2019年07月24日

◆GAFAは敵なのか、味方なのか

宮崎 正弘


令和元年(2019)7月23日(火曜日)弐 通巻第6153号  増ページ特大号

 GAFAは敵なのか、味方なのか
  独禁法違反もなんのその、中国に協力する懲りない面々

 GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)への締め
付けが欧米間で進んでいる。

GAFAは国境を無視したかたちで国際的なSNSの拡充、送金の自由、
手数料の低減などを実現する一方で、ハッカー、サイバー犯罪を助長し、
テロ組織への資金供給のネットワーク構築にも結果的に協力することに
なった。

自由主義経済システムから生まれたビジネスモデルが、西側の安全保障を
脅かす脅威となったのであり、歴史のアイロニーかも知れない。

まずG7で協議されている課題はGAFAの「課税逃れ」対策である。
「節税」と「脱税」は区別されるはずだが、GAFAの税金対策は徹底し
ていて、四社で74兆円もの売り上げを誇りながら、巧妙な手口で、本来
収めるべき税金を逃れてきた。

GAFAが法源として弁解・活用したのは、営業の「拠点」が恒久的施設
(PE)でなければ、課税対象とはならないという法律の穴をつき、例え
ばアップルは税率の低いアイルランド子会社を利用、グーグル日本支社
は、シンガポール子会社との間で広告契約として節税していた。
 
G7では、GAFAの課税逃れを見逃さず、先進国が一致して共通ルール
による課税強化策を講じるという方向はでたが、フランスが強く反対し
て、先へ進んでいない。ともかくG7は、危機感の共有で認識を共有した
ことは事実である。
 
G7各国は安全保障上の共通の利害を共有できても、税金では対立する。
2019年7月10日、フランスは米国との事前協議なしに「デジタル課税法
案」を議会通過させたため、税収が減ることになる米国が激怒した。

同月17日からフランスで開催された「G7中央銀行総裁、財務相会議」で
は、この課税問題を集中的に議論したが、まとまりがつかなかった。
 
就中、フェイスブックは問題視され続けてきたデジタル企業であり、規制
強化の方向性はワシントンで明確にでていた。法律制定には公聴会や専門
家のパネルを重なる必要があり、実際の規制強化には1年以上の時間がか
かるとされる。

2018年3月にフェイスブックから8700万人分の個人情報が漏洩したため、
司法省が調査してきた。西側のコンセンサスはプライバシー保護であり、
司法省の調査を待って米連邦取引委員会が制裁金を課すことになる。制裁
金は5400億円相当になると予測されている(すでにフェイスブックは、制
裁金を予測し積立金を準備中である)。


 ▲プライバシーが盗まれても、平然としているフェイスブックのダーク
サイド

GAFAへの規制強化に関しては欧米、ならびに日豪がほぼ共通の懸念を
抱いており、米国では連邦議会とは別にカリフォルニア州は単独で個人情
報保護の新法を制定した。

EU諸国でも個人情報管理を規制強化しており、EUはスマホOSとアプ
リの組み合わせは独占禁止法に抵触するとしてグーグルに制裁金を、フラ
ンスはプライバシー問題でもグーグルに制裁金を課した。

ドイツはフェイスブックの利用者からのデータ収集に対して大幅な制限を
かけ、またEUはインターネット広告問題でグーグルに制裁金を課した。
米FTCもグーグルに2250万ドルの制裁金を課した。

次なる難題はフェイスブックが発行を予定している仮想通貨(暗号通貨)
の「リブラ」をめぐる意見衝突である。

フランスは「通貨主権が侵される怖れが高く、金融システムに深刻な悪影
響がある」と根底からの疑念を表明した。

ムニューシン米財務長官も「国家安全保障上問題が多い」とG7で発言し
た。この文脈から見えてくるのは中国対策と同義語である。
 
フェイスブックは、親中企業として有名である。なにしろCEO夫人は中
国人。ザッカーバーグは何回も中国に通うほどに、依然として中国の巨大
なマーケットを狙っている。

 ¥フェイスブックは世界で27億人が利用している巨大デジタル産業だ
が、個人情報の漏洩というスキャンダル、選挙介入の「前科」があるた
め、米国議会の多くは「フェイスブックは危険である」と批判してきた。

「リブラ」に中央銀行が反対なのは多くの理由がある。

仮想通貨で決済が可能となれば請求書や振り込み手数料が軽減されるもの
の、それはドル、ユーロ、円などの資金需要を減退させる。究極的にはド
ル基軸体制が破綻する。

第一に通貨発行、通貨供給量を決めるのは各国の中央銀行の裁量であり、
仮想通貨が出回ることは経済主権が侵されるばかりか、国家そのものの存
在が問われる。独立国家としての主権が脅かされるからだ。

第二にマネーロンダリングに使われることは明らかであり、監視網がさら
に必要とされる。監査を強化すれば、資金洗浄の手口はますます高度化す
るといういたちごっこが現状だが、銀行を経由しない送金が可能となれ
ば、まともな監査も出来なくなる。

第三にテロリストへ資金が流れる可能性を否定できないことだ。犯罪行為
への送金も可能であり、言ってみれば暗号通貨「リブラ」発行という行為
は、国境をなくすのではなく国家をなくすという過激グローバリズムの権
化と認識されるからだ。


 ▲トランプ政権が迅速に動いた。

リブラ阻止。明確な行動目的を掲げて議会も動き出した。もとよりFRB
は反対の急先鋒だ。そのうえ、米国はリブラが国際的に流通する前に厳し
い規制をかけ國際的な包囲網を形成する方針である。

英国でもカーニー(イングランド銀行総裁)は、資金洗浄対策が不安定
で、事業開始は認められない」と発言している。

7月16日には米上院銀行委員会が公聴会を開催し、フェイスブック幹部を
呼んで、以下の問いかけを行っている。すなわち「マネーロンダリング対
策は万全なのか」「サービスを個人データに収集するのではないのか」
「なぜグーグルは米国を避けて、このリブラの拠点をスイスに置くのか。
課税逃れではないのか」など。

対してフェイスブックのデビット・マーカス副社長は「そもそもリブラは
フェイスブック主導とはいえ、マスターズ、ヴィザ等クレジットカード会
社など28社が参加する「リブラ協議会」のような多国籍企業であり、本
拠をスイスに設置するからにはスイス当局(スイス金融飯場監督寄稿)の
監査に従うし、米国の規則に従う」と明言した。

だが、いまの法体系では独禁法適用しかなく、銀行ではないフェイスブッ
クのビジネスモデルを規制する法律はない。

日本も同じ状況だが、大手SNSの言論空間では保守的な意見を書き込む
とネットから削除される。このような世論操作的な行為が頻繁に組織的に
行われており、グーグルやフェイスブックの言論操作、フェイク情報の垂
れ流しはかねてより問題視されてきた。
 

 ▲グーグルと中国の関係を調べ上げろ

米国の包囲網形成には欧州と日本が同意を示しており、過去の多くの情報
漏洩、個人データの売却ならびに詐欺事件の頻発など、その暗い「実績」
を前にすれば欧米日が、ことのほかフェイスブックに慎重に、否定的にな
るのは当然と言えるだろう。
 
トランプ大統領は「フェイスブックのリブラは信頼性がない。銀行規制を
課すべきだ」とし、パウエルFRB議長も「消費者保護で深刻な懸念を払
拭できない」と牽制した。

またウォーターズ下院金融委員長は「国家安全保障の観点からも開発を一
時中止せよ」。上院のタカ派テッド・クルーズは「反トラスト法に触れる
深刻な問題である」。

議会と政権が珍しく共闘を演じるのはリブロと中国問題だ」と或る議員は
批判のトーンを高め、「いっそのことリブロ解体が望ましい」とする。
 
IMFは暗号通貨に関しての報告書をまとめ、金融政策の機能喪失の懸
念、マネーロンダリングの怖れに加えて、銀行業務の縮小懸念をあげた。

以上見てきたようにリブラに関してはフェイスブックだが、ほかにも議会
公聴会にはアマゾン、アップル、グーグルの幹部が召喚され、独占禁止法
抵触、機密情報漏洩、データの流用懸念などについて執拗に質問を浴びせた。
 
トランプ大統領は7月16日に「グーグルと中国の関係」、つまりグーグル
が中国軍に協力している疑惑に対して調査を命じた。
   
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム

【知道中国 1929回】          
 ――「支那は日本にとりては『見知らぬ國』なり」――鶴見(22)
  鶴見祐輔『偶像破壊期の支那』(鐵道時報局 大正12年)

      △

では、なぜ第2の考えは成り立たないのか。かつて「支那即ち世界であつ
た」。だが、いまや「世界の一部分」であるばかりか「外國の壓迫といふ
ことが支那の政治的大因子であ」り、それ故に「悠長なる無政府状態も、
變遷的過渡期も支那民族にとつては之を續けて行くことが出來ない状態に
なつてゐる」からである。

次に「現状を不滿足なりと爲し革新をしなければならぬといふ説」だが、
今後の変化の可能性について鶴見は「凡そ6つの假定を想像して見る」。
 「その一つは英雄時代の出現である」が、「英雄政治の出現は先づ以て
覺束ないと見る方が穩當である」。

「第二の假定は、英米流のデモクラシー、即ち代議院制度に落付くであら
うといふ説」だが、「支那の如く、英米に全く異なる傳統を有し、國情を
有するところの國に、急に英米流の代議院制度が行はれるといふことは想
像し難きところである」。

「第三に、然らば中央集權に依るところの代議院制度は不可能であるにし
ても地方分權に依るところの聯省自治が可能ではないかといふ問題があ
る」が、その前提としては「支那人が自治の能力を本當に發揮し得る」の
か。加えるに「その自治をしたところの支那人が、果して聯省といふやう
な形で一國を成して存在し得るかどうか」――この「二つの條件」を満足さ
せる必要がある。

「第四に起きる假定は、經濟的立國論」である。これは「政治的に強き政
府を造らなくとも、各地方に産業を興して、支那といふ一個の社會が確立
すれば支那が發達する」という考えだが、ならば「今日直ちに政治的方面
から支那を開發しないでも宜からうといふ」わけにはいかないだろう。

「第五には、昨年華盛頓會議の際、唱へられた所謂支那の國際管理問題で
ある」。その場合、「世界の文明國が公平無私の考を以て支那の爲に政治
を代行する」といふ大前提が必要だが、「列國が果してそれだけの人道的
心持を以て利?を措き、他國の行政を管理し得」るわけがない。それが可
能だったとしても、「國家の體面上」、「支那人は決して之に黙從しまい
と思ふ」。

「第六に起つて來る假定は、支那が凡ての改革手段に失敗したる曉には、
寧ろ露西亞の如く外國との連絡を斷つた一個の社會主義國となることが可
能であるかどうかといふ事である」。当然のように「それは非常に大きな
冒險である」。それというのも、「支那人が果して社會主義の思想を有す
る國民であるかどうか」に加え、「露西亞と異つて支那は外國から侵入さ
れ易き境涯に在る」からであり、であればこそ社会主義化して対外閉鎖を
実行した場合、「外國が之を黙認するかどうか」が「明らかな問題」だか
らである。そこで社会主義化は「成功の可能性が頗る薄弱」と結論づけた。

ところが鶴見の旅行から27年5カ月ほどが過ぎた1949年10月1日、毛沢東に
率いられた共産党は「非常に大きな冒險」の末に、「露西亞の如く外國と
の連絡を斷つた一個の社會主義國」を地上に出現させてしまった。

「支那人が果して社會主義の思想を有する國民であるかどうか」に拘わら
ず、「外國から侵入され易き境涯に在」ろうがなかろうが、さらには「外
國が之を黙認するかどうか」の別なく、である。

しかも建国後を振り返ってみると、「先づ以て覺束ないと見る方が穩當で
あ」ったはずの「英雄政治」が毛沢東の手で実践されてしまった。もっと
も毛沢東の治世は独裁政治であったとしても決して「英雄政治」ではない
と否定されたらそれまでではあるが。
 
27年5カ月ほどを間に挟んだ中国の激変を、鶴見はどのように考えたの
か。もっとも日本も、中国をめぐる国際社会の政治力学も激変に継ぐ激変
であったわけだが。《QED》

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読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
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   ♪
(読者の声1)ニューズウィークが特集号を出したMMT理論ですが、
ネットで経済評論家の三橋貴明氏が次のようにスティファニー・ケルトン
教授と講演、対談した成果を書かれています。

1.政府の財政赤字は、政府以外の経済主体にとっての黒字
2.国債発行残高は、政府が支出し、徴税で回収しなかった貨幣の履歴
(歴史的な記録)
3.経済の制約は財政ではなく、インフレ率(リソース、供給能力)
4.徴税は、国民の支出能力を奪い取る装置。消費税増税は消費抑制政策
5.経済がバランスしていれば、財政は赤字でも黒字でも均衡でも良い
6.日本は金融政策で国民の債務を増やすのではなく、財政政策で国民の
所得と自信を増やせ!

日本のマスコミは「黒船」に弱い。おまけに金髪で美人のアメリカ人経済
学者の主張となると、それなりに報じてくれるわけです(ケルトン教授を
お呼びした甲斐があった)。というわけで、「completely wrong(でたら
め)」な主流派経済学を否定するためのレトリック、手法は、なかなか洗
練されています。例えば、MMTの始まりと言える「ウォーレン・モズ
ラー氏の名刺」の話や、国民経済を「シンク(水槽)」にたとえる手法
は、見事の一言です。

【Front Japan 桜】ケルトン教授が明かした政府支出と税金の真実(他)
https://youtu.be/ywx-vplOG60

モズラー氏の名刺やシンクは、早速、チャンネル桜の番組で使ってみまし
た。いや、これは使える! あるいはケルトン教授は「財政赤字」や「政
府の負債(国の借金)」という言葉を問題視しており、この点も三橋が以
前からやっていた活動であり、共感しました。

具体的には、「財政赤字⇒国民黒字」。「国の借金⇒貨幣発行残高」
 いかがでしょう。

財政赤字は「政府以外の黒字」です。厳密には「海外」が入っているた
め、「国民」は不正確ですが、その辺りは理解した上で言葉を変更していく。

あるいは、財政赤字とは、自国通貨建て国債しか発行していない国にとっ
ては、「貨幣発行」に過ぎません。つまりは、財政赤字の積み重ねである
「国の借金(政府の負債)」は過去の貨幣発行の歴史的な履歴に過ぎな
い。つまりは、貨幣発行残高。

MMTは、現代の貨幣はもちろん、経済や財政、政府支出、徴税、国債発
行残高等について「正確な理解」を提供してくれる」(以上三橋氏の意見
を要約しました)。
 というわけで、MMT理論、如何でしょうか?(YT生、横浜)


(宮崎正弘のコメント)なにも珍しい理論でもなく、ましてアメリカ人の
発明でもないです。

嘗て丹羽春喜教授が主張していた「打ち出の小槌」論です。政府紙幣を発
行し、経済の需要を高めると景気は恢復する。丹羽先生は1970年代す
でに、限られたデータを元にソ連の崩壊をいち早く予測した人で、アメリ
カでの評価が高かった。
 

◆1億総白痴化は成った

渡部 亮次郎


<1億総白痴化(いちおくそうはくちか)とは、社会評論家の大宅壮一
(故人)がテレビの急速な普及を背景に生み出した流行語である。「テレ
ビというメディアは非常に低俗な物であり、テレビばかり見ていると、人
間の想像力や思考力を低下させてしまう」という意味合いが強い。

元々は、1957(昭和32)年2月2日号の「週刊東京」(その後廃刊)における、
以下の詞が広まった物である。

「テレビに至っては、紙芝居同様、否、紙芝居以下の白痴番組が毎日ずら
りと列んでいる。ラジオ、テレビという最も進歩したマスコミ機関によっ
て、『一億総白痴化』運動が展開されていると言って好い。」

又、朝日放送の広報誌『放送朝日』は、1957年8月号で「テレビジョン・
エイジの開幕に当たってテレビに望む」という特集を企画し、識者の談話
を集めた。ここでも、作家の松本清張が、「かくて将来、日本人一億が総
白痴となりかねない。」と述べている。

このように、当時の識者たちは、テレビを低俗な物だと批判しているが、
その背景には、書物を中心とした教養主義的な世界観が厳然としてあった
と考えられる。

書物を読む行為は、自ら能動的に活字を拾い上げてその内容を理解する行
為であり、その為には文字が読めなければならないし、内容を理解する為
に自分の頭の中で、様々な想像や思考を凝らさねばならない。

これに対して、テレビは、単にぼんやりと受動的に映し出される映像を眺
めて、流れて来る音声を聞くだけである点から、人間の想像力や思考力を
低下させるといった事を指摘しているようである。>
『ウィキペディア』

都会でもいわゆる井戸端会議を聞くとも無く聞いていると、テレビが放っ
た言葉や映像はすべて「真実」と受け取られて居る。だから納豆を朝夕食
べれば痩せる、といわれれば、ちょっと考えたら嘘と分りそうなものなの
に、納豆買占めに走ってしまう。

識者はしばしばマスメディアが司法、立法、行政に次ぐ「第4の権力」と
いうが、実態は、マスメディア特にテレビを妄信する視聴者と称する国民
の「妄信」こそが4番目の権力ではないのか。

手許に本がないので確認できないが、若い頃読んだものに「シオンの議定
書」と言うのがあり、権力(政府)がヒモのついた四角い箱を各家庭に配置
し、政府の都合の良い情報で国民を統一操作するという条項があった。

<シオン賢者の議定書
『シオン賢者の議定書』(しおんけんじゃのぎていしょ、The Protocols
of the Elders of Zion)とは、秘密権力の世界征服計画書という触れ込
みで広まった会話形式の文書で、1902年に露語版が出て以降、『ユダヤ議
定書』『シオンのプロトコール』『ユダヤの長老達のプロトコル』とも呼
ばれるようになった。

ユダヤ人を貶めるために作られた本であると考えられ、ナチスドイツに影
響を与え、結果的にホロコーストを引き起こしたとも言えることから『最
悪の偽書』とも呼ばれている。

1897年8月29日から31日にかけてスイスのバーゼルで開かれた第一回シオ
ニスト会議の席上で発表された「シオン24人の長老」による決議文である
という体裁で、1902年にロシアで出版された。

1920年にイギリスでロシア語版を英訳し出版したヴィクター・マーズデン
(「モーニング・ポスト」紙ロシア担当記者)が急死(実際は伝染性の病
気による病死)した為、そのエピソードがこの本に対する神秘性を加えて
いる。

ソビエト時代になると発禁本とされた。現在、大英博物館に最古のものと
して露語版「シオン賢者の議定書」が残っている。>
『ウィキペディア』

議定書は19世紀最大の偽書とはされたが、19世紀末に既にテレビジョンの
装置を予測し、しかもテレビを通じた世論操作を描いていたのだから、偽
書を作った人物なり組織は天才的というほかは無い。

実際、日本では昭和28年のテレビ本放送開始とともに、大衆は力道山の空
手チョップを通じて、電波の魔力にしびれていたが、あれから数十年、い
までは「テレビこそ真実」という妄想を抱くに至った大衆と言う名の「妄
想」が権力と化している。

たとえばテレビがそれほど普及していなかった時代、政治を志す人間に
とって知名度と言うものが、最大のウィークポイントとされた。名前を有
権者にどれだけ知れ渡っているかが、勝敗の分かれ目であった。

しかし、今ではそれはテレビに出演することで大半を解決できる。まして
出演を繰り返すことが出来れば「露出度満点」でたちまち知名度は上が
る。大衆がとっくに白痴化してしまって「テレビは真実」と妄想している
から万全だ。

かくて政治はテレビ制作者に合わせた政治を展開するようになった。国会
の予算委員会がNHKテレビのタイムテーブルどおりに運営されているこ
とを見るだけで明らかであろう。

その実態に気付きながら自身は気付いてないフリをして5年間も政権を維
持したのは、誰あろう小泉純一郎氏である。

成果が上がらないまま、大衆の人気が落ちてくると、テレビは「総理の支
持率が落ちた」と放送し、大衆は更にテレビを信じて支持率を下げる、と
いう何とか循環に陥りながら気付かない。自分自身で考えることを何故し
ないの。

なんで支持しないか、テレビがそういっていたから。どこがいけないかな
んて、私分らない、テレビに聞いて、が実態じゃないか。

このように、大宅壮一や松本清張の指摘したテレビによる「1億総白痴
化」はとうの昔に完成しており、日本と言う国はテレビに振り回される低
級国家に成り下がってしまっているのだ。

したがって政治は真実からはなれてテレビを妄信する大衆の白痴状態に合
わせた流れを辿ってゆくはずである。また若いも中年も思い描くと言う
「痩せればもてる」信仰がある限り、関西テレビがいくら止めても「痩せ
る偽情報」はどっかのテレビから永遠に流れるはずである。2007.03.04


◆米中・米朝首脳会談、つきまとう危うさ

櫻井よしこ


国際政治はテレビと共にある。

安倍晋三首相の20カ国・地域(G20)首脳会議での巧みな采配も、惜しく
も吹き飛ばされた感がある。世界の目は板門店でのトランプ・金正恩両首
脳に集中し、その他の印象を消し去った。凄いものだ。

6月30日、15時45分、トランプ大統領が韓国の「自由の家」からゆっくり
と軍事境界線に向かって歩き始めると、北側からは金正恩朝鮮労働党委員
長が歩み寄った。境界線の南北に二人が相対し、握手をし言葉を交わし
て、やがてトランプ氏が北側に足を踏み入れたとき、思わず私自身、大き
な笑顔になった。メモをとりつつ、冷静に見ているつもりが、大きな笑顔
がこぼれたのである。中継映像を見ていた人の多くも同様だったのではな
いか。

二人が北朝鮮側で暫し佇んで境界線に戻り、そのまま自然な形で揃って韓
国側に入ったときには、取材陣の叫び声が聞こえた。カメラに囲まれて立
ち話をする金氏は、大きな賭けに出たがうまく意思の疎通がはかれそうだ
と、ひと安心した様子だった。安堵と嬉しさを隠しきれない表情には、そ
の残虐な行動に似合わない子供っぽさが残っていた。

トランプ氏は「つい昨日、金委員長に会うことを思いついた」と繰り返し
たが、ワシントンで発行されている「ザ・ヒル」は、同紙が行った24日の
インタビューでトランプ氏が板門店で金氏に会う考えを語っていたと報じ
た。ホワイトハウスがセキュリティ確保のためその件を当日まで伏せるよ
うに依頼し、報道できなかったという。

トランプ氏側が少なくとも1週間は板門店会談について考えを巡らしてい
たのに対して、金氏にとってはいきなりの提案だったわけだ。金氏は「ツ
イッターを見て本当に驚いた」と語っている。これはトランプ氏との立ち
話を終えて、韓国側の「自由の家」に入り、トランプ氏と並んで坐ったと
きの発言だ。

安倍晋三首相の役割

「昨日の午後、初めて、会いたいというトランプ大統領のメッセージを聞
いた。私も再度会いたかった」

金氏は、トランプ氏の「会いたい」というメッセージを受けて、決断し、
板門店に来た。その間約24時間だったことになる。いきなり言われて駆け
つけた。面子にこだわらず、大決断をしたのは明らかだ。その決断力を考
えるとき、「我々はもっとよくできる。もっとよくなることを世界に見せ
られる」という金氏の言葉に希望を持ちたくなるが、やはり問いたくな
る。「もっとよくなる」とは、核・ミサイル廃棄と拉致問題解決を意味し
ているか、と。

両首脳の会談は50分間にわたった。トランプ氏は韓国を去るに当たり、
「予定は2時間半遅れたけれど、すばらしかった」と、紅潮した顔で語っ
た。舞い上がる程の上機嫌は、金氏との会話が具体的な果実につながると
の思いを抱いたからであろう。

北朝鮮相手の交渉が順調に進むとは中々思えないが、今回の「いきなり会
談」で化学反応が起き、交渉が前進する可能性はあるだろうか。

ここで、横田早紀江さんのトランプ評が思い出される。早紀江さんはこれ
までに二度トランプ氏に会っている。

「トランプさんは、あたたかな父性を感じさせます。よき家庭の一家のお
父さんという感じで、守ってくれるような印象でした」

国際関係が真に冷徹な力関係であるのは言うまでもない。それでもトラン
プ・金両氏の関係は、これから存外うまくいくのではないか。

そこで安倍首相の役割が重要になる。核・ミサイル・拉致の三課題を優先
すること、問題がすべて解決して初めて見返りを与えるという結果重視の
原則を守らせることだ。さもなければ北朝鮮とのせめぎ合いに敗れると、
トランプ大統領に助言し続けることだ。

今回、明確になったのは、トランプ氏は北朝鮮に関して、韓国の、そして
中国の助力を全く必要としていないことだ。

習近平主席は内外共に行き詰まっている。国際社会で中国の友人はほとん
どいない。そこで来日前の6月20日、21日の両日、習氏は恐らく、北朝鮮
の核問題と米中貿易問題を一体化させて米国の優位に立つべく平壌を訪れ
た。すると、23日にトランプ氏が金氏に手紙を送り、金氏はそれを「すば
らしい手紙がきた」と言って公表した。まずトランプ氏の手紙で、次に板
門店首脳会談で、習氏の意図は粉々に砕かれた。

金氏も習氏に、米国との仲介を求めているわけではない。求めているのは
国連の制裁破りをしてでも、援助してくれということだ。

中国の情けが命綱

習政権はすでに巧妙な制裁破りを実行中だが、具体例について6月28日の
「言論テレビ」で朝鮮問題専門家の西岡力氏が語った。

「国連制裁の対象になっていない観光で中国は正恩に外貨を与えていま
す。北朝鮮への中国人観光客は2017年が80万人、18年は50%増の120万人
でした。観光客が増えた背景に中国当局が観光業者に補助金を出している
という有力情報があります。旅行費用の7割を中国政府が補助し、業者が3
割取って、ツアーを4割値引きで売り出す。中国人は安い費用で平壌に行
き、焼き肉を食べてカラオケで歌って、夜は買春をするというカラクリです」

この種の客を満載した大型観光バスが毎日多数、北朝鮮に向かい、国連制
裁の対象である鉄鉱石や石炭の先物買いも行われているという。現物は制
裁解除の暁に受け取る条件で、支払いは半分に値引きして現金決済だとい
う。西岡氏の指摘だ。

「中国もそうですが、北朝鮮も騙す国です。先払いなどすれば詐欺にあう
のは当然だと思いますが、大丈夫だという。中国当局の保証があるからだ
そうです。国際社会が北朝鮮の核・ミサイル開発阻止でその外貨を枯渇さ
せようとしているときに、中国はこうした汚い手段で制裁破りをしている
のです」

国連制裁があり、米中の貿易戦争が続く限り、中国は米国に正面から逆ら
えない。結果、中国は今も巧妙なルール破りをしているが、さらに狡知を
極めていくだろう。中国の情けが命綱の金氏がどれだけトランプ氏に接近
するかは、中国のやり方をどれだけ国際社会が封じ込められるかという課
題と重なる。

G20の米中会談はその点で危うさを残した。ほとんどすべての中国からの
輸入品に25%の関税をかけるという第4弾の関税は回避され、米中はつか
の間の休戦に入った。そしてファーウェイへの米企業による輸出を一部認
めることになった。トランプ氏の直感や思いつきは素晴らしくとも、中・
長期的戦略は描き切れていない。むしろ戦略の欠如が懸念される。それで
は中国に敗れかねず、全く油断できないのである。

『週刊新潮』 2019年7月11日号 日本ルネッサンス 第859回

◆和紙と生きた紫式部

                            毛馬 一三


以前、福井県越前市の「和紙の里」を訪ねたことが在る。世界最古の長編小説「源氏物語」の著者・紫式部と、この「和紙の里」とが、一本の深い絆で結ばれていると思えてならない筆者は、物書きの好奇心を満たす一存から、現地に赴いた。

越前市新在家町にある「越前和紙の里・紙の文化会館」と隣接する「卯立の工芸館」、「パピルス館」を回り、越前和紙の歴史を物語る種々の文献や和紙漉き道具の展示、越前和紙歴史を現す模型や実物パネルなどを見学した。

中でも「パピルス館」での紙漉き体験で、孫が汗を掻きかき約20分掛けて自作の和紙を仕上げたのは、圧巻だった。流し漉きといって、漉舟(水槽)に、水・紙料(原料)・ネリ(トロロアオイ)を入れてよくかき回したあと、漉簀ですくい上げ、両手で上下左右に巧みに動かしていくと、B5くらいの「和紙」が出来上がる。まさにマジックの世界だ。

ところでこの越前和紙だが、今から約1500年前、越前の岡太川の上流に美しい姫が現れ、村人に紙の漉き方を伝授したという謂れがある。

山間で田畑に乏しかった集落の村人にとり、紙漉きを伝授されたことで村の営みは豊かになり、以後村人はこの姫を「川上御前」と崇め、岡太神社(大瀧神社)の祭神として祀っている。

<その後大化の改新で、徴税のため全国の戸籍簿が作られることとなり、戸籍や税を記入するために必要となったのが和紙である。その結果、越前で大量の紙が漉かれ出したという。加えて仏教の伝来で写経用として和紙の需要は急増し、紙漉きは越前の地に根ざした産業として大きな発展を遂げてきている>。

さて長編小説「源氏物語」の作者紫式部は、執筆に取り掛かる6年前の24歳の時(996年)、「和紙」の里・越前武生に居住することになり、山ほどの「和紙」に囲まれて、存分に文筆活動に励んだに違いない。当時、都で如何ほど「和紙」の需要供給があったのか専門家も把握していないが、物書きには喉から手が出る程の「和紙」だった筈だ。

ではどうして都にいた紫式部が、遥か離れた「和紙」の里越前の武生に移住してきたのか。それはご当地の国司となった父の藤原為時の“転勤”に関わりがある。文才だけでなく、商才に長けた為時の実像が浮かび上がる。

<為時は、中級の貴族で、国司の中で実際に任地へ赴く“転勤族”だったそうで、996年一旦淡路の国(下国)の国司に任命されるが、当時の権力者・藤原道長に賄賂などの手を使って、転勤先を越前の国(上国)の国守に変更してもらっている。はっきり言えば為時は、淡路の国(下国)には赴任したくなかったのだ。何故か。

当時、中国や高麗からの貿易船が日本にやってくる場合、海が荒れた時や海流の関係で、同船団が越前や若狭の国を母港とすることが多く、このため海外の貴重な特産品が国司のもとに届けられ、実入りは最高のものだったという>。

藤原為時一族は、中級の貴族ながら文才をもって宮中に名をはせ、娘紫式部自身も為時の薫陶よろしく、幼少の頃から当時の女性より優れた才能で漢文を読みこなす程の才女だったといわれる。

これも商才に長けたばかりでなく、父親の愛情として物書きの娘に、書き損じに幾らでも対処できる「和紙」提供の環境を与えたものといわれる。

<この為時の思いは、式部が後に書き始める「源氏物語」の中に、武生での生き様が生かされている。恐らく有り余る「和紙」を使い、後の長編小説「源氏物語」の大筋のプロットをここで書き綴っていたのではないだろうか。平安時代の歌集で、紫式部の和歌128 首を集めた「紫式部集」の中に、武生の地で詠んだ「雪の歌」が4 首ある。

越前武生の地での経験が、紫式部に将来の行き方に影響を与えたことはまちがいない。と同時に式部は、国司の父親のお陰で結婚資金をたっぷり貯め込むことも成し遂げて、約2年の滞在の後、京都に戻り、27歳になった998年に藤原宣孝と結婚している>。

越前武生の生活は、紫式部にとり「和紙」との出会いを果たして、後の世界最古の長編小説への道を拓くことに繋げた事は、紛れもない事実であろう。

<紫式部の書いた「源氏物語」の原本は現存していない。作者の手元にあった草稿本が藤原道長の手によって勝手に持ち出され外部に流出するなど、「源氏物語」の本文は当初から非常に複雑な伝幡経路を辿っていたという。

確実に平安時代に作成されたと判断できる写本は現在のところ一つも見つかっておらず、この時期の写本を元に作成されたと見られる写本も非常に数が限られているという>。
 
この歴史の事実と筆者の推論を孫に説明しながら、「紫式部公園」に回り、千年前の姿をした高い式部像に対面してきた。

(了  再掲)

参考:ウィキペディア、: 青表紙証本「夕顔」 宮内庁書陵部蔵   2008.08.27

2019年07月23日

◆台湾の新政党「喜楽島聯盟」

      Andy Chang
 

7月20日、台湾の台南市で新しい政党「喜楽島聯盟」が名乗りを上げ
た。この政党は長老教会が主体となって推進する新政党で、約200人
が参加した。投票によって長老教会の羅仁貴牧師を初代党首に選出した。
副党首は政治学者の施正鋒が当選した。

喜楽島聯盟は「喜樂島連盟」は「反中国併呑」「正名台湾国」「制定新
憲法」「加盟連合国(国連加盟)」をスローガンに掲げている。台湾の
将来は台湾人が決定するとはもとより台湾人の主張だが、蔡英文総統
はこの主張を避けて現状維持で政治が3年も停頓していたため、去年
の中間選挙で民進黨が惨敗した。台湾人が民進黨に失望して国民党に
投票したのである。

なぜ新政党を立ち上げたかと言うと、来年の総選挙で人民が国民党に
投票しないようにするためである。台湾人は民進黨に失望している。

その上に最近の総統候補の初期選挙で民進黨が勝手に選挙ルールを変
更して蔡英文が総統候補に当選したので殆どの民衆は民進黨を見限っ
たと言われている。民進黨はダメ、国民党は絶対ダメ。困ったものだ。

もしも蔡英文が落選して国民党の韓国諭が当選し、国会で国民党過半
数となれば中国の台湾併呑が実現する。来年の総選挙は台湾の危機で
ある。喜楽島聯盟はこの危機を防ぐため総統候補者は出さないが民進
黨とは別の15人の立法委員候補を立てると発表した。つまり民進黨の
国会議員の大多数が落選することを予期して国民党議員が当選しない
ように新しい議員を立てることが新政党の目的である。

民衆は蔡英文政権に失望している。3年前に蔡英文が総統に当選して
民進黨が国会で多数派となり、台湾民衆は民進黨の完全執政となった
ことに大いに期待した。ところが蔡英文は国民党員を閣僚に起用し、
人民の期待した司法改革、憲法改正、公平正義は進捗せず、3つの外
交国を失い、軍艦疑獄、経済汚職、建設汚職など大きな問題が起きた。
人民が期待した陳水扁元総統の冤罪も解決しなかった。

台湾人は蔡英文に失望したが国民党に政権を渡すわけにいかない。2
大政党制度の選挙では民進黨に失望したから国民党に投票する、投票
しない、嫌でも民進黨に投票するの3つの選択がある。喜楽島聯盟は
新たに15名の候補者を出して第4の選択肢を加える。

最近香港で起きた反中国デモンストレーションのお蔭で親中国を主張
する国民党を警戒するようになった。それでも蔡英文評価は最低で、
今では民進黨候補に投票する民衆は「殆ど居ない」と言われている。
喜楽島聯盟の推薦する15人が全員当選しても台湾派が国会で優勢を
守れるかはわからない。「天祐台湾」を祈るばかりである。

at 10:03 | Comment(0) | Andy Chang

◆フンセン、中国と海軍基地建設で

宮崎 正弘


令和元年(2019)7月23日(火曜日)通巻第6152号  <前日発行>
 
フンセン、中国と海軍基地建設で秘密協定に署名か
   30年担保、99年リース、コッコン空港は2020年に完成

偵察衛星によってカンボジアのタイ湾に面するコッコンの郊外に3600メー
トルの滑走路がほぼ完成していることが判明した。大型ジェット機ばかり
か、この長さがあれば軍用の大型輸送機が発着できる。

かねて情報を掴んでいた米国は昨秋、ペンス副大統領がフンセン首相に書
簡を送り、中国の海軍基地使用を認めるのではないかと打診し、2019年1
月には米国防総省が、カンボジア国防相に問い合わせをしている。

フンセン首相も、カンボジア国防相も「そんなことはあり得ない。フェイ
ク情報だ」と頭から否定してきた。

コッコン開発はタイ国境に近いことからリゾート観光、ゴルフコースなど
を建設し、一帯を「一帯一路」の一環プロジェクトとして、中国は38億ド
ルの投資を表明した地域である。

しかし疑惑は深まり、ウォールストリートジャーナルは7月21日付けで、
「密約の機密文書にフンセンが署名した」と報じた。具体的にはコッコン
を30年の担保、99年のリースとしたことが判明したと報道した。

この遣り方は、同様な契約を迫られて拒否したタンザニア大統領が、メ
ディアに暴露してことで、世界的に中国が同様なオファーをしている事実
も浮かんだ。
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)貴誌7月21日号の読者欄に関して、在日朝鮮人の辛氏は、
野村進『コリアン世界の旅』(講談社α文庫)でこのように。
(以下引用 P.133、辛淑玉へのインタビューより)

「私、1970年頃に阿佐ヶ谷の朝鮮学校(東京都杉並区の朝鮮第九初級学
校)に入るまでは、日本の小学校でいじめっ子だったんですよ。日本人の
子と「朝鮮人ごっこ」っていうのをして、「あんたは朴」「あんたは李」
と、私が決める。気に入らないと名前を付けてやらないわけ。そうする
と、みんな朝鮮人になりたくて、私に媚びてくるんですよ。でも、ならし
てあーげないって(笑)。ところが、朝鮮学校に入ったら、私より強いや
つが山のようにいる」(以下略)
   (KL生)

  ♪
(読者の声2)今回の参議院選挙で、改憲勢力は発議に必要な3分の2に
手が届きませんでした。憲法改正は遠のいたと思います。

自民党は議席を増やしていますから、一応は勝利なのでしょうが、相変わ
らず莫迦たちの政党が議席を取得しました。なんとも日本には政治がわか
らないポピュリズムが蔓延っているのでしょうねぇ。(GH生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)10代から20代の有権者の自民党支持が急増してお
り、旧「革新」を支えるのが「団塊の世代」以後、とくに60代から70代に
固まっています。

全体として左翼は減速しており、身内での票の取り合いが進んでいるとみ
ました。山本一派が2議席を取り、その代わりに川田龍平が落選しており
ます。

また「NHKから国民を守る党」が1議席とりましたね。快挙では?
一方で「維新」が意外なほど健闘しています。改憲勢力ですが、時代が急
変すれば、少数野党が立場をころりと変えるでしょう。

◆「青い山脈」の頃

渡部亮次郎


恥かしい話を書く。多分生まれて初めて観た劇映画が「青い山脈」であ
り、昭和26(1951)年の早春、新制中学を卒業寸前の15歳、教師引率で、町
の映画館で観た。

もちろん白黒。公開されて既に2年経っていたらしいが、それは今になっ
て調べて分かった事。町と言いながらド田舎だったのである。

昭和の御世。15歳まで映画も観られなかったとは万事、貧しかった。
もっとも戦争中は見ようにも映画が製作されてなかったらしい。

映画「青い山脈」(あおいさんみゃく)は石坂洋次郎原作の日本映画。
1949年・1957年・1963年・1975年・1988年の5回製作されたが最も名高い
のは1949年の今井正監督作品である。私の観たのがこれだ。

主題歌の『青い山脈』は日本映画界に於いて名曲中の名曲ともいえる作品
で、過去の映画を紹介する番組などでは定番ソングともなている。2007年
10月24日のラヂオ深夜便で久しぶりに聴いたので映画の事を思い出したの
である。

西條八十(やそ)作詞、服部良一作曲の名曲。映画を見たことが無い人でも
歌だけは歌える人が多い。また映画ではラブレターで「戀(恋)しい戀し
い」というところを「變(変)しい變しい」と誤記してしまうエピソード
は大いに笑わせた。

長編小説『青い山脈』は1947年に「朝日新聞」に連載。

東北の港町を舞台に、高校生の男女交際をめぐる騒動をさわやかに描いた
青春小説。また、民主主義を啓発させることにも貢献した。

私は新憲法は中学生ながらに全文を読んだが、民主主義の実際については
「青い山脈」に教えられた。

1949年に原節子主演で映画化され、大ヒットとなった。その3ヶ月前に発
表された同名の主題歌も非常に高い人気を得た。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

石坂洋次郎(いしざか ようじろう 1900年1月25日―1986年10月7日)は、
小説家。青森県弘前市代官町生まれ。戸籍の上では7月25日生まれになっ
ているが、実際は1月25日生まれ。

弘前市立朝陽小学校、青森県立弘前中学校(現在の青森県立弘前高等学校
の前身)に学び、慶應義塾大学国文科を卒業。1925年に青森県立弘前高等
女学校(現在の青森県立弘前中央高等学校)に勤務。

翌1926年から秋田県立横手高等女学校(現在の秋田県立横手城南高等学
校)に勤務。1929年から1938年まで秋田県立横手中学校(現在の秋田県立
横手高等学校)に勤務し教職員生活を終える。

『海を見に行く』で注目され、『三田文学』に掲載した『若い人』で三田
文学賞を受賞。しかし、右翼団体の圧力をうけ、教員を辞職。戦時中は陸
軍報道班員として、フィリピンに派遣された。

戦後は『青い山脈』を『朝日新聞』に連載。映画化され大ブームとなり、
「百万人の作家」といわれるほどの流行作家となる。数多くの映画化、ド
ラマ化作品がある。

他に、『麦死なず』『陽のあたる坂道』『石中先生行状記』『光る海』など。

「青い山脈」では作者は青森県立弘前高等女学校(現在の青森県立弘前中
央高等学校)の教師であった。当時疎開中の女子学生達から聞いた学校生
活をこの小説の題材にしたと思われる(「東奥日報」2005年8月15日新聞
記事による)。

この記事は間違っている。現在の青森県立弘前中央高等学校の教師であっ
たのは1925年(大正14年)であって「当時疎開中の女子学生達」とは何の
ためにどこから疎開してきたのか。東奥日報の我田引水もいい加減にしろ。

閑話休題。1949年版映画のスタッフ。監督:今井正、脚本:今井正、井手
俊郎、音楽:服部良一。作曲を電車の中で、数字で作曲していたら、折か
らの闇物資を売買する闇商人に間違えられた、という作り話のようなエピ
ソ−ドがある。

主なキャスト 島崎先生(女学校の教師):原節子、沼田校医:龍崎一郎
、金谷六助(旧制高校生):池部良、寺沢新子(女学生):杉葉子、 ガン
ちゃん(旧制高校生):伊豆肇、 笹井和子(女学生):若山セツ子、梅太
郎(芸者):木暮実千代だった。

2007年、『映画俳優 池部良』が出版される。2007年2月、東京池袋の新
文芸座のトークショーにて、その本の編集者から「青い山脈の時に31歳で
したが…」と池部が質問され、

実は1916年生まれで当時33歳なのに『青い山脈』の18歳の高校生の役を
渋々受けたことや原節子先輩からガリガリに痩せていたため「豆モヤシ」
という迷惑なあだ名をつけられたり、原節子の尻をデカイと本人の目の前
で口を滑らせたために 張り手を食らいそうになったりといったエピソー
ドを話している。

「ウィキペディア」による誕生日は1918年2月11日(建国記念の日)89歳
 血液型B型となっているが、池袋の新文芸座のトークショーでの「実は
1916年生まれ」だとすると92歳(2008年6月現在)になってしまう。映画俳
優協会の理事長としてご活躍中ということで不問にしよう。

この作品は藤本プロと東宝の共同作品となっている。著作権の保護期間が
終了したと考えられることから現在激安DVDが発売中(但し監督没後38年以
内なので発売差し止めを求められる可能性あり)。出典: フリー百科事典
『ウィキペディア(Wikipedia)』

この映画を観た当時は大東亜戦争の敗戦から未だ6年。人口数千人の町に
よく劇場があったものだが、小中学生の映画鑑賞は禁じられていたし、カ
ネも持っていなかったから観たいとも考えなかった。

出来て間もない中学校では野球に夢中。3年になったら主将に指名され
た。投手で4番打者。校舎の中では生徒会長でもあったから忙しかった。
家では教科書を広げる事はなかった。

中学校も間もなく卒業という春、秋田は3月と言っても当時は雪の降る日
があった。ゴム長靴にアメリカ軍払い下げのオーバーを着て寒さに耐えな
がらの映画鑑賞。

生まれて初めて観る映画だったはずだが、あらすじも画面も、未だに思い
出せるところをみると興奮はしていなかったようだ。後年、父親を映画に
誘ったら「暗くて厭だ」との感想。

明るくとも見える映画といえるテレビがド田舎にも普及したのは「青い山
脈」を見てから10年以上経っていた。ましてあの頃、テレビ会社(NHK)に入
社(記者)するとは夢にも思わぬことだった。

恥かしくて退屈な思い出話。御退屈様。2007・10・25執筆

◆「源氏物語」は世界最古の政治小説

毛馬一三


世界最古の長編小説「源氏物語」が一条天皇に献上されたのは、寛弘5年(1008年)11月17日。丁度千余年前のことである。

紫式部が、父の赴任先の越前国で当時、何よりも貴重だった「越前和紙」とめぐり合い、2年間にわたって思いのままに、物書きに熱中したことは、本欄ですでに触れた。

ところで、この「源氏物語献上」に先立つこと寛弘2年(1005年)12月29日に紫式部は、宮中に呼び出されている。何とこの召し上げの仕掛け人が、藤原道長だったのだ。

どうして藤原道長が、紫式部を宮中に召しあげたのか。それは当時宮中で繰り広げられていた、壮絶な権力闘争と大きな関連がある。

その権力闘争とは、道長の兄道隆盛の息子「伊周(これちか)と道長とが、真っ向から繰り広げていた藤原同族同士の宮廷内対決だった。

内大臣伊周に対抗するには、叔父の道長はこれを超える役職への昇進しかなかった。道長は画策した。一条天皇の生母で、実姉の強力な支援を懇願して、「関白」に次ぐ地位の「内覧」職を獲得し、役職の上では、一応互角に並んだ。

だが、道長にとっては、まだ後塵を拝する部分があった。伊周は、妹の定子を一条天皇の中宮に送り込み、堅牢な地位を確保していたのだ。

道長にしては、この一郭を何としてでも突き崩す必要があった。このため何と一条天皇のもう一人の中宮に娘の彰子を送り込んだのである。

こののち中宮彰子は、1008年9月11日、「敦成(あつひら)親王」(後一条天皇)を出産。道長は、これによって、権力の頂点を完全に立った。

しかしそれに至る以前に、なぜ紫式部の召し上げにまで手を打っていた政治家道長の老獪な魂胆とは一体何だったのか。恐らく文学好きといわれた一条天皇の気を惹くため、紫式部の「源氏物語」の献上を早々と仕組んでいたと思われる。言い換えれば、天皇の歓心を買うための一種の「政争の具」として周到に準備していたのだろう。

紫式部は、中宮彰子の教育係として勤める傍ら、3年近く宮中の様々の人間模様、権力構造、熾烈な利害闘争などをつぶさに見ながら、冷静な考察と巧みな筋立てを描きながら、得意満面に「源氏物語」を書き綴っていたに違いない。

色とりどりの54帖の冊子、400字詰原稿用紙にすれば、2300枚ともなるとてつもない長編小説。

越前和紙と墨を使ったきらびやかな「源氏物語」の献上が、一条天皇の心を捉えて仕舞ったであろうことは、想像に難くない。

次々と広がる物語の中で、天皇自身が、思い当たる舞台での隠れた暗闘と情念の世界の展開や登場人物への特定がすべて思い当たり共鳴感動したとしたら、天皇にとりこれに勝る悦楽は、他には無かったのではないだろうか。

そう見ていくと、源氏物語は、「悲恋」、「純愛」、「禁断の恋」の物語ではないように思える。むしろ宮中文化の中で、現場で目撃し鋭敏に感じ取った政治暗闘の記録文学とも見える。

ひょっとしたら世界で最古の「政治小説」と言ってもいいかもしれない。「政治小説の源氏物語」となれば、また。評価の仕方も見方も読者層も、大きく変わっていくのではないだろうか。(了)2008.11.17

2019年07月22日

◆雀庵の「Anne G. of Red Gables」開店

“シーチン”修一 2.0


回からタイトルを「拉致:朝鮮半島の闇、日本の闇」から「雀庵の〇〇」
にします。

知性と感性の光輝くコラボ、モード・モンゴメリの名作「赤毛のアン」
(原題 Anne of Green Gables/緑の切妻屋根のアン)シリーズ、さらに自
叙伝的な「可愛いエミリー」シリーズも読了した。

小生の次女は小5の娘に「アン」を読ませたいようだが、高2レベル以上の
言語能力がないと難しいと思う。登場人物が多いし、名前が山田花子鈴木
中村とかで、山田が嫁ぎ先、鈴木が父方、中村が母方とすると、同じ花子
さんでも、呼び名が花子、通称は花ちゃん、花、ハナ、ミセス山田、ミセ
ス花子、山田花子鈴木とかあり、「山田花子鈴木さん、あんたは武門の中
村家の血筋を引いている山田花子鈴木中村なんやさかい、しゃきっとせな
あかんやろ!」なんて言われたりする。

この他に通称・略称でフレデリックが「テディ」、ウィリアムが「ビ
リー」とかで書かれ、日本でも歌舞伎や噺家は「三代目尾上松緑」とか
「四代目古今亭志ん朝」とかがあり、屋号も田舎ではまだ残っている。我
が家は生まれ故郷では「精米」と呼ばれていたし「バロン」(男爵)と呼
ばれている人もいた。分かっている人は分かるが、分からない人は理解す
るまで戸惑う。

モンゴメリの作品中でも同じ人がいろいろな名で呼ばれたりするから、
ボーっとしていると訳が分からなくなる。数ページ戻って読み直すことも
しばしばだ。小生は言語力はIQ130だから読解力はある方だろうが、それ
でもモンゴメリと訳者の村岡花子氏の表現に馴染むには時間がかかった。
慣れればほとんど気にならないが、それなりの高度な読書力は必要だと思う。

話は外れるが、専門分野では専門の言語や隠語、略語を使うから、分かる
人は分かるが、門外漢にはチンプンカンプンだろう。「五校とってようや
く責了、下版で2階のプレスのとこで写真と見出し載せて紙型とって、地
下の輪転機の刷り出しをチェックして、ようやく工場を出たら11時。毎日
午前様だよ。編集長に泣きついたら血尿が出たら一人前だってさあ」

古典落語の「金明竹(きんめいちく)」は上方の骨董屋業界の話。

「わては中橋の加賀屋佐吉方から使いに参じまして、先度、仲買の弥市が
取り次ぎました、道具七品(ななしな)のうち、祐乗(ゆうじょ)・光乗
(こうじょ)・宗乗(そうじょ)三作の三所物(みところもん)。なら
び、備前長船の則光(のりみつ)。四分一ごしらえ、横谷宗aの小柄(こ
づか)付きの脇差……柄前(つかまえ)な、旦那さんはタガヤサンや、と言
うとりましたが、埋もれ木やそうで、木ィが違うとりましたさかい、ちゃ
んとお断り申し上げます。

次はのんこの茶碗。黄檗山金明竹、遠州宗甫の銘がございます寸胴の花活
け。織部の香合。『古池や蛙飛びこむ水の音』言います風羅坊正筆の掛
物。沢庵・木庵・隠元禅師貼り混ぜの小屏風……この屏風なァ、わての旦那
の檀那寺が兵庫におまして、兵庫の坊(ぼん)さんのえろう好みます屏風
じゃによって、『表具にやって兵庫の坊主の屏風にいたします』と、こな
いお言づけを願いとう申します」(矢野誠一「落語歳時記」などから引用)

素人にはチンプンカンプン。分かる人には分かるが、漢字があるから何と
なく意味は分かるだけで、話(口語、会話)だけならお手上げだろう。読
書も日々訓練しないと読書力は伸びないどころか後退する。文字も書かな
いと漢字がどんどん書けなくなるのと同じだ(激しい劣化を痛感した小生
は最近では手紙を書くようにしている)。

才媛モード・モンゴメリは熱烈な作家で、手で下書きを書き、清書はタイ
プだった。同時に物凄い読書の人でもあった。モリー・ギレン著「運命の
紡ぎ車」から。

<当然のことながら、非常に多くの役割――母親であり、牧師の妻であり、
作家である――を果たさねばならない生活は・・・有能な家事手伝いがいな
かったならば、役割の一つや二つはおざなりになっていたであろう。

忙しさに煩わされ続けた年月を通じて、モードは何とか毎日二、三時間の
時間を工面して執筆時間を確保したのである。

「母は早朝に書き物をしていました」と息子のスチュアートは言っている。

「そして夜遅くに読書をしていました。わたしが覚えている限りでは、母
の睡眠時間は5時間、時には6時間でした。母は乱読家で・・・イギリス文
学の古典はすべて、何度も読み返していましたし、それに、信じられない
ほどの記憶力で、シェイクスピア、ワーズワース、バイロンばかりか、有
名なイギリス詩人の作品はすべて、大部分の個所を引き合いに出すことが
できました。

そればかりか、同時代の本、雑誌、新聞のすべてを読み、また、毎日一、
二冊の推理小説を読みこなしていたのです」>

大大好きな可愛い才媛、日本のモンゴメリ、曽野綾子先生みたい。小生も
脳ミソがストップするまで読み続け、書き続けたい、できるものなら「五
箇条の御誓文」をベースにした新憲法の成立を見たいものである。(これ
にてモード・モンゴメリの項は終わりにします。ああ面白かった!)

そうだ、わがペントハウスを「Anne G. of Red Gables」にしよう。発狂
亭“気分爽快”雀庵爺(G.)の病棟日記から。

【「措置入院」精神病棟の日々(120)】【2016/12/28】【産経】曽野綾
子(!偶然! 1969年横浜市大入学の小生は商学部で男ばっかり、で、文
学部のミスキャンパス廣瀬綾子ちゃんに懸想。「テニスコートの君は19、
ヘルメットの僕は18、ニッコリ笑って淋しく別れた、本当にはかない恋
だったねえ」。閑話休題)「南スーダンの新橋工事中断 安全優先と国際
貢献との葛藤」、途上国で仕事をすることの、日本人からすれば途方もな
い難しさ。

「JICAが日本人職員の安全を優先したのは当然だが、生き延びるだけで、
その人が生きたことにはならない時もある。安全第一の思想では人生は理
解できないのである」

カネない、モノない、ヤルキない、技能もないしモラルもない、治安もな
い、あるのは賄賂と汚職、私利私欲、おまけに邪教や部族対立・・・そう
いう国での国際貢献・・・「自己犠牲」とは言うものの「三十六計」逃げ
出したくなるわな。

竹内久美子「正論:勝利のキーワードは『赤』だった」。実力伯仲選手の
試合では赤福の勝率が目立って高い。「アカは強さや支配性を強めてい
る。トランプ氏が接戦を制したのは赤いネクタイが威力を発揮したからか
もしれない」

牛は赤に興奮し、女は赤い唇で誘惑し、共産主義者は赤旗を振る。勝負服
は赤に限る?! アカになったらアカンデ、塀の内側に落ちるさかいな。

小雲則夫「米を蝕む新手の合成薬物フェンタニル型 中国で製造→韓国
ネット 通販流入確認 車事故より多い死者数 次期政権課題」。「2015
年の合成薬物による死者数は前年より7割も多い9600人で、その大半が
フェンタニル型」。

支那による阿片戦争のリベンジのような・・・北京が製造販売を黙認して
いるのではないか。

藤本欣也「中朝国境で連行されて」。3時間拘束され、一部の写真を削除
されたという。「国境の警備強化を身をもって知った」、スパイだとして
刑務所送りになりかねないから取材は命懸けだ。北の飢えた兵士が越境し
て強盗するそうだから中共も必死なのだろう。

「検証 文革半世紀 中国の未来は――専門家座談会 残る傷 居座る指導
部 共産党に国民不信も民主化遠く」。

産経の矢板明夫氏は1972年天津生まれ、15歳で日本人残留孤児2世として
千葉県に引き揚げた。その発言「文革により中国人は何も信じなくなっ
た。すべての宗教が否定され、毛沢東だけが神様になったが、文革後、毛
もトウ小平によって実質的に否定された。信じられるものがないから、
人々はとても現実的になった。お金や権力をとても重視している」。

「習氏が文革的運動をもう1回やろうとしても、50年前に毛沢東に騙され
た国民が信用することはないと思う。いま中国で起きていることは文革的
だと言われているが、毛沢東の真似ごとでしかない。そう長くは続かない
と思う」

金野純氏によるとキリスト教徒が急増し、共産党員(8500万)よりも多く
なっているという話もあるそうだ。

矢板氏の「連載を終えて」から。

「文革で得した人は誰もおらず、皆が被害者だった。個人崇拝など、様々
な文革的現象が中国に戻ってきたのは、共産党政権が自らの負の歴史を封
印し、文革を推進した毛沢東を否定しなかったことにあるのではないか。
それが私が辿り着いた結論だ。紅衛兵世代の習近平自身が毛沢東に憧れ、
毛のような指導者になりたいと考えていることも、大きな原因かもしれない」

今朝も産経は面白かった。

・・・

原野商法などを見ていると、詐欺に遭う人は何回も騙される。支那14億の
うち農民や出稼ぎ労働者など低所得層は7億人(50%)ほどらしい(デー
タがないが何清漣女史は68%=10億だという)が、彼らは低学歴で情報も
限られているために中共の岩盤的な支持層になっているようだ。

支那経済の実態は不明だが、「数字で出世する」国柄で、いい数字を出さ
なければ首が飛ぶから、官僚はいい数字を出して高度成長を囃し立ててい
たが、近年は北京の意向で少しずつ減らしている。それでもGDPは+6%台
で、14億の国が6%台なら世界経済をグングン牽引しているはずなのに、
そんな感じはしない。

プラス成長でもまず上流が美味しい思いをし、下流に届く頃には景気が減
速するというのが日本では当たり前になっているが、支那の低所得層は依
然として「飢えからは解放された」レベルでしかないようだ。エリート階
級も大卒の就職はずいぶんな狭き門らしい。

シンクタンクの東京財団によると「失業者が増え、物価は大きく上昇して
います。経済がスタグフレーションに陥る可能性が高まるなか、中国国内
ではナショナリズムが高まっています」という。

実際、支那の農村は発展どころか逆に疲弊が進んでいるらしい。もともと
生産性が低い「水呑み百姓」で、どうにか息子夫婦が出稼ぎに出てヂヂバ
バと孫で細々と営農していたが、出稼ぎ需要が減っているから帰村してき
た。ところが農地がない、代わりに「閑居して不善をなす」失業者やゴロ
ツキがゴロゴロしており、国破れて山河あり、されど耕す田畑なく、「中
国農村のヤクザ社会化、郷村文化のならず者化現象」(何清漣)は目を覆
うばかりのようだ。

「白樺 青空 南風 こぶし咲くあの丘 北国のああ北国の春」

出稼ぎ者は日本でも支那でもこの歌を歌って涙したものだったが、その故
郷自体がなくなりつつあるのだ。

<中国は、世界第2の経済大国と言いますが、中国の現代経済部門は、か
くも就業チャンスを欠いています。その原因を遡れば、2005年にはじまっ
た「農村消滅」運動(訳注;都市建設のために農地や農民の住居を取り壊
した)と「嘘っぱちの都市化」なのです。

中国共産主義青年団(共青団)が習近平主席の呼びかけに呼応し「農村振
興プロジェクト」として、2022年前に1000万人以上の青年を「上山下郷」
(下放)すると伝えました。海外の世論は騒然となり、これが毛沢東時代
の文革の「下放」と同様、一千万人の青年が「荒れ地を開墾するために」
農村地域に「下放」されたことになぞらえて伝えられました。o

しかし、調べてみると、この大騒ぎの元となったのは、共青団中央の「3
年で千万人の青年ボランティアを農村へ」という文章で、内容を見ると、
毛沢東時代の「下放」とは違っており、「延べ千万人の青年ボランティ
ア」は、文化、科学技術、衛生の三つの分野で農村へ一カ月前後の期間活
動するというもので、文革時代の「千万青年が農村に根を下ろす」話とは
大違いです>(何清漣)

今さら共産党から農地を借りて「食うだけで精一杯」の農村振興・・・カ
ラオケねえ、スナックねえ、電車もバスも見たことねえ、たまに来るのは
共産党員、オラそんなのはやだ・・・ってなるわな。

北京は時代錯誤的な「漢服ブーム」でナショナリズムを焚きつけている
が、小生の愛した深いスリットはご法度。やることがセコイね。「俺は大
国だ」とえばっていた北京は今や「発展途上国に対して特別な待遇を与え
ること。発展は国によって差があることを直視し、発展途上国の発展の権
利を守る必要がある」とWTOに訴えている。昨日はジャイアン、今日は泣
き虫パンダかよ。まったく天に代わってオシオキしないとね。

(つづく)2019/7/21

◆台湾独立色を鮮明に

宮崎 正弘


令和元年(2019)7月22日(月曜日)通巻第6151号  <前日発行>
 
 台湾独立色を鮮明に、新党「喜楽島連盟」が誕生
  羅仁貴(長老会牧師)を議長に立法委員選挙に大勢の候補者擁立を宣言

7月20日、台湾でまた新党が誕生した。台南を拠点に長老会(プレスビテ
リアン)がバネとなって「喜楽島連盟」が結成されたのだ。

初代党主席は台湾長老会派議長の羅仁貴が、200人の代議員の投票によっ
て選ばれた。

「来年の立法委員選挙に候補者を多数擁立する」と気勢を挙げた。ただし
蔡英文に挑戦する総統候補は立てない、とした。

台南はもともと台湾独立を鮮明にする本省人の根城のような地区で、台南
市長を務めた頼清徳は首相を辞任して総統候補をきめる党内選挙に臨ん
だ。同地のキリスト教会は長老派が圧倒的につよく、蒋介石独裁時代には
教会にあつまって独立派の秘密会合が開催されたという歴史がある。
 
長老会はカルビンの宗教改革を端緒にスイスで発祥し、フランスから英国
へ伝わりスコットランドで拡大定着した。米国にも伝播したのはピューリ
タンが持ち込んだからで、このカルビン派系プロテスタントは、ちなみに
ニュージーランドの主流キリスト教だ。

台湾へは1865年頃に淡水に上陸し、急速に拡大した。現在、台湾のキリス
ト教最大の勢力である。

さて新党「喜樂島連盟」は「反中国併呑」「正名台湾国」「制定新憲法」
「加盟連合国(国連加盟)」をスローガンとしているが、前回選挙で躍進
した「時代力量」や、かつての李登輝主導の「台湾団結連盟」に迫る政治
パワーとなるか、中華思想まるだしだった「新党」や宋楚諭率いる「親民
党」と同様な線香花火で終わるかは、現時点で不明である。
    
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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 日本は縄文時代の一万年、徳川時代の三百年、泰平だった
  幕末まで国家論も国防論も、日本人は考えなくても生きてこられた

  ♪
渡部悦和 vs 江崎道朗『言ってはいけない!?国家論』(扶桑社)
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本書のカバーデザインをながめて、まことに地味。題名も小さい。著者ふ
たり渡部悦和・江崎道朗の名前はもっと小さい。「これでは書店で目立た
ないのでは?」と老婆心ながらの第一印象だったが、いや待てよ。これこ
そ著者と編集者とデザイナーが意図したものではないのか、と考え直した。

つまりプラトン流の「国家論」などと大上段に振りかぶった政治議論な
ど、日本人がもっとも不得手とするからであり、このため、安全保障論議
は論壇の隅っこ、地味なのである。

重要な議論を日本人が避けようとしてきたのではない。関心が薄いのだ。
 選挙で「あなたは何を基準に投票しましたか?」と世論調査をすれば
「社会保障」「年金」「保険」「福祉」「教育」、そして「消費税」であ
り、防衛とか改憲とかを判定基準とする人たちのあまりの少なさに呆然と
なる。

まるで中国とは正反対である。

CCTVも人民日報も環球時報も、朝から晩まで国家、愛国、国防、党の
団結であり、生活保護、保険、社会保障、環境などの議論は何ほども目立
たないではないか。

米国とて、ミンシュシュギとは言ってもWINNER TAKES 
ALLの世界、反対意見は切り捨てる。この点で、中国と似ている。

トランプは国防費を増やそうと言うだけで、国防予算は8兆円も増える
(日本の防衛費は5兆円)、「おれは国務省が嫌いだ」と言うだけで、国務
省予算はばっさりと削減された。もっとも国務省をヒラリー商会にしたの
はオバマ政権の責任だが。。。

日本は? WINNER TAKES SMALLである。

与党は野党の意見を多く取り入れる。これが日本型の和を以て尊しとな
す、まつりごとの基本である。

考えてみれば、日本は縄文時代の一万年、徳川時代の三百年、泰平だっ
た。幕末まで国家論も国防論も、日本人は考えなくても生きてこられた。
突如嵐に遭遇すると、日本人は大和魂を思い出し、国学の復興をみるが、
緊張緩和の時代がくると忽ち重要な課題を忘れるという特性がある。

だからトランプは日本の核武装を容認し、安保条約の廃棄を言い出したこ
とはペリー来航に匹敵する衝撃になる。だが、目の前の現象しか日本のメ
ディアは見ていない。危機と平和が表裏一体であることにまだ気がつかな
い。おそらくこのような民族の特質は未来永劫変わらないのではないか。

 前置きが長くなった。さて本書である。
 
アメリカは一枚岩ではないという現実をふたりはまず俎上にあげる。パン
ダハガーが進歩的でリベラルな学風を誇るハーバード大学に残存してお
り、そればかりか彼らがアメリカの一部の世論をリードしている。

渡部氏の2年の留学経験からハーバード大学の現実が具体的に描写されて
いて、そこまで酷いのかという感想とともにアメリカ人の中国観の根底に
流れる考え方がわかる。

世界のエリートがいかなる議論をしているか、国際関係論では親中路線を
突っ走るエズラ・ボーゲル教授らパンダハガー一派が議論をリードし、学
内政治も牛耳っているという実態。中国人留学生らは共産党統一戦線部の
指令にもとづいて、その周りを囲んでいるという怖ろしい現実がある。

ミアシャイマーは、いたたまれなくなったシカゴ大学へ移った。

パンダハガーと見られていたディビッド・シャンボーは親中路線を修正
し、パンダ批判組に合流した。

シャンボーが全体主義体制の続く限り、中国は後退し、萎縮、崩壊すると
したことは嘗て小覧でも紹介した。

 以下、アメリカ通のふたりは米国政治の内部分析を克明に続けるのだ
が、日本のメディアが伝えていない情報が夥しく、参考意見として傍線を
引き始めたら、本書は朱だらけになってしまった。

外交というのは、軍事力と情報力の両輪で成立する。核の傘に守護された
日本は、アメリカが中国を敵といえば、自動的にその国は日本の敵になる。

国際政治ではパワーというのは軍事力ではなく核兵器を意味する。残置諜
者をスリーピングエージェントなどというのは国際政治の常識だし、日本
の忍者には「草」がいた。じつに戦国時代のほうが、日本のインテリジャ
ンス感覚は鋭敏だった。

そして二人は合意するのだ。岸信介政権まで戦前の岩畔、藤原機関の生き
残り、中野学校の生き残りがいたのでアジア情勢は彼らのアンテナから精
度のよい情報がもたらされた。
 
渡部 「日本にもインテリジェンスのノウハウがありましたが、現在と終
戦以前との間に断絶があります。国防に関しては終戦以前のあらゆるもの
がタブー視されていますから」。
 

江崎 「戦前との断絶が本当に決定的になったのは後藤田正晴官房長官の
時代、つまり昭和50年代から」。

評者(宮崎)はいまから40年前に、日本でも国防論議を本格化させる必要
があるとする加瀬英明、三好修氏らの呼びかけに応じ、「日本安全保障研
究センター」のボランティア事務局長をつとめ、財団化に奔走した経験が
ある。米国のシンクタンクとの交流が深まり、何回か、日米セミナーを開
催したが、10年ほどで活動停止状態に追い込まれた。

第一に米国との税制が異なり、寄付が集まらないこと。ひとくち一万円て
いどの会費では、セミナーも開催できない状態だった。

第二に自民党の政治家で真剣に安保論議に呼応できる国際感覚の持ち主が
数名しかいないこと。この寂しき現実はいまもかわらず、「アメリカ通」
を自認する若手の議員でも、じつはアメリカ政治を理解していない。かれ
らは「エズラ・ボーゲルはこう言っていた」という口癖がある。

第三に日本の官僚制度では当時、防衛庁は二流官庁とみられており、協力
体制にないこと。とりわけ外務省の非協力的な態度には、エリート特有の
「上から目線」があり、ましてチャイナスクール全盛時代だったから、中
国の軍事的脅威を説くと、私たちの議論をはなから莫迦にしていた。

第四が財界の理解がほぼゼロ、金儲け、目先の決算しか思考範囲にないこ
と。かれらは天皇訪中を歓迎したし、工場の進出ばかりを考えて、国益と
か戦略とかを語ることはタブーに近かった。

第五にメディアの理解が、ほぼゼロだったことである。

したがって二人の議論のなかでも下記の箇所が妙に突き刺さるのだ。
 渡部 「安全保障に関する唯一の官のシンクタンクは防衛研究所です。
(中略)所員には優秀な人もいるのですが、結果を対外的に発表するのはか
なりハードルが高い。いちいち許可を得ないといけないのです。そうする
と本当にタイムリーな情報の発信はむずかしくなる」
 
江崎 「公表するまでに時間がかかってしまう。それと政府はある程度、
確実なことしか言えませんしね。(中略)これが民間だと政府ほどの制約は
ありません。『こういう可能性がある』『こう予想される』という段階で
も発表できる」

したがって二人は早めの情報分析と予測を立てる民間シンクタンクの必要
性があると力説される。評者も経験上、大いに賛成である。

レーガン政権時代、ヘリティジ財団の作成したペーパーが政策に反映され
るか、あるいは採用された。AEIの経済政策も有効だったし、当時、評
者はこれらのペーパーを集め、研究員と議論するために何回もワシントン
へ行ったものだ(いまではネットで読める)。

もう一つ、官ができない見解を民間シンクタンクがさきに警告的に発信で
きる利点がある。

CIAの金融予測は、公表するとまずいことがあるので、GFIなどの民
間にシンクタンクがさらりと発表している。だから中国の外貨準備や不正
資金の流失というリアルが、われわれでも掴めるのである。

国防方針はランド研究所をウォッチしていれば概要が掴めるし、アメリカ
のホットな議論が奈辺にあるかはCSISの報告などを注視していれば良い。

ともかく本書は全編これ最新情報の固まりであり、紙幅があればもっと紹
介したいところである。