2019年11月23日

◆今年60のお爺さん

渡部 亮次郎


「村の渡しの船頭さんは 今年六十のお爺さん 年を取つてもお船を漕ぐと
きは 元気いつぱい櫓がしなる それ ぎつちら ぎつちら ぎつちらこ」

「船頭さん」の一番。「かもめの水兵さん」などと同じく作詞は武内敏
子、作曲は河村光陽。

太平洋戦争直前(1941年)に発表された歌で、「六十のおじいさんです
ら、村のためお国のために休む暇なく働いているのだから、君たちも早く
立派な人間になってお国のために尽くしなさい」というメッセージが込め
られているそうだ。

このような童謡にさえ、そうしたメッセージがこめられる時代だったんで
すね。それにしても60歳のおじいちゃんですら働いている、とは…。うーむ。

あの時代、戦争だったから、老若男女のうち若い男は戦場に赴き、女性が
社会を運営していたのだから「老人」が働くのは当然だった。いまに労働力
が少なくなってきたら80歳でも働かなくてはならなくなるかもしれない。

今の日本で「60」を老人と考える人は僅かだろうが、昭和16年、今から70年
前は少なくとも60歳は「老人だったのである。

常連投稿者・平井修一さんの調べによると、世界各地での定年事情をニー
ルセン・カンパニー合同会社が調べている。オンライン調査で2010年9月
に、アジア太平洋、欧州、中南米、中東、アフリカ、北米の世界53カ国2
万6000名以上を対象に実施した。主な調査結果は以下の通りだ。

■「年寄り」は70代から

何歳からが年寄りだと思うか、という質問に対し、日本では「70代」
(54%)、世界平均では「60代」(34%)という回答が最も多い。

一方、「80代」からが年寄り、と考えている人の割合が高いのは、北米
(43%)、中南米(35%)、欧州(32%)で、日本(4%)と比べても非
常に高い数値となっている。2012・11・03

◆「嘘の国」韓国を批判する愛国の書

櫻井よしこ


文在寅韓国大統領の反日・親北朝鮮、さらに社会主義路線に異を唱え、立
ち上がる人々が急増中だ。文氏の「反日」に反対する戦線の最前列に立つ
のが元ソウル大学経済学部教授、李栄(イヨンフン)氏で、その編著書、
『反日種族主義』(以下『種族主義』)はベストセラーになっている。反
文在寅運動の理論的支柱ともなった同書の日本語版が間もなく書店に並ぶ
が、一足早く入手して、一気に読んだ。

李氏は経済史の専門家としてずっと数字や事実に拘り続けてきた。フィー
ルド・ワークから導き出される事実は政治的偏りとは無縁である。韓国で
流布されてきた反日のための歪曲や捏造とは全く異なる歴史認識や情報を
李氏は発信し続けてきた。そのために、ソウル大学教授という尊敬される
べき立場でありながら、凄まじい非難も浴びた。その氏が今回、「命が
け」で論陣を張っている。それが本書の出版だ。

『種族主義』は、冷静な分析と客観的事実に満ちている一方、韓国人には
強い衝撃を与えずにはおかない火を吐くような激しい表現がある。

たとえば「嘘の国」と題されたプロローグだ。「嘘をつく国民」、「嘘を
つく政治」、「嘘つきの学問」、「嘘の裁判」などの小題は韓国人の心臓
を射抜くだろう。その後に今日の韓国を表現する言葉として「反日種族主
義」が登場する。

「韓国の嘘つき文化は国際的に広く知れ渡っています」「政治が嘘つきの
模範を示しています」「嘘つきの学問に一番大きな責任があります」「こ
の国の嘘をつく文化は、遂に司法まで支配するようになりました」と書い
た後、李氏は韓国人の精神を蝕み、韓国を誤った道に誘引してきた反日種
族主義について説明する。

長くなるが次のような説明だ。

韓国社会に色濃いシャーマニズムは物質主義と種族主義に通底している。
シャーマニズムの世界では両班は死んでも両班で、奴婢は死んでも奴婢で
ある。だからこそ、人々は両班の身分を手に入れようと、嘘も詐欺も働
く。汚いカネも許される。こうして皆が物質主義に走る世界には共有すべ
き真理も価値観もない。何でもありだ。そして一方の集団は究極の利のた
めにもう一方の集団を排斥する。それらの集団は価値観や文化や情趣を共
有する民族では断じてなく、種族に過ぎない。種族を単位とした政治が種
族主義である。簡単に言えば種族主義は、事実、理性、合理のいずれとも
無関係の「幻想」から生まれる愚かな精神性だ。信用してはならず、影響
も受けてはならない。峻拒すべき悪しき精神性で、それが韓国にはびこっ
ている。

祖国韓国に対するこの激しい批判は、学者としての良心の叫びであり、嘘
つき国となった祖国への愛であり、絶望に近い口惜しさでもあろう。

幻想に搦めとられて歴史を紡ぐ事例として、李氏は、朝鮮人の日本に対す
る憎悪の源泉のひとつ、総督府による土地調査事業をとり上げた。

合理的理由があるのか

合計350万部を売り上げた大河小説『アリラン』12巻には土地調査の場面
が複数回登場するという。調査を実施する駐在所の警官が土地を奪われる
農民の抗議を退け、木の幹に括り付け、銃殺する。小説『アリラン』で描
写される日本軍の朝鮮人虐殺の場面は不条理の極みである。

当時は日本の領土だった千島列島守備のための土木工事現場では、朝鮮人
労働者1000人が虐殺されたと、『アリラン』は書いた。工事完了時点で日
本軍が朝鮮人労働者を「防空壕に閉じ込め」「30分間手榴弾を投げこみ、
機関銃射撃を加えて皆殺しにした」、この他、日本軍は同様の手法で4000
人余りを殺したとも書いている。でたらめな映画「軍艦島」を連想させる
場面だ。日本人は朝鮮人を皆殺しにしたという悪意に満ちた発想は瓜二つだ。

李氏は調査の結果、「この凄惨な虐殺は事実ではない」と断じ、労働力不
足の戦時中、やっと確保した貴重な人員を虐殺する合理的理由があるの
か、と問う。その上で『アリラン』の著者、趙廷来こそが「虐殺の狂気に
取りつかれているのではないか」と疑っている。

その他本書では、日本が「朝鮮の土地の40%を奪った」と教える韓国の教
科書の嘘が暴かれ、日本人が朝鮮から食料を奪ったとの言説の嘘も暴かれ
ている。共著者の東国大学経済学科教授の金洛年(キムナクニョン)氏が
1931(昭和6)年6月16日の「東亜日報」の記事を紹介している。同記事
は、日本も朝鮮も大豊作だったこの年、コメの供給過剰傾向ゆえに朝鮮半
島から日本へのコメの輸入(移入)を制限するとの情報についてこう報じ
ている。

「朝鮮農民の立場としては、法律の制定による移入制限にはもちろんのこ
と(中略)朝鮮米流出の自由を束縛するいかなる措置にも絶対反対するし
かない」

日本人がコメを奪ったのではなく、朝鮮の農民がコメの輸出を切望してい
たということだ。

竹島について

朝鮮人戦時労働者問題については落星台経済研究所の李宇衍(イウヨン)氏
が日本人と朝鮮人の待遇は全く同じだったと証明し、竹島については「率
直に言って韓国政府が、独島は歴史的に韓国の固有の領土であると証明す
る、国際社会に提示できるだけの証拠は、一つも存在していない」と明記
している。

李栄薫氏はこのような指摘は韓国人にとっては不快であろうが、「一人の
知識人として」指摘しないわけにはいかないと書いた。実に立派な人物だ
と思う。

これらの内容に日本人はホッと胸を撫で下ろすかもしれないが、李氏は
ざっと次のようにも書いていた。

「ふつうの韓国人は、日本に対し良い感情を持っていません。不快な、あ
るいは敵対的な感情を持っています。それは長い歴史の中で受け継がれて
来たもので、七世紀末、新羅が三国を統一したときからそうなったのでは
ないかと考えています」、と。

663年、日本は百済再興を助けるために出兵し、白村江で唐・新羅連合軍
と戦い、敗れた。わが国はその後、唐・新羅連合軍の侵略に備えて防備を
固め、独立国としての気概を強めた。李氏はあの頃から千数百年間も日韓
は非常に近くにありながらも、疎遠な国であり続けたと指摘し、朝鮮の対
日不快感、敵対感はこの時代に遡るというのだ。日本は韓国の仇敵であ
り、種族主義を噴出させる対象だとも李氏は警告する。

日韓関係を最悪の水準に落とし込んだ慰安婦問題についても、『種族主
義』は深く斬り込んだ。日本の敗戦後、慰安婦問題は韓国軍や米軍の問題
となり、女性達の境遇はさらに悪化したことが詳述されている。

李氏らはこうした事実を「亡国の予感」の中で書いた。韓国の滅亡を食い
止められるのは韓国人の賢さだけだ。この戦いを、私は日本の運命を思い
つつ、見守っている。

◆この秋、天使が舞い降りる

石岡荘十

米NBCのオーディション番組、‘America’sGot Talent’から、1人の天才歌手、それもクラシックオペラのアリア曲を得意とする世界最年少のオペラ歌手が誕生した。

その名はジャッキー・エバンコ(Jackie Evancho)、11歳の少女だ。 ‘America’s Got Talent’は一昨年、スーザン・ボイドを送り出したことで日本でもよく知れれるようになった新人タレント発掘のオーディション番組のアメリカ版である。

まずは、その番組をYou Tubeでご覧頂こう。↓
http://www.youtube.com/watch?v=SKhmFSV-XB0&feature=related

謳い出しから満場騒然、謳い終わると聴衆は総立ちとなりスタンディングオベーションが鳴り止まなかった。審査員の1人が、
‘This is the moment ,you are the star!
と最大級の賛辞を絶叫した。

別の女性審査員は、こんなけいけんははじめてだわ。‘You are little gem, angel!とこれまた興奮気味だ。

こんな金の卵を、アメリカの凄腕プロデューサー、デヴィド・フォスターが見逃すはずがなく、自分の番組に引っ張り込んでティームに引き入れた。↓
http://www.youtube.com/watch?v=lIQTJyIzn2U

おまけは、あのバーブラ・ストライザンドとのデュエッとだ。↓
http://www.youtube.com/watch?v=QfUz4THEgX8

デヴィド・フォスターの力の入れようが窺えようというものだ。

フォスターはマイケル・ジャクソン、バーバラ・ストライサンドらを世に送り出しただけでなく、フランス語しかしゃべれなかったセリーヌ・ディオンに英語の手ほどきをし、映画「タイタニック」(1997年)の主題歌‘My Heart Will Go On’を謳わせた凄腕音楽プロデューサーだ。昨年はフィリピンのこれまた天才少女歌手シャリースを世に送り出している。↓

http://melma.com/backnumber_108241_5084102/

最後にYou Tube 255万アクセスのもう一曲 
http://www.youtube.com/watch?v=iiM9QVdJyVQ

この秋、この天使が東京に舞い降りる。  

2019年11月22日

◆宋楚諭が台湾総統選へ殴り込み

★本日は「大嘗祭」。もっとも重要は節目です
宮崎 正弘


令和元年(2019)11月14日(木曜日)通巻第6275号 

 宋楚諭が台湾総統選へ殴り込み、国民党支持層は分裂へ
  「蔡英文に『当確』マークが灯った」と台湾事情通。

 11月13日、親民党の宋楚諭は緊急会見をひらき、来年1月11日に
行われる予定の台湾総統選挙に立候補を固めたとした。宋楚諭は新聞局長
から国民党の秘書長を経て、過去に三回、総統選挙に挑んでいる。現在
77歳。『台湾のコンピュータ付きブルドーザ』との異名もあったほど、
地方へのインフラ建設政策に辣腕をふるい、一定のファンが健在である。

 もっとも世論調査によれば、蔡英文支持が49%、国民党の韓国諭が
28%、宋楚諭は10%弱で、当選は覚束ないが、これで国民党の支持層
が完全に割れるという意味があり、自動的に蔡英文の当確がはっきりと射
程に入った。

 宋楚諭は自らが率いる親民党が、現在三議席。これを増大させ、議会で
の影響力を堅持するために、総統選に立候補することによって総合的な票
興しを意図している。

 他方、与党側では独立色が強い「喜樂島連盟」が、キリスト教長老会を
中心に議席獲得を狙うが、総統候補としてきた呂秀漣が立候補を取りやめた。
嘗ての「ひまわり学生運動」OBたちの「時代力量」は、総統選には挑ま
ず、現有五議席の増大を見込んでいる。
 
 かくして蔡英文現職総統再選が確実となった環境で、台湾国民の関心は
同時に行われる立法委員(国会議員)選挙で、各党の支持率、議会配分に
よって政治地図がどう変わるか、おりしも台湾海峡には次々と米海軍の
「自由航行作戦」が実行されており、くわえて香港の政情不安のなか、国
民党はまったく不利な情勢となった。
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
BOOKREVIEW 
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戦前は虚構ではなく、戦後が虚構なのだ
 戦前と戦後の日本文学は「戦争」と「平和」をいかに扱ったのか

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富岡幸一郎『平成椿説文学論』(論創社)
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 俎上に乗せられた作家たちは武田泰淳、中野重治、大岡昇平、中島敦、
江藤淳、島崎藤村、野間宏、小島信夫、吉田満らで、序文には三島由紀夫
の自刃の訴えが掲げられ、戦前と戦後の日本文学は「戦争」と「平和」を
いかに扱ったのかという文学議論が始まる。
 本書の主柱のひとつは日本文学には何故トルストイのような『戦争と平
和』のごとき大作が生まれないか、著者はそのことへの自問を続けなが
ら、ともかくの戦争の現場を描いた大岡昇平や野間宏の小説を冷徹に批判
しながらも、他方で骨太の日本近代史を書き上げた林房雄を論ずる。左か
ら右へと、登場する作品も目まぐるしい。
 だが、圧巻はなんといっても林房雄論である。
 小説でないが、史論であり、民族の詩である。それが林房雄の『大東亜
戦争肯定論』だったのである。
 富岡氏はこう言う。
 「日本人が歴史のなかで戦った戦争はやはり『大東亜戦争』であり、
戦った主体も、敗れた責任も曖昧にすることなく考えるとするならば、そ
う呼び直すべきであろう。祖国の戦争の名称は、むろんただの名称ではな
く、そこには戦争の死者と結びつくための歴史の記憶の絆があるからであ
る」(58p)。
 そうだ。『古事記』には民族の精神の源泉が流れており、『平家物語』
にも『太平記』にも、散りゆく者たちの哀切と悲壮が織りなす詩が織り込
まれ、『古事記伝』には大和民族の魂魄が横溢している。
 山鹿素行の『中朝事実』も、北畠親房の『神皇正統記』も、詩である。
 
 ならば林房雄は何と言ったのか。
 「明治大正生まれの私たちは『長い一つの戦争』の途中で生まれ、その
戦争の中を生きてきたのではなかったか。私たちが『平和』と思ったの
は、次の戦闘のための『小休止』ではなかったか。徳川二百年の平和が破
られた時、『長い一つの戦争』が始まり、それは昭和二十年八月十五日に
やっと終止符を打たれた」
再度書くが、これはトルストイの『戦闘と平和』ではなく、詩的な歴史論
としての『戦争と平和』なのである
なぜなら林房雄は短絡的な敗北史観で、あるいは近視眼で歴史を裁断する
愚を避け、日米の対決の根源をペリー来航前夜に置いた。すなわち「外国
艦船の出没しはじめた時から、日本は西洋列挙の鉄環に対して、事実上の
戦争状態に入らざるをえなかったという認識である」と富岡氏が指摘する。
事実、幕末には薩英戦争、馬関戦争という局地戦から国内的には戊辰の
役、西南の役を踏まえ、日清・日露を戦って辛勝し、日韓併合、日支事変
から英米との全面的な総合戦に突入する。
林房雄は、こうした百年のパースペクティブで近代史を論じたのだ。
このような伝統的な、歴史を叙述する原則である長期の視野に立脚するな
らば大東亜戦争が侵略戦争ではなく、自衛のための戦いであり、そしてア
ジア植民地解放のための正義の戦いであったことが了解できる。
 この民族の詩を「侵略戦争」などと英米の邪悪なプロパガンダの洗脳を
受けて、戦後七十五年にもなるのに、日本人の多くがまだ『太平洋戦争』
と読んでいるのは精神の敗北、日本の魂魄の滅亡をしめす以外の何もので
もないのである。
本文中には吉田満の『戦艦大和の最後』が、なぜGHQによって発禁と
なったかにも触れているが、GHQがもっとも怖れたのは日本の武士道精
神の復活だったからだ。
しかし忘れかけていた日本の武士道精神を甦生させようとして果敢な行動
にでたのが、作家の三島由紀夫だったのだ。
あと十日余りで憂国忌がやってくる。
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  読者の声   どくしゃのこえ  READERS‘ 
OPINIONS  
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(読者の声2)貴誌前号で、香港警察が大学へ突入したという意味は、学
問の自由を侵害し、大学の自治を侵害する行為と西側諸国からは避難され
ていますが。暴力行為、武闘チームの出撃基地でもあり、治安対策からは
当然という意見もありますね。
    (HL生、板橋)

(宮崎正弘のコメント)警察は「大学はいまや武器の製造工場だ」とする
理由で、キャンパスへ進入しました。学生の抵抗も凄まじかったですね。
催涙弾1000発。火焔瓶、数えきれず。キャンパスは戦場と化した。
 背後では、どうやら政治局常務委員の韓正が事態早期収拾をはかるた
め、当局ならびに警察に発破をかけています。
 ただし韓正は、上海人脈で、しかも一時的には共青団出身のため江沢民
から冷遇され、おまけに上海書記となる筈の時期に、ひょいと横合いから
習近平があらわれて五年間の冷や飯。
ようやく上海市長兼書記に就いて、その心境は極めて複雑であり、習の命
令通りにコとをすすめるとは思われませんが。。。。。


◆暴露された習近平の残虐さ

         北野幸伯


<ウイグル族拘束をめぐる内部文書、米紙に流出 中国が
反発

CNN.co.jp 11/19(火) 19:17配信

ウイグル族の強制収容所の問題をめぐり、内部文書とされ
るものが流出した

香港(CNN) 中国当局が新疆ウイグル自治区で多数の
ウイグル族住民を拘束している問題などをめぐり、中国共
産党内部から400ページ以上の文書が流出したと、米紙
ニューヨーク・タイムズが報じた。

中国は文書が曲解されたと主張し、強い反発を示している。


こういう話、「そもそも文書は本物なのか?」という疑問
がでますね。

しかし中国は、「文書が曲解された」と主張している。

つまり、文書は本物だが、「曲解(ねじ曲げて解釈)され
た」と。というわけで、どうやら本物みたいです。

<16日付の同紙が伝えた党の内部文書には、ウイグル族
の大量拘束に関する党上層部の指示などが書かれている。

ある幹部は部下らに「1人残らずつかまえろ」と命じてい
た。>(同上)

「一人残らずつかまえろ!」だそうです。
恐ろしいことです。

<習近平(シーチンピン)国家主席が2014年、現地の
職員らに対して、テロリストや分離主義者を「容赦なく」
取り締まれと指示した未公開の演説原稿も含まれていた。
>(同上)

テロリストを容赦なく取り締まるのはわかります。
分離主義者はどうでしょうか?

たとえば、スコットランドにはイギリスにとっての分離主
義者がたくさんいます。

ですが、彼らが「強制収容所にぶち込まれている」という
話は聞きません。

<拘束作戦に反対したり、拘束された人々の解放を試みた
りした党員数人が粛清されたとの記述もある。>(同上)

残虐行為に反対する人は、たとえ党員でもあっても容赦し
ない。ナチスドイツやスターリン時代のソ連とかわりません。

<同紙によると、文書を持ち出したのは中国政界で一定の
地位にいるメンバー。

ウイグル族への政策をめぐり、習氏をはじめとする党幹部
の責任を問うのが目的だったとされる。>(同上)

ここ、とても重要です。
政権幹部の中に、習近平の残酷な政策に反対している人が
いる。

このことは、習近平に幹部への疑心暗鬼を呼び起こし、
政権内で粛清が起きるきっかけになるかもしれません。
クーデターの可能性も、ゼロとはいえなくなってきました。

▼今回の話でわかること。

一つは、そのまま、「中国政府がひどい人権侵害をしてい
る」ということ。

二つ目は、これを報じたのがニューヨークタイムズで、私
が引用したのが「CNN」であることの意味。

両方とも、「反トランプ」ですね。

ということは、アメリカは、トランプ政権も、反トランプ
陣営も、「反中国」では一体化している。

つまり、アメリカは、「挙国一致体制」で「中国打倒」を
目指している。

三つ目、ウイグル人を100万人強制収容している国のトッ
プを【国賓訪日】させないでください。

心から、安倍総理にお願いします。

総理は先日、在任日数で「歴代最長」になったそうです。
長いことは重要ですが、「何をしたか」はもっと重要です。


「人権侵害超大国のトップと天皇陛下を会談させ日本の評
判を失墜させた首相」

にならないことは、「歴代最長」であることより重要です。

at 09:56 | Comment(0) | 北野幸伯

◆ベネッセに批判の声殺到

共通テスト受注をウリにした営業が発覚

国内2019.11.21 158 by gyouza(まぐまぐ編集部)

大学入学共通テストに導入される記述式問題を巡り、ベネッセコーポレー
ションが関連業務を受注している事実を示し、高校関係者向けに自社サー
ビスを紹介する会合を開いていたことが20日、分かったと、共同通信、日
本経済新聞などが報じた。萩生田光一文部科学相は「採点業務の中立性や
信頼性に疑念を招くもので、厳重に抗議したい」と述べたという。


日本経済新聞によると、関係者からの話として、高校向けのPR資料に受託
の事実を記載していたとし、資料はベネッセが2017年に高校を集めて自社
サービスなどを紹介する研究会で配布したもの。

ベネッセは大学入試センターに記述式問題の試行調査の採点ノウハウを提
供、助言する業務を受託しており、資料には「記述式採点アドバイザリー
業務受託」などと記載していたという。「資料への記載は利益相反だ」と
野党からの指摘を受けて、萩生田氏は「事実を確認したので、きちんとし
た対応をしたい」と応じたとしている。

文科省は「ただちに契約違反ではない」としながらも、20日に同社から事
情を聴き、是正するよう伝えたという。2021年1月が本番の共通テストで
は、ベネッセの関連会社「学力評価研究機構」が国語と数学の記述式問題
の採点を担うことになっている。

ベネッセが2年前より「共通テスト受注」を営業に使っていたことを受け
て、日本のネット上では「パソナじゃないんだから」「関係者はわかって
たはず」「ベネッセを排除しろ」「共通テストは廃止を」など、批判の声
が数多く投稿されている。

        

◆ノロウイルスの猛威

毛馬 一三


抵抗力が弱い高齢者高齢者を中心にノロウイルスによる感染性胃腸炎が、全国的に猛威を振るっている。高齢者にとってはゆゆしきことだ。

ノロウイルスは、生ガキのような二枚貝にふくまれ、汚染された貝を食べたり、調理したりする際に感染するため、福祉施設などで集団感染する可能性が高いという。そこで、大阪厚生年金病院 看護部 看護ケア推進室 の柴谷涼子さん(感染管理認定看護師)に「ノロウイルスの入門と予防の仕方」について、下記のように記述してもらった。ご紹介したい。

◆<老人保健施設などでノロウイルスの集団発生が報じられておりますが、ノロウイルスについて正しくく理解し、ご自身も感染しないよう予防しましょう。

ノロウイルス感染症とは・・・
 ノロウイルスが人の小腸で増殖して引き起こされる急性胃腸炎です。
@カキや貝類を十分に加熱せず食べた場合
A生ガキや貝類で汚染された調理器具で調理した生野菜などを食べた場合
Bウイルスに感染したヒトの便や吐物に触れた手で調理をした場合・・・
などに感染する可能性があります。

◆症状
 年齢に関係なく感染は起こりますが、高齢者や抵抗力の弱ったヒトでは重症化する例もあります。嘔気・嘔吐・下痢が主症状です。
 腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛などを伴うこともあります。 高齢者の場合、症状が出て、水分摂取ができなくなるとすぐに脱水症状を起す可能性がありますので、早めに病院の診察を受けて下さい。

◆予防
 生のカキや貝類は内部まで、十分に加熱してから食べるようにしましょう。
 カキの処理に使用したまな板などは、よく水洗いし、熱湯消毒をしてから使用しましょう。

 冬場はこのノロウイルスに限らず、様々な感染症が流行します。感染予防としてもっとも重要なのは、普段からの「手洗いやうがい」です。
 外から帰ったあとは必ず「手洗いとうがい」をする習慣をつけましょう。>
                       
( 参考文献;)
 1.国立感染症研究所 感染症情報センター感染症発生動向調査週報 感染症の話
 http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_11.html
 2.大阪府食の安全推進科    http://www.pref.osaka.jp/shokuhin/noro/
 3.厚生労働省ノロウイルス食中毒の予防に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/tobou/040204-1.html

2019年11月21日

◆エルドアン訪米、トランプは「大ファンだ」

                   宮崎 正弘


エルドアン訪米、トランプは「大ファンだ」と持ち上げた
  米国トルコ関係の改善は展望なし、お互いの不信感はぬぐえず

米国とトルコ関係は緊張している。ほくそ笑むのはロシアのプーチンだ。
 そんなおりの11月13日、エルドアン大統領が訪米し、ホワイトハウスで
長時間の会談をこなしたうえ、笑顔で共同会見に臨んだ。エルドアンは長
身で、メラニア夫人より背が高く、トランプと並んでも引けを取らない。

「政権は歓迎したが、エルドアンは専制政治。民主主義的ではない」と
冷ややかな議会は肘鉄を食らわせた」(イスラエルの『ハーレツ』紙、
14日)。

会談後の共同記者会見でトランプはエルドアンを指して、「大ファン
だ」と高く持ち上げたが、米国とトルコの関係改善は見られず、お互いの
不信感はぬぐえずに終わった。

米国の不満は第一にエルドアンが米国の強い反対にもかかわらずロシアの
S400ミサイル防衛システムを導入したからである。これには共同防衛
体制を敷くNATO諸国も反発した。

米国はイラク戦争やシリア空爆などでNATOメンバーでもあるトルコに
軍事基地を置いている。

怒り心頭のトランプはF35ジェット戦闘機のトルコへの供与を中断し
た。NATOの重要な一員であるトルコが、共通の防衛システムに距離を
置いたことは、今後の欧州全体の安全保障に悪影響が出る。
NATO海軍の本拠はトルコのイズミールに置かれている。

第二にクルド族への弾圧を強めるエルドアンに、米国は強い懸念を表明し
ていいる。

もともとシリア南部のクルド人自治区に盤踞する武装勢力はトルコの頭痛
の種であり、米軍の撤退を機にトルコはクルド仁居住区を空爆した。
シリア内戦で米国はクルド武装勢力を励まし、武器供与をつづけてきたか
ら、クルドから見れば、米国の撤退は約束の裏切りと映る。トランプはト
ルコの鵺的な軍事行動に慌てて米軍撤退を延期した。

第三がトルコ国内におけるウィグル人、ウズベク人へトルコ政府は方針を
変えて、北京に協力的となり、彼らへの監視強化に転じたことである。
とくにウィグル人にとってトルコは最後の避難所だった。トルコ人はトル
クメニスタン、ウズベク、カザフスタン、キルギス、そして東トルキスタ
ンといわれるウィグル人とおなじチュルク系民族であり、言語体系も同じ
チュルク系語族だ。だから同胞意識から、避難してくるウィグル人を保護
してきたのだ。


▲中国は札束でアンカラ政府の頬を撫でた

 そのトルコが、嘗ては中国共産党を「人類の恥」とまで非難していたこ
とをすっかり忘れて、中国からの投資の魅力に勝てず、経済優先に踏み切
り、中国政府の要求に応じて国内に避難しているウィグル人への監視を強
化したばかりか、一部を中国へ強制送還し始めたのである。

 トルコ国内には35000名の亡命ウィグル人が棲み着き、コミュニ
ティではウィグル語の新聞も発行されている。
このコミュニティの分断をはかるため多くの中国公安が這入り込み、活動
家にウィグルにいる家族を迫害すると脅し、スパイになれと強要し、言う
ことを聞かないならトルコ政府に言いつけて強制送還をさせると露骨な脅
迫を始めた。

ウィグル独立を願う人々にとってトルコも安住の地ではなくなった。
米国に亡命したラビア・カディール女史は「世界ウィグル会議」を主宰
し、平和的解決を世界世論に訴え続ける。

ワシントンにはほかに「東トルキスタン独立政府」が存在している。実際
に1940年代から50年代初頭、東トルキスタンは独立していた。
「東トルキスタン独立」を主張するウィグル人組織はミュンヘンにもあ
り、親中派メルケル政権の膝元で、活動を続けている。

   
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評BOOKREVIEW
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 事実だけ,資料を正確に分析すれば、中国の実態がみえてきた
   GDPの嘘ばかりではなかった。国そのものが嘘くさい存在なのだ

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高橋洋一&石平の『データとファクトで読み解くざんねんな中国』(ビジ
ネス社)
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昭和43年(1968)の春だった。
 
関西を取材中だった評者(宮崎)、最終日に夕方の奈良駅にいた。夜行
列車まで時間があったので、「そうだ、奈良には岡潔先生がお住まいの筈
だ」と思いついたのだ。いうまでもなく岡潔先生は世界的に著名な『数学
者』だが、同時に哲学者だった。

駅前の公衆電話ボックスで電話帳を繰りだし、ご自宅に電話した。

主宰していた日本学生新聞のインタビューが出来ないだろうか? たま
たま在宅だった岡潔先生は「それならいらっしゃい」と鷹揚、寛大だった。
 
開口一番、初対面の学生(評者)に向かって岡潔先生は、こうきりださ
れた。

「昨日(夢の中で)西行法師と会いました」。
 
嘉悦大学教授の高橋洋一氏は、数学者である。

統計分析の専門家。内閣への政策提言で有名な存在だが、数学者特有のド
ライな裁断ぶりで知られる。その分析と政策には情緒が這入り込む隙がない。

他方、対談相手の石氏は、ドライでエゴイスティックは中国から日本に
帰化して、まるで情緒人間である。石氏にはウェットな感情移入が強いと
ころがあるから、文章もときに論理の世界を超える。

ということは、この対談の二人はドライとウェットの対決になると予測
され、おそらく話題は噛み合わない筈である。なのに両者の馬が合うのは
文化的議論が極力少なく、政治と経済を論じているからだろうというのが
読後の第一印象だった。

事実、ふたりの意見が噛み合わない箇所が一ケ所あり、それは城山三郎の
評価をめぐるポイントである。

城山の『官僚たちの夏』は間違いだらけという高橋氏に、当該小説を読
んで日本の官僚達の、女王蜂に貢ぐ蟻のような働きぶりに感動していた石
氏は驚く。脱線ながら評者、城山の小説は殆ど読んでいるが、印象にのこ
るのは『総会屋錦城』だけである。

さて本書は徹底的にファクトだけを基盤としての中国経済の分析と近未
来予測である。中味を紹介すると、読まない人がでるだろうから省略する
が、ドライに事実だけを追求すれば、中国経済の公式統計の嘘が次々と満
天下に晒される。

要するに二人の結論は「独裁国家は必ず潰える」という歴史の原理。だ
から日本は「常に中国の逆を行け」という推薦の言葉となる。

     
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読者の声   どくしゃのこえ  READERS‘ OPINION
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(読者の声1)「フォーブス・オンライン」(11月13日付け)で、香港で
開催された一帯一路サミットに、五千人が世界各地から参加したのに、日
本人の参加者が、たったの五十名だったと、その関心度の低さを嘆く記事
がありましたが、「五十人も日本人が行ったのか」と逆にその時代錯誤の
人たちに驚いたものでした。
  (DR生、神奈川県)


(宮崎正弘のコメント)このサミットはデモの最中、9月初旬に開催され
た展示会ですが、日本企業は一社もプースを出していません。
日本の親中派メディアでさえほとんど黙殺、日本企業が関心が薄いのは当
然でしょう。一帯一路は高利貸し、借金の罠に落ちた国々がでてきた悪評
さくさくなのですから。


(読者の声2)前号の貴誌にあったように「本当に「桜を見る会」などど
うでもよいですが、そのどうでもよいことでさえ、デマをまき散らすメ
ディアと野党に辟易します。
昔からここまでおかしかったでしょうか? 国会議員を総入れ替えしても
らいたいです。


◆国民革命デモ、文氏の横暴を止められるか

櫻井よしこ

 
韓国国民が闘っている。ソウルでは10月3日の「開天節」(韓国の建国記
念日)に続いて、9日の「ハングルの日」にも文在寅大統領の内外政策す
べてに反対する大規模デモが行われた。25日夜から26日にかけても国民各
層が集結し文政権打倒を叫んだ。

彼らの要求は、娘の不正入学をはじめ数々のスキャンダルを抱える曹国氏
の法務大臣辞任から文政権打倒へと一段と強まった。多くの国民が、曹氏
辞任だけでは文政権の悪事は終わらない、文政権の狙いは韓国という国
家、その価値観の粉砕だと、ようやく気付いたのだ。

韓国デモのこの質的変化は、デモをする人々がつい先頃まで「保守派デ
モ」と自称していたのが、「国民革命」と呼び始めたことにも表れてい
る。韓国言論界の重鎮、趙甲濟氏はこう説明する。

「文政権などの左翼勢力は『民族』や『民衆』という言葉を使って大韓民
国を否定してきました。韓国は自由と民主主義を国是としています。なの
に、種々の制度を変えてそうした価値観を抹殺しようとするのは憲法違反
です。国が憲法を守らないなら、主権者の国民が立ち上がり憲法を守る。
それが国民革命の意味です」

趙氏らの国民革命には反日スローガンはひとつもない。朝鮮問題専門家の
西岡力氏はこれを、理不尽な反日主義から脱け出した「自由と全体主義の
戦い」だと言い切った(「言論テレビ」10月25日)。

周知のように曹氏は法相就任から35日で辞任した。多くのメディアが保守
派デモ、国民の厳しい批判、検察に追い詰められた末の辞任だと分析し
た。だが真の理由は他にあるのではないか。

辞任に当たって曹氏は「私は自らに課せられた役割を果たした」と語っ
た。彼が果たしたと主張する「役割」とは、辞任表明の3時間前に発表し
た「検察改革」を含めて、長年構想を練ってきた左翼革命実現の道筋をつ
けたということであろう。曹氏や文大統領のいう検察改革の本質は、曹氏
が発案した「政治検察」、韓国型ゲシュタポの創設である。

逮捕は時間の問題

今年4月末に遡る。文政権はこのとき「高位公職者犯罪捜査処」(公捜
処)の設置法案を「迅速処理案件」に指定した。日本にはないこの制度
は、迅速処理案件に指定された法案は提出後330日が経過すれば必ず採決
すべしという制度だ。仮に法案審議の委員会が抵抗して審議が進まなくて
も、議長権限で委員会の頭越しに本会議で採決が出来る。

迅速処理案件に指定された「公捜処」設置法案は、捜査、逮捕、起訴など
の権限を検察から取り上げ、大統領直属の公捜処に移すというものだ。公
捜処のトップは大統領が直接任命するため、大統領権限が異常に強大化す
る。政治検察と呼ばれるゆえんである。捜査対象となるのは高位公職者約
6000人で、法案には以下のように詳述されている。

「大統領、国会議長と国会議員、大法院長と大法官(最高裁判所長官と最
高裁判事)、憲法裁判所長と憲法裁判官……」

その他にも高位の軍人、高位の警察官など国家の政策決定や秩序維持に携
わるあらゆる分野の高位者が対象とされている。大統領は捜査対象の一番
手に明記されているが、公捜処長官は大統領が任命するため、事実上大統
領は捜査対象にはならない。「言論テレビ」で「統一日報」論説主幹の洪
熒氏が指摘した。

「公捜処の捜査対象者は6000人ですが、うち5000人が判事と検事です。法
案をよく読んで下さい。さまざまな公職者には、たとえば『政務職以上』
とか、『特別市長』とか『警務官以上』などと条件がついています。他
方、司法に携わる者については『判事と検事』だけ、即ち、全員です。司
法権限は起訴権も含めて公捜処が全ておさえる。まさに司法クーデターです」

同法案成立を文政権が異常に急いでいる。公捜処設置法案が4月末に国会
に提出され迅速処理案件に指定されたことは前述したが、当時の様子を西
岡氏が語った。

「迅速処理案件に押し込もうとする文氏の与党に、野党第一党の自由韓国
党が反対して議場は激しい殴り合いの修羅場になりました。暴力沙汰で
やっと通したのです。そしていま、天皇陛下(現上皇陛下)の謝罪を求め
たあの国会議長の文喜相氏が330日でなく180日で採決できると言い始めま
した。法律のどこにもそんなことは一言も書かれていません。法的根拠の
全くない超法規的手法です」

文大統領一派の主張する180日目が10月28日だ。従って本稿が皆さんの目
に触れる頃、或いは公捜処設置法案は可決成立しているやもしれない。こ
のように無法を承知でごり押しする背景に曹氏を巡る深い闇があるとの見
方がある。曹氏の妻は10月24日に逮捕された。このまま捜査が続けば曹氏
の逮捕は時間の問題だ。その場合、どのような闇が暴かれるのか。

北朝鮮の麻薬スキャンダル

前述のように曹氏は公捜処を立案した人物だ。韓国を左翼独裁革命で潰そ
うと考えている点で、大統領の文氏とは同志である。思想が同じで、甘い
マスクで国民に人気のある(あった)曹氏を、文氏が後継者に考えていた
のは間違いないだろう。

曹氏を政治家にするには一定の資金が必要だ。曹氏が多額の資金をファン
ドに投資していることは判明済みだが、そのファンドの投資先にソウル市
が大規模発注をしているのである。これは政権全体による闇の政治資金作
りなのではないかとの疑惑が指摘されるゆえんである。

疑惑はまだある。2017年5月、文氏は曹氏を民情首席秘書官に任命した。
検察などの法務行政全体を監督するこの地位には検察出身者が就くのが通
例で、曹氏のような学界出身者の起用は異例だった。

洪氏は、曹氏が民情首席秘書官を務めた2年余りの間に北朝鮮の麻薬に関
する巨大スキャンダルを隠蔽した疑いも浮上していると指摘する。

捜査が進めば、一連の疑惑が文政権の致命傷となりかねない。そのような
事態を防ぐために文政権が公捜処設置法成立を急いでいる可能性もある。

それにしてもこの後ろめたい法案を韓国国会は通すのか。韓国は一院制で
300議席、3名欠員で現状勢力は297、法案可決には過半数の149が必要だ。
文氏の与党「ともに民主党」は128で、与党系無所属の1人を加えて129、
過半数に20議席不足だ。第一野党の「自由韓国党」以外の少数党は左翼政
党で、彼らが文政権に協力すれば公捜処設置法案は可決される。

一方で、国民革命デモは間違いなく勢いを増しつつある。国民革命の前で
左翼政党は文政権に肩入れできるのか。国民は勝てるのか。韓国はまさに
ぎりぎりの戦いの中にある。
『週刊新潮』 2019年11月7日号 日本ルネッサンス 第875号

 

◆「お前の女房は元から俺のもの」

渡部亮次郎


わが国の尖閣諸島に対して突如として中国が領有権を主張し始めたのは
1969(昭和44)年のことだった。佐藤栄作内閣の頃だったが、わが国メディ
アは無視した。

後日、外相秘書官になった時、この間の事情を外務当局に質したところ
「自分の女房をオレのもんだ、と連日叫ぶ事は恥ずかしいじゃない」と諭
された。世界の常識ではそうだろう。

だが中国にかかると全く違う。「あんたの女房は美人で金持ち。だから昔
から俺のものだったのだ」というのである。餓鬼の論理、ならず者の理屈
だ。だから外交課題には適さない。

理不尽を力で通そうとするのは布告なき宣戦とでも呼ぶしかない。菅首
相、仙谷官房長官、前原外相ら(いずれも当時)は、ここが判っていない。

しかも中国は昔は尖閣の海底に眠る石油とガスが欲しくて悪たれたが今や
違う。尖閣の辺りを自由に航行できなければ、目指す太平洋支配が可能に
ならないので、一段と態度が強硬になってきているのである。

それだから、日本のいう「冷静な話し合い」などに応じるわけが無い。応
じていたら野望が挫かれかねない。

菅首相や仙谷官房長官(当時)らは、すべて「事は大きくしたくない」か
ら「穏便」ばかりを口にし、すべて下手に出れば大きくならないと決めて
いるようだ。

しかし、日中平和友好条約の締結交渉に従った少ない経験からするとこ
ろ、日本人と根本的に違っていて、当方が1歩譲歩すれば2歩踏み込んでくる。

事はロシアをして北方領土問題にも関連するから、政府は命がけで踏ん張
らなくてはいけない。

ところでジャーナリスト水間政憲氏が明らかにしたところに依れば、中国
は7〜8年前から東京・神田の古書店で中国の古地図を買いあさって、今
では出回らなくなった。(「週刊ポスト」2010年10月15日号」。

それは「工作」に当って「証拠」となる北京市地図出版社1960年発行の
「世界地図集」第1版を地上から消す為であった。この地図では尖閣諸島
は日本の領土として、確り日本名の「魚釣島」「尖閣群島」と表記されて
いるからである。

「この地図はたった1冊、日本外務省中国課が所蔵している」と水間氏。
「政府はただ東シナ海に領土問題は存在しない、と言うだけでなく、この
地図を中国に証拠として突きつけるべきだ」とも。

それを受け入れる中国では無いだろうが、おまえの女房はいい女房だから
昔からオレのもんだったというごろつきの一時的な口ふさぎには役立つか
もしれない。2010・10・5執筆