2020年07月31日

◆雀庵の「中共崩壊へのシナリオ(41」

“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red
Gables/151(2020/7/30/木】小生は敗戦から6年後に農村の農家兼精米所に生を得たので「飢え」を知らない。4歳で現在のところ(小さな町、父の生地、桃畑の中)に引っ越したが、冷や飯とかふかしたサツマイモはいつもあったから「腹が減ってヘロヘロ」という経験がない。


当時は庭に果樹を植えるのが当たり前で、柿、梅、無花果、ブドウ、グミ、キンカン、ザクロ、イチゴなどはあるし、周りは桃畑と梨園だらけだから、食い物に不自由はしない。「落ちた桃は売り物にならないから好きなだけどうぞ」だから、一週間もすれば食傷気味になった。


1日の小遣いは5〜10円で、駄菓子屋であめ5粒とか、肉屋でコロッケ1個を買ったりしていた。友達の家へ行けばお母さんがオヤツどころか夕飯までご馳走してくれた。


そういう環境だったので、幸いにも「ひもじい」とか「今日明日の食糧を如何せん」という経験がないが、先の大戦で都市住民はずいぶん食糧難に苦しんだ。農村地帯は子供たちの疎開地になっていたから、粗食ではあれ、都市部よりはマシだったのだろう。


多分、都市住民以外は深刻な食糧難を経験せずに済んだと思うが、都市住民でも金持ちや上流階級は軽井沢とか伊豆半島、日光、那須など別荘地に避難した人が多かったようだ。

結局、戦中でも食糧難の都市部にいた人は、仕事の都合の人が圧倒的に多く、次いでどうにかなるだろうという、「なったらなったで考えればいいや」の寅さんみたいな人が続き、どん尻は「逃げるったって、避難先の当てがないんだからさあ」という逃げ場がない人だろう。

本土の餓死者は少なかったが、明日明後日の食糧備蓄が心細いというのは実に不安で、情けない思いだったろう。永井荷風は軍人政治への不安、不満、怒り、絶望を「これまでは筆禍を恐れて遠慮していたが、今日からは後世への記録として書き残す!」と発奮した。

「それにつけても備蓄の心細さよ、腹が減っては戦はできぬ、ああ悩ましい、軍人政治が国を亡ぼす、クソッ!」

そんな思いだったろう。

荷風は大好きなフランスがやられっぱなしだったこともあってひたすら軍人政治を呪い罵倒するのだが、大正時代の花柳界の恋のさや当てと銭闘を描いた荷風の「腕くらべ」が一種の戦争・戦術?とでも解釈されたのか、軍部から戦線将兵に贈るからと5000部!注文が来てから筆舌が落ち着いた感じがする。

笑うべし、人間のアバウトさ・・・それを含めて我ら後世の人にとって当時を知る貴重な一次資料になっている。

荷風先生、あなたはビッグです、大したものです、文豪です! 毎夜、笑いながらの眠りをもたらしてくれる我が枕辺の書「断腸亭日乗」から。

<(昭和19(1944)年、66歳)四月十日。食料品の欠乏、日を追うて甚だしくなるにつれ、軍人に対する反感、漸く激しくなり行くが如し。市中至るところ、疎開空襲必至の張札を見る。


五月四日。(従弟の)五叟方より鶏肉鶏卵届く。


五月二十七日。この頃(食糧を求めて)鼠の荒れ回ること甚だし。雀の子も軒に集まりて洗い流しの米粒捨てるを待てるが如し。東亜共栄圏内に生息する鳥獣飢餓の惨状また憐れむべし。



燕よ、秋を待たで速やかに帰れ。雁よ、秋来るとも今年は共栄圏内に来るなかれ。


六月二十九日。今年も早く半ばを過ぎんとす。戦争はいつまで続くにや。来るぞ来るぞといふ空襲も未だに来たらず。国内人心の倦怠疲労、今正にその極度に達せしが如し

六月三十日。某氏依頼の色紙に「ひるがほ」(書す)。



道端に花咲く昼顔。風が持て来てまきし種。手にとらば花瓶にさす間を待たで萎えるべし。それにも似たる我が身なり

八月六日。木戸氏、使いの者に炭一俵、キュウリ、トマト一籠を持たせ遣はさる。また五叟のもとよりトマト数個を送り来たれり。数年来、余は全く人の情にて露命を繋ぐ身とはなれるなり。


九月五日。(軍部が買い占めた鮭の缶詰の賞味期限が来そうなので、配給で人民に時価で売りつけている噂)軍部及び当局の官吏の利得、莫大なりといふ。日米戦争は畢竟、軍人の腹を肥やすに過ぎず。その敗北に帰するや自業自得といふべしと。これも世の噂なり。

××氏に送る返書の末に、


世の中はついに柳の一葉かな

秋高くモンペの尻の大(おおき)なり

スカートのいよよ短し秋の風

スカートのうちまたねらふ藪蚊哉

亡国の調(しらべ)せはしき秋の蝉>


食い物の恨みは恐ろしい、が、枯れても女好きは相変わらずで、「さすが荷風、蚊風だな、夏彦翁曰く、スケベは死なず」、小生は笑いながら眠るわけ。とってもケンコーと思わない? 


蛇足ながら「飢餓」「飢え死に」「戦争犯罪」について。


特に南洋戦地の日本軍将兵は米軍が国際法を無視して投降受入れを拒否したので飢餓と熱帯病で殺された。原爆実験、大空襲による無差別大量虐殺も、いずれオトシマエをつけてもらう。少なくとも小生は絶対に許さない、忘れない! 


ついでに言っておくが、米兵は「長距離移動は車が常識」だったから、捕虜になり風土病もあったにしても20〜30キロの徒歩行軍でへたった。「バターン死の行進」プロパガンダに騙されるな!


大東亜戦争時の日本人は兎にも角にも頑張った、踏ん張ったが、支那14億の民は戦時下の拘束や食糧難に耐えられるか否か。蓄財蓄妾美酒美食を生き甲斐とする人民は、経済封鎖、鉄のカーテンに我慢し、中共・習近平に従うかどうか・・・それを考える時期になってきた。



「7/23米国ポンペオ“怒りの演説”」は米国の対中「宣戦布告」として歴史に刻まれるだろう。我々は旧時代の最終章、新時代の序章の境界線上に今、立っている。稀に見る瞬間を目撃、あるいは能動的に関与することになる。以下の論考はとても勉強になる。



<近藤大介「ポンペオ長官“怒りの演説”が中国共産党に突きつけた究極の選択」(以下は抜粋。演説全文は現代ビジネス2020/7/28)


◆アメリカが本気で焦り出した


いやはや、アメリカと中国が大変なことになってきた。



アメリカが7月21日、ヒューストンの中国領事館閉鎖を命じたかと思えば、中国は24日、成都のアメリカ領事館閉鎖を命じた。期限はそれぞれ72時間以内だ。これほど激しい米中の攻防は、1979年に国交正常化を果たして41年で、初の事態である。


先週のこのコラムでは、トランプ大統領の最側近の一人で、対中強硬派として知られるポンペオ米国務長官が7月13日に発表した「南シナ海の海洋主張に対するアメリカの立場」と題する声明の全訳を載せた。その上で今秋、アメリカが南シナ海に中国が建設した人工島を空爆する可能性について詳述した。


ところが、ポンペオ長官によれば、中国批判は「4回シリーズ」なのだそうで、オブライアン国家安全保障顧問、ウォレイFBI長官、バール司法長官を伴って、さらに強烈なスピーチを、7月23日に行った。


これは台頭する中国に追い詰められた覇権国アメリカの「悲痛な叫び」とも言えるものだ。1945年以降、世界の覇権を握ってきたアメリカが、このままでは中国に覇権を奪われてしまうと、本気で焦り出したのである。


◆トランプ政権の対中論争に終止符



今回のスピーチは、3つの意味で「米中新冷戦」を決定づけるものとなった。


第一は、トランプ政権内の対中論争に終止符を打ったこと


第二は、中国という国家に加えて、9100万中国共産党員のトップに君臨する習近平総書記個人を攻撃したことである


第三は、単にトランプ政権のことではなく、「アメリカの問題」として対中問題を提起したことだ。


周知のように、11月3日の大統領選挙に向けて、トランプ共和党陣営とジョン・バイデン民主党陣営は現在、熾烈な選挙キャンペーンを繰り広げている。いまのところ民主党が優勢で、このまま行けば、民主党への政権交代が実現する。


ポンペオ長官は、そのことを見越した上で、「どの党の誰が大統領に就こうが、これからのアメリカは習近平政権と正面から対決していく」というニュアンスで演説しているのである。かつポンペオ長官の呼びかけに、民主党側は反対の声を上げていない・・・>


「ポンペオ“怒りの演説”」を少し引用しておく。

<ニクソンは1967年、『フォーリン・アフェアーズ』にこう寄稿した。


「長期的視野に立てば、中国を永遠に仲間の国々から引き離しておくわけにはいかない。中国が変わっていくまで、世界は平和ではいられない。そのためわれわれの目的は、ある程度、状況に影響を与えねばならない。目標は変化を導くことだ」

こうして北京への歴史的外遊を伴ってニクソンは関与戦略を始めた。

だが、われわれが目にしたのは中国共産党がわれわれの自由で開かれた社会を悪用したことだった。中国はアメリカの記者会見、研究所、高校や大学、果てはPTAの会合にまでプロパガンダを送り込んだのだ。


ニクソン大統領はかつて、世界を中国共産党に明け渡した時、フランケンシュタインを作ってしまったかもしれないと恐れた。だがいま存在しているのが、まさにそれだ。


中国共産党の体制はマルクス・レーニン主義の体制であり、習近平総書記は破綻した全体主義思想の信奉者であるということに、われわれは心を留め置かねばならない。


このイデオロギーこそが、中国共産主義のグローバルな覇権という習近平総書記が何十年にもわたって望んできたことを知らしめるものだ。共産中国を本当に変化させるには、中国のリーダーが語ることをもとにするのではなく、どう振る舞うかをもとにして行動することだ。


自由を愛する国々は、かつてニクソン大統領が望んだように、中国で変化を起こさせるようにしていかねばならない。ダイナミックで自由を愛する中国人に関わり、力を与えていかねばならない。


中国共産党の振る舞いを変えさせる使命は、中国人だけが持っているものではない。自由な国家は自由を守るために行動しなければならない。


いまこそ自由国家が行動する時だ。すべての国は、中国共産党の触手から、いかに主権を守り、経済的繁栄を保護し、理想を維持するかということを理解していかねばならない。


私がすべての国のリーダーに呼びかけたいのは、シンプルに相互主義、透明性、説明責任を要求していくということだ。自由国家は同一原則で行動するのだ。


もし今行動を起こさなければ、最終的に中国共産党は、われわれの自由を侵食し、われわれの社会が懸命に築き上げてきたルールに基づいた秩序をひっくり返すだろう。



われわれが許さない限り、習総書記は中国内外で、永遠に暴君でいられる運命ではないのだ。


アメリカ単独では立ち向かえない。国連、NATO、G7、G20など、われわれの結合した経済力と外交力、軍事力によって、明確に大きな勇気を持って指針を示していけば、この挑戦に必ずや、十分対処していける。おそらく、志を同じくする国々が、新たな民主の同盟を作る時なのだ。


自由世界が変わらなければ、共産中国が確実にわれわれを変えてしまうだろう。


中国共産党から自由を守ることは、われわれの時代の使命である。そしてアメリカは完全に、これをリードしていく

ニクソンは1967年、正しいことを書いた。「中国が変わるまでは世界は安全にならない」。いまこそこの言葉に心を留めるべき時だ>



パンダは危険な紅いフランケンシュタインに変身した。「米国とその何となくお友達」でフランケンを抑え込める時代ではなくなった。新たな仕組みによる「勢力均衡外交」が必要とされている、ということだ。


毛沢東の弱者による強者との戦いの肝は「敵が押し出してきたら退く、敵が退いたら押し出していく」「我が方の力が十分についたら一気呵成に敵を殲滅する」というものだった。

毛沢東は1964年の東京五輪に合わせて核ミサイル実験で強者へデビューし、56年後の2020年に習近平は世界帝国への殲滅戦を開始し、2024年に「大習帝国」初代皇帝を宣言する夢を抱いているだろう。習近平はやる気満々だ。


何清漣女史曰く


「習近平至少從方向與決心兩方面做了充分準備、大方向:經濟内循環、準備自力更生(習近平は、少なくとも方向性と決意に関して十分な準備をしてきた。一般的な方向性:経済の内部循環、自立の準備)」


習近平の危険な妄想的暴走を阻止するためにはグレートウォールの長城包囲網、少なくとも米日英豪加印台の頑丈な七強ダムが必要だ。世界の安定、日本の独立もこの一戦にあり。各員一層奮励努力せよ。(つづく)

◆ネバートランパーたちが

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月30日(木曜日)通巻第6602号  <前日発行>

 ペンシルバニア、ウィスコンシン、ミシガンは接戦州
  ネバートランパーたちが共和党内をかき荒らしている

RVAT(REPUBLICAN VOTER AGANIST TRUMP=共和党員だがトランプに投票しない運動)を組織したのはジャック・スピエルマン(元陸軍サイバーセキュリティ・エンジニア)だ。

彼は一貫して共和党支持だったが、トランプが陸軍中将ヴィンドマンを解任して以来、バイデンに投票することを決めたばかりか、ほかの共和党支持者にもおなじ投票行動をおるように呼びかけ、5月にRVAT運動を始めた。

6月、もっと大がかりな「リンカーン・プロジェクト」が始動する。

これはブッシュ政権の高官が中心となって、かなり広範な呼びかけが行われており、ミット・ロムニーやジェブ・ブッシュといった、トランプに個人的に反感の強い人脈が母体となっている。

もうひとつ、元ブッシュジュニア政権を担った共和党員たちが集合し、「アルミネ43」が結成された。

さらには「ブレイブリー・プロジェクト」が発足した。これら四組織以外にもトランプ反対運動が共和党員によってなされており、いずれも共和党支持者だけれども今回はバイデンに投票しようと、共和党のPACリストを基に、共和党集票マシンの分断を図る。共和党の選対から見れば分裂主義、裏切り者と映るだろう。

すでにコーリン・パウエルや、アーミティジらは四年前にも50人が連名でヒラリーに投票するとして露骨なトランプ当選阻止を狙ったが、こんかいも同様にバイデンに投票することを呼びかけている。

この動きに同調する共和党有力者が微増しているという。

彼らはブッシュ親子がそうであるように民主党と深い根では繋がる、いわゆる「ディプステーツ」であり、もし民主党政権ができても、国防長官と財務長官は共和党系で占めるという伝統的な流儀にしたがっているように推測できる。

年初まで共和党内のトランプ支持率は90%あって磐石だった。党内の反トランプの分派は、ごく少数で資金も集まらず、吼えるだけの存在として、まったく無視された。
 
コロナ災禍で状況が激変した。

共和党内でトランプ反対(ネバートランパー)と言われる人々が急増するようになった。 党内でトランプ支持が78%にまで急落した。これは失業率の増加に比例した。

とりわけペンシルバニア、ウィスコンシン、ミシガンは前回トランプが辛勝し、ここでヒラリーをひっくり返したが、2020年大統領選挙では、この3州をうしなうとトランプは極めて危ない情勢となる。

ネバートランパーらは、この3州に集中する行動に出た。集まった資金の大半を、テレビCMに注ぎ込み、バイデン支持に乗り換えるよう共和党支持者に訴えるという想定外の政治宣伝を始めたのだ。

ネバートランパーの組織にはウォール街の非主流派や、ニューヨークのファンド筋から10万ドル単位の資金が寄せられ、RVATは1300万ドルを集めて、勢いづいた。彼らは同時に、選挙に弱い共和党議員への攻撃も開始した。

メイン州のスーザン・コリンズ、コロラド州のコリー・ガードナー、モンタナ州のスティーブ・ダイネス(いずれも上院議員)。トランプ政権は、現在上院が過半数ゆえに助けられているが、上院が民主党多数派にひっくり返ると、防衛外交政策に反対がなされ、政策実現が流動的となる。

それもこれもあれも、みんな武漢ウイルスの所為だと中国への反感はますます募る。
  
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)あれほど異論の多かったMMTが武漢ウイルスの件で世界を席巻しだしたと言っては言いすぎでしょうか?

それなのに経済の専門家はなぜかダンマリの様子です。

そこでこれからの世界経済をMMTが主導することを予想し、私はMMTのメカニズムを素人の目で、且つ自分の頭で検証してみようという気になりました。

 A)まずMMTとは何かについてですが「奇跡の経済教室」(中野剛志著 KKベストセラーズ)には下記のような説明になっています。
(1) 政府は通貨を決定する。(2)
国民にその国の通貨単位で計算された納税義務を課す。(3)政府は通貨を発行し、租税の支払い手段として定める。

以上から通貨には納税義務の解消手段としての需要が生じる。こうして人々は通貨に額面通りの価値を認めるようになり、その通貨を民間の取引の支払いや貯蓄などの手段として利用するようになる。こうして通貨が流通するようになる。

B)以上を起点として、わたしは以下の如く考えを巡らせて行きました。
1)と云う事は・・・政府は自分が必要とする通貨を自分で印刷している。誰も無から有を生み出せない。つまり政府は自分で通貨を印刷することで価値を創造しようとしているのではなく、通貨を富(価値)を徴収する手段とみなしているのだ。→
 2)と云う事は・・・通貨の価値はその国内・社会で”流通”している価値と同一以上である事、つまり通貨の額面より富の価値は低くあってはならないと政府は考えるはずだ。→
3)と云う事は・・・通貨は少なくとも額面通りの価値(富)を運んでくれない(吸い上げてくれない)と政府は困るのだ。→
 4)と云う事は・・・「きちんと通貨が価値を政府に運んでくれる(吸い上げてくれる)限り、国民に納税を求める必要はない。つまり通貨価値の下がるインフレは政府にとって好ましくない。→
 5)と云う事は・・・政府は一方で通貨を増刷し続けることで通貨価値を下げてしまうインフレ策を実施していることになり、これは矛盾である。→
 6)と云う事は・・・通貨を印刷することで、インフレという欠点を補う十分なメリットが無くてはならない。それには「通貨増刷に伴い、人工価値(実社会における富)の増大を促す」ための何らかのメカニズムが用意されねばならない。それは「インフレ率<経済成長率」と云う事だろう。
 7)このスタンスは政府ばかりか民間も同じだ。インフレでもそれ以上の人工価値(富)の増大が得られるのであればこそ、「無税国家」の恩恵がえられるはずだ。(補足)仮に価値総量と通貨量が一定(仮にそれぞれ100とする)の国家では、政府が100通貨量を増やせば、国内通貨量は200になり、それ以前に国民が有していた100通貨に相当していた価値量は半減してしまう。つまりこの場合経済成長で価値量が100増えて200になればこそ、国民の保有していた通貨価値は守られる。→
 8)もう一つ問題・・・MMTでの財政のなかで社会福祉が『充実』しすぎるとどうなるかだ。つまり失業者が生活に必要なマネーを政府から常に支給されれば、人間は働く必要(目的・意欲)がなくなる社会になろう。
 9)と云う事は・・・誰も働かないのに人間が食べて行ける社会が出現することになる? でも、例えば食料は誰かが創らねばならない。誰も働かなくなる社会で経済成長がインフレ率より高くなるのか?
 10)更に・・・「国債をどんどん発行してゆくと国民の資産がそれだけ増える。民間貯蓄が増える」と日銀雨宮副総裁は国会で答えたと2019.9月号クライテリオンは肯定的にかいている。でも政府が通貨をどんどん発行して行くと国民は働かなくても金持ちになってしまうのか?

もし社会・国家の価値総量が一定であれば通貨量が増えれば国民の貯蓄額はどんどん減耗(目減り)することにならぬか?国民は働かなくてもいい社会なのに、経済成長率をインフレ率より高くするなんて可能か?成長に必要なイノベーションは生まれるのか?

 11)つまりMMT理論は貸借対照表的には、それなりに筋が通っているが、全体を流れとしてみると、時間軸のある損益計算書的には正しい理論ではなさそうだ。

そうではないとするためには「通貨がどんどん発行されると国民は(勤労意欲を失うのではなく)成長率>インフレ率となるよう更に働くようになる動物だ」という「メカニズム」が必要となるし、「通貨は価値を誘引(呼び水)する手段(道具)であり、この”呼び水効果“は永続するモノだ」という定理も必要となろう。

 12)それではMMTが国の為になると言えるようにするためにはどうすればいいか・・・

 (a)健全な理由なくして働かない国民にはいかなる補償も行わない事、即ち人は働かなくては食べて行けない・生きて行けないという制度を堅持する事。
(b)通貨発行額の上限を、「国家の失業率ゼロを目指した政策」を大前提に設定する事。
(c)その発行された通貨の相当割合は、補助金ではなく減税還付金という形で使用され、発行された通貨はヘリコプターマネーのように国民に直接交付することは避け、 経済政策の最高位の目的である雇用確保へ貢献した企業などへ付与されること。
 (d)この減税は社会に付加価値を創出するために貢献し且つ雇用の確保に貢献した(税金を支払った)黒字企業に適用されること。
 (e)企業などへの減税額は規模・役員賞与総額・納税額などを勘案しつつも、根幹は雇者人数により厳格・適性に決められ、企業の実雇用者数と減税還付金額は公表され「社会貢献企業」とみなされること。
(SSA生)

◆日本の好機、米国の対中全面対決姿勢

櫻井よしこ


「ヒマラヤ山系からベトナムの排他的水域、尖閣諸島とその先まで、北京は領土領海紛争を煽動している。世界は中国の弱い者苛めを受け入れない、その継続も許さない」

7月8日、ポンペオ米国務長官の発言は、世界の屋根から南の海まで、ユーラシア大陸をグルリと囲む全域で、米国は中国の専横を許さないという宣言だった。

米国は長年領土領海紛争で中立の立場を貫いてきた。尖閣諸島が明らかに日本領であることを承知していながら―日本占領の約7年間、米軍は尖閣で軍事訓練を行っていた―米政府は尖閣諸島の施政権を日中どちらが有しているかに注目するばかりで、決して同諸島が日本領だとは言明しなかった。

しかしいま、年来の方針を大転回させたのだ。茂木敏充外相が即、歓迎を表明したのは当然だ。米国の方針大転回の新局面で、日本も世界も新たな対応を急ぐときだ。

ポンペオ氏はその後、13日、15日にも続けて中国への全面的対決姿勢を明らかにした。それを一言で氏はこう語っている。

「大事な事は、米中関係が変わったということだ。中国の指導層もそのことを理解している」(15日)

氏は米国民が中国リスクに晒されるのはもはや受け入れられない、余りにも長い間、適正な見返りのない、不公正な中国の行動を米国は許容してきた。

今、全てを反転させるときだとし、「実務において多くの仕事はこれからだ。トランプ政権の2年半は年来の米中関係反転の政策を積み重ねてきた年月だった」と語った。

米国政府の巻き返しには多くの行動が必要だとの認識だが、それはすでに私たちの眼前で展開されている。7月1日から中国は空母遼寧を中心に軍艦数隻を投入して大規模な軍事演習を南シナ海、東シナ海、黄海の3海域で行った。

米国も中国の演習と重なるように、7月4日から空母2隻及び攻撃艦を揃えて大規模演習を実行した。中国の軍事行動を見逃したり、勝手な振舞いを許したりはしないとの意思表示だ。米国の本気度を示している。

「最終判決」

米国の決意の尋常ならざることを私たちはポンペオ氏の発言が7月8、13、15日と続いたこと、他の閣僚たちも同様の発言を続けていることからも読み取っておくべきだろう。

6月24日にはロバート・オブライエン国家安全保障担当大統領補佐官、7月7日にはクリストファー・レイFBI(米連邦捜査局)長官、16日にはウィリアム・バー司法長官らが続けざまに同様の発信をした。

中国に対する強い異議は、中国問題が国際社会全体に広がることへの警戒でもある。香港やウイグル問題に、中国の主張するように国内問題であるから介入しないという姿勢で対処したら、西側諸国も中国の悪しき体質に変えられてしまいかねない。そのことを、ポンペオ氏らは十分に識っているのだ。

たとえば南シナ海問題だ。中国は「長い歴史」を持ち出して2000年前から同海は中国の海だったという。

ポンペオ氏は2016年7月12日の国際常設仲裁裁判所の判決こそ国際法に則った「法的拘束力」のある「最終判決」だと明言した。

中国の主張する「九段線」にも一貫した法的根拠はないと強調した。中国は「国際法を『力が正義』という定理に置き換える」と喝破し、それらは「完全なる違法行為」だと非難した。その上で南シナ海の島々の固有名詞をあげて次のように主張した。

スカボロー礁、スプラトリー諸島、ミスチーフ礁、第二トーマス礁は全てフィリピンの主権に属す。パラセル諸島のヴァンガード堆はベトナム領、ルコニア礁はマレーシア領、ナツナ諸島はインドネシア領、ブルネイも排他的経済水域を有する。

ジェームズ礁は中国が領土だと主張するが、満潮時には20メートルも水面下になる。中国の領土でも島でもあり得ないと述べ、米国は東南アジアの同盟国、パートナーと共に、国際法に基づいて彼らの領海及び海洋資源を守る側に立つ、と述べた。

目のさめるような力強い発言だ。なんという変化か。ポンペオ発言の重要性、日本に及ぼす限りない前向きの影響を、わが国は見逃してはならない。最大の好機ととらえ、対応してわが国の守りを強固にせよ。

バー司法長官の中国認識の厳しさもよく知っておこう。

「中国はウィン・ウィンの関係を築こうと言う。(当初我々は言葉どおり、互恵の精神だと受けとめていたが)それは中国が二度勝つという意味だと判明した」

実に的を射ているではないか。なぜ、中国は「二度」勝つのか。中国式手法を米国にも広げて、米国をも「接収」してしまうからだ。

ハリウッドの接収

バー氏は「中国に叩頭する」企業のひとつとしてハリウッドの映画会社を挙げた。ハリウッドは当初中国資本を受け入れ、現在は技術部門をはじめおよそ全分野で中国人を受け入れている。中国人は米国が世界に誇る映画産業のノウハウの全てを吸収し、中国国内で活用中だ。

中国の目標はハリウッドとの協力関係強化ではなく、ハリウッドの接収だとバー氏は断ずる。人間のあらゆる自由を尊び、権力への果敢な批判を売り物にしてきたハリウッドの中国支配への恭順振りこそ、卑屈だと氏は言っているのだ。

この間にボリス・ジョンソン英首相は27年までに全てのファーウェイ製品を5G通信網から排除すると決定した。

中国側は強い不満を表明し、駐英中国大使の劉暁明氏が7月18日、「タイムズ」紙の取材に応じた。中国は平和の国だ、全ての国に友好的だと一連の嘘をいつものように披瀝し、英国は25年までに5G通信網を全国に広げる計画だが、英国の力では難しい、だから中国は助力したいと申し出た。

その一方で英国がファーウェイ除外を決定したからには、中国の対英投資はもはやあり得ない、状況は変わったと述べた。中国の投資なしでやっていけるのかと、足下を見透かした発言である。

事実、19日には早速中国の動画投稿アプリ「TikTok」を手掛けるバイトダンスが、ロンドンへの拠点設置計画を棚上げした。

日本はいま、自らの立ち位置を明確に認識して戦略的に動くときだ。英国政府は日本に5G通信網づくりで協力を求めている。

ファーウェイに代わる調達先としてNECや富士通の名前が上がった。日本企業は周回遅れだが、ポンペオ氏はNTTを5G関係の技術を有する世界の企業の中でもクリーンな企業の内のひとつだと評価した。

わが国が直面する中国の脅威は5Gだけでも尖閣諸島だけでもない。南鳥島にも中国は迫っている。米国の側に立ち、行動を伴う協力を進めるときだ。それが日本の国益を守る正しい道であろう。

『週刊新潮』 2020年7月30日号
日本ルネッサンス 第911回

◆紫式部と蕪村の「和紙」

毛馬 一三


書き出しは、大阪俳人与謝蕪村のことからだ。蕪村(幼名:寅)は、生誕地大阪毛馬村で幼少の頃、母親から手ほどきをうけて高価な「和紙」を使って「絵」を描いて、幼少時期を楽しんでいたことを、知った。

寅は、庄屋の子供だったから、高価な「和紙」を父から自在に貰って、絵描きに思いのままに使ったらしい。

その幼少の頃の絵心と嗜みが、苦難を乗り越えて江戸に下り、巴人と遭遇してから本格的な俳人となったのも、この幼少の頃「和紙」に挑んだ「絵心」とが結び付いたらしい。

さて、本題―。

高貴な「和紙」の事を知った時、ジャンルは違うが、紫式部が思い切り使って「和紙」を使って「世界最古の長編小説・源氏物語」を書いたことを思い出した。

そのキッカケは、福井県越前市の「和紙の里」を直に訪ねてからである。

越前市新在家町にある「越前和紙の里・紙の文化会館」と隣接する「卯立の工芸館」、「パピルス館」を回り、越前和紙の歴史を物語る種々の文献や和紙漉き道具の展示、越前和紙歴史を現す模型や実物パネルなどを見て廻った。

中でも「パピルス館」での紙漉きを行い、汗を掻きかき約20分掛けて自作の和紙を仕上げたのは、今でもその時の感動が飛び出してくる。

流し漉きといって、漉舟(水槽)に、水・紙料(原料)・ネリ(トロロアオイ)を入れてよくかき回したあと、漉簀ですくい上げ、両手で上下左右に巧みに動かしていくと、B5くらいの「和紙」が出来上がる。まさにマジックの世界だ。

ところでこの越前和紙だが、今から約1500年前、越前の岡太川の上流に美しい姫が現れ、村人に紙の漉き方を伝授したという謂れがある。

山間で田畑に乏しかった集落の村人にとり、紙漉きを伝授されたことで、村の営みは豊かになり、以後村人はこの姫を「川上御前」と崇め、岡太神社(大瀧神社)の祭神として祀っている。

<その後大化の改新で、徴税のため全国の戸籍簿が作られることとなり、戸籍や税を記入するために必要となったのが「和紙」である。そのために、越前では大量の紙が漉かれ出したという。

加えて仏教の伝来で写経用として和紙の需要は急増し、紙漉きは越前の地に根ざした産業として大きな発展を遂げてきている>。

さて長編小説「源氏物語」の作者紫式部は、執筆に取り掛かる6年前の24歳の時(996年)、「和紙」の里・越前武生に居住することになり、山ほどの「和紙」に囲まれて、存分に文筆活動に励んだ。

当時、都では「和紙」への大量の需要があったらしく、宮廷人も物書きも喉から手が出る程の「和紙」だったが、手には入らなかった。

ではどうして都にいた紫式部が、遥か離れた「和紙」の里越前の武生に移住してきたのか。それはご当地の国司となった父の藤原為時の“転勤”に関わりがある。文才だけでなく、商才に長けた為時の実像が浮かび上がる。

<為時は、中級の貴族で、国司の中で実際に任地へ赴く“転勤族”だったそうで、996年一旦淡路の国(下国)の国司に任命されるが、当時の権力者・藤原道長に賄賂の手を使って、転勤先を越前の国(上国)の国守に変更してもらっている。はっきり言えば為時は、淡路の国(下国)には赴任したくなかったのだ。何故なのか。

当時、中国や高麗からの貿易船が日本にやってくる場合、海が荒れた時や海流の関係で、同船団が「越前や若狭」の国を母港とすることが多く、このため海外の貴重な特産品が国司のもとに届けられ、実入りは最高のものだったという>。

藤原為時一族は、中級の貴族ながら文才をもって宮中に名をはせ、娘紫式部自身も為時の薫陶よろしく、幼少の頃から当時の女性より優れた才能で漢文を読みこなす程の才女だったといわれる。

これも商才に長けたばかりでなく、父親の愛情として、物書きの娘に書き損じに幾らでも対処できる「和紙」提供の環境を与えたものといわれる。

<この為時の思いは、式部が後に書き始める「源氏物語」の中に、武生での生き様が生かされている。恐らく有り余る「和紙」を使い、後の長編小説「源氏物語」の大筋の筋書きをここで書き綴っていたのではないだろうか。平安時代の歌集で、紫式部の和歌128 首を集めた「紫式部集」の中に、武生の地で詠んだ「雪の歌」が4 首ある。

越前武生の地での経験が、紫式部に将来の行き方に影響を与えたことはまちがいない。と同時に式部は、国司の父親のお陰で結婚資金をたっぷり貯め込むことも成し遂げて、約2年の滞在の後、京都に戻り、27歳になった998年に藤原宣孝と結婚している>。

越前武生の生活は、紫式部にとり「和紙」との出会いを果たして、後の世界最古の長編小説への道を拓くことに繋げた事は、紛れもない事実であろう。

<紫式部の書いた「源氏物語」の原本は現存していない。作者の手元にあった草稿本が、藤原道長の手によって勝手に持ち出され外部に流出するなど、「源氏物語」の本文は当初から非常に複雑な伝幡経路を辿っていたという。

確実に平安時代に作成されたと判断できる写本は、現在のところ一つも見つかっておらず、この時期の写本を元に作成されたと見られる写本も、非常に数が限られているという>。
 
この歴史の事実と筆者の推論を抱きながら、「紫式部公園」に回り、千年前の姿をした高い式部像に対面してきた。

北京五輪の開会式の時、中国の古代4大発明の一つとして「紙」を絵画の絵巻をCGで描き、国威を高らかに示した。

この紙が7〜800年後に日本に渡り、「和紙」となった。その後、「世界最古の長編小説を書いた女性が日本にいた」ということについては、中国は勿論諸外国は知らない。

参考:ウィキペディア、: 青表紙証本「夕顔」 宮内庁書陵部蔵 
(加筆 再掲) 

2020年07月30日

◆雀庵の「中共崩壊へのシナリオ(40」

“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red
Gables/150(2020/7/27/月】久し振りに生田緑地を散歩したが、花菖蒲と紫陽花が咲き終わり、向日葵はまだなので、花の気配はなかった。その代わりに高さ30mほどのメタセコイア(スギ科)が50本ほども林立している池端は圧巻だった。



その森の奥の方で大きなテーブルに集っている人がいる。キャンプ気分でランチを楽しむのかなあと、よく見ると、乙女が5人・・・うーん、シュールだなあ、「草上の昼食」・・・脱ぎだすのか・・・いよいよ俺も幻覚か? 茫然と見ていると・・・ナント、3密回避の屋外美容教室だった。



<訪問美容はサロンワークとは違ったやりがいを感じられます。
私たちのお客様には、色々な方がいらっしゃいます。施設内での日常生活に退屈されている方。ご家族の来訪が少ない方。まわりに気兼ねなく、お話できる人がいない方など。私たちは毎月定期的にお伺いするのですが、その時間を心待ちにされている方も少なくありません>(訪問美容グラシス)



すごいなあ、「いつまでも美しくありたい、お喋りしたい・・・」、3姫は車椅子だった。ニーズがあればビジネスが生まれ、さらにニーズが開拓され、ビジネスが大きくなる・・・



<待つ美容師から、訪れる美容師へ! 理美容室の数はコンビニの5倍! 若者ターゲットから訪問美容へのシフトで差別化を!>(介護美容研究所)



みんなタフ!「もうボクは付いていけません・・・けど、I have a
dream、鬼畜中共、撃ちてし止まん!」、ほとんどビョーキ、ステージ4、今日も前進だあ!



閑話休題。天に向かって真っすぐに伸びているメタセコイアの姿は神秘的であり、ドイツのケルン大聖堂は70m超の高さになるドイツトウヒ(マツ科)の森や、両手を合わせて天に祈る姿をモチーフにしたという説がある。



ドイツトウヒはクリスマスツリーに使われる樹木だからキリスト教とは縁があるわけだ。



WIKIで調べたら、このケルン大聖堂、1880年8月14日に初代ドイツ皇帝ウィルヘルム1世臨席の下、完成祝賀式典が催された。当然、宰相ビスマルクも同席したはずだ。(皇帝は普遍性のある大黒柱、スタビライザーだから当時の欧州では推戴する国が多かった。名門の貴種は大いに珍重されたという)



1873年3月、訪欧中の岩倉使節団はベルリンにおいてビスマルクに接し、「日本も大いに富国強兵せにゃならん」と発奮したが、80年代になるとリアリストのビスマルクは“君子豹変”したのである。



伊藤貫氏の「歴史に残る外交三賢人」から。



<1873年3月、訪欧中の岩倉使節団を接遇したビスマルクは、実は「果敢な武断主義者」から「慎重で避戦的な勢力均衡主義者」に移行している最中であったが、彼はそのことを岩倉使節団に説明しなかった。



たとえ説明したとしても、当時の日本人には理解されなかったろう。「バランス・オブ・パワー/勢力均衡外交」は、17〜19世紀の西欧外交史に関する質の高い知識がなければ理解できないものだからである>



小生思うにビスマルク自身もドイツ帝国樹立後、間がないので、「守勢=防衛戦における勢力均衡外交」の在り方を模索していた時期ではないか。



攻守あれど戦争や競技は物量戦(ハードパワー)と同時に頭脳戦(ソフトパワー)だから、当たり前ながら戦略、戦術、作戦が非常に重要になる。例えば、



ボクシングのタイトル奪取の戦いは、挑戦者は1点でも上回れば勝者になれるからひたすら攻撃する(体力消耗リスクが大きい)、一方でチャンピオンの防衛戦は同点でもタイトル防衛になるから、挑戦者の攻撃をかわしていればいいし、挑戦者がへとへとになったところで乾坤一擲、渾身の一発で大逆転も可能だ。



現世王者ジョージ・フォアマンと無冠の伝説王者モハメド・アリ(挑戦者)が対戦し、アリが劇的な逆転KO勝利をおさめた「キンシャサの奇跡」(世界統一ヘビー級タイトルマッチ、1974年)は、攻守所を変えていたが、アリはまさに上記の戦い方だった。小生も先生もみんな授業をおっぽり出してTV観戦したものだ。



スポーツのみならず「血を流さない戦争=外交」「血を流す外交=戦争」における戦略、戦術、作戦は非常に重要なのだ。



「こうすれば、こうなるものと、分かっていながらそうなった」・・・個人の失敗は「アハハハ、みんなそんなもだよ」で済むが、戦争はそうはいかないから、しっかり学ばないと50年、100年、惨めな思いをする。「後の祭り」はもう沢山だ。



<明治から昭和期の日本人は、1862〜70年の(ドイツ帝国樹立時の)ビスマルク外交には大いに関心を払い、果敢で武断主義的な戦略を一所懸命に模倣したが、その後の帝国宰相期(1871〜90年)の慎重に熟慮された巧妙な勢力均衡外交には、ほとんど興味を示さなかった。



ビスマルクは1871年1月に帝国を創立した後は、一切の拡張主義的な行動を断念するようになった。1880年代、ドイツ陸軍が世界一強力な戦力を獲得し、周囲の大国を撃破して領土拡大できるようになっても、「鉄血宰相」ビスマルクは、「勝てる戦争をやってはいかん、ドイツには戦争は不要だ。これ以上勝ってもドイツの長期的な国益にはならない」と避戦主義の立場を堅持したのである>



祭りでみんながノリノリ、ワッショイワッショイのときに100人神輿を止めるなんてできやしない、「踏みつぶすぞ、この野郎!」、弾き飛ばされてしまう。ビスマルクは「私は正義病」のドイツ国民の怨嗟の的、罵詈讒謗を浴びたのだった。



苦しくなるとビスマルクは年下の皇帝に愚痴をぶつけ、床に寝転がってジタバタ、大泣きする、皇帝はオロオロし、「たとえ朕一人でも最後までお前を信じている」と慰めるのだった。全く絶妙なコンビ、天の配剤だったなあ。皇室制度はあった方がいいのである。(つづく)

◆地動説と宇宙人

北村 維康

その昔、人々は天動説なるものを信じてゐた。つまり。彼らの住む大地(地球)は宇宙の中心にあって不動のものであり、太陽も、その他の星々も、みな、人間様の住む大地に敬意をはらって、その周りをしずしずと運行してゐると、自然になんとなく考へてゐたのである。だから、見かけ上の宇宙の運行を定式化するには、恐ろしく複雑な数式を必要とした。


しかし、この漠然とした「天動説」について、「ホントにさうだらうか」と疑問を挟む人がゐた。それがコペルニクスである。彼は、もし地球が太陽の周りを周ってゐると考へると、全ての事象が矛盾なく説明できることに気が付いた。コペルニクスとガリレオはその理論をおずおずと発表したが、「そんなこと、有り得な〜〜〜い」と、物事を深く考へない法王、民衆などから総攻撃を受けた。

この天動説は意外にも根が深く、第2次世界大戦が終了した直後に出版された、長崎のレントゲン医師、永井 隆氏の著作にも、「いまだに地動説を信じてゐる人がゐる」などと書いてある。おそらく彼の頭脳は、カトリックのキリスト教で凝り固まってゐたのであらう。

このやうに、人々が旧来の思想で固まることは、なかなか興味深い現象である。「宇宙人はゐるか、ゐないか」といふ、人口に膾炙した問題についても、それは言へる。そのことは、一歩下って、「我等地球人も、宇宙にゐるのだから、宇宙人である」と考へれば、まだ考へ方に余裕がうまれるだらうが。

しかし、コペルニクス的に考へるならば、「この広い宇宙に、生物は我等地球人のみである」と考へることは、如何にも視野が狭い。そこで「宇宙探検思想家」を自認する私としては、地球の古代遺跡をも含めて、宇宙人の痕跡を捜すのである。すると、あったあった、宇宙人らしきレリーフが、遺されてゐた。

話は飛ぶが、私が通学した大学の、計量経済学のゼミの先生は、実は天文学のご趣味があったと言ふことを、卒業して大分経ってから知った。先生はすでに物故してをられたが、私は「いいとこあるな」とうれしかった。

確かに、経済学も真理を探究する科学の一つであるから、天文学とも共通点があるはずである。しかし、興味を持つか否かは、また別問題である。


日本語の諺で、「蓼(たで)喰ふ虫も好き好き」と言ふのがある。蓼とは、「あかまんま」のことだ。英語では、"There
is no account for
taste"といふ。興味のない人は、水を飲みたくない馬と同じことで、河のほとりに連れて行っても、水を飲まないし、「これが宇宙人ですよ」と紹介しても、「フン」と横を向くかもしれない。しかし、その宇宙人が隣に引っ越してくれば、やがて一緒にビールを飲みだすかもしれないが。


◆共和党内をかき荒らしている

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月30日(木曜日)通巻第6602号  <前日発行>

 ペンシルバニア、ウィスコンシン、ミシガンは接戦州
  ネバートランパーたちが共和党内をかき荒らしている

 RVAT(REPUBLICAN VOTER AGANIST TRUMP=共和党員だがトランプに投票しない運動)を組織したのはジャック・スピエルマン(元陸軍サイバーセキュリティ・エンジニア)だ。
かれは一貫して共和党支持だったが、トランプが陸軍中将ヴィンドマンを解任して以来、バイデンに投票することを決めたばかりか、ほかの共和党支持者にもおなじ投票行動をおるように呼びかけ、五月にRVAT運動を始めた。

 六月、もっと大がかりな「リンカーン・プロジェクト」が始動する。
 これはブッシュ政権の高官が中心となって、かなり広範な呼びかけが行われており、ミット・ロムニーやジェブ・ブッシュといった、トランプに個人的に反感の強い人脈が母体となっている。

 もうひとつ、元ブッシュジュニア政権を担った共和党員たちが集合し、「アルミネ43」が結成された。
さらには「ブレイブリー・プロジェクト」が発足した。これら四組織以外にもトランプ反対運動が共和党員によってなされており、いずれも共和党支持者だけれども今回はバイデンに投票しようと、共和党のPACリストを元に、共和党集票マシンの分断を図る。共和党の選対から見れば分裂主義、裏切り者と映るだろう。

 すでにコーリン・パウエルや、アーミティジらは四年前にも50名が連名でヒラリーに投票するとして露骨なトランプ当選阻止を狙ったが、こんかいも同様にバイデンに投票することを呼びかけている。
 この動きに同調する共和党有力者が微増しているという。

 かれらはブッシュ親子がそうであるように民主党と深い根では繋がる、いわゆる「ディプステーツ」であり、もし民主党政権ができても、国防長官と財務長官は共和党系で占めるという伝統的な流儀にしたがっているように推測できる。

 年初まで共和党内のトランプ支持率は90%あって磐石だった。党内の反トランプの分派は、ごく少数で資金も集まらず、吼えるだけの存在として、まったく無視された。
 
 コロナ災禍で状況が激変した。
 共和党内でトランプ反対(ネバートランパー)と言われる人々が急増するようになった。 党内でトランプ支持が78%にまで急落した。これは失業率の増加に比例した。

 とりわけペンシルバニア、ウィスコンシン、ミシガンは前回トランプが辛勝し、ここでヒラリーをひっくり返したが、2020年大統領選挙では、この三州をうしなうとトランプは極めて危ない情勢となる。

 ネバートランパーらは、この三州に集中する行動に出た。集まった資金の大半を、テレビCMに注ぎ込み、バイデン支持に乗り換えるよう共和党支持者に訴えるという想定外の政治宣伝を始めたのだ。

 ネバートランパーの組織にはウォール街の非主流派や、ニューヨークのファンド筋から10万ドル単位の資金が寄せられ、RVATは1300万ドルを集めて、勢いづいた。彼らは同時に、選挙に弱い共和党議員への攻撃も開始した。

 メイン州のスーザン・コリンズ、コロラド州のコリー・ガードナー、モンタナ州のスティーブ・ダイネス(いずれも上院議員)。トランプ政権は、現在上院が過半数ゆえに助けられているが、上院が民主党多数派にひっくり返ると、防衛外交政策に反対がなされ、政策実現が流動的となる。
 それもこれもあれも、みんな武漢ウイルスの所為だと中国への反感はますます募る。
☆○▽◇み◎○△□や○△□◇ざ◎○△□き△□☆☆  
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)あれほど異論の多かったMMTが武漢ウイルスの件で世界を席巻しだしたと言っては言いすぎでしょうか?
それなのに経済の専門家はなぜかダンマリの様子です。
 そこでこれからの世界経済をMMTが主導することを予想し、私はMMTのメカニズムを素人の目で、且つ自分の頭で検証してみようという気になりました。
 A)まずMMTとは何かについてですが「奇跡の経済教室」(中野剛志著 KKベストセラーズ)には下記のような説明になっています。
(1) 政府は通貨を決定する。(2)
国民にその国の通貨単位で計算された納税義務を課す。(3)政府は通貨を発行し、租税の支払い手段として定める。
以上から通貨には納税義務の解消手段としての需要が生じる。こうして人々は通貨に額面通りの価値を認めるようになり、その通貨を民間の取引の支払いや貯蓄などの手段として利用するようになる。こうして通貨が流通するようになる。

B)以上を起点として、わたしは以下の如く考えを巡らせて行きました。
1)と云う事は・・・政府は自分が必要とする通貨を自分で印刷している。誰も無から有を生み出せない。つまり政府は自分で通貨を印刷することで価値を創造しようとしているのではなく、通貨を富(価値)を徴収する手段とみなしているのだ。→
 2)と云う事は・・・通貨の価値はその国内・社会で”流通”している価値と同一以上である事、つまり通貨の額面より富の価値は低くあってはならないと政府は考えるはずだ。→
3)と云う事は・・・通貨は少なくとも額面通りの価値(富)を運んでくれない(吸い上げてくれない)と政府は困るのだ。→
 4)と云う事は・・・「きちんと通貨が価値を政府に運んでくれる(吸い上げてくれる)限り、国民に納税を求める必要はない。つまり通貨価値の下がるインフレは政府にとって好ましくない。→
 5)と云う事は・・・政府は一方で通貨を増刷し続けることで通貨価値を下げてしまうインフレ策を実施していることになり、これは矛盾である。→
 6)と云う事は・・・通貨を印刷することで、インフレという欠点を補う十分なメリットが無くてはならない。それには「通貨増刷に伴い、人工価値(実社会における富)の増大を促す」ための何らかのメカニズムが用意されねばならない。それは「インフレ率<経済成長率」と云う事だろう。
 7)このスタンスは政府ばかりか民間も同じだ。インフレでもそれ以上の人工価値(富)の増大が得られるのであればこそ、「無税国家」の恩恵がえられるはずだ。(補足)仮に価値総量と通貨量が一定(仮にそれぞれ100とする)の国家では、政府が100通貨量を増やせば、国内通貨量は200になり、それ以前に国民が有していた100通貨に相当していた価値量は半減してしまう。つまりこの場合経済成長で価値量が100増えて200になればこそ、国民の保有していた通貨価値は守られる。→
 8)もう一つ問題・・・MMTでの財政のなかで社会福祉が『充実』しすぎるとどうなるかだ。つまり失業者が生活に必要なマネーを政府から常に支給されれば、人間は働く必要(目的・意欲)がなくなる社会になろう。
 9)と云う事は・・・誰も働かないのに人間が食べて行ける社会が出現することになる? でも、例えば食料は誰かが創らねばならない。誰も働かなくなる社会で経済成長がインフレ率より高くなるのか?
 10)更に・・・「国債をどんどん発行してゆくと国民の資産がそれだけ増える。民間貯蓄が増える」と日銀雨宮副総裁は国会で答えたと2019.9月号クライテリオンは肯定的にかいている。でも政府が通貨をどんどん発行して行くと国民は働かなくても金持ちになってしまうのか?
 もし社会・国家の価値総量が一定であれば通貨量が増えれば国民の貯蓄額はどんどん減耗(目減り)することにならぬか?国民は働かなくてもいい社会なのに、経済成長率をインフレ率より高くするなんて可能か?成長に必要なイノベーションは生まれるのか?
 11)つまりMMT理論は貸借対照表的には、それなりに筋が通っているが、全体を流れとしてみると、時間軸のある損益計算書的には正しい理論ではなさそうだ。そうではないとするためには「通貨がどんどん発行されると国民は(勤労意欲を失うのではなく)成長率>インフレ率となるよう更に働くようになる動物だ」という「メカニズム」が必要となるし、「通貨は価値を誘引(呼び水)する手段(道具)であり、この”呼び水効果“は永続するモノだ」という定理も必要となろう。
 12)それではMMTが国の為になると言えるようにするためにはどうすればいいか・・・
 (a)健全な理由なくして働かない国民にはいかなる補償も行わない事、即ち人は働かなくては食べて行けない・生きて行けないという制度を堅持する事。
(b)通貨発行額の上限を、「国家の失業率ゼロを目指した政策」を大前提に設定する事。
(c)その発行された通貨の相当割合は、補助金ではなく減税還付金という形で使用され、発行された通貨はヘリコプターマネーのように国民に直接交付することは避け、 経済政策の最高位の目的である雇用確保へ貢献した企業などへ付与されること。
 (d)この減税は社会に付加価値を創出するために貢献し且つ雇用の確保に貢献した(税金を支払った)黒字企業に適用されること。
 (e)企業などへの減税額は規模・役員賞与総額・納税額などを勘案しつつも、根幹は雇者人数により厳格・適性に決められ、企業の実雇用者数と減税還付金額は公表され「社会貢献企業」とみなされること。
(SSA生)

◆「馬」の渡来地先は四條畷市

毛馬一三


わが国古代王朝の威光を軍事面で支えた「馬」の渡来終着先が、なんと大阪府四条畷市であることを知らされ、ビックリした。

大阪湾(古代は難波津)に接している大阪柏原市に鉄技術、堺市に土器焼成技術が古代に朝鮮半島から渡来していたことは知っていたが、まさか生駒山系が迫り、大阪湾と些かも面していない四条畷市が、「馬」の渡来終着地だったとは夢にも思っていなかった。

ところが、先般四條畷市主催の会合で、古代王朝や豪族たちの権力の象徴となる「馬」の渡来先が四条畷市で、これを証明する「蔀屋北遺跡(しとみやきたいせきあと)」が、四條畷市にあることを知らされたのだ。

四條畷市の西にある現在の寝屋川は、古代には難波津に繋がる海路ルートとなっていた。しかもこの海路の条件と、清い水と牧草に恵まれた肥沃大地の馬飼いの環境が見事に合致したことから、ここが朝鮮半島からの渡来先の終着地になったらしい。

しかも、四條畷を南北に横たわる生駒山系を越えれば、比較的なだらか下り坂となり、「馬」に負担を掛けず「大和」へ供給できた立地の良さが王朝・豪族に認められ、四條畷(当時・讃良)を「馬」の機動力を軍事制度に組み入れる「馬飼いの里」として定着させたという。

朝鮮半島からは、比較的穏やかな初夏の海に「馬」を乗せた丸木船を2ヶ月かけて、玄界灘から筑紫(福岡)・豊浦(下関)・瀬戸内海、そして大阪湾(難波津)を経て、河内湖から寝屋川を通じて「蔀屋北遺跡」に辿り着いている。「馬」に同伴してきた渡来人もここに定住したそうだ。

そう云えば、「国内最古 馬の乳歯 四條畷」という記事が出ていたことを思い出した。

四條畷市の「蔀屋北遺跡」で、国内最古となる5世紀中頃の馬の乳歯が2頭分、大阪府教委の調査で出土した。2〜2歳半とみられ、同時期の遺跡で、若い馬の存在が確認されたのは初めて。

同遺跡は、国内で初めて馬を本格的に飼った牧場とされ、府教委は「朝鮮半島から子馬を船に乗せて連れてきたか、生まれた子馬を飼育し、軍馬として増産したとみられ、国内最初期の馬生産の実態がわかる」としている。


3世紀の中国の史書「魏志倭人伝」に、日本に馬はいないと記されており、5世紀頃、朝鮮半島から馬と乗馬の風習が伝わったとされる。(略)
松井章・奈良文化財研究所埋蔵文化財センター長(動物考古学)は「乳歯はもろく、「蔀屋北遺跡」からの出土は珍しい。馬飼が、大規模に馬を生産していた様子がうかがえる」と話している。

たしかに「蔀屋北遺跡」とその周辺から、これまでに丁寧に埋葬された馬の骨(性別は不明)や永久歯計約500点、それにアブミ、鹿角製のハミ、鞍などの馬具も出土している。総数26基の井戸も発掘されており、このうち7基は、「馬」運びに使った舟を転用して、井戸枠を作っているのが分かっている。

その船は、西都原式といわれる準構造船で、実物が日本で初めてこの「蔀屋北遺跡」で発掘されている。復元船は、全長10b、幅1b、10人乗りの船。航海は2ノットぐらいの速度の船団だったと専門家は説明しているが、果たして1隻の船に一体何頭乗せて来たかは明らかではない。

四條畷市の「馬飼いの里」で繁殖された「馬」は、王朝や豪族の間で軍事・通信・運輸の活用に重用され、いわゆる権力誇示の証とされた。それだけに四條畷市の「馬渡来の終着地」の意義と「馬飼いの里」からの「馬」の供給価値が、権力側から高く受け入れられていた。

しかし文武4年(700年)になると、天皇に献上する公の牧場が諸国に作られ始められるようになり、そののち平城京遷都の時には、騎兵500人が威儀を正して行進し、「馬」が国家の資としての威容をみせつけている。

こうした時代の変遷のともない、平城京遷都の頃には、四條畷市の「馬渡来の終着地」の役割は終焉し、「馬飼いの里」は姿を消したという。

名所旧跡の多い大阪四條畷市では、こうしたあまり知られていない歴史を積極的に広報して、まちへの集客へ繋げる「観光政策」に力を入れたいそうだ。(了)
 参考―四條畷市立歴史民族資料館刊「馬は船にのって」   

2020年07月29日

◆台湾は本当に戦えるか

Andy Chang


AC 論説No.798 

前の記事(No.796)で台湾は非常に重要だと書いて、次の記事(No.797)では総体戦に終わりはない、米国は中国共産党(CPC)に宣戦布告したと書いた。この記事でアメリカの敵は中国人民でなく中国共産党であるとも書いた。これに続いてアメリカはヒューストンの中国領事館の閉鎖を命じ、中国は報復として成都のアメリカ領事館の閉鎖を命じた。総体戦はエスカレートしている。

米中間の総体戦における東南アジアの焦点は台湾である。日本と米国メディアに加えて香港や台湾でも中国軍の台湾侵攻について様々なシミュレーションを書いている。
これ
らの記事で注意すべきは東南アジアで軍事衝突が起きても日本は介入せず、想定した軍事衝突はもっぱら中国の台湾攻撃と台湾の反撃、米軍の出動で中国の台湾侵攻を撃破す
るなどである。アメリカの国会は台湾防衛法を通し、米国の議員や閣僚の台湾訪問を許可する法案を通した。米国は中国の台湾併呑を絶対に阻止する決心を表明した。

ところが台湾でも様々な討論があるけれど、肝心の「台湾は本当に戦えるか」と言う疑問を提示し討論することがない。アメリカは台湾にF-35
やミサイルを提供し、日本も
F-35
を140機導入すると報道した。模擬演習では台湾の陸海空軍が米軍と日本軍と合作できるようになっている。しかし台湾軍の武力を誇示しても軍隊の訓練程度や実戦における戦闘能力について書いた記事はほとんどない。台湾軍は本当に中国と戦えるかという一抹の疑問がある。

一抹の疑問とは台湾内部に中台統一を主張する外省人や中国から潜入してきたスパイがいるからだ。戦争になったら彼らがどのような動きをするか、第五列の撹乱、軍隊の裏
切りが起きる可能性など、それを防止する方策が国民に知らされていない。米国の提供する最新武器は十分であっても兵士の訓練程度と戦力の評価、予備役軍人の戦力と士気
も不明だ。

台湾の軍隊は今でも中華民国の軍隊である。司令官や上級幹部は殆ど外省人である。もし中国軍が上陸してくれば台湾兵は戦うかもしれないが、敵に内通するものや降参する
上級幹部が出てくるかもしれない。

要するに(1)台湾人は中国人ではないという民族意識の違いと、(2)台湾は中国の領土ではないという本土防衛意識の違いである。

もっと大切なことは蔡英文総統が本気で台湾を守るのか、それとも降参するかである。

蔡英文の民族意識と本土意識について疑問を持つ人はかなり多い。民進党の態度も不明瞭である。蔡英文は今は民進党の党首だが、彼女の博士詐称と詐称カバーアップを援護
したのは蒋介石系の官僚である。行政、司法、立法のトップが全て蔡英文の腹心部下で占められている。民進党も蔡英文独裁に加担している。

台湾人は蔡英文を信用していない。国民の大半は蔡英文の学位詐称とカバーアップを知っている。37年も嘘を吐き通した人が台湾の総統なのだ。彼女が本気で台湾を防衛するか、または降参するか、誰もわからない。アメリカは台湾の現状を知悉している。

武器を提供すれば機密がすぐ中国に渡ることも知っている。

台湾は米国、日本、東南アジア諸国と国交がない。武力交戦になった場合の台湾軍と米軍の連携について訓練したことがない。

国交関係がないので軍事行動で共同作戦をする訓練が不足している。台湾が侵略されても台湾軍と米軍や日本軍の合作が取れないのは致命的欠陥ではないか。

米軍はどれだけ台湾軍を信用できるか。ポンペオ国務長官は台湾海軍が米軍の空母タスクフォースの演習にオブザーバーとして参加する提案をした。

台湾と国交を回復する動きを示唆したが実現はまだ遠い。

以上に書いた諸問題は台湾人が自分で討論し改善しなければならない問題である。米国や日本は問題点を提起するだけ実地の調査はできない。

台湾問題は国民全体が調査、討論、改善しなければならない。軍隊の戦力や士気、政府不信、外省人の台湾意識、軍隊の訓練程度、国民の厭戦気分と第五列の国内撹乱、調査すべき問題はたくさんある。

台湾人はこれらの問題について真剣に自己評価しなければならない。台湾は本当に戦え
るか。国民全体が満足できる結果を発表してこそ諸国に信頼される台湾になれるのだ。

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at 07:58 | Comment(0) | Andy Chang

◆金価格。史上空前の1937ドル60セント

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)7月28日(火曜日)通巻第6600号 

「米ドル安、香港ドル高がつづく」とジョセフ・ヤム(元HKMCトップ)
 金価格。史上空前の1937ドル60セント。先行きの「ドル安」が見えた  

ジョセフ・ヤム(中国名=任志剛)は国勢金融界では有名人である。日本でも金融ビジネスに携わる人なら、たいがいは聞いたことのある名。1993年から2009年まで、香港通貨当局のトップにあった。
ということは1997〜8年のアジア通貨危機と2008年のサブプライム危機に遭遇し、香港ドルを守った「功績」がある。現在も閣僚級として林鄭行政長官の財政アドバイザー。72歳。

さて問題は、この任志剛が、「次の異様な金融危機が視野に入った」と発言していることである。任によれば、1997〜8年の「アジア通貨危機」は強欲資本主義の投機筋が仕掛けてきた「グローバル金融の危機」であり、HKMCは、1180億HKドルを投入して投機筋に対応した。

 「2008年、リーマンショックによる金融危機は「『国際金融文化』の危機だった」と任志剛は分析してみせる。

 ならば次の金融危機が視野に入ったとする理由は何か。
 「米国のゼロ金利が向こう二年続くとすれば、ドル安に傾くのは当然であり、一方でドルペッグ制のHKドルは、ドル預託の安定通貨であるために買われる。4月以来、29回HKMCは香港ドル高を防ぐために介入し、1093億ドルを投入した。中国のユニコーンのHK市場への上場が重なり、香港の株式市場に夥しい資金が投下されたためだ。このため米ドルが弱含みとなり、香港の金融収支における入超は140億HKドルに達した」(サウスチャイナモーニングポスト、2020年7月27日)

 同日、金価格は2011年九月につけた最高値1923ドル70セントを越えて、史上空前の1937ドル60セントを更新した。
日本の小口投資家に人気の高いウィーン金貨(1トロイオンス)は田中貴金属の店頭表示で238566円(税込み)。一年前は14万円台だった。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)宮崎正弘さんが『夕刊フジ』に書かれて提唱された『鎖国の薦め』は、下記に再掲載されています。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200725/dom2007250005-n2.html
   (ST生、大宮)



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(読者の声2)ただでさえ破綻的状況にあった日本財政ですが、最近のコロナ対応支援政策によって、ますます危機的状況を深めているように思われます。
 しかしながら、それにもかかわらず、今のところは財政破綻の兆候は見えず、本日(7月27日)のドル円レートは、106円を割っていますね。
 財政破綻を否定する理論?として、国の負債は貸借対照表における純債務で見るべきだとか、さらにはMMT理論だとかの主張があるようではありますが、小生は、赤字国債は、結局は、将来の徴税可能性が担保になっているのであって、いずれは増税か、それが不能なら、実質的増税である高率インフレによって、その累積が解消されることが必然だと思っています。
 『週刊ダイヤモンド』7月25日号を見ると、「金融市場異論百出」なる頁で、「コロナ中に世界は財政再建議論」「『増税・歳出削減』驚異の実態」という見出しで、英国では、もう既に、財務省で、巨額の国債を返済するため、増税や年金支給額に物価スライド停止、公務員の賃上げ凍結などが検討されていること。
 国会議員に対する5月の調査によると、72%の議員が増税が必要だと回答。英国民の77%がコロナ対策を賄うために所得税率の引き上げを受け入れると回答したことが紹介されています。「財政資金をばらまいたからには皆で負担せねば」という感覚のようだと述べられています。
 米国でも、特にコロナ禍で税収急減に直面している地方政府では、公務員や教員の削減による歳出カット、不動産税の引き上げ等の増税を「既に」実施した都市が出てきており、計画中の都市、州が増えていることを紹介しています。
 英財務省の「検討」については、国民に危機意識を持たせるために同省が意図的にマスコミにリークした可能性が高いと言われているとは言え、わが国の状況とはかなり様相を異にしているように推察されます。
 わが国においても、財政正常化論が出てくると、すぐにこれは財務省による策謀だと一蹴する論者も多いのですが、家計と公財政を一律に論ずるべきではないとは言え、やはり「借りたものは、いずれは返済されるべし」という原理を否定することはできないのではないでしょうか? 
 わが国の症状では、もう増税によって解消できる域ははるかに超えていると言わざるを得ないでしょうから、わが国においては、いずれは高率インフレという実質的増税となる可能性が高まってきているのではないかと、私は考えています。
 もっとも、インフレ化ということは、金利上昇、国債価格下落につながるということですから、大量の国債を保有する日銀の大幅債務超過化は必然ということになります。そして、それが現実になれば、日銀券(通貨YEN)の暴落ということになるでしょうから、仮にそれによって輸出が振興されるとしても、輸入品(原油、食料等)の価格上昇につながり、インフレ化を加速することになるでしょう。
私のつたない経済知識では、上記の展開が必然のように思えるし、その他の変動要因として首都直下型、南海トラフ大地震の発生を予期せざるを得ないでしょうが、これも従来の神戸震災、東北震災後の展開とは異なり、震災直後はともかく、その後は、巨額の復興事業のための国債大量増発が、上記の流れを加速させることになるのではないだろうか。
 当面の指標としては、先週でオンス1900ドルを超えたGold
が、今週以降、どういう展開をするのか、そしてドル円相場がどう推移していくのか、に注目したいと思っています。本日も105円台の円高が継続していますが、Gold価格は、国内、NY先物市場ともに、新高値を更新しています。 
  (椿本祐弘)



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(読者の声3)アメリカの混乱は続いていますが、アメリカの歴史について書かれた本を読むと最初から分裂していたのが独立戦争でなんとかまとまったものの南北戦争で亀裂があらわになり、北軍勝利の後の南部は北軍という進駐軍に法律から教育まで変えられ、それ以来ヤンキー(北部人)の価値観がアメリカの価値観とされてきたことがわかります。
それでも南部は北軍の占領が終わったあとはすぐに元に戻している。
南軍の先制攻撃により始まり北軍の容赦ない略奪と破壊、戦後の再建という名の価値観の押しつけ、すべて第二次大戦の日米戦に通じます。南部の人間が北部人をヤンキーと呼ぶときの侮蔑的かつ屈辱的な感情はいまだに残っているのでしょうか。
 17世紀にアメリカに入植したプロテスタントはいろいろな宗派がありますが、信仰の自由を求めてマサチューセッツに入植した清教徒の末裔などある種の選民思想
であり、地上に神の国をつくる使命感に燃え、価値観の合わない宗派は排斥、クウェーカー教徒など追放、再度侵入すれば死刑というほど。しかし家族単位での入植に加えて高学歴の都市民が中心でタウンミーティングなどすべては自分たちで決めるというアメリカの基礎を築いた。当時は子供を十人以上生むことも珍しくなくたちまち人口増加。後にはカリフォルニアまで宣教団を送り北部の価値観を植え付けた。
 他宗派からは傲慢・押し付けがましいと批判されながらも聖書中心主義から識字教育に力をいれ聖職者の養成も兼ねたハーバード大学設立は1636年、エール大学は1701年。カトリック教会の聖職者は権力欲にまみれた強欲な守銭奴であり、カトリックの信者は無知蒙昧な貧乏人というイメージ。
とくにスペインはバチカンによるプロテスタント弾圧の尖兵として憎まれ、さらにスペインの植民地ではスペイン女性の不足から混血が一般的で現代のヒスパニック嫌いにはカトリックであり人種の混交を嫌ったアングロサクソンの価値観が反映されているという。当時の英国で主流だったアングリカンチャーチ(イングランド国教会)は偶像崇拝であるカトリックのまがい物というのですから徹底しています。

 「11の国のアメリカ史」という本では南北戦争の危機が迫っていた時点でも南部の先制攻撃がなければアメリカが分裂していた可能性が高かったという。
旧オランダ領のニューヨークはアムステルダム同様、信教の自由も思想の自由もありさまざまな人種が混じり合う街だった。
さらにユダヤ人を拒絶せず、出版と貿易も盛んだったためハンザ同盟のような都市国家としての独立を模索していたとも。本家のアムステルダム同様ユダヤ人はキリスト教の良心とは無縁で奴隷市場が作られ、奴隷貿易はユダヤ人の得意分野ですから奴隷市場はユダヤの休日には開かれず、北部諸州が奴隷制度に反対するなか、ニューヨークは奴隷制度を維持し続けた。
 クウェーカー教徒は絶対平和主義かつ権威への反抗という日本の憲法9条教徒みたいな面があり、フィラデルフィアを中心とするペンシルベニアでは外敵の侵入になすすべもなく政治的には無能だったところも日本の左翼と似ています。
英国では全裸で教会に押し入る、糞便を身体になすりつけて通りを行進するなど奇矯なふるまいから危険視されたといいますが、宗教はウイルス同様に強毒性の過激派は淘汰され弱毒化していく。日本で有名なクウェーカー教徒といえば第二次大戦後に皇太子殿下の家庭教師となったバイニング夫人がいます。
絶対平和主義者を皇室に配したのはGHQの思惑だったのでしょうか。他にはヘンリー・ストークス氏がいますが、クウェーカー教徒であっても、軍隊や国を護るために命を捧げた人を顕彰するのは大切であるとして靖国神社の参拝も行っています。ストークス氏はプランタジネット朝エドワード1世の末裔といいますから、家系は13世紀に遡る名門です。クウェーカー教徒は奴隷制度に反対し男女の平等を認め、他宗派にも寛容だった。
そのためペンシルベニアから西部に向かってドイツ系や北欧系などさまざまな宗派の人々が入植し、現代文明を拒絶するアーミッシュのような人々さえ尊重する文化が生まれたという。大統領選挙でスイングステートと呼ばれる州の多くがこの地域にあるのにも理由があったのですね。
  (PB生、千葉)