2020年05月31日

◆危機と躾

加瀬 英明

 
「躾」は日本でつくった国字だが、「馴れている」「身についている」を意味する、「しつく」の名詞だ。

武道、書道、茶道から日常の身のふりかたまで、動じる――動揺することなく、慌ててはならない。つねに落ち着いていることが大切だ。私は空手道6段を允許されているが、試合に臨んでは技が身についており、どのような状況にも馴れていることが求められる。

中国から始まった新型コロナウィルスが、全世界にひろがるなかで、人々が浮き足立っている。不安が先き立って落ち着かないので、足が地を踏んでいない。焦燥感に駆られると、判断力と認知機能が低下する。

全国でトイレットペーパーの買い占め騒ぎが起ったが、トイレットペーパーはウイルスの感染予防には何の役にも立たないはずだ。 躾けを欠いた人々は、自律神経を冒されたように付和雷同する。

昨年は異常な気象によって全国に大きな被害が発生したが、人類の歴史を振り返ると、地球温暖化や冷却化によって翻弄されてきた。

このところ、人間活動が二酸化炭素(CO2)の排出量を増しているために、気候変動をもたらしていると、ひろく信じられているが、人はそれほど大きな力を持っているだろうか。コロナウィルスにも、対応できない。思い上がりだ。

青森県の三内丸山遺跡はよく知られているが、今日よりも海岸線が接近していた。科学調査によれば、当時の気温は現在より2度以上も高く、海面が上昇していた。あの時代に日本列島に工場がひしめき、まだ自動車も走っていなかった。

約2万8000年前の最終氷河期の中期から、温暖化によって海水が増加して、6000年前あたりに海面が4、5メートルも上昇した。

西暦1550年から約300年にわたって小氷河期が訪れ、日本では1833年から天保の飢饉に襲われ、全国にわたって餓死、行倒れがあいついだ。

今回のウイルスが、太陽の外層に輝く部分に似ているので、「コロナ」と名づけられている。太陽のコロナは黒点が極大、極小期によって、地球に飛来する電子の強弱が変わって、地球の気象をもてあそんできた。

愚かな人々が妄動して、人間活動が気候変動を招いていると、全世界にわたって空ら騒ぎに耽っている。スーパーにおけるトイレットペーパー騒動によく似ている。


◆トランプ、香港とWHOに「さようなら」

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)5月30日(土曜日)通巻第6516号 

トランプ、香港とWHOに「さようなら」
  台湾政府、香港からの移住に専門部署、英国はBNOパスポート延長

日本は何をしているのか? 自由が失われ、人々が全体主義の恐怖と戦っているというときに、我が国の国会は枝葉末節の議論に明け暮れている。かろうじて与党の一部議員が習近平国賓来日に「慎重な考慮」を促しているに過ぎない。

5月22日から開催されていた全人代の最終日に、香港国家安全条例が採択されたことに抗議し、「強い政策措置を取る」と示唆してきたトランプ政権は、「香港へあたえてきた優遇措置を剥奪」すると正式に記者会見した。また米国滞在中の中国人留学生の「ヴィザを無効とする」ことを検討中だ。つまり、不良外人を叩き出せ、という強硬措置、まるで戦争前夜ではないか。

トランプ政権は同時に「中国の操り人形」となったWHO(世界保健機構)から脱退を表明した。
 トランプ、香港とWHOに「さようなら」を言ったのだ。

俄然、注目が集まったのは台湾である。

コロナ退治でも、防疫で世界一の成功と言われた台湾は、香港の自由民主派の活動家と強い連帯の絆がある。

台湾は香港からの移住希望が急増する動きに備え、専門部署を設置した。「政治亡命」希望者の庇護を目的に本格的な対応に乗り出した。従来、台湾籍を得るにはハイテク技術とか専門分野の学者などが中心だった。2016年には1086名を受け入れた。

2019年には銅鑼湾書店の林栄基が亡命し、クラウドファンディングで書店再開資金を募ったところ、賛同者が多数、4月、台北市内に開業に漕ぎ着けた。

5月29日には、蔡英文総統が駆けつけて激励した。

2019年の台湾亡命者は1474人を記録し、今後「政治亡命」を正式に受け入れると表明しているので、香港から「独立党」「民族党」などの活動かが台湾へ移住する可能性が高いとされる。

英国はBNO(BRITISH NATIONAL OVERSEAS)パスポート延長を通達した。

BNOは香港人およそ30万名がもっていて、正式な英国移住は出来ないが「英国籍海外組」として扱われ、何時でも英国へ入国でき、これまでの六ヶ月滞在をさらに6ヶ月延長すると表明した。


◆検察庁法、異常なSNS世論の正体

櫻井よしこ


検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案を巡る動きが急展開した。5月18日官邸で、安倍晋三首相は今国会での成立を断念し、語った。

「国民の皆さまのご理解なくして前に進めていくことはできない」「公務員制度の改革は国民の皆さまの声に十分耳を傾けていくことが不可欠だと、幹事長と意見が一致した」

首相会見前の取材に菅義偉官房長官は「継続審議で次の国会に回さざるを得ない。黒川氏の定年延長と検察全体の定年延長問題が変にリンクされて、現状では客観的議論ができていない」と語った。

確かに東京高等検察庁検事長の黒川弘務氏の定年が今年1月末に半年間延長されたことと、検察官全体の定年が他の国家公務員同様に延長されることの2つに分けて考えなければならないが、両案件が混じりあって分かりにくい議論になっている。

安倍首相は15日金曜日夜、私の主宰するインターネット配信の「言論テレビ」で次のように語った。

「検察庁も含めて法務省が人事案を持ってきました。それを我々(内閣)が承認したということです」

「検察庁の人事については検察のトップも含めた総意です。こういう人事でいくという案を持ってこられた。我々は大体、そのまま承認しているということです」

今回、検察庁法改正に反対の声を上げた元検事総長らも含めて、多くの人々が人事は基本的に検察・法務省側の意向を内閣が尊重する「慣行」があると主張する。安倍首相は現内閣も年来の慣行を尊重していると語っており問題はないはずだ。

そもそも検察官の定年延長問題はかなり前から議論されていた。2018年10月から19年9月まで法相を務めた山下貴司氏が振り返った。

「私のときも検察官の定年延長に一般の国家公務員法が適用されるという話がありました。検察庁法には検察官の延長規定がないため、その欠けている部分に国公法を適用するのは問題ないと私自身は考えていました」

黒川氏が「親安倍」だから

法務省が検察官の定年延長議論を始めたのは山下氏の法相就任の頃、18年暮れ近くである。同年8月の国家公務員の定年引き上げに関する人事院勧告を受け、内閣府が法務省に、検察庁法で定める検察官の定年との関係について省内で意見をまとめるよう求め、法務省刑事局での議論を経て、「検察官にも国公法の定年延長制度の適用は排除されない」との見解を内部文書にまとめたのが20年1月16日だ。

翌17日、法務省事務次官が森雅子法相の決裁を求め、森氏は口頭で了承した。21日には内閣法制局、24日には人事院が法務省判断を了承した。

法務省はこのとりまとめで検察官の定年延長に関する法律解釈を整理しており、省内で認証官である東京高検検事長の黒川氏の定年を半年間延長する人事案を策定し、森氏は1月29日に閣議決定を求める閣議請議を行い、31日の閣議で正式決定した。

この件をいち早く「朝日新聞」が問題視した。これまで一度もなかった検察官の定年延長が整然と手続きされた背景に「政治の意思」が働いたとの主旨で報じたのだ。

百歩譲って「政治」が「意思表示」したとして、そう主張する人々は政治介入の理由を黒川氏が「親安倍」だからだという。だが黒川氏は東京高検検事長として統合型リゾート施設(IR)をめぐる汚職事件の捜査を事実上指揮し、

約10年振りに現職議員(秋元司氏)を逮捕した。氏はまた同事件に関連して法務政務官への事情聴取も行った。いずれも安倍政権にとっては大きな衝撃で、イメージダウンだった。黒川氏が「安倍首相や安倍政権に近い」という主張には説得力がない。

では黒川氏の定年延長は検察庁側が考えたのか。歴代の東京高検検事長の職歴を見れば、このポストが検事総長につながっているのは明らかだ。検事長としての任期は半年から2年程まで幅はあるが、黒川氏以前の検事長10人中6人が検事総長に就任し、検事総長は就任から大体2年以内に勇退している。

現検事総長の稲田伸夫氏は18年7月25日に就任し、今年7月24日で丸2年だ。稲田氏がこの時点で勇退すれば定年が半年間延長された黒川検事長の検事総長就任は慣例上、可能性が高い。

そのとき、黒川氏と同期でもうひとりの検事総長候補、名古屋高検検事長の林真琴氏は7月30日で63歳、定年退職になる。だが黒川氏が定年延長で検事総長にならなければ、林氏が検事総長になる可能性も大きいということだ。

異常な「闘争」が進行中

右のような事情があるためにこの問題の背景に検察内部の権力闘争、たとえば黒川派と林派の争いを見てとることもできるだろう。

或いは次世代検事総長の人材を温存したいとの思いもあるやもしれない。そこに検察官を含む国家公務員全体の定年延長法案が国会に提出された。問題はさらにわかりにくくなり、朝日、NHKをはじめとするメディアの報道で同法案への反対論が異常に盛り上がった。

ハッシュタグを付けた投稿が500万件に上ったとの報告もあった。NHKはなぜか、分析によりこれが特定少人数による操作ではないと印象づけるような報道までした。まさに異常な「闘争」が進行中だと実感する。

15日には松尾邦弘元検事総長(77)らも反対の意見書を法務省に提出した。法律の専門家たちの抗議だがおかしな点がある。

松尾氏らは安倍首相が2月13日の衆議院本会議で、「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」と述べたことについて、「フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる『朕は国家である』との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせる」とし、「近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる」と非難した。本気なら相当感覚がズレているのではないか。

法解釈は絶対変更されてはならないという硬直した考えでは現実に対処できないであろう。また検察官は一般職国家公務員の行政官であり、検事長の任免権は内閣にある。三権分立の問題にはならないのである。

松尾氏らはまた「検察官の人事に政治は介入しないという確立した慣例」があると主張する。

検察官の独立性が重要なのは当然だ。ただ強力な権力を持つ検察が独断で人事を決行し、内閣の意見を容れないとしたらこれこそ問題だ。

任免権は内閣にあるのである。そのことを忘れたかのような主張こそ、松尾氏の「朕は国家なり」式の旧い表現を用いれば、「検察ファッショ」につながるのではないか。

『週刊新潮』 2020年5月28日号
日本ルネッサンス 第902回

◆加齢疾病連発に悩まされた夏

石岡 荘十


今日書こう、明日こそはと思いながら、胸や背中を孫の手で掻くのに忙し
くて今日に至ってしまった。何の話か。すでに畏友毛馬一三氏が本誌で報
告しているように帯状疱疹“事件”の経緯についてである。

夏は、典型的な加齢疾病といわれる病につぎつぎと襲われ、悪戦苦闘した
3ヶ月だった。この間、私を襲ったのは帯状疱疹。発症から3ヶ月、やっと
終息にこぎつけたと思ったら今度は、加齢黄班変性といわれる眼球の疾病
である。これについては今なお加療の真っ只中であり、別稿で報告したい。

帯状疱疹の兆しが現れたのは6月の末のことだった。「夏バテ」というの
は夏だけの症状だと思われがちだが、気候の変化が激しい梅雨時や初夏に
も起こりやすい。

気温の乱高下に老体がついていけず、何もする気がしない。全身がともか
くけだるい。にもかかわらず梅雨明けの7月、以前からの約束もあって、
猛暑の中、秩父盆地のど真ん中にあるゴルフ場に出陣。疲労困憊、這うよ
うにして帰宅した。完全に体力を消耗していた。これが祟った。

思い返すと、その数日前すでに左胸の皮膚に違和感があり肋骨のあたりに
ピリピリ感があった。間もなく胸から左肩甲骨下にかけて赤い斑点がぽつ
ぽつ。ゴルフの後から左側の神経に沿って激痛が走るようになった。

にもかかわらず、まだ帯状疱疹とは気がつかず、市販のかゆみ止め軟膏
(レスタミン)を塗ったり、サロンパスの湿布を患部に張ったりして凌ご
うと試みていた。無知は恐ろしい。

そうこうしているうちに、赤い斑点は水ぶくれとなり、夜はベッドの上で
転々。背中を孫の手で掻きまくったものだから水ぶくれが破れ、かさぶた
へと変わったがかゆみと痛みは治まらなかった。

遂にたまらず、行きつけの病院の皮膚科に駆け込んだのはゴルフから3週
間を過ぎていた。

「帯状疱疹です。ずいぶん我慢強い方ですねぇ。もうかさぶたになり始め
ていますから、ペインクリニックに行きなさい」という。

帯状疱疹は、幼児に経験した水ぼうそうのウイルスが原因だ。ウイルスは
長い間体内の神経節に潜んでいて、加齢(50歳代〜70歳代)やストレス、
過労などが引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、潜んで
いたウイルスが再び活動を始める。ウイルスは神経を伝わって皮膚に達
し、帯状疱疹として発症するとされている。

東京女子医大の統計によると、発疹する部位は、一番多いのが私のケー
ス。上肢〜胸背部(31.2%)、次いで腹背部(19.6%)、そして怖いのは
頭部〜顔面(17.6%)などとなっており、高校の友人が右顔面に発症。何
年か前のことだが、今でも顔面の筋肉がこわばっている。

最悪、失明をしたケースも報告されている。頚部〜上肢にも発症する。い
ずれの場合も体の左右どちらか一方に現れるのが特徴だ。

発症してすぐ気づき、すぐ適切な治療を受けた場合でも3週間は皮膚の痛
みや痒みが続く。痛みがやや治まってからも神経の痛みは容易に治まらな
い。数年間、痛みが消えなかったと言う症例もある厄介な加齢疾病である。

まして、私のケースは、初期治療のタイミングを逸した。その祟りで、い
まだにときどき、肋間や背中にピリピリと痛みが走る。

さて治療法である。皮膚科では坑ヘルペスウイルス薬を処方する。ウイル
スの増殖を抑える飲み薬で初期の痛みや痒みを抑える効果があるが、私は
そのチャンスを逃し、我慢強く無為に苦しんだ。

ペインクリニックでは、飲み薬と塗り薬を処方される。

【飲み薬】、

・鎮痛剤リリカプセル:今年4月、保健が適用されることとなった帯状疱
疹の最新特効薬だ。

・セレコックス:リリカカプセルが効かない場合に飲む頓服錠剤。炎症に
よる腫れや痛みを和らげる。
・メチコバール:末梢神経のしびれ、麻痺、痛みを改善する。

【塗り薬】、

・強力レスタミンコーチゾンコーワ(軟膏)

ペインクリニックでの治療5週間。月初旬にくすりの処方が終わった。発
症から3ヶ月の闘病であった。この間体力をつけようと金に糸目をつけず
美食に走った結果、太ってしまった。

毛馬一三氏が先日レポートしたとおりで、初動がこの病気治療の決め手で
ある。他山の石とされたい。



2020年05月30日

◆コロナショックが暴く

田村秀男


 新型コロナウイルス恐慌封じに向け、日本も米欧と同様、空前絶後の規模の財政出動に踏み出したが、何か変だ。政府債務を減らさないと財政破綻すると騒いできた国内の政官財学界、メディアの多数派が黙っている。緊縮財政どころではないとは小学生でもわかる真実だから、自粛しているのか。いや、そうではあるまい。そもそもデフレの国で財政破綻が起きるという理論そのものが机上の空論なのだ。

 「財政破綻」とは市場で信認を喪失した国債の相場が暴落、即ち国債金利が高騰することだ。近年では2012年のギリシャが典型例で、10年物国債利回りは30%近くまで上がった。

 しかしギリシャは自国通貨を持たないうえに、国債の大半を外国の投資家に買ってもらっていた。ユーロ不安が起きれば、信用度を表す格付けが低いギリシャ国債は投機勢力によって真っ先に売られるのは必然だった。しかも自前の発券銀行はないのだから、日米のようにカネを刷って国債を買い支えることもできない。

 そんなギリシャや、中南米の財政、通貨不安常習国のケースを、日本に当てはめるというのはもともと無茶である。

 グラフを見よう。コロナがもたらすデフレ不況阻止に向け、大規模な国債追加発行を繰り出している米欧の国債金利はコロナ・パンデミック(世界的大流行)勃発後、下がる基調にある。市場は先行き予想で動く。政府債務の膨張見通しが財政破綻の症状である国債金利高騰にならないことは明白だ。

 慢性デフレでカネ余りがひどい日本の場合、金融機関の国債需要が旺盛で、買い手が金利を払う羽目になるマイナス金利でも買ってしまう。政府が100兆円規模で国債を発行しても、日銀が現状の国債購入にとどめても、金利ゼロで推移しよう。

 財政破綻論者のでたらめぶりをさらけ出したのは、今や安倍晋三政権のコロナ対策の要となった西村康稔経済再生担当相の5月13日付のツイッターだ。

 そのまま引用すると、「コロナ対策の諮問委員に任命した小林慶一郎氏は財政再建至上主義者との評価がありますが、任命に際し本人と何度も話しました。最近の氏の論文では、今は財政再建にこだわらず国債発行してでも厳しい状況にある人の支援を行うべきと、財政支出の重要性を主張しています。経産省の後輩でもあります」とある。小林氏は慶大客員教授兼東京財団政策研究所研究主幹で、新型コロナ感染症の専門家で構成する「基本的対処方針等諮問委員会」のメンバーに指名されている。

 その西村氏の舌の根も乾かぬ5月19日付で、小林氏の論文が「週刊エコノミストOnline」に掲載された。それによると、小林氏は財政が悪化を続けていることが消費者や企業の将来不安を高めるとし、「先に高い経済成長を実現して、あとで財政再建をする、という戦略は成り立たない」と断じた。そして「非常に大きな増税や歳出削減ができなければ、債務膨張が続き、債務比率は無限大に向かう。数十年以内にはギリシャやアルゼンチンのような財政破綻が起きることだろう」と警告している。なのに「今は財政再建にこだわらず国債発行」と平気で先輩に言えるのか。

 筆者の推察だが、今はコロナ恐慌に苦しむ消費者や企業救済のために債務膨張には目をつぶるが、コロナ禍が一段落すれば大型の財政支出カットと消費税増税に転じるというデフレ温存シナリオに沿っているのだろう。

 前述のコロナ関連諮問委員会には小林氏のほか、財政均衡を重視する3人の経済学者が参加する。このうち小林氏と大阪大学大学院教授の大竹文雄氏は平成23年5月、東日本大震災復興財源のために増税が必要だとする論文をまとめた伊藤隆敏、伊藤元重両東大教授(当時)の呼びかけに賛同した。

 「日本はギリシャみたいになる」と騒ぐ当時の菅直人首相は一も二もなく震災増税に走り、続く野田佳彦首相は増税して財政健全化すれば消費者の不安がなくなって景気はよくなると信じ込んで、大型の消費税増税に向けた3党合意を成立させた。小林氏の考え方は民主党政権の増税デフレ容認を彷彿させる。

 そんな「悪夢」の民主党政権時代をなぞる「専門家」たちを安倍政権がコロナ復興策作成で登用するとは何という皮肉か。

 安倍政権は小林氏らの財政破綻論がなぜフェイクなのかを見抜けないと、このまま復興増税の罠にはまってしまいかねない。そうでなくても「財政破綻」幻想は与党の一部でも出始めている大型消費税減税案を潰す。すると破綻するのはアベノミクス、即ち日本再生策である。

産経ニュース【日曜経済講座】コロナショックが暴く「財政破綻」の嘘 赤字膨張でも金利はマイナス 
             編集委員 田村秀男 

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松本市 久保田 康文さん採録 
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◆香港国家安全条例をあっさりと採択

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)5月29日(金曜日)通巻第6515号 

 全人代最終日。香港国家安全条例をあっさりと採択
米国「約束された自治が維持されていない。特別措置を剥奪する」

5月28日、全人代最終日。世界中が注目したのは「香港国家安全条例」である。
 事実上の治安維持法。日本のメディアは「香港安全法」「安全法制」とまちまちの訳語を当てている。

ともかく香港国家安全条例は、あっさりと採択された。賛成2878、反対1。棄権は6、無効票が1。

香港基本法23条は、分裂や政権転覆の動きを禁じる法律を「香港政府が自ら制定しなければならない」としているため、追加条例というかたちとなる。

これによって香港の高度の自治と自由は大幅に制限される。香港の知識人や若者は反対を表明してデモ、集会を連続開催してきたが、さしあたって6月4日、天安門事件33周年の追悼イベントは荒れるだろう。

直前の5月27日、ポンペオ米国務長官、「香港では中国政府が約束した自治が維持されていない」として、従来供与してきた特別措置を剥奪する」とした。国際金融センターとしての香港に対して、米国は特権的な地位を与えてきた。

昨年11月にトランプ大統領が署名し成立した「香港人権民主法」では、「香港の高度な自治が維持されない場合、中国は義務を履行していないとして、特権を剥奪できる」と定義している。

ポンペオ長官は米議会に、「道義が理解できる人なら、現状を認識して香港が中国からの高度な自治を維持しているとは断言できない」と指摘した。

同日、米国におけるコロナ死者が10万人を越えた。チャイナ・バッシングの声が一際高くなる。
 
中国はただちに反応し、趙立堅・外交部報道官は「われわれはいかなる外国の干渉も受け入れない。外部勢力が香港に干渉する間違った行動を取れば、対抗措置を取って反撃する。これは中国の内政問題だ」と強調した。


 ▲IMFは中国の2020年のGDP成長を1・5%と予測しているが。。。

さて全人代の目玉、じつはほかに2つの大きな論点がある。

第一はGDP成長率の目標値が明示されなかったこと。第1四半期はマイナス6・8%と報告され、IMFは通年で中国の経済成長は1・5%になるだろうとした。

雇用がとくに懸念され、李克強首相は最終日の記者会見で「9億の労働者人口、雇用を守り、雇用機会を想像する」とした。

第二が関連して景気刺激策を遂行するための財政措置である。

リーマンショック以来の4兆元を予備費以外に追加するとし、くわえて地方政府の特別債の発行枠を1兆元とした。金利低下、融資拡大など主に企業支援の政策であり、新しい債務合計は邦貨換算で82兆5000億円となる。
これは中国GDPの4・1%に相当する。

他方、自由が締め付けられ、國際金融センターのポジションを失うことになる香港で何が起きているか?

香港国家安全条例が話題となった前後から、富裕層の香港からの資産逃亡がまたも本格化した。これまでは香港の口座を利用しての送金、取引、企業買収なども目的だったが、およそ5000億ドルと見積もられる富裕層の香港預金が、米国を避けて、シンガポ−ル、ロンドン、スイスへ向かっている(サウスチャイナモーニングポスト、5月29日)

これは自らが國際金融センターの地位を破壊する行為とも取れる。

富裕層は全人代で打ち出された香港の治安維持強化という方向に、賛同を示しつつも、ホンネでは不安視し、大切な資産は、もっと安全な場所へ移管しておこうという強迫観念のもと、走り出したのだ。
      
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【知道中国 2083回】         
 ──「ポケット論語をストーブに焼べて・・・」(橘44)
橘樸「中國人の國家觀念」(昭和2年/『橘樸著作集 第一巻』勁草書房 昭和41年)

          △

幹部による権力と富の独占構造は、共産主義の教科書が教えてくれたわけではない。やはり中国伝統の権力構造に裏打ちされたものだろう。伝統だからリクツではない。国民を納得させるだけのリクツがないから、強権に頼るしかない。
 
いま習近平一強体制を批判する声があるが、それは外部のものであり、中国内部ではおそらく多くの幹部が支持しているに違いない。それというのも今は習近平一強体制を支持することが、己の「發財主義」に繋がっているからと想像できる。

目下のところは、習近平一強体制における勝ち組の方が負け組よりは威勢がいい。いわば幹部の間では、現体制の利得者が多数を占めているということだろう。

だが、だからといって泣き寝入りするほど中国の老百姓(じんみん)はヤワではない。伝統の「阿Q精神」ではなく、毎度ながら「上に政策あれば、下に対策あり」を駆使し、それなりの「対策」を考えて入りに違いない。

首をすぼめ上からの「政策」が頭の上を素通りするのを眺めながら、彼らなりの「対策」を立てて対抗策を練っているはずだ。

たとえば依然として文革が猛威を振るっていた1970年代初期、長江デルタに位置する浙江省のある農村では、集団所有制を装いながら村人たちは金属加工工場数軒に加え、段ボール箱工場、飼料工場、発電所、レンガ工場まで設立・経営し自分たちの発財主義に励んでいた。

じつは「それらはすべて、農村は穀物を栽培して『大寨に学べ』という国の命令をまったく無視して行われたことだった。〔中略〕村の指導者たちは『総合工場』という名のもとで、新たな企業経営に乗り出した。そして、1976年に毛沢東が死去するとたちまち、計画経済下の集団所有制企業という仮面も剥ぎ取られたのだった」(フランク・ディケーター『文化大革命  人民の歴史1962−1967』人文書院 2020年)という。

再び、三度の閑話休題。

どうやら橘が理解する共産党と国民党の理想国家は五十歩百歩であり、ことに共産党が描いた理想国家は絵にかいたモチに近く、現在の習近平一強体制に押さえられた中国は、1世紀ほどの昔に共産党が打倒すべきと規定した当時の中国と大きな差はないように思える。


まさに橘は「共産黨及び國民黨の近き將來に建設しようと望んで居る新國家の内容は、大體に於て同じものである」と。

ここで橘に依れば、国家改造勢力は2つの勢力──共産党や国民党のように一切の敵を「掃蕩する爲には、絶對に妥協的態度を排斥」し、軍事力・暴力に頼ろうとする勢力。一方は「好政府」を希求する知識人らを軸に「平和即ち妥協的手段に依つ」て目標に到達しようとする勢力──に分かれることになる。

この両勢力が学生らの前に現れ、選択を迫った。いや媚を売り、篭絡した。

たしかに1919年の五・四運動に繋がってゆく文化革命によって学生たちは「三千年の傳統なる家族主義の拘束」から解き放たれ、「新たに家族主義を脱して個人主義者となつた青年」ではある。だが、だからといって「僅か三四年の間に再轉して社會主義者となる事は果して可能」だろうか。

 じつは「彼等の多くは中産家庭の子弟であつて」、家庭環境に基づくならば「彼等は寧ろ自己主義を選ぶべき立場にある」。加えて彼らにとって最大の興味は「新國家建設にあつて、必ずしも(プロレタリアートのように)社會乃至經濟理論の追及ではない」。
だから彼らを新国家建設に参加されるための「第一條件は、的確なる新國家建設の目標を掲げ且つ之を實現する可能性を示す事にあらねばならぬ」ということになる。
       
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘  OPINIONS
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(読者の声1)記事前号の富岡幸一郎氏の新刊『天皇論』への宮崎先生の書評を拝見して。

富岡幸一郎氏は敬虔なクリスチャンそれも無教会派で内村鑑三に近いと思われる。彼の心にあるキリスト教神学者はカール・バルトであり、氏がドイツ留学で研究されたのはバルトについてである。

僕も神学を上智大学で勉強した福島大震災の頃カール・バルトに熱中し,富岡氏の著書は何度も何度も読んだ。簡単に言えばバルトの神学は神からの<ピカドン>(神からの直結としてのキリスト教信者)であり、<中間搾取>ともいえる教会を排除する(バルトはそこまで言っていないが教会の堕落は常々指摘していた)ものである。

<中間搾取>は常に俗物的要素が出てくるのであって、神の<御心>を勝手に作りあげ信者を支配する、いわば宗教の支配の道具化を意味するのだ。

富岡氏はそんな不純な要素は断固として受け入れられずあくまでも神と信者の直線たるキリスト教であるのだ。<ピカドン>というのがポリコレ言葉狩に触れるなら別の言い方をすれば良いが、バルトのイメージはこの言葉に合うので使っているのが僕だ。

僕の考えは教会があるかぎり、あれほど偶像崇拝を蛇蝎のように嫌う3つの同じ神をあがなう宗教(ユダヤ
キリスト
イスラム諸宗教)は結局自ら偶像崇拝に陥っているというのが僕の神学を学んだ<結論>である。

この一神教はいわゆる多神教を<偶像崇拝>で一刀両断するのが常だが、僕にいわすれば、この三宗教こそが最も顕著な偶像崇拝だと言いたのだ。イエス自体も偶像
マリア聖母などあのマリア被昇天の20世期のピオ12世法王の1950年のドグマなど笑止千万でありマリアこそ一般的なカトリック信者の偶像化しているではないかと僕は愚考する。

僕の議論が長くなったが、富岡氏のこの本は是非読みたいと思うが、読む以前から彼のカール・バルト論からして、
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富岡氏は三島が神風連に共感を覚えたのは、この点であるとして、以下を続ける。

「西洋化=近代化にたいして、敗北・必敗を覚悟して抗することで、日本の歴史の本源としての神を信じようとするものであった。それは、近代化・世俗化によって神の死が不可避となったときに、それに抗うことで神の存在証明をなそうとしてことであった」

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の結論は非常に僕には理解できる。

それを踏まえて、日本の神話をそして天皇というものを、科学的合理的論理を離れて、<まず信じる>ことによって日本人の原点たる信仰こそが日本の存在の所以であるということではないかと考える次第である。

あの教父アウグスティヌスが<知解するために信じる>の言葉が日本の神話にも当てはまるということではないだろうか。僕という徹底的近代合理主義者にとってはとても<まず信じる>ということはできないが・・・つまり<知解してから信じる>ものである。(奥山篤信)
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(読者の声2)首相官邸に下記意見を投稿しました。

「武漢テドロスコロナに関して意見致します。あなたの会見を見ていると、いつも言葉だけは勇ましいのですが、実際にやっている事は、逃げばかりですね。

具体的に言えば、ウィルスと戦うとか封じ込めるとか言っていますが、やっている事は、マスクで防げとか、3蜜にならない様にしろとか、ソーシャルディスタンスを取れとか、挙句家から出るなとか。ウィルスは35億年前からこの地球上に存在し、一方の人間はたかが600万年程度。ウィルス側から見れば、新参者が俺に挑む? 笑わせるなってものでしょう。本当にウィルスと戦うというのなら、国民一人一人の免疫力を高めるためにこの様な事をしましょうというメッセージを出されてはいかがでしょう。

集団免疫の話をしているのではありません。それが本当にウィルスに立ち向かうということではありませんか。あなたたちの言う第2波は小さな波でしょうが、この秋以降又コロナウィルスは人間に襲いかかってきます。なんたってコロナウィルスは風邪なんですから。
 
緊急事態宣言及び国民に対する自粛の要請(同調圧力による強制)は間違っていた事を認め、国民に謝罪し、正しいメッセージを発していただくようお願い致します。
  (今後を憂える日本国民)

◆身内が黒川氏の賭けマージャンを

新恭(あらたきょう)

『国家権力&メディア一刀両断』

身内が黒川氏の賭けマージャンを文春にリークした産経のお家事情

安倍政権が持てる力を総動員しゴリ押しするも、トップに据えるはずだった黒川弘務氏の「賭けマージャン報道」で脆くも潰えた検察庁法改正案。なぜ検察のナンバー2は、違法である賭けマージャンに手を出し続けたのでしょうか。そしてその情報のリークは、誰のどんな思惑によりなされたのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新
恭さんが、改めて賭けマージャン報道を振り返りつつ黒川氏の心情の読み取りを試みるとともに、法改正断念後に見せた安倍首相の姿勢の変化を批判的に記しています


検事総長になり損ね、訓告どまりで“手切れ金”をもらう男の心境

検事総長になるにこしたことはない。でも俺は63歳で退官し、弁護士をやるつもりだった。そこに何の不足もなかったのだ。あのまま辞めておけば、こんなことには…。

賭けマージャンを週刊文春に報じられ辞任した東京高検検事長、黒川弘務氏は今、そんな心境ではないだろうか。

もう辞めるしかないと腹をくくれたのは、自らが起こした不祥事の発覚ゆえだった。



コロナ禍の混乱に乗じて安倍官邸がむりやり通そうとした検察庁法改正案のためでも、定年延長で黒川氏が悪玉と見られたためでもない。賭けマージャンというバクチ行為を検察ナンバー2が、緊急事態のさなかに新聞記者らとやっていたことを週刊誌にすっぱ抜かれたからである。

自分を見込んで定年延長までしてくれた官邸の思し召しはありがたいが、国会で検察庁法違反だと大問題になり、いたたまれない気持は募るばかり。いっそのこと、自ら身を退ければ、どれだけすっきりするだろう。そんなぐずついた思いから束の間でも解放されたのが、マージャンに興じる時間だったのかもしれない。

筆者はマージャンをやらないのだが、1,000点あたり100円で計算する「テンピン」という、雀荘ではごく平均的なレートの賭けマージャンをしていたらしく、黒川氏にしてみれば、さほどの罪の意識はなかったのだろう。マージャンの面子は検察ナンバー2と、報道記者だ。一緒に渡れば怖いものなどない、と錯覚しやすいのもこの組み合わせだ。

一部の報道によると、黒川氏は無類のマージャン好きらしい。司法記者クラブに今の時代、雀卓が置かれているとは思わないが、筆者が現役の記者だったはるか昔の記者クラブは、マージャンや花札をしながら“事件待ち”をする記者や役所幹部たちの賭博場のような観があった。

古参の記者たちとも長らく付き合ってきたであろう63歳の黒川氏は、クラブの面々にマージャンの誘いをかけていたといわれる。

同期の検察OBらが口々に語るところでは、黒川氏は検察官としては珍しく人当たりがよく、ユーモアもある。その東京高検検事長から誘われて断る記者はよほど変わり種だ。指揮監督下にある東京地検特捜部から上がった報告のかけらでもいいから、ニオイをかぎたいのが記者のサガだろう。

黒川氏のマージャンのお相手をしたのは、朝日新聞社員、産経新聞記者二人だそうである。朝日新聞の調査によると、4人の付き合いは5年前に始まり、直近3年間は月2〜3回の頻度で賭けマージャンをしていたという。5年前といえば、黒川氏が法務省の大臣官房長のころだ。

産経、朝日と社は違っても、記者クラブ仲間のつながりは強く、法務・検察官僚は口が堅い半面、いったん仲が良くなると記者との絆が一生続くケースも多い。

文春が確認したのは5月1日と13日。一人住まいの産経新聞記者宅で午後7時30分ごろから午前2時くらいまで、マージャン卓を囲んでいたらしい。

警視庁や司法担当の記者は夜回りでハイヤーを使う。おそらく、マージャンが終わった後、黒川氏とともにマンション近くに待機させていたハイヤーに乗り込み、黒川氏を自宅まで送ったのだろう。

このマンションに住むのは司法記者クラブ所属の産経新聞記者とみられる。もう一人は最近まで司法記者クラブキャップの産経記者、朝日社員は元司法記者のようだ。

月2〜3回も長時間をともに過ごすというのだから、黒川氏にとっては、よほど気の許せるメンバーに違いない。少しでも警戒心があったら、そんなことはできないはずだ。

検察庁法に反する自分の定年延長が国会で問題になり、その事後的なつじつま合わせに安倍内閣が急ごしらえした検察庁法改正案に若干の後ろめたさを感じつつ、それでも検事総長になれるやもしれぬという高揚感に包まれていたであろう。そんな黒川氏にとって、メディア側の人間がそばにいて、いつも通りに麻雀牌を並べていることは、いくばくかの安心材料だったかもしれない。

◆人工関節手術で歩ける喜び

小池 達也


整形外科の分野ですばらしい発展を遂げていると考えられているのは、人工関節分野です。現在では、肩・肘・股・膝・足関節に人工関節手術が施されますし、手や足の指関節にも応用が始まっています。

特に、股関節と膝関節に関しては膨大な数の手術が毎年日本中で行われています。
成績も安定しており、それほど高度な手術でもなくなりつつあります。

しかし、本当に人工関節は進歩したのでしょうか。

1962年にチャンレイという先生が人工股関節手術を初めて実施されました。 今から振り返ってみても、良く考え抜かれたデザイン・材質・手術方法でした。やっぱりパイオニアと呼ばれる人たちには何か光るものがあります。

このチャンレイ型人工股関節は長期成績も良く、スタンダードとなりましたが、もちろん完璧ではないので、チャンレイ自身を含め様々な改良が加えられました。

ところが、それらの改良、良かれと思ったデザインや材質の変更は逆に長期成績を悪化させました。

そうすると、また改良が加えられ、猫の目のようにくるくるとデザインや果てはコンセプトまで変わっていきました。最近ようやく、コンセプトも成熟し成績も安定してきました。

しかし、改良が加えられ続けていた時代に人工股関節手術を受けてしまった人は恩恵を受けることが出来なかったわけです。

最先端のものが最良とは限らない好例ではないでしょうか。これは人工関節の性格上、結果がすぐに出ないことが一番の理由です。そして、この危険性は今後も出てくる可能性はあります。

では、人工関節手術などすべきではないのでしょうか。

そうではありません。歩くことさえ大変な方が、人工関節手術を受けて痛みなく歩けるようになった時の喜びは、本人でない我々でさえ感じることの出来る大きなものです。

「人生が変わった」・「旅行に行けるようになった」・「歩くのって楽しい」など、多くの喜びの声を聴かせていただける、医者にとっては実にやりがいのある手術です。これを永続する喜びに変えるために、いくつかの合併症を克服してゆくのが、我々の今後の使命でしょう。

人工関節の合併症で厄介なのは感染とゆるみです。ゆるみの方は、多くの研究により克服されつつありますが、異物を体の中へ入れる手術であることから、感染の危険性はなかなか解決されそうにはありません。

また、スポーツも可能になるような丈夫な人工関節もまだ存在しません。真の人工関節出現はもう少し先になりそうです。
 
ところで、最近ではナビゲーションといって、コンピュータが人工関節を入れる方向を指示するシステムやロボットが人工関節を入れる方法も実用化されています。

あなたは、ロボットと人とどちらに手術して欲しいですか?
         (大阪市立大学大学院医学研究科リウマチ外科学 )

2020年05月29日

◆国民を見ない立民と菅内閣 

阿比留瑠比


世界中が現在、新型コロナウイルスとの戦争状態に突入しているが、わが国の国会は浮世離れしている。1日の参院決算委員会では、立憲民主党の野田国義氏が森友学園問題をめぐって財務省近畿財務局職員が自殺したことを取り上げ、安部晋三首相に辞職の考えがないかと問うていた。>
>
 そして安倍首相の祖父の岸信介元首相が日米安全保障条約の改定に取り組んだ際、反対デモに加わった東大生、樺美智子さんが死去したことをめぐり、以下のようなやりとりがあった。>
>
 *野田氏*「亡くなったその後に首相の岸信介首相が辞職をした。おそらく岸首相は、この1人の命の大切さ、重みをお感じになったんじゃないか」>
>
 *安倍首相*「事実誤認をしておられる。岸首相が辞職を決意をしたのは、(訪日予定の)米国のアイゼンハワー大統領が沖縄まで来ていたが、(安保闘争で)国内で大統領を迎えられる状況を確保できなかったことの責任を取ったというのが実態、真実だ」>
> *貴重な時間奪う質問***
>
>
 この非常時に、不要不急の質問で安倍首相や閣僚の貴重な時間を奪っている。同党では、新型ウイルス対応に関して首相が記者会見した3月28日には、川内博史衆院議員がツイッターでこうつぶやいていた。>
>
 「こんな時に、私は森友問題再検証チーム座長として活動。でもこんな時だからこそだ」>
>
 国民の生命・財産がまさに脅かされている事態をどう考えているのだろうか。毎日死者が、感染経路が特定できない感染者が増え続けていることに、深刻な危機感は覚えていないのか>
>
 かと思うと、同党最高顧問である菅直人元首相は30日のツイッターで、安部首相の新型ウイルス対策をこき下ろしていた。>
>
 「全ての対応が鈍い。記者会見も原稿を読むだけで本気度が伝わらない」>
>
 菅氏は「自信をもって国民に方針を」とも記していた。だが、平成23年3月の東日本大震災の際、涙ぐみながら首相記者会見をして国民に不安を与えたことはお忘れのようである。>
>
 安部晋三総理が全国の小中高校などに休校要請をした際には、ツイッターで「対応の遅さを批判されて、それを気にして急遽(きゅうきょ)準備もなく対策を発表しているように見えます。リーダーとして最悪」と批判していたが、今も休校要請は稚拙で最悪と言い切れるだろうか。>
> *「俺が頭下げるのか」***
>
>
 ともあれ震災後間もない時期にはこんなことがあった。当時の亀井静香・国民新党代表と村上正邦・自民党元参議院議員会長、小沢一郎元民主党代表の側近である平野貞夫・元参院議員の3人が集まり、与野党の首脳級が党派を超え菅首相に助言する構想が生まれた。>
>
 構想は仙谷由人官房副長官を通じて菅氏に伝えられたが、菅氏が「早期退陣を恐れ」(平野氏)首を縦に振らず頓挫した。筆者は村上氏から後に、「仙谷氏が話していた」としてこんなエピソードを聞いた。>
>
 それによると、仙谷氏が菅氏に「挙党一致で復興に当たるため歴代首相経験者を回り、知恵を乞い協力を仰ぐべきだ」と進言したところ、菅氏は即座に拒否した。その理由は、こんなくだらないものだった。>
>
 「今さら俺が頭を下げるのか。小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎(各元首相)なんかに『知恵を借りたい』と言わなきゃならないのか」>
>
 立憲民主党は幹部の構成が重なるため菅内閣そっくりだともいわれる。実際、国民の方を向いていないように見えるところは、菅内閣と似通っている。>
> (産経新聞論説委員兼政治部編集委員)
> 産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】

> 松本市 久保田 康文さん採録 

◆習近平、電話一本で世界を滅ぼす

北野幸伯


新型コロナウイルス、16日の感染者数は、前日比で59人増
えました。一方で、この日の退院者数は、262人。

入院患者の数が、劇的に減少しているうれしいことです。
一方、世界の感染者数は470万人を超えました。
死者は、31万5000人。


経済は、1929年からはじまった世界恐慌並のひどさ。
人々は、自問します。

「嗚呼、何でこんなことになったのだ・・・・」と。
答えは出ません。

地震や台風の災害に慣れている日本人は、思います。
「誰もわるくない。新型コロナ禍は、ただ起こったのだ」
と、しかし、この答えで納得しない人たちも、たくさんいる。たとえば韓国の中央日報は、

「習近平がWHOにした電話一本が、世界を滅ぼした」
という話を掲載しています。どういうことでしょうか?



▼世界を滅ぼした習近平の電話とは?

<世界を滅ぼした習近平主席の電話1本…WHOに「パン
デミック宣言を遅らせてほしい」

中央日報5/11(月) 8:15配信

米国と中国の間で新型コロナウイルス感染症責任論をめぐ
る攻防が続く中、中国の習近平国家主席が今年1月、世界
保健機関(WHO)に新型コロナのパンデミック(大流行)
宣言を遅らせてほしいと自ら要求したという疑惑がドイツ
メディアを通じて提起された。>


ドイツといえば、「世界有数の親中国家」として知られて
います。一体何が報じられているのでしょうか?


<10日の英デイリーメールなどが独シュピーゲルを引用
して報じた内容によると、シュピーゲル紙はドイツ連邦情
報局(BND)の諜報文書を入手したという。

この文書によると、習主席は1月21日、WHOのテドロ
ス事務局長に電話をかけ、


「コロナウイルスの人の間の伝染関連情報を統制し、パン
デミックのような世界レベルの警告を延期してほしい」
と要請したということだ。>(同上)


これが、いわゆる「世界を滅ぼした電話」です。
結果、どうなったのでしょうか?

<WHOが新型コロナパンデミックを宣言したのは3月1
1日であり、昨年12月31日に中国湖北省武漢市で「原
因不明の肺炎」が発生したと明らかにしてから約70日後
だ。

3月11日にはすでに世界110カ国で約12万人の感染
者が出ている状況だった。>(同上)

皆さん、3月11日のこと思い出せますか?
私はニュースを見て、「WHO、遅すぎ!」といい、となりにいた妻と「苦笑」したのを覚えています。


RPEでは2月5日から「中国全土からの入国を制限してくれ!」と主張していました。

そして、読者の皆さんに、「官邸にメールしてください」
と何度もお願いしました。


その後の日本を見ると、2月27日に総理の休校要請。
中国、韓国からの入国制限は3月9日から始まりました。


私たちは、「遅すぎる!」と憤っていました。
ところが、WHOのパンデミック宣言は、日本政府よりもさ
らに遅かった。過去と比べても、遅すぎたそうです。


<2009年の新型インフルエンザの場合、74カ国で3
万人の感染者が発生した時点でパンデミックを宣言したの
と比較すると、今回の新型コロナのパンデミック宣言はか
なり遅いという批判の声が多い。>(同上)


これは、習近平が、テドロスさんに電話して、「遅らせろ
!」と要求したからなのですね。


<BNDは文書を通じて「中国の隠蔽式情報政策で世界が
コロナウイルスに対応できる時間を4−6週浪費した」と
批判した。


一方、親中派として知られるテドロス事務局長は1月28
日、習近平主席に会って中国の対応を称賛した。

テドロス事務局長はその後も「中国が武漢を封鎖したこと
で危機を避けることができた」などと中国を擁護する発言
を繰り返した。>(同上)
危機、全然避けられてないですが・・・・。

それに、中国政府は春節の時、何百万の中国人が外国にで
るのを止めなかった。
これが、全世界に感染が広がった理由と考えられます。

こう考えると、トランプさんの「中国が全部悪い説」には、かなり説得力がありそうです。

アメリカは賠償金を請求する意向を示しています。
世界中のかなりの国が、アメリカに追随する可能性もある
でしょう。

at 08:26 | Comment(0) | 北野幸伯