2020年12月31日

◆「統一朝鮮の核、日本の真の危機だ」

櫻井よしこ


『週刊新潮』 2020年12月24日号
日本ルネッサンス 第931回

日本が位置する北東アジア地域はいまやミサイルの密度でいえば欧州より
も高く、世界一危険な地域である。核兵器についても同様だ。

中国、ロシア、そして北朝鮮。全て核保有国だ。

一番近い半島国家、韓国と北朝鮮が万が一にでも統一すれば、南北合わせ
て180万の軍隊が出現する。しかも核とミサイルを保有し、日本を射程に
とらえている。統一朝鮮は政治的には米国よりも中国に近くなるだろう。
南北朝鮮が反日感情を国家統一の軸のひとつにすることは容易に考えられ
る。日本に対しては今よりずっと激しい敵意を燃やすのではないか。

もしこんな状況が生まれるとしたら、日本は如何にして国民・国土を守る
のか。米国が同盟国だからといって米国に頼ってばかりでよいのか。

この種の問題提起はこれまで散々なされてきた。その度に日本が自力で国
民と国を守れるように、軍事的基盤の強化や憲法改正の必要性が強調され
た。直近の議論で言えば、イージス・アショアの見直しに関連して、わが
国は敵基地攻撃能力を持たなければならないという議論が生まれかけた。
国際社会では当然の考え方だ。しかし、その議論はいつの間にか消えてし
まったのではないか。憲法改正についても、何年も何年も、何も起きずに
今日に至っている。

そんなとき、米国防総省の副次官を務めたリチャード・ローレス氏が雑誌
「Wedge」12月号に、「核保有国の北朝鮮と日本」と題して、重要な
提案をした。日本は今すぐにでも、日本国の生き残りのために戦略の大転
換を考えなければならない、米国の中距離核戦力(INF)システムの導
入を検討せよという、生々しくも危機意識に溢れた内容である。

日本も米国も中国の脅威の増大に目を奪われがちで、北朝鮮の核・ミサイ
ル開発については警告を発しつつも、それを抑え込む決定的手立てを講ず
ることができないまま、彼らの核保有を許してしまった。

へつらい外交

その結果、北朝鮮は在日米軍のみならず、グアム、ハワイの米軍基地も弾
道ミサイルで核攻撃できる能力を持つに至った。そのため米国は西太平洋
における政治・軍事戦略の全面的見直しを迫られていると、ローレス氏は
指摘する。

氏はまた、南北朝鮮統一のシナリオと、その影響を日本も米国も真剣に考
えよと警告する。日本にいてもはっきりと韓国政治の混乱は見てとれる。
文在寅大統領は、南北統一を実現するためなら米韓同盟も捨てかねず、朝
鮮戦争で韓国を守った米国よりも中国に接近を図っているのは明らかだ。

北朝鮮に対しては信じ難い程に卑屈で従属的だ。今年6月16日、北朝鮮の
金与正氏が南北朝鮮の友好の象徴である南北連絡事務所を爆破し、韓国側
を「ゴミども」「駄犬」などと罵ったとき、文氏は南北関係の溝を埋める
べく国家情報院長の徐薫氏を送ると申し出た。北朝鮮側はその申し出をピ
シャリと拒否した。すると文氏は北朝鮮の回し者と言っていい朴智元氏を
国情院長に任命したのである。

朴智元氏はまさに北朝鮮の工作機関、統一戦線部と一心同体の人物であ
る。その危険な人物を、文氏が韓国の国情院長に任命したことは、韓国を
北朝鮮に売り渡したに等しい。民主主義国の旗を掲げながら、文氏が実際
に行っていることは専制独裁者の金正恩氏への従属外交でしかない。中国
の習近平国家主席に対するへつらい外交も同じである。

南北関係では、北朝鮮に多くの選択肢がある一方で、韓国には相手を宥
(なだ)めるしか手立てがない。韓国の弱さが北朝鮮の挑発を誘い、北朝鮮
は核の切り札を使って韓国を意のままに操る。文政権は明らかに米韓同盟
維持に熱心ではない。むしろ破棄を望んでいると見て差しつかえないだろ
う。文氏は恐らくその先に、北朝鮮に物心両面で尽くして民族統一を成し
遂げたいと願っている。

韓国が米国と共に、北朝鮮の核・ミサイル放棄を迫ることなど考えられな
い。北朝鮮は核を絶対に諦めない。結果、南北朝鮮は統一し、北朝鮮の核
技術に韓国の経済力と技術力が加わって、核を保有する人口7500万の統一
朝鮮が誕生するのは避けられないとローレス氏は言っているのだ。

氏はまた、日本はこの迫り来る危機を察知して、準備せよと言っている。
誰しもが日本が早急に手をつけるべきことは日米同盟の強化だと考える。
ローレス氏は、日米関係の緊密さ、日米同盟には微塵の揺らぎもないこと
を、南北朝鮮及び中国にきちんと見せていくことの重要性を説く。

具体的には、日本は国内に米国の中距離核ミサイルの配備、INFシステ
ムの導入を求めるべきだというのだ。ミサイルの発射は日米の合意による
とし、双方は単独では行動しないことも明確に定めるとする。

核の使用に踏み切る可能性

これは冷戦時代、米欧がソ連に対峙するために取った政策そのものだ。ソ
連が欧州諸国を狙う中距離核を突然配備したのに対し、西ドイツのシュ
ミット首相が米国の中距離核ミサイルを欧州に配備してほしいと要望し
た。当時中距離核ミサイルを保有していなかった米国は大急ぎで製造し、
配備し、ソ連に抑止をかけた。結論を言えば米ソはその後、核軍縮交渉に
入り、両国ともに中距離核ミサイルを全廃した。いま世界で最も多く中距
離核ミサイルを保有しているのは中国である。

中国及び北朝鮮の核ミサイルは間違いなく日本を狙っている。とりわけ北
朝鮮の場合、その挑発行動がエスカレーションを招き、歯止めのきかない
行動の連鎖によって核の使用に踏み切る可能性があると、ローレス氏は指
摘する。その場合、日本には国民と国を守る力はない。ならば米国と共同
で守るしか解決法はないという考えの先に、INFシステム導入という具
体案が提示されたのである。

ローレス提案をどう見るか。氏は北朝鮮の困窮極まる実態や、日本が一文
字の憲法改正もできていないことには触れていない。

北朝鮮の金正恩体制は経済的に追い詰められ危機に直面している。彼が文
大統領を従えて南北統一を主導することは容易ではない。中国と米国がど
う動くか。双方共、黙って見ていることはないだろう。しかし、長期的に
見れば、朝鮮半島が中国の影響下に引き摺りこまれつつあるのは否定でき
ない。

他方、日本は北朝鮮のみならず、中国の脅威に関しても当面日米同盟に依
拠するしかない。その場合も、しかし、今のままの日本を米国は同盟国と
して受け入れ続けるだろうか。日米豪印4か国の協力体制(クアッド)を
北大西洋条約機構のような軍事同盟にせよとの声もある。だが、憲法改正
もできていない日本にそんな議論は絵に描いた餅だ。日本の課題ばかりを
痛感させられたローレス論文だった。

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櫻井よしこ氏がネット新番組の発表をいたします。
「 統一朝鮮の核、日本の真の危機だ 」

◆なぜトヨタは電気自動車を作らない

栫井 駿介


世界も日本も「脱ガソリン車」に大きく動いていますが、トヨタは電気自
動車を未だ販売していません。なぜ静観を続けるのか?その狙いと戦略に
ついて考えます。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)



プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県
立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従
事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト
第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラ
ムにてMBA取得。

小池都知事「2030年までに東京都でのガソリン車販売をゼロに」

東京都の小池都知事が2030年までに東京都でのガソリン車の販売をゼロに
するという意欲的な目標を掲げました。世界でも脱炭素ということでガソ
リン車から電気自動車への流れが進んでいます。

そんな中で、自動車業界の王者であるトヨタは電気自動車を未だに販売し
ていません。いったいどうなっているんだ?という声がありますが、そこ
にはトヨタが虎視眈々と状況を見守っている王者の風格というところが感
じられます。

今回はその電気自動車の流れについて、あるいはトヨタのその中での戦略
ということについて解説していきたいと思います。

日経の記事に「東京都30年までに新車販売全て電動車に」とあります。
※参考:東京都、30年までに新車販売すべて電動車に 知事が目標: 日本
経済新聞(2020年12月8日配信)


ガソリン車の販売を下げるという目標は東京都に限ったことではなくて、
国も同様の政策を掲げようとしています。そして日本に限らず、各国で同
じような動きが進んでいます。

東京都は30年までと言っていますが、政府としては30年代半ばまでに販売
ゼロの方針です。英国でも30年、それからアメリカのカリフォルニア州で
は35年、中国も35年、カナダも35年、そしてフランスが40年までというよ
うな形となっています。

アメリカでトランプ政権は脱炭素の動きからは完全に一線を画していたの
で、バイデン政権が誕生することになると、脱炭素、そして自動車の電動
化、ガソリン車の撤廃というところに進んでいくのではないかということ
が考えられます。

そこで、いったい何が起こるのかということをこれから考えなければなり
ません。

電気自動車の普及には「環境整備」が必須

まず、端的に考えられるのは「急速充電器の普及」です。

電気自動車の課題として、航続距離が必ずしもガソリン車よりは長くない
ということが挙げられます。

ガソリン車は満タンにすると800kmとか1,000kmとか、それくらい走ること
が想定されます。一方で電気自動車は、いま良くて400kmぐらいなので、
走っている途中で動かなくなってしまうということになっては大変です。

ですから、スポットスポットでガソリンスタンドがあるように、この急速
充電ステーションというのを設けなければなりません。


これが産業振興策にもなり得ますから、前述の日経の記事にある通り、東
京都が急速充電器の普及を後押ししているように、日本、アメリカ、そし
て中国なんかでもこれらが進んでいくのではないかと思います。

そういった観点からこの「充電器を作っているメーカー」というのも注目
なのですが、それはまた別の機会として、今回は自動車メーカーというと
ころに焦点を当てて解説します。


◆アントは事実上の庶民銀行

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)12月28日(月曜日)通巻第6744号   

アントは事実上の庶民銀行。預金者は五大銀行からの口座移し替え中国国
有銀行のつなぎ融資に預金者の現金を廻す手立て

 報道に拠れば「中国は2028年に米国経済をGDPで追い抜く」そうな。
 英有力シンクタンクの「経済経営研究センター」(CEBR)」の年次
報告によれば、コロナを短期間で「退治」したと豪語している中国は
2021年度のGDP成長率を4%とし、米国は2%とはじく。明確な根
拠が示されているわけではないが、日本は2021年度もマイナス成長に
陥るという。

フィンテックに最も遅く参入した中国が、フィンテックの段階を一気に
飛ばしてネット銀行時代へ。アリババ傘下の金融企業「アント」は10億
人とも7億5000万人とも言われる「預金利用者」を得た。

 過去の取引データから、口座利用者の好み、買い物遍歴、返済具合を忽
ちデータ分析し、AIが利用者の信用度を、推量し、与信枠を与える。まる
で銀行。

いや、その高度なフィンテックは中国の既存の銀行を超えている。

中国銀行、中国建設銀行、中国工商銀行、中国農業銀行、そして交通銀
行という中国五大銀行が焦るのも無理はなかった。

これら5大銀行は、政府債権の59%、人民銀行の85%、そして社債
の44%を引き受けてきた。つまり庶民へのローンは少なく、融資先は国
有企業ばかりだった。中国企業資金集めは社債起債が中心で、銀行が直接
に株式へ投資することは少ない。

人民公社などを「国有企業」に組み替え、経済改革を加速してきたのは
1998年の朱容基首相時代からだった。西側の会社のように組織を改編
したものの外国の資本参入には厳しい制限をつけて望んだ。しかも共産党
派遣の「政治委員」が企業内に居座った。

中国における外銀のシャアは2019年10月時点で僅かに1・22%
だった。ちなみに米国での外銀率は19・2%,EUは52%,ロシアで
すら6・37%である。

ようやくゴールドマンサックスが中国で100%出資による現地法人を
認可されたのは2011月になってからである。それも米中貿易戦争の結
果、中国が妥協したからだ。


 ▲あの博打根性の染みついた中国人は、預金も大好き

中国人は博打好きだが、同時に預金が好きである。
 
GDP比較で26・5%が預金率だったが直近のそれは44・6%と
なった(数字は米国「ジェイムズタウン財団」発行の『チャイナ・ブリー
フ』、2020年12月23日)。

 国有銀行が国有企業に主に融資するという意味は、投資効果、利回りに
より利益を慎重に計算し、査定した結果ではなく、債務超過に陥れば追加
融資をくりかえすという、およそ資本主義システムにはない方法がとられ
ているからだ。

利益があがるどころか、マイナスが明らかで、中国の中央政府、地方政府
の負債はGDPの335%に達している。表の数字だけでも、邦貨換算で
5300兆円を超えている事実を示している(小誌は以前から9900兆
円が中国の債務総額と見積もっている)。

経済成長のスピードより迅速に負債が積み上がっている。

異常という他はないが、『人民日報』でさえ、これらを「ゾンビ企業」
と呼んでいるくらいである。

政治的安定を維持し、共産党の独裁を継続確保するには、借金を増やして
も、成長がなされている演出を続ける。それもこれも、ソ連が経済的に行
き詰まって破綻したことを教訓としてきたからだ。
      

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 書評 しょひょ
う BOOKREVIEW 書評   
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中国は鬼門であり、中国は悪魔であり、暴力が大好きな鬼
 内モンゴルでも起きたジェノサイドを見ないふりのメディア、政府、知識人

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楊海英『世界を不幸にする植民地主義国家・中国』(徳間書店)
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ちょうど読み始めたときに、ニュースが入った。米国トランプ政権は
『ウィグル族弾圧』を続ける中国共産党を「国際法上の犯罪となるジェノ
サイド(民族大量虐殺)」と認定」するべく、具体的検討をポンペオ国務
長官が指示し、政権交代前に『認定』する可能性があると報じた。

独裁者が率いる「虐殺政権」に対して、小声で「遺憾の意」を評するだ
けの日本とはえらい違いである。

すでに習近平政権は香港の自由を圧殺し、一国二制度を50年続けると し
た国際的な約束を紙くずとして開き直った。尖閣諸島は「昔から中国領
だ」とふんぞり返った。

この怪物国家をモンゴル人の立場から、追求したのが本書である。

中国は鬼門であり、中国は悪魔であり、暴力が大好きな鬼。だから鬼滅
隊は、正義の剣を振るえ! と日本にまだ正義と道議が残っていれば訴え
るだろう。

しかし武士道が消滅し、モラルが廃れた日本には、悪魔の所業を前にし
ても、小さな声で遺憾の表明をし続けるだけである。これでよいのかと楊
海英氏は鋭角的に日本の政治の貧困をえぐる。

文革中に視察にでかけて後味の悪い中途半端な感想を書いた竹内好、朝
日ジャーナル誌に文革を斜めから報じた高橋和己がいる。

楊海英教授の批判は穏やかに、しかし辛辣で激辛の文章が躍動し、こう
した戦後知識人の欺瞞を徹底的についている(本書131pから140p)。

本書の独自なポイントを挙げると、第一に「植民地体制は1960年代
の植民地解放運動で終わった」とする史観の間違いである。これは左翼の
宣伝でしかない。すなわち中国共産党が展開しているチベット、ウィグ
ル、そして南モンゴルにおけるジェノサイドこそは「植民地主義」である。

中華思想なる考え方は噴飯ものだが、要するに、周辺に住む諸民族を
「昔から中華の臣民」とみなし、植民を進める地域を「有史以来中国の固
有の領土」と獅子吼し、少数民族への弾圧と虐殺を「解放」と宣伝してきた。

第二に伝統的な中華思想と社会主義イデオロギーを両輪として、支配す
るシステムが中国的社会主義的市場経済を呼号する裏側の植民地主義であ
ると説く。このような重要な観察と分析が、いまの日本人にどれだけ浸透
するか、それが日本の問題だろう。
     
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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  【知道中国 2176回】          
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港58)

           △

遣米使節一行以後、遣欧使節(竹内下野守一行)が1862(文久二)年
に、遣仏使節(池田筑後守一行)が1863(文久三)年に、遣英・仏使節
(柴田日向守一行)が1865(慶応元)年に、遣露使節(小出大和守一行)
が1866(慶応二)年に、遣仏使節(徳川民部大輔一行)が1867(慶応三)
年に香港を経由している。

すべてが往復ともに短時日の立ち寄り程度だが、それでも日本、あるいは
日本人にとっての香港の姿がほの見えてくるようだ。

たとえば竹内下野守一行の場合、文久二年正月元日に船中で屠蘇を口
にして新年を祝って長崎を出港し、6日後に香港に到着している。

「清人の料理を懇望して、清朝の酒を飲み手始めて微醺を得たり清朝の
酒は日本の本直しという酒に味い似たり」(『欧西紀行』)というから、
派遣の主たる狙いが樺太問題に関してのロシアとの交渉にあったはずなの
に、物見遊山とまでは言わないものの、存外に幕末の緊張が感じられな
い。香港で味わう「清人の料理」に「清朝の酒」とは、当時すでに『食は
香港に在り』だったのか。

一行の中に市中で洋靴を買い込んで履き心地を楽しんでいた者もいた。
その行為を副使の松平石見守が見咎め、国風を蔑ろにするものは即刻帰国
させるぞ、と叱責する。

さて、「そこもと、これへ直れ。その乱れたブザ マな姿はなんだ。毛唐
の真似ごとなんぞを・・・えーい、国風を紊すとは 不届き千万。武士
(さむらい)たる者の為せる所業か。拙者、遣欧使節副 使としては断固
として許すわけにはいかん。恥を知れ、ハジを」などと大 声を張り上げ
でもしただろうか。この時、石見守は33歳。

帰路の香港寄港時、一行は日本からの公文書を受け取っている。なら
ば、すでに江戸と香港の間では──定期か不定期かは別にして──公文書のや
り取りがあったと考えられる。

じつはシンガポールに立ち寄った際に手に入れた香港の新聞で、一行は 3
か月ほど前に起こった生麦事件についての情報を得ていた。

公文書で「国内の政変、攘夷説の盛んなるを知り、船中の外人に対して面
目なく、また英字新聞は盛んに日本に問罪の師を送るべし、日本の攘夷論
は兵力をもって撲滅せざるべからずと論じ立てあるを見、船中は憂慮やら
慷慨談やら」(尾佐竹猛『幕末遣外使節物語 夷狄の国へ』岩波文庫 
2016年)だったとか。

当時の香港は、日本人が列強の動向を知るための窓口でもあったらしい。

その後、香港に関する日本人の記録は、目下のところは『觀光紀游』
(明治25年)、『漫游見聞録』(明治18年)まで不明だ。前者は岡千仭
(天保4=1833年〜大正3=1914年)が、後者は?田清隆(天保11=1840
年〜明治33=1900年)が記したものであり、2人は共に清仏戦争(1884
年〜85年)前後に香港で出会っている。

すでに『觀光紀游』は1260回〜1346回、『漫游見聞録』は1347回〜1364
回で読んでいるが、改めて香港部分を簡単に振り返っておくことも必要だ
ろう。

岡の香港上陸は1885(明治18)年1月11日で、「宏荘にして?麗。日中
諸艦の比に非ざる」ような「英國郵船」に乗船して香港を離れたのは4月
10日。1年ほどに亘る中国旅行で崩した体調回復が目的の滞在だった。こ
の間、短時日だが広州に出向いている。

当時の香港を、岡は「人口は16万400人。7970人がイギリス人、1720人 が
異邦人、15万700人が『中人』である。歳入は120万9517ドル。土木の建
設整備と人件費ほか一切の費用は香港で調達する。別に2万ポンドを防衛
費に充てる。

イギリスが同地を開いた目的は商権を拡張し、軍威を輝かせることにあ
り、それゆえに巨万の富を惜しげもなく注ぎ込んだ。この島がイギリスの
手に帰したがゆえに、東西交流は日に日に隆盛を極めるが、それは単にイ
ギリス一国を利するだけではない」と見ていた。

「商権を拡張し、軍威を輝かせる」ために、イギリスは香港を殖民地化
したのだ。
     
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者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読 者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜¥
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(読者の声1)自衛隊の基地や空港周辺、その他インフラや水資源などの
国家の安全にかかわる土地を、外国資本が買い取ることを放置してはなら
ないという観点から、ようやく国としても何らかの法的対応策を整備する
という動きがでてきたと報じられています。

しかしこの種の議論は往々にして財源問題との絡みから、真に国家の安全
の問題が脅かされていてもその対応策の実現にドライブが掛からないきら
いがあります。

そこで私は安全保障という上記の如き国家の最重要課題の為には「土地
本位制での通貨発行を、通常の通貨発行形態とは別次元の範疇で実施す
る」ことを新たな国策として確立することを提案します。

丁度と言っては不謹慎ですが、コロナ対策などの為に財政赤字の増加を厭
わず現在巨額の政府支出がなされており、これはいわば「価値の帯同され
ていない通貨」の発行がMMT理論に準拠する形で実行されています。

しかし貨幣の歴史を紐解けば、この「土地本位制的通貨発行案」は「より
基本に忠実」で「健全」であるとおもいます。(SSA生)

2020年12月30日

◆雀庵の「中共崩壊へのシナリオ(126」

“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/225(2020/12/27/日】チャリに縋り付いて、あ
るいはチャリを押しながら、多摩丘陵の初めての山道を休み休み登ってい
く。鬱蒼とした森に覆われるように所々に人家はあるが、ほぼ朽ちてお
り、人間の臭いはしない、人声もない。


厭離穢土の散歩のはずが、とても心細い。大山、丹沢、高尾山、奥多摩、
奥秩父・・・どこでも100mも歩けば人がいたのに、人っ子一人いない、
まるでSFかホラーの世界。鳥の声さえなく、踏みしめる枯葉の音だけ。崖
路から落ちれば間違いなく行路死亡人、朽ち果てて骨になる・・・だんだ
ん怖くなる、人里に戻りたい!


その一方で山道の先を見極めたい、今諦めたらチャンスはない、行くん
だ、ジョー!と我が身を励ます。やがて山道の右に崩れ落ちてきそうな廃
屋、左に崖下から伸びている廃屋が、まるで地獄門、罠の入口ようにあ
り、その先は左カーブのために見通せない。


カサカサ、頭から尻尾の先まで30cmほどの薄茶の動物が動いた。道脇を流
れる水を飲みに来たのだろう。テンに似ているが、界隈の中型哺乳類はタ
ヌキ、ハクビシン、ネコ、イタチあたりだから、野生化したネコのよう
だ。人間を恐れずにゆっくり身を隠した。出会った動物はそれだけ。それ
でも多少はホッとした。


さらに先を行くと、未舗装路になり、あっ、車が見えた、家がある、洗濯
物が干してある! そして「この先行き止まり」の表示。ちょっとホッと
したが、誘拐されてこんな所に拘禁されたらどうなるんだろうと思うとま
たまた不安になって、急いでUターン。「ああ、これで帰れる、娑婆に戻
れる!」


途中で「バラ苑まで〇段」という登り階段があったが、もうパワーはない
し、チャリでそそくさと坂を下った・・・まるで尻尾を巻いた敗残者、逃
亡者。情けない、かっこ悪い、「でもホントに怖かったんだもん、じゃあ
オマエも一人で行ってみろよ」と自己弁護したい気分ではあるね。まるで
のび太、今度はドラえもんと一緒に行こう。


帰宅して「川崎市多摩区・土砂災害ハザードマップ」で調べたら、そこは
「東生田2丁目」、ほぼ全域が「土砂災害警戒区域」+「急傾斜地崩壊危
険区域」、多摩区で最大の警戒区域だった。市のサイト「生田緑地におけ
る東生田2丁目地区の位置付け」から。


<◆昭和16年:生田緑地を川崎市都市計画緑地第1号として決定(平成17年
12月時点で179.3ha )◆昭和39年度〜:緑地内の整備に着手。◆緑地内には
東生田2丁目地区のほか、用地取得の進まない長期未整備地区が存在して
いる(計画面積179.3ha、取得済面積129.3ha、未取得面積50.0ha、取得率
72%)


◆平成25年12月現在、東生田2丁目は人口995人、世帯数575世帯で、一世帯
当たり1.73 人。長期に渡り取得地の整備が進んでいないことから、地域
住民の理解を得ながら、合理的な整備区域の整序を検討する。地域連携に
配慮し、町内会をはじめとして、大学、NPO法人など、様々な地域主体と
協力関係を構築しながら整備を行う>


ああ、民主主義とはなんと手間暇のかかるシステムだろう。昭和16年
(1941)、つまり大東亜戦争が始まって敗戦、何とか苦難を乗り越え東京
五輪を開催した昭和39年(1964)に整備が始まり、それから56年たっても
計画面積の28%が取得できていないなんて・・・隔靴掻痒、蝸牛の歩
み・・・溜息が出そう。


20世紀にあった独裁専制全体主義強国、即ち大清帝国、ファッショ・イタ
リア、ナチス・ドイツ、スターリン・ソ連、中共、北朝鮮などのうち、今
でも政治経済軍事力でパワーがあるのは中共(1949年〜)と続・ソ連的
プーチン・ロシア連邦(1991年〜)の2か国しかない。1959年建国のカス
トロ・キューバはひと頃「カリブの赤い星」と期待されたが、今ではすっ
かり忘却の彼方だ。


現在の中共とロシアは「嫌われ者同士のWinWin」みたいだが、この2大国
へ世界が向ける目は暦が変わろうが冷たくなるばかりだろう。


「中共ウイルス感染拡大で『国際的な反中感情は、1989年の天安門事件以
来の高まりとなっている』と結論づける内部報告書が4月初め、習近平主
席を含む中国首脳部に提出された」(ロイター)という。中共はインド
洋、南・東シナ海、太平洋などで今や最悪の存在だ。


一方、プーチン・ロシアは毒物テロなどで政敵を次から次へと殺しまくっ
ている。「8月に神経剤ノビチョク系の毒物で襲撃を受けたロシアの反体
制派指導者、ナワリヌイ氏(ドイツで治療中)は23日までに、身分を偽っ
て実行犯の1人に電話し、犯行の一部について聞き出したと明らかにし
た。約45分にわたって通話したといい、音声を自身のブログなどで公表し
た」(産経2020/12/23)。


こうしたインモラルな「悪の帝国」が発展するだろうか。銭ゲバ国家はと
もかく、G7や、G20のそれなりのまともな国なら「できるだけ交際しない
ようにする」だろう。印豪は敢然と中共に立ち向かっている。毛沢東の凄
さは「パンツ1枚になっても核武装する!」と不退転の決意で大戦略を断
行したことだ。今の中共は、大悪党ながらも大決断した毛沢東の恩沢が
あってこそ。学ぶべきは学ぶべし。


強くて優しくて便利なドラえもんはいない。日本の論壇、政界、経済界に
は紅色ジャイアンに擦り寄るスネ夫がうじゃうじゃおり、うかうかしてい
ると亡国だ。尻尾を巻いた敗残者になりたくないなら自分自身が切磋琢磨
してドラえもんになるしかない、たとえパンツ1枚になっても。目安
箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp

◆角さんにあって菅首相にないもの

酒井 充


【政治月旦】 2020.12.26 【産経ニュース】


 毎年、師走になると75歳で死去した「角さん」こと田中角栄元首相を
思い出す。生まれた頃に首相を務めており、平成5年12月に世を去った
のは記者が学生時代。それでも新潟の両親からは、故郷に凱旋(がいせ
ん)した今太閤(たいこう)の姿が「新潟を代表する偉人」に映ったと聞
かされて育った。

 東京が晴れれば晴れるほど、越後山脈で隔てられた新潟は分厚いねずみ
色の雲に覆われ、ときに大雪となる。「裏日本」から立身出世を遂げた人
をあがめる心境は、雪国以外の人とは分かち合いにくい。そんな思いで
「目白御殿」と呼ばれた東京・目白台の田中邸を訪ねた。

 「田中」の表札がかかった邸宅はあるが、遺族が相続税を物納し、かつ
て8230平方メートルあった敷地の約4割は公園となっている。朝から
地元の陳情客や政治家らがひっきりなしに出入りし、角さんが対応したと
いう事務所も今はなく、往時をしのばせるよすがは見当たらない。

 没後27年を経ても多くの「角栄本」が出版されるが、本紙連載の「戦
後75年」の取材でその足跡を追うと、「日本列島改造論」やロッキード
事件ほど有名ではない一面がうかがえた。昭和47〜49年の首相時に奔
走した資源外交への取り組みである。

 角さんは「石油の一滴は血の一滴」と語り、資源小国・日本の将来を心
配していた。原油の大半を外国、しかも米国資本が押さえる中東に依存し
ていた状況に鑑み、他地域を含めた供給の多角化に奔走した。発電効率の
良い原子力発電にも着目し、燃料であるウランの米国以外からの調達を目
指し、世界各国をトップセールスで駆け巡った。
 角さんと同い年で、終生のライバルだった中曽根康弘元首相もまた、若
手時代から資源確保に邁進(まいしん)したことに注目したい。30代の
無役の衆院議員時代に渡米し、当時米国で萌芽(ほうが)期にあった原子
力の平和利用を強く意識した。昭和29年に日本で初めて成立した原子力
予算を立案し、同30年に原子力基本法を議員立法で成立させた。

 時はくだり、法の支配などの共通の価値観を軸に中国との差別化を図る
「自由で開かれたインド太平洋」を提唱した安倍晋三前首相もまた、目を
外に向けながら日本の国家像を描いてきた。「インド太平洋」には米国や
欧州も賛同することになったが、日本主導で国際的な枠組みを推進した例
はなかった。


 安倍氏は自民党が保守合同の昭和30年以来、党是と掲げながら看板倒
れになっていた憲法改正に意欲を示し、首相として初めて自衛隊の9条明
記などの具体的目標にも言及した。

 うまくいったことばかりではない。角さんの資源外交は石油権益を支配
する米国の反発を呼び、後に失脚につながったとみることもできる。中曽
根氏が推進した原発は、平成23年3月の東京電力福島第1原発事故で大
転換を迫られた。安倍氏も憲法改正を実現できずに退陣した。それでも日
本が進むべき道を示し、その実現に身をていした。

 翻って菅義偉(すが・よしひで)首相の政治に太い針路を見いだせるだ
ろうか。当面は収束の気配がない新型コロナウイルスの克服と経済回復に
没頭するしかない。携帯電話料金値下げやデジタル庁設置、2050年の
温室効果ガスゼロといった目標も時代にマッチしていて結構だ。だが、何
か物足りなさを感じるのはなぜか。

 安倍氏が置き土産とした敵基地攻撃能力の保有についての検討は今月、
無期限で結論が見送られた。安倍路線の継承をうたいながら、外交・安全
保障や憲法はその枠外にあるようだ。

 熱意が感じられない点は、10月の所信表明演説でも明白だった。首相
は憲法改正について「与野党の枠を超えて建設的議論を行い、国民的議論
につなげたい」と淡々と原稿を読み上げるだけだった。「国民への責任を
果たそうではないか」と訴えていた安倍氏との違いは歴然だ。

 難航した後期高齢者医療費の窓口負担割合は、首相が公明党の山口那津
男代表とのトップ会談で決着させた。改革を一歩進めたのはよいが、本来
なら与党の実務者レベルがこなすべき案件である。

 角さんも中曽根、安倍両氏も、将来首相になることを目指し研鑽(けん
さん)を積んだ。周囲に「なる気はない」と言いながら、突然トップに上
り詰めた菅首相に同じことを求めるのは、ないものねだりなのだろうか。
(政治部次長 酒井充)



松本市 久保田 康文さん採録

◆CPEC(中国パキスタン経済回廊)

                      宮崎 正弘

 
令和2年(2020)12月27日(日曜日)通巻第6743号   

 汚職がすべての中国人と汚職大好きのパキスタンが組めば結末は最初か
ら見えていた
  CPEC(中国パキスタン経済回廊)、資金が蒸発、見事に財政破綻

米国ボストン大学の研究に拠れば、習近平が豪語してきたBRI(一帯
一路イニシアティブ)は2016年がピークだった。
同年にBRIプロジェクトに投下された資金は750億ドル。中国輸出入
銀行が主たる貸し手だった。

このプロジェクト資金が劇的なカーブを描いて激減した。

2019年に40億ドル、2020年は11月までの推計で30億ドルに
激減していた。貸した国からの償還が間に合わず、このため中国の銀行は
繋ぎ融資さえ滞ることになり、世界各国でプロジェクトは中断、頓挫ある
いは撤退という惨状になった。

 中国が呼号するCPEC(中国パキスタン経済回廊)も、予想されたよ
うに資金が途中で蒸発し、全長1872キロの横断鉄道工事現場は随所で
工事が止まっている。

こうなることは、あの「汚職がすべての中国人」と「汚職大好きのパキス
タン官僚」が組めば、最初から予測できたことだった。

CPECは合計122のプロジェクトがある。完成したのはこのうちの
32件。残り90件のプロジェクトが中断している。

就中、パロチスタンの南端グアダール港の近代化工事である。港湾の拡
大、コンテナヤード、国際空港、LNG基地。工業団地。いずれも中途で
「休憩」している。

バロチスタン洲はもともとパキスタンへの帰属意識が乏しく、独立を要求
してきた。中国人を殺害、誘拐、拉致と凶悪化しているため、パキスタン
は工事現場にパキスタン軍を投入して警戒することになった。

だから工事の能率は上がらず、さて現場に行けばセメントも鋼材も盗まれ
ていた。

ところが中国は労働力不足ならば、パキスタン軍人を投入しろと要求して
いるらしい。

基本的にプロジェクトの資金が続かず、中国はこれまで拒否した外国ファ
ンドの受け入れを認める方向にあるという。

パキスタン政府系シンクタンク「経済改革研究所」に拠れば、「CPEC
は、中国の借金の罠に落ちた」と総括する報告書をまとめた(『ザ・タイ
ムズ・オブ・インディア』、2020年12月26日)。
      
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 OPINIONS 読 者之声
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(読者の声1)貴著新刊『こう読み直せ! 日本の歴史』(ワック)を拝
読しました。縄文から弥生へ連続性をとらえ、日本本来の根っこがその後
もずっと継承されてきとする歴史観に、心がすっきりしました。和歌はま
さにそいう歴史観を養分として江戸時代ら明治へ続いてきたのでした。

神代からの歴史を背負い(歴史性・古事記)、日本のどこにでもあり
(国土性・風土記)、日本人なら誰でも歌をうたい歌を詠む(万民性・万
葉集)。これぞ三種の神器。日本はそういう和歌の国である、というのが
平安後期の源俊頼、藤原俊成、世阿弥、下河辺長流…と続いてきた考え方
です。

ところで、トランプはどうして「かっこ悪いけど、今日の集まりは、み
んなマスクをしようぜ」と呼びかけなかったのでしょうか?

その一声があれば選挙に勝ったのでは? 子どもみたいな質問で、すみ
ません。

インディアナは真っ赤な州ですが、選挙運動中、孫の小学生がいうに
は、クラスの中でマスク派と反マスク派に分かれて対立があり、マスク派
に、トランプがコロナにかかったじゃないか、と言われて、反マスク派の
子ども達がシュンとなるんだとか。

これは中学校でも同じだと中学生の孫に聞きました。その孫も8月から 高
校に入りました。その高校のオーケストラ演奏を動画で見ましたが、全
員マスクをして演奏しています。トランプはうかつにも負ける選挙をした
のでは? 
もちろん、イギリス人もマスクをしませんが。
   (HN生、新潟)
   ♪
(読者の声2)令和2年(2020)12月26日通巻第6742号「読者の声」で、
(SSA生)氏が、今年の大阪市廃止住民投票に関して、「それにしても11
月1日の選挙結果が出てから、政治学者はじめ、所謂知識人たちが本件の
重要性に気付かずスルーしているのは驚きです」と述べられている点につ
いてですが、小生も「無名の清貧老人」に過ぎないながら、投票前に、本
誌に相当回数投稿させていただいた者として、取り急ぎ一言させていただ
きます。

まず(SSA生)氏は、毎日新聞報道を「このような選挙に重大な影響を 与
えかねない行為(情報・報道)」と、非難的、否定的に述べておられま
すが、小生の認識する限り、この毎日新聞報道には、細部の記述、前提条
件についての正確性に欠ける点があったとはいえ、基本的な大筋ではまっ
たく誤りはなく、「誤報」どころか、逆に、このような、「選挙に重大な
影響を与える情報」について、もっと事前に大々的に報道されるべきで
あったと考えています。

この(毎日新聞が報道した)市財政局試算は「反対派の政党や住民が当
初から要求していたものであったが、それが住民投票直前になってようや
く発表されたものである」(森裕之「『大阪都構想』の失敗と市民自治」
『世界』2021年1月号)というのが実態でしょう。

市を4分割すること による「約200億円のコスト増という数字は大阪市財
政局が発表したもの であり、それが『ねつ造』などと言えるものではな
いことは明らかであっ た」(森)であり、毎日新聞が記事を撤回しない
ことを表明したことは当 然のことだったと私は考えます。 

善教将大「『大阪都構想』否決のなぞ それでも高い維新熱」(『中央
公論』2021年1月号)では、毎日新聞報道により形勢が逆転したという説
に疑問を投げかけ、「コスト報道単独の影響に限定すれば、逆説的だが賛
成を押し上げる効果をもっていた可能性さえあると考えている」と述べら
れています。

他には、原英史「『大阪都構想218億円』毎日新聞を検証する」(『正
論』2021年1月号)がこの問題を正面から論じていますが、私見では、
まったくの妄論です。

この原という人物は、元経産官僚で大阪府・市特別顧問を務めているとい
うことですが、私見では、大阪府・市特別顧問には、問題ある人物が多い
ように感じています。

結論としては、直前になって毎日新聞の(基本点において)適正な報道
があったこともあり、きわめて当然の結果(大阪市廃止の阻止)が出たも
のだと私は考えています。

大阪市廃止論の不当性については、本欄で何回か述べておりますし、こ
こでは繰り返すことを避け、とりあえず、(SSA生)氏による(私から見
ると、大きな誤解に基づく)主張に関係する事実的問題のみに限定して拙
速ながら、お応えしました。

なお12月25日の産経新聞報道については、小生は、現時点(26日早朝)
では確認しておりませんが、(SSA生)氏が述べられている通りだとすれ
ば、重大な問題だと憂慮します。

「(選挙直前の)財政局長の謝罪会見が松井市長の『厳重 注意』によっ
て無理矢理やらされたものではないかという認識が広がっ た・・・・・
それはパワハラとも受け取られかねないものであり、これに よって市民
は賛成派が『大阪都構想』のデメリットを隠そうとしているの ではない
かという疑念を抱いたといってよい」(森裕之氏)からです。さ らに、
私見では、雑誌『世界』が正当な論を掲載し、雑誌『正論』が内容 的に
疑問である論を掲載している点も問題だと考えています(椿本祐弘)

2020年12月29日

◆安倍氏めぐる2つのニュース

 【阿比留瑠比の極言御免】令和2年12月24日

 今年最後の当欄で、朝日新聞の記事など触れたくなかったが、23日付朝
刊紙面があまりにも朝日らしい独特の「全集中の型」だったので紹介す
る。朝日は1面トップとサイド記事、2、3面トップと社説、オピニオン
面特集と社会面見開きを費やして同じ問題を取り上げていた。

 毎度のやり方

 天変地異でも起きたかのような大騒ぎの対象はというと、安倍晋三前首
相が自身の後援会の政治資金収支報告書への不記載問題をめぐり東京地検
特捜部に任意で事情聴取を受けた件への関連記事である。

 読者の脳裏に、これは大問題だと刷り込みたいときの毎度のやり方だと
いえる。だが、中身を読むと地検は、安倍氏には「具体的な関与はなかっ
たとして不起訴処分とする方針を固めた」という結論である。しかも、地
検内のこんな声も紹介している。

 「『首相が事務所の経費にいちいち口出しするわけがない』との意見も
あった。そんな中で検察がより強く意識したのは『国民の視線』だった」

 「ある幹部は『法律家として(安倍氏から)聴く必要はないと思って
も、国民の代表である検審(検察審査会)が許さず、捜査不十分と言われ
かねない』と語った」

 何のことはない。地検は国民の目が怖いので、行う必要もない事情聴取
をしたという内情を、朝日自身がばらしている。そうした国民の声を形成
したのが、朝日と同調メディアによる一連の洪水のような報道だと自慢し
ているのだろうか。

 朝日は社説では、まるで事情聴取を受けたこと自体が悪いかのように書
くが、それも誤解と偏見を招く。特定の人物の印象を悪くすることが狙い
の刑事告発を誘発さいかねない。任意の聴取に協力せず、逃げきれば勝ち
だとでもいうのか・・・。

 米勲章の意味

 ともあれ、この日は安倍氏をめぐって、別のニュースもあったが、朝日
の紙面には見当たらなかった(産経新聞もミニニュースと扱いは小さかった)

 安倍氏が米国のトランプ大統領から、日本の歴代首相として初めて、最
高指揮官として特に困難な任務に格別な功績を挙げた者に授与される最高
位の勲章「レジオン・オブ・メリット」を贈られたという快挙である。理
由は「自由で開かれたインド太平洋への指導力とビジョン」だった。

 まさに安倍氏が提唱し、米国、インド、オーストラリアが導入した中国
の脅威をにらんだ4カ国の連携枠組み「QUAD(クアッド=英語で4の
意味)」を、米国がいかに重視しているかを示している。勲章は、ホワイ
トハウスでオブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)から杉山
晋輔駐米大使に渡されたが、関係者によるとオブライエン氏はその際、こ
んな趣旨を述べたという。

 「自由で開かれたインド太平洋という考え方は、十数年前から安倍前首
相が言ってきたもので、それがここまで大きな形になった。安倍前首相に
トランプ大統領が賛同し、印豪が加わった。すべてはシンゾーから始まっ
た。シンゾーのリーダーシップは素晴らしい」

 また、オブライエン氏からは杉山氏に対し「元気になられたら、安倍前
首相には日米関係、国際関係のためにまだまだ頑張ってほしいと伝えてほ
しい」といった話もあったという。

 何とか安倍氏をたたこうとする暗い情熱が漂う朝日の一連の記事を読み
つつ、米国と日本との国際情勢認識や政治を見る視座の隔絶に、ただ暗然
とした。

(産経新聞論説委員兼政治部編集委員)。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

◆中国はゲームにすら嫉妬する

黄 文雄


台湾発『還願 Devotion』検閲、再販中止の裏で何が起こっているか

台湾で昨年2月に配信されると同時に大人気となるも、習近平中国国家主
席が絡むあるトラブルのため販売停止となった1本のホラーゲーム。今月
16日には再販決定の発表がなされますが、そのわずか数時間後に中止が決
まるという異常事態に各所から批判の声が上がっています。今回もその裏
に中国の圧力があることを確実視するのは、台湾出身の評論家・黄文雄さ
ん。黄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、
中国・韓国の真実」』で、習近平国家主席が絶対に自分への批判を容認で
きない理由を記すとともに、コロナ禍以降、中国の焦りとジレンマがより
明確になっている事実を紹介。その上で、「中国が強気でいられる期間も
長くはない」と記しています

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学
院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、
評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国
人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【台湾】ゲームまで検閲、トップへの批判を容認できない中国の限界

● 配信停止の「還願」、再販決定もすぐ中止に 台湾発ゲーム、中国から
猛抗議



台湾で大ヒットした後、アジアだけでなく世界でも話題となったホラー
ゲーム「返校」は、その後、映画もヒットし、日本での上映も決まりまし
た。ストーリーは、学校を舞台にしながら、1960年代、戒厳令下の台湾社
会の暗部を描いたものです。その「返校」を手掛けたのは、2015年に発足
した開発集団「赤燭遊戲 Red Candle games」です。彼らの第一作が「返
校」でした。

第一作の大ヒットを受け、波に乗った彼らは第二作目のゲームを発表しま
した。「還願(Devotion)」です。ストーリーは、「1980年代台湾のア
パートを舞台にした一人称視点の心霊ホラーゲーム。台湾の文化と宗教を
取り入れ、探索と謎解きを融合した没入型のゲーム体験を特色としていま
す」とのことです。

● 台湾ホラー『還願』がGOG.comにて再販決定を発表するも、5時間後に中
止を決定【UPDATE】

「還願(Devotion)」は、2019年2月に配信されると、たちまち高い評価
を受けましたが、配信直後に販売停止となりました。このことは、以前こ
のメルマガでも取り上げたことがあります。

販売停止になった理由は、ゲーム内に出てくる部屋に貼ってあった小さな
黄色い呪符。そこには、「くまのプーさん 習近平(習近平小熊維尼)」
という言葉に加え、「間抜け」という意味のスラングと同じ発音の文字も
並べていました。これに異常に反応した中国人ユーザーたちが、クレーム
をつけまくり、ゲーム販売プラットフォームのSteamは配信停止を決定せ
ざるを得なくなったというわけでした。

開発元の「赤燭遊戲 Red Candle games」は、これに対して、「本来削除
すべきデータアセットを削除し忘れた」と釈明し、謝罪しました。さら
に、問題の言葉もすぐに削除しましたが、中国人からのクレームは収まら
なかったというわけです。

● 配信停止のホラーゲーム「還願」は、もはや二重の文脈から逃れられな
い:ゲームレヴュー

それから約1年が経った今、「赤燭遊戲 Red Candle games」は、当初の
ゲーム販売プラットフォームSteamから、GOG.comというプラットフォーム
に乗り換えての再出発を図り、「還願(Devotion)」の再版決定を発表し
ましたが、再び中国人からの大量抗議を受け、発表から5時間後には再版
中止を発表することになりました。




簡単に訳せば、「今回の決定はとても残念ですが、その理由を理解しファ
ンの皆様のためにもこの逆境を乗り越えるべく引き続き努力していく次第
です」となります。

at 07:49 | Comment(0) | 黄 文雄

◆米国の分裂状態は悪化する

宮崎 正弘

 
令和2年(2020)12月26日(土曜日)通巻第6742号   

 暴動が起こり、米国の分裂状態は悪化する
 アメリカは六つに分かれるとロシア・アカデミーの学者

 大統領選挙前後からアメリカは完全に分裂し「現代の南北戦争」の様相
を呈していた。
 香港のひそみにならえばアメリカは「一国二国民」となったのではない
か。中国はアメリカに代替できる覇権を狙うから米国分裂は欣快な出来事
である。
 ロシアでは「アメリカ分裂は六つに割れる」と先走った主張をする学者
がいる。それも珍説や暴論ではなく、歴としたロシア・アカデミーの学者
が唱えているのである。

 嘗て筆者は「中国は十六に分裂する」と予測し『中国大分裂』(文藝春
秋ネスコ)という単行本を上梓した。李登輝元総統は「中国は七つに分裂
するのが適切」と言い出された。中国は不快感を覚えたのか、『亜州週
刊』が李登輝総統非難とともに「分裂論に同調する日本人たち」として中
嶋嶺雄、長谷川慶太郎、そして筆者の名前を挙げたこともあった。

 旧ソ連は崩壊後、十五に分裂した。
 ユーゴスラビアは東西冷戦崩壊で共産主義独裁政権が消え、七つに分裂
した。
 イラクは三つに分裂状態だが、まだまとまっている。スペインのバスク
地方など多数の国で分裂運動が起きている。カナダからニューカレドニア
まで分離独立運動がある。

 米国は南北戦争で60万余の犠牲を出し、ようやく統一され、星条旗の
下に「アメリカ人」というアイデンティティでまとまってきた筈だった。
しかしベトナム戦争以後の価値紊乱とキリスト教の伝統的価値観を冒涜す
るようなLGBTQが象徴する左翼運動が蔓延した。歴史の英雄である銅
像を次々と破壊し、差別とかの言いがかりをつけた暴力事件が頻発、そう
した破壊的思想を蛇蝎のように嫌う南部の敬虔なキリスト教徒、エヴァン
ジュリカルらは絶望と希望の狭間を行き来しながらも伝統を守る運動を組
織した。
 四年前にトランプを支持し支えたのはこの伝統的な人々だった。

 選挙結果が露骨な分断状況を晒した
 北東部から東海岸は極左的社会主義が蔓延り、ラストベルトの旧工業地
帯には資本主義の絶望が聞かれ、南部から中西部は敬虔なキリスト教地盤
にチカノが入り込んで混沌とし、西海岸は正真正銘の左翼の牙城となった。

 リーマンショック直後にもロシア外務省学士院学部長のパナリン教授が
米国が六カ国に分裂すると主張したことを思い出す。
(1) カリフォルニア州を基軸とする西海岸は「カリフォルニア共和
国」となり中国とべったりの外交を展開する。
(2) テキサス地域(南部)は「テキサス共和国」となり、メキシコ
と の関係が濃厚になる。
(3) 北東沿岸は「アトランティック・アメリカ共和国」(北東部か
ら 東海岸の大西洋沿岸部」。
(4) 中西部からラストベルトは「中北部アメリカ共和国」となりカ
ナ ダとの結び付きを強める。
(5) アラスカはロシアに還す。
(6) ハワイは中国の保護国となる
などとする予測である。
さてどうなる?
               (北国新聞「北風抄」12月18日から
再録)
 ◎☆◎◎み☆◎□☆や□◎◎☆ざ◎◎□☆き◎☆◎◎ 
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(年末年始の発行予定)1月5日までの年末年始は随時休刊となります。 
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読
者之声
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(読者の声1)大阪都構想の住民投票(11月1日)直前に「大阪市を4
分割すると、218億円のコスト増になる」との試算を市財政局が報道機
関に提供した問題で、大阪市は24日、住民投票に関する公文書を故意に
廃棄するなどした財政局幹部ら3人を減給10分の1(3〜6カ月)の懲
戒処分とした。市人事室は同日、市役所で記者会見を開き、「市民の信頼
を失墜させた」と謝罪。問題となった財政局の試算については、「(都構
想が目指す)特別区に移行した場合のコストの問題と受け止めた人がお
り、(投票行動に)影響があった」との認識を示した。
 
 以上は産経新聞の12月25日の記事ですが、大阪市役所が「(都構想
が目指す)特別区に移行した場合のコストの問題と受け止めた人がおり、
(投票行動に)
影響があったとの認識を示した」と公式にその「誤り」を認めた以上、大
阪維新の会は当然先の選挙は無効であリ、再選挙すべきと訴えるのではな
いかとおもい
ました。これは、今までの(些細な?)金銭問題に関する選挙違反事件と
は全く次元の異なる、「真の民主主義制度を根幹から破壊するためのクリ
ティカルで新しい、そして巧妙で悪質な選挙破壊事例」となりつつある最
高裁案件とすべき大問題です。即ちアメリカ大統領選挙の「争点」と同質
のものだからです。もし大阪維新の会がこれを放置するなら、彼らは真に
重要な事を見分ける見識に欠けている組織とみなされましょう。
なを私は大阪都構想の是非をここで述べているのでは、もちろんありませ
ん。それよりもこのような選挙に重大な影響を与えかねない行為(情報・
報道)をどう扱うかが情報化社会において遥かに重要な問題であるので
す。それにしても11月1日の選挙結果が出てから、政治学者はじめ、所
謂知識人たちが本件の重要性に気付かずスルーしているのは驚きです。
(SSA生)


  ♪
(読者の声2)なんでもAIは決して良くないということを、最近の私の経
験から申し上げます。
この10月から12月にかけて、アマゾンから購入した宮崎さんの『こう
読み直せ!日本の歴史』と価格が近いのですが、10月のあるカード会社
からの請求に1660円1回、1650円2回の請求があり、疑問があっ
たので、そのカード会社に電話したが、生身の人間は応答してくれず、ま
さにAIの応答で、これは彼らがっての質問が仕込まれており、こちらが
聴きたいことは質問できません。
生身の人間なら、融通を聞かせて応答してくれますが、AIではまったく
拉致があかず、アマゾンの方は苦情を言う窓口もよく分かりません。
「消費者相談センター」に相談する予定です。AI万能ではありません。
(関野通夫)


(宮崎正弘のコメント)そのAIが将棋やチェスのチャンピオンを負か
し、近未来には戦場でAI搭載の司令官ロボットが指揮を執ることになり
ます。空恐ろしい時代が、近付いています。

2020年12月28日

◆雀庵の「中共崩壊へのシナリオ(125」

“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/224(2020/12/26/土】「チャリ散歩 夏は汗か
き 冬なみだ」という感じだなあ。芭蕉先生の「旅に病んで 夢は枯れ野
を かけめぐる」「夏草や 兵どもが 夢の跡」「おもしろうて やがて
悲しき 鵜舟かな」・・・


チャリ散歩は「小さな旅、冒険」。今は目の玉が寒くて涙ぽろぽろ、鼻水
たらたら、眼鏡屋に寄って「メガネの上をカバーできるゴーグルはありま
すか」と尋ねたが「ありません」。店を出たら顔なじみの奥さん、昔はア
イドル系、お人形さんみたいだった方が呆然と歩いていた。「お元気?」
「もうあちこち痛くて・・・」「お大事に」。資産家に嫁いだが加齢、老
化には効かないか。



内に光るものがある人は老いても輝き、オーラがある、それを「品格」と
いうのかもしれない。残念ながら小生には無縁だ。好奇心、感動、創造、
憎悪の心は夕焼けのように燃えているが、憎悪や敵視は「偏愛、偏狭」の
せいなのだろう。自分の好みの価値観に外れるものは許容しない、駆除し
て当然、「正義と思えば何でもできる」・・・哀しいかな、それはキチ〇
イの小生のみならず、どうも人間、動物の業、初期設定、本能のよう。


原始から縄張り争い、戦争の連続・・・血と涙、敵意と憎悪、「もう、そ
ういうのは止めにしよう」と3000年前あたりから「愛、友好」を説く人が
増えていったのかもしれない。同時に「私は正義病」も増えて、聖職者ま
でが「奴らは蛮族、邪教、敵だ、追い払え、殺せ、神に代わって征伐せ
よ!」となり、今に至っている。まったく残念なことだ、平和への道遠
し、平和は逃げ水のよう。



「ウィーン発 『コンフィデンシャル』2020/12/1 仏、過去4年間で7人
の神父が自殺」から。



<バチカン・ニュースで衝撃的なニュースが報じられていた。カトリック
国のフランスで過去4年間で7人の神父が自殺したというのだ。


バーンアウト(燃え尽き症候群)、デプレッション(憂鬱)、肥満、孤独
などがフランスの聖職者が頻繁に直面する課題となっているという。調査
では93%の神父は肉体的、精神的に健康だと答えているが、聖職の過労と
デプレッションが問題となると述べている。具体的には、2%の神父は自
身がバーンアウトと感じ、その40%はアルコール中毒であることを認めて
いる。神父の多くは孤立し、孤独に悩んでいる。インタビューを受けた神
父の半分以上は一人暮らしだ。


神父の肉体的、精神的健康度の調査は同国司教会議が要請したもの。目的
は神父の心の状態を掌握し、神父の「生活の質」向上に役立つ予防措置を
取ることにあるという。調査対象となった神父は75歳以下の6300人。42%
はフランス人神父だ。


フランス教会では神父の1日平均労働時間は9.4時間、20%の神父は「仕事
時間が長い」と感じている。神父の45%が自分は慢性疾患を抱えていると
思っている。喫煙者は少ないが、43%は体重過多であり、20%は慢性疾患
の危険が高い肥満という。20%はデプレッションの兆候があり、7%は仕
事の酷使に悩み、2%はバーンアウト状況だ。


司教会議は神父の「生活の質」向上のために様々なアドバイスをしてい
る。最も重要な点は孤独対策だ。一人住まいではなく、神父たちの共同生
活などだ。また、悩む神父のために社会的健康と交流場所を提供するセン
ターの設置だ


いずれにしても、同国教会で過去4年間、7人の神父が自殺したという事実
は重い。どのような経路から神父が自殺に追い込まれたか等の説明はな
い。聖職者にとって神が与えた生命を自ら断つことは罪と分かっていたは
ずだが、それを防ぐことができなかった。それだけ苦しみが深刻だったわ
けだ。


神父だけではない。高位聖職者に入る司教にも精神的に悩む聖職者が増え
てきている。米ローマ・カトリック教会リンカーン教区のジェームズ・コ
ンリィ司教(64)がうつ病のため休職を申し出たというニュースが報じら
れていた。司教はうつ病になり、不安恐怖症の症状を呈し、数カ月前から
不眠と耳鳴りが続く症状だという。同司教は教区関係者宛てに書簡を送
り、「相談した結果、自分はうつ病の精神疾患に罹っていると判断し、治
療を受けるべきだと考えた」と説明している。


フランス教会だけではない。世界の教会で悩んでいる聖職者が多数いる。
小手先の対応ではなく、抜本的な改革が必要な時だろう。以下、当方の考
えを少し書いてみたい。


最大の問題は「聖職者の独身制」だ。人は生来、一人で生きていくように
はなっていない。カトリック教会の独身制は「ドグマ」ではなく、「伝
統」に過ぎないことはベネディクト16世も認めている。「聖職者の独身
制」廃止が急務だ。


キリスト教史を振り返ると、1651年の公会議の報告の中で、当時の多くの
聖職者たちは特定の女性と内縁関係を結んでいたことが明らかになってい
る。カトリック教会の現行の独身制は1139年の公会議に遡る。聖職者に子
供が生まれれば、遺産相続問題が生じる。それを回避し、教会の財産を保
護する経済的理由があったという。


問題は、教会の独身制は聖職者の未成年者への性的虐待問題にもかかわる
と読み取れることだ。バチカン・ニュースは昨年12月、「バチカンは2001
年以来、6000件の聖職者の性犯罪を調査してきた」と報じた。この数字は
実際起きた聖職者の未成年者への性的虐待総数の氷山の一角に過ぎない。
実数はその数倍と受け取られている。


当方は、結婚と家庭を捨てて教会や修道院で神を求める信仰生活は本来の
神の願いと一致しないと考えている。これからは家庭で神を迎えなければ
ならない。出家して仏の道を模索したり、教会や修道院に入って神を探す
時代は過ぎ去った。実際、若い修道僧・修道女の離脱が増えている。2001
年から11年の過去10年間で79万2100人だった修道女数は71万3000人と約
10%急減した。世界で毎年3000人の修道僧、修道女が離脱している。


もちろん、聖職者が家庭をもてば全てが解決するとは考えていない。家庭
を築けばまた新しい問題が出てくるだろう。しかし、一人で悩むことはな
くなるはずだ。フランスの司教会議の今回の調査結果は聖職者の独身制が
もはや機能しないことをはっきりと示している。


なお、バチカン・ニュースでは、104歳で11月24日亡くなったスペイン人
の司教のニュースが報じられていた。その記事には1枚の写真が掲載され
ていた。当方は司教が如何なる道を歩んできたかは知らないが、写真の司
教の後ろ姿から、強烈な孤独を感じた>


神は死んだ、生きているかもしれないが、それは分からない。神ならぬ生
身の僧侶は「今」を生きている。この世は天国ではないから僧侶とて万人
同様に悲しみ、苦しみ、不安、不幸は多く、それでも僧侶による癒し系の
仕事は万人にとって必要なのだ。


今朝の散歩では急勾配の崖の中腹に「津田山弁財天」を発見した。弁財天
が小生を呼んだのかもしれない。鳥居をくぐると崖の奥には祠があり地下
水がたまっていた。創建年代は不明だが、1913年(大正2年)の旱魃の
際、弁財天に祈願したところ、雨が降り草木が蘇ったという。今でもきれ
いに手入れされており、石碑にはこう刻されていた


<大正二年八月大旱渇水 穀草果木 殆ンド将ニ枯死セントシ 農家ノ憂
慮言語ニ絶ス 菲徳未義 其状ヲ見テ愁惧ニ堪ヘズ 猛然意ヲ決シテ此窟
中ニ入リ 断食三晝夜 千巻ノ経文ヲ誦シ 丹悃ヲ傾ケテ至心雨ヲ祈
ル・・・>


人事を尽くして天命を待つ、最後は神仏に祈るしかない。それを取り持つ
のが僧侶であり、少なくとも今の日本人は僧侶が未婚か既婚かなんて気に
しない、むしろ独身だと「キモイ」と思われるのではないか。


日本では明治5年(1872)に「僧侶の肉食妻帯蓄髪は勝手たるべきこと」
と太政官布告があり、国家が仏教との関わりを解き、明治後期まで仏教界
で議論紛糾したが、結局自然の成り行きに順じる方向で収束し、現在に
至っている。破戒ではなく無戒の時代なのだ」(「住職のひとりごと」)


日本では僧侶も職能人、生身の人間、喜怒哀楽は避けられない。多くの日
本人は多神教で、神社仏閣に求めるのは幸運、平穏、癒し、慰め、智慧で
あり、それを上手に神仏に祈ってくれる先導者の僧侶や神主に、昔じゃあ
るまいし童貞や未婚を求めたら、逆に「頭、おかしいんじゃね、医者行っ
た方がいいよ、医者に」となる。


少なくとも3000年間喧嘩してきた一神教より、「人は好き好きケナスは野
暮よ」の日本的多神教の方が平和であることは確かだ。日本に宗教問題は
まずない、過疎化で神社仏閣が消滅しかねない、どうにかしないと、とい
う人口問題、文化問題ばかりだ。まったく穏やかな国柄である。良き国を
守りたい。目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.j