3月までのわずか3か月間に30件以上へと、文在寅大統領の下で急増
した。日本政府は韓国政府に協議を呼びかけてきたが、「過去3年以上、
韓国政府との意思疎通は困難であった」と官房副長官の西村康稔氏が述べ
たように、文政権は話し合いに応じていない。

ここで私は、文大統領の秘書室長(官房長官)だった任鍾ル(イム・ジョ
ンソク)氏の奇妙な外国訪問を思い出す。17年12月、氏は4日間の日程で
アラブ首長国連邦(UAE)とレバノンを訪れた。当時両国には韓国部隊
が派遣されており、任氏は大統領特使として部隊激励のために中東を訪問
したという。だが大統領秘書室長の外国訪問は極めて異例である。任氏は
文氏の親北朝鮮政策の主導者であり、親北朝鮮のUAEやレバノンで、北
朝鮮の重要人物と接触か、などと取り沙汰されたが、結局、何もわからな
い怪しい訪問だった。

それから間もない18年1月1日、金正恩朝鮮労働党委員長が新年の挨拶で
「平昌五輪に代表団を派遣する用意がある」と発表した。朝鮮半島情勢激
変の始まりだった。このときまでに、韓国は国際社会による制裁破りも含
めて、北朝鮮のためにあらゆる障害を取り除くと、誓約でもしたのではな
いかと疑うものだ。

現在までに文在寅政権は、韓国軍から北朝鮮に対峙する力を殆んどすべて
奪い去った。対北防諜部隊は事実上解体され、韓国は北朝鮮の工作に対し
て完全に無防備だ。

韓国軍の武器装備体系にはイージス艦や潜水艦が含まれるが、海軍力が殆
んどない北朝鮮に対する備えとしては不必要なものだ。韓国保有の「玄武
2号」、射程300キロの弾道ミサイルは射程を更に長くしようと試みたが、
日本への脅威となるとして米国が止めさせた経緯がある。これらの武器装
備は日本を仮想敵国と位置づければおよそ全て納得できる。文政権が韓国
にとっての敵は日本だと見ていると、少なからぬ専門家が考えるゆえんで
ある。

韓国が北朝鮮にさらに宥和的になって、連邦政府などの形で統一に向か
い、大韓民国が北朝鮮に吸収されるとき、60万の韓国軍は日本への敵対勢
力となる。北朝鮮が核を諦めなければ統一朝鮮は核保有国となる。彼らは
前述のように多数の弾道ミサイルを有し日本攻撃も可能である。対する日
本には核は無論ない。弾道ミサイルもない。どのようにしてわが国を守る
のか、心許ない状況の日本に対して、トランプ米大統領の重大発言がなさ
れた。

米国に頼れない状況

6月24日、ブルームバーグ通信がトランプ氏の「日米安全保障条約は不平
等」「米国は日本防衛の義務を負うが、日本にはその必要がない」「日米
安保条約を破棄する可能性」もあるとの発言を報じた。26日にはトランプ
氏自身が「フォックスビジネス」の電話取材に応じて、「日本が攻撃され
れば、我々は第三次世界大戦を戦う。日本を守り、命と、大事なものを犠
牲にして戦う。しかし、我々が攻撃されても、日本は我々を助ける必要が
ない」と語った。大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議後の記者会見で
日米安保条約破棄の可能性を問われ、「全くない、ただ、日米安保は不平
等だ」とも言った。

現実を見れば、安保条約の破棄は見通せる近未来、日米双方の国益上考え
られない。それでもトランプ氏の一連の発言は「本音」であろう。

トランプ氏は、米軍が差し出すのは命だが、日本側は結局、金でしかな
い。「命と金」の引き替えは不平等だと言っているのだ。それに日本は応
えなくてはならない。

さらにもうひとつの問題が生じた。安倍総理がイランを訪問した6月13
日、ホルムズ海峡で日本の石油タンカーが攻撃を受けた。

7月10日には英国の石油タンカーがイラン革命防衛隊の武装船3隻に拿捕さ
れそうになった。英海軍の護衛艦「モントローズ」がイラン船に砲を向け
て警告し、イラン船は退散した。その後、英海軍は新たに駆逐艦「ダンカ
ン」を中東に派遣した。

この間イラン側は一貫して如何なる関与も否定しているが、9日、米国か
ら「有志連合」結成の提案がなされた。その主旨は、各国のタンカーの安
全は各国が守り、米軍は全体の調整をするということだ。

朝鮮半島、ホルムズ海峡、ペルシャ湾、すべてにおいて自国を自力で守ら
なければならない体制に、世界はむかっている。米国との緊密な関係だけ
に頼れない状況が生まれている。如何にして日本を守るのか。それをこの
選挙で問うべきであろう。

『週刊新潮』 2019年7月25日号 日本ルネッサンス 第861回

◆地下に眠る「太閤大阪城」

毛馬一三


国の特別史跡に指定されている大阪城が、実は「太閤秀吉築城の大阪城」ではなく、総てが「徳川大阪城」だと知る人は、意外に少ないのではないか。

では秀吉が、織田信長から引継ぎ築城した元々の「大阪城」は一体どこに姿を消したのか。

それに纏わり浮上したのがこの話だった。「聳える天守閣は昭和初期に再建され、城の堀は徳川方によって埋められたことは承知していたが、だからと言って秀吉大阪城の城跡が些かも無いとは全く知らなかった」云々である。大阪城への朝の散歩を日課とする人々や大阪府庁の知人らからも、異口同音に同様の返事が返ってくる。

朝の小雨が上がり、陽光が漏れ出した昼ごろ、大阪城周辺を車でゆっくり周回してみた。

天満橋から大手前、森の宮、新鴨野橋と城郭を一周する道筋からは、「大阪城の高い石垣と深い堀」が、雨滴の葉が陽光を跳ね返す樹林の間からと、大きく広がる視界の中から歴史の威容を誇らしげに見せ付ける。特に大手前周辺の高さ32mもある幾重もの「反りの石垣」には、当時の石垣構築技術の進歩の姿を覗かせる。

大阪夏の陣で豊臣家を滅亡させた徳川家康は、同戦いの2年後(1616)死ぬが、家康遺命を受けた秀忠が、元和6年(1620)から寛永6年(1629)までの10年3期にわたり大阪城を大改築する。その時徳川の威令を示すために、「太閤大阪城」の二の丸、三の丸を壊し、総ての「堀」は埋め、「石垣」は地下に埋め尽して、豊臣の痕跡をことごとく消し去ったとされている。

車で周遊しながら眺めた大阪城は、総て「徳川の手になる城郭」だったのだ。では「太閤大阪城」は、地下に眠ったままなのか。

「大阪城石垣群シンポジウム実行委員会」の論文をみると、そこに「太閤大阪城」が地下に埋められたままになっていた遺跡の一部を発掘した調査記録が下記のように書かれていた。

<地下に埋蔵された「太閤大阪城」の石垣を最初に見つけたのは、大阪城総合学術調査の一環として大阪城本丸広場で行われたボーリング調査だった。昭和34年(1959)のことである。天守閣跡の南西にあたる地下8m から「石垣」が見つかったのだ。

4m以上も積まれた石垣で、花崗岩だけでなく、様々な石を積み上げた「野面積み」だった。「野面積み」は、石の大小に規格がなく、積み方にも一定の法則が認められないもの。当時城郭作りの先駆者だった織田信長が手掛けた安土城の「野面積み」工法と同じだったことから、秀吉がその工法を導入して築いた「石垣」と断定された。

それから25年後の昭和61年(1986)になって、再び天守閣跡の南東部の地表1mの深さから地下7mまで、高さ6mの「石垣」が発見されている。

この石垣も「野面積み」だったうえ、その周辺で17世紀初頭の中国製の陶磁器が火災に遭って粉々の状態で見つかったことから、大阪夏の陣で被災した「太閤城」の「石垣」であると断定される2回目の発見となったのである。

両「石垣」の発見場所の位置と構造を頼りに、残された絵図と照合していくと、この「石垣」は本丸の中で最も重要な天守や、秀吉の家族が居住していた奥御殿のある「詰め丸」と呼ばれる曲輪(くるわ)の南東角にあたることが明らかになったのである。

地下に消えた「石垣」は、切り石が少なく、自然石や転用石を沢山積み上げたもので、傾斜が比較的ゆるい、「徳川城」とは異なる「反り」の無い直線だった>。

第3の発見は偶然が幸いした。現在の「大阪城・西外堀」の外側の大阪城北西で、平成4年に大阪府立女性総合センター建設の際の発掘調査で、地下から長さ25m に亘る「太閤大阪城の石垣」が出現したのだ。同石垣は、いま同センターの北の道沿いに移築復元されている。

何よりもこの発掘の価値が大きかったのは、今の大阪城郭から離れた外側の場所から「石垣」が現れたことだ。それは「徳川城」よりも「太閤城」の方が遥かに規模の大きかったことの証であり、今後の調査で城郭外から新たな「太閤大阪城」が出現する可能性を引き出したことだった。

地下に眠る遺跡の発掘調査は、エジプトやイタリアなど文明発祥地でブームになっているが、現在進められている大阪市の大阪城発掘調査で、「天下の台所」の基礎を築いた「太閤大阪城」の遺跡が、今の城郭外から見付かることを期待したい。

(完)
                          2001.01.23