2019年12月14日

◆米原潜佐世保初入港のスクープ

                             毛馬 一三


山崎豊子著の「運命の人」(全4巻・文藝春秋)が、ベストセラーになった時のことだ。山崎豊子フアンの筆者は、同書1巻を買い求め、読み始めた。ところが、読み始めたところ、「エッ!?」と思う記述が目に飛び込んできた。

その記述とは、第1章の「外交官ナンバー」に書かれている「米原潜日本初入港スクープ」のくだりであった。主人公の毎朝新聞政治部の外務省担当・弓成亮太が同省審議官から耳打ちされたことがキッカケで、政府公式発表前に米原潜佐世保入港当日の朝刊で「スクープ」したというのだ。

だがその「スクープ」より先に「原潜佐世保入稿」の「特報」を出したのは、NHK福岡放送局からだったのだ。しかも入港より丸1日早い、昭和39年11月11日早朝6時だったのである。

この「特報記事」を書いたのは、当時現地NHK佐世保放送局の新人記者の筆者だった。当時の思いと事実経過を「回想」しながら、綴ってみることにした。経過は追々・・。

そもそも、「米原潜佐世保米軍海軍基地入港」が発表されたのは、昭和38年3月。以来、佐世保では地元社会党系労働組合が「原潜入港反対闘争本部」を立ち上げ、これに市民団体も呼応して、大規模な入港反対闘争がはじまり、佐世保市内は米海軍基地周辺を中心に騒然となり出した。

とりわけ被爆地長崎と隣り合わせの現場佐世保では、米原潜搭載「核」持込みの懸念が市民らを強く刺激し、急遽集結した各地の革新団体や全学連が、デモ行進や集会を繰り広げ、騒動は日増しに激化していった。

その反対闘争の取材担当が、当時NHK佐世保局に赴任して間もない筆者だった。「サツ回り」と兼務だったが、入港反対闘争本部だった当時の佐世保地区労(佐世保地区労働組合会議)本部に夜討ち朝駆けを行い、反対運動の動静を追い続けた。

当時、総評系の佐世保労働組合の中核組織「全駐労」の委員長だった石橋正嗣氏が、衆院議員に転身して社会党書記長に就任していたことなどから、この反対運動は当時野党第一党の社会党と緊密に連携しながら、全国規模の反対運動に発展していった。

筆者は、帰郷する石橋書記長を掴まえ「反対運動」の中央の方針をしつこく聞き取って回ったことから、気難しい石橋書記長から特に目を掛けて貰う間柄となった。

同時に、足元の社会党系「佐世保地区労闘争本部」の早見魁議長、小島亨事務局長、西村暢文本部員らにも気に入られ、極めて親密な関係を築くことが出来た。

この仕事は、歴史の現場を直に目撃できる、当に「記者冥利」に尽きる無上の喜びであった。しかも現場で親交を深めた取材対象の人脈とも、立場を超えた人間同士の触れ合いが出来ることも学んだ。そうした教訓は、駆け出し記者の記者魂を助長してくれた。

そんな折の昭和39年11月10日の夜10時過ぎ、佐世保放送局で当直勤務をしていた筆者に、佐世保地区労の小島事務局次長から電話が入った。

「あなたの家に電話をしたら、当直と聞いたので電話したよ。実はね、上の方からあなただけに伝えなさいと今、指示があったので連絡するんだが・・・」

小島事務局次長はそう言った上で、「米原潜シードラゴンが12日朝、佐世保に入港する」という極秘情報を伝えてきた。筆者は、足が諤諤と振るえ、気は動転し、感謝の意を短く伝えるのがやっとだった。

すぐさま、福岡放送局の報道課長の自宅に架電してその情報を伝えると共に、これから出稿する旨を伝えた。報道課長は直ちに東京政治部の首相官邸キャップに連絡し、政府から確認を取って貰う。「君は、米原潜12日入港の記事を急いで書き、送りなさい」という指示が出た。

11日の2時ごろ、原稿を送ろうとしているところに、報道課長から電話が来た。「官邸キャップが官房長官に確認したが、どうも煮え切らない返事だったようだ。東京政治部では、引き続き政府関係者に当たるが、スクープとして当面は福岡発で流したらどうかと言っている。原稿をすぐ
送ってくれないか」ということだった。

そこで、「米原潜あす佐世保入港・現地では大規模集会やデモ」という原稿にすることを考え、「闘争本部」に裏付け取材をして上、急ぎ福岡局報道課に電話送稿した。「闘争本部」で特に友好の深い西村暢文氏に「他社は気付いていませんよね」と念を押し、確認を取ることを忘れなかった。

これが他社より1日早く福岡局から「原潜あす佐世保入港」のスクープが発せられたいきさつである。NHK東京発の同関連ニュースが放送されたのは、「米原潜」が入港する12日午前6時のニュースからであった。従って小説の毎朝新聞のスクープには遅れを取っていない。

これを綴るに当たり、先述の西村暢文氏に電話してみた。46年ぶりの懐かしい声に接した。西村氏は原潜闘争の後、佐世保市会議員を9期務め、最近引退されたという。「あなたのスクープで、闘争本部が一層盛り上がったことを、時折思い出していたよ」という嬉しい返事だった。

感涙の言葉だった。歴史の現場にいち早く立ち会える記者稼業とは、この上ない幸せ者である。(了) 2009.07.14

◆添付

石橋政嗣 元委員長が死去

2019年12月13日 13時58分おくやみ  NHKニュース

旧社会党の委員長などを務めた石橋政嗣 元衆議院議員が今月、福岡市内で亡くなりました。95歳でした。
続きを読む
石橋氏は台湾で生まれ、戦後、長崎県佐世保市で進駐軍の基地で働く、労働者の労働組合の発足に携わりました。

その後、長崎県議会議員を経て昭和30年に、衆議院旧長崎2区で初当選しました。

12回連続で当選し、この間、昭和45年から当時の社会党の書記長を務めたほか、昭和58年からは9代目の委員長を務めました。
憲法9条をもとに自衛隊を徐々に縮小し、最終的には一切の武力を放棄して、中立を守る「非武装中立」を目指すべきだと訴え、当時の中曽根康弘総理大臣と国会で論戦を繰り広げました。
その後、平成2年に行われた衆議院選挙に立候補せず、政界を引退していました。
関係者によりますと、石橋氏は晩年は福岡市で暮らしていたということです。

2019年12月13日

◆中曽根政権が5年間に亘って犯した「大罪」

冷泉 彰彦


日本経済衰退の元凶。

11月29日、101歳で亡くなった中曽根康弘元首相。メディアではその 功績
を称える報道ばかりが目立ちますが、当然ながら別の見方もあるよう で
す。米国在住の作家・冷泉彰彦さんは今回、自身のメルマガ『冷泉彰彦
のプリンストン通信』で、中曽根氏が政権を担った1982年からの5年間を
「日本の経済敗戦への重要な転換点」とし、そう判断する理由を冷静な筆
致で記しています。

中曽根政権の5年間で、日本はスカスカ経済へと舵を切った 空洞化の研
究その3

中曽根康弘氏が亡くなりましたが、世間にあふれている弔辞は、どれも退
屈なものばかりです。日米同盟は強固、国鉄改革は成功、経済が強かった
時代、韓国や中国とも蜜月、ということで、まるで聖人君子のような賛辞
にあふれているのですから、呆れたものです。

私は、1982年から87年という中曽根政権の時代が、現在に至る日本経済衰
退の苦しみ、その元凶となる時代だと考えています。非常に大雑把ではあ
りますが、駆け足でこの5年間を振り返ってみることにしましょう。

1982年は、CDフォーマット決定とIBMスパイ事件が起きた年でした。

CDについては、ソニーが蘭フィリップスと共同で決めたとしていますが、
16ビットという低すぎるスペックのフォーマットが普及し過ぎてしまった
ために、世界の音楽業界、オーディオ業界に計り知れないダメージ、つま
り付加価値を高められないという悲劇を招くこととなったのです。

そのダメージが一番大きかったのは日本であり、その後の30年間でゆっく
りと日本のオーディオ産業は安楽死していくのでした。iPodiやMP2と
いったデジタルオーディオを嫌って新しい波に乗れずに転落したというの
は、最後のトドメに過ぎません。

一方で、IBMスパイ事件は、半導体技術などコンピュータのハード面で
は、アメリカを抜きつつあった日本に対抗して、米IBMがソフトにおける
秘密主義によって互換機を妨害に出たところ、これに対抗した日本勢の情
報収集活動が悪質なおとり捜査の被害に遭ったという事件です。

だったら、日本勢は独自OSの開発に向かえば良かったのですが、アメリカ
にそこまで汚い手を使われても尚、互換機にこだわったばかりか、ソフト
軽視の風潮をつづけたのは致命的でした。差し詰めITの世界における
「ミッドウェイ敗戦」というところです。

政治ということでは、この年の4月にフォークランド(マルビナス)戦争
が起きています。20世紀も末のこの時期に、西側の民主国家同士が人命を
弄んでチャンバラをやったという醜態は、とにかく歴史に深く深く刻まれ
ています。全くもって恥ずかしいことであり、両国がその恥を自覚してい
ないことはもっと恥ずかしいと思います。忘れてはならない事件です。

1983年は4月にTDLが開園しています。別にディズニー文化には敵意は持っ
ていませんが、ここまで裾野の広い大衆文化について、圧倒的に外資に収
奪され、民族派は全く太刀打ちできず36年後の現在に至って、益々人気が
拡大しているというのは、やはり考えものです。米ディズニーに流れた配
当やロイヤリティーのキャッシュは、累積でどんなスケールになるのか空
恐ろしい感じもします。

この年は、西独では「緑の党」が、ロンドンでは「女性市長」が誕生して
いますが、環境やジェンダー差別ということでは、日本の進捗は実に遅
かったことが思い起こされます。

一方で、7月には任天堂が「ファミリーコンピュータ」を出しています。
これは特筆すべき成果ですし、その後の日本経済やカルチャーへの貢献は
計り知れないと思います。それはそうなのですが、反対にコンピュータの
分野で、その他には「日本発のグローバルな成功」というのは、ほとんど
見られないということには、何とも言えない思いもあります。

1984年は、1月にアップルが「マッキントッシュ」を発売した年でした。
このようなハード、ソフト共に独創的なコンピュータを日本が開発できな
かったということも、経済における全面敗戦の一つの象徴と言うべきで
しょう。

この1984年の2月にはサラエボ冬季五輪が行われました。見事に五輪の大
会をホストした国が、内部対立で瓦解し、戦火によって崩壊していったと
いうことも、82年のフォークランド同様に、世界は記憶しておかねばなり
ません。

◆中国人のオレオレ詐欺集団

宮崎 正弘


令和元年(2019)12月12日(木曜日)通巻6303号 

中国人のオレオレ詐欺集団、インドネシアで85人を逮捕
  日本のオレオレ詐欺とは犯行の手口も規模も標的も異なる

12月9日、インドネシア警察は85人の中国人を「電話詐欺」の容疑で
逮捕した。日本同様のオレオレ詐欺も含まれるが、中国の犯罪の特徴は、
現金騙しばかりか、公務員や裁判所、公証人、警察などを名乗り、情報を
聞き出し、そのデータを売る手口や、事故をでっち上げて示談金をせしめ
たり、企業機密をネットから盗み出してライバル企業へ売るなど、高度な
手口が特徴的である。

これらの犯罪は中国語では「電話詐騙」と言い、オレオレ詐欺などのレベ
ルではない。被害額は2017年に35億元といわれる。

2017年に福建省を舞台にした大規模なオレオレ詐欺集団を一斉に手入
れし、台湾国籍を含む419人を逮捕した事件もあった。

 外国に詐欺の拠点は移動している

カンボジアのシアヌークビルを拠点の中国人電話詐欺グループが摘発され
た。シアヌークビルには中国人経営のカジノホテルが50軒も林立し、四
川省や重慶からマフィアが這入り込んで無法状態に近く、2018年だけ
でも200人を超える中国人が逮捕されている。

中国マフィアと組んで日本人がからむ電話詐欺も頻発している。

2017年に福建省で75人が逮捕されたと報道されたことがあるが、
19年3月にはタイのリゾート地パタヤを拠点とした日本人グループ15
名が逮捕された。

フィリピンの首都圏にあるマカティは中国人の進出が凄まじいが、ここで
も日本人が36人逮捕された事件がおきたことは記憶に新しい。
 オレオレ詐欺の国際化?
      
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)横浜在住読者です。いつも東京で開催される「正論を聞く
会」には参加したいと重いながらも時間がなくて、わずかに一回だけ伺い
ました。昨晩は、宮崎さんが、横浜で独演会。愉しみに伺いました。

話が分かりやすく、しかも比喩が面白いので魅き込まれました。一言でい
うと落語を聞いているような感じなのに、ちゃんと国際情勢の本質を把握
できたと思いますし、米中貿易戦争が、関税かけあいのレベルから、ハイ
テクの争奪戦へ移行し、つぎは6G開発の攻防にうつるだろう、そして米
中戦争は金融戦争になるとの予測、世の中の底流の流れが理解できました
たいへん有益な独演会でした。有り難う御座います(TY生、横浜戸塚区)

  ♪
(読者の声2)少し、シツコイので、「真珠湾奇襲問題」については、も
う止めようかと思ったのですが、少し蛇足を加えます。
 
たまたま、首相補佐官と厚労省幹部女性との不倫旅行が報じられているよ
うです。このケースは、「不倫」という私的、道義的な問題ではなく、公
費で私的な観光を行っているという「公私混同」が加重的に非難されるべ
き問題点でしょう。

それも一般職員なら少しぐらいは大目に見られる余地もあるでしょうが、
両者ともに高級官僚です。要は、こうした問題を公的に指弾されるのは、
両人(または片方でも)が「上級国民」だからでしょう。

プライバシーが制約されるのは、上位の社会的地位と税金を財源とした高
い報酬を受けることの「代償」であって、当然のことです。

私のような「下級国民」は、法規に違反しない限りは、私的にはともかく
として(笑)、公的な指弾を受けることなどはあり得ない(苦笑)プライ
バシーを制約されたくないのなら、「上級国民」になどならぬことです。

ミッドウェー海戦前後の、山本元大将の愛人問題も、「そのこと自体」
は、当時の倫理観からすれば、許容の限度内にあるのかもしれないでしょう。

例えば、亀井宏氏が山本愚将論者の代表として挙げる淵田美津雄元大佐な
ども、女性関係は、いわゆる玄人・素人を問わずかなり派手だったよう
で、Prange氏が淵田氏の半生について著した「God’s Samurai」のなかで
その点も述べられています。Prange 氏との人間関係が悪化したのは、淵
田がその関係を開示しなかったからだとも述べられています(その時の相
手素人女性は、戦後、淵田が属していた第二復員省へ出入りしていた戦争
未亡人で、すでに省内で婚約者がいたのを、淵田が、自らが妻帯者である
にもかかわらず「横取り」したと言われており、この相手との間にも子供
ができていた)。

私が、山本元大将の愛人問題が指弾されるべきだと考えるのは、愛人の存
在「自体」のためではありません。

山本元大将は、プライベートな次元にとどまらず、ミッドウェー出陣前に
も「堂々と」出撃地に愛人を呼びつけ、出迎えた呉駅頭では、衆人環視の
下で愛人を背負って歩いたと伝えられています(愛人は病気だった)。そ
して、当然のことですが、その光景を一般将兵に目撃されています。

ミッドウェー海戦については、出陣前から、海軍全体に驕慢ともいうべき
空気があり、機密保持などの点でかなり粗雑な状況だったと言われていま
す。最高幹部が自ら、軍規をあからさまに無視し、愚劣なラブレターまで
艦上から送っていたり、また部下を愛人の見舞いに遣るなどの公私混同な
どをやっているのでは、軍全体の綱紀が弛緩するのも必然だったでしょ
う。精神論をふりかざす訳ではありませんが、最高指揮官が自らを甘やか
し、精神弛緩したような状態で、厳しい戦いに勝てるわけがない。

どう考えても、どのような寛容さを以ってしても、山本元大将の本来は隠
すべきものを公衆の目もはばからなず「堂々と」行うような行為は、「感
覚」が狂っていたとしか、私には思えません。

なお、我が国が米国に宣戦したことに正当性が認められる余地の程度、真
珠湾奇襲という手段、ミッドウェー海戦等の作戦とその結果としての惨
敗、それを強力に主張し指揮した山本の戦略家としての能力・適性、人格
的問題は、それぞれが、独立した別問題ではあります。
しかしながら、事柄の重大性からすれば、やはり全体として相互に相当の
因果関係性を認められるべきでしょう。(椿本祐弘)

  ♪
(読者の声3)山本五十六の愚將論をめぐって賛否議論が盛り上がってい
る。小生も愚將論に与するものとして少々述べてみたい。

山本五十六が愚將とされる根本理由は、その戦略性の欠如これに尽きる。

真珠湾奇襲攻撃にしても、停泊していた戦艦艇に損害を与えただけであ
り、基地のオイルタンクは攻撃せず、北の海域に避難していた空母艦隊は
攻撃されず無傷だった。真珠湾攻撃でオイルタンクを破壊炎上させ、北の
海域に迫って空母艦隊を全滅させるまでの戦略性は皆無である。

かってこのメルマガで述べたことであるが、甲骨文字の研究で有名な漢字
学者の白川静が日本の真珠湾奇襲攻撃の報に接し、切に待望していたパナ
マ運河攻撃の報は遂に届かなかったと日経に連載した「私の履歴書」の中
で書いている。

一漢字学者でさえ、ここまでの戦略思考ができているのに山本には、つい
ぞ見当たらない。彼は日本艦隊の遥か後方で戦艦大和の長官室で何をやっ
ていたのか。前線の将兵が命賭けの戦闘中にまさか愛人にラブレターを書
いていた訳ではなかろう。

彼がやるべきであったのは、真珠湾奇襲に満足せず、パナマ運河を破壊
し、自ら座乗する戦艦大和を駆って、帰りがけの駄賃にサンフランシスコ
沖合から46cm主砲により、ゴールデンゲートブリッジを落としてやれば、
流石のアメリカ人も戦意喪失とまでは無理としても、相当に反戦気運にと
らわれたのではと思われる。

山本にそこまでの戦略・戦術があれば、後のミッドウェーの敗戦も防げた
のではないかと思われる。

真珠湾奇襲は譬えてみれば、いじめられっ子がいじめっ子に少しだけ反撃
して、「わーいやったと」言って喜んで逃げる姿に似ていないだろうか。
山本五十六は愚將と結論する所以である。(ちゅん)


◆中国の弾圧に日本こそ物申せ

櫻井よしこ


香港問題にどう対処するかは、日本がどんな国でありたいかという問いと
表裏一体である。

米国では、上下両院がほぼ全会一致で可決、トランプ大統領が署名して11
月27日、香港人権・民主主義法が成立した。一国二制度の下で香港人の高
度な自治が守られているかを調べ、人権侵害に関わった当局者の在米資産
の凍結や米国への入国禁止を大統領が決定するという内容である。

少なからぬ中国共産党幹部が米国に資産を有しているとみられるため、同
法には一定の効果が期待される。香港人は勇気づけられ、
星条旗を高く掲げた。反政府デモは再び激化する様相を見せている。一
方、北京政府は人民解放軍によるデモ隊制圧の訓練の様子を広く報道し、
これ以上の「自由な動き」は許容しない構えだ。米国への報復として米艦
船の香港寄港拒否なども発表した。

そうした状況下で日本の行動が問われている。周知のように、安倍晋三首
相は習近平国家主席を来春、国賓として迎える予定だ。同方針には強い反
対がある一方で、最終局面での方針転換は最悪の結果を招くとの外務省系
の主張もある。それは以下のような理屈に基づいている。

 ◎本気で介入し、香港を助ける気は米国政府にはない

 ◎介入すれば、香港経済は悪化し、香港との取引で大幅な黒字を得てい
る米国も利益を失う

 ◎日本人も日本国も所詮、香港問題に手出しはできない

 ◎従って香港人を無闇に煽り、期待を持たせることは却って問題を深刻
化させる

要は第三国は香港を助けることができない、香港は中国共産党の圧力に従
うしかないというわけだ。

確かに中国が「国内問題だ」と強弁し、他国の介入を極度に警戒する案件
で、わが国のみならず第三国ができることは限られている。世界第二の軍
事・経済大国の中国の壁は厚いからだ。

しかし、国際社会の価値観も、各国政府の中国に対する視線も、変化して
いる。そのことに日本こそ敏感でありたい。より良い方向に向かおうとす
る国際社会の変化と歩調を一にすることが日本の国益である。いま、ここ
で日本らしい価値観に立脚せずに、日本はどのような立場にこれから立ち
得るのかと思う。

中国の黒い支配

香港もウイグルも国内問題だとして野蛮な弾圧を加える中国政府への批判
を強めているのは米国だけではない。英国もフランスも、親中姿勢が目
立っていたドイツも同様だ。

国家が領域内の住民の「保護責任」を果たさず、「人類の良心に衝撃を与
える」危機的状況が発生した場合、たとえそれが国内問題ではあっても、
「人道的に介入できる」という方向に国際社会の潮流は明確に変化してい
るのだ。1999年、コソボ紛争において国連が主導した和平計画も、2004年
の国連北朝鮮人権法もその具体例だ。わが国こそ、国連よりも厳しい内容
の北朝鮮人権法を作ったではないか。中国に無為無策であり続けるのは、
国家として辻褄が合わず、道理も立たない。

この際、香港の状況を深く心に刻もう。彼の地では6月のデモ以来9月まで
の4カ月間で、自殺案件は256件、その他に2537件の死因不明の遺体が発見
された。

これは11月13日付の香港保安局発表の統計である。公式発表で、死因不明
の遺体が日々平均して21体も発見されているというのだ。中国出身の評論
家、石平氏が、香港は既に第二の天安門になったと断じたが、そのとおり
であろう。

これが共産党一党支配の中国のやり方である。眼前で進行中の非常事態
を、中国の国内問題だとして放置することは断じて許されないだろう。そ
んなことをした日には、必ず、近未来にわが国にも災いが、つまり中国の
黒い支配が及ぶ。

モンゴル出身の静岡大学教授、楊海英氏が新間聡氏と共に世に問うた『モ
ンゴル最後の王女』(草思社文庫)で訴えている点もまさに同じだ。氏は
同書で、民族問題は決して中国の国内問題ではなく、すべて国際問題だと
繰り返す。中国は「内政」を盾に、他国の介入を強く牽制するが、モンゴ
ル人弾圧を見過すことは、後述するように間接的にモンゴル人と日本人の
歴史を清算することであり、日中関係そのものにはねかえるというのだ。

同様に、チベット人への迫害はダライ・ラマ法王とその亡命政府を擁護す
るインドへの挑戦であり、ウイグル人虐殺は万単位のウイグル人を抱える
トルコ及び中央アジア諸国にとっての非常に厳しい国際問題だと、説明する。

香港の件に戻れば、香港問題は即、台湾問題である。台湾問題は即日本に
はねかえる。中国の言う国内問題は、日本に密接につながる国際関係連立
方程式なのだ。

少数民族自治の実態

それにしても中国は彼らの言う「国内問題」を、どのように片付けてきた
のか。楊氏は、チンギス・ハーンの末裔でモンゴル最後の王女、スチンカ
ンルの一生を辿ることで、中国の残虐的手法を描いてみせた。

王女スチンカンルは1927(昭和2)年に生れた。女児は聡明で美しく、10
歳になった頃、北京郊外の盧溝橋で日中戦争が始まった。やがて日本は敗
戦し、満蒙政策に協力したモンゴル人たちを後ろに残して引き揚げた。戦
後、モンゴル人を襲った悲劇の大きな原因のひとつが日本に協力したこと
だった。もうひとつの原因は彼らが中国から独立しようとしたことだった。

どちらの要因も中国共産党の憎しみを買い、そのためにとりわけ苛酷な弾
圧の日々がモンゴル人を待ち受けていた。58(昭和33)年に始まった「大
躍進」では王女スチンカンルも、その母の王妃も土中に掘った穴を住居と
した。

大躍進では農民2000万人が餓死したとされる。スチンカンルは灌木林に捨
てられた家畜の死肉を乾燥させて食し、辛うじて生きのびた。

66年に文化大革命が始まると、真っ先に文革の嵐に晒されたのもモンゴル
人だった。王家の血筋を引くスチンカンルにはとりわけおぞましい責め苦
が加えられた。大群衆の前でつるし上げられ、凄じい暴力を振るわれ、心
身共にボロ#裂#きれ#同然となった。彼女はやがて「私は反省する。反省
します」とぶつぶつつぶやき、頭を下げ続けるようになった。

楊氏は書いている。

「内モンゴル自治区では、中国人が一方的にモンゴル人をリンチし、殺害
するというジェノサイドが実行された。これが、少数民族自治という政策
の実態である」

中国共産党政府は心中深く、日本に強い敵愾心を抱いている。彼らの非人
道的手法を止めることは世界のためでもあるが、何よりも日本国のため
だ。日本の武器は価値観と道義である。それをいま、打ち出すのだ。

『週刊新潮』 2019年12月12日号日本ルネッサンス 第880回

 

◆蕪村俳句は本当の世界を厳密に伝えるアートシェフツォバ

                         ガリーナ ウクライナ・キエフ国立建設建築大学教授


日本の俳句の世界は、松尾芭蕉の現象の夢中になり,彼だけのタレントを注目するそうです.芭蕉は勿論優れた詩人だけではなく,人生の独創的な例としてとても興味深い方です.

けれども与謝蕪村のタレントは松尾芭蕉と同じぐらいのレベルだと思います.

それにもかかわらず,蕪村の人生について,知識はとても少なくて,不明な点が多いです.それは勿論直さなければならないことであり,将来の研究者のための大仕事になると思います.でもただの蕪村の人生の情報だけではなくて,彼の俳句の書方,そして文学のスタイルとしてでも,いろいろ研究しないといけないと思います.

私は外国人ですけれども,蕪村の俳句の詳しい言語の特徴を分析するのは無理だと思いますが,俳句の美しさは言語の形だけではありません.心の温かさ,意味の深さ,世界を見る特別な見方などはメインだと思います.この点は外国語に翻訳した俳句にも感じています.

この見方から芭蕉と蕪村の俳句を比べたら,明らかな違いがはっきり見えます.おうざっぱにいうと,芭蕉の俳句の書方は簡単な言葉で、深い人生の哲学を伝わることができて,蕪村の俳句の場合は,本当に生きている世界の絵が見える.同じの簡単な言葉を使いながら,世界のアイコンタクトのイメージも,音や匂いまでに読者のイマジネーションに現れる.それは蕪村の優れたアートだと思います.

言葉を変えれば,蕪村はプロの画家でしたので,俳句にでも,描きと同じに,生世界を厳密に伝わることができるではないでしょうか.

2019年12月12日

◆中曽根政権が5年間に亘って犯した「大罪」

冷泉 彰彦


日本経済衰退の元凶。

11月29日、101歳で亡くなった中曽根康弘元首相。メディアではその 功績
を称える報道ばかりが目立ちますが、当然ながら別の見方もあるよう で
す。米国在住の作家・冷泉彰彦さんは今回、自身のメルマガ『冷泉彰彦
のプリンストン通信』で、中曽根氏が政権を担った1982年からの5年間を
「日本の経済敗戦への重要な転換点」とし、そう判断する理由を冷静な筆
致で記しています。

中曽根政権の5年間で、日本はスカスカ経済へと舵を切った 空洞化の研
究その3

中曽根康弘氏が亡くなりましたが、世間にあふれている弔辞は、どれも退
屈なものばかりです。日米同盟は強固、国鉄改革は成功、経済が強かった
時代、韓国や中国とも蜜月、ということで、まるで聖人君子のような賛辞
にあふれているのですから、呆れたものです。

私は、1982年から87年という中曽根政権の時代が、現在に至る日本経済衰
退の苦しみ、その元凶となる時代だと考えています。非常に大雑把ではあ
りますが、駆け足でこの5年間を振り返ってみることにしましょう。

1982年は、CDフォーマット決定とIBMスパイ事件が起きた年でした。

CDについては、ソニーが蘭フィリップスと共同で決めたとしていますが、
16ビットという低すぎるスペックのフォーマットが普及し過ぎてしまった
ために、世界の音楽業界、オーディオ業界に計り知れないダメージ、つま
り付加価値を高められないという悲劇を招くこととなったのです。

そのダメージが一番大きかったのは日本であり、その後の30年間でゆっく
りと日本のオーディオ産業は安楽死していくのでした。iPodiやMP2と
いったデジタルオーディオを嫌って新しい波に乗れずに転落したというの
は、最後のトドメに過ぎません。

一方で、IBMスパイ事件は、半導体技術などコンピュータのハード面で
は、アメリカを抜きつつあった日本に対抗して、米IBMがソフトにおける
秘密主義によって互換機を妨害に出たところ、これに対抗した日本勢の情
報収集活動が悪質なおとり捜査の被害に遭ったという事件です。

だったら、日本勢は独自OSの開発に向かえば良かったのですが、アメリカ
にそこまで汚い手を使われても尚、互換機にこだわったばかりか、ソフト
軽視の風潮をつづけたのは致命的でした。差し詰めITの世界における
「ミッドウェイ敗戦」というところです。

政治ということでは、この年の4月にフォークランド(マルビナス)戦争
が起きています。20世紀も末のこの時期に、西側の民主国家同士が人命を
弄んでチャンバラをやったという醜態は、とにかく歴史に深く深く刻まれ
ています。全くもって恥ずかしいことであり、両国がその恥を自覚してい
ないことはもっと恥ずかしいと思います。忘れてはならない事件です。

1983年は4月にTDLが開園しています。別にディズニー文化には敵意は持っ
ていませんが、ここまで裾野の広い大衆文化について、圧倒的に外資に収
奪され、民族派は全く太刀打ちできず36年後の現在に至って、益々人気が
拡大しているというのは、やはり考えものです。米ディズニーに流れた配
当やロイヤリティーのキャッシュは、累積でどんなスケールになるのか空
恐ろしい感じもします。

この年は、西独では「緑の党」が、ロンドンでは「女性市長」が誕生して
いますが、環境やジェンダー差別ということでは、日本の進捗は実に遅
かったことが思い起こされます。

一方で、7月には任天堂が「ファミリーコンピュータ」を出しています。
これは特筆すべき成果ですし、その後の日本経済やカルチャーへの貢献は
計り知れないと思います。それはそうなのですが、反対にコンピュータの
分野で、その他には「日本発のグローバルな成功」というのは、ほとんど
見られないということには、何とも言えない思いもあります。

1984年は、1月にアップルが「マッキントッシュ」を発売した年でした。
このようなハード、ソフト共に独創的なコンピュータを日本が開発できな
かったということも、経済における全面敗戦の一つの象徴と言うべきで
しょう。

この1984年の2月にはサラエボ冬季五輪が行われました。見事に五輪の大
会をホストした国が、内部対立で瓦解し、戦火によって崩壊していったと
いうことも、82年のフォークランド同様に、世界は記憶しておかねばなり
ません。

◆中国人のオレオレ詐欺集団

宮崎 正弘


令和元年(2019)12月12日(木曜日)通巻6303号 

中国人のオレオレ詐欺集団、インドネシアで85人を逮捕
  日本のオレオレ詐欺とは犯行の手口も規模も標的も異なる

12月9日、インドネシア警察は85人の中国人を「電話詐欺」の容疑で
逮捕した。日本同様のオレオレ詐欺も含まれるが、中国の犯罪の特徴は、
現金騙しばかりか、公務員や裁判所、公証人、警察などを名乗り、情報を
聞き出し、そのデータを売る手口や、事故をでっち上げて示談金をせしめ
たり、企業機密をネットから盗み出してライバル企業へ売るなど、高度な
手口が特徴的である。

これらの犯罪は中国語では「電話詐騙」と言い、オレオレ詐欺などのレベ
ルではない。被害額は2017年に35億元といわれる。

2017年に福建省を舞台にした大規模なオレオレ詐欺集団を一斉に手入
れし、台湾国籍を含む419人を逮捕した事件もあった。

 外国に詐欺の拠点は移動している

カンボジアのシアヌークビルを拠点の中国人電話詐欺グループが摘発され
た。シアヌークビルには中国人経営のカジノホテルが50軒も林立し、四
川省や重慶からマフィアが這入り込んで無法状態に近く、2018年だけ
でも200人を超える中国人が逮捕されている。

中国マフィアと組んで日本人がからむ電話詐欺も頻発している。

2017年に福建省で75人が逮捕されたと報道されたことがあるが、
19年3月にはタイのリゾート地パタヤを拠点とした日本人グループ15
名が逮捕された。

フィリピンの首都圏にあるマカティは中国人の進出が凄まじいが、ここで
も日本人が36人逮捕された事件がおきたことは記憶に新しい。
 オレオレ詐欺の国際化?
      
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之
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  ♪
(読者の声1)横浜在住読者です。いつも東京で開催される「正論を聞く
会」には参加したいと重いながらも時間がなくて、わずかに一回だけ伺い
ました。昨晩は、宮崎さんが、横浜で独演会。愉しみに伺いました。

話が分かりやすく、しかも比喩が面白いので魅き込まれました。一言でい
うと落語を聞いているような感じなのに、ちゃんと国際情勢の本質を把握
できたと思いますし、米中貿易戦争が、関税かけあいのレベルから、ハイ
テクの争奪戦へ移行し、つぎは6G開発の攻防にうつるだろう、そして米
中戦争は金融戦争になるとの予測、世の中の底流の流れが理解できまし
た。

たいへん有益な独演会でした。有り難う御座います。(TY生、横浜戸塚区)

  ♪
(読者の声2)少し、シツコイので、「真珠湾奇襲問題」については、も
う止めようかと思ったのですが、少し蛇足を加えます。
 
たまたま、首相補佐官と厚労省幹部女性との不倫旅行が報じられているよ
うです。このケースは、「不倫」という私的、道義的な問題ではなく、公
費で私的な観光を行っているという「公私混同」が加重的に非難されるべ
き問題点でしょう。

それも一般職員なら少しぐらいは大目に見られる余地もあるでしょうが、
両者ともに高級官僚です。要は、こうした問題を公的に指弾されるのは、
両人(または片方でも)が「上級国民」だからでしょう。

プライバシーが制約されるのは、上位の社会的地位と税金を財源とした高
い報酬を受けることの「代償」であって、当然のことです。

私のような「下級国民」は、法規に違反しない限りは、私的にはともかく
として(笑)、公的な指弾を受けることなどはあり得ない(苦笑)。 プ
ライバシーを制約されたくないのなら、「上級国民」になどならぬことです。

ミッドウェー海戦前後の、山本元大将の愛人問題も、「そのこと自体」
は、当時の倫理観からすれば、許容の限度内にあるのかもしれないでしょう。

例えば、亀井宏氏が山本愚将論者の代表として挙げる淵田美津雄元大佐な
ども、女性関係は、いわゆる玄人・素人を問わずかなり派手だったよう
で、Prange氏が淵田氏の半生について著した「God’s Samurai」のなかで
その点も述べられています。Prange 氏との人間関係が悪化したのは、淵
田がその関係を開示しなかったからだとも述べられています(その時の相
手素人女性は、戦後、淵田が属していた第二復員省へ出入りしていた戦争
未亡人で、すでに省内で婚約者がいたのを、淵田が、自らが妻帯者である
にもかかわらず「横取り」したと言われており、この相手との間にも子供
ができていた)。

私が、山本元大将の愛人問題が指弾されるべきだと考えるのは、愛人の存
在「自体」のためではありません。

山本元大将は、プライベートな次元にとどまらず、ミッドウェー出陣前に
も「堂々と」出撃地に愛人を呼びつけ、出迎えた呉駅頭では、衆人環視の
下で愛人を背負って歩いたと伝えられています(愛人は病気だった)。そ
して、当然のことですが、その光景を一般将兵に目撃されています。

ミッドウェー海戦については、出陣前から、海軍全体に驕慢ともいうべき
空気があり、機密保持などの点でかなり粗雑な状況だったと言われていま
す。最高幹部が自ら、軍規をあからさまに無視し、愚劣なラブレターまで
艦上から送っていたり、また部下を愛人の見舞いに遣るなどの公私混同な
どをやっているのでは、軍全体の綱紀が弛緩するのも必然だったでしょ
う。精神論をふりかざす訳ではありませんが、最高指揮官が自らを甘やか
し、精神弛緩したような状態で、厳しい戦いに勝てるわけがない。

どう考えても、どのような寛容さを以ってしても、山本元大将の本来は隠
すべきものを公衆の目もはばからなず「堂々と」行うような行為は、「感
覚」が狂っていたとしか、私には思えません。

なお、我が国が米国に宣戦したことに正当性が認められる余地の程度、真
珠湾奇襲という手段、ミッドウェー海戦等の作戦とその結果としての惨
敗、それを強力に主張し指揮した山本の戦略家としての能力・適性、人格
的問題は、それぞれが、独立した別問題ではあります。
しかしながら、事柄の重大性からすれば、やはり全体として相互に相当の
因果関係性を認められるべきでしょう。(椿本祐弘)

  ♪
(読者の声3)山本五十六の愚將論をめぐって賛否議論が盛り上がってい
る。小生も愚將論に与するものとして少々述べてみたい。

山本五十六が愚將とされる根本理由は、その戦略性の欠如これに尽きる。

真珠湾奇襲攻撃にしても、停泊していた戦艦艇に損害を与えただけであ
り、基地のオイルタンクは攻撃せず、北の海域に避難していた空母艦隊は
攻撃されず無傷だった。真珠湾攻撃でオイルタンクを破壊炎上させ、北の
海域に迫って空母艦隊を全滅させるまでの戦略性は皆無である。

かってこのメルマガで述べたことであるが、甲骨文字の研究で有名な漢字
学者の白川静が日本の真珠湾奇襲攻撃の報に接し、切に待望していたパナ
マ運河攻撃の報は遂に届かなかったと日経に連載した「私の履歴書」の中
で書いている。

一漢字学者でさえ、ここまでの戦略思考ができているのに山本には、つい
ぞ見当たらない。彼は日本艦隊の遥か後方で戦艦大和の長官室で何をやっ
ていたのか。前線の将兵が命賭けの戦闘中にまさか愛人にラブレターを書
いていた訳ではなかろう。

彼がやるべきであったのは、真珠湾奇襲に満足せず、パナマ運河を破壊
し、自ら座乗する戦艦大和を駆って、帰りがけの駄賃にサンフランシスコ
沖合から46cm主砲により、ゴールデンゲートブリッジを落としてやれば、
流石のアメリカ人も戦意喪失とまでは無理としても、相当に反戦気運にと
らわれたのではと思われる。

山本にそこまでの戦略・戦術があれば、後のミッドウェーの敗戦も防げた
のではないかと思われる。

真珠湾奇襲は譬えてみれば、いじめられっ子がいじめっ子に少しだけ反撃
して、「わーいやったと」言って喜んで逃げる姿に似ていないだろうか。
山本五十六は愚將と結論する所以である。(ちゅん)


◆中国の弾圧に日本こそ物申せ

櫻井よしこ


香港問題にどう対処するかは、日本がどんな国でありたいかという問いと
表裏一体である。

米国では、上下両院がほぼ全会一致で可決、トランプ大統領が署名して11
月27日、香港人権・民主主義法が成立した。一国二制度の下で香港人の高
度な自治が守られているかを調べ、人権侵害に関わった当局者の在米資産
の凍結や米国への入国禁止を大統領が決定するという内容である。

少なからぬ中国共産党幹部が米国に資産を有しているとみられるため、同
法には一定の効果が期待される。香港人は勇気づけられ、
星条旗を高く掲げた。反政府デモは再び激化する様相を見せている。一
方、北京政府は人民解放軍によるデモ隊制圧の訓練の様子を広く報道し、
これ以上の「自由な動き」は許容しない構えだ。米国への報復として米艦
船の香港寄港拒否なども発表した。

そうした状況下で日本の行動が問われている。周知のように、安倍晋三首
相は習近平国家主席を来春、国賓として迎える予定だ。同方針には強い反
対がある一方で、最終局面での方針転換は最悪の結果を招くとの外務省系
の主張もある。それは以下のような理屈に基づいている。

 ◎本気で介入し、香港を助ける気は米国政府にはない

 ◎介入すれば、香港経済は悪化し、香港との取引で大幅な黒字を得てい
る米国も利益を失う

 ◎日本人も日本国も所詮、香港問題に手出しはできない

 ◎従って香港人を無闇に煽り、期待を持たせることは却って問題を深刻
化させる

要は第三国は香港を助けることができない、香港は中国共産党の圧力に従
うしかないというわけだ。

確かに中国が「国内問題だ」と強弁し、他国の介入を極度に警戒する案件
で、わが国のみならず第三国ができることは限られている。世界第二の軍
事・経済大国の中国の壁は厚いからだ。

しかし、国際社会の価値観も、各国政府の中国に対する視線も、変化して
いる。そのことに日本こそ敏感でありたい。より良い方向に向かおうとす
る国際社会の変化と歩調を一にすることが日本の国益である。いま、ここ
で日本らしい価値観に立脚せずに、日本はどのような立場にこれから立ち
得るのかと思う。

中国の黒い支配

香港もウイグルも国内問題だとして野蛮な弾圧を加える中国政府への批判
を強めているのは米国だけではない。英国もフランスも、親中姿勢が目
立っていたドイツも同様だ。

国家が領域内の住民の「保護責任」を果たさず、「人類の良心に衝撃を与
える」危機的状況が発生した場合、たとえそれが国内問題ではあっても、
「人道的に介入できる」という方向に国際社会の潮流は明確に変化してい
るのだ。1999年、コソボ紛争において国連が主導した和平計画も、2004年
の国連北朝鮮人権法もその具体例だ。わが国こそ、国連よりも厳しい内容
の北朝鮮人権法を作ったではないか。中国に無為無策であり続けるのは、
国家として辻褄が合わず、道理も立たない。

この際、香港の状況を深く心に刻もう。彼の地では6月のデモ以来9月まで
の4カ月間で、自殺案件は256件、その他に2537件の死因不明の遺体が発見
された。

これは11月13日付の香港保安局発表の統計である。公式発表で、死因不明
の遺体が日々平均して21体も発見されているというのだ。中国出身の評論
家、石平氏が、香港は既に第二の天安門になったと断じたが、そのとおり
であろう。

これが共産党一党支配の中国のやり方である。眼前で進行中の非常事態
を、中国の国内問題だとして放置することは断じて許されないだろう。そ
んなことをした日には、必ず、近未来にわが国にも災いが、つまり中国の
黒い支配が及ぶ。

モンゴル出身の静岡大学教授、楊海英氏が新間聡氏と共に世に問うた『モ
ンゴル最後の王女』(草思社文庫)で訴えている点もまさに同じだ。氏は
同書で、民族問題は決して中国の国内問題ではなく、すべて国際問題だと
繰り返す。中国は「内政」を盾に、他国の介入を強く牽制するが、モンゴ
ル人弾圧を見過すことは、後述するように間接的にモンゴル人と日本人の
歴史を清算することであり、日中関係そのものにはねかえるというのだ。

同様に、チベット人への迫害はダライ・ラマ法王とその亡命政府を擁護す
るインドへの挑戦であり、ウイグル人虐殺は万単位のウイグル人を抱える
トルコ及び中央アジア諸国にとっての非常に厳しい国際問題だと、説明する。

香港の件に戻れば、香港問題は即、台湾問題である。台湾問題は即日本に
はねかえる。中国の言う国内問題は、日本に密接につながる国際関係連立
方程式なのだ。

少数民族自治の実態

それにしても中国は彼らの言う「国内問題」を、どのように片付けてきた
のか。楊氏は、チンギス・ハーンの末裔でモンゴル最後の王女、スチンカ
ンルの一生を辿ることで、中国の残虐的手法を描いてみせた。

王女スチンカンルは1927(昭和2)年に生れた。女児は聡明で美しく、10
歳になった頃、北京郊外の盧溝橋で日中戦争が始まった。やがて日本は敗
戦し、満蒙政策に協力したモンゴル人たちを後ろに残して引き揚げた。戦
後、モンゴル人を襲った悲劇の大きな原因のひとつが日本に協力したこと
だった。もうひとつの原因は彼らが中国から独立しようとしたことだった。

どちらの要因も中国共産党の憎しみを買い、そのためにとりわけ苛酷な弾
圧の日々がモンゴル人を待ち受けていた。58(昭和33)年に始まった「大
躍進」では王女スチンカンルも、その母の王妃も土中に掘った穴を住居と
した。

大躍進では農民2000万人が餓死したとされる。スチンカンルは灌木林に捨
てられた家畜の死肉を乾燥させて食し、辛うじて生きのびた。

66年に文化大革命が始まると、真っ先に文革の嵐に晒されたのもモンゴル
人だった。王家の血筋を引くスチンカンルにはとりわけおぞましい責め苦
が加えられた。大群衆の前でつるし上げられ、凄じい暴力を振るわれ、心
身共にボロ#裂#きれ#同然となった。彼女はやがて「私は反省する。反省
します」とぶつぶつつぶやき、頭を下げ続けるようになった。

楊氏は書いている。

「内モンゴル自治区では、中国人が一方的にモンゴル人をリンチし、殺害
するというジェノサイドが実行された。これが、少数民族自治という政策
の実態である」

中国共産党政府は心中深く、日本に強い敵愾心を抱いている。彼らの非人
道的手法を止めることは世界のためでもあるが、何よりも日本国のため
だ。日本の武器は価値観と道義である。それをいま、打ち出すのだ。

『週刊新潮』 2019年12月12日号日本ルネッサンス 第880回
 

◆リハビリって、再び生きること

向市 眞知(ソーシャルワーカー)


「リハビリ」という用語は訳さなくてもよいくらい、日本語になってしまいました。しかし、この用語がとてもくせものです。皆がこの用語の前向きなところにごまかされ、便利に安易に使ってしまいます。

医師は最後の医療としてリハビリにのぞみをつなげる言い方をします。家族は家にもどるためにはリハビリを頑張ってほしいと期待をかけます。患者様もリハビリを頑張れば元どおりになれると思います。リハビリとは「再び生きる」という用語と聞きました。この概念で考えるととても幅広い概念です。

病院にはリハビリテーション科があり、そのスタッフには理学療法士、作業療法士、言語聴覚訓練士という、国家資格をもった専門技師がそろっています。身体機能回復訓練に携わるスタッフです。医師が「リハビリ」という用語を使う場合にはこのようなリハビリテーション科のスタッフによる訓練をさすだけではなく、「再び生きる」心構えをもちましょう、という意味を含んでいる場合が多いのです。

しかし、患者様、家族様のほうはリハビリは療法士がするものと思い込んでいるケースが多いように思います。よく言われるのに「リハビリが少ない」、「リハビリをしてもらえない」というクレームがあります。療法士がするものだけがリハビリなら、診療報酬上点数がとれるのは一日20分から180分です。

「リハビリを受けさせたいから入院させてほしい」とよく言われますが、一日の何分の1かの時間のリハビリだけで「再び生きる」道のりを前に進むことはむずかしいものです。あとの時間をベッドに寝ているだけでは何の意味もありません。「リハビリのために入院している」というだけの安心感の意味しかありません。

いくら日本一の理学療法士の訓練をうけたといっても、患者本人が「リハビリをする(再び生きる)」心構えになっていなければ、空振りに終わってしまいます。マヒした身体に対して、拘縮してしまわないように理学療法士が外から力を加え訓練をすることはできます。でも、訓練が終わって身体を動かさなければもとのもくあみです。

しかし、言語訓練はそうはいきません。本人が声を出そう、話そうとしなければ訓練になりません。「絶対話すものか!」と口をつぐんでいる患者様に訓練は意味をなしません。まずは声を出してみよう、話してみようという気持ちになるように心理的にリラックスしてもらうことから訓練を始められると聞きました。

このことからわかるように、リハビリは本人次第なのです。そしてやはりリハビリも療法士と患者様の協同作業です。療法士さんの訓練の20分が終われば、患者様自らがもう一度リハビリのメニューをくりかえしてやってみることや、家族が面会時間に療法士に家族ができるリハビリを教えてもらい、リハビリの協力をしてみるなど、何倍にもふくらませていくことがリハビリの道のりなのです。

療法士さんまかせにしないこと、繰り返しやっていくこと、退院しても療法士さんがいなくてもリハビリ、再び生きる道のりは続いていること、それを実行するのは自分であることを忘れないでいてほしいと願っています。2006年4月の診療報酬改定で更にこの認識が重要になってきています。

療法士による機能回復訓練が継続してうけられる回数の上限が疾病により90日〜180日と定められました。これ以上の日数の訓練を続けても保険点数がつかないことになりました。医療機関は保険がきかなくなればリハビリを打ち切らざるをえません。

患者様も10割自費で料金を支払ってまでリハビリを続けることはできないでしょう。リハビリは入院の中でしかできないものではなく、退院しても自宅でもリハビリを続けていくいきごみが大切です。


2019年12月11日

◆トランプ政権から将軍たちは誰も

宮崎 正弘


令和元年(2019)12月10日(火曜日)通巻6300号記念増大号    

そしてトランプ政権から将軍たちは誰もいなくなった
閣議は「不動産企業の取締役会」に酷似し、戦略を判断できる人材はいない

ポンペオ国務長官を、筆者は「トランプの鸚鵡」と比喩したことがある。
習近平を囲むイエスマンとか茶坊主に似るとは書かなかったが、ほかの閣
僚達は投資、投機筋の筋金入りが揃うが世界戦略を語れない。

長期の戦略を練ったスティーブ・バノンは早々に、イヴァンカ女婿のク
シュナーと衝突して政権から去り、戦略を補完する大統領補佐官だったボ
ルトンは、トランプのあまりの無知に呆れて苦言を呈し、馘首される。

かくて発足当時のトランプ政権を固めた軍人たちは、きれいさっぱりホワ
イトハウスから去った。以後、「閣議は不動産企業の取締役のようなレベ
ルとなった」(TIME)。

イラク問題、アフガニスタン撤退、シリア撤退の拙速政策が中東から南ア
ジアを混乱に陥れた。つまりトランプ政権は混乱の坩堝にあり、この空白
状況に乗じて、大統領キャンペーンの宣伝用具として、民主党は弾劾カー
ドを切った。

欧州を見よう。ボリス・ジョンソン英国首相は暴走し、マクロン仏大統領
は「NATOは脳死した」と暴言を吐き、イタリアは誰が首相かも分から
ないが、大多数はブラッセル(EU本部)を冷笑し、EU委員長(前のド
イツ国防相、女性)は嘲笑の対象。そしてメルケル独首相は長期政権の毒
でも廻ったのか、ドイツを破壊した。

この混乱、混沌をチャンスと見て重厚な介入に乗り出したのがプーチンで
ある。エルドアンしかり。米国政治の混乱、欧州の混沌と分裂をはっきり
把握したイスラエルは、ゴラン高原を併呑し、エルドアンはロシアの兵器
体系を導入し、サウジはモスクワへ通う。

トランプ弾劾の理由はウクライナが舞台である。

まさかとさか、ウクライナ大統領に喜劇俳優が当選したからには混乱が多
重化した。西側はウクライナ大統領を鼻から莫迦扱いしたが、この喜劇俳
優は過去8か月の経験によって政治家に脱皮した。

ウクライナ政界は汚職にまみれ、買弁政治家が蠢動し、反ロシア感情を政
治組織化出来ず、あまつさえウクライナ経由のガスパイプラインは、ドイ
ツへの海底パイプラインが完成したことによって、年間3億ドルの通過料
も入らなくなる。ウクライナは岐路に立たされた。

バイデン前副大統領の息子ハンターがウクライナのエネルギー企業の取締
役だったことは事実だが、其れを「何かの取引に証拠を出せなどとせっつ
かれても」とゼレンスキー大統領は不満を露わにした。トランプ路線には
距離を置いたのだ。

「ウクライナを舞台に大国がチェスゲームを展開している。われわれは
チェスボードではない。世界地図に描かれた通過ポイントだけの役目は終
える。米国の弾劾ゲームにウクライナは介入しない」。(TIME、19
年12月16日付けのインタビュー)。

ゼレンスキーは喜劇俳優から脱皮しつつある。
       
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評BOOKREVIEW〜
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イスラム研究の泰斗、トランプの中東外交をめった斬り
  クシュナーの暗躍、サウジの陰険な謀略、そしてユダヤ人たち

  ♪
宮田律『黒い同盟 ──米国、サウジアラビア、イスラエル』(平凡社新書)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
イララム研究の泰斗、宮田教授の最新中東レポートである。とくに中東事
情を裏側から見た地政学的分析である。
 
基調にあるのはトランプ批判、サウジの皇太子非難、イスラエルへの反発
であり、いかに中立的であろうとしても、筆先はイスラム支持に傾きやすい。
 
氏の見立てはイランを包囲するかたちで「非神聖同盟」ともいうべき「反
イラン枢軸」が成り立っているとする。

ペルシアは歴史の古い邦だが、いまのイスラム絶対主義的政権は一種狂信
的であり、反米で凝り固まっている姿勢をみていると不安を感じる人が多
いだろう。
 
「黒い同盟」。言うまでもなく、メンバーはトランプのアメリカ、ムハン
マド皇太子のサウジ、ネタニヤフ首相が率いるユダヤ人国家である。

この3国の枢軸が「黒い同盟」だが、かといって必ずしも一枚岩の頑固な
団結状態にはなく、お互いが疑心暗鬼、鵺的政治、電光石火の秘密行動、
そして駆け引きと謀略の確執、つまり腹黒い、陰謀家たちの衝突があり、
離合集散のアメーバ状態が常態というわけだ。

なにしろサウジ王家を批判したジャーナリストのカショギ暗殺が皇太子関
与と分かっても、米国はサウジに抗議せず、容認したかのような態度でサ
ウジ擁護に動いた。リベラルなメディアは、この点でトランプに批判的
だった。

イランを悪役と決めつけているのはトランプ政権だが、あれ、イランを敵
視している米国が安部首相のイラン訪問を容認(影で推奨?)。そして今
月末にはイランのロウハニ大統領が来日するが、米国はむしろ容認姿勢で
あることは不思議である。

考えてみればイスラム過激派アルカィーダを誕生させたのはCIA特殊工
作の結果であり、シリアにおける無政府状態とISの跳梁跋扈も、その連
続的結果の連鎖にサウジが胴元となって巨額を迂回ルートで支援したからだ。

中東に混乱が続けば米国製武器が売れる。

そうした米国の軍需産業が潤うという図式は陳腐だが、イラクのサダムフ
セイン撲滅、リビアのカダフィ暗殺、エジプトのイスラム同胞団の興隆と
没落の経過などをみていると、中東政治は魑魅魍魎、陰謀たくましき謀略
家しか生き残れないことが判然とする。

パキスタンのしたたかさも、中国は620億ドルも投じて「CPEC」
(中国パキスタン経済回廊)を建設中だ。それゆえパキスタンが打算的に
たよるのは北京が固い同盟かも知れないが、本当の保護者名サウジなのだ。

こうした中東イスラム国家群の政治対立、確執、取引の背景のどろどろし
た政治的陰謀渦巻く世界を、宮田教授はひとつの図式を駆使して読み解い
た。その解析角度のややもすれば独善的なことを別にして、読み物とし
て、大いに参考になる。
            
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW
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 なぜチンパンジーは人間のように賢くなれなかったのか
  いや何がホモサビエンスとチンパンジーを分けたのか?

  ♪
ジャレド・ダイアモンド著。秋山克訳『第三のチンパンジー』(草思社文庫)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

人間とチンパンジーの差違は1・6%だった。
 
したがって人間は「第三のチンパンジー」かも知れないと著者は言う。

ならば人間とチンパンジーを決定的に分けたのは、脳細胞の発達だけが原
因だったのだろうか?

古代文明の痕跡から戦争や狩りの現場などを描く彫刻や絵画が多く発見さ
れている。古代エジプトや中国の歴史遺蹟に行くと、殺戮の様子を具体的
に描いた作品の夥しさに驚かされるだろう。

地獄の描き方のまがまがしさ、人間性を疑うような描写には身の毛もよだ
つ。ところが日本の縄文時代に創られた土器、土偶にかような殺戮を描写
するものは皆無であり、むしろ芸術の領域に達している。

しかし本書は扱う領域がことなるので、日本の独自的文明文化については
言及がない。

チンパンジーは集団殺戮を行使することで知られる。

殺意は男女関係のもつれではなく、縄張り争いである。集団の掟は、その
集団を率いるボスである雄が雌チンパンジーをほぼ独占する。

他の雄からうまれた子供は容赦なく殺す。

「ジェノサイドは私たちが動物の先祖から濃密に受け継いだもののひとつ
かもしれない。コモンチンパンジーは計画を立てて相手の命を奪い、とな
りの集団を皆殺しにする。相手の縄張りを征服するために戦争を行い、雌
のチンパンジーを略奪している」(285p)。

ホモサピエンスは、食糧や縄張りの奪い合いから、人種的迫害、宗教的対
立によって民族浄化、ジェノサイドがしばしば行われた。

しかし大陸部から切り離され、最初は狩猟民族であった原日本人である縄
文時代には、狩猟採集による生活が営まれたにもかかわらず段丘に集落を
つくり共同作業が行われ、しかも他の集落とは戦いではなく物々交換で相
互に共存繁栄を追求した。

交易による経済的分業と共存の長期化、つまり「一万年の平和」を達成し
た縄文日本は世界史的にいえば特異な存在である。地理的に孤立した日本
では弥生時代に戦争が屡々起こったとはいえ、人種対立による内戦は殆ど
なく、宗教対立による内戦の最大規模のものは、はるか後期、江戸時代の
天草四郎の乱だけである。

信長がイエズス会の布教を許可し、キリスト教を信じた高山右近は一神教
原理に基づき、領内(高槻)の神社仏閣を破壊し、僧侶を殺害し、信徒を
奴隷に貶めて耶蘇教の船とともに寄港した南蛮の人身売買団に売った。聖
徳太子が仏教を国教とする前にも、百年間ほどにわたり近畿地方では廃仏
毀釈が行われ、宗教対立があったが、ヨーロッパで行われた大虐殺の宗教
戦争も、魔女狩りもなかった。 

明治の廃仏毀釈は、宗教対立というより国家イデオロギーとして神道の政
治利用が優先され、むしろキリスト教の再上陸への対応だった側面がある。

れゆえ大東亜戦争の敗北で、ほかの敗戦国にみられたようなキリスト教へ
の雪崩を打ったような改宗現象も日本ではおきなかった。

GHQの占領時代にマッカーサーは数千の宣教師を日本にまねいて切支丹
伴天連への宗旨替えを強要しようとしても、日本の自然信仰はそれをはね
のけた。切支丹伴天連が絶対神であり、ほかの価値観を認めない狭窄性を
帯びていることを日本人は本能的にしっていた。

弥生時代に渡来人が戦争の遣り方や兵器を日本にもたらしたが、内戦の原
因は農業の発展と、その分配にあった。

ダイアモンドはこう言う。

「(農耕の発達は)人間性に対する元凶をもたらしていた。階級の文化で
ある。狩猟採集民は食糧を貯蔵せず、もっていてもほんの僅かで果樹園や
牛の群れなどのように食糧を集中させることもなかった」(195p)

というわけで、本書の歴史記述は世界共通の普遍性の基づいての分子生理
学、進化生物学、生物地理学の教養を踏まえての著作だが、全体を通読し
ての感想はと言えば、およそ日本には適用されないケースが多いと思った。
    
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 読者の声  どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 
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(読者の声1)貴誌前号の本欄で、「真珠湾は軍事史の金字塔, 日米戦は
自存自衛, 真珠湾は卑怯な奇襲ではなかった」という落合道夫氏の声があ
りましたが、突然米国は日本への石油の輸出を禁止したのだから、それは
日本に死ねという意味であり、戦争を仕掛けたのは米国である。

日本は自衛の止む無き戦いを強いられた、という論理が最近流行っている
が、そもそも米国は黄色い現地人、黒人などに対する恐ろしいまでの人種
差別が当たり前であり、当然日本人はそんな歴史を知っていた。
それにも拘わらず、米国は親切で公平な母親のような存在で、石油は安く
好きなだけ未来永劫、売ってくださるはずだ、と勝手に決めていた。そん
な契約は無論無く、有っても民間会社の都合によって無視するのは普通で
ある。

米国から見れば、石油を気の知れない浮気な外国に100%依存することに
問題があるのであって、変な言いがかりをつけるな、という感覚であろう。

最近ではレア・アースを支那が禁止したことでびっくりする。日本人は
皆、信義に厚いのだから、外人もそうであろう、そうあるべきだ、そうで
なければやっつけてやる、という一方的な短絡的な独断がある。直ぐにと
にかく謝罪する、いやお前が悪い、という極端に感情が動く。(KM生)


(宮崎正弘のコメント)その信義とやらに依存した日本外交の「国連中心
主義」と、押しつけられたケンポウの第九条を後生大事に墨守する日本
は、国際政治から見ればまるで稚児なのでしょうね。

  ♪
(読者の声2)「日米戦は自存自衛」だったから、日米戦争も真珠湾攻撃
も「正当化」される(?)というような主張が見られるようですが、私は
賛成できません。

日米戦争が自存自衛であろうと、場合によっては正当防衛さえ成り立つと
しても、根本的に、国力において「圧倒時に強力な相手」に対して、「負
ける戦争」を挑むこと自体が間違っています。

「正当防衛」は、厳密な司法裁定、刑事裁判が行われる場合には成立し、
違法性も阻却され得るでしょうが、国際間にはそのような機構、手続きは
整備されていない。しょせんは強者・勝者の論理が「正当化」される世界
です。

戦争は、「結果」のみが評価される「勝てば官軍」の世界のはず。
 
そうした世界における「惨敗」という「結果」について、自らが先制攻撃
を「敢行」しておきながら、「自己または他人の権利を防衛するため、や
むを得ずにした行為」であったというような主張は、たとえそれが認めら
れる余地があったとしても、しょせんは「負け犬の遠吠え」です。そし
て、そのような「愚策」を強行した主導者は、厳しい結果責任を問われる
べきでしょう。

刑法上の正当防衛(刑法36条)についてでさえ、「侵害の急迫性は、侵害
が当然またはほとんど確実に予期されただけで失われるものではないが、
その機会を利用し、積極的に相手方に加害行為をする意思で侵害に臨んだ
ときは失われるものと解すべきである。」(最判昭52.7.21)、

「相手方の侵害を予期し、これに応じて敏速に反撃する意図で様子をうか
がっていたところ、相手方が侵害を加えてきた場合には、急迫な侵害が
あったとはいえない。」(最判昭30.10.25)と解されています。

先に引用したZimm氏も述べるように、「日本海軍の伝統的な戦略は、開戦
となればマーシャル、マリアナ諸島など委任統治領を根拠地とし、潜水艦
と航空機により米艦隊と対に持ち込み日本近海で決戦するという漸減作戦
であった」はずで、日本が島国であることからしても、日露戦争以来の
「漸減作戦」が妥当であったのではないか。

これなら、たとえ敗戦に終わるとしても、「ドカ貧」と言うほかないよう
な「惨敗」はなかったのではないか。「殴り込み」をかけておいて、それ
が「自衛」だったと主張することには無理があるのではないか。もちろ
ん、「勝利」とまではいかなくとも、(ミッドウェー海戦にも勝利して)
「講和」に持ち込めておれば、そのような主張も認められる余地は残った
でしょうが、「惨敗」した後では、しょせんは「負け犬の遠吠え」でしか
ない。

なお、山本の愛人関係についての綱紀弛緩というほかない行動は、部下を
代理として見舞わせた、というような公私混同もあったようで、たとえ現
在とは倫理観が異なることを認めるとしても、弁護される余地はあり得な
いと思います。愛人関係のことを初めて一般に報じた昭和29年4月18日付
「週刊朝日」は「軍神も人間だった」と題したようですが、それでは、厳
しい軍律の中にあった多くの将兵は「人間」ではなかったというのだろうか。

山本が異常なほどの手紙魔で、(一般不特定多数の)子供たちなどから寄
せられた手紙に、しばしば丁寧な自筆返書を返していたことについても、
例えば、現在のプロ野球の監督でさえも、子供たちからの大量のファンレ
ターに頻繁に自筆返信していたのでは、やはりその「感覚」を疑われざる
を得ないのではないでしょうか。(椿本祐弘)


(宮崎正弘のコメント)先週おくればせながらテニアンの戦跡をめぐり慰
霊塔で合掌して参りましたが、テニアンの北端にエノラゲイとファットマ
ンに搭載した原爆の積載地点がガラスで囲まれた記念展示場となっていま
した。広島、長崎への投下は戦争を早めるためにやむを得ずというのがア
メリカ人の歴史観です。

テニアンの攻防は、米軍にとってはB29が直接日本へ飛行できる戦略拠
点の確保であり、守る日本軍は、サイパンを含めて数万が犠牲となり、現
地人の犠牲も数千。その万歳クリフへも三箇所、合掌して来ました。

先帝陛下の御製が大きな石碑として建立されていました。

またサイパンの慰霊碑が建つ公園では韓国兵の慰霊塔もあり、かなりの数
の韓国人が祷りを捧げており、なぜか中国人の観光バスがくるため法輪功
が情宣活動をしていた。日本人の慰問客はまばらでした。

そのとなりではダイビングや海水浴、水上スキーなどを愉しむ若い日本人
の群れ。なんという戦争の風化でしょうか。

   ♪
(読者の声3)宮崎さんの新刊『チャイナチ』(徳間書店)ならびに読者
特別レポートを読ませていただきました。

書籍の方は電子書籍(キンドル)で先週購入し、まだ最初の方しか読んで
いません。が、10%位(キンドルの右上に表示されます)読んでみて、
宮崎先生のいつもの読みやすい語調でこれからすぐに読み終えられるなと
いう印象でした。

もちろん内容は情報満載ですし、写真が良い(写真はキンドルより書籍の
方が良いと思うが)。

丁度、アマゾンは9日までサイバーマンデーで電子書籍のunlimited(読み
放題)が3ヶ月、99円とお安いです。自分は「読み放題」を登録し、昨
日は故渡辺昇一先生の著作を読みました。慣れると電子書籍は非常に便利
なのでお薦めします。

今回の特別レポートは、宮崎先生との距離感が近く感じられると同時に香
港大乱を肌で感じることができます。

考えてみれば、ここハノイから友諠関を越え、ピンシャンから香港までバ
スですぐ(一晩)にいけるはずなんですが、情報は日本の電子書籍経由な
のは不思議な感覚がします。それにしても、世界を飛び回って取材される
宮崎先生が羨ましいです。(R生、ハノイ)

  ♪
(読者の声4)落合さんの山本擁護論に対してちょっと言いたくなりまし
たので、書きました。

1.真珠湾は軍事史の金字塔

英国の軍事専門家は真珠湾作戦は世界の軍事史の金字塔の一つであり、戦
後の反日プロパガンダが終れば正当な評価がされるだろうと述べていま
す。1991年にソ連が崩壊し左翼が悪と分かり、日本悪者論は終わりました。

「これを金字塔の一つと評価する英国の軍事専門家がだれか知りません
が、あれだけの作戦を行ったということに対する評価、ということならわ
かります。つまり戦術的な成功です。

しかし、戦略的にははめられて、相手の思うつぼにはまってしまいまし
た。山本はアメリカ駐在が長かったにもかかわらず、アメリカ人の気質が
全く分かっていず、ガツンとくらわせば、「米国海軍および米国民をして
救うべからざる程度にその士気を阻喪せしむる」と思っていたわけです。

しかし、実際は全く逆でした。やられれば猛然と反撃するのがアメリカ人
気質です。その後も、何か打撃を与えれば、相手は意気阻喪すると主張し
て、ミッドウエー・ガダルカナル、い号作戦など日本の消耗戦に突進して
いったのが山本で、とても「将官」としては優秀どころか、愚将です。大
佐クラスの戦闘指揮官としてはかなり優秀だったでしょうか?

このことは、拙著『大東亜戦争 日本は「勝利の方程式」を持っていた』
(ハート出版)の144ページから175ページにかなり詳しく説明して
いますので、是非お読みください。

何よりも、山本は昭和16年11月15日に「大本営政府連絡会議」で正
式に採択された「対米英蘭蒋戦争終末促進に関する腹案」に完全に背い
た、ミッドウエー戦、ガダルカナル戦という愚行を強行して、日本の敗北
を決定的にしてしまったことをよくよく認識すべきです。

なんと山本は、ガダルカナル戦の時に、「陸軍兵力5個師団を一挙投入す
べし」という意見具申を軍令部に行っています。ラバウルから1000キ
ロの戦闘終末点を超えた、ガダルカナルの戦闘を行ったがゆえに、ようや
く陸軍2個師団を送ったものの、一度としてまともな輸送ができず、重火
器、食料のほとんどが陸揚げできず、結局、3万の兵力のうち5千が戦
死、1万5千が「餓死」、1万が辛うじて、「幽鬼」のような状態で帰
還、という悲惨な結果となりました。距離の事情の原則、兵站輸送の重要
性、ということを理解していない海軍によって、あの世界一勇猛な陸軍兵
士はこのような目にあったのでした。ところがそういうことを全く理解し
ていない山本は、「5個師団」を一挙に投入すべし、という素人以下の意
見具申を行っているのです。こういう将軍を愚将と呼ばずして何と呼んだ
らいいのか教えてください。」

2.日米戦は自存自衛

真珠湾作戦を論じるには日米戦争の因果関係を知る必要があります。それ
はヘレン・ミアーズ女史が著作「米国の鏡、日本」で「日米戦争は外交記
録を見れば米国の圧迫が原因である事は一目瞭然」記しているように、日
本の自存自衛です。

だから米国歴史学会では真珠湾事件が何故起きたのか調べることは喜ばれ
ないと言われています。

「このようなことは、もはや言ってみれば自明のことになっています。そ
してそのとどめが、フーバー元大統領が20年を費やして書いた
『Freedom Betrayed: Herbert Hoover's Secret Hiastory of  World
War』で書いている次のことばです。
 I said that the whole Japanese war was a madman’s desire to get
into war. He (MacArthur) agreed. (p.833)

「日本との戦争の全ては、戦争に入りたいという狂人(ルーズベルト)の
欲望であったであった」と私がいうとマッカーサーは同意した。」


3.現代アメリカの評価

次に重要なのは、現代の米国政府が真珠湾は卑怯な奇襲ではなかった事を
公開していることです。

グルー大使の1941.1.27付けのハル長官宛の公電が公開されています。そ
こには真珠湾攻撃計画が通報されています。また日本の暗号が解読されて
いました。この公開の目的は戦後の日本悪者論を解毒するためです。

 真珠湾攻撃が卑怯な奇襲などというのは愚にもつかない虚論です。そも
そも、宣戦布告義務は、一応戦時国際法に書かれていますが、いわば形式
的なものであり、宣戦布告の無い戦争はごまんとあります。アメリカのボ
ブ・ウッドワードが1991年に書いた『司令官たち:湾岸戦争突入に至
る”決断”のプロセス』(文芸春秋社)という本の中で、「アメリカは建国
以来、200回も外国と戦争しているが、そのうち宣戦布告して開戦した
のは、4回だけだ」と書いています。宣戦布告の遅れなど、単なるケチ付
けに過ぎないことで、その前にアメリカが日本に対して行っていた、かず
かずの準戦争行為からしたらとるに足ら無いものです。

日本悪者論と山本無能論は全く別のことです。せっかく勝てる戦略を日本
は持っていたのに、山本という実は戦略眼を全く欠いた愚将が真珠湾で成
功して神になってしまい、「勝利病」を海軍だけでなく陸軍にも伝染さ
せ、「大本営政府連絡委会議」で決定した基本戦略をないがしろにして、
前方決戦に突っ走ってしまったのです。

逆に今になって、山本はスパイであったなどというこれまた愚論という
か、「思考停止」に他ならないことを言う人がいますが、問題の本質はそ
んなところにはありません。」

4.現代の目

イタリアのクローチェは「あらゆる歴史は現代史である」と述べていま
す。ということは反共という点から見て、戦前の日本が正しく、容共の米
国が誤っていたということです。

山本五十六の事績の評価はこうした現代の目から見ることが必要です。
(落合道夫)

「戦争当時、山本は神のように多くの国民の目には映っていたでしょう。
しかし、現代の目で見れば、とんでもない愚将であることが、理解できる
はずです。

そのことを私はずっと言ってきましたが、今回『大東亜戦争 日本は「勝
利の方程式」を持っていた』にまとめてみたところ、伊藤隆先生、小堀佳
一郎先生という斯界の権威が集う「アパ日本再興大賞」審査委員会で認め
ていただいたことは、うれしい限りです。ようやく現代の目で見ると、あ
の戦争の本質がわかってきたことの一つの証拠ではないかと思っていま
す。」(茂木弘道)

  ♪
(読者の声5):12月9日付(読者の声1)椿本祐弘氏への投稿」です。
「山本五十六は愚将」だと言われたましたが、日本を愛する一国民として
一言。

日本国の為に命を捧げられた立派な方を何故「愚将」だの「罪責者」だの
と言われるのか? 事後では何とでも言えるでしょうが、敗戦したから
いって左翼が言うなら兎も角どうしてこの様に貶める様な事を言われるの
か理解出来ません。何処かの国の独裁者が「自己陶酔的」「独善的」「強
引に」「愚劣に」指揮した戦争とは凡そ違います。有能で人望もあり選ば
れて大将になられた立派な軍人です。


先の大戦は言うまでもありませんが

1.開戦の理由
・欧米(とりわけアングロサクソンであり、ルーズベルトであり、暗躍し
た※ユダヤ系社会主義者達)が 悪意を持って仕組んだ戦争であり、反日
を煽り米国民を欺いてまで日本を戦争に引き摺り込んだ。

・日本は立ち上がるしか選択肢の無い状況に追い詰められ、「御聖断」も
仰ぎ止むに止まれず 開戦に至った。当時の多くの国民は軍人・軍属の
方々の熱き思いに国運を委ねた。(※最近では「ディープステート」)

2.大戦の意義

・欧米の「植民地」を全て解放。

・白人至上主義を排斥。人種差別からの解放。日本は「正しく戦い、正し
く負けた」のであって、この偉業は世界史的にもアジア・アフリカ諸国あ
るいは多くの良識ある西欧人や世界中の人々から称賛されています。大戦
を戦われた我が国の元帥・将校から一兵卒に至るまで、日本軍人はサムラ
イ魂を受け継ぎ男々しく闘い武士らしく潔く散って逝かれた。
人類史に残る高潔で立派な戦いをした全ての皇軍軍人・御英霊の方々を尊
敬し、感謝と報恩の気持ちを捧げるのは当然の事で、命を賭して戦われた
軍人を貶める言い方は厳に謹んで頂きたい。
また「愛人」がどうのと些末な事を取り上げておられますが、この日本国
の果たした役割と偉業を考えればどうでもいい些事です。他国では比較す
るのも悍しい程愚劣な将軍や将校・兵士は数え切れないほど歴史に残って
います。
投稿された方は、歴史に高い御見識をお持ちの方と拝察しますが、左巻き
が喜ぶ様な言辞は控えられた方が宜しいかと・・・
嘗て日露戦争の神将乃木希典大将を「愚将」と言い放った「愚作家」がい
ました。(麻生Hojo)