2020年11月08日

◆WTO事務局長選で韓国の候補者辞退へ

編集部サトシュウ


敗色濃厚で文大統領の面目丸つぶれ

世界貿易機関(WTO)の次期事務局長選挙に立候補している韓国の兪明希
(ユ・ミョンヒ)氏が、事実上辞退することがわかった。政府筋の話とし
て、「近く、兪明希氏が候補辞退の見解を発表すると聞いている」と中央
日報が報じている。

WTO事務局長選挙で韓国の兪氏が辞退へ

WTOの次期事務局長選挙をめぐっては、同じく立候補しているナイジェリ
アのオコンジョイウェアラ氏が大きくリードしていることが明らかになっ
ている。

オコンジョイウェアラ氏はナイジェリアの財務相などを歴任し、世界銀行
の専務理事も務めるなど、「兪氏より格上」とされていた。

兪氏は敗戦濃厚と見られていたものの、米国が最終支持度調査直後に「兪
明希氏支持」の意向を示したため、韓国政府はこれまで兪氏の辞退を保
留。しかし、EUがオコンジョイウェアラ氏の支持を決めるなどしたことか
ら、兪氏は撤退を決めたとみられる。


日本は10月26日に加藤勝信官房長官が、事務局長選への対応について「外
交上の理由から明らかにしない」として明言を避けていた。

しかし、兪氏は日本の対韓輸出管理の厳格化に対して強く反発し、WTO提
訴などを主導してきた人物であることから、日本政府は早々にオコンジョ
イウェアラ氏の支持を固めていた。

◆忍者「曾良」が松尾芭蕉に随行した

毛馬 一三


本誌に掲載した拙稿「芭蕉終焉(しゅうえん)の地って?」の第2弾。

上記拙稿とは、松尾芭蕉の「終焉の地」が大阪・南御堂向かいにあった花屋仁左衛門の離れ座敷であったことや、辞世の句といわれる「旅に病で夢は枯野をかけ廻る」を、この座敷の床で亡くなる4日前に詠んだものであることを、筆者は不覚にも知らなかった。それを偶然このことを知る機会を得たことから、驚きに見合って綴ったものだった。

芭蕉は、大阪などで死ぬなど夢だに思いもせず、早く床払いをして好きな旅を続けたいとの気持であったと、様々な文献が記している。

だが、思いもよらず病(食中毒といわれる)は悪化、意に反して終焉を迎えるのだが、見守る弟子たちの顔を眺めながら「死」が迫るのを悟り、幸せな生涯だったと瞑目しながら、逍遥と死の旅についたようだ。

冒頭の拙稿に、「頂門の一針」主宰の渡部亮次郎氏から下記の寄稿頂いた。

<深川・芭蕉記念館 は拙宅の近くです。徳川家康が江戸に入った頃の深川は、ほとんど海だった。江戸の発展とともに新たな市街地、農地が必要となり、土地の開発が始まった。大阪からきていた深川八郎右衛門が新田を開発、慶長元年(1573年)深川村と称したのが始まり。

江戸の下町と言えばなんと言っても深川。出発地は都営新宿線森下駅。駅を出て新大橋通りを浜町方面に5分ほど歩いていくと隅田川にかかる橋が見えてくる。これがこの通りの名前になっている新大橋。橋の手前の十字路を左に曲がりしばらく歩いていくと、最初の目的地「芭蕉記念館」がある。

芭蕉は、延宝8年(1680年)江戸日本橋から深川の草庵に移り住んだ。元禄2年(1689年)3月、曾良を伴い奥の細道の旅に出発した。「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」で始まる奥の細道。岐阜大垣までの2400キロの壮大な旅。

「芭蕉記念館」には 当時、芭蕉が着ていた袈裟を初め芭蕉庵を模したほこら、句碑 などがある。記念館の裏木戸を出るとそこはもう隅田川のほとり。川沿いの道を左に少し歩いていくと史跡庭園があり、芭蕉像や芭蕉庵のレリーフがある。 先日来日した李トウキ前台湾総統もご覧になって行った>。

この寄稿を読ませて貰った時、芭蕉に纏わる新たな衝撃が脳裏を駆け巡った。それは、<徳川家康が江戸に入った頃の深川は、ほとんど海だった。(そんな未開発の深川だったが、その深川から)元禄2年3月、「曾良」を随行して奥の細道の旅に出発した。(略)岐阜大垣までの2400キロの壮大な旅>というくだりである。

江戸から東北、北陸地方を150日間で踏破した2400キロ(600里)の道程を踏破したと言うが、とんでもない距離だ。単純に計算すると1日16キロ歩いたことになる。だが当時の旅はそんな生易しいものではない。

江戸時代の元禄期といっても、 江戸から東北、北陸地方には、のんびり歩き通せる平坦な道が整っていた筈はない。ほとんどが山道・峠道であり、山を越えるしか方法はなかった。

筆者も、数年前福井の江戸時代以前からある「鯖街道」を歩いたことある。山道の勾配は天地の差ほどの高低を繰り返し上り下りした。山道もない場所は絶壁を横切るしかない。ましてや橋はほとんどなかった。大雨で河が氾濫、足止めを食うことも日常茶飯事だったろう。

「奥の細道」によると、2人は何と1日に48キロ(12里)を 歩いた日があったという。幾ら昔の人が健脚だったとはいえ、老齢の芭蕉(46)と随行者曾良(41)が、そんな長距離を1日で踏破できたと考えるだけでも、驚きが渦巻く。

だから、ここから「第2弾」を書きたくなったのだ。

つまり芭蕉は、こうした異常な歩き方の速さや、伊賀の上野の生まれであることから「忍者」ではなかったかと論じられてきた。それはまた別の機会に譲るとして、ここで気になるのは、むしろ芭蕉の弟子扱いをされた、「曾良」の方だ。

「曾良」のことは、純朴な芭蕉の巡教なお供だという印象が強く、「忍者」だとはあまり知られていない。

調べてみると、こんな具合だ。

<曾良は、幕府とのつながりが緊密で、当時日光工事普請を巡ってあった伊達藩と日光奉行の対立を探る秘密裡の調べを、幕府が「曾良」に命じられたという。その目的と行動を秘匿するため、芭蕉の旅を巧みに利用したというのが、専門家の間では定説となっている。

その「曾良」は、さらに社寺や港の荷役の動きを調べる秘密任務も担っていたらしく、北前舟が立ち寄る日本海沿岸の港として酒田、瀬波、新潟、直江津、出雲崎、金沢、敦賀を丹念に秘索して回っている痕跡が残されている。

その秘索行動が、なんと芭蕉の旅の日程と、無理なく調合する形になっている事実が証拠なっているのには驚かされる。

きっと幕府からの支度金が潤沢だったため、俳句仲間の豪農や商人のお世話や句会の興行収入だけでは吟行生計が出来なかった芭蕉の懐具合が、この「曾良」の秘行任務を受け入れざるを得ないことになり、随行を認めたものであろうと専門家は指摘する>。

こう見てくると、「曾良」という旅の随行者は、芭蕉に接近して仮弟子に登用してもらい、巧に芭蕉を利用して、幕府隠密の任務を隠密裡に遂行していった紛れの無い“忍者”だったのだ。

芭蕉の終焉の時、「曾良」のその床の横には居なかった。公務を理由に葬儀にも参列しなかったという。やはり芭蕉に心酔して傍に連れ添った弟子ではなかったのだ。

果たして「曾良」は、芭蕉の死後、幕府巡見使九州班員に正式に身を転じている。
               (了)              参考・ウィキべディア
           

2020年11月07日

◆雀庵の「中共崩壊へのシナリオ(101」

“シーチン”修一 2.0



【Anne G. of Red Gables/201(2020/11/5/木】武者小路実篤の名言(迷
言?)には「君は君 我は我也 されど仲よき」なんてあるね。ロシア革
命(1917年)の影響で「貧富の差のない共産主義社会」幻想に取り憑かれ
たのだろう、「新しき村」運動を始めたりした。

全体主義独裁信奉の「赤」と、個人主義自由信奉の「白」が話したところ
で「されど仲よき」とは絶対にならない。


趣味の会や同窓会、町内会、自治会、近所付き合いなど市井の暮らしに
あっても政治と宗教の話題は(喧嘩になりがちなので)タブーだから、荷
風みたいに「銀座の風俗の変遷」とか「趣味」といった浮世離れした話に
する、それが無難だとなるわけだ。


古人曰く「まじめな話は暗くなる」。深刻になって、思い詰めて、やがて
は喧嘩したり・・・深入りするとろくでもない結果になったりする。小生
なら「君は君 我は我也 勝手に生きよう それぞれの道」、さっぱりし
たものだ。


アカはやたらと群れたがる。「連帯を求めるも孤立を恐れず」とか言うけ
れど、人海戦術で“人民の敵”を追い詰めるためだ。


小生は群れるのはもう沢山だ。今は加齢で耳は遠い、ヒッキーだからしゃ
べくり能力は日々劣化し、アジテーションどころか他愛ないおしゃべりも
苦痛になってきた。半分は棺桶の中で、そこから時々上半身を起こして世
間を眺めている・・・何となくプレーリードッグ。せめて「孤高の人たら
ん、やり残しがないように」という感じで生きている風だ。


ある映画監督が「男は兵隊、女は娼婦」の役をさせると見事なほどにキマ
ルと書いていたが、大昔、原始時代から男女の役割はそういうことになっ
ていたわけだ。生物にとって縄張りを拡大し、繁殖するというのは本能で
ある。


わが庭の植物も自分たちにとっていい場所、主に日当たりのいい場所を確
保するためにエゲツナイほどの競争をしている。邪魔な植物=敵の上に枝
葉を伸ばし、日照を奪い、敵を枯らしていく。綺麗な花を咲かせる花卉は
大体ひ弱だからやがて消えてしまう。日当たりの悪い場所にはそれでも生
きていける花卉だけが生息している。


「我にも正義、彼にも正義」、正義対正義の戦いを人間も繰り返してきた
が、世界を俯瞰すると「戦後体制=列強の戦争抑制」時代は終わり、内憂
外患の時代に急速に移り始めたようだ。



戦後体制の覇者であった米国は「自由民主人権法治」の価値観がまず国内
から地滑り的に崩れ始めたようである。FDRルーズベルト的な容共リベラ
ル≒アカモドキ≒アカの段階から「強権独裁のアカ≒ナチ」への道を急速に
辿りつつある印象だ。以下の記事はまるで悪夢、100年前のナチス、ソ連
の勃興期の様で、恐ろしくなった。


<長野美穂/ジャーナリスト著「メディアが隠す『トランプ支持者』多様
化の実態 民主党の牙城ロサンゼルスで見た驚きの光景」東洋経済2020/11/3


「ビバリーヒルズにトランプ支持者が集結してる。老若男女、あらゆる人
種がいる。とにかくすごいことになってる」。トランプ支持者の情報源か
らそんな電話があり、10月24日の土曜日午後3時に行ってみた。



ビバリーヒルズと言えば、ご存じ「ロデオドライブ」で世界的に有名な高
級ショッピング街だ(修一:40年前は表は綺麗、裏通りはゴミだらけだっ
た)。集結と言っても、せいぜい十数人のトランプ支持者がいるのだろう
と想像しつつ現地に着くと、とんでもない光景に度肝を抜かれた。



サンタモニカ大通りの沿道に大漁旗のような「TRUMP」と描かれた青い旗
が数百枚はためいている。少なく見積もっても1000人以上のトランプ支持
者が道を埋め尽くしていた


「あと4年!あと4年!」「USA! USA!」


大きな声がうねりとなって交差点に響き、通行する車がひっきりなしに
“応援”のクラクションを鳴らす。トランプ旗と「アメリカ・ファースト」
サインを大型トラックにつけて走る男女や、巨大なトランプ旗で身体を包
んで歩く若者など、まるで7月4日の独立記念日のパレードのようなお祭り
騒ぎだ。


民主党の牙城のはずのカリフォルニア州ロサンゼルスに、これだけ多数の
トランプ支持者が存在していることに驚愕する。目を見張ったのは、彼ら
の多様性の豊かさだ。トランプ支持者は中高年の白人男性――そんな定説を
打ち崩す光景がそこにあった。


「ベトナム系アメリカ人たちよ、トランプに投票しよう」という旗がつい
た小型飛行機が上空を飛ぶ。その下の沿道にはLGBTQの象徴である「レイ
ンボー旗」が多数くくりつけられたブースがある。メキシコ国旗を持って
闊歩する褐色の肌の若者がいる。その横を「看護師は警察官の味方。トラ
ンプはまだ私の大統領」という文字が描かれたSUVを運転して手を振る白
人女性。


「トランプを支持するサーファーたち」と書かれたサインを持つ男性の横
を「Women for Trump」のロゴ入りのピンクのTシャツを着た女性が犬を連
れて歩く。サルサ音楽が流れ、踊り出さんばかりにノリノリの人々。


有名な「ビバリーヒルズ」サインの前は、白人、黒人、ヒスパニック系、
アジア系、老人、子供、中年、若者など、あらゆる人種、年齢の人々が集
まり、ごったがえしている


「こんなの、見たことない」。ルイ・ヴィトンの買い物袋を持った女性が
スマホでこの光景を写真に撮り、観光客を乗せた赤い屋根なしの観光バス
がトランプ支持者の海の中を走る。


これだけクレイジーな光景なのにテレビ局の取材班はまったくいない。


「フリーダムが嫌いな奴は、とっとと中国に引っ越せ!」。そんなメガホ
ンの声に合わせて、一同が「そうだ!」と叫び、トランプ支持者たちが一
斉にロデオドライブの商店街を行進し始めた。多くの人がマスクをせずに
大声で叫んでいる。新型コロナウイルスのスーパースプレッダーになりう
る集会だ。



近くに寄って写真を撮りたいが、さすがに感染が怖い。ギリギリの距離を
取って歩道の脇で写真を撮っていると、ロデオドライブのブティックで働
く黒人男性がこう言った。「僕は、大統領選はバイデンに投票するけど、
毎週土曜のこの光景を純粋にショーとして楽しんでる。長期のロックダウ
ンを強行したカリフォルニア州知事とロサンゼルス市長には僕も不満があ
るからね」。 


ロデオドライブではコロナ禍で閉店が相次いでいる。ヴィダルサスーン美
容室の看板がある店の中をのぞくと、がらんどうの空室になっていた。


別のブティックで働く黒人女性は「トランプに投票する女性がこれだけ多
数いるという事実が恐怖。女性をさんざん軽視してきたトランプによく投
票できるなと唖然とする」と厳しい顔をしていた。


そんな中、トランプ支持者のひとりは嬉しそうにこう語った。「大統領が
コロナに罹患した頃から、隠れていたトランプ支持者が次第に“カムアウ
ト”してきた。もうおそれて隠れなくていいんだという共通認識だ。何十
年も民主党が牛耳ってきたこの街で。これはレボリューション(革命)だ
よ」。


ラストベルトや「赤い州」(共和党支持)ではない西海岸のロサンゼルス
在住のトランプ支持者とは、いったいどんな人なのか。2人の支持者に
じっくり話を聞いてみた。
    

「私が今回トランプに投票すると伝えたら、妹2人が激怒して、口をきい
てくれなくなった」。サンタモニカ在住のジェシカ・アパリシオさんはそ
う語る。31歳の彼女は医療機器メーカーで働くメキシコ系アメリカ市民だ。


2016年のトランプ氏当選時、彼女はトランプ支持者ではなかった。「メキ
シコ国境に壁を作る。費用はメキシコに支払わせる」「ドラッグの売人や
レイピストの入国を防ぐ」。そんな公約を掲げたトランプ氏が当選する
と、ロサンゼルスのメキシコ人たちは激怒し猛反対した。


アパリシオさんも彼の当選に衝撃を受けた1人だ。「トランプはレイシス
ト(人種差別者)」。これがメキシコ人やメキシコ系アメリカ人の一般的
な共通認識だと彼女は言う。5歳の時にメキシコから両親に連れられてア
メリカ移住したアパリシオさんは、一家で合法移民したケースだ。


家族全員が正式に滞在許可を得て入国し、順番を守って永住権を申請し
た。母はホテルのコックとして、父は重機を扱う技師として、身を粉にし
て朝から晩まで働いた。アメリカで生まれた2人の妹たちは誕生した瞬間
からアメリカ国民だが、アパリシオさんは5歳で移住した時から英語をゼ
ロから学び、その後は永住権保持者として働きながらカリフォルニア大学
のリバーサイド校に通った。


いつかアメリカ国民になろうと、市民権の申請費用をコツコツ自力で貯め
た。「貧困生活からなんとか脱出してアメリカで家族をまともに食べさせ
たいと願う多くのメキシコ人の親の気持ちは、私にも痛いほどわかる。私
もメキシコの農場で育ったから」と彼女は言う。


「違法で国境を越えて入国する以外の手段がなかった知り合いもいる。幸
運だった私は彼らをジャッジするつもりはない。でも、アメリカが国境を
警備し、合法移民のみを受け入れる方針は、人種差別でもなんでもない。
メキシコからドラッグ売人やギャングがこの国に違法入国しているのは事
実。国境に壁を作るのは、国の安全を守るための当然の行動だと思う」


職業政治家ではなくビジネスマンだったトランプ大統領の発言は、彼女に
は「新鮮な風」が吹いてきたように感じられた。


自身を「伝統的なファミリーの価値観が大好きな典型的な真面目な長女気
質」と称する彼女は、2018年にアメリカ市民になり、投票権を得た。そし
て、これまで以上にトランプ大統領の政策を細かくチェックするように
なった。


トランプ大統領が、黒人大学生への金銭的支援を制度化し、スモール・ビ
ジネスへの減税を実行し、さらに40万ドルの大統領年俸のほとんどを寄付
し、毎年1ドルだけを受け取っている――。それらの事実を知ると、なぜCNN
などのメディアはそれを伝えないのか、と疑問を感じるようになった。


保守派のFOXニュースも一部視聴するようになったが、すべては信じてい
ない。つねに自分で情報に当たり、数字をチェックして判断するようにし
ているという。


中でも彼女を悩ませているのは、カリフォルニア州の所得税の高さだ。全
米でもトップクラスの税率が生活を圧迫する。彼女は大学を卒業し、イン
ターンを経て、スポーツクリニックの医師の受け付けの仕事を得たが、金
銭的にはずっとカツカツだった。家賃が高騰するロサンゼルス市内でひと
り暮らしできる余裕はまったくなく、オレンジ郡の親元に住んで長時間通
勤でロサンゼルス市内の職場に通った。


「必死に働いてもいつも経済的に厳しかった。これが祖国を離れてまで両
親が私に望んだアメリカン・ドリームの実態なんだろうかと愕然とした。
民主党が牛耳る州で、私たち労働者は高額の税金を搾り取られている。し
かし、街にはホームレスがあふれ続けており、問題が何年も何年も解決さ
れない。どう冷静に考えても、リベラルの政治がこの街で機能していない
ことを実感した」


サンタモニカのがん専門の医療機関に転職し、その後は医療機器メーカー
に転職。医療業界で必死に働き、キャリアの階段を上った。「私の肌は
ダークな色だし、見た目は完全にラティーナ。でも、白人中心の医療の職
場で、ドクターたちから不当に扱われたことは今までない」


両親を安心させたい、経済的に自立したい、という強い思いを抱く彼女
は、「かわいそうなマイノリティたちの救世主と崇められていたオバマよ
りも、口は悪いけれど、経済の規制をとっぱらい、減税を実行し、国民に
富を直接還元するトランプの行動のほうが、実際にマイノリティを幸せに
しているのではないか」と感じるようになった。


白人男性と婚約し、トランプ支持を妹に伝えると、ふたりの妹は、姉が白
人男性に洗脳されてしまったと嘆き、姉を「レイシスト」と呼んだ。「つ
らいけど、妹たちいもいつかわかってくれると信じるしかない。リベラル
な人々はいつも多様性を強調するけど、私のような保守派の価値観を非難
し、意見を変えろと怒り、自説を押し付けてくる。つまり本当の多様性を
認めていないのでは」


4月に結婚する彼女は、将来、自分の子供が生まれたら「マイノリティと
いう弱者として助けてもらうだけの存在であってほしくない」と感じてい
る。「だから子供を育てるにしてもトランプ政権がいい。バイデン政権に
なったら、カリフォルニアから脱出するしかないかも」と語る。


「白人のストレート男性というだけで、レイシストだと思われるのは、も
う、まっぴらごめんなんだ」。そう語るのはロサンゼルス在住の役者兼
ユーチューバーの40歳のクリス・コールズさんだ。


オレゴン州セーラム出身の彼は黒人がほとんどいない、白人が圧倒的に多
い地域で育った。「うちの両親も自分もクリスチャン。隣人を愛し、汝の
敵を愛せよ、という聖書の教えに従う教育を受けた。だから黒人を差別す
るつもりなんて、自分や家族には微塵もない」。


そんな彼がハリウッドの世界でオーディションを受けてシットコムのドラ
マなどに出演する度に感じたのは「白人ストレート男性」としての肩身の
狭さだという。「すでに有名になっている白人男性以外、現在のハリウッ
ドは白人男性を極力雇わない方向だ。アカデミー賞の規定が改正される前
からもうずっとそうだ」とコールズさんは断言する


女性とマイノリティを積極的に起用しなければというプレッシャーが強い
映画・テレビ業界で、白人男性というだけで起用率が減るという。さらに
ハリウッド内で保守派であることや、トランプ支持を表明することはリベ
ラル派の監督から嫌われ、「職を失う」自殺行為を意味すると言う


そんな中、保守派を公言し「ミスター・レーガン」というユーチューブ・
チャンネルを立ち上げた彼は、ロサンゼルスのエンターテインメント業界
の異端児と言ってもいい。


「女性の監督、女性の脚本家を採用し、女性パワーを強調しなければいけ
ないこの業界では、実は多くの男性脚本家がゴーストライターとして“女
性の企画”に送り込まれている。自分の名前がクレジットに載らない完全
なる裏方の仕事だ。それが嫌なら海外で働くしかない」


そんな彼の発言は、ポリティカリー・コレクト(政治的正義)ではないと
され、自身のユーチューブ番組にリベラルな友人をゲストで呼ぼうとして
も全員から断られ続けている。「保守派の番組になんか出たら、ハリウッ
ドで2度と働けなくなるし、友人を全部失うから勘弁して」と友人たちに
言われた。


「自分が住むダウンタウンはブラック・ライブズ・マター(BLM)のデモ
による略奪で店がたくさん燃やされた。でも、白人男性がそう主張するだ
けで、レイシスト扱いされかねない雰囲気だ。事実を伝えているだけなの
に」とコールズさん。


彼がトランプ大統領を支持するのは「実行力があり問題解決が早いから
だ」と言う。一番評価しているのはトランプ大統領が規制緩和を推し進め
てきたことだ。「エネルギー業界の規制を取り払い、中東和平交渉もや
る。50年近くワシントンにいたバイデンができなかったことをわずか3年
でやった」


大統領選のディベートで、石油の油田の付近に住む人々の環境被害や健康
被害が問われたとき、トランプ大統領は「油田の仕事で彼らは金銭的に
潤っているじゃないか」と語り、バイデン氏は「いや、彼らはがんに罹患
するなどの被害を受けて苦しんでいるのだ」と答えた。


ディベート放送後「大統領には人々の苦しみに共感する力が欠けている」
と批判が起こった。それを受け、コールズさんは言う。


「共感力? そんな乙女チックな甘い言葉でいったい何人の国民が騙され
てきたと思う? 選挙前に優しい言葉をかけるだけで、実際は何もしな
い。それがリベラルの常套手段だ。トランプは、言っていることはきつい
が現実的だ。油田の側に住んで、油田で働いて大金を儲けると決めたの
は、住民の選択だ。嫌なら他の土地に移住すればいい。炭鉱で働くのだっ
て、リスクを取って金を儲けるという個人の選択。誰も強制していないんだ」


役者だけをしていた頃は、仲間とアパートをシェアして暮らすのが精一杯
だったが、保守派ユーチューバーとなってから、25万人の登録視聴者を得
て、広告収入により金銭的に潤い始め、ダウンタウンの高層賃貸マンショ
ンに引っ越した。つまり、それほどの数の人々が、ロサンゼルス在住の保
守派の彼の声を聞きたがっているということの証明でもある。


彼がユーチューブでリベラル政治家を徹底的に叩くことで生計を成りたた
せている以上、リベラル政治家の存在は彼の稼ぎに必須なのでは? と聞
くとこう答えた。


「いや、たとえユーチューバーとして稼げなくなっても、リベラル政治家
が全員落選してくれることの方が、自分にはありがたいね。トランプは自
己愛が強すぎると言われるが、そうではないと思う。彼は自分をブラン
ド、つまり商品として捉え、自分を買ってくれと国民に叫んでる。わかり
やすさと実行力、これが彼の強みだよ」


反マスク派のコールズさんは、店に買い物に行く以外にマスクはしない。
そのかわり何度もコロナ検査を受けてチェックしている。「スウェーデン
のように、ロックダウンなど一切なしの政策を自分は望んでる。トランプ
もさすがにそこまで過激にはできなかったようだが。ロックダウンで経済
が破壊されるのをこのまま黙ってロサンゼルス市民が耐え続けるとは自分
にはとても思えない」


世界で最も多様性に富んだ街、ロサンゼルス。そこに住むトランプ支持者
たちは民主党の強い州内では圧倒的に少数派であることは自覚している。
だが、確実に「カムアウト」する流れを作り出し、それに乗っている。も
し例えトランプ大統領が今回の選挙で負けても、すでにカムアウトした彼
らの存在は今後も残る。そこが2016年とは決定的に違う>


なぜこういった報道が日本を含めて世界でないのか。日本では報道機関や
マスコミの大多数はアカモドキであり、不都合な真実は報道しない。国民
は娯楽としてメディアを視聴、購読、閲覧しているが、選挙になると保守
党を選ぶ。なぜか。



娯楽は所詮娯楽、「鬼滅」だろうが何だろうが面白ければそれでいい、と
ころが暮らしは「もろリアル」であり、挙では面白さではなくて「確実
性、実行力、安定性」を重視するから保守党を選ぶ。お試しで万年野党に
政権を委ねたらひどい目に遭ったから、国民は「羹に懲りて膾を吹く」、
“二度と御免”になった。


日本では(小生や赤軍派のようなクレイジーな過激派が暴れたことなども
あって)1970年頃からは共産主義、社会主義は自然消滅へ向かい、アカへ
の幻想がほとんどない。戦後にアカの危険を叫んだマッカーシーを孤立死
させた米国にはアカ除染という通過儀礼はない、パンデミックへの抗体は
ない、一体どこへ向かうのだろうか・・・「米中同時崩壊」か「米中合
邦」「米中不可侵条約」もあり得ないことではない。不安な時代・・・ 
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp

◆アントは中国マネー市場を

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)11月5日(木曜日)通巻第6689号 

 アントは中国マネー市場を食い荒らす蟻だった
  上海と香港で上場延期が与えた衝撃、市場は暴落気配

 米大統領選挙の報道の影に隠れた。トランプvsバイデン接戦報道で、
日本では投資家いがい関心がないかも知れない。

馬雲率いるアリババ傘下の金融フィンテック企業「アント」が香港と上
海でIPO(株式公開)を準備していた。同時上場は快挙とも言われ、ま
た株式市場の暴落を防ぐ効果的手段として、むしろ当局は推奨していたのだ。

上海では申込金だけでも300兆円という天文学的数字、香港でも申し
込みは155万人、空前の出来事だったのである。

上場によって、およそ3兆6000億円をかき集め、馬雲はビルゲーツを
抜いて世界一の金持ちになるとも言われた。

突然、舞台は暗転し、上場は「延期」された。再検討されて、上場とな
るのは半年先の話、あるいは上場はなかったことになるかも知れない。

当局が延期を命じたのは、馬への嫉妬ではない。スマホ融資というフィ
ンテックの実態が不明なことであり、また馬発言の「危険度」である。

もし中国が「資本主義市場」というのなら、規制は緩やかで市場は自由
にのびやかに、株式には夢に投資するものである。だから馬雲は、「中国
にシステミックなリスクはない。なぜ? 中国にはシステムがないから
だ」とずばり本質を発言してきた。中国人民銀行は監督官庁でもあり、
11月2日に馬雲を呼び出して聴聞した。

アントがスマホで貸し出した金額たるや、過去一年間で116兆元(邦
貨換算で1860兆円、日本の国家予算の18倍!)。 現金流通の14
倍である。

かくてアント(ANT)は、中国マネー市場を食い荒らす人食い蟻だった
    
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 チベット少年の魂の叫び、その喜びと悲しみ
  感動を呼んで世界の人々が涙した

ナクツァン・ヌロ著 棚瀬慈郎訳『ナクツァン』(集広舎)
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激動、全体主義の圧政を生き抜いたチベット少年の「喜びと悲しみよ、
幾歳ぞ」。涙に溢れる真実の物語である。

ダライラマ法王が序文を寄せている(漢訳版序文より抜粋)

「少年時代の回想録であり、その中では彼の故郷や、他のチベット地域
の風土が詳しく描かれ、また彼が経験した、1950年代の中国共産党による
残酷な鎮圧が忠実に記録されている。著者は自の経験と見聞を書き記し、
そこには誇張も偽りもない。

そのため、この本の出版は新しい世代のチ ベット人が、自の歴史を勉強
するために重大な意味を持っている。また、 チベット現代史の研究者に
とっても大きな価値がある」。

さて、本書は153ページまで漢人が登場しない。200ページ辺たり
から中国人民解放軍がドギツクいやな印象で登場する。まるで狼の登場で
ある。そうだ、彼らは狼
だった。

最初は友人のように這入ってきた。

住民を集めて討論をさせる。最初からシナリオは決まっている。討論の
あと、結論は、僧院は要らないであり、僧侶自ら経典を捨てさせられ、仏
像は投げ飛ばさせられ、小さい時から首につけたお守りを焼かされた。

貴重な経典を焼かされ、仏像を破壊させられ、護符を燃やさせる。大切
な護符も捨てさせられた。抵抗したチベット僧侶は殺された。

国民は監視され、なにも発言できなくなった。

いま同じことがウィグル自治区で行われている。コーランは焼かれ、イ
スラム帽子は捨てられ、「神はいない」と教えられる。洗脳である。共産
主義的人間への改造である。共産党のロボットに造り替える教育がえんえ
んと続いている。

漢人の侵略者がやってくるまで、チベット人の居住地域は平和で、明る
く、牧歌的で、日々の信仰心が篤く存在し、人々は信頼しあって生きてい
た。猜疑心が蔓延り、人間関係がズタズタになったのは、中国共産党の侵
略以後である。

信仰深い、日々の糧を求めての、のんびりとした生活は消えた。隣人が
猜疑心を抱くようになり、平穏な家庭は共産党の監視の眼に重層的に脅か
され、人間関係はぎすぎすとしていく。

幼い時から牧歌的な生活に親しみ、草花とともに暮らしてきたチベット
人の平和は破壊された。
           
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)宮崎さんの新刊『中国解体2021』(徳間書店)を読了
しました。時宜を得た名著、さすがはチャイナ専門家ですねえ。

「真珠湾型暴発を待つアメリカ」には正直、膝を打ったものです。唸りま
した。(YK生、世田谷区)

  ♪
(読者の声2)日本文化チャンネル桜から番組のお知らせです。明日(6
日)夜の「フロント・JAPAN」は、宮崎正弘さんと佐波優子さんのコ
ンビでお送りします。テーマは大統領選挙など。(日本文化チャンネル桜)

◆設立当初から「赤い巨塔」の学術会議 

櫻井よしこ


日本学術会議は一体どんな組織なのか。歴史を辿ると設立当初から、日本
を占領統治した連合国軍総司令部(GHQ)及び日本共産党と、深い関係
にあったことが見えてくる。

10月23日、シンクタンク「国家基本問題研究所」で東京大学名誉教授、唐
木英明氏の話を聞いた。唐木氏は2000年に学術会議の会員となり、08
年〜11年の3年間、同会副会長を務めた。

氏によると、1946年6月、GHQ科学技術部は東大の茅誠司氏らに科学渉
外連絡会を設立し、日本のあるべき科学研究体制を研究するよう勧めた。
5か月後、GHQ科学技術部は科学者の新体制作りを指示した。唐木氏の
説明だ。

「占領軍は日本の原子力研究を禁止したのに加えて、理研、阪大、京大の
サイクロトロン(加速器)を破壊したりしました。この極めて荒っぽい政
策は米国内でも批判されました」

ひたすら日本の底力を破壊しようとする蛮行を見て、GHQの側に科学を
理解する人材を加えるべきだという認識が生まれ、48年に物理学者のH・
C・ケリー氏が招聘された。ケリー氏の指示で誕生したのが日本学術会議
だったという。

それでも当初の学術会議はGHQ内部で暗躍したニューディーラー(その
多くはアメリカ共産党員だった)の考えを受けて、世界的に例のない過激
な政策を掲げた。

再び唐木氏の説明だ。

「たとえば、最高科学者会議を設けて、彼らが科学および教育に関するあ
らゆる政策、研究費の予算配分を決定し、国会決議を得たうえで政府にそ
の執行を命令し、監督する権限を持つ。最高科学者会議のメンバーは科学
者が直接選挙で選ぶなどという過激な案でした」

科学者による絶対支配体制を提唱したわけだが、当時、科学者の多くはア
メリカを帝国主義の国と見做し、彼らの資本主義が日本に浸透することに
反感を持っていた。

共産主義者の後ろ盾

日本学術会議は1949年1月に発足したが、前年12月に学術会議の会員210名
を選挙で選んだ。唐木氏は『通史 日本の科学技術』の第1巻『占領期
1946─1952』(学陽書房 中山茂・他編)を引用し、ざっと以下のように
説明した。

210名の定員に944名の候補者が立った。共産党候補者は61人、内26人が当
選。加えて40名ほどの同調者も当選した。共産党の影響下にあった民主主
義科学者協会(民科)の候補者は、総会員数の1割(21名)以上を占めて
いた。

民科系候補者の正確な当選者数は定かではないが、共産党及び同系統の学
者たちは学術会議の3分の1に迫る66名ほどの勢力を形成したことになる。
彼らは頭もよく、論も立つ人々であったろう。その一群が絶対的権力者で
あったGHQ内の共産主義者の後ろ盾を得ていたのだ。どれ程強力な影響
力を持っていたことか。そうした中で50年、「戦争を目的とする科学の研
究には絶対従わない決意の表明」という声明が出された。

他方、政府は新しいエネルギー源を目指して55年に原子力関連の研究に乗
り出した。学術会議会長の茅誠司氏、国立大学協会会長の矢内原忠雄氏ら
は反対し、原子力委員会設置法に「原子力利用に関する経費には、大学の
研究経費は含まない」との付帯決議をつけさせ、わが国の原子力研究の道
を狭めた。

現在に至るまで学術会議は国防研究も禁じているが、原子力研究の制限
も、学問の自由への挑戦であることに変わりはない。

政府は対抗して56年に原子力委員会をつくり、同時に科学技術庁も設置し
た。その上で原子力委員会を科技庁の所管とした。

「政府は左翼系科学者の影響下にある学術会議への対抗策として、学術行
政の支配権を取り戻すために科技庁を創ったのです」と唐木氏。

学術会議がもっていた科学技術に対する司令塔としての役割及び研究助成
を全て、科技庁に移した。続いて59年には科学技術会議が設置され、学術
会議の中心議題も全てこちらに移された。67年には文部省が学術審議会を
設置、科学技術だけではなく、人文・社会科学についても全ての学術審議
が移された。80年代には各省庁が審議会を設置し始め、学術会議はするこ
とがなくなってしまった。

長年学術会議の会員を務め副会長も務めた唐木氏は、69年から77年にかけ
て日本学術会議は自己点検をし、改善すべきところは改善しようとしたと
語る。が、結論からいえば彼らは政府との全面的対決を選んでしまったのだ。

82年、中山太郎総務長官が学術会議の改革を提議したが、学術会議側は
突っぱねた。その後、政府、学術会議の双方が有識者会議を次々に開いて
対抗する非常に厳しい対立の時代が続いた。この間の詳細は割愛せざるを
得ないが、国民の視点から言えば、学術会議は自らの利益のために活動す
る一方で、国民全体、或いは国に対する貢献は考えなくなったとしか見え
ない。

自民党の油断

90年代から00年代にかけての行政改革では学術会議も対象になり、彼らは
05年に改革を打ち出した。➀社会全体に関わる問題について専門性を持っ
た科学者が集まって総合的・俯瞰的な視点から提言する、➁欧米主要国の
アカデミーの在り方に学び、10年以内、つまり15年には、より適切な設置
形態を検討する、などである。

菅義偉総理の言う「総合的・俯瞰的視点」の意味が分からないなどと学術
会議側は言うが、それは自分達が言い出した表現であろう。

多少反省し軌道修正に向かったかに見えた学術会議は、しかし、09年に民
主党政権が誕生すると、またもや改革の歩みを緩めた。民主党は学術会議
に非常に好意的で、諮問もせず、ただ学者の皆さん頑張ってという姿勢で
学術会議にとってはラクな期間だったという。

そして見直しをする15年が来たとき、驚くことに自民党政権下の有識者会
議が学術会議の現状維持を諒としたのだ。有識者会議には多くの学術会議
関係者が入っていて、ほとんどお手盛り会議だったとの批判はあるが、自
民党の油断である。

民主党政権は原子力規制委員会と規律の緩んだ学術会議という悪しき遺産
を残した。いずれも、自民党は根本から変えるチャンスがあったのに何も
しなかったのは事実である。

学術会議側は、菅首相が6人を任命しなかったのは学問の自由の侵害だと
言う。とんでもない間違いだと唐木氏は強調する。学問の自由とは研究の
自由、発表の自由、教育の自由を指す。だが学術会議は研究機関ではない
ため研究も教育もしない。発表するのは学術会議の中での検討事項だけ
で、学問の自由と学術会議は全く無関係だ。ここまでくれば学術会議は民
営化するのが一番だ。

『週刊新潮』 2020年11月5日号
日本ルネッサンス 第924回

◆「馬」の渡来地先は四條畷市

毛馬一三


わが国古代王朝の威光を軍事面で支えた「馬」の渡来終着先が、なんと大阪府四条畷市であることを知らされ、ビックリした。

大阪湾(古代は難波津)に接している大阪柏原市に鉄技術、堺市に土器焼成技術が古代に朝鮮半島から渡来していたことは知っていたが、まさか生駒山系が迫り、大阪湾と些かも面していない四条畷市が、「馬」の渡来終着地だったとは夢にも思っていなかった。

ところが、先般四條畷市主催の会合で、古代王朝や豪族たちの権力の象徴となる「馬」の渡来先が四条畷市で、これを証明する「蔀屋北遺跡(しとみやきたいせきあと)」が、四條畷市にあることを知らされたのだ。

四條畷市の西にある現在の寝屋川は、古代には難波津に繋がる海路ルートとなっていた。しかもこの海路の条件と、清い水と牧草に恵まれた肥沃大地の馬飼いの環境が見事に合致したことから、ここが朝鮮半島からの渡来先の終着地になったらしい。

しかも、四條畷を南北に横たわる生駒山系を越えれば、比較的なだらか下り坂となり、「馬」に負担を掛けず「大和」へ供給できた立地の良さが王朝・豪族に認められ、四條畷(当時・讃良)を「馬」の機動力を軍事制度に組み入れる「馬飼いの里」として定着させたという。

朝鮮半島からは、比較的穏やかな初夏の海に「馬」を乗せた丸木船を2ヶ月かけて、玄界灘から筑紫(福岡)・豊浦(下関)・瀬戸内海、そして大阪湾(難波津)を経て、河内湖から寝屋川を通じて「蔀屋北遺跡」に辿り着いている。「馬」に同伴してきた渡来人もここに定住したそうだ。

そう云えば、「国内最古 馬の乳歯 四條畷」という記事が出ていたことを思い出した。

四條畷市の「蔀屋北遺跡」で、国内最古となる5世紀中頃の馬の乳歯が2頭分、大阪府教委の調査で出土した。2〜2歳半とみられ、同時期の遺跡で、若い馬の存在が確認されたのは初めて。

同遺跡は、国内で初めて馬を本格的に飼った牧場とされ、府教委は「朝鮮半島から子馬を船に乗せて連れてきたか、生まれた子馬を飼育し、軍馬として増産したとみられ、国内最初期の馬生産の実態がわかる」としている。


3世紀の中国の史書「魏志倭人伝」に、日本に馬はいないと記されており、5世紀頃、朝鮮半島から馬と乗馬の風習が伝わったとされる。(略)
松井章・奈良文化財研究所埋蔵文化財センター長(動物考古学)は「乳歯はもろく、「蔀屋北遺跡」からの出土は珍しい。馬飼が、大規模に馬を生産していた様子がうかがえる」と話している。

たしかに「蔀屋北遺跡」とその周辺から、これまでに丁寧に埋葬された馬の骨(性別は不明)や永久歯計約500点、それにアブミ、鹿角製のハミ、鞍などの馬具も出土している。総数26基の井戸も発掘されており、このうち7基は、「馬」運びに使った舟を転用して、井戸枠を作っているのが分かっている。

その船は、西都原式といわれる準構造船で、実物が日本で初めてこの「蔀屋北遺跡」で発掘されている。復元船は、全長10b、幅1b、10人乗りの船。航海は2ノットぐらいの速度の船団だったと専門家は説明しているが、果たして1隻の船に一体何頭乗せて来たかは明らかではない。

四條畷市の「馬飼いの里」で繁殖された「馬」は、王朝や豪族の間で軍事・通信・運輸の活用に重用され、いわゆる権力誇示の証とされた。それだけに四條畷市の「馬渡来の終着地」の意義と「馬飼いの里」からの「馬」の供給価値が、権力側から高く受け入れられていた。

しかし文武4年(700年)になると、天皇に献上する公の牧場が諸国に作られ始められるようになり、そののち平城京遷都の時には、騎兵500人が威儀を正して行進し、「馬」が国家の資としての威容をみせつけている。

こうした時代の変遷のともない、平城京遷都の頃には、四條畷市の「馬渡来の終着地」の役割は終焉し、「馬飼いの里」は姿を消したという。

名所旧跡の多い大阪四條畷市では、こうしたあまり知られていない歴史を積極的に広報して、まちへの集客へ繋げる「観光政策」に力を入れたいそうだ。(了)
 参考―四條畷市立歴史民族資料館刊「馬は船にのって」   

2020年11月06日

◆シナ人には国境という概念がない?

和田 憲治


「日本」という国は、
基本的に同じ民族である日本人が統治し、
もちろん、悠久の歴史を誇る「皇室」も続いています。
そして、海に囲まれた島国でもあるため
国土が確定しやすい。

そのため、外国の国土と歴史について誤解しやすいのです。

では、シナ大陸ではどうなのか?
ということを考えてみると、
実は、漢族の歴史でもなく、あの秦の始皇帝ですら
漢民族ではないし、唐も清も異民族、
元はモンゴルです。

シナ大陸でもっとも有名な建造物に
万里の長城があります。
これは、蛮族が入って来ないように作った
外壁・防護壁なので
その外側は本来は、つまり、政権の勢力外
とうことに当然なります。

ですが、その化外の民である清朝が
満州から勃興してシナ大陸を
支配し広く勢力を拡大しました。
そして、その清朝の国土の枠を
そのまま乗っ取ったのが現在の中華人民共和国です。

更に、その本来「万里の長城」の外のはずの
満州を支配し、満州族はほぼ同化されてしまいました。
加えて、内モンゴルは併合し、ウイグル、チベットを侵略し、民族浄化し
ようとしています。

中国共産党は第二次大戦後になっても
ロシア含め全国境で紛争を起こしています。

直近でも、英国との「一国二制度」の約束を反故にし
「国家安全法」によって香港を事実上本土化、併合しました

日本とは尖閣列島、南シナ海ではベトナム、インドネシア、フィリピン等
と領有権争いをしているし、
インドとの国境でも紛争中です。

国境のつもりでつくった?「万里の長城」の外
の領域ですら堂々と併合してので、
要するに、シナ人には「国境」という概念がない?…
と言わざるを得ません。

これからも、中国共産党は
世界中を侵略していくつもりだ
と最悪の事態を予想していたほうがよいでしょう。

2020年7月、香港を本土化させた
「国家安全法」にも中国国内という地域概念がなく、
日本やアメリカどころか、そこが宇宙であっても?!
「中国共産党を批判したら犯罪者と認定!」
…そんな奇天烈な法律をつくってしまいました。

そんなことを平然とやれるくらいですから、
我々中国人(たまたまシナ大陸に住んでいた人)が
過去に来ていた土地であっても、
それはもちろん問答無用で我々中国のモノである!!!
という領土拡大プロパガンダなどお手のものです。

実際、南シナ海のほぼ9割を占める
牛の舌の形で明の時代から中国のものだと主張し、
南シナ海の領有権を主張するどころか、
実際に埋め立て島を作って、
着々と狡猾に実効支配を固めようとしているのは、
皆さんもご存知の通りです。

2019年2月に、オーストラリアの海岸から
中国明時代の仏像が発見された、
というニュースがありました。

昔、明朝の時代に鄭和が大航海をしましたが、
その航海で立ち寄った土地は我が領土!
とでも主張したいのが、厚顔無恥な中国共産党です。
失われたシナの土地を取り返すというプロパガンダのもと、
過去にシナ人がオーストラリアまできていた
と主張したいのでしょうか?

そんな、鄭和時代と思われる仏像が、
オーストラリア西部で発見されました。
誰か(中国共産党の工作員?)が埋めたのか、
それとも、本当に明朝の時代に埋まっていたのかは不明です。

もし、この発見された仏像が
明朝時代のものと確定すれば、
オランダの探検家ダーク・ハートッグが
オーストラリア西岸に上陸した1616年より200年も前に、
シナ人がこの地を訪れていた…
という証拠となってしまう可能性があります。

南シナ海での中国共産党の傲慢・強奪ぶりを
リアルタイムで見てしまうと、
現代のシナ人がここに仏像を埋めて
そのうち「ここは我々の国土である!」
と主張するジョークのような光景が
とても冗談では済まなくなってきます。

中国共産党は、目下、宇宙進出についても必死ですが、
次は、月の裏側からも仏像が出てくるかもしれませんよ。

◆「アント」の上場を突然延期し

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)11月4日(水曜日)通巻第6688号 

 中国、「アント」の上場を突然延期し、馬雲を取り調べ
   3兆6000億円が「蒸発」するのか?

 これは「大事件」である。
 「アント」は香港と上海の株式市場にIPO(株式公開)を行う予定
だった。この予告があって、本来なら暴落気味の中国の株式が、一定され
てきた。

 アントはアリババ傘下の金融子会社、庶民銀行と換言してもよい。利用
者10億人、スマホ決済の主流になりつつある。

ということは中国当局の経済統制が限界を超える。国家金融主義で、通貨
の統制を図ってきた中国共産党に取ってみれば、脅威である。

株式上場を予定してきたアント、投資家の熱狂も手伝って事前申し込み
が殺到していた。株式情報筋によれば、史上空前の3兆6000億円とい
うデビューを飾る予定だった。

中国当局は馬雲(アリババ創業者)の取り調べを行っていた(11月2
日)、この情報がもたらされると、アントの香港、上海同時上場の延期が
発表された。

馬は「新しい時代の証券への監督は対応できるが、古い感得監査は 受け
入れがたい」として、当局の神経を苛立たせていたという。統制側か ら
みれば、馬の発言は挑発的であり、共産党支配への反対声明とも受け止
められるからだ。

習近平は五中全会で、中国の「GDPを2035年までに2
倍にする」 と発言したらしい。
公式発表ではGDP数値目標は示されていない。2035年までに中国の
GDPが二倍になる可能性は殆どないが、というよりこれからは縮小の方
向へ向かうだろう。
       
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)老朽化の三島文学館、修繕という記事があります。山中湖
村、ネットで費用募っています。

9月29日付の「山梨日日新聞」を下記に引用します。

「山中湖村は、老朽化した三島由紀夫文学館(同村平野)の修繕費用を、
ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングで募っている。期間
は12月5日までで、1千万円を目標としている。

村総務課によると、施設は1999年7月に開館。三島の原稿や創作
ノート、絵画など約2万点を収蔵している。

しかし施設の老朽化により、 1階展示室と2階資料閲覧室を結ぶ階段の
窓枠が腐食。雨天時は、木枠部 分から雨が吹き込み、階段のじゅうたん
がぬれる状況だという。

村は、施設の知名度を向上させると同時に、寄付金の使い道を修繕費に
絞るためにクラウドファンディングを選択。ふるさと納税のポータルサイ
ト「ふるさとチョイス」で受け付け、寄付額に応じて富士ケ嶺ポークや観
光船乗船券などの返礼品を選ぶことができるようにした。

返礼品を伴う寄付は1万円から。返礼品を伴わない寄付は1円からでき
る。目標金額に達しなかった場合は、村が不足分の修繕費を補う予定。担
当者は「日本文学のファンに限らず、多くの人に支援をお願いしたい」と
話している」(引用止め)。
 ご協力をお願いしたいとおもいます。(KM生)

  ♪
(読者の声2)大阪市住民投票の結果は、なんとか、大阪市存続というこ
とになりました。


大阪市廃止構想は、本来は議論にも価しないほどの、少し考えれば、
まったくの愚案・妄案であることがわかるような代物で、論理的には廃案
が当然の結論というべきでした。しかしながら、可決されてしまう危険性
が多分にあっただけに、元大阪市民として、とりあえずは安堵しています。

玉川徹氏は「もともと無理筋だと思っていましたね。(パネルに)都構
想って書いてあるけど、大阪市廃止の住民投票なんですよね。大阪市を廃
止して良くなるんだったら、横浜市だって、福岡市だって、名古屋市だっ
て廃止した方がいいって話になりますよ。そんなことありますかって、普
通に考えたら分かる話だと僕は思いますよ」と言っていますが、そのとお
りでしょう。

まったく、大阪市廃止案の馬鹿馬鹿しさは、「普通に考えたら分かる
話」だったのです。

大阪市は、短期間に2度もの不毛な住民投票を行い、茶番の出直し市長 選
挙などまで行うなど、維新なる奇態な集団の行った、私欲に基づく独善
的、妄想的蛮行のために、財政的に大きな負担となっただけでなく、行政
面での大きな停滞を招いたと思います。

こうした財政的損失、行政混乱を 招いた維新なる政治団体の責任は重い
と思います。大阪市・大阪府には、 これを今後取り戻していかねばなら
ないという大きな課題が残ったと思い ます。

もし維新案が可決されていたら、大阪市廃止・分割という、非生産的な
自己破壊作業により、行政が混乱し、松井、橋下などが、さらにのさば
り、思い付きの無内容な変革が続くという、悲惨な状況が懸念されまし
た。この悪夢に比べれば、とりあえずは小康を得たというべきでしょう。

大阪市職員、市議は、組織いじりなどにかまけずに、本来業務に精力を
集中して、市民生活向上に精進してくれることを祈ります。(椿本祐弘)
   

◆竹中平蔵氏の住民税脱税疑惑

大村大次郎


元国税が暴く竹中平蔵氏の住民税脱税疑惑「ほぼクロ」の決定的証拠

国内2020.11.04 1881 by 『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』

以前掲載の「元国税が暴くパソナの闇。持続化給付金の不正受給を防げぬ
当然の理由」で、人材派遣会社の最大手「パソナ」の政官癒着体質を批判
した元国税調査官で作家の大村大次郎さんですが、現在、同社の会長を務
めている竹中平蔵氏にも数々の「疑惑」があるようです。

大村さんは自身 のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で
今回、かつて国会 で追求されるもいつの間にかうやむやとなってしまっ
た、竹中氏の「住民 税脱税疑惑」を改めて検証しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2020年
11月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバック
ナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:大村大次郎(おおむら・おおじろう)
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コン
サルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落
とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。


パソナ会長・竹中平蔵氏の「住民税脱税」疑惑とは?

持続化給付金の不正問題が次々に明るみになっていますが、この持続化給
付金は、そもそも欠陥だらけの制度だったのです。なにしろこの巨大な事
業をサービスデザイン推進協議会という謎の団体に業務委託すること自体
が不審なことであり、受給側だけじゃなく、支給する側自体が疑惑に満ち
たものだったのです。

そしてこのメルマガの2020年10月1日号(「元国税が暴くパソナの闇。持
続化給付金の不正受給を防げぬ当然の理由」でもお伝えしましたように、
この持続化給付金の業務委託を実質的に請け負った主要企業の一角が、パ
ソナという人材派遣企業でした。このパソナも疑惑だらけの企業であり、
天下り官僚の巣窟のようなところでもありました。

このパソナで現在、会長をしているのは竹中平蔵氏です。

竹中平蔵氏は、 小泉内閣で総務大臣などを歴任し、経済政策を一手に引
き受けてきた人物 です。現在でも政府の諮問機関の委員などをしてお
り、2000年代以降の日 本の経済政策は、竹中氏の主導によって行われた
ともいっていいでしょ う。そして、今の日本社会の閉塞感、少子高齢化
の急加速などにおいて、 竹中氏の責任は大きなものがあると思われます。

実は2000年代以降の日本経済は、決して悪くはありませんでした。小泉内
閣の時代には、史上最長とされる好景気の期間もありましたし、トヨタな
ど史上最高収益を出す企業も多々ありました。経常収支の黒字も内部留保
金も、2000年代以降、世界でも稀に見るほど積みあがってきているのです。

にもかかわらず、我々の生活はどんどん苦しくなり、少子高齢化は先進国
最悪のペースで進み、自殺率も世界最悪レベルで高止まりしています。な
ぜかというと、企業が儲かっているのに、社員の給料を上げなかったから
です。そして、大企業の賃下げを強力にバックアップしたのが竹中平蔵氏
なのです。というより竹中平蔵氏は、大企業に賃下げを推奨さえしてきた
のです。

そのため、日本は先進国の中で唯一、この20年間の賃金が減少しているの
です。ほかの先進国はどこも、ITバブルの崩壊やリーマンショックを経験
し、日本よりも企業業績の悪い国は多々ありますが、ちゃんと賃金は上
がっているのです。

この賃下げ政策により、年収200万円以下の低所得者が激増し、若い人は
結婚を諦めたり、出産を諦めたり、2人目の子供を諦めたりしなくてはな
らなくなったのです。

◆中性脂肪が気になる人の食事療法

庄司 哲雄 (医者)


<中性脂肪とは>

血液中の中性脂肪(トリグリセリドともいう)には二つの由来があり、食事で摂取した脂肪が小腸から吸収され血液中に現われたものと、肝臓で炭水化物から脂肪に作り変えられて血液中に放出されたものがあります。

いずれも、体の組織でエネルギーとして利用されるのですが、血液中の濃度が極端に(1000mg/dL以上)増えすぎますと、急性膵炎を引き起こすことがありますし、それほどでない場合でも(150mg/dL以上)動脈硬化の原因のひとつになります。

<中性脂肪を下げる食事の第一歩>

食事療法の基本は、摂取エネルギーの適正化です。脂肪の摂りすぎのみならず、炭水化物の過剰も中性脂肪を増やしてしまいますので、全てのトータルを適正にする必要があります。
身体活動度にもよりますが、標準体重1Kgあたり25〜30kcal/日程度が適切です。肥満気味の方は少なめにし、減量を目指します。アルコール多飲や運動不足は中性脂肪の大敵です。

<炭水化物と脂肪のどちらをひかえるか>
各人の食習慣により異なる場合がありえますが、炭水化物1グラムで4kcal、脂肪1グラムで9kcalですから、脂肪摂取を控えることが大変効果的です。

<ジアシルグリセロールとは>

少し難しくなりますが、中性脂肪とはグリセロールという物質に脂肪酸が3つ結合した構造(TAG)をしており、いわゆる「油」です。これに対して、脂肪酸が2つだけ結合した油もあり、これをジアシルグリセロール(DAG)といいます。同じような油であっても、小腸で吸収されてからの代謝が異なるため、中性脂肪の値や体脂肪への影響の程度に差があります。

通常の油TAGは、小腸で膵リパーゼという酸素のはたらきで、脂肪酸が2つはずれ、脂肪酸ひとつだけが結合したモノアシルグリセロール(MAG)に分解されます。それぞれは吸収された後、小腸でまた中性脂肪に再合成され、血液中に放出されます。

一方、DAGは中性脂肪へ再合成されにくいため、食後の中性脂肪の上昇が小さく、また体脂肪の蓄積も少ないといわれています。最近、DAGを利用した機能性食品が開発されています。しかし、DAGの取りすぎもカロリー 過剰につながりますので、通常の油TAGとの置き換え程度にすべきでしょう。

<脂質低下作用のある機能性食品>

動物に含まれるステロールという脂質の代表はコレステロールですが、
植物には植物ステロールという脂質が含まれます。これは小腸でのコレステロール吸収を抑制する働きがあります。

<専門医に相談すべき病気>

中性脂肪の増加する病態には、糖尿病やある種のホルモン異常、稀には先天的な代謝障害もありますので、一度は専門の先生にご相談いただくのも大切だと思います。
<大阪市立大学大学院代謝内分泌病態内科学  >