2019年12月21日

◆米VS中「インド太平洋圏の争奪戦」

加瀬英明


日本を守るA 米VS中「インド太平洋圏の争奪戦」


これからの世界の行方は、米中によるインド太平洋圏の争奪戦によって決
まる。

オバマ政権までは、米国は売り上げを何よりも優先するウォール街の多国
籍・無国籍企業が操るグローバリズムが牛耳って、あざとい金儲けのほか
に、世界の将来について焦点が定まらなかった。

2017年にトランプ政権が登場すると、「アメリカ・ファースト」を旗
印として、米中対決が始まった。

それなのに、私はいまでも「米中の抗争の狭間(はざま)に立って、日本
はどうするべきか」というテーマで、講演を頼まれる。何とも、間が抜け
た依頼だ。

もし、日本が米中と並ぶ軍事力を持っているなら、洞ヶ峠をきめてもよか
ろう。

5つの国が、インド太平洋圏の将来を決定することになる。米中、ロシ
ア、日本、インドだ。明日の世界をつくる5ヶ国はペンタゴン(五角形)
と呼ばれるが、北朝鮮、韓国、台湾、東南アジア諸国、オーストラリアな
どが脇役だ。

大陸国家である中国と、米国を主軸とする海洋同盟諸国が、世界の中心と
なったインド太平洋圏の覇権を争っている。

インドから台湾を経て、日本まで連なる海洋・沿岸諸国が、中国という
“暴れ龍”を囲む柵(さく)をつくっている。韓国はどちらにつくか分から
ない、蝙蝠(こうもり)だ。

いまのところ、米国を扇(おおぎ)の要としている海洋同盟が有利だ。

中国の習近平国家主席が、インド太平洋圏の覇権争いをつくりだした。

だが、習主席は聡明(そうめい)な中華帝国の皇帝を気取っているが、
1949年に中華人民共和国が誕生して以来、もっとも愚かな最高指導者
だ。習主席は2013年に14億人の中国の最高指導者に就任して以来、
黒星続きで、何一つとして成果をあげていない。

習主席は米国がグローバリズム、リベラル、ドル呆けによって、国家観を
うしないつつあったところ、トランプ政権によって分断されたために力が
衰えさせていると、大きく誤算して、背伸びして、米国に真向うから挑ん
だ。それまでの中国の最高指導者が、中華思想による天下イズムの野望を
隠して、猫をかぶっていたのをかなぐり捨てた。

そのために、米国が「中国抑えるべし」で、一致団結した。中国がよろめ
いている。愚かな習主席が、何をするか分からない。


◆米国民主党の弾劾訴追決定で

宮崎 正弘


令和元年(2019)12月20日(金曜日)弐 通巻6314号   

米国民主党の弾劾訴追決定で、逆にトランプ支持率が上昇した不思議
  世論調査も弾劾反対が弾劾賛成を上回った

まさに民主党の自爆テロ。共和党幹部は「自殺行為」「論理より感情が優
先した」と批判したが、次の選挙、民主党の惨敗が予測されている。
 弾劾と言えば、なにか犯罪的な物騒なイメージがあるが、メディアの報
道姿勢が、状況を作用する。

本質を理解するには日本の国会における与野党の駆け引きと照合すればよ
い。野党が根拠の薄い内閣不信任案を出しても、まったく可決の見通しが
ない。なぜ出すのか? 国会戦術である。だが、そういう議会運営で支持
拡大をはかろうとしても、野党に国民の失望は深まる。

下院民主党の弾劾決議で、逆にトランプ支持率が上昇した。不思議という
より共和党が団結したからだろう。また世論調査も弾劾反対が弾劾賛成を
上回った。共和党にむしろ追い風が吹いた。

嘗てニクソンを嫌った左派メディアの猛烈な批判が議会人を揺らし、与党
を動揺させたため、ニクソン大統領を弾劾決定寸前まで追い込んだ。ニク
ソンは直前にフォード副大統領に譲り、カリフォルニアへ去った。

ところがクリントンとなると、あれほど証拠が揃ったにもかかわらず、左
派メディアはクリントン擁護のキャンペーンを巧妙に演出し、ついには弾
劾に至らなかった。つまり左派の援護射撃で救われたのだ。

ならばトランプはどうか? メディアを国民はまったく信用しないという
報道空間が、過去のパターンを変容させている。

民主党の大統領候補は、この段階で7人が残り、バイデンを追うが極左の
サンダーズとウォーレンになった。

民主党が分列を回避し、団結するためには中間派のバイデンを選ぶしかな
いが、ウクライナ騒動で、金に汚いバイデンというイメージが出来上が
り、当選には覚束なくなった。だから来年11月、トランプのランドスラ
イド(地滑り)勝利が展望されている。

      
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BOOKREVIEBOOKREVIEW
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スティーブン・ムーア、アーサー・B・ラッファー著、藤井幹久訳
  『トランポノミクス アメリカ復活の戦いは続く』(幸福の科学出版)
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4年前(2015年)の6月、不動産王のドナルド・トランプがNYのトラン
プタワーに内外記者を集めて立候補宣言をしたとき、メディアの殆どがピ
エロ、泡沫候補として扱かった。

ただし、当時、立候補を噂された共和党16人の候補者の中でトランプは
TVでも顔を売っていたからダントツに有名人だった。

その記者会見でトランプは1冊の自著を配布した。「障害を背負ったアメ
リカ」という著作には、以後にトランプが打ち上げる政策のすべてが網羅
されていた。ところが真面目に通読したジャーナリストはいなかったらし
く、内容は話題にもならなかった。

日本でも当該書を取り上げたのは、じつは評者(宮崎)だけだったような
記憶がある。

2016年があけて予備選の幕が切られようとしていたとき、本命視され
ていたのは保守本流のブッシュ(弟)とマルコ・ルビオ(フロリダ州、上
院議員)、茶会系からはテッド・クルーズ上院議員(テキサス州)、
ウォール街が期待したのはケーシック知事だった。前回に負けたミット・
ロムニーの名前も欄外にあったが、誰一人トランプに眼をやるジャーナリ
ストはいなかった。

すなわち米国の政治環境はエスタブリシュメントを基盤に、グローバリズ
ムに酔っていた。

アウトサイダーのトランプをまともな候補とは見ていなかったのだ。

著書のラッファーらは振り返る。
 
「選挙運動のコンサルタント業者を通じて、政治評論家、選挙スタッフ、
世論調査会社、広告会社などに大金を払うというやり方を、(トランプは)
完全に覆してしまった」

だから「共和党の職業政治家たちは、トランプを嫌っていた。そして、現
在でも嫌っているのだ」。

共和党選挙関係者は、「自分たちの存在を脅かす危険な前例とならないよ
うに、徹底的にトランプを叩きつぶそうとして」(40p)

トランプは選挙プロに頼らないで素朴な人々、底辺の人々に訴える。トラ
ンプは草深い牧場、農場、そして教会を重要視した。

奥深き雪国の奥地に、その村始まって以来の大集会が開催されていた。こ
のアメリカの田舎の集会に注目したのは週刊誌『TIME』だった。人口
2万足らずの村に1万近い村人が雪を構わずに集まりだした。雪と寒さに
耐えながら、じっとトランプの到着を待っていたのだ。村、始まって以来
の動員は自然発生だった。トランプ旋風のうねり、奇跡の驀進劇が始まろ
うとしていた。

以後、中西部のエバンジュリカルの集会は、2万、3万の人が集まりだし
た。トランプが来るというので、奥地の町や村が騒ぎ出した。

予備選がスタートするや選挙プロ達の想定になかったことが起きた。意
外、トランプがトップに躍り出た。
 
「まさか、こんな莫迦なことがおこるなんて」。
 
保守本流はブッシュ擁立を諦め、ルビオ議員に集中して支援した。ネオコ
ンはクルーズだった。ウォール街はケーシック知事だった。

予備選で次々とトランプがリードをはじめると、初めて共和党が焦り、ネ
オコンや保守本流、ウォールストリートが、本命候補をそっちのけでトラ
ンプ批判を始めた。

共和党あげて、トランプ選挙に冷淡だった。党は、とうとう最後までトラ
ンプに冷たく、予備選に勝利しても、選挙協力をするどころか、トランプ
を落選させよう、ヒラリーに投票しようという呼びかけが、それもブッ
シュ政権の幹部だった人々が五十名の連名で声明をだした。つまり共和党
もいつしか、ディープステーツに乗っ取られていたのだ。民主党と通底し
ているからである。

共和党の分裂と大混乱の事態を喜んでいたのはヒラリー陣営だった。共和
党が分裂し、悲惨な結末になるだろう、多くのジャーナリストらは、もち
ろん、ヒラリーが当確と予測していた。

評者は現地へ飛んで選挙集会より街の表情と庶民レベルの反応を探った。
例えばNY42丁目に有名なお土産屋がある。トランプ人形は飛ぶような
売れ行きに対して、ヒラリーを土産にする人がいない。書店にはいると、
トランプの著作はベストセラーだった。ヒラリー本は片隅にあるが、だれ
も買わないではないか。

さて本書である。

予備選直前からトランプ選対に集合し、経済政策のアドバイスをしていた
3人の男たちがいた。自弁で飛行機大を支払い、手弁当でNYのトランプ
タワーに集合し、予備選から本番にかけての経済政策の公約を煮詰めてい
た。トランプと何回も会合を重ね、大型減税や、規制緩和、失業対策、オ
バマケアの廃止など、アメリカが復活に向かうシナリオが用意された。

それが本書の著者、スティーブン・ムーアとアーサー・B・ラッファー。
もうひとりがラリー・クドローだった。クドローは経済番組をもつ有名人
で、トランプによって国家経済会議の委員長となったため、本書執筆に連
名から降りた。

ムーアはヘイティジ財団のフェロー、元ウォールストリートジャーナルに
いた。

ラッファーはレーガン政権のブレーンとして活躍し、税率と歳入のグラフ
を描いたラッファーカーブで知られる経済学者である。

彼らがトランプとの懇談を重ねながらも選対本部の実態をつぶさに見てき
た。あまりに少ないスタッフ、素人の選挙軍団。ヒラリー陣営の二十分の
一しか戦力がないのだ。テレビCMをうつ予算もなければ、大口の寄付は
限られていた。目に見える劣勢にあった。

本書の魅力のひとつは、このインサイドストーリーである。

とくにカメレオンのように論調を変化させながらも、トランプに極度に冷
たかったのが投資家やエコノミストが愛読するウォールストリートジャー
ナルだったことに、私たちは印象深い感想を抱くだろう。著者らはそのこ
とを指摘する。

選対では「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」などの
力強くパンチの効いた標語などが決められていく。

メディアは本番がはじまっても、ヒラリー優勢の報道に凝り固まってい
て、例外はフォックニュースだけだった。

ところが、この劣勢状況をトランプはSNSのツィッターを利用してメッ
セージを連続発信したため、トランプのメッセージがTVニュースや新聞
種になった。トランプの集会は立錐の余地がない。一方でヒラリー集会は
観客で会場が埋まらず、テレビは小細工して、全景を撮影せずにヒラリー
だけをアップに、トランプ集会も熱気に満ちた会場風景を意図的に撮影せ
ずに、トランプの失言だけを報じる情報操作、印象操作に明け暮れた。

予備選たけなわの頃、評者もアメリカへ行って、日本の報道実態とリアル
との、あまりの格差に唖然となって、すぐに『トランプ熱狂、アメリカの
反知性主義』(海竜社)を緊急に上梓した。

当選後は、景気が回復するだろうとして『トランプノミクス』(同)を書
いた。本書は「プ」を「ポ」と一字違いだ。トランプはゲームのカードだ
が、アメリカの語感には『切り札』という意味がある。当時のトランプ陣
営のインサイドストーリーは、じつに面白い。
        
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS  読
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(読者の声1)商社勤め四半世紀の読者です。ぶっ飛んだ話題になり恐縮
ですが、自分はたぶん宮崎さんより海外渡航は多いと思います。出張ゆえ
に行く先は限定的で、自分の場合は北米と欧州が多い。休暇を取れば欧州
をビジネスクラスで往復できるほどマイルも溜まっていますが、休暇が取
れないので、宝の持ち腐れ、友人に譲渡できないので、結局、無駄になる
こともあります。

で、本稿は飛行機の話です。日系の航空会社を利用するばかりでは能がな
いと、外国キャリアに乗ることが多いですが、日本ではスチュワーデス
(いまはエアホステルと言いますが)がエリート、女性の憧れの職業だっ
た時代が去って欧米と同様に、機内の給仕のような、憧れの職場ではない。

れが鮮明になるのが、スチュワーデスのサービスの質の低下です。米国は
中年のおばさん、食堂のホステスさんのように、労働者という感じです
ね。ロシアの機内食では、皿を投げて寄こしたり。

対照的に途上国のキャリアに乗ると、スチュワーデスは俄然エリートです
から、サービスも良ければ、質も高い。食事のまずさとは無関係に美人が
揃う。台湾は往時、国民党幹部の娘達が優先してスチュワーデスでした
が、昨今はエバエアーのほうが、評価が高くなりました。

というわけで、海外旅行の機会の多い宮崎さんは、最近のエアラインの
質、評価など聞きたいとおもってメールをします。(ABC生)


(宮崎正弘のコメント)小生は還暦以後は、日本の航空会社を選ぶことが
多いです。なぜならサービスと食事に安心感があるからです。帰国便に蕎
麦や寿司が用意されていたり、やはりサービス精神の質の高さは維持され
ています。ただし往時のようなエリート意識はなく、職場のひとつという
認識が、搭乗員にもあるのでは?

というわけで、小生より、面白いランキングがあるので紹介します。なん
と中国の『環球時報』が各国航空会社キャビン・アテンダントの『美人ラ
ンキング』を作りました。

中国共産党系のメディアにも余裕が出たのでしょうか。

中国人の審美観を基礎に選んだランクに従うと、第一位はエアフランス、
二位がシンガポール航空。三位以下は深セン航空、アエロフロート、ルフ
トハンザ、タイ、エバエアー、ヴィージン、エミレーツ、そして十位が
キャセイでした。中国系が十位のなかで四つを占めていてあからさまな依
怙贔屓。そして憧れの抽象化ですが、日・米が入っていませんね。

彼らの感情の代弁とも取れ、政治的意図があまりにも露骨です。ま、人民
日報系のメディアですから、そういうことでしょう。

◆世界基準に大きく遅れた原子力規制委

櫻井よしこ


2019年が暮れると、年明けの1月14日に国際原子力機関(IAEA)の調
査チームが来日する。16年1月、彼らは原子力に関する国際社会の権威と
して上級専門家19人から成るチームを12日間にわたって日本に派遣した。
原子力規制委員会(規制委)と原子力規制庁の仕事振りを検証して、約
130頁の報告書を発表した。そこには厳しい意見が満載されていた。

再来日は、3年前に指摘した規制委の問題がどこまで解決されているのか
を、調査するためだ。

原発政策に関して日本はいま、世界に類例のない異常な状況に陥ってお
り、規制委が事実上差配する原発行政は到底評価できない。その主な原因
は、更田(ふけた)豊志氏以下、5人で構成する規制委が専門家集団として
世界水準に達していないことだ。

IAEAは3年前、規制委について次のように論評した。

「規制委の人的資源、管理体制、特にその組織文化は初期段階にある」、
「課された任務を遂行するのに能力ある職員が不足して」いる。

最大級の厳しい批判であろう。

規制委の使命は原発の安全性を科学的、合理的、迅速に審査することだ。
電力各社には不足のところを補わせて稼働させ、安定した電力供給で産業
基盤を支え、豊かな国民生活の実現に寄与することだろう。

高度かつ複雑な技術の集大成である原発の安全性を高めるにはまず、規制
自体が科学的、合理的なものでなければならない。また、それは世界の専
門家が認める国際基準に合致するものでもなければならない。

規制される電力会社に新たな規制や措置の意味を十分に伝え納得させるこ
とも欠かせない。規制委と電力各社の意思の疎通が十分でなければ、高度
で複雑でおまけに大規模な運転がうまくいくはずもないからである。

この点について、IAEAは次のようにも勧告していた。「意識啓発研修
又は意識調査などの具体策導入を検討」せよ、と。

情けない人々

原発の安全性を高めるために、まず規制委が「意識」を変えよ、というの
だ。そのための「啓発研修」を行う必要があり、規制委及び規制庁職員の
「意識調査」を実施して自らを省みる具体策を導入せよと指示したわけだ。

ここまで言われる情けない人々に、日本は国民生活及び産業基盤を支える
エネルギー、その中の太い柱である原子力発電の在り方を規定させている
のだ。こんなことで日本の未来が大丈夫なはずがないだろう。

IAEAの厳しい指摘の背景には立派な理由がある。それを示したのが、
昨年6月、規制委が全ての電力会社に命じた原子力発電所の火災感知器設
置に関する新しいルールだ。

原子力発電所は原子炉等規制法に基づいて、火災感知器を潤滑油やケーブ
ルなど可燃物があるところに重点的に設置し、可燃物のないところには設
置していない。これは国際標準であり、日本も以前から国際標準に従って
十分な対策を講じている。

だが規制委はここに突然、消防法を持ち込んだ。消防法は民家やビルなど
の部屋毎に、火災感知器の感知範囲を元に設置基準を定めている。その消
防法に従って各原子力発電所は新たに1500から2000個の火災感知器を追加
設置せよと、規制委は指示したのだ。

電力事業者は全社が反論した。すでに各原発には必要な所に約1000個に上
る火災感知器を設置済みで、国際標準を十分に満たしている。安全性も保
たれている。1500〜2000個の新設は原発の安全性を強化せず、むしろ、リ
スクを高めると具体論で反論した。だが、規制委は耳を貸さなかった。

ちなみに規制委は元々、菅直人氏の発想で生まれた三条委員会だ。三条委
員会は首相も介入できない強い独立性と権限を有している。与えられた権
限が強ければ強いほど、本来は、関係者に対して丁寧な説明をし、謙虚に
意見に耳を傾けなければならない。しかし、規制委にはそのような発想も
謙虚さもないのであろう。電力会社は膨大な数の火災感知器の設置とケー
ブルを通す作業を開始せざるを得なかった。

少しばかり具体的に考えてみよう。ケーブルは火災感知制御盤に接続され
て初めて機能する。つまり、新たに導入する約2000本のケーブルを中央の
制御盤につながなければならない。

原子力発電所は、作業員の被曝を避けるために厚さ1〜2メートルのコンク
リート製の遮蔽壁や耐震壁を随所に設けている。それらの壁は太い鉄筋が
多数配筋された強化壁なのだが、ここにケーブルを通すためにドリルを突
き刺すのだ。

とんでもない事態

また原発には20メートルを超える城砦のような防潮堤も建設されている。
万一津波が防潮堤をこえても建屋は高水密性で完全防水態勢だ。3.11後の
大規模工事で世界一過剰と言ってよい安全対策がとられたところに、火災
感知器の電線管の穴を幾千も開けさせるのである。まるで潜水艦の船体
を、火災感知器のケーブルを通すために穴だらけにするようなものではな
いか。炉心損傷や被曝線量上昇のリスクは逆に高まる。

電力各社は当然そう訴えた。だが、規制委は自らの指示が国際的に確立さ
れたルールに違反していることにさえ気が付かない。結果、現場はいまと
んでもない事態に陥っている。

ケーブルを貫通させる工事は原発の運転中はできない。運転停止する定期
検査期間に行わざるを得ないため、その期間のすべてを使っても4年越し
の大工事になる。あらゆる意味で鉄壁の安全策を施した原子力発電所にこ
れから4年間、穴を開け続けるという異常事態が生じているのである。規
制委のこの尋常ならざる強権支配は三条委員会に与えられた絶対権力故で
あろう。だが、法治国家であるわが国においては、如何なる権力も法の上
には立てない。

行政手続法は、審査条件を明確に呈示し、審査条件を途中で変更しないこ
と、概ね2年で速やかに審査を行う、などと定めている。規制委の初代委
員長・田中俊一氏は当初、審査期間は半年ほどと語っていた。だが、半年
どころか、2年、さらに7年がすぎても多くの原発審査は終わっていない。
当然であろう。次から次に、前述したような無茶苦茶な審査条件が新たに
加えられるからだ。

田中氏は「日本の原子力政策は嘘だらけ」「結果論も含め本当に嘘が多
い」と、原子力業界を厳しく非難する(「選択」19年11月号)。では規制
委委員長としての氏の言動はどうだったのか。現委員長の更田氏もその余
の規制委員も、行政組織の一員として、行政手続法を守っているのか。答
えは明らかに否ではないか。その点を厳しく指摘し、私は来年1月の
IAEAの調査結果を見届けようと考えている。

『週刊新潮』 2019年12月19日号 日本ルネッサンス 第881回

◆脳梗塞「2時間59分だとOK!」

安井 敏裕 (脳外科医)

 
脳卒中とは、脳に酸素やブドウ糖などの栄養を送る血管が「詰まったり、切れたり、破裂して」、にわかに倒れる病気の総称である。脳卒中には、脳梗塞(詰まる)、脳出血(切れる)、くも膜下出血(破裂)の三種類ある。

この病気の歴史は古く、「医学の父」と言われているヒポクラテスは既に今から2400年前の紀元前400年頃に、この脳卒中の存在を認識し「急に起こる麻痺」という表現で記載している。脳卒中による死亡率は日本では癌、心臓病に次ぎ、第三位で、毎年15万人程度の人が亡くなっている。

しかし、本当に問題となるのは、脳卒中が原因で障害を持ち入院あるいは通院している人たちが、その約10倍の150万人もいることである。現在、脳卒中の中では、脳梗塞の発生頻度が突出して多い。2分20秒に一人が脳梗塞になっていると言うデータもあり、全脳卒中の70%程度を占めている。

この最も多い脳卒中である「脳梗塞」について、大きな治療上の進歩があったので紹介する。

脳梗塞は、脳の動脈が血栓や塞栓という血の固まりのために詰まることで起こる。この血の固まりで閉塞さえた血管から血流を受けていた部分の脳は、いきなり脳梗塞という不可逆的な状態になってしまうのではなく、数時間の猶予があり、徐々に脳梗塞になる。

この数時間の間に血流を再開してやれば、再度、機能を回復できることになる。いわば、「眠れる森の美女」のような状態で、医学的には、このような状態の部分の脳を「ペナンブラ」と言う。見方を変えると、この部分は、血流が再開しないと数時間後には脳梗塞という不可逆的な状態となってしまう訳である。

このペナンブラの部分に血流を再開する方法として、古くは開頭手術をして、目的の血管を切開し、中に詰まっている血の固まりを取り除く方法を行っていたこともあるが、それでは、多くの場合に時間がかかりすぎ、再開通させた時には、ペナンブラの部分は既に脳梗塞になっている。また、間に合わないばかりか、出血性梗塞というさらに悪い状況になってしまうことさえある。

開頭術の次に登場した再開通法は、カテーテルという長い管を血管の中に通し、その先端を詰まった部分にまで誘導して、血栓を溶かす薬を注入する方法である。

この方法では開頭手術よりも早く、血管を再開通させることができるが、この方法であっても、血管が閉塞してから6時間以内に再開通させないとペナンブラが脳梗塞になってしまうことが防げないし、間に合わずに血流を再開させた場合には、やはり脳出血が起こってしまう。

このようなことから、一時、我々脳卒中に関わる医師は、口には出さないが、最も理屈にあった治療法である「急性期に閉塞血管を再開通させて脳梗塞になることを防ぐ」と言う治療を諦め、虚無的になっていた時期がある。再開通させることを諦め、梗塞に陥ってしまった脳自体の治療として、脳保護薬や低体温療法へと興味が移行していた時期もあった。

しかし、米国で1996年から特別な手技や道具が不要で、ただ静脈内注射するだけで詰まった血管の血栓を溶かしてくれるアルテプラーゼと言う薬の使用が始まり、2002年にはヨーロッパ連合(EU)でもこの薬剤による血栓溶解療法が認可された。

わが国でも日本脳卒中学会を中心にこの薬の早期承認を厚生労働省に求めたが、「日本人を対象とした治験で良い結果が出ない限り承認できない」という厚生労働省の方針に答える準備のために時間がかかり(drug lag)、米国から遅れること約10年の2005年10月11日に漸く承認された。

この薬は血管に詰まった血栓を溶かしてくれる血栓溶解剤で、発症後3時間以内に静脈内注射するだけで良好な予後が得られる。

しかし、この薬剤は両刃の剣で、39項目に渡る使用基準を尊守しないと、脳出血の危険性が著しく増大することが分かっている。従って、厚生労働省も非常に厳しく市販後調査(2.5年間に3000例以上の全例調査)を課している。現在は、言わば試運転ないしは仮免状態と心得て、慎重に使用する必要がある。

そして、この薬剤を用いるためには、一定の講習を受ける必要があり、全国で130回以上行われ、8000人以上が受講した。実際に、この薬剤を発症後3時間以内に注射するには、患者さんには、遅くとも発症後2時間以内に病院へ到着してもらう必要がある。

すなわち、病院へ到着しても、患者の診察、一般検査、脳のCT検査、家族への説明など、最低1時間は必要であるためである。そのために、最初にこの薬剤の使用を始めた米国では、脳梗塞を“ブレインアタック(brain attack)”と言い直し、社会全体に向かって、その緊急性を啓発した。

すなわち、“Time is brain. Time loss is brain loss.”などの標語で注意を喚起した。日本においても脳梗塞を“ブレインアタック”という緊急を要する疾患として一般の方々に認識していただくために、学会や医師会などの啓発運動も行なわれるようになっている。

さらに、平成9年3月に創設された日本脳卒中協会においても、毎年5月25日〜5月31日までの一週間を脳卒中週間と定め啓発運動に努めるようになっている。脳卒中週間をこの時期にしたのは、とかく脳卒中は冬に多いと思われがちであるが、脳卒中の中で最も多い脳梗塞は、最近の研究では6−8月に増えだすため、脳卒中予防は夏から気をつけなければならないことを啓発するためである。

この週間で使用される標語も、昨年(2006年)はアルテプラーゼの使用が認められたことを念頭において「一分が分ける運命、脳卒中」であった。2001年の日本での脳梗塞急性期来院時間調査の結果では36.8%の患者が3時間

以内に来院している。この中の一部の方がアルテプラーゼ治療を受けることになるが、この割合をさらに増やして、本薬剤の恩恵を受ける人を増やす必要がある。

この治療では10年の経験を持つ米国では、この治療を受けるためには、@患者の知識、A救急車要請、B救急隊システム、C救急外来、D脳卒中専門チーム、E脳卒中専門病棟、とういう六つの連鎖の充実と潤滑な流れを推奨している。
 
一般市民への啓発や行政への働きかけなどが必要である。一方で、来院から治療までの時間も1時間以内にする努力が病院側に求められている。いつでも、3人程度の医師が対応できなければならないし、他職種(レントゲン部門、検査部門、看護部門)の協力も不可欠である。(了  再掲)

(元大阪市立総合医療センター・脳神経外科部長・現社会福祉法人「聖徳会」岩田記念診療所 勤務)

2019年12月20日

◆日本と心を分かち合う国があるだろうか?

加瀬 英明


10月19日は土曜日だったが、天皇陛下が世界へ向かってご即位を宣明
される、『即位礼正殿の儀』の3日前に当たった。

この日に、私は拓殖大学におけるシンポジウムで、渡辺利夫前拓大学長と
講師をつとめることになっていた。

ところが、その10日前に已むをえない事情によって、シンポジウムを欠
席しなければならなくなった。

『台湾・桜里帰りの会』

主催者に説明したところ、シンポジウムよりも重要だと理解してくれた。

そのかわりに、メッセージを寄せるように求められた。

「今週火曜日の産経新聞によって報道されましたが、台湾の政界、経済界
の有志が『台湾・桜里帰りの会』を立ち上げられ、日本において令和の御
代が明けたのを祝って、1923年に昭和天皇が摂政宮・皇太子殿下であ
られた時に、台湾を12日にわたって行啓され、お手植えになられた、
桜、ガジュマル、瑞竹の苗木を、日本へ里帰りさせることとなり、今日の
同じ時刻に、その目録の贈呈式を明治記念館において行うことになりました。

台湾側では、『桜里帰りの会』の名誉会長に李登輝元総統の曽文恵夫人、
日本側は安倍首相の御母堂の安倍洋子夫人が就任され、私が会長をひき受
けることを求められました。

今日の式典には、『台湾・桜里帰りの会』会長で、台湾政界の重鎮の黄石
城先生をはじめ、多くの要路の方々が来京されます。

昭和天皇ゆかりの桜、ガジュマル、瑞竹が、日本へ里帰りすることは、日
本と台湾の精神的な強い絆を象徴するものです。

台湾の独立と自由を守ることが、そのまま日本の独立と自由を守ることに
なります。

香港では自由を喉が渇いて、水をほしがるように――渇望する青年男女、老
壮市民が、邪しまな北京の共産政権に対して、もう半年近くにわたって、
連日、街頭を埋めて果敢な抗議集会を続けています。

 なぜ日章旗を見ることがないのか

香港の自由と民主主義を求める市民たちの人波のなかに、民主主義と人権
の象徴として、アメリカの星条旗、イギリスのユニオン・ジャック、カナ
ダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの国旗や、台湾の緑の独立旗
が掲げられていますが、日の丸がまったくみられないのは、淋しいだけで
はなく、恥しい思いに駆られます。

かつてアジアの解放を理想として、日の丸を高く掲げ、『アジアの盟主』
をもって任じた日本国民の気概は、どこへいってしまったのでしようか。

専制中国の虐政のもとで苦しんでいる、チベット、ウィグル、南モンゴル
の人々が、天与の権利である自由を回復しないかぎり、アジアに平和が訪
れることはありません。」

明治記念館における贈呈式典では、台湾の駐日大使に相当する謝長廷・台
北経済文化代表処代表をはじめ、日台の関係者が見守るなかで、黄会長か
ら安倍夫人に、苗木の目録が贈られた。

その後、台湾の駐日代表をつとめられた許世楷元大使と私が登壇して、昭
和天皇ゆかりの苗木の里帰りに至った経緯、苗木をどこに植えることにな
るのかなどについて、説明した。

 即位大礼の“前夜祭”に感謝

私は「3日後に迫った即位大礼を祝って、180以上の諸国、地域、国際
機関の代表が来京されますが、台湾だけが即位大礼の前に、このように素
晴しい“前夜祭”を催して下さって、多くの日本国民が台湾に深く感謝する
ことになるでしよう」と、述べた。

昭和天皇は、大正天皇が重い病にかかられたために、訪台される2年前に
20歳で摂政宮に就任されていた。

台湾では、摂政宮・東宮殿下を島民をあげて歓迎申し上げ、台北では、今
日、見事な桜並木となっている苗木を植え、台南ではガジュマル、屏東で
は植物のご研究によって知られた殿下が竹の新種を発見され、「瑞竹」と
命名されて、お手植えになられた。

私は10年ほど前に台湾を訪れた時に、台北の副市長が案内してくれた
が、「昭和天皇陛下ゆかりの桜並木を誇りにして、市民が大切にしていま
す」と、教えられた。

台南のガジュマルの樹は、いまでは枝を鬱葱(うっそう)とひろげた大樹と
なって、屏東の瑞竹林とともに、昭和天皇がお植えになられた由緒から、
台湾国民の観光の目玉となっている。

台湾は、同じ隣国である韓国が国をあげて「反日」に熱中して、日本時代
に全国に開校した、小中高校の校歌をつくりなおさせ、校庭に植えた日本
原産の樹木をすべて伐採しているというのに、日本に世界でどの国にもみ
られない深い親近感を寄せてくれている。

 台湾の世論調査「もっとも好きな国」は日本

毎年、台湾で行われている世論調査では、日本が「もっとも好きな国」の
第1位を占め、アメリカが次いでいる。

日本を訪れる観光客数では、台湾が476万人で、中国、韓国についで第
3位となっているが、台湾の人口が2350万人だから、台湾国民の4、5人に
1人が日本を訪れている。当然、リピート客が多い。

だが、私たちは台湾国民の日本へ寄せている、熱い親しみの感情に応えて
いるだろうか?

私は昭和47(1072)年に、田中角栄内閣のもとで日中国交正常化が
行われ、台湾を切り捨てた時に、月刊『文藝春秋』などの誌上で、この暴
挙に強く反対した。

 台湾国民の日本へ寄せる心に思いをいたそう

あの時は、中国がソ連の侵攻に脅えて、日本と結ぶことを焦っていた。当
時、日中貿易は世界最大であり、日本として中国と急いで国交を結ぶ必要
はなかった。

中国は日台が領事関係を結ぶことを、認めたはずだった。日本はアメリカ
が中国を承認するまで、待つべきだった。日中国交正常化は、戦後の日本
外交の最大の汚点となった。

安全保障は可能性がたとえ数パーセントしかなくても、最悪の場合を想定
して備えなければならない。

このままゆけば、“従北派”の文在寅政権のもとで、韓国が米日韓同盟から
脱落して、在韓米軍が韓国から撤収することもありえよう。もっとも、仮
に韓国が敵性勢力と結ぶことになっても、日本に対する脅威が大きく増す
ものの、日本が滅びることはない。

私は1970年代末に、防衛庁(当時)がつくった、最初の民間の安全保
障研究所の理事長をつとめた。

そのために、中国の国防部と人民解放軍によって頻繁に招かれたが、ある
時、「先生はどうして、台湾に肩入れされるのですか?」と質問された。
私は「50年間、日本国民だった台湾国民を守るのは、日本人としての義
務です」と、答えた。

もし、台湾を敵性勢力が支配することになれば、日本はその瞬間から、独
立を維持することができない。

台湾では、4年前に『日本皇族的台湾行旅 蓬莱仙島菊花香』(日本の皇
族の台湾訪問 台湾が菊花に香った時、陳煒翰著)という単行本が
発行され、重版を続けている。

明治34(1901)年に、北白川宮が訪台されてから、昭和16(1941)年に閑
院宮同妃まで、26人にのぼる皇族が台湾を訪問された日程と活動が、260
ページにわたって、写真入りで紹介されている。

 台湾を応援しよう

私はこの本を手に取って、この本が日本で発刊されたとしても、重版され
ることがないだろうと思った。台湾国民のほうが、日本の皇室に対して崇
敬の心が強いのだ。

台湾は世界のなかで、日本と心を分かち合っている、唯一つの国なのだ。

桜、ガジュマル、端竹を植える先については、『日本桜里帰りの会』に一
任されている。

台湾国民の心情を知るために、『日本皇族的台湾行旅』の日本の訳本を、
ぜひ出版したい。


◆雀庵の「台湾清軍は“蛮族”日本が大嫌い」

“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/60(2019/12/18】2016年秋に発狂して以来、3
年間飲み続けた抗うつ剤(セルトラリン・アメル25mg)を医者のアドバイ
スと自己観察しながら止めるのに3か月かかった。酒とかヤクと一緒で、
止めると不眠症みたいになるからしばらくはシンドイが、今は主に腰痛用
の鎮痛剤と軽めの眠剤で結構グッスリ眠れる。


抗うつ剤を止めてからき気力、体力、まあ「心技体」がかなり戻ってき
た。小生の場合は発狂以前から「人生は爆発だあ!燃え尽きるんだ、真っ
白な灰になれ!」という、まあ生まれつき“境界性”だったから、日々「多
動児」復活である。

光陰矢の如し、駒光なんぞ馳せるが如しと言うが、この1週間ほどは「ナ
ニクソ!」という、ほとんど躁状態で、台風19号で露呈した家の雨漏り防
止や、傷んだ屋上庭園の修繕に取り組んだ。

「どこまで吶喊するのだろう」と、自分で自分が怖い、制御不能、「誰
も俺を止められない」というハイな気分。人殺しをしかねない息子がいた
ら「世間に迷惑をかけないように」と手打ちにする・・・そんな気分。昔
はこれは当たり前だったが、アカに汚染された日本の司法では「ダメ」だ
と・・そのうち赤色法曹界浄化運動で「首斬浅右衛門」が復活するだう。

「諸行無常、是生滅法、生滅滅巳、寂滅為楽」

浅右衛門は心でこう唱えながら松陰先生も斬ったが、さすがに立派な最
期だったと山田浅右衛門家では伝えられている。斬られる方も立派なら斬
る方も立派である。

体力なし、気力だけはある「多動老人」が遊びに夢中になっている間に
「英国ジョンソンのブレグジット」派が大勝利した。歴史に残る大きな一
歩だ。英国よ、アジア太平洋にユニオンジャックを翻させよ! 日米豪印
は結束して、リベラル≒アカモドキのEUからの報復にやられないように英
国を守らなければならない。

「UK、ウェルカンバック!」とハグしてやるのが武士道だで。日露戦で
世話になったんだから、恩返しだ。

“レッド・マッド”習近平は世界覇権を唱えているが、習帝国の野望を叩
き潰すチームに英国は不可欠である。札束で手なずける支那からの「チャ
イネグジット」(中共孤立化)を進めれば、上手く行けば中共は内部分裂
する。

支那では王朝はころころ変わり、内部から不満(俺の生き甲斐は「蓄財
蓄妾美酒美食」だ、邪魔するな!)がマグマとなって爆発するのだ。花清
連女史が面白く習政権の末期症状を書いている。

<習皇帝、「汝ら罪を許すゆえ、功名手柄せよ」路線へ 2019年12月12日

19カ月も続く米中貿易戦争は、世界の産業チェーンの再配置となって、
中国経済は苦境にあります。しかし、中国政府の官僚には、この禍が福に
転じたようで、反腐敗キャンペーンは「間歇期」を迎え、皇帝陛下は、理
想とする「腐敗ゼロ」を諦め「腐敗を許す」と言いだしました。

これで「許される」のは、「犯罪を犯しても逮捕しない」民営企業家と、
各種の“軽度の腐敗”の官僚たちです。紀律委員会や監察システムは、
地方官僚が(サボらずに)経済成長を求めるようにと追い立てる「督戦
隊」(真面目にやらなければ後方から射殺する監察隊)になりました。

昔から「手厚いご褒美をくれる部隊には、必ず勇者が出る」と言いま
す。しかし「高圧的に脅せば、経済は必ず生き返る」なんて聞いたことが
ありません。世界各国がどこもここも、経済問題で困っている時に、こん
なやり方で、中国が新たな経済成長を遂げることが可能だったら、まさに
ノーベル賞ものの政策でありましょう>

ハハハハ、上手いこと言うなあ。

支那は寒冷化、地球は温暖化・・・まあ、どうなるかは分からないが
「カネ次第」で決まることは確かだろう。いずこもカネ、カネ、カネ
・・・仮想通貨は記録が残ってしまうから、やっぱりキャッシュがいい
ような感じがする。バーチャルよりリアル、生に限るで、のう。

話は変わるが、温暖化が厭なら建物、ビルの密集地を造らなければい
い。ビルは5階までとか・・・人間が増え過ぎ、都市に偏り過ぎているの
を是正すれば済むことなのに、学者は研究費を稼ぐのが仕事だから相変わ
らず騒いでいる。一種のビョーキだな。「私は正義」病。

地球の親は太陽で、太陽が燃えているから地球は生物にはいい環境に
なっている。日差しが遮断されたら地球は真っ暗闇で、ただの氷の固まり
になり、ほとんどの生物は死に絶える。

メキシコ・ユカタン半島北部にある直径約160kmのクレーターは、約6604
万年前に地球に飛来したとされる隕石の衝突跡だという。直径10〜15km
の、地球から見ればちっぽけな隕石が衝突し、この際の塵で太陽光が永ら
く遮断され、寒冷化により2億年の栄華を誇った恐竜は絶滅したという。

地球の45億年の歴史の中で“巨大”隕石が衝突することは数回はあったら
しい。お月様を見るとニキビの跡みたいにでこぼこで、まるでケーシー高
峰だから、いずれの星も中規模や小規模の隕石衝突はまあ珍しくはないの
だろう。

詳しいことは知らないが、地球は20〜30万年は氷期、その後に1万年ほど
何回かの間氷期があり、それが繰り返されるようである。今は間氷期で、
現代型ホモサピエンス、つまり今の我々のご先祖様はこの間氷期の時期に
繁殖していったわけだ。

氷河期にあっては、山に降った雨はそこで凍ってしまうから海に流れてい
かない。だから海の水位はどんどん下がる。これが繰り返されるとやがて
地球は北極や南極のように歩いて行けることになる。

逆に気候が緩めば山の氷が解けて海ができる、水位が上がるから丸木舟も
使える、塩分は下がって魚類も増える、地上は暮らしやすくなる。

氷河期にせよ間氷期にせよ、日本にやって来た人々は、北方の大陸経由
でも南方の島嶼経由でも、どうも「漢族」ではなかったようである。

林景明氏は「台湾処分と日本人」で4か国語の比較をしている。

意味  タイ語  ベトナム語  台湾語   日本語  中国語

浴びる ab(nan) ab(lam)   ab(lam)  abiu lin 淋

咬む kat cat(gam) kaa(kam) kamu yau 咬

かご krau kieu khaa(naa) kago lan 籃

蛙 kop con kap kaelu wachu 蛙子

中国語とは今では漢人語=北京語(共通/標準語)のことだが、以上のよ
うな比較を見ると、日本語(日本人)の起源は南方系のインドシナ半島あ
たりなのかもしれない。山本夏彦翁は「国家とは国語である」と言ってい
たが、日本列島に1万年前ほど前に上陸した人々は「南の海の匂い」のす
る海洋民族で、大陸系の草原や砂漠の匂いとは全然違うような気がする。

漢族からすればいずれも蛮族であり、日本人は東夷(東の野蛮人)とか
倭奴(野蛮な小人?)と呼ばれた。戦争に負けた大清帝国がこの蛮族に、
これまた統治が難しい“厄介者”台湾を割譲したことは、しかしながらも台
湾の漢族の大反発を招いた。

ただ、漢族といっても、ほとんどは大陸で食いはぐれ命懸けで訪台した
男たちで、その後は自然の流れで先住民との混血が増えていったろうか
ら、大陸に帰る場所がある漢族とは背景がずいぶん違うようだ。

今回から日本統治後というか、日本(軍)の台湾鎮撫(乙未戦争)を台
湾人からの目で繙いてみる。王育徳著「台湾」から。

<日清戦争の結果、清は台湾を日本に割譲するという噂は1895年の春
先、台湾にも伝わった。(支那大陸から台湾への)移住民は驚愕し、戸惑
い、憤激した。知識層は単純にも割譲の罪を李鴻章らに帰し、大陸の各新
聞社にとばした檄文に曰く――

<「痛ましいかな、わが台民これより大清国の民たるを得ざるなり。わ
が大清国皇帝かつてわが台民を棄てんや。賊臣あり、李鴻章らなり。わが
台民の父母妻子、田畑、家庭、家屋、墳墓、命は倭奴の手に喪うにあら
ず。実に賊臣李鴻章らの手に喪うなり。

わが台民窮まり行くところなく、憤り洩らすところなく、列祖列宗の霊
に呼号することあたわず、また太后皇上(西太后、戦費をねこばばして離
宮の頤和園を造り、敗戦を招いたとして非難されているゲス)の前に哭訴
するあたわざるなり。

ひとしく死なり。国家のために賊臣を排して死す。大清国の雄鬼たるを
得ん。李鴻章らとともに天を戴かず・・・

台湾を2000キロも離れた北辺での戦争に負けたことが、なぜいきなり台
湾割譲と結びつくのか、ひとしく移住民の解せぬことであった。しかも割
譲の相手が日本である。

日本は東夷の一つ、秦の始皇帝の家来の徐福の子孫が創めた野蛮国で、
話に聞くと弁髪を切り纏足を解き阿片を禁ずるそうである。

1884年のフランス軍の台湾攻撃を移住民は「西仔反」と呼んだ(反=騒
動)。日本軍の進攻は「「番仔反」であった。西仔(西洋人)と番仔(野
蛮人)の語感から、移住民の日本人に対する軽蔑と、日本割譲に対する痛
恨の感情を知る>

まあ・・・分からないでもないね。1945年以降の占領下の日本人は、白
人米兵には従ったが、もしも朝鮮人や支那人に占領されたら大騒動になっ
ていたろうから・・・

発狂亭“暖かい晴天、雨漏り営繕で終日ペンキ塗り、まあ作業療法”雀庵の
病棟日記から。

【措置入院 精神病棟の日々(177)2017/1/22】産経、鹿間孝一「人生
をリセットする“緑寿”」。数え年で小生は66歳だから緑寿なのだそうだ
が、「人生をリセットするのがいい」とのこと。自発的なのが望ましい
が、小生は「リセットされたクチ」で、そのお陰で健康にはなったが、去
勢されたようなもので、もう虚勢は張れないのだろうか。呆けたらオシマ
イだな。

山本一郎「韓国感情に合わせず冷静に」、「無理に韓国政府を批判して
刺激し、彼らの国内問題の解決を失敗に終わらせることは、日本にとって
一番国益を損なう可能性があるのでしょう」。

どうかな・・・朱に交わればバカになるから、基本的には必要最小限の交
際にとどめるのが一番だ。

写真報道局・古厩正樹「荒波縫う ウミネコの群れ 島根県出雲市の経
島(ふみしま)」、すごい迫力だ。対岸から撮ったとあるが、凍えたので
はないか。「今も神域。年に一度の神事などを除き、入島は禁じられてい
る」。小生は禁じられるとウズウズするなあ。(つづく)2019/12/18


◆ペロシ(下院議長、民主)の「変節」が事態を悪化

宮崎 正弘


令和元年(2019)12月18日(水曜日)弐 通巻6311号   

ペロシ(下院議長、民主)の「変節」が事態を悪化させたのではないか
  「弾劾しない。米国を分裂させるから」としていた彼女がなぜ変節し
たのだろう?

2019年3月11日の『ワシントン・ポスト・マガジン』で、インタビューに
答えたナンシー・ペロシ下院議長は、「トランプ大統領弾劾の動きには組
みしない。証拠も希薄だし、なにより大統領弾劾はこの国を分裂させる」。
 
ペロシは議長職権でトランプ弾劾決議を取り下げた。3月のことである。

この時点での民主党とリベラル・メディアのトランプ弾劾の根拠は「ロシ
アゲート」だった。かれらの脳裏をしめるノスタルジア的なロシア封じ込
めは、トランプのような現実主義を前にしては古めかしいが、民主党左派
は、自らの体質であるファシズム的要素に近似するロシアへの近親憎悪も
手伝って、ロシアのプーチンが嫌い。だから難癖をつけたい。

特別委員会が組織され、その長に納まったのはヒラリー陣営の人物ミュー
ラーだった。

そのミューラー委員会が根掘り葉掘りと行った、2年にもわたるロシア
ゲート調査は、その委員会のメンバーさえ民主党寄りの人選で構成されて
いたにもかかわらず、しかも、司法省もFBIも民主党に甘い状況下で、
報告書は「弾劾するに値する証拠はでなかった」と結論づけた。
あれだけの騒ぎにネズミ1匹出なかったのだ。

一方で、就任以来のトランプは公約を次々と実施してきた。
 
NAFTA見直し、パリ協定離脱、中国への高関税発動、TPP脱退な
ど、じつはパリ協定離脱が炭鉱街とガス鉱区周辺に労働者を呼び戻し、米
国景気を押し上げ、株価は史上空前の高値に押し上げられ、失業率は劇的
に改善されていた。

民主党支持者が、トランプ支持に廻るか、あるいはもっと過激な独立党
へ、支持の向きを変えていた。とくに黒人の民主党支持率が目に見えて減
少し、民主党は慌て始めた。

民主党の極左傾向がむしろ強まったことは、予備選を前にしての大統領選
挙事前レースでも、バニー・サンダーズや、リズ・ウォーレンといった社
会主義者、リベラル極左への支持が膨らんで、中間穏健派のジョセフ・バ
イデンを凌いでいる州が多いことでも分かる。

しかし、民主党にとって極左候補では大統領選挙に勝てないことは自覚し
ている。その上、チャンスを窺うブルメンソールが、横合いから民主党の
分裂状況を踏まえて、第三党を組織して独立候補で打って出ると、バイデ
ンも負けることは火を見るよりも明らかである。1980年のアンダーソン、
92年のロス・ペローの例がある。第三党の立候補は本命を逆に落選させる。
党利党略から、ペロシは別の決断を迫られていた。トランプを押し詰める
政治プロパガンダの材料が必要とされた。


 ▲党利党略から選挙キャンペーンの武器が必要だった

9月下旬、突然降って湧いたのがウクライナ疑惑である。ロシアゲートの
類似品で、日本で言うモリカケのでっち上げとそっくりの構造だ、根拠が
薄い。いや、薄いどころが、探れば探るほどに、じつはバイデンの息子と
ウクライナの黒い醜聞が浮上した。バイデンを助ける積もりで弾劾キャン
ペーンを始めたら、逆方向からブーメランが帰ってきたのだ。
 民主党の支持率は過半を割り込んだ。

共和党はむしろロシアゲートの再燃ともいえるウクライナ問題での弾劾
を、受けて立った。

共和党が珍しく団結した。共和党は前回2016年の大統領選挙で保守本流は
トランプを批判し、ヒラリーを支援した。院内総務のライオンは土壇場ま
でトランプ支持を躊躇い、多くが非協力的という孤立無援のなかでトラン
プは孤軍奮闘し、ヒラリーに競り勝った。

いまは状況が百八十度異なる。共和党はあげてトランプ支持で団結してい
る。ネオコンの代表と言われ、トランプを毛嫌いしたチェイニー元副大統
領さえ、トランプ支持を表明した。

ウクライナ疑惑による弾劾に対してミッチ・マコーネル上院院内総務(共
和)は『民主党は不公平だ』とし、下院少数派院内総務のケビン・マッ
カーシーも「共和党の党の団結は揺るぎない」と、弾劾の動きを排撃する
自信を覘かせる。

外野でもスティーブ・バノン(前大統領戦略補佐官)が英紙『ガーディア
ン』のインタビューに答えて、『共和党は金持ちの党から労働者の党へ変
化した』とし、英国の保守党の勝利と並べて、次の予測を語っている(同
紙、12月17日)。
 
ウクライナ疑惑でも、トランプ支持率は不動である。どうやら見えてき
た。次の大統領選挙、トランプの圧勝になりそうだ。
    
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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歴史的にもずぅーっと中国に騙されてきた理由:日本人がお人好しだからだ
「反日」の政治利用で残忍性を隠してきた手品も、これからは通じない

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高山正之『変見自在 中国は2020年で終わる』(新潮社)
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この激辛シリーズも堂々の第14弾。こんなに長く続くとは著者の高山さん
にとっても想定外の事態ではないか。

しかし激辛高山節を天真爛漫と愉しむ人たちが増えているのである。

「あのソ連もつぶれた。共産国家72年を迎える傍若無人国家(中国)に明
日はない」と真っ正面から悪に立ち向かう。

なにしろ軽快そうに見えるスピーディな文章の高山節には、強烈な毒、批
判の針が大量に含まれている。

オバマとヒラリーはまるで中国の代理店のごときだった。オバマの八年
間、その前半の外交を担ったのがヒラリーで、国務省を臆面もなく「ヒラ
リー商会」に変えてきた。そのおこぼれに預かったのがオバマということ
になるかも知れない。

本書はいつものように激辛調味料がごってりと加味され、当該誌を最後の
頁から読む人の多い、『週刊新潮』の名物コラムの集大成だが、世の中に
蔓延する嘘の歴史を糺す正義の基調が光る。

中国に騙され続ける日本人が多いか、最大の理由は縄文以来、日本人がお
人好しだからだ。

ここで喚起しておこうとして高山氏はY染色体を取り上げている。

「東大理学部の大学院生らが先日発表したY染色体の配列例によると現在
の日本人と縄文人は同じ。つまり三内丸山遺跡の昔から1万年の間、日本
人はずっと日本人のままだった。この日本人特有の縄文人因子Y染色体の
配列の31%を占めるが、中国人や朝鮮人の配列図に縄文因子はまったく
ない」(199p)。

その縄文時代に日本に戦争がなかった事実は最近の考古学、文化人類学、
地誌学などで総合的に証明されている。つまり日本人は戦争を好まない、
平和な、殺戮を嫌う種族であることだ。

だから騙されやすいのだ。

シナ信仰は江戸時代の儒学者から始まっており、孫文という世紀のペテン
師に騙された大陸浪人やら、おまけに孫文に妾まで(それも二人)斡旋す
るほどの厚遇をしたのに、最後に孫文はあっさりと日本を裏切ってソ連に
くっついた。

蒋介石の以徳報怨などと道徳的なスローガンはインチキも甚だしく、かれ
はアメリカのポチだった。にもかかわらず戦後もせっせと中国に同情し、
援助を続ける日本って、やはり間抜けなほど、天才的お人好しである。
 だが、実際はそうではない。

アンケートをみると、いま、日本人の85%は中国が嫌いと答えている。
中国人の不誠実、詐欺性、その残酷さ、酷薄さを知っている。嘘の体質を
身に染みて知っているのも、幾重にも騙された体験からきている。世論は
習近平の国賓来日に強い怒りを籠めて反対しているではないか。

「日中友好」と口ではほざきながら、中国は「隙あらば、尖閣諸島をもぎ
取ろう」と虎視眈々と窺い、国産の空母を就航させ、次々と軍艦や海警を
当該海域に派遣している。

平和惚け日本は、あろうことか、石垣島の漁民に向かって、「我が国の領
海である尖閣諸島には近寄るな」と漁労を規制している始末だ。

ありもしなかった南京大虐殺をアメリカと一緒になって声高に吹聴して映
画まで作り(結局、この映画はお蔵入り)、おかしな宣伝機関の孔子学院
を日本の大学にせっせと増設し、北海道の植民地化を隙あらばと狙い、そ
のうえで、自分たちの作った毒ガス兵器の処理に、日本が作ったのだと出
鱈目を言って日本政府から一兆円近くをせしめた。

その工事を請負った日本の建設会社の社員4人を、都合が悪くなると、イ
チャモンをつけて拘留し、自分たちの嘘がばれそうになると、無知で洗脳
された大衆を煽って『愛国無罪』トカの「反日暴動」を焚きつける。

しかし、日本の敵は内部にも、いる。これが一番始末に悪いのだ。

図に乗る中国を背後で焚きつけているのが反日日本メディアである。日本
の破壊のためには何でもかんでも謀略大好きのメディアがどの新聞かは、
ここに明記する必要はなさそうだ。

こんな国が隣にいるのは迷惑千万だが、いよいよ2020年に終わると高山節
は、予言的な音色を奏でる。果たしてそうなるかは、来年のお楽しみ。
          
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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日本のAI開発を盗む中国スパイたちの暗躍に気をつけろ
  アメリカは断固として中国を排撃するが、グーグルもフェイスブック
も親中路線

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深田萌絵『米中AI戦争の真実』(育鵬社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@

次世代通信技術である5G競争の裏面を抉った、最新情報が満載の書である。

5G通信からAIにデジタル冷戦の舞台は移行すると著者は主張する。し
かも日本の技術力がAI戦争の鍵を握るので、半導体で立ち後れた日本に
再登板の出番がやってくるが、すでにその事実を知っている中国が様々な
手段でスパイを送り込んでいるという。
 
まさにハイテク開発現場の抗争は熾烈である。

日本のAIの捉え方は民生用。米国は汎用。中国は軍事利用オンリーだ。つ
まり米中激突のAI戦争の実態は、中国が開発する『監視』と『言論統
制』に危機が存在するのだ。

この危機的状況の基礎は何か? 
 
深田氏はこう言う。
 
「低遅延、高速・大容量通信、同時多接続機能を持つ次世代通信規格5G
のインフラ整備が進めば、これまでに培われたインターネット・セキュリ
ティはマシンガンからの攻撃をアルミの楯で防ごうとするような脆弱なも
のと化してしまうからだ」

2045年といわれるシンギラリティとは、AIと人知が同等になり、AIが
超えて行く時点を指す。

「軍事でも、敵のミサイルや戦闘機による攻撃に対しては、兵器の頭脳に
該当する『半導体チップの破壊』が有効である。迎撃ミサイルから電磁パ
ルスや放射線を敵ミサイルに浴びせかけて、敵のミサイルの頭脳であるプ
ロセッサを破壊することで敵ミサイルは標的を見失う」

大統領選挙でもAI戦争、ハッカー介入が喧しく言われた。

フェイスブックの5000万人のデータが共和党系に流れた一方で、グーグル
のデータは民主党に大いに活用されて、260万人がヒラリーに投票したと
いう情報を本書は追求している(37p)。

暗号を瞬時に解く量子コンピュータの開発に米中は鎬を削るが、グーグル
が1万年かかる暗号を200秒で解いたとの発表があった。

深田氏は「発表が正しければ、これは世界のパワー・バランスを揺るがす
大事件だ。ポイントは、量子コンピュータ技術の世界は中国がアメリカを
猛追しているということと、そしてグーグルは中国との関係が深いこと
だ。グーグルの胸先三寸で世界各国の国家機密はすべて解読され、兵器に
よる防衛も無力化されかねない」(185p)。

台湾のTSMCは世界最大のファンドリー。このTSMCから技術集団は
ごっそりと中国に引き抜かれた。
 
シャープは買収され、東芝メモリーも得体の知れない、中国系と推量され
るファンド筋がM&A狙いか、株式取得を狙っている。

一般の日本人が知らない、熾烈なスパイ合戦と開発競争の裏面は、凄まじ
いことになっていると強く警告する警世の書である。

         
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読者の声 どくしゃんこえ READERS‘ OPINIONS 読者
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(読者の声1)日本47都道府県別の愛郷度ランキングによれば、トップが
北海道、2位が鹿児島、3位が沖縄県で。ぎゃくに愛郷心の希薄な都道府
県は埼玉、三重県、福島県のようですね。日本に現状を繁栄しているよう
に見えますが、如何でしょう?(JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)愛着の強い北海道が、なぜ喜んで中国人に土地を
売っているのか、分かりません。

何のアンケートで、どういう調査機関が行った世論調査でしょうか。最下
位のさいたま県は東京のベッドタウンだから、わかるにしても秩父、飯
能、川越などは愛郷心が強い。三重県は南が伊勢、東は桑名、鈴鹿、伊賀
などもともと藩が違ってますから、維新政府に逆らった桑名を伊勢と一緒
にしての分割統治でしょう。

その典型が福島県です。会津若松は愛郷心強く、いまでも会津武士の名誉
を語りますが、中通りは商業圏で、南北に新幹線が貫き、他方、三春から
磐城にかけての東は浜通り。この三者を明治維新は意図的に福島県として
合併し、仲違いさせ、維新政府に逆らえないようにした結果であり、それ
が愛郷心の部署的な希薄さに現れているような感じですね。
       

◆大阪城は「太閤城」ではない

毛馬 一三


国の特別史跡に指定されている大阪城が、実は「太閤秀吉築城の大阪城」ではなく、総てが「徳川大阪城」だと知る人は、意外に少ない。

では秀吉が、織田信長から引継ぎ築城した元々の「大阪城」は一体どこに姿を消したのか。それは追々―。

「聳える天守閣は昭和初期に再建され、城の堀は徳川方によって埋められたことは承知していたが、だからと言って秀吉大阪城の城跡が些かも無いとは全く知らなかった」という人が多い。大阪城へ朝散歩する人々から異口同音に同様の返事が返ってくる。

天満橋から大手前、森の宮、新鴨野橋と城郭を一周する道筋を車で回ると、「大阪城の高い石垣と深い堀」が、雨滴の葉が陽光を跳ね返す樹林の間からと、大きく広がり、歴史の威容を誇らしげに見せ付ける。特に大手前周辺の高さ32mもある幾重もの「反りの石垣」には、当時の石垣構築技術の進歩の姿を覗かせる。

大阪夏の陣で豊臣家を滅亡させた徳川家康は、同戦いの2年後(1616)死ぬが、家康遺命を受けた秀忠が、元和6年(1620)から寛永6年(1629)までの10年3期にわたり大阪城を大改築する。

その時徳川の威令を示すために、「太閤大阪城」の二の丸、三の丸を壊し、その上、総ての「堀」を埋め、「石垣」は地下に埋め尽して、「豊臣の痕跡」を意図的にことごとく消し去った。

では「太閤大阪城」は、地下に眠ったままなのか。

「大阪城石垣群シンポジウム実行委員会」の論文をみると、そこに「太閤大阪城」が地下に埋められたままになっていた遺跡の一部を発掘した調査記録が、下記のように書かれている。

<地下に埋蔵された「太閤大阪城」の石垣を最初に見つけたのは、大阪城総合学術調査の一環として大阪城本丸広場で行われたボーリング調査だった。昭和34年(1959)のことである。天守閣跡の南西にあたる地下8m から「石垣」が見つかったの
だ。

4m以上も積まれた石垣で、花崗岩だけでなく、様々な石を積み上げた「野面積み」だった。「野面積み」は、石の大小に規格がなく、積み方にも一定の法則が認められないもの。当時城郭作りの先駆者だった織田信長が手掛けた安土城の「野面積み」工法と同じだったことから、秀吉がその工法を導入して築いた「石垣」と断定された。

それから25年後の昭和61年(1986)になって、再び天守閣跡の南東部の地表1mの深さから地下7mまで、高さ6mの「石垣」が発見されている。

この石垣も「野面積み」だったうえ、その周辺で17世紀初頭の中国製の陶磁器が火災に遭って粉々の状態で見つかったことから、大阪夏の陣で被災した「太閤城」の「石垣」であると断定される2回目の発見となったのである。

両「石垣」の発見場所の位置と構造を頼りに、残された絵図と照合していくと、この「石垣」は本丸の中で最も重要な天守や、秀吉の家族が居住していた奥御殿のある「詰め丸」と呼ばれる曲輪(くるわ)の南東角にあたることが明らかになったのである。

地下に消えた「石垣」は、切り石が少なく、自然石や転用石を沢山積み上げたもので、傾斜が比較的ゆるい、「徳川城」とは異なる「反り」の無い直線だった>。

第3の発見は偶然が幸いした。現在の「大阪城・西外堀」の外側の大阪城北西で、大阪府立女性総合センター建設の際の発掘調査で、地下から長さ25m に亘る「太閤大阪城の石垣」が出現したのだ。同石垣は、いま同センターの北の道沿いに移築復元されている。

「大阪城の石垣」の痕跡も、堀の外側にある学校法人追手門学院大手前センターの校庭で見つかり、保存されている。

何よりもこの発掘の価値が大きかったのは、今の大阪城郭から離れた外側の場所から「石垣」が現れたことだ。それは「徳川城」よりも「太閤城」の方が遥かに規模の大きかったことの証であり、今後の調査で城郭外から新たな「太閤大阪城」が出現する可能性を引き出したことだった。

地下に眠る遺跡の発掘調査は、エジプトやイタリアなど文明発祥地でブームになっているが、現在進められている大阪市の大阪城発掘調査で、「天下の台所」の基礎を築いた「太閤大阪城」の遺跡が、今の城郭外から見付かることを大いに期待したい。

しかし、その全景はあくまで「徳川城」の遺跡であって、「太閤大阪城」でないと思うと、寂しさがこころの中を翳める。(修正加筆・再掲)

2019年12月19日

◆混乱、混沌は来春まで続くだろう

宮崎 正弘


令和元年(2019)12月18日(水曜日)通巻6310号   

暴力騒ぎはしばし鎮火気味の香港だが、混乱、混沌は来春まで続くだろう
林鄭月峨・長官の訪中。習近平の面談に郭声昆(公安担当)も出席していた

 中国の国内ニュースのトップは自前の空母「山東」の披露。艦載機
40,東シナ海を遊弋する映像が大きく報じられた。4隻目の空母は計画
だけで終わり、建造されないというニュースは報じられなかった。

さて香港である。戦い済んで日が暮れた、その後、何が起きているか?
 旅客激減は指摘するまでもないが、前年比43・7%の激減ぶりで、
331万人。観光名所ウォーターフロントの売り上げは70%減退、繁華
街チムサーチョイ湾岸の観光名所やオペラ座、文化会館などは閉館が続い
ていた。

香港の旗艦キャリアともいえるキャセィ・パシフィック航空が12月16
日に発表した数字では旅客9%減。営業利益は10月が38%減、11月
は46%減だった。中国便はともかく、米国や日本への旅客が顕著に減少
している。

皮肉にも、こういうタイミングでマカオのモノレールが完成した。

11駅を結ぶモノレールには12億ドルが投じられ、離れ島タイパのリ
ゾート地から旧市内のカジノホテルとを結ぶ。一日2万人の乗客を見込む
というが、香港と繋がった海中トンネルの交通も、出入国管理が五月蝿
く、それほどの客がないという。

一方で過激派のアジトから遠隔装置による爆弾、ピストルなど兵器が見つ
かったとして警察は容疑者を逮捕した。これは過激、暴力のエスカレート
だとする警察の印象操作、情報操作だと香港市民の多くが疑い、実際に
12月9日のデモには30万人が参加、また16日からはビクトリア公園
で労働者が集結し、3日間のストライキを構えている。

今後の対応を協議するため林鄭月峨・香港行政長官は16日に北京へ飛ん
で、習近平と会談した。習は「香港警察を強く支持する」と発言した。
 この会合には習近平のほか韓正・副首相(香港担当。政治局常務委員)
楊潔チ国務委員らに加えて、郭声昆が出席していたことが判明した。

郭声昆は公安を束ねる政治局員(トップ25に入る)である。チャイナ
ウォッチャ達は、なぜ郭がこの会議に出席したのか、何かの前触れかと注
目している。

ともかく香港大乱、後遺症はこれからの裁判。武闘派の先鋭化への対応な
ど。来春まで混乱と混沌は渦巻くだろう。

       (註 林鄭月峨の「峨」は女扁。郭声昆の「昆」は王扁)
     
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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殺人予告で脅迫されても、ボクは屈しない
   真っ赤な嘘、出鱈目を広めた反日路線を突っ走る韓国に明日はない

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WWUK『韓国人のボクが「反日洗脳」から解放された理由』(ワック)
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現れるべくして現れた韓国少年、いや現在は青年であり、ユーチューブ世
界では有名な存在だそうで、日本に帰化した若者である。
新しいネット市場を知らない人(評者を含め)から見れば未知の世界から
来た人。
 
韓国で『反日』の洗脳教育を受けて育った。日本が酷いことをしたと真に
受けて、中学生を過ごしたが、両親のすすめで中学2年生のときに勇躍
オーストラリアに留学した。中国人と間違えられて石を投げられたりした
が、級友に日本人がいてアニメなどを話題に仲良くなった。

すると、どうだろう、日本のイメージはどんどん変化していく。日本人は
韓国で教わっていた極悪イメージとまるで違うじゃないか。

両親を口説いて日本に留学した。日本のことが好きで好きでたまらなかっ
たのだ。

同時に韓国で受けた歴史教育と、日本で独学した成果かを照らし合わせる
と、まったく月とすっぽん。韓国のほうが嘘を教えており、それも異常な
改竄とでっち上げ、史実を歪曲していることが分かる。韓国人の歴史観
は、歴史ではなくファンタジーに近いという真実を知る。

著者は言う。
 
「日韓歴史の真実を知った今、日本のことが大好きだと堂々と胸を張って
言いたい。日本を悪く言うのは表現の自由、韓国を悪く言うのはヘイ
ト」って、最近の日本の動きはおかしくないか。この一方通行は?
 発言を始めるや、著者の元に様々な脅迫が届く。

「お前を殺すためにナイフを買った。夜道に気をつけろ」
とうとう、殺害予告を受けたが、ボクは屈しないぞ、と決意を語る。

著者はユーチューバーとして活躍しており、28万余のファンがいるという。

従来の活字という平面の情報伝達空間を超えて、SNSからとんでもない
新星の言論家が出てくる昨今だが、こうした反日から親日へ目覚めた韓国
人の若者が出現したのも、SNSの発展によって情報空間が別次元拡が
り、メディアが操作する情報を受け付かなくなったからだろう。

ネット空間に自由な発言の場所を見出したとういう事実に評者は注目す
る。ともかく、従来にはなかった若者の、新しい情報空間における言論活
動の一端を、同時に垣間見ることができた。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2001回】                    
──「支那を亡すものは鴉片の害毒である」──上塚(19)
上塚司『揚子江を中心として』(織田書店 大正14年)

              ▽

峨眉山を下った上塚は雲南省に入るため、四川省の東南端に位置する叙州
に向かった。

叙州では、同地の知事を表敬訪問の後、「漢口駐屯軍參謀板垣征四郎君
の紹介状を持つて、衛戍司令官胡若愚君を訪ふ」。

それというのも「叙州より雲南省城に至る行程二十有五日、一路惟山嶽重
疊の間を通過し、中にも老雅灘、荳沙關、雲臺山の如き、匪賊險に據り、
緑林の徒三塞を結び、以て行人を掠むるの噂あり、依て胡司令により各地
への執照と若干の護兵を乞はんが爲である」。つまり危険極まりない旅の
護衛を依頼したというわけだ。

ところで陸軍支那通の代表格であり、中国公使館付武官補佐官、関東軍
高級参謀、奉天特務機関長、関東軍参謀長副長、関東軍参謀長、第5師団
長、陸軍大臣、支那派遣軍総参謀長、朝鮮軍司令官など赫々たる軍歴の末
に極東軍事裁判でA級戦犯として死刑に処せられた板垣は、じつは大尉時
代に駐在武官として昆明の領事館に勤務している。

おそらく、そんな関係から人脈的に胡若愚に繋がっていたと思われる。

「胡司令は快く承諾してくれた」というから、おそらく板垣の紹介状が効
力を発揮したのだろう。「叙州より雲南省城に至る行程二十有五日」の前
半、「即ち昭通に至る約十二日行程は胡司令の手兵が護衞し、各地の頭領
に向つても夫れぞれ紹介状が發送せらるゝ事となつた」。

「叙州は岷江と金沙江の合流點に在り」、「人口約五萬、四川雲南の交通
路に當り、〔中略〕商業殷賑である」。そこでは「佛、英、米の宣?師が
盛んに活躍して居る。就中佛國人は其の優なるものなり。東門外には佛國
人經營の天主堂、醫院並學校あり、學校は大、中、小學より女學校に至
る、米人は東門内に福音堂、醫院並學校(中學、小學)を經營せり。英國
人は魯家園に基督堂を有す」。

加えて増水期のみ限定で、フランス人経営の小型船舶が重慶との間を運航
している。

漢字1文字で表現すれば、四川省は「蜀」、雲南省の別名は「テン」(ざ
んずいに真の旧漢字)。いよいよ叙州を発ち、雲南省の省都である昆明を
指して蜀?路を進むことになった。

「雲南の地は、西蔵青海の高原に接し、昆崙大山系の餘脈は、廣袤十四萬
六千方里の全省に跨り、大概、海抜四千呎乃至二萬呎の高標を保つて居る」。

そこは「ベトナムの中央高原からインド北東部にかけて広がり、東南アジ
ア大陸部の五カ国(ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ビルマ)と中
国の四省(雲南、貴州、江西、四川)を含む広大な丘陵地帯」(『ゾミア
 脱国家の世界史』ジェームズ・C・スコット みすず書房 2013年)の
一部であり、東南アジア大陸部の山塊に繋がっている。標高は平均して3
〇〇メートル以上で、面積は250平方キロに及ぶ。

現在では一帯一路の熱い舞台となっている同地では、上塚の時代には南方
から中国に食指を伸ばそうとする欧米列強、ことに英仏両国にとっての密
やかなる決戦場であった。

いま中国から南方に向かう侵略のベクトルは、かつては南方から中国に向
かっていたのである。

上塚の時代から100年余。時代の激変を痛感せざるを得ない。いや、痛感
すべきだ。

さて蜀テン路だ。「直行二十四驛程、一千七百支里、古の所謂蠻瘴の地
にして、山嶽重疊、波濤の如く起伏し、一道の山徑、纔に其の間を通ず、
即ち、或いは山腹を縫い、或いは山頂を連ね、忽ちにちて谿谷に下り、須
臾にして白雲を攀づ」。かつて李白は筆を擲って「行路難、行路難、?北
の路人間の至る所に非ず」と嘆じ、「仏蘭西の旅行隊、嘗てテン北の路を
旅行して、太息して曰く、22日の旅行に24の山脈を横ぎらざる可からず、
と」。

宿は劣悪で、従者は「無智、無作法ではあるが、可憐の者」とはいえ例外
なく「鴉片の◎者」。
そのうえ山々に点在する山塞には「緑林の徒が立籠つて行人を掠める」か
ら、最悪。《QED》
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読者の声   READERS‘ OPINIONS   読者之声
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(読者の声1)いつも最新の国際情勢を分かりやすく解説していただき感
謝しています。さて読書者の欄でパソコン以外ではマグマグの切り替えが
出来ない趣旨の投稿がありましたが、小生の場合はアイホンで切り替えが
できましたが、難しくはありません。御連絡まで。(TI生)

   ♪
(読者の声2)山本五十六の「凡将」に同意します。

 特に、故渡辺昇一先生他が主張される以下の大和の運用(ミッドウェイ
海戦、ガダルカナル島)です。

https://shuchi.php.co.jp/article/1622
 陛下からの賜りものとして、命のやり取りに使うのを惜しむようでは
「凡」の「凡」でしょう。(RE生、ハノイ)

   ♪
(読者の声3)1.ピーの話:東南アジアの怪談集が出たとのことで関心
があります。というのは小生体験した事があるからです。

今から半世紀前にバンコックに出張し、その日駐在員がピーが出るという
借り上げ社宅の六階の部屋に泊まりました。夜になりました。

しかし何もなく寝入りました。すると・・・夜中に金縛りに遭いました。
壁を見ると白いものが・・・・やがて白い光はスッと消えてしまいまし
た。目が覚めると往来を走るヘッドライトが映っていたのです。
翌朝、駐在員にあれは本当だったよ、エライ目にあった、と伝えました。

しかし次の夜からは何も現れませんでした。疲れていたのでしょうか。分
かりませんが。

2.真珠湾の話:これは歴史と政治の2つの見方があります。政治の分野
ではとうに終わっており、米国は奇襲を否定し日本再軍備を要請していま
す。しかし歴史の方は未だに被害者論が主流で、事件に至る史実の経過を
調べることは喜ばれません。原爆投下を否定する事になるからでしょうか。

そこで持ち出されるのは手垢がついていますが、双方の無知と誤解論です
が、外交記録を見ればありえないことがわかります。

それより1935年のマクマリ(元外交官、極東専門家)の国務省への報告書
(邦訳「平和はいかに失われたか」)が明快です。すなわち、日本を滅ぼ
せばソ連が南下する。支那は米国を利用しているだけだから、支那は米国
の自由にならない。日米戦争は百害あって一利無し。対日敵視は止めるべ
き。これはグルー駐日米大使も強く支持しましたが、ホーンベック極東部
長はハル長官に提出しませんでした。

大統領の意向に沿わないと思ったからでしょう。保身です。しかし戦後
G・ケナンはこの報告を米国外交の分析ではピカ一と高く評価していま
す。以上(落合道夫)

  ♪
(読者の声4)スウェーデンの思い出。45〜50年程まえに3,4回短
期の出張でストックホルムを訪問。寒い時期と夏場の白夜の季節も経験。
輸出に強い国、主にかどうか知りませんがスウェーデン鋼を使った商品が
多かった様だ。

各種武器、Atlascopco(油空圧機械)Flygt(水中ポンプの世界的パイオニ
ア)、SKF(ベアリング)Erikson(電気製品)etc,確かガデリウス商会もス
ウェーデンの会社だったはず。

為替は当時固定相場制で確か一スウェーデンクローネが80円くらいの時
代。ちなみに現在は変動相場で約10円。それだけ強かった為替でも輸出
産業が隆盛だった。素材、技術に特長があり競争力があったのでしょう。

断片的に50年程昔の記憶をたどると、英語は確かに皆上手であった。記
憶の限りでは小学校から英語を習い始める由。当時欧州を時々回ったがオ
ランダ人の英語の上手さも印象に残っている。初めて自動車のシートベル
トをかけたのも小生の場合、スウェーデンだった。(約50年前)社会保
障が充実しており、所得税が高く一般の勤め人でも50%超は当たり前で
失業者は十分な失業保険で真昼間から公園等で酒をのんでいた光景を思い
出す。

フリーセックスといえば真っ先にスウェーデンがあげられましたネ。

ポルノ雑誌が街中でおおぴらに売られており、小生など当時若かったので
仲間への土産に買って帰ったものです。なによりも(?)喜ばれました。
羽田の空港での手荷物検査も2度くらいスムースに通ったので3度目
(?)か、隠し方を油断していたら、つかまってしまいました。ご存知デ
スネ!といわれ雑誌を没収され始末書を書かされたのも懐かしい青春の一
ページ。

社長のかばん持ちで白夜の時期に行ったこともありました。Twin room で
宿泊。厚手の黒いカーテンがかかっていたが、社長は光線が一条でも差し
込むと目が覚めるデリケートな方。もう寝られないからとベランダにでて
外の景色をながめていた。寝坊の小生が起床すると、「君、スウェーデン
の鳥はいつ寝るのかね?」と聞かれ困ったことをいまだにはっきり覚えて
いる。

ところで先般来、貴誌で英語論争が盛んでした。一段落した様子ですが遅
ればせながら、小生も一言。究極のところ、各自は自分にあった方法を見
つけだすしかないと思います。何が自分にあうかを試行錯誤する一環とし
て先人・仲間の経験談なり方法論は参考になろうが、誰かの方法をそっく
りそのまま採用すべきでないと思う。

たとえは、昔仰ぎ見た英語の大達人の松本道弘先生のような方の習得の仕
方をそっくりそのまままねようとしてもできるものではない。

端的に言って、彼とあなたの血液型が同じかどうか、かれと同じような情
熱があるか,etc.etc. 総論的には藤原正彦先生の考え方に与するもので
す。平均的日本人の英語の習得は中学生からでよいと思います。

その間に(小学生までの間に)しっかりと日本語の基礎を習得すべし。日
本語でわからないこと、理解できないことを外国語(英語)で言えるわけ
がないし理解できるわけがない。一方親の仕事等で海外で生まれ育つよう
な子女は全く話が違う。大いにバイリンガルなりトリリンガルを目指して
励んで貰いたい。

舛添さんの小泉環境相の評価は一部違うと思います。国際会議において演
説は英語でやってほしいし、通訳を通さない肉声の英語でやってほしい。
英語の発音の上手い下手はあまり気にすることはない。話す内容が肝心で
ある。

ただし演説の文章(内容)は十二分に練ってほしい。

大臣自身が細かな箇所を練ることもない。大臣クラスになれば専門家集団
をいかようにも準備ができ立派な英文が作れる。スピーチと発音の練習は
専門家について習えばよい。質疑応答、議論の部は堂々と通訳を使うべ
し。通訳を使うとその間自分自身の考え方に時間的な余裕ができ有利な立
場で議論ができるようになる。(木内信胤の信徒の一人



  ♪
(読者の声5)「Stealth War: How China Took Over While America's
Elite Slept」(支那の密かな侵略ー米国指導者の怠惰)Robert Spalding
 (著者ロバート・スポールぢング)という警告の書が先月でた。

かつて空軍でB2爆撃機の運航などし、以後北京語を習得し米中関係の専門
家としてトランプ政権にも関与している。彼と日本でも知られている投資
家のカイル・バス氏とが1時間の対談をしている。動画は英語であるが、
CCを押すと字幕が出る、速さも0.75倍に落とすとわかりやすいかもしれな
い。  
 
以下引用:

大使館などで外交官どうしの内輪の話になると、本音で、支那は5000年の
歴史のうち過去100年ほどが植民地化されていたがこれからは世界は支
那が仕切る。

今のうちに仲間になれ。(16;00)支那の臓器移植を世界各国が黙認して
いるが、イスラエルだけは禁止している。支那の占領区で再教育を受ける
者全ては診察を受け、患者(客)との適合性を予め調べるので、直ちに外
国から来た客の需要に答えられる。(21:00)支那はフェンタニル(麻
薬鎮静剤)の製造を独占している。

毎年米国人4万人ほどが支那の密輸されたこの薬物のために死んでいる。
アヘン戦争の仕返し、だと嘯く。(26;00)ブルンバーグは自己の利益の
ために反中的な報道を控え、その見返りに支那の市場へ受け入れられ稼
ぐ。多くの著名な財界人も同様。(36;00)米国内でも米国在住の支那人
を動員して、習近平への批判デモなどを地元の警察をわずわらせずに、暴
力で潰してしまう。(40:00)など。
 
基本的に、中共は「法律など無視し何をしても金儲けをせよ。倫理も人道
も人権も無視。ただし党を批判する事は許さない。」この方針がどこでも
受け入れられ世界各地で運営、米国のエリート達も喜んで協力し金儲けに
励む。国益も国民の権利も利益も無視。

著者マイケル・ピルズベリー 氏は「China 2049」(邦訳)で同様な告白
的な危機感を4年前に書いておられるが、事態は表面化し、支那の指導者
は既に勝敗あり、との認識と自信をつけたようだ、という最近の報告である。

米国での侵略度を知ると、おそらく日本の政府・財界などの程度はもはや
取り返しのつかない、折り返しが不可能な段階なのかもしれない。
だから習近平が国賓としてお迎えされるわけであろう。

また晩餐会の席で皇室を滔々と侮辱するのだろう。(が親切なNHKは、報
道しない)最近投資家のジム・ロジャース氏が、もし日本人だったら、財
産をまとめて日本から出る、と忠告している。(KM生)

◆35年目の日中友好

渡部 亮次郎


9月29日は1972年のこの日、田中角栄総理と周恩来総理が北京の人民大会
堂で日中共同声明に調印した記念の日。35年目の日中友好を謳歌する人、
貶す人、様々であろう。

斯く言う私はNHKからの同行記者。80人の中から選ばれた10人の中の1人と
して総理機に同乗を許された「近距離記者」だった。

宿舎は市の中心部の民族飯店(ホテル)460号室。ハンガーの位置がやたら
に高く、シャワーが随分ぬるかった。聞けばソ連人たちの設計だから背丈
が違うわけだ。

つまり1949年の建国直後の中国は、ソ連の勝手な振る舞いに文句一つ言え
ない弱い立場だった。やがて毛沢東はフルシチョフと喧嘩。自力更生を唱
えたが、農業も工業も先進国に遥かに立ち遅れてしまった。

これではならじと、周恩来らの助言もあって、隣国日本の力を借りる路線
をとり始めたが、日本はアメリカの鼻息をうかがうだけで中国は焦るばか
り。佐藤首相は周恩来から毎日のように「反動内閣」と貶され続けた。

ところがアメリカ国家安全保障担当大統領補佐官のキッシンジャー氏が
1971(昭和46)年7月9日、秘密裏に中国を訪問して周恩来総理と会談「72
年5月までにニクソン大統領が中国を訪問する」。

既に帰国してから4日経っていた15日に電撃的に発表。反中国姿勢をとっ
てきた佐藤政権は当に2階に上げて梯子を外されてバカをみた。

加えてニクソンは田中内閣になった直後の8月15日には金とドルの交換一
時的停止・10%の輸入課徴金実施などのドル防衛措置(ドル・ショック}を
与えて日本を揺さぶった。

政局は「バスに乗り遅れるな」とばかり日中国交正常化を急げというムー
ドに成り、ムードに乗る田中角栄前通商産業大臣が台湾派の前外務大臣福
田赳夫氏を圧倒的に破った。

三木武夫、大平正芳、中曽根康弘の各氏が田中支持。対する福田氏は自派
のほかは残りの弱小派閥の支持しか得られなかった。なんと言っても佐藤
氏からの「禅譲」待ちをした福田氏の戦略負けだった。

田中氏は外相に据えた大平氏と官房長官二階堂進氏を伴って9月25日には
全日空特別機で羽田を出発、一路、北京空港を目指したのだった。別の特
別機の記者団を合わせてカメラマン含め総計80人。

正午過ぎに到着。眩しいほどの晴天下、初めて中国国歌を聞いた。

しかし釣魚台の迎賓館に案内された田中総理らに接触する事は中国側の意
向で厳禁。時折、会見場にやってくる二階堂長官に聞いても「何も申し上
げられません」。それ以外の科白はなかった。

到着初日、人民大会堂での周恩来総理主催田中総理歓迎宴における田中総
理の日中戦争に関する謝罪の文言が軽すぎたとして問題になったとか、青
菜に塩の如き大平外相や外務省幹部を笑って、田中総理が「だから大学出
は駄目なんだ」と言った類の話はすべて帰国後に明らかになった話。周恩
来氏が田中さんに「天皇陛下によろしく」と言った話も。

かくて交渉は決着。毛沢東との会談はいつかと固唾を呑んで待ったがナ
シ。朝になって未明に会談(表敬訪問)があったこと、随員の随行は認め
られなかった事が明らかにされる始末。

発表された共同声明は内政不干渉が謳われたのに、あれから35年の日中関
係は中国による日本への徹底的な内政干渉の歴史であった、と言って過言
ではない。

また我々は食糧の面でも中国に絶対的に支配されている。産経新聞の北京
特派員福島香織さんが9月27の「北京春秋」で「安全な日本食は中製?」
と嘆くほど日本食は中国に支配されている。

<北京の高級百貨店の新光天地に日本食品・農産品店舗が先ごろオープン
した。農林水産省の委託を受けて双日が手がけたもので来年の3月までの
期間限定。日中国交正常化35周年キャンペーンの一環。

食の安全に揺れる中国・北京で富裕層を対象に「安全で美味しい日本食」
を浸透させようと言うのが狙いだ。

冷凍ケースに並ぶ「サケ切り身冷凍パック」を手にとって裏を見ると原材
料は煙台。有名日本ブランドのサラダオイルは上海の製造。日本ブランド
の味噌は米国産大豆を中国の工場で加工とある。日本食と言いながらほと
んどが中国製?

店舗関係者に「原材料・製造100%日本と言う食品が殆どない」と文句を言
うと「原材料、調味料、製造のいずれかに日本がかかわっていれば日本食
品です」ときた。

店舗に並ぶ約180食品のうち、100%日本産はミネラルウオーターと米とレ
トルト食品ぐらいしか見当たらなかった。それに日本の輸入レトルト食品
の具だって中国産は含まれているのではと気になりだしたが「日本の食品
自給率は40%ですから」と関係者は涼しい顔だった。

何だ、農水省推奨の安全で美味しい日本食は中国が作っているのか。それ
が現実なのだろうが、どうもすっきりしない。・・・>

要するに日本の援助で近代化を急ぐ中国は既に日本の胃袋を制圧したと言
う事である。その代わり日本から進出している工場が全部引き揚げれば中
国は窒息するが、それは残念ながら杞憂に過ぎない。2007・09・28