2021年06月02日

◆バイデンの左翼バイキング予算

Andy Chang


AC 論説No.844 

今日は5月31日の戦没将兵追悼記念日でアメリカの国定休日である。休
日に入る2日前の金曜日にバ
イデンは6兆ドルの2022年度国家予算を発表した。休日前の発表だから国
会議員やメディアの反応は遅
かったが、やがてボデーブローを喰らったような国会議員たちもだんだん
と反応しつつある。最初に反
応を示したのはマイク・ポンペオ元国務長官で、「これは左翼のバイキン
グ予算だ」と喝破した。つまり
社会主義者が金をばら撒いて国民を喜ばせようとしているのである。

6兆ドルの国家予算はこれまでのアメリカの歴史になかった膨大な数字で
ある。もともと国家予算とは国
家の税収を超過しないようにすべきだが、アメリカの国家予算はいつも
オーバーしている。アメリカの税
金収入は経済状況によって違うけれども大体のところは4兆ドルである。
トランプの国家予算はそれに
沿って、2019年度が4.45兆ドル、2020年度が4.79兆ドル、2021年度
が4.829兆ドルだった。
バイデンの6兆ドルは国家の収入を50%以上も超えている。

国家予算はなるべく赤字を増やさないようにすべきだが、調べたところ、
過去20年のアメリカの国家赤
字はGeorge W.Bushの2001年と2002年に黒字になった以外はみんな赤字
だった。

トランプ政権の赤字は2017年度が0.7兆ドル、2018年度は0.8兆ドル、
2019年度は0.9兆ドルで、
2020年度に3.1兆ドルと大幅な赤字増加を計上した。これはウイルス疫
病のため経済が悪化して国家税
収が減少したためである。コロナ疫病はアメリカ経済に大きな打撃を与え
たが、コロナは今も続いてい
るから経済が好転するはずがない。

赤字が大幅に増加したのはオバマ政権である。オバマ時代の赤字は2009年
度が1.4兆ドル、2010年度
1.3兆ドル、2010年度が1.3兆ドル、2012年度1.0兆ドルでオバマ第
一期の4年で合計5兆ドルの赤
字。オバマ第二期は赤字合計4兆ドルで、オバマ政権は8年で9兆ドルの
赤字を作った。国家赤字は年々
増加していて、現在の赤字総計は28兆ドルだが、バイデンの2021年度は
コロナ疫病のため既に2.7兆
ドルとなっている。つまり今年の年末には赤字の総計が30兆ドルを越すの
は明らかだ。赤字は国民の
子々孫々が払うのだから為政者は軽々に赤字予算を組むべきではない。し
かも赤字には利息がついてい
るから雪だるま式に増加するのである。

バイデンは「大きな政府」を作って国民に金をばら撒けば雇用が増加し経
済が好転するとしているが、
バラ撒きは無駄づかいが多いことで知られている。バイデンが最近出した
国内インフラ改造予算は1.9
兆ドルだったが、共和党の国内インフラ改造はバイデン案の半額の
0.85兆ドルと発表した。バイデン
と共和党の違いは今でも折り合いがついていない。同じように今回の予算
には0.4兆ドルを中南米国家
に援助してアメリカの国境違法移民問題を解決すると言う。中南米国家を
援助したらそれらの国の経済
が好転して国外逃亡が減り、アメリカの国境が守れるとは根拠のない無駄
遣いである。

バイデンは赤字の解消に企業の税をトランプの21%から28%に上げる、そ
して年収40万ドル以上の高
所得層の所得税を大幅に上げると言う。これは社会主義者や共産主義者の
得意とする金持ちの金を奪っ
て低所得層に与える主張だが、企業税を上げたら企業は国外に移転して経
済は悪化する。勝手に高所得
者の税金を上げるのは共産主義、マルクス主義である。国が金を与えたら
貧乏人は働く意欲を無くして
フリーターが増えるだけで
雇用が増えるとは限らない。もっと大きな問題は金をばら撒いた結果がイ
ンフレとなって国民の生活は
良くならない。結論としてバイデンの6兆ドル予算はアメリカの衰退を促
進するだけである。

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at 07:33 | Comment(0) | Andy Chang

◆雀庵の「常在戦場/24戦争の時代に備えよ」

“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/310(2021/5/30/日】「期待は往々にして外れ、
嫌な予感はよく当たる」・・・夢と現実の落差に嘆くヂイサンは多いだろ
う。「あんなに可愛かったのに・・・クソババアめ」と恨みつつ、もはや
戦意は枯れ果てて隅っこの部屋で妄想世界に耽溺し、「ごはんよー」の声
を大人しく待っている。「あっ、刺身だぁ、美味しそう、ワンワン!」、
老犬は死なず、逼塞するのみ、自嘲するしかない、それでいいのだ! 居
直ったりして・・・


虞や虞や若(なんぢ)をいかんせん、平和な時代の小者の小生は進退窮まる
ような深刻な目に遭ったことはないが、独ソ不可侵条約が破られた時、あ
の冷血非道なスターリンが腰を抜かしたという話は、逆から見ればヒト
ラーがいかに空前絶後的天才級アジテーターだったかを示している。
2021/5/27「朝雲」に興味深い記事があった。


鎌田昭良氏(元防衛省大臣官房長)「独ソ不可侵条約 ヒトラーとスター
リンが“死の抱擁”」から。


<チャーチルは回想録で「正直こそ最善の政策である」と述べた上で、
「悪賢い人間や政治家は念入りな計算のためにかえって道を誤る例を見
る。この(条約の)場合は特に著しい例であり、わずか22カ月の後、ス
ターリンと数百万人のロシア国民は恐るべき罰金を支払わなければならな
かった」とスターリンを道義面から批判しています。


一方、キッシンジャーは、共通の地政学的利益はイデオロギーを超える強
力な絆であるとした上で、「(第2次大戦後)ソ連が超大国になったのは
バザールの商人(のごとく狡猾で計算高い)スターリンの冷酷な駆け引き
にその起源がある」と冷徹な分析をしています。どちらの評価にも一理あ
ると私は思います>


戦後のソ連はサナダムシ工作がばれて大スポンサーの米国に三行半を食ら
い瓦解してしまったのだからキッシンジャーは「共産主義の脅威、危険
性」に甘かった。同様に中共にも甘々で、イデオロギーを無視した「色眼
鏡とソロバン」という銭ゲバ的利益で見ていたからどじって、それが今の
世界の危機を招いた、と言える。戦後リベラルは多くが容共≒アカだか
ら、今や化け物になった中共を見てうろたえるだけ、ほとんど思考停止の
よう。「河豚は食いたし命は惜しし、今さら別れる切れるなん
て・・・」、ズブズブのタダレタ関係。警戒心、危機感、緊張感がないと
墓穴を掘ることになる。


同じ「朝雲」で外交評論家・草野徹氏が「中国 vs 台湾 冬季五輪後の侵
攻説も」で警鐘を鳴らしている。


<米国は長年、台湾への兵器売却や合同演習実施などで、中国に向け“手
を出すな”の明確なメッセージを送ってきた。時に小規模の緊張が生じて
も、この戦略は機能してきた。しかし米国の政権交代で、形勢一変の兆し
が明白になってきた。


中国は4月、台湾の東方と西方で同時に大規模な軍事演習を実施。米代表
団が訪台した際には沿岸で実弾演習を行い、通常よりはるかに攻撃的な姿
勢を示した。


中国による台湾侵攻の脅威に関し「大げさだ」と言う専門家は多い。中国
は台湾に多方面から圧力を強めるだろうが、本格的な上陸作戦の侵攻はあ
りそうもないと見る。南シナ海の台湾が領有する小さな諸島の一つを奪取
して、それに対する台湾の決意と国際社会の出方を試すことは考えられ
る。だが、少なくともごく近い時期に中国指導部が全面的侵攻による政
治、経済、国際世論の悪化というコストを正当化できるとみなすとは想像
し難いという。


いささか“耳にたこ”の類で、第一、新疆ウイグル自治区での過酷なウイグ
ル族弾圧、香港民主化の徹底弾圧などを前にして、今さら「国際的評判を
気にして云々」と、一体どこの国の話をしているのかという気もする。


米インド太平洋軍のデービッドソン司令官が退任前、上院軍事委の公聴会
に出席し、中国の台湾侵攻について、「2020年代のうちなのは明らかで、
実際には今後6年以内」と警告したのはごく最近(3月9日)のことだ。同
氏の後任の新司令官に就任(4月30日)したアクイリノ海軍大将も3月末、
同委公聴会で「中国軍の攻撃はそれよりもっと早い可能性がある」と証言
していた。


両氏とも、地域の軍事情勢を天井桟敷から眺めている評論家ではない。米
国が持つあらゆる種類の情報、分析にアクセスしており、証言は重大に受
け止めるべきだろう。


台湾を奪えば、中国にとって政治的に大きな強みになる。同地域および世
界的規模で米国の威信を粉砕し、世界に向けて「米軍も核兵器も経済制裁
の威嚇も中国を阻止できなかった」という強烈なメッセージになる。


複数の米軍事筋の「推測」の一つとして一部で評判になっているのは、台
湾侵攻は2022年2月、中国冬季五輪(4〜20日)のすぐ後の可能性という観
測だ。


類似の前例がある。ロシアは14年、ソチで開かれた冬季五輪の閉幕後、す
ぐにウクライナのクリミアに侵攻した。「伝統的にロシアの領土を奪還」
というのがプーチンの主張だった。当時、北大西洋条約機構(NATO)は軍
事的に何ら対応せず、この事実に中国軍は強く印象付けられたという。


台湾侵攻が現実化した時、米政府はどうするか。中国の「ワイルドカード
(万能の手)」は「米政権の弱さ」で、(中米の)広範な財政的つながり
を見れば当然。「空虚な脅し」と決まり文句の声明を出す程度ではなかろ
うが>


この切れ味の良い優れた論稿を書いた草野徹氏はネットで検索してもヒッ
トしなかった。読んでいて高山正之氏と高坂正尭氏(初期の自衛隊「朝
雲」と近い平和・安全保障研究所発起人の一人)を思い出したが、草野氏
は防衛庁系の現役高官かもしれない。


「世界の警察官」を辞めたすこぶる怪しい民主党・米国は、国内で警察叩
きを盛んに行っているが、これは民主党自体の出自が下層・労働者階級と
それを利用して「既成秩序転覆を目指す過激派」が原点だからだろう。エ
スタブリッシュメントや社会秩序、それを守る警察を憎悪し、革命という
ガラガラポンを目指す。オバマが大統領選に勝利した際、夫人はこう言っ
たものである。「人生で初めて自分の国を誇りに思います」


小生はビックリしたが、彼女はそれまでは米国を呪っていたのだろう、亭
主と一緒にトリニティ・ユナイテッド教会のメンバーだった。その恩師で
あるジェレマイア・ライト牧師曰く「黒人を人間以下に扱っている(白人
の)アメリカに神よ断罪を!」。


憎き白人の手先である警官が札付きのゴロツキ黒人を逮捕する際、締め付
け過ぎたのかゴロツキが死ぬと、民主党はそれをトランプ・共和党叩きに
政治利用した。共産主義独裁国家を目指しているような民主党は、自分た
ちの利益(党利党略)次第で中共叩きをするか、しないかを決めるだろう。


かつては「地政学的利益」でソ連と手を握った米国民主党は「党利党略と
国益」、つまり「利益」で動く。正道、非道、邪道を問わず、勝つことが
正義だから何でもやる。中共と手を組んで「太平洋を二分する」ことも辞
さないだろう「信じてはいけない相手」であり、ヒトラー・ナチスみた
いにサプライズで「同盟国を平気で裏切りかねない相手」と、用心してい
ないとひどい目に遭うだろう。日本は「進退ここに窮まれり」、また繰り
返す気か。


米国のメディアは圧倒的多数の民主党≒アカ=バラマキ支持と、少数派の
共和党=自立自尊=保守支持に明瞭に分かれている。日本で言えば、前者
は朝毎東(中日)西+共同、後者は産読+時事あたりか。米国民主党系メ
ディアも表向きはジャーナリズムを謳っているが、中立報道とは程遠い政
治宣伝のプロパガンダメディアだ。


マーク・R・レヴィン氏(司会者・弁護士)「“トランプ批判”終始する米
メディアが残念な訳 不都合な事実に目をつぶり、偏った報道を展開」東
洋経済2020/10/7から。


<2002年から2018年までCBSニュースのジャーナリストで従軍記者だった
ララ・ローガンは、2019年2月15日、あるインタビューをポッドキャスト
(動画サイト)にアップした。


そのなかで、メディアの職業倫理が崩壊しつつあること、メディアが民主
党を優遇し、プログレッシブ(進歩系)寄りの意見を擁護していること、
報道において独自で多様なものの見方が失われていることについて率直に
こう語った。


「イスラエルの『嘆きの壁』に行ったことがある人ならわかると思う。壁
の前で祈りを捧げることができる女性用スペースはかなり狭く、それ以外
はすべて男性用のスペース。これはアメリカのメディアの現状と同じだ。


つまり、女性が祈るその狭い場所に保守派のブライトバートやフォックス
ニュースなどのいくつかの報道機関があり、男性側にはCBS、ABC、NBC、
ハフィントン・ポストやポリティコといったあらゆるリベラル派の報道機
関がいる。これは大きな問題だ。たとえスペースの広さが逆だったとして
も、こんなにはっきり分かれていること自体がおかしい」


ローガンは「自分にとってこの問題は、政治や政党支持に関することでは
ない」と述べ、次のように続ける。


「ニューヨークタイムズ紙の元編集長、ジル・エイブラムソンは、最近の
著書のなかでこう書いている。『私たちは毎日トランプについて何十本も
の記事を書いているが、すべて否定的な記事だ。反トランプ派の主張を記
録する新聞になってしまった』。本来、それは私たちの仕事ではない。


報道と政治的な立場は別もののはずだ。それなのに、私たちはまるで政治
活動家になってしまった。プロパガンダを宣伝するツールになってしまっ
たと言ってもいい。


もちろん、メディアには優れた点もあり、ルールとまでは言えないが、何
かを伝える際には少なくとも二つの情報源から直接情報を入手するという
慣習がある。そうすることで、一定の基準を満たす報道になる。ところ
が、こうした基準はもはや重視されない。


みなさんはたった一人の匿名の政府関係者や元政府関係者の証言に基づく
報道を読んだり聞いたりしている。それはジャーナリズムではない」


しかし、ジャーナリストが同業者の仲間と手を切ってわが道を行くことは
めったにない。そんなことをすれば、通常、そのジャーナリストのキャリ
アは台無しになるか、ほかの同業者から脅かされてしまうからだ。事実、
このインタビューが広まったことで、ローガンはジャーナリスト仲間から
追放され、個人攻撃を受けるようになった>


こうした確信犯的な偏向報道は日本のマスコミにも多大な悪影響をもたら
している。まともなはずの産経でさえ、異常なほどの民主党支持、トラン
プ叩きの記事(黒瀬悦成記者)が目立っていた。米国では偏向報道による
黒人擁護、白人叩きも目立ち、在米の日本人ジャーナリストのベテランも
嘆いている。


日高義樹氏「日本の古い武芸者が言ったように『人は最も自分の得意な技
で敗れる』。米国でもそのことが起きている。米国マスメディアは民主主
義の象徴であり、米国人が最も得意とする分野である。しかし今やそのマ
スメディアが米国の人々に大きな損害を与えている。米国の報道が日本の
マスメディアに与える影響について、客観的な研究が行われたわけではな
いが、今もって米国からの報道をそのまま鵜吞みにして伝えているところ
がほとんどである」(PHP新書「米中時代の終焉」)


古森義久氏「ニューヨークタイムズ的なリベラルのメディアはとにかく白
人悪者説を滲ませる。黒人の負や悪の行動には甘いのである。この傾向は
政治的な意味をさらに発揮して共和党や保守派への攻撃につながっていく
場合が多い。アメリカの政治構造では共和党や保守派は白人が多く、黒人
が少ないという実態を反映しての、メディアの党派性偏向だとも言えよう。


日本にとって危険なのはアメリカの民主党系メディアのこうした偏向を意
識するにせよ、しないにせよ、その偏りをそのまま反映してしまう傾向で
ある。その結果、現代のアメリカでは白人側に人種偏見が多く、黒人はそ
の種の偏見はなく、とにかく犠牲者、被害者となっている、という構図が
描かれる。


だが実際には白人の間でも人種差別に反対し、黒人の側でも人種偏見に走
る傾向が存在するのだが、その実態は無視されがちとなる。こうした傾向
は民主党リベラル派のバイデン政権下のアメリカではさらに一段と強く
なっているようなのだ。


アメリカの社会や政治を考察するときの注意点だと言えよう。さらに具体
的にはアメリカのニュースメディアの報道や評論を読むときの指針でもあ
ろう」(日本戦略研究フォーラム「アメリカのメディアの人種報道偏向」)


小生のような前科者でかつ精神科急性期閉鎖病棟帰りの“怪老”は、何を書
いても読者は割り引いて読んでくれるから罪はないが、マスコミの「正義
を装った偏向報道」は戦前の朝日のように国政、国民を誤誘導しかねな
い。朝日は戦前どころか戦後も今も誤誘導・・・まったく反省せずに一貫
しているのはスゴイが、読者離れに歯止めがかからないのではないか。時
事2021/5/26「朝日新聞、過去最大の赤字 コロナで苦戦―21年3月期」から。


<朝日新聞社は26日、2021年3月期の連結純損益が441億円の赤字(前期は
106億円の黒字)に転落したと発表した。赤字は11年ぶりで、1879年の創
刊以来、過去最大の赤字幅。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、新聞
などのメディア・コンテンツ事業、不動産事業がともに苦戦した>


もっとも新聞は朝日に限らず部数減に歯止めがかからず悪戦苦闘。いずこ
の国でも戦争すると新聞はビジネスチャンスとばかり煽りまくり、政府も
国民の士気高揚でそれを促するから、国家の結束は固くなる。しかし負け
れば悲惨、勝てば天国・・・バクチ的な要素はある。


さわさりながら降りかかる火の粉は払わねばならない。犠牲は大きくて
も、戦わずして白旗を揚げたら国家、民族は消滅する。戦わなかった国、
あるいは自らは戦わずに棚ボタであてがわれたような国家は脆弱だろう。
そういうことを考えざるを得ない時代になってきたことは確かだ。備えあ
れば患いなし、戦争の時代への備えと覚悟は万全か? 国民イケナイ、憲
法ゲンキ・・・妾の嘆きを繰り返すのか?

目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
メルマガID 0001690154「必殺クロスカウンター」


◆MGMを84・5億ドルで買収

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)5月28日(金曜日)
通巻第6926号

ネット錬金術でのし上がった坊主頭、ぎょろ目男のぺゾスが引退  アマ
ゾン、今度はMGMを84・5億ドルで買収する目的は?

 メトロ・ゴールドウィン・メイヤーズ(MGM)はハリウッド映画の象
徴だった。大ヒットは「007シリーズ」、ロッキー、そしてピンク・パ
ンサー。映画は斜陽産業と言われたのに、過去のライブラリーのヴィデオ
化、キャラクターの知財のロイヤリティ収入などで延命してきた。

 昨今はハリウッドにチャイナマネーが流れ込み、反中映画が作られなく
なったうえ、映画製作のスタジオ、映画館チェーンも中国企業が買収して
きた。ダライラマ支援の映画に出たリチャード・ギアらは干されてきた。
 このMGMをアマゾンが84・5億ドルで買収するという。系列のケー
ブルtvやtvショーも含まれるが、いったい目的は何か?
ネットフリックスへの対抗だけが目的だろうか。

 アマゾンは驚異の急成長で、第一四半期だけでも70億ドルの純利益を
上げていると言われ、さきにも高級食材チェーンの「ホールブーズ」社を
137億ドルで買収、またピルパック(オンライン薬局)とリング(セキュ
リティ器具)をそれぞれ10億ドルで買収し、アマゾンの販売ルートに載
せ、靴販売のザッポスを12億ドルで、自動運転技術のズークスを13億
ドルで買収した。
 通販の主力となるような商品メーカーを資本力で傘下にしれ、ビジネス
を短時日裡に拡大した背景は、こうした強引とも言えるM&A(企業買
収、合併)戦略があった。

しかもCEOのペゾスが名門ワシントンポストを買収したため、トランプ
前大統領が目の敵に批判し続けた。ワシントンポスト紙は民主党支持でき
わめてリベラル色が強い。

 筆者が最初にペゾスを認識したのは1990年代後半、米週刊誌『ビジ
ネスウィーク』にでた写真で、大きなぬいぐるみを抱えて街を歩く、ぎょ
ろめ、丸坊主の異様な風体の男がアメリカの産業界に旋風を起こしている
という記事だった。
筆者には『ビジネスウィークの読み方』(ダイヤモンド社、絶版)を書い
ていたので、この週刊誌は愛読誌である。

昨今のヴィジュアルメディア業界は、ディズニーがFOXを買収、バイア
コムがCBSを合併、AT&Tがタイムワーナーを買収という戦国時代を
迎えており、三年前まではチャイナマネーが巨額買収物件を探していると
するニュースにあふれたものだった。

アマゾンは1994年に書籍の三割引き販売で注目され、のし上がってき
た新興企業だが、すでにペゾスはイーロン・マスクに次ぐ世界富豪第二位。
アマゾンのプライム会員は世界19ケ国に1億5000万人がいる。

     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜書評 しょひょ
う BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 知られざる現代史の舞台裏で展開された米国共産党の諜報戦争
  日本はFDR政権中枢がソ連スパイで操縦されている実態を把握していた

  ♪
江崎道朗編訳『米国共産党調書』(育鵬社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 戦前、日本の外務省の情報活動がいかに優れていたかは戦後のだらしな
さに比較すると、じつに対照的である。
 第二次世界大戦前夜、フランクリン・ルーズベルト政権の側近たちにソ
連のスパイがうようよといた真実は、多くの歴史家によって既にあきらか
にされた。旧ソ連コミンテルンが、米国の共産党を煽動し、操縦し、そし
て日米対立を?きたてたのだ。
 その反日プロパガンダ工作の全貌を把握していたのがニューヨークの日
本領事館だった。 
昭和十四年にニューヨークの日本総領事館がまとめた機密文書が、この
『米国共産党調書』で、昭和十六年に外務省アメリカ局第一課によって上
梓された。
本書は、その現代語訳である。
まさに、これは「日本版ヴェノナ文書」とも言える。いま現在、日本で、
アメリカで、世界中で繰り広げられている共産主義の陰謀に立ち向かうた
めには、大いなる教訓を含む、必読の書である。
とくに本書は現代中国の諜報活動と重ね合わせて読み進めると、いかにソ
連コミンテルンの戦術が、中国の諜報工作パターンに酷似しているかを読
み取れる。
若杉要という領事が中心となった報告書をまとめ、近衛内閣に提示した。
米国共産党は二十年前後の激しい内紛の末に、おそらく年間百万ドルの資
金援助をコミンテルンに仰ぎながら、反日鼓吹という戦術でまとまり、政
権に影響力を発揮するほどに組織を増強していた過程が最初から詳しく述
べられる。
そのあとに、「ルーズベルト政府の好意をつなぐことが得策であることを
認識し、1936年の大統領選挙にあたり、共産主義者および彼らの支配
下にある一切の労働団体にルーズベルトを支持させた」(32p)。
「共産党全国委員会委員の絶対多数を占めているのはユダヤ人」だった。
 つまり「ファシズム排撃、デモクラシー擁護のスローガンでは、もはや
ソ連防衛の目的を達せない米国共産党は、ソ連の主たる敵国──おそらく日
本一国となるーーに対して攻撃を集中し、対日経済制裁運動交錯に専心す
る」(45p)
そのうえ、影響力のある有名人、作家、ジャーナリスト、俳優らに近づ
き、米国作家同盟を唆して「宣伝的筆致」をするように工作した。
その中には自覚するとしないとに、かかわらず次の有名作家が含まれてい
ると、この調書は把握していた。
パールバック、ヘミングウェイ、セオドル・ドライザー、スタインベッ
ク、ジョン・ドス・パソス。。。。。。(140p−143p)。何人か は
ノーベル文学賞受賞作家である。

ならばいかなる報告を若杉は松岡洋右外相に提出したのか?
 ●米国における反日、中国支援運動は大統領や議会に対して強力なロ
ビー活動を展開し効果を挙げているだけではなく、新聞雑誌やラジオ、そ
して中国支援集会の開催などによって一般民衆に反日感情を鼓吹している。
 ●この反日運動の大部分は、米国共産党、ひいてはコミンテルンが唆した
 ●目的は中国救済を名目に、民衆を反日戦線に巻き込み、極東における
日本の行動を牽制することによってコミンテルンによるアジア共産化の陰
謀を助成する
●この「トロイの木馬」の成功例は日本軍の残虐行為を非難する米国著名
団体で、共産党の名前を隠してヘレン・ケラーら著名人を前面に出した。
●一般的に反日感情が拡がり、冷静な批判が出来ない雰囲気があった。
 
歴史のアイロニーとは、この若杉報告の翌日に、近衛内閣は、「反米親ソ
の対外方針を決定する。ソ連のスパイ組織である『ゾルゲ・グループ』の
尾崎秀実が参加していた昭和研究会の影響もあって、アジアから英米勢力
排除を目指す『大東亜新秩序建設』を国是とする『基本國策要綱』を閣議
決定した」。
 近衛という人物がいかに愚かであったかを本書は同時に示唆している。
        
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う BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 社会の新しい方向を探索する新作
「新疆ウイグル自治区」はウイグル人が平和の為に戦争を放棄した結果だ

  ♪
宮崎正弘『WORLD REEST 2021』(ビジネス社)
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 日本、中国、そして世界の国々の最先端の変化をほぼ半世紀にわたって
観察し、著書は200冊以上、生前の三島由紀夫とも付き合いがあって、常
に社会の新しい方向を探索し続ける著者の最新作です。
まずEV(電気自動車)については、その将来は明るいものではない。テス
ラEVが中国で軍と公務員の使用規制がなされたのはテスラに内蔵されたカ
メラの収録するデータが米国に漏洩していると考えた中国の猜疑からであ
るとし、今後はハイブリッド戦争(サイバー攻撃を含む)に備える必要が
あるが、日本はこの領域は大幅に遅れている。
# ロシアには戦争請負会社は20社近くありアフリカ各地へ派遣されている。
# 2020年度、世界の富豪者に:中国;1058人、米国;696人
# 今後10年以内に日本のGDPはインドに抜かれ世界の5位になる。
などなど、が世界における動きで、以下は日本国内の問題です。
# 日本の独居老人は2019年で736万人。
# 学習雑誌の専門書店 学研がいま老人ホームの会社に転換を図っている。
# 外食産業はその37%が閉店または休業を考慮している
# 産業の中核に日本では介護が踊り出た。
# 日本に廃屋は200万〜300万戸ある。
# 日本には資金(=貯蓄)は極めて潤沢にあった。根拠なき悲観の為ア
ニマルスピリットが消えたから、日本は経済が停滞したのである。(武者
陵司氏より)
# ムカイダイス女史(ウィグルから日本へ亡命)の言:ウイグル人に
とって「新疆ウイグル自治区」はウイグル人が平和の為に戦争を放棄した
結果、中国共産党に騙された結果、母なる祖国の為に犠牲を払うことを
怠った結果なのである、と。
# 世界はいまや強い日本を望んでいる。(ケント・ギルバート氏より)
# 言葉の戦争において日本は内外で敵対勢力に負けている、この方面で
の対応が喫緊の問題である等々。
これから日本は老人社会になり、人口減少になるのですが、それに備える
こと、そして、ムカイダイス女史の警告から学んで国防に力を入れること
などが重要です。
中国の「進撃」は今後どこまで続くか、ですが、「中国の若い世代は将来
に夢を抱いていない(中略)中国人は自殺をしない民族であったが、いま
若者の自殺が増えている」(p.209)とも書かれております。
いまの世界、どこの国も難題を抱えて生きています。要は国民一人一人が
教養を身に付け自身の観点を創り上げそれを基盤に人生を生きることで
しょう。著者には今後も日本の為に世界の最先端トピックスを提示し分析
解析する大役を担って頂きたいと思います。
         {アマゾン評価、メイカイ氏から}

2021年06月01日

【変見自在】DV難民

   高山 正之


『週刊新潮』 令和3年6月3日号
 スリランカのウィシュマ・サンダマリは留学ビザで4年前に来日した。

 日本語を覚え、ゆくゆくは日本の中学校で英語を教えるつもりだったと
いう。

 ただ夢の実現には努力がいる。彼女はそれを失念し、やがて留学先の語
学学校に姿を見せなくなった。

 知り合った同郷の男と同棲を始めたからだ。

学校側は半年の猶予を与えたが、なおさぼり続けたので除籍処分とした。

留学ビザが失効すれば不法滞在となる。彼女は急ぎ難民認定を申請した。

 そんなことで認定されるわけもない。半年後に申請は却下されて在留資
格を失うと、彼女は同棲男と行方をくらました。

 これが米国なら国土安全保障省(DHS)が直ちに出頭命令を出し、警
察権を使って行方を追う。

 DHSはアルカイダによる9・11テロを機に出入国管理を徹底するため
に新設された役所で、日本の旧内務省の権限に似る。

 しかし今の入管局にその力はない。彼女の行方を追う術もなく2年が過
ぎようとした昨年夏、ウィシュマが静岡県下の警察に駆け込んで保護を求
めた。

 同棲相手の「家庭内暴力で殺されかけた」「一刻も早く国に帰りたい」と。

 彼女は不法滞在中だ。さっさとスリランカ行きの飛行機に飛び乗ればいい。

ただ彼女の所持金は20ドル。彼女の実家もカネを出さない

 そうなると名古屋の入管局収容所に入り、政府のカネで送り返す強制退
去処分を待つことになる。

 ニューヨーク・タイムズによると、そこへ当のDV男から手紙が届けら
れた。

 なぜ男が彼女の居所を知ったのか、なぜ彼女に手紙を書く気になったの
かは分かっていない。

 そのころ善意の塊みたいな難民人権団体が彼女に足繁く会いに行っている。

彼らがDV男と接触したかどうかも不明だが、手紙には「お前が日本の警
察にチクったから酷い目に遭った。国に戻ってきたら仕返ししてやる」と
あった。

 人権団体は「彼女は帰国すれば命の危険がある」から立派な難民資格が
あると言い出した。

 彼女も帰国の意思を翻して難民申請を出した。

 しかしDV虐待が難民申請理由になるのか。それに難民受け入れには
「善良な人」が認定要件だ。

 彼女の場合、勉強もしないで遊び惚けて、挙句に帰国したい、いや日本
に残りたいと駄々をこねる。身勝手だけが目につく。

 ただ難民認定申請を出したら現行法下ではその間は強制送還されない。

 申請が却下されても再申請し続けている限り、送還されることはない。
ずっと日本に居られる。

 目下はそういう繰り返し申請組が3100人もいて、その8割が病気な
どを理由に仮放免されている。

 みんな塀の外で生活をエンジョイできる。中には強姦致死で捕まった凶
悪な前科者など、580人もいたりして、日本安住を要求し続けている。

 ウィシュマも人権団体の助言でか、難民申請を出すと同時に体の不具合
を訴え外の病院に入りたいと言い出した。入管法の穴を巧みに衝いた手口だ。

 入管局は医師の診断を仰ぎ、入院の要なしとしたが、彼女は処方箋の服
用を拒んで病状が悪化。病院に搬送されたが、死亡した。

 ずっと彼女に入れ知恵してきた人権団体はこれを待って彼女の妹二人を
スリランカから呼び寄せ、上川法相に面会させた。

 ために入管法改正案は廃案に追い込まれた。

 妹二人を呼び寄せるカネがあるなら、最初からウィシュマの飛行機代を
出してやればよかったのに。

 DV男は地元の警察に言えば済む話だ。

 何故、人権団体はそういう人道配慮をしなかったのか。彼女が死ねば政
局になると考えたのか。

 もう一つ、米紙ですら詳細に報じた彼女の問題行動を日本の新聞はなぜ
1行も書かなかったのか。

 慰安婦の嘘を定着させたクマラスワミと言い今度と言い、どうもスリラ
ンカ人とは相性がよくない。


高山正之氏の本紙連載が、単行本になりました。

『変見自在 コロナが教えてくれた大悪党』(定価1450円)絶賛発売中。

松本市 久保田 康文 採録 

◆天安門事件以降の「民主化の停滞」

伊勢 雅臣


 現在の我が国、そして世界全体を脅かしている最大の脅威が共産主義
(あるいは、そのなれの果ての)中国です。今後の我が国の行くべき道を
考えるには、共産中国の歩んだ歴史を学び、その本質を知ることが不可欠
です。

 現代中国の本質を知るには、天安門事件から見ていくと良いでしょう。
ソ連は1989年から90年にかけて、東ドイツ、ハンガリー、ポーランドなど
東欧衛星国が次々と民主化し、同時期に連邦を構成していたバルト3国、
グルジアなど13の共和国も独立宣言を発して、連邦としては崩壊しました。

 その民主化のドミノを巧みに逃れたのが、中国共産党です。1989年6月
の天安門事件で、民主化を求める市民を弾圧して、独裁政権として生き延
びたのです。この点については、学習指導要領で、以下のように記述すべ
き内容を指定しています。

__________
 民主化の進展については,冷戦終結と前後して,東ヨーロッパ諸国をは
じめ各地で民主化運動が高まり,軍事政権や独裁政権が崩壊し民主化が進
展したことを扱う。その一方で,民主化された後も権威主義的な体制が存
続したり,民主化の動きが弾圧されたりするなど,民主化の動きが一律に
は進まなかったことについても気付くようにする。[文科省、p180]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「民主化の動きが弾圧されたり」の典型例が天安門事件です。この事件は
天安門広場に集まった100万人以上の市民に対して、軍が戦車まで繰り出
して無差別攻撃し、中国共産党の公式発表ですら300人以上、国際アムネ
スティ等の人権擁護団体は1万人以上が虐殺されたと推定しています。
[JOG(162)]

 今回は、『歴史総合』の教科書の読み比べで、以下の3点を明記してい
るか、点検します。【】内は、評価項目名です。

【犠牲】犠牲者/死傷者が多数、天安門事件で出たこと
【国際】国際社会から厳しい批判、制裁があったこと
【ウ/チ】ウイグル・チベットでの弾圧が今も続いていること。

「○」は妥当な記述ありで★1つ。「△」は部分的な記述のみで★半分(ただ
し、合計で★1つ未満は切り捨て)。「−」は記述なし、「×」は記述に疑
問あり、です。基礎点として★1つを全社に与えています。
    

◆中国国防大学教科書『戦略学』

宮崎 正弘

 
令和三年(2021)5月27日(木曜日)弐
通巻第6925号

中国国防大学教科書『戦略学』の改訂版がでていた
  戦略立案からインテリジェンス重視、統一的組織行動の重要性

 中国人民解放軍の戦略教科書ともいえる『戦略学』の改訂版が国防大学
出版社から上梓されていることが分かった。
これは452ページの浩瀚で、2017年版の改訂版。

この『戦略学』の新味はないかと言えば、AI重視、統合幕僚的な命令系
統の整合、無人機などの改良と拡充、要するに時代の変化に合わせて軍は
いかなる対応をとるべきかが説かれている。

 「情報化」「知能化」「無人化」などのタームがならび、戦争の変化は
時代の流れだとして、従来の兵器、システムなどの更新、改廃、組織の改
編の必要性などを詳述している。
 習近平のドクトリンという性格はなく、戦争の方針、基本概念などが説
明され、従来の陸海空にくわえての戦略ロケット軍、人民武装警察、予備
役などの役割と戦時における統一行動の重視、そのための軍の組織改編と
その成果なども書かれているという。

 戦略編では、概念、判断、決定、規制、実践、評価などの項目がなら
び、危機管理扁では、抑止力とその概念、実践、計画、制御、行動、海外
での展開など。
 戦時扁では、戦争下の政治工作、とくに中国共産党が思想工作、組織活
動などで、いかに戦意を鼓舞し、モラルを維持し、総合的戦略として整合
させるかなど主に政治工作が説かれる。
 
 今後の重点としてはペンタゴンアドが解析しているようにAI、ロボッ
ト、ナノテクノロジー、バイオ、超音速、無人機ならびに無人システムな
どを縷々説明している。
     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜北一輝と並ぶ昭
和維新のイデオローグ=大川周明が甦った
イメージとはことなり、すこぶる科学的な歴史の考察に溢れる

  ♪
大川周明『日本二千六百年史』(毎日ワンズ)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

思想家、大川周明とは何者だったのか? 

東西の哲学書を渉猟、とりわけ仏教以前のバラモン教にまで遡及しつ
つ、『日本精神研究』で論壇へ登場。欧米列強に奪われたアジアの失楽に
同情と悲しみを訴えた。
 
彼は早くからイスラムへの理解もあった。

大川は「昭和維新」のイデオローグと世間から解釈され、日本と西欧文
明はかならず戦争になる宿命にあり、明治維新後の堕落は国体の本義にそ
ぐわぬ変態社会となったと嘆く。

人生の半ばで、北一輝「猶存社」への接近と別れがあった。血盟団事
件、五一五事件に連座して禁固十五年の判決を受けた。

大川の歴史観とは二千六百年連綿と続いた日本の皇室伝統の重視にあ
り、その基盤は「日本書紀」と「大日本史」である。

「古事記」を疎んじてはいないが、重視はせず、また慈円の「愚管抄」を筆
法鋭く攻撃した。慈円は天皇伝統は百代で潰えるとするシナの易姓革命に
のっとり、わが国と比較したのだが、それを批判したのである。

それゆえに明治のお雇い外国人だったチェンバレンが、天皇崇拝および日
本崇拝というも言うべき「新宗教の発明」が「万世一系の天皇という神話
だ」としたことも舌鋒鋭く、これを非難した。

万世一系とは日本民族の永久の発展と繁栄を意味することであり、奈良
の正倉院の御物は歴史の宝庫であり、この悠久の蓄積事業という現実をひ
とつ示すだけで反駁するに事足りるとした。

日本史の歴史の変換とは「改造または革新」であり、これらの必要は
「国民的生命の衰退・退廃から生まれる」と、まるで現代日本に当てはま
ることを昭和十年代に認識していたのである。したがって「国史の編修
は、国民的自覚の所産である」とする。

日本の建国の理想とは「あまつひつぎのみさかえ、あめつちとともにか
ぎりなけむ」だ。祖先は全身全霊を挙げて、この理想の確立に邁進したの
だ、とする。
とくに次の文節は重要である。

「推古朝以来、随唐の文明は、江河を決する勢いを以てわが国に入り来
り、天智朝に到りて、制度文物の模範を悉くシナに採り、日本は苑として
(さながら)小シナの観を呈するに到った。そしてこの小シナの熱心な歓
迎者は、 実に吾が天智天皇であった。

それにもかかわらずこの英明なる天皇は、吾 国を以て決してシナの精神
的属国たらしめ給うことがなかった。天皇の御 心の喪には、建国当初の
雄大なる日本精神が、昔ながらの力強さを以て流 れていた。

この精神は、天皇をして百済に対する唐帝国の不義なる 圧迫に平然たる
を得ざらしめた。天皇は赫として憤りを発し給い、百済の 乞いをいれて
援兵を派し、刀折れや尽きるまで唐軍と戦わしめた」のである。

かくいう本書は、大川の代表作のひとつで、往時、五十万部を売ったと
いうから、現在に換算すれば500万部。通俗なベストセラーと比較する
のは気が引けるが、『窓際のトッとチャン』なみである。

大川は北一輝と並んで『危険な思想家』とされて官憲の監視の対象と
なった。つまり軍が大川らを敵視したのだ。

北一輝は二二六事件を首謀し た青年将校とは直接の関係もないのに思想
的影響を与えたとして死刑に なった。大川は東京裁判でA級戦犯となっ
たが、東条の頭をぽかんと叩く など奇行はげしく、精神病院に入れられ
て、その後はひっそりと隠棲し著 作に没頭、晩年はコルランを翻訳した。

こうした歴史的経過を後智慧で入力している現代人からみれば、さぞや
重症の皇国史観の鼓吹者というイメージがあるだろう。

その先入観念がつよいために大川本を手にしない読書人も多いだろう。

ところが通読してみると、意外なことに、かなり科学的であり、客観的な
資料を夥しく用いて日本の神武天皇肇国いらいの歴史を総攬している。

とはいえ、一番の力点は、日本精神の鼓舞にある。力みすぎた箇所が、
当局の検閲に引っかかり削除を命じられ、ついには発禁処分となった。そ
のうえ戦後はGHQ指令により発禁とダブルパンチだった。

大川周明思想の根幹は「天皇とは『天神にして皇帝』の意味である。吾
らの祖先は、天神にして皇帝たる君主を奉じて、この日本国を建設した、
而して吾国は文字通り神国であり、天皇は現神(あらひとかみ)であり、
天皇の治世は神世であると信じていた。いわゆる『神ながらの道』とは、
天皇が神のまにまに日本国家を治め給う道であり、同時に、日本国民が神
のまにまに天皇に仕え奉る道のことである」。

大川はこう書いた。

「日本に於ては、国祖に於て国家的生命の本源を認め、国祖の直系であ
り、かつ国祖の精神を如実に現在まで護持し給う天皇を、神として仰ぎ奉
るのである。

吾らは永遠無窮に一系連綿の天皇を奉じ、尽未来際この国土 に拠り、祖
先の志業を継承して歩々之を遂行し、吾が国体をしていやが上 に光輝あ
るものたらしめねばならぬ」。

大川周明は、日本の起源を記紀の神話に基軸を置かないが、「日本の天
皇は、家族の父、部族の族長が共同生活体の自然の発達に伴いて国家の君
主となり、以て今日に及べる」

この箇所も官憲の忌避に触れ削除された。

江戸期の学問にしても国学より外来の儒学・蘭学が独自の発展を遂げたこ
とを評価している。幕末の尊皇は褒めているが、攘夷には触れていない。

その削除部分がすべて復元されて、80年ぶりに全容が分かった。その
ため反響も大きく、版を重ねているようである。

特色を挙げるとなると、真っ先に評価したいのは国際的同時性という世
界の中の日本という視点で、歴史を大局的に見ていることだろう。

秀吉の朝鮮戦争は巷間言われる侵略ではなく、切支丹伴天連との闘いで
あったこと、天草四郎の乱は、背景に宗教とは関係のない要素がたぶんに
あること、足利尊氏も客観的に評価していること等だ。

また源頼朝を英雄として捉え、江戸期における国学の興隆と本居宣長を
評価するものの、讃辞は新井白石、荻生祖来、佐藤仁齋あたりに措く一方
で蘭学者を高く評価している。

このあたり、皇国史観とはかなりの距離がある。

さて評者(宮崎)、この本を学生時代に古書で読んだ記憶があるが、国
家社会主義の思想書としてのワンノブゼムの感覚しかなかった。

今回読み直して、すこぶる格調の高い日本史であることを確認したが、
同時に、大川史学の限界と誤りがみえた。
 欠陥は下記のような問題である。

縄文時代の考察が一行もない(当時、考古学は未発達で無理もないが)。

蘇我氏は仏教を擁護し、物部氏、聖徳太子一門を滅ぼしたのは渡来人、
帰化人と組んで「皇命に抗せんとせし者」であり、私的に軍備をととのえ
ていたが、「そは帰化シナ人全部が蘇我氏の反逆の中堅となっていた」の
であり、そのために「革新の必要にせまられていた」とし、大化の改新は
この流れが基調にあったとするやや独断的解釈は再考の必要があるだろう。

「(大化の改新の)改革の方針を定めたのは、実に聖徳太子その ひとで
ある」とするが、論理的飛躍であろう。今日の歴史学は板葺宮で蘇 我馬
子を斬った政変を「乙巳の変」とし、黒幕は中臣鎌足、実践は中大兄 皇
子、彼らは談山神社の境内にあつまり、南淵塾で密談を繰り返してい
た。乙巳の変から大宝律令まで、およそ半世紀の時間が必要で、この全体
をもって大化の改新とするのが、客観的評価である。

織田信長を異様に高く評価している(明治以来の維新=善という強迫観
念からだろう)。

間違いもある。

たとえば「有史以前の太古において日本国も闘争の舞台は北方の民・武.
アイヌ族 vs 南方の民・文.日本民族」という南北二大勢力の図式化で
ある。「日本は恐らくアイヌ民族の国土であった。日本国家の建設が始ま
る記述はここから始まる」など根本的な誤謬だが、これも考古学の発達前
だから、情報不足であろう。

足利尊氏の評価替えは注目しておきたい。

「暫く勤皇論を離れて、その人物についてのみ見れば、尊氏兄弟は実に武
士の上に立ちえる主将の器であった。尊氏は当時の豪族が最も尊べる名族
源氏の門葉であった。彼は弓馬の道に於て当時比類なき大将であった。彼
は生死を賭する戦場に於ても、顔色を変えたることなきほど大胆であっ
た」とした。
 復刻された大川の歴史論、現代人はどう読むだろうか?
             
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜読者の声 どく
しゃのこえ READERS‘OPINIONS 読 者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)昨日の生放送番組『宮崎正弘の生インタビュー』ゲスト・
三浦小太郎氏。テーマは「ウイグルのジェノサイド、大川周明」。
 アーカイブでご覧になれます。一時間四分です。
https://www.youtube.com/watch?v=bbORslzTLuc
  (未来ネット、旧「林原チャンネル」)
    

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