2020年01月31日

◆一方でトランプ弾劾、他方では中国非難

   宮崎 正弘

 
令和弐年(2020)1月30日(金曜日)通巻6351号   

一方でトランプ弾劾、他方では中国非難。米議会はトランプより反中だ
香港、ウィグルにつづき米下院「チベット人権法」を大多数で可決

1月28日、米下院本会議はチベット自治区での人権や宗教の自由などを擁護する法案を賛成392、反対22という圧倒的な賛成多数で可決した。
 
法案は上院に送られ、可決後、両院の協議会がひらかれたうえで、法律となり大統領が署名するプロセスとなる。

この法案はチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の後継者選出に露骨に介入する中国当局者に対して、制裁などを規定している。つまり「チベット自治区ラサへの米外交施設設置を中国政府が認めるまで、米 国内での新たな中国領事館設置を認めない条項も具体的に盛り込んでいる。

2019年11月には上下両院において圧倒的多数で「香港人権民主法」 成立し、トランプ大統領がただちに署名した。

同じく12月には「ウイグル人権法案」の下院可決と続いた。

日本政府、外務省は、いったいこの米国の動きをどう捉えているのだろうか? まだ習近平の国賓来日を4月に実現などと画策しているが、国内の世論はじつに86%が、習近平の国賓としての来日に反対し、各地では連続的に阻止集会やデモが行われている。

しかしながら状況が大きく変わろうとしている。

SARSいらいの奇病「武漢肺炎」(コロナウィルス)の爆発的な蔓延,世界がいま対策におわれている。武漢は交通アクセスが孤立し、慌ただしく邦人引き揚げも始まった。「伝染病の完治が実現するまで訪日は控 えて欲しい」というくらい、政府高官の発言があってしかるべきだろう。
 
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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2021回】               
 ──「彼等の中心は正義でもなく、皇室でもない、只自己本位でゐる」服部(3/16)
服部源次郎『一商人の支那の旅』(東光會 大正14年)

          ▽
「これらの屍體遺棄法は少しく苛酷に過ぎるやうではあるが、しかし甚だしく稀なことではない。滿洲の田舎の方で一般に行なわれる方法は、10歳以下の子供の屍體は穀草の類を以て捲き、その上を繩で縛して遺棄することである。男子ならばその縄は一筋、女兒ならば二筋とする習慣で あると、長尾は続ける。

また貧しい中国人が最も恐れる悪鬼は「訴債鬼(借金取り鬼)」であり、長患いし治療のために親に過重な金銭的負擔をかけ、しかも夭逝し葬儀まで出させるような子供を訴債鬼として忌み嫌っていたと言う。


ここでいう「鬼」は、日本人が想像する2本の角を生やして縞模様の大きめのパンツを穿いた青鬼や赤鬼のような鬼ではなく、生きている人間を無理やり動かしてしまう死者の精気を指す。不幸な死者による生きている者に対する祟りとも考えられる。


いずれにしても残酷な話だが、子供に憑りついて死に到らしめる悪鬼が憎いのであって、もちろん子供が憎いわけでも、子供に罪があるわけでもない。野原に遺棄された遺体は獣に食われ、海や河に捨てられた場合は魚の餌になってしまう。そんな我が子の無残な姿が想像できないわけ だろうに、そうしてしまう。


我が子の遺体を野原に遺棄するのは残酷至極だ。非情で人でなしの親だと思う。だが、そうすることで一日も早く我が子の肉体を地上から消し去り、一日も早く生まれ変わってきてくれよ、との切なる親心がそうさせるのだろう。複雑怪奇な親心であることか。


そこで永尾の「その遺體丈けには、また出來るだけの保護を加えてやりたいのが親心である。されば、独人淋しく冥途に旅立つ愛小兒に道中恙なかれと、殘虐な處置を加えた遺體にも、その胸には護符や守袋の類を掛けてやるのである」との記述を読むと、親心の鬼気迫るまでの哀しさ が伝わってくる。


我が子を失う悲しみの一方で、一族の血統の断絶というもう一つの大きな苦しみが襲う。息子がいればこそ、一族の血統は絶えることなく続く,自分たちも安心して人生を全うできる。だからこそ一日も早く次の健康な息子を、と考えるはずだ。一族と血統に呪縛され、そのうえに老後の生活への不安が彼らを責め苛むに違いない。


──筆者の「趣味嗜好」に任せて、新年早々に縁起でもない話を続けてきたようにも思うが、文化を《生き方》《生きる形》《生きる姿》と捉えるからこそ、死への向かい方に強く関心を抱かざるを得ないのである。しょせん生きてきたようにしか死ねないと思えばこそ、死もまた文化(=生)を構成する重要な部分であると見做すべきではないか。

この辺りで子供の死体に関する話題を切り上げ、再び服部の旅に戻る。

吉林では「煙草の栽培は旺んなものです、山東省の苦力が解氷期になると、松花江の上流」に、そして煙草産地に「蜿々長蛇の列を爲して入込其數實に十數萬です」。じつは「朝鮮人も2萬人位此奥に居る相」で、その「悉く水田農夫」ではあるが「浮浪の徒が多く4月頃は彼等の移動期 である」。

次いで吉林を発ち「北滿の大都ハルピンに着く」。

さすがに「ロシア政府が極東都市計畫を此地に策し」ただけのことはある。「支那の旅の中で何時迄居つても歸り度くないのは此ハルピンより外はない」との思いを抱いた。


だがロシア革命の影響を受け、ハルピンは関係諸国間の利権争いの坩堝に投げ込まれ、混乱は混乱を呼び、ハルピン市政府の権力を巡って主客は逆転していた。「數年前支那人に土下座を命じ傲慢を極めた露西亞人 は、今や支那人の裁判を仰ぎ土下座を命ぜられて居る、なんたる皮肉で あらう、人を虐ぐる者は人に虐げらる、寔に好い?訓である」。

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【知道中国 2022回】                   
──「彼等の中心は正義でもなく、皇室でもない、只自己本位でゐる」服部(4/16)
 服部源次郎『一商人の支那の旅』(東光會 大正14年)

              ▽

服部をして「支那の旅の中で何時迄居つても歸り度くないのは此ハルピンより外はない」と言わしめたハルピンは、帝政時代のロシアがアジアとの間の貿易の拡大を狙って建設した中東鉄道(日本では時代によって東 清,東支、北満鉄道などと呼称が異なる)の中核都市であり、帝政ロシ アが総力を結集して建設したのである。

中東鉄道は、1896年に露清銀行と清朝の間で結ばれた条約によって創業されたロシアの株式会社である。シベリア鉄道の短絡線であり、満州里 (現内モンゴル自治区)からハルピンを経て黒龍江省の綏芬河(ロシア名でポグラニーチナヤ)を結んでいた。ハルピンから南下した支線は長 春を経て旅順にまで伸びていたが、日露戦争に敗北したことで長春(寛 城子)以南を日本に譲渡したことで、この部分が日本の満鉄(南満洲鉄 道)所有となった。


中東鉄道は鉄道沿線で広大な土地を押さえ、駅舎を中心に建設したハルピンや大連のような都市における行政を担い、そこではロシアによる治外法権が行われていたわけだ。

ロシア革命後の混乱の中で鉄道管理の指導権を巡って日・米・中・ソが入り乱れ、日本による主導権は米・中の反対で、アメリカによる単独管理は日・英・仏の反対で潰えた。その後、ソ連政府部内の意見対立を経てソ連と中華民国による合弁経営を経て、満州事変を機にソ連との間で交 渉が始まり、1935年3月に満洲国(日本)に売却された。

中東鉄道については、この程度に止めておくが、満鉄との関連、さらには満洲における列強の勢力角逐の跡を追う意味からも、「中東鉄道はシベリア鉄道の短絡線として、19世紀末に列強が中国において早い者勝ちで戦力圏を拡大してゆく中で、ロシア帝国が、ロシア極東に隣接する中国東北部の『確保』のために設立した『植民地会社』であった」(『中東鉄道経営史ロシアと「満洲」』

(1896−1935)(麻田雅文 名古屋大学出版会 2012年)といった程度の状況は、取り敢えず押さえておく必要があろう。

服部は商売人らしく、中東鉄道を軸にしたハルピン経済の現状と将来性について詳細に論じているが、煩雑に過ぎるので省略しておく。ただ次の点だけは記しておきたい。

「ハルピンの經濟界の中心は、何と云つても東支鐵道である、而して此鐵道の幹部が白露系でありし間は日本として善かつたが、今や支那の獨舞臺と赤露の幹部であるから日本としては誠に容易でない立場となつ た」。であればこそだろうか。「一時邦人が6千人程居住して居まし た、奥地へも多數邦人が入込み頗る盛況を極めたが、沿線の人は去り、 現今では當地も2300人に減つた、モーこれが不景気のドン底」だった。

ハルピンを発った服部は、長春を経て大連へ。

当時、「支那の獨舞臺と赤露の幹部」によって経営されていた東支鉄道は、北満の物資を満鉄を使って大連に運ぶより、東支鉄道を使ってウラジオストックに運んだ方が時間的にも経費の面でも安価だと盛んに売り込んでいた。そこで日本側は東支鉄道利用に靡いたようだが、じつは満鉄 の方が割安だった。かくて服部は、実情を精査しないままに「東支の宣 傳を餘り正直に受ける日本人の弱點」に苦言を呈する。いったい、いつ になったら相手の「宣傳を餘り正直に受ける日本人の弱點」は克服され るのか。

大連を去るに当たり、服部は「あゝ! 大連よ爾は東洋一の港灣である、爾は日本の手に依て斯くの如く成長した、日本は爾に依りて滿蒙に文化の種を播く、爾の成功は滿蒙文化の成功である、滿蒙文化の成功はこれがやがて世界に對する誇りである、噫! 大連よ幸爾に多かれ」と感激 の程を綴った。

次いで「支那國中で上海に亞ぐ大貿易都市」の天津へ。だが現地や欧米商 人に「到底日本商人は勿論對抗出來ぬのである」。その理由はズバリ「薄資」であったからだ。
《QED》

◆「わが祖国」を聴きながら

渡部 亮次郎


高く済んだ秋空の下(もと)、ひさしぶり、MDでスメタナの「わが祖国」を聴きながら、落葉で金色に輝く公園の道を散歩した。いつもは「ラジオ深夜便」の録音を再生したのにつづいて聴くのはモーツアルトかベートーヴェンなのに。

なにか壮大で厳粛な気分に浸ることができるからである。とても演歌やフォークソングではこうは行かない。祖国、国土、独立、さらに故郷の風物への愛を強烈に感じる。

連作交響詩『わが祖国』 (わがそこく、Ma Vlast) は、ベドルジハ・スメタナの代表的な作品で、1874年から1879年にかけて作曲された6つの交響詩から成る。スメタナは聾唖者になっていた。

全6作の初演は、1882年11月5日、プラハ国民劇場横のジョフィーン島にある会場で行われた。この曲は、近来、毎年行なわれるプラハの春音楽祭のオープニング曲として演奏されることが恒例になっている。

1 ヴィシェフラド  2 ヴルタヴァ  3 シャールカ  4 ボヘミアの牧場と森から  5 ターボル  6 ブラニークの6曲から成るから、通しで聴けば1時間20分ぐらいかかる。

音楽を学ぶためにプラハへ赴いたスメタナは、ある貴族の家の音楽教師の座を獲得し、1848年には、作曲家フランツ・リストからの資金援助を受け、彼自身の音楽学校を設立した。

1874年に梅毒に起因して聾唖(ろうあ)となるが、作曲活動を続け、この出来事の後に書かれた代表的な作品が『わが祖国』である。

1 ヴィシェフラド
『高い城』とも訳される。かつてボヘミア国王の住んでいた、プラハの大きな城が描かれた作品。1874年に作曲された。吟遊詩人が古代王国の栄枯盛衰を歌う、という内容である。

この作品の冒頭に現れ、全曲を通じて繰り返し用いられる旋律の最初の部分には、スメタナの名前の頭文字B.S.(=B♭−E♭)が音として刻まれて いる。

2 ヴルタヴァ 『モルダウ』の名で知られる。一連の交響詩群の中で最も知られた作品であり、単独で演奏されたり、録音されることも多い。ヴルタヴァ川(モルダウ川)の、源流近くからプラハへと流れ込むまでの様子が描かれている。1874年に作曲された。 スメタナの故郷を思う気持ちが現れている。

3 シャールカ 1875年に作曲された。シャールカとはチェコの伝説に登場する勇女の名である。恋人に裏切られたことによって男への復讐を決意した、という。そのシャールカが男の兵士達を策略にはめて皆殺しに する、という(男性にとっては首筋が寒くなる)内容である。

4 ボヘミアの牧場と森から 1875年に作曲された。ボヘミアの美しい風景を音楽としたもの。途中、ドイツ風の歌やボヘミア風の歌といった民族的な旋律も現れる。

5 ターボル 1879年に作曲された。ターボルとはボヘミア南部の町の名である。フス派の人々の拠点であった。フス派の戦士の不屈の戦いを描いている。彼らの間で歌われたコラール『汝ら神の戦士たち』が用いられているが、これは『ブラニーク』でも引き続き用いられる。

6 ブラニーク 1879年に作曲された。ブラニークとはボヘミア中部の山地の名である。その山々の深い森の中にて1000年前のチェコ民族の守護聖人と勇士達が眠っており、チェコ民族が存続の危機に瀕した時に彼ら がよみがえって救いの手を差し伸べる、という伝説がある。

曲は、邪悪に覆われた祖国をその勇士達が勝利を収めて解放する、という内容である。

ベドジフ(またはベドルジハ、ベトルジヒ)・スメタナ(Friedrich) Smetana, 1824年3月2日― 1884年5月12日)

ビール(チェコ・ビール)の醸造技師の息子として、ボヘミア北部のリトミシュル(Leitomischl)に生まれた。若い頃にピアノとヴァイオリンを学び、家族の参加していた趣味的な弦楽四重奏団で演奏していた。

父親の反対にも拘らず、音楽を学ぶためにプラハへ赴いたスメタナは、ある貴族の音楽教師の座を獲得し、1848年には、作曲家フランツ・リストからの資金援助を受け、彼自身の音楽学校を設立した。

1874年に梅毒に起因して聾唖(ろうあ)になっても作曲をつづけた。のち 1884年に正気を失い、プラハの精神病院へ収容され、この地で生涯を終えた。ヴィシェフラトの有名人墓地に葬られている。

スメタナは、明確にチェコの個性の現れた音楽を書いた最初の作曲家であるといわれる。そのため、チェコ国民楽派 の開祖とされる。

彼の歌劇の多くは、チェコの題材に基いており、中でも『売られた花嫁』 は喜劇として最もよく知られている。彼は、チェコの民俗舞踊のリズムを多用している。

また、彼の旋律は民謡を彷彿とさせる。同じ様にチェコの題材をその作品中に用いた作曲家として知られる アントニン・ドヴォルザークに大きな影響を与えた。

主な作品

歌劇
『ボヘミアのブランデンブルク人』(1862)
『売られた花嫁』(1863)
『ダリボル』(1867)
『リブシェ』(1872)
『二人のやもめ』(1874)
『口づけ』(1876)
『秘密』(1878)
『悪魔の壁』(1882)
『ヴィオラ』(未完)

管弦楽曲
祝典交響曲 作品6(1853)
交響詩『リチャード三世』(Richard III)作品11(1857-58)
交響詩『ヴァレンシュタインの陣営』作品14(1858-59)
交響詩『ハーコン・ヤルル』(Hakon Jarl)作品16 (1861-62)
連作交響詩『わが祖国』(Ma Vlast)(6曲)(1874-79)
祝典序曲 ニ長調 作品4(1848-49)
プラハの謝肉祭

室内楽曲
弦楽四重奏曲第1番ホ短調『わが生涯より』(1876)
弦楽四重奏曲第2番ニ短調(1882-83)
ピアノ三重奏曲ト短調作品15(1855)
『わが故郷から』(ヴァイオリンとピアノのための、2曲)(1880)

「わが祖国」の初演から100年に当たる1982年に、記念演奏会が東京で開催された。(演奏は、ヴァーツラフ・ノイマンの指揮によるチェコ・フィルハーモニー管弦楽団)同公演はライブ録音され、翌年レコードとして発売された。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2007・11・14


◆裁判官の原発潰しが日本の活力を削ぐ

櫻井よしこ


日本のエネルギー政策を歪め、電気料金を押し上げ、消費者と中小企業に負担させている元凶は原子力規制委員会だけではなかった。三条委員会として強大な権限を有する規制委の決定を覆し、公平・公正とはいえない一方的理屈で原子力発電所の運転差し止めを決定する裁判官も、もう ひとつの元凶である。

健全で公正な司法が確立されて初めて社会も国も安心な場所であり得る。だが、原発訴訟を見る限り、日本の司法の現状は憂慮せざるを得ない。その最も理不尽な事例が1月17日の広島高等裁判所の決定であろう。山口県東部の三つの島に住む住民3人が四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方 町)の運転差し止めを求めていた裁判で、広島高裁の森一岳裁判長が運 転を認めない仮処分を決定したのである。

同裁判の経過、担当した裁判長、審尋の実態、判決内容などは約5年前の福井地方裁判所のケースと非常に似通っている。当時の福井地裁裁判長は樋口英明氏だった。氏は関西電力高浜原発3・4号機の運転差し止めの仮処分を下した人物だ。

森氏も樋口氏も原発の運転を差し止めた時、定年もしくは異動間際だった。森氏は今回の仮処分決定8日後の1月25日に定年で退官するために、本誌が出る頃は広島高裁にはもういないのであろう。他方、福井地裁裁判長だった樋口英明氏は15年4月の異動で名古屋家裁への左遷が決まってお り、それにも拘わらず運転差し止めを決定した。

森、樋口両氏はいわば最後の場面で世間に注目される決定を下したわけだが、どう見ても多くの疑問を抱かざるを得ない。第一点が差し止めの仮処分決定に至る過程で当事者の主張を十分に聞いたとは思えないことだたとえば森氏が四国電力の意見を聞いたのは90分の審尋1回のみであ る。樋口氏の関西電力に対する審尋は2回のみだった。いずれのケースでも電力会社側の要請した専門家の意見聴取は却下されている。

判決文の中に間違い

二つの裁判に共通するもうひとつの要素が「人格権」の乱用である。実は私は5年前の樋口氏の仮処分決定の内容に疑問を抱き、インターネット配信の「言論テレビ」に北海道大学教授の奈良林直氏と民法の権威である名古屋大学名誉教授の森嶌昭夫氏を招き、樋口判決について論じたこと がある。

樋口氏は判決に「原子力規制委員会の新しい規制基準は緩やかすぎて、それに合格しても安全性は確保されない。従って住民の人格権を侵害する具体的危険がある」との主旨を書いていた。森嶌氏は「人格権」という極めて広く解釈できる用語の使用に以下のように疑義を呈した。

「高浜原発を稼働させたからといって、すぐさま住民の生命自体が侵害される急迫な事態ではないわけです。そこに個人情報から名誉毀損まで幅広い意味が入ってしまう人格権という言葉を当てはめるのであれば、原発を差し止めなければ急迫に侵害されようとしているのが、具体的にど の権利なのかを明確に示さなければなりません」

「人格権」は法律用語としてきちんと定義されているわけではない。にも拘わらず、その曖昧な用語を、ひとつひとつの言葉を厳格に定義したうえで事実認定しなければならないはずの法廷で使用する理由は、本当に 急迫した危険な状況であると説明出来ないからではないか、と森嶌氏は 疑問視したわけだ。今回の広島高裁の判決にも同様の疑問を抱く。

両判決のもうひとつの共通点は判決文の中に間違いが目立つ点である。高浜原発差し止めを決定した樋口氏の間違いは極めて初歩的であるために分かり易い。

氏は、高浜原発では電源喪失、つまり停電からわずか5時間で炉心損傷に至ると書いている。これは全くの間違いだ。奈良林氏が指摘した。

「福島第一原発はそれに近い状況でしたが、高浜原発では種々の対策がとられていて、全電源が失われても18日から19日間は給水可能、炉心冷却 も継続できるのです。特に福島事故の後は巨大タンクを作り、冷却用の水源量を増やしていました」

つまり高浜原発が5時間ほどで炉心損傷に至ることはないのである.この点を樋口氏は高浜原発で事実誤認しただけでなく、その1年前に運転差し止めを命じた大飯原発に関しても同様の誤認をしていた。裁判長たる者が 2回も、重要な技術的、科学的な問題点について同じ間違いを犯して公正に裁けるはずがない。

樋口氏はまた、使用済み核燃料プールの給水配管と計測器を、強度の耐震設計を施したSクラスにすべきだと判決文で批判した。

「電力会社の説明を全く聞いていないとしか思えませんね。樋口氏の指摘した部分は元々Sクラスと同等の設計になっていました。最高水準の設計で、使用済み核燃料プールもSクラスです」と、奈良林氏。

国民のツケになる

まだある。樋口氏は、緊急時には免震重要棟が必要であるのに、その建設に猶予期間があるのはおかしい、つまり、免震重要棟が出来ていないではないかと指摘していた。

「免震重要棟は福島第一原発で有名になりましたが、免震のゴムに尋常ならざる圧力がかかりますから、いまは耐震重要棟に切り替わりつつあります。高浜原発には耐震Sクラスの建屋があり、緊急時対策所が設けられています。樋口氏はそのことを認識できていない。猶予期間について は全くの思い違いです。猶予期間は重要免震棟ではなく、テロに備えるための『特定重大事故等対処施設』の建築に対するものです。それを樋口氏は免震重要棟の建築と取り違えていたのです」(同)

事実を誤認したまま運転させないという仮処分を下した樋口氏は余りに無責任だが、今回の森判決にも以下のような驚くべき指摘がある。

佐田岬半島瀬戸内海側の沿岸部に活断層があれば、伊方原発に強い地震がくる。だが、四国電力は十分な調査をしないまま、活断層は存在しないと主張し、それを問題なしと判断した原子力規制委員会の側に過誤ないし欠落があった、というものだ。

四国電力は与えられたたった1度の90分の審尋で、指摘箇所の活断層について十分な調査を行ったことをデータを含めて説明した。だが、森氏は電力会社側の説明に殆んど耳を貸さなかったのであろう。その上で、世 界一厳しい日本の規制委の安全審査に踏み込んだわけだ。裁判官は活断 層の専門家ではない。それがどういう資格でか、一応、専門家集団であ る規制委の安全審査を否定してみせた。

住民側の主張のみを取り入れている点で森氏は樋口氏と同じである。公正さを欠いた司法判断で伊方原発が止まり、少なくとも毎月35億円の費用が膨らみいずれ国民へのツケになるだろう。経済的痛みと共に国の土台である司法が蝕まれ続けている。

『週刊新潮』 2020年1月30日号
日本ルネッサンス 第886回

◆懐かしい博多弁

毛馬 一三


在阪の同じ福岡高校卒・盟友5人と定期機会に、定まりの喫茶店でコーヒーを飲みながら雑談を交わした。今はその雑談も出来なくなって仕舞って心が痛む。
その時のことを想いだす。

その時の一幕。
盟友のひとりの渡邉征一郎君が、福岡から持ち帰ってきた「博多かるた」を披露した。高さ17p、幅12p、厚さ3pの箱入りの新「かるた」<博多を語る会編・西日本新聞社刊>で、ユーモラスな絵に面白い解説書きが添えられた異色の「かるた」だった。

「かるた」には、「博多の行事・祭事・博多弁」が、「いろは順」で構成されている。熟視するほど、懐かしい「博多情景」が飛び出してくる。全員が、この異色「かるた」を凝視した。

私は筑後出身で、私以外は、全員が博多っ子。たまに帰省することはあっても、郷里を離れて4〜50余年経つため、「博多弁」はすっかり皆忘れている。そのためか、少しでも記憶を呼び戻そうと気持ちを昂ぶらせながら見入っていた。

良かったことは、同「かるた」に、解説書が付いていたことだ。解説を読めば、「札」の文意がわかるようになっている。そこで「かるたの博多弁」思い出して、「この通りやな」と、頭を掻きながら大阪弁で呟く盟友もいた。

ところが、解説書を読んでも、何のことか分からない「博多弁」が沢山あった。例を上げると、「そ」の札。「そおついて わかる博多のよかところ」と解説に書いてある。「そおついて」って何?皆、首を傾げる。

<古代から大陸との文化交流の地だった博多には、いたるところに名所旧跡、歴史の地がある。ゆっくり町を「そおついて」(歩いて)回ると、路地裏のようなところにも、隠れた歴史を発見できる>と、解説書にはある。

なるほど、そんな意味の「博多弁」だったのか。

「かるた」が持ち込まれたことで、久しぶりに「博多弁や博多行事等」が話題となって楽しいひと時を過ごせた。しかし肝腎の郷里「博多弁」をすっかり忘れて仕舞っていたことに、お互い苦笑いすることが何時ものことだった。

実は、私の故郷は久留米。これまた博多弁と久留米弁とはまるきり違う。越境入学で福岡高校に入学したのだが、入学当時は、博多弁で授業する先生の言葉になかなか慣れず、仲間つくりにも苦労した。でも3年間経つ内に、何とか博多弁に馴染み、言葉の情緒も分かるようになった。

その後、東京の早稲田大学を経てNHKに入局して記者になった。とはいえ、私にとって博多弁は第2の故郷弁だ。なのに、純粋の博多っ子の盟友たちですら、懐かしい「博多弁」を咄嗟に思い出せないのには、聊か驚いた。時節の経過が災いする忘却の仕業なのだろうか。

そこで、懐かしい「博多弁」を、ウイキペディアを参照しながら、改めて頭の中に蘇らせみた。

<名詞>
•「かったりこうたい」…交互に。交代交替。
•「きさん」…貴様。
•「ど (ん) べ」…最下位。
•「こす」…こすいこと。
•「せこ」…せこいこと。
•「ちかちか」…チクチク
•「ごりょんさん」…主婦。

<動詞>
•「おっせこっせする」{サ行変格活用} …時間に追われてバタバタする。
•「くらす」 {サ行五段} …殴る。(「喰らわす」から)
•「くちのまめらん」{ラ行五段}…呂律が廻らない。
•「おらぶ」{バ行五段} …叫ぶ。
•「からう」{ワ行五段} …背負う。
•「きびる」{ラ行五段} … (紐などで) 縛る、束ねる。
•「こずむ」{マ行五段} …積み上げる。
•「ずんだれる」{ラ行下一段} …だらしない。
•「ぞろびく」{カ行五段} …引きずる。
•「たまがる」{ラ行五段} …びっくりする。
•「ねぶる」{ラ行五段} …舐める。
•「ねまる」{ラ行五段} …腐る。
•「のうならかす」{サ行五段} …なくす。
•「ねぶりかぶる」{ラ行五段} …うとうとする
•「腹かく」{カ行五段} …腹が立つ、苛立つ。
•「はわく」{カ行五段} …ほうき等で掃く。
•「ほがす」{サ行五段} …穴を開ける、穿孔する。
•「ほとびらかす」{サ行下二段} …ふやかす。
•「まどう」{ワ行五段} …弁償する。

<形容詞・形容動詞・副詞・連体詞>
•「しゃあしい (か) 」(語源は「せわし」)「じゃかしい (か) 」「せからしい (か) 」{形・シク} …うるさい、騒がしい。「そわそわすんな。しゃあしかぞ」[共通語訳]「そわそわすんな。気が散る。」
•「しょんない」{形・ク} …仕方ない。
•「しかたもない」{形・ク} …1. くだらない。どうでもいい。2. 期待して損する。
•「いっちょん」{副} … (否定語を伴って) 少しも。全然。
•「えずい」{形・ク} 怖い。
•「すいい」{形・ク} …酸っぱい。
•「そげな」{連体} … そんな。「そ」+「が」+「やうなる」
•「そげん」{副} … そんなに。そんなこと。そんなふうに。「そ」+「が」+「やうに」
•「どげな」{連体} … どんな。
•「どげん」{副} … どんなに。どう。どんなふうに。
•「なし」「なして」{副} …なぜ、どうして。
•「いたらん」{連体} …余計な。多くは「いたらんこと (するな / 言うな) 」の形で使用される。
•「なんかなし」{副} …とにかく。「なんかなし、電子辞書ば使わんで紙の辞書ば使うて見れ」>。

まだまだ懐かしい「博多弁」は沢山ある。どうか博多から離れてお暮しの方が、博多で過ごされた時のことをこの「博多弁」から思い出して頂ければ幸いだ。(了 修正再掲)   

2020年01月30日

◆イギリスがファーウェイの5G参入を許可

北野幸伯


2018年、米中覇権戦争がはじまりました。

核大国同士の戦争。

メインは「戦闘」ではありません。

・情報戦(ウイグル問題など)

・経済戦(関税引き上げ合戦、ファーウェイ排除)

・外交戦

・代理戦争(香港問題など)


が、中心になっています。

そして、経済戦については、関税引き上げと、ファーウェ
イ排除が非常に重要です。

アメリカは、「ファーウェイは情報を盗むから、5Gから
排除しろ!」と全世界に呼びかけています。

これに関して、衝撃的な情報が入ってきました。

なんと、アメリカと「特別な関係」にあるはずのイギリ
スが、「ファーウェイ参入」を認めたのです。

<英、ファーウェイの5G参入容認 米主導の包囲網崩壊

1/28(火) 21:23配信

【ロンドン時事】英政府は28日、中国通信機器最大手・
華為技術(ファーウェイ)による次世代通信規格「5G」
網への参入を容認することを決めた。

非中核部品などに限定する。米国は機密情報が盗まれる
との懸念から同盟国にファーウェイ製品の排除を求めて
きたが、「特別な関係」にある英国の離反で包囲網は事
実上崩壊した。

英国は米国などと諜報(ちょうほう)機関の情報を共有
する同盟「ファイブアイズ」を構成している。

米国は英国に対し、ファーウェイの参入を認めた場合は
情報共有を制限すると示唆してきた。

今回の決定で英米関係にきしみが生じそうだ。>

イギリスは、こういうことするんですね。

そういえば2015年3月、アメリカの制止を無視して、真っ
先に中国主導AIIBへの参加を決めたのもイギリスでした。


ファーウェイの件。

イギリスに関しては予想外でしたが、

「実はファーウェイ問題でアメリカは劣勢だ」

という話、4か月間の動画でしていました。

冒頭、北野の恥ずかしいような映像がありますが、後は全
部ファーウェイ問題についてです。


「なぜ、イギリスはアメリカを裏切ったのか?」


         
at 07:56 | Comment(0) | 北野幸伯

◆波瀾万丈の弾劾裁判

Andy Chang


弾劾案が却下されればでトランプ裁判は金曜日で終わるが証人喚問となったら波乱万丈の長期戦となる。

トランプ大統領の弾劾裁判は第二週目に入ってトランプ弁護士団の反対弁論になった。先週の第一階段は弾劾側の弁論で既に分かっている事を繰り返しながらさらに臆測や嘘を繰り返す一日8時間の演説が3日も続き、新しい発見もないつまらないものだった。呆れたことにシフ議員は「トランプを選挙に出させないために上院議員は彼を弾劾すべきだ」と述べたのである。土曜日の弁護団側の反論は簡単明瞭でわかりやすく、たった2時間で弾劾側の弁論を論破したのでメディアも喝采を惜しまなかった。

月曜日になって弁護団の反対弁論が始まった。弁護団は与えられた24時間を2日16時間でで切り上げると言われていた。共和党側はトランプ弁護団の反論が終われば次の階段で上院議員の質問を16時間で切り上げ、票決で裁判を終結させるつもりだった。

ところが日曜日26日夜にニューヨークタイムスが、ジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)の追想録の原稿を入手し、その中にトランプ大統領が「ウクライナがバイデンと民主党の疑惑調査に協力するまでは4億ドルの軍事援助金を保留する」と述べたと発表したので、民主党側は大喜びでボルトンを証人に喚問すると言い出し、裁判が長引く可能性が出て来た。

共和党側にも証人喚問に賛成する議員がいて、中でもロムニー議員は「これでボルトン補佐官の証言を聞く重要性が明らかになった」と述べた。53人の共和党議員のうち証人喚問に興味ある議員は4人と言われているが、3人が喚問に賛成すれば裁判での投票は50対50となる。もしも50対50になればロバーツ裁判長に最終決定権があるかどうかはまだ討論されていない。

月曜日のトランプ弁護士団の論述は素晴らしかった。予定された8時間の弁論は最初にケン・スター元特別検察官が下院の弾劾案が違法行為であることを実証し、続いて弁護士団が代わる代わる弾劾案の違法を論破したあと最後にアラン・ダーシュイッツ憲法学者(民主党員)が大統領弾劾案の憲法の基礎を説明して今回の下院のトランプ弾劾の違法性を糾弾した。彼の主張が上院裁判で受け入れられたら弾劾案は否決される。

スター元特別検察官は弾劾調査で証人喚問に必要な委員の票決を無視して独断で証人を喚問したのは違法と述べた。しかもシフ委員長はトランプの弁護士の参加を拒否し、共和党委員の証人喚問要求も拒否したと弾劾の違法性を糾弾した。続いてペロシ議長が司法委員会の調査に先立って「弾劾案の作成」を命じた違法を糾弾した。ナドラー司法委員長は調査を2日で切り上げ、ペロシは総会の票決もなく弾劾案を決定した。選挙のために弾劾案をでっち上げたのである。弾劾は民主党と共和党の賛成が必要なのに票決で共和党は一人も賛成しなかった。しかもトランプ側の参与を拒否しながらトランプの資料拒否を「国会に非協力」と弾劾した。結論として弾劾案の「権力濫用」と「国会非協力」は違法であると述べた。スター元検察官の論述は理路整然でわかりやす名演説だった。

ダーシュイッツ憲法学者は、アメリカの憲法では大統領罷免は犯罪証拠が明らかな時に限るとし、憲法では大統領を弾劾するよりも勝手な弾劾から大統領を守る法律で、政党闘争や恣意、臆測で大統領を弾劾する行為を防ぐために作られたものであると説明した。そして今回の下院の弾劾案は憲法で規定した弾劾の条件に当たらないし、証拠不足、臆測や又聞きの政党闘争であるとし、下院の政治闘争のでっち上げ弾劾案は却下すべきと述べた。

ダーシュイッツはNYタイムスのボルトン記事にも触れ、大統領が条件付きで取り引きを行う事、つまりQuid Pro Quoは国際関係において日常茶飯事で権力濫用ではない。たとえトランプが軍事援助をバイデンの汚職調査の条件付きとしても弾劾できない。例えば国会が「ゴランハイツの建設中止を条件にしたイスラエルへの軍事援助」は明らかなQuid Pro Quoだったと述べた。

トランプ弁護団の反論は28日で終わり、29日と30日は議員の質問と応答が16時間予定され、31日から提案と票決に入る。共和党側は弾劾案を却下する予定だがボルトン記事のため民主党側が証人喚問を提案し、共和党側の4人が賛成すれば裁判は長引く。弾劾案が却下されればでトランプ裁判は金曜日で終わるが証人喚問となったら波乱万丈の長期戦となる。

証人喚問が議決されたら民主党側は真っ先にボルトンを喚問するが、ダーシュイッツが述べたように「見返りを要求したことが有罪証拠となる可能性はない」し、66人がトランプを弾劾する可能性はほとんどない。しかもボルトンの供述が事実としてもトランプはウクライナへの援助金を保留しなかった。たとえトランプとボルトンに「見返り条件で援助金を保留するつもり」と言ったのが事実としても実際に援助金を保留しなかったら罪になるはずがない。ダーシュイッツが言ったように「見返り要求で大統領の罷免はできない」。

証人喚問が可能となれば裁判は本当に波瀾万丈となる。共和党はハンター・バイデンとジョーバイデン、密告者、シフ議員と彼の部下などを喚問するから民主党に不利だ。証人を喚問するのは上院議員の全員の投票で決まる。共和党と民主党は53対47だから共和党側の提出する証人は賛成多数で通るが民主党が出した証人は却下されるかもしれない。裁判の行く先は金曜日になったらわかる。

at 07:54 | Comment(0) | Andy Chang

◆「情報敗戦国日本と勝利国ドイツ」

クライン孝子

◆◆Front Japan 桜】新型肺炎ウイルスはバイオ兵器? / 新型肺炎危機でどうなる中国経済?[桜R2/1/28]
https://www.youtube.com/watch?v=pZgPojrbjQg

◆ 日本にはスパイ防止法がなく2重どころか3重、4重の
スパイが大手を振って情報作戦に携わっている世界でも
珍しいノー天気国ですから、
仕方がないのかもしれませんが・・・・

◆ そういえば、今から14-5年前にも、この件に関して
私、指摘しておりましたようで・・・


<【大紀元日本10月20日】
ドイツ在住のノンフィクション作家で、
拓殖大学客員教授のクライン孝子氏が6日、
(社)隊友会の招きにより、
新宿損保ジャパンビル本社講堂において
◆「情報敗戦国日本と勝利国ドイツ」
という演題で講演を行い、特に欧州における
国際諜報戦の厳しい現実と
日本の今後における問題点についてその認識を語った。

 ドイツはかつて、国際情報戦において
旧西ドイツはCIA、旧東ドイツは
KG Bの影響傘下にあったが、
1990年になって統一が実現し情報が一本化した。

それに引換え日本は現在、JCIA(日本情報省)
のような構想も提案されているが、
現実の国際情報戦では、
三重スパイ、四重スパイなども見られ、
長期において諜報活動から離れている日本が
これに対応できるのか、
すぐには難しいとの認識を示した。

 ドイツでは統一後、
旧東西の政府要人、政府職員、一般市民にも
二重スパイが露見したが、
一般に「あれは体制が悪かった」と開き直る者が多く、
またドイツ社会も「敗戦国の傷跡」
として寛大な気持ちで容赦してきたという。

 日本では、「横田めぐみさん」の拉致案件が
問題となっているが、
旧西ドイツでも失踪誘拐事件がかつてあり、
東ドイツで抵抗した西ドイツ市民は、
シベリア送致となり凍死していたという。

当時西ドイツ政府は、
失踪した西の市民が東のどこの収容所に
所在していたか、
全てリストアップしていたという。
その情報源は、東からの亡命者と、
特筆すべきはバチカンの存在であった。
バチカンは世界中に神父を送っていたため、
特に共産圏東独の情報においても非常に精通して
いたという。

 政治的な面では、現ドイツ首相のメルケル氏は
東独出身で牧師の娘であったために、
絶えず周囲からスパイの嫌疑をかけられてきた。
そのため政治には興味があったが、
これらから離れるために大学では「物理学」を専攻し、
ベルリンの壁崩壊後、
その高いロシア語能力を買われてボンに招聘され、
プーチン・ロシア大統領との天然ガス交渉で
能力を発揮したという。
ドイツはシュローダー政権時に、
米国のイラク侵攻に反対したが、
その国家的エネルギー政策においては、
原発の外に供給源を中東、ロシア、北欧に
分散させており、そのリスクを小さくしているという。

 ドイツは、米国によるイラク開戦時、
これに反対したが、現在はアフガンに部隊を
派遣している。
しかしながら、同じ白人でも過去にこういった
経緯があったために、
ドイツ人は現地で拉致誘拐される件数が少なく、
また数日して帰ってくるケースがほとんどだという。

 また首相レベルの国際外交において、
日本の指導者は頻繁に交代するのに加え、
晩餐会などでは語学力の欠如から
コミュニケーションに乏しく、
対してロシアのプーチン大統領はドイツ語に堪能で、
この点などでも点数を稼いでいるという。
このため、日本の指導者は(公式な会談を除き)
将来的には外国語でコミュニケーションが
多少なりともできる人物でないと、
欧州では「金を無心されるのが落ち」
との見解を示した。

 ドイツは、政治、経済、軍事、宗教ひいては
一般市民レベルまでその情報網を充実させ、
情報戦の術・駆け引きを心得ているが、
それは厳しい欧州を生き抜いてきたドイツの
「したたかさ」であり、
日本にも情報機関が必要であり立ち上げても
当初は国際情報戦についていけないだろうが、
「是非頑張って欲しい」との期待を述べた。>

◆リハビリって、再び生きること

向市 眞知 (ソーシャルワーカー)


「リハビリ」という用語は訳さなくてもよいくらい、日本語になってしまいました。しかし、この用語がとてもくせものです。皆がこの用語の前向きなところにごまかされ、便利に安易に使ってしまいます。


医師は最後の医療としてリハビリにのぞみをつなげる言い方をします。家族は家にもどるためにはリハビリを頑張ってほしいと期待をかけます。患者様もリハビリを頑張れば元どおりになれると思います。リハビリとは「再び生きる」という用語と聞きました。この概念で考えるととても幅広い概念です。


病院にはリハビリテーション科があり、そのスタッフには理学療法士、作業療法士、言語聴覚訓練士という、国家資格をもった専門技師がそろっています。身体機能回復訓練に携わるスタッフです。医師が「リハビリ」という用語を使う場合にはこのようなリハビリテーション科のスタッフによる訓練をさすだけではなく、「再び生きる」心構えをもちましょう、という意味を含んでいる場合が多いのです。


しかし、患者様、家族様のほうは、リハビリは療法士がするものと思い込んでいるケースが多いように思います。よく言われるのに「リハビリが少ない」、「リハビリをしてもらえない」というクレームがあります。療法士がするものだけがリハビリなら、診療報酬上点数がとれるのは一日20分から180分です。


「リハビリを受けさせたいから入院させてほしい」とよく言われますが、一日の何分の1かの時間のリハビリだけで「再び生きる」道のりを前に進むことはむずかしいものです。あとの時間をベッドに寝ているだけでは何の意味もありません。「リハビリのために入院している」というだけの安心感の意味しかありません。


いくら日本一の理学療法士の訓練をうけたといっても、患者本人が「リハビリをする(再び生きる)」心構えになっていなければ、空振りに終わってしまいます。マヒした身体に対して、拘縮してしまわないように理学療法士が外から力を加え訓練をすることはできます。でも、訓練が終わって身体を動かさなければもとのもくあみです。


しかし、言語訓練はそうはいきません。本人が声を出そう、話そうとしなければ訓練になりません。「絶対話すものか!」と口をつぐんでいる患者様に訓練は意味をなしません。まずは声を出してみよう、話してみようという気持ちになるように心理的にリラックスしてもらうことから訓練を始められると聞きました。


このことからわかるように、リハビリは本人次第なのです。そしてやはりリハビリも療法士と患者様の協同作業です。療法士さんの訓練の20分が終われば、患者様自らがもう一度リハビリのメニューをくりかえしてやってみることや、家族が面会時間に療法士に家族ができるリハビリを教えてもらい、リハビリの協力をしてみるなど、何倍にもふくらませていくことがリハビリの道のりなのです。


療法士さんまかせにしないこと、繰り返しやっていくこと、退院しても療法士さんがいなくてもリハビリ、再び生きる道のりは続いていること、それを実行するのは自分であることを忘れないでいてほしいと願っています。


2006年4月の診療報酬改定で更にこの認識が重要になってきています。療法士による機能回復訓練が継続してうけられる回数の上限が疾病により90日〜180日と定められました。これ以上の日数の訓練を続けても保険点数がつかないことになりました。医療機関は保険がきかなくなればリハビリを打ち切らざるをえません。

患者様も10割自費で料金を支払ってまでリハビリを続けることはできないでしょう。リハビリは入院の中でしかできないものではなく、退院しても自宅でもリハビリを続けていくいきごみが大切です。

2020年01月29日

◆雀庵の「我ら故あって温暖化にお味方す」

       “シ―チン“修一


【Anne G. of Red Gables/66(2020/1/27】用水路沿いの桜並木に小さな 濃い桃色の花が3つ咲いた。早咲きの河津桜だ。雪が降りそうなほど冷え て屋外作業ができずに鬱屈している私を慰めてくれるのか。同情するなら 「もっと日差しを!」だな。

大体がやね、いくら早咲きでも梅より早いというのはいかがなものか。 敷島の道を外れているから桜並木保存会に代わって口頭注意で勘弁してや ろう。それにしても寒いなあ。明日あたりから雪が降りそうだ。

加齢とともに寒いのは苦手になってきた、お湯割りの焼酎やウィスキー で暖をとれない身にはとても辛いものだ、自業自得なのだけれどね・・・

「女心と秋の空」、天気、特に長期予報はなかなか読めないようで、 「冷夏でエアコン不振」「暖冬で冬物衣料前年割れ」なんていう記事は珍 しくない。プロでも読めないが、大昔から読めない、そのために実に多く の人々、特に農民が苦しめられてきた。

夏場の日照りも困るけれど、冷夏というのは実に恐ろしい。東北の農業 はついこの間まで冷夏に苦しみ、まさに「おろおろ」するばかりだった。 本州最北端の津軽では「5年に一度の凶作」が永らく常態化していた。

太宰治が「津軽」で郷土史から引用しているが、明治以降も、

明治2凶、6凶、22凶、24凶、30凶、35大凶、38大凶、大正2凶、昭和6 凶、9凶、10凶、15半凶

と凄まじい。

いずれも主に冷害で、全国的には大雨、洪水、旱魃、虫害、噴火による 凶作もある。対策の取りようがない冷害は恐ろしい。真夏なのに蚊がいな い、それどころか霜が降る! 百姓は泣くばかり。

<特に昭和恐慌と重なった昭和9、10(1931、34)年の大凶作は農家の 生活を圧迫し、飢餓状態を生んだ。この結果農民運動は先鋭化し、血盟団 事件、五・一五事件を引起す原因の一つとなった>(ブリタニカ国際大百 科事典)

この飢饉を「東北凶作」と言うそうだ。

<1934、35年(昭和9、10)に東北地方で発生した凶作。34年の全国産 米実収高は、気候不順のために、31年の凶作時よりも下回った。とくに、 冷害にみまわれた東北地方の減収は著しかった。青森、岩手、山形3県の 収穫高は、過去5年間の平均値の4〜5割にすぎなかった。翌35年にも、冷 害による凶作が青森、岩手両県を中心に東北地方を襲った。

そのため昭和恐慌時に打撃を受けていた農家経済はさらに悪化し、木の実 や草の根を食糧とせざるをえない家庭や、身売りする娘、欠食児童の数が 急増した。芸妓、娼妓、酌婦、女給になった娘たちの数は、1933年末から 1か年の間に、東北六¥6県で1万6000余名に達している。

こうした状況は大きな社会問題として論議の的となり、政府は応急土木 事業の実施や政府所有米支給によって事態に対処し、民間においても救援 運動が展開された。しかし、凶作の痛手は容易に回復せず、農村窮乏問題 はこれ以後の重要な政治課題となった>(日本大百科全書ニッポニカ)

江戸時代も東北農政局によれば、

<南部藩政中期は現在に比べ、米の品種も稲作技術も貧弱なため、東北 特有の冷涼な気象の影響を受けやすかったのです。南部藩は江戸時代の 256年間に大小合わせて92回の不作・凶作に見舞われ、そのうち減収50% 以上の凶作は4年に1度、餓死者を出す程の凶作は16年に1度の割合で発生 しました>

WIKIによれば「江戸4大飢饉」は寛永、享保、天明、天保の大飢饉で、 東北地方の専門家は天明・天保の飢饉に宝暦の飢饉を加えて三大飢饉と呼 ぶこともある。江戸時代は全期を通じて寒冷な時代であったといい、凶作 や飢饉が絶えなかった。

<宝暦の飢饉は、宝暦4年(1754年)から宝暦7年(1757年)にかけて東 北地方を襲った大飢饉。現在の岩手・宮城の両県にわたる範囲で約5万な いし6万人の餓死犠牲者が出たとされる。

被害はそれだけにとどまらず、現在の青森県の一部を治めていた弘前藩領 内では財政の立て直しをしたため餓死者は出なかったとも言われていた が、実際には多数の犠牲者がいたことが墓石調査により確認されている (弘前大学・関根達人教授/考古学による)>


以上のような歴史、歴史的事実がある。今は長いスパンで見ると間氷期だ そうだが(つまりやがては氷河期になる)、太陽活動に影響され、寒冷化 したり温暖化したり、緩やかな変動はあるのだろう。

寒冷化は上記のように冷害など不都合が多いが、温暖化は問題なのか。 温暖化で氷河が解けて海水面が上昇して小さな島は水没する、大陸も沿岸 部は海になる、これはいけないことなのか。内陸部へ移住すれば済むだろう。

耕地面積が縮小するから農業は縮小する。もしかしたら食糧不足で70億 の人間は50年前の35億に減るだろうが、不都合はあるのか。水産資源は増 えるだろうから問題ないか。

温暖化で急に地表面積が小さくなるわけではない、何百年何千年もかかっ て変化するのだからどうってことない。寒冷化も同じで、降った雨や雪が 海に流れていかないから大陸が氷に包まれるといっても、海水面が下がっ て地球上が徒歩で移動できたりする。

温暖化、寒冷化で騒ぐより、地球という生命体にとって最大の敵である 人間の数を制限した方がいいと思うが・・・

1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故での放射線被曝の被害は30年 以上経た今でも分かっていないが、人間がいなくなったので野生動物が 「野生の王国」を満喫しているのは確からしい。

<人間のいなくなったことが自然の復活をもたらしつつあるようで、た とえば事故後およそ20年後現地に入ったウクライナ系米国人ジャーナリス トによれば、イノシシを主として、いくつかの希少な動植物が数を増やし ているという。テレビ番組「Life After People(人類滅亡後の世界)」 では、人類滅亡後の地球の姿を想像するサンプルとして、チェルノブイリ が取り上げられている>(WIKI)


人間がいなくなっても地球も宇宙も全然困らない、むしろウェルカムだろ う。まずは人口半減計画をスタートさせればいい、要は「自分の国は自分 で賄え、他者=国連に依存するな」と自主性に任せることだ。合従連衡、 ガラガラポンで、消えるものは消え、新しい秩序が生まれるだろう。

「商売としての温暖化騒動士」はゴアなどごろごろしているが、滑稽で はあるがいささか醜いし、入院した方がいいんじゃないかというキャラも 多いようだ。ギャラ目当てのキャラ。

小生はこの際だから「寒いのは大嫌い、温暖化大歓迎!」の陣営にお味 方いたす。


今回も長くなったのでここまで。(つづく)2020/1/27



◆国民貧困化宣言

三橋貴明


この世には「絶対に否定できない経済原則」
が、いくつかあります。

セイの法則やら、リカードの比較優位論やら、
トリクルダウン理論やら、
クラウディングアウト理論やら、
マンデルフレミングモデルやらは、
特定の「政治目的」のために強引に
定義された「仮説」です。

これら「仮説」が現実化するためには、
無数の「有り得ない前提」が
成立しなければならないわけですが、
そうではないものもあります。

代表的なのが「GDP三面等価の原則」です。

我々「生産者」は、財やサービスを「生産」し、
消費や投資として誰かが「支出」し、
生産者に「所得」が生まれる。

上記、所得創出のプロセスにおいて、
生産、支出、所得は「必ず」
イコールになります(例外はありません)。

そして、生産の合計がGDP。というわけで、
生産面のGDP、支出面のGDP、
(所得の)分配面のGDPは、
必ず同じ金額になる。

いわゆる、GDP三面等価の原則ですが、
この「原則」は絶対に成立します。

何気に、三橋の過去の活動の中で、
最も日本国に貢献したのは、GDP三面等価の
原則を「誰にでも理解できるように」
説明したことのような気がしています。

それはともかく、もう一つ。
必ず成立する原則が、

「民間収支+政府収支+海外収支=0」

です。

何しろ、誰かの収支における黒字は、
確実に誰かの収支の赤字ですから、
上記の式も100%、成立します。
例外はありません(異次元にでも行かない限り)。

そして、日本政府は未だに
「政府のプライマリーバランス
(基礎的財政収支、以下PB)黒字化」
を目標に掲げているのです。

つまりは、政府収支を黒字にするという話
ですが、となると「海外」か「民間」の
何れかが黒字を減らすか、あるいは
赤字を膨らませなければなりません。

内閣府のシミュレーションでは、
海外収支の赤字(日本の経常収支の黒字)が
対GDP比4%弱と、極端な水準で
推移することになっています。

もっとも、
さすがに内閣府も海外収支の赤字が、
4%を超えて「膨張していく」という設定は
できなかったのです。

となると、政府の赤字圧縮分、
民間が黒字を減らさなければならない。
企業優先の日本政府の政策を見る限り、
黒字縮小もしくは赤字化を引き受けるのは
「家計」になります。

内閣府のシミュレーションから読み取れる
「政府の考え方」は、以下になります。

1. 海外収支の赤字(日本の経常収支の黒字)
 が、4%弱という「異常」に高水準で
 推移する前提

2. 海外収支の赤字を膨らませていくことが
 非現実的(4%弱ですでに非現実的)である
 ため、政府収支の黒字化(PB黒字化)の
 ためには、民間収支の黒字を減らすしかない。

3. 民間収支は2019年の対GDP比
 6.6%から、2029年には2.3%に
 減る前提

4. 民間収支は「民間家計収支+民間企業収支」
 だが、企業優先の日本政府は、黒字減少
 (あるいは赤字化)の負担を家計に
 押し付けざるを得ない

5. 今後、消費税増税や控除廃止、新税導入、
 社会保障負担引き上げなどの「増税」と、
 社会保障支出削減という国民貧困化政策が続く

と、政府は改めて「国民貧困化宣言」
をしたことになります。

が、内閣府のシミュレーションを受けた
国内メディアは、「成長実現ケース」で
あっても、目標年度である2025年に
PB赤字が3.6兆円となり、黒字化を
達成できないため、

「財政健全化へ多難な道のり
 アベノミクスに陰り(産経新聞)」

「財政黒字化、道険しく
 社会保障改革が急務―政府(時事通信)」

と、25年にPB黒字化「できない」ことを
問題視しています。

つまりは、国内メディアは、
「国民貧困化の勢いが足りない」と
批判しているわけでございます。

まさに、狂気の国です。

というわけで、何とかしなければなりません。
とりあえず、「誰かの黒字は、誰かの赤字」
という大原則を広め、政府のPB黒字化目標は、

「国民貧困化宣言である」

という事実を共有しましょう。

「PBを黒字化し、皆さんを貧乏にします!」

と、公約に掲げる政党を支持しますか?
という問いを、間もなく我々は
突き付けられることになるのです。