2021年10月31日

◆齢・84を通過中もいまだ好奇心少年の如し

              加瀬 英明
 
 コロナ禍は、もううんざりだ。げんなりといってよい。

 私は84歳になる。7月にワクチン接種を2回受けた。最初の接種の時に
40代にみえる男性の医師による2、3分の問診があった。私が「専門は何で
すか?」と質問した

「泌尿器科です」と答が戻ってきたので、「安心しました。歯科医かと心
配しました」と茶々を入れた。そのうえで「副作用はありますか」とたず
ねたら、高齢者にはないが「若い人はでますね」といって、私たちの会話
が終わった。

 2回とも副作用がなかったので、やはり老人なのだと思って、何日かひ
どく落ち込んだ。思いがけない副作用だった。

 12世紀の南宋の儒学者だった朱子の「少年老イ易ク、学成リ難シ」と
いう、有名な箴言がある。幕末の志士たちが朱子学の虜(とりこ)になって
いた。

 私は物心がついた時から、学校嫌いだった。学が堅苦しい厄介なもので
しかなく、いまでも少年が歳を重ねただけだと思っているから、老いの実
感がない。まだ毎日働いて
いる。目先が変わるので、幼いころの好奇心をいっぱいに充たしてくれる。

 アメリカで80代は「ニュー・シクスティーズNew sixties」(新しい
60代)と呼ばれている。今日の80代は半世紀前の60代だという。

 先日、私に「お元気そうですね」という人がいた。「元気なフリをして
います」と答えたら、「元気なフリができるのも、お元気だからでしよ
う」といなされた。

 といって、格別な健康法はない。きっと、よい妻がいるのと、遺伝子に
よるものだろう。母の胎内に宿るまえに、よい両親をよく選んで生まれて
きたからだ。

 稼業が噺家(はなしか)だったら修業を終えて、下から「前座(ぜんざ)、
二(ふた)ツ目(め)、真打(しんうち)、御臨終」という階級があるが、私は
好きな人生をひたすら歩んできたから、出世の階段を昇る経験がないのが
淋しい。

 一貫して自由業だった。出世魚はワカシ、イナダ、ワラサ、ブリ(関
東)、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリ(関西)というように呼び名がか
わってゆくが、係長、課長、部長、平(ひら)取り、常務と梯子(だんはし
ご)をあがってゆく醍醐味(だいごみ)をあじわうことができない。終生、
名が変わらない雑魚のようだ。

 齢(よわい)を重ねるにつれて、反比例して酒量が減るが、酒神をもう一
人のよき伴侶として生きてきた。

 旧約、新約聖書を愛読書の一つとしてきたが、イエスの「わたしが与え
る水は、あなたのなかで泉となり、永遠の生命(いのち)をえる」(『ヨハ
ネの福音書』)という言葉
がある。美しい言葉だ。私は“天が与える酒は、わたしのなかで泉とな
り、永遠の生命をえる”と読み替えてきた。

 コロナに見舞われてから、飲食店でアルコールを提供することを禁じて
いる。梯子酒もできなくなった。梯子を外された思いだ。

 浄瑠璃に「水なき井戸は梯子の入れ物」(『博多小女郎波枕』)という
謡(うたい)があるが、まるで水が枯れた井戸のようだ。

 梯子は目標に達する道具だが、梯子飲みするのに、飲み友達と一体にな
る神事というほかに、目的があるわけがない。

 家では妻と生活を分かち合っているから、一言一句に全責任をこめなけ
ればならない。

 酒肆(しゅし)では酒杯を抱いて、相手がどう思おうとかまわず、へらず
口をたたくことができる。

 銀座などの女性(ホステス)との会話は責任をともなわないから、人が
眠っている時に頭脳が日中の合理的な思考から解放されて、脳の疲れを癒
す夢をみるようなものだ。

 妻帯者だったら家では和を重んじて妻に負けるから、言いたいことを言
えず不満が溜まる。

 妻がいうことに一言一句従ったら、家庭が崩壊するにちがいない。

 男が論理的であるのに対して、女性は感情(こころ)によって生きてい
る。窮屈な理よりも広い心のほうが大切なのは分かるが、男は理によって
支配されているから、酒場でしか奔放に口を開けない。

 女性は日中も心を300%使って過しているから、疲れない。

 職人の世界で梯子を持つ丁稚(でっち)を、はしごもちと呼んだが、ネオ
ン街の女性たちは「駕籠(かご)に乗る人、担ぐ人」といわれたように、駕
籠担ぎだから、その苦労を
十分に労(ねぎら)わなければならない。遊(あそ)び女(め)たちに優しくす
れば善因善果を積むことができる。

 ネオン街では、天国に短期滞留する。仏法で極楽と呼ぶが、きっと高齢
者ばかりなのだろう。キリスト教の天国のほうが、いきいきとした若者が
多いように感じる。

 私も妻も幸いコロナに感染していないが、海外へ通うことも、めったに
地方へ出かけることもなく、退屈を託(かこ)っている。忙しいより退屈に
よって病んで、気が晴れない。

 コロナについて楽観論が多い。昨年のいまごろは、多くの人々がこの夏
までに収束するという見通しを語ってた
私は専門家ではないが、来年のいまごろも退散しないのではないか。

 パンデミックは都市化がもたらしてきた。日本ではそのたびに遷都が繰
り返された。

 平清盛が南宋と交易して金(かね)櫃(びつ)を満たそうとしたが、宋船が
疫病をもたらして、都をいまの神戸に移したものの、清盛も感染して没し
た。『平家物語』を繙(ひ
もと)くと、清盛が高熱に浮かされて苦しむさまが克明に描かれている。

 グローバリゼーションを聖訓のように唱える大企業の経営者や、国際化
に憑(つ)かれた学者たちは『平家物語』を読むべきだ。

 グローバリゼーションは呪いだ。だが、私はコロナ禍が地方の時代を本
格化することに、期待している。



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◆衆院選争点 東京18区に縮図
阿比留瑠比の極言御免
 
現実的な危機管理・外交・安保で鮮烈対比

 立憲民主党の枝野幸男代表が党最高顧問で東京18区候補菅直人元首相の
応援演説を行った23日夕、東京都武蔵野市のJR吉祥寺前を訪ねた。菅氏
は10年前の平成23年3月の首相在任時に起きた東電福島第1原発事故の際
に枝野氏が官房長官だったことを振り返り、武勇伝を語り始めた。

 「15日、ある種の判断をせざるを得ないときが来た。東電の(当時の清
水正孝)社長が首相官邸にやってきて、『(原子炉が)危ないから、東電
メンバーを現場から撤退させたい』と言ってきた。私は心を鬼にして
『残って下さい』と・・・」

 菅氏が繰り返し、手柄として訴えてきた東電が求める全面撤退を止めた
というエピソードである。聴衆からまばらに拍手が湧くたびに、ため息を
ついた。

変遷した証言

 国会議事録などで過去の言葉をたどると、菅氏の演説はいいかげんなも
のとしか思えない。そもそも社長を呼んだのは菅氏で、菅氏自身が清水氏
との面会からしばらくはこう述べていた。

 「社長は『いやいや別に撤退という意味ではないんだ』ということを
言った」(23年4月18日の参院予算委員会)

 「『引き揚げられてもらっては困るんじゃないか』と言ったら『いやい
や、そういうことではありません』と言って」(4月25日の同委)

「『どうなんだ』と言ったら『いやいや、そういうつもりはないんだけれ
ども』という話だった」(5月2日の同委)

 それが、1年後の24年4月の政府の原発事故調査・検証委員会による聴
取では、内容が変わってくる。

 「清水社長は私が(全面撤退はダメだと)言ったときに『そんなことは
言ってませんよ』なんて反論は一切なかった。やはり思っていたんだなと
思う」

 国会答弁と食い違い、菅氏が「思っていたと思う」と証言したことから
も、東電側が全面撤退を申し入れてきた事実はなかったことは明らかだろ
う。そして現在では菅氏はさらに一歩踏み込み、東電が明確に撤退を申し
出てきたと演説しているのである。

 この点をめぐっては、当時の原子力安全委員長で、その場に立ち会った
班目(まだらめ)春樹氏も著書などで清水氏が「撤退なんて考えていませ
ん」と答えたことを明かしている。福島第1原発で現場対応に当たった吉
田昌郎所長も「吉田調書」で、東電本店から撤退話など全くなかったと証
言し、菅氏に怒りをあらわにしている。

日米同盟で矛盾


 菅氏はその後、自民党政権を批判して「今は本物の危機管理が必要だ」
と主張していたが、何のつもりなのか。一方、菅氏に続いて演説に立った
枝野氏は、原発事故に関してこう述べた。

「福島の皆さんには、至らない点があったかもしれない」

 「かもしれない」どころか枚挙にいとまがないが、それはさておく。枝
野氏は安倍晋三内閣で成立した集団的自衛権の行使を限定容認する安全保
障関連法について、こう強く批判した。

 「自民党政権は集団的自衛権は憲法上、できないと言ってきた。それを
一瞬にして変えてしまう。ルールもへったくれもない」

 安倍元首相による憲法解釈変更は一瞬ではなく、第1次政権から10年か
けて実行したものだが、ともあれ立憲民主党の安全保障政策はどうか。自
分は「日米同盟を基軸」と唱えつつ、綱領に日米安保条約廃棄、在日米軍
撤退と記し、自衛隊は違憲だと主張する共産党との「閣外協力」に矛盾は
感じないのか。

 ちなみに菅、枝野両氏の演説では共産党の「き」の字も言及がなかっ
た。枝野氏は、「共産党と共闘する党の方針は受け入れ難い」と民進党を
離党した後、自民党に移り、今回18区から出馬した長島昭久元防衛副大臣
のことを「あんな人」と呼んでいたのが印象深い。

回答はぐらかし

 一方、武蔵野青年会議所が18日に実施した菅氏と長島氏の討論会では、
長島氏が立憲民主党と共産党との共闘についてただした。

 「自衛隊も日米安保条約も認めない政党と組んで選挙は一緒にやるが、
米国との関係はもつか。政権には入れないから勝手にやってくれとは、な
かなかいかない。私が民進党にいたころも、共産党からいろんな圧力があ
り、まともに安保の議論もできなかった」

 これに対し、菅氏は「私が理解している範囲では(共産党と)内閣を共
にする約束はしていない」とはぐらかした

 現実的な危機管理、外交・安全保障政策はできるのか。共産党をめぐる
長島氏と菅氏の姿勢の対比は鮮烈で、これこそ衆院選の縮図で争点だと得
心した。

(産経新聞論説委員兼政治部編集委員)

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松本市 久保田 康文 採録

         
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◆中国、固定資産税導入に見えない反発

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月28日(木曜日)弐
通巻第7096号 

 中国、固定資産税導入に見えない反発、不満
  eコマースの成長率は、向こう五年、過去五年の三分の一に落ち込む

 中国の経済計画に拠れば、過去五年間のeコマース(オンライン販売な
ど)の売り上げは7・2兆ドルで、成長率は70・6%だった。ところ
が、今後の五年間の成長率は20・6%となり、三分の一に急減すること
が予想されるとした。

 他方、不動産暴落が始まった中国では、新たな財源確保のために固定資
産税の導入が論議されている。土地は国家のもので、マンションは借地権
(75年)だから、マンション売買というのは借地権取引であり、土地が
所有できない以上、固定資産税という概念は生じない。

 富裕層はそれでなくとも、戦々恐々の心理状態であり、恒大集団の事実
上の倒産、連鎖現象が顕著になった。
     
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 東トルキスタンという独立国家はなぜ消されたのか
  民族浄化、核実験、挙げ句の果てに強制収容所。まさにジェノサイドだ

  ♪
干田ケリム、楊海英『ジェノサイド国家 中国の真実』(文春新書)
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 北京五輪ボイコットの声が弱まった。日本では在日留学生らのデモが散
発的に行われただけである。
 保守派活動家が北京五輪ボイコットを呼びかけ、署名を集めているが、
大手メディアはまったく黙殺している。中国を刺激する行為を日本政府が
控えているからである。
しかし北京五輪を容認すると言うことは、ひいては少数民族を虐殺してい
る中国の横暴、残酷、非人道的政治を容認すると同義語である。
 中国共産党がいわゆる「新彊ウィグル自治区」で何を行っているか。
 身の毛もよだつ拷問、処刑、中国語教育の強要と中国的歴史観による洗
脳ばかりではない。ウイグル女性の強制避妊、あるいは漢族との結婚の強
要、スマホ、GPS、監視カメラ。。。。。
 「ジェノサイド」の定義のなかに「集団内の出生を妨げることを目的と
する措置」という項目があり、なんと「2018年に中国で実施された子
宮内避妊器具(IUD)装着手術の80%が『新彊ウイグル自治区』で行
われ、さらに過酷な措置である不妊手術の件数も、中国平均の七倍」であ
るという。
 
著者らは『新彊ウイグル自治区』と自ら呼ぶことはない。あくまでも『東
トルキスタン』である。デモ隊が掲げる国旗は青天青日旗である。
 この東トルキスタンには前史がある。
漢人軍閥は清朝崩壊後も居残り、とくに金樹仁なる軍人は1928年に新彊政
治の実権を握った。
 その次に登場するのは狡知に長けた盛世才で、早稲田留学後、奉天軍閥
の支援で陸軍士官学校。つまり日本の教育を受けた男だった。その盛は新
彊に流れ込んで、あろうことか、ソ連共産党に入党し、新彊のボスになる
ことと引き換えにソ連の支援を受ける。ところが独ソ戦争でソ連劣勢と見
るや国民党に寝返り、最後は台湾へ亡命した。その残党が1949年に毛沢東
に服従する。
 1912年の中華民国成立時、南京政府の下に新彊政府が置かれた。
 これも事実上は軍閥が支配していた。1931年にクルムで暴動が発生し、
全土に飛び火、軍閥のボスだった金樹仁が失脚し、盛世才が総司令、軍事
委員長となるも、ホータンではウイグル人が蜂起し、ホータン政権が樹立
したのだ。
アクスでの蜂起組もホータン政府に同調し1934年11月12日東トルキスタン
共和国独立宣言がなされた。
 当時の日本はこの動きに強い関心をもった。国外逃亡組や活動家たちと
積極的に接触した。なかには日本亡命組みもあった。
当時の日本は五族協和、大東亜共栄圏の戦争目的があって蒙古、ウイグ
ル、チベットの独立を支援したが、戦争末期に劣勢となった。
 せっかく成立した東トルキスタンも、国民党の弾圧、ソ連の干渉、そし
て軍閥の馬仲英が侵略を始め、1933年から34年にかけて存在した
「東トルキスタン・イスラーム共和国」は終焉する。
 このような悲しい歴史をもつウイグルの民は民族的にはチュルクであ
り、いつしかカザフスタン、ウズベキスタンなどのように必ず独立を達成
できると信じている。
 本書は、こうした問題が提議されており、国際政治に関心のなる向きは
大いなる刺戟を受けるだろう。
 著者の楊海英氏はオルダス生まれ。文化人類学者で静岡大学教授。正論
新風賞に輝くほか、多くの著作が人口に膾炙し、メディアへの登場ぶりで
ご存じだろう。
 一方の共著者である干田ケリム氏は、ウルムチ生まれ、日本ウイグル協
会会長。2008年に来日し、東工大博士課程を修めた。ふたりとも日本
に帰化している。
    
   
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 ★読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読
者之声★    
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(読者の声1)前号「読者の声」で総選挙の期日前投票の混雑ぶりが指摘
されていました。ネットの書き込みでは本人確認書類も必要ないので替え
玉投票が増えるだろうとの予測も。
 住所移動とともに昔からある手口ですが郵便物が溜まっている郵便受け
から投票券を盗み出す、高齢者施設の寝たきり老人の代わりに投票する、
いくらでもできるでしょう
まずは投票することが大事ですね。(PB生、千葉)

  ♪
(読者の声4)戦前の歴史や世相を知るには当時の新聞記事が役に立つ。
神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 で支那and共産党で検索すると
1151件がヒットする。ただし出版年がバラバラなので発行地を東京とする
と313件、関西では665件、外地166件となり出版年による記事データの
ソートもできる。
ユダヤor猶太、東京or関西で検索すると1011件。共産主義の脅威とともに
ユダヤの金融支配力に関する記事も多く、現在の新聞よりよほど世界情勢
を見ている。
記事はテキストと新聞の画像が3:7ほどの割合で表示。フレームという
技術を使っているのでブラウザは Firefox が便利。テキスト:画像の割
合を自由に変えられるほか、右クリックメニューからフレームのみ表示、
フレームを新しいタブ・ウインドウで表示もできる。

 日本経済新聞の前身である中外商業新報 1930年(昭和5年)の年頭記事は
1929年9月にはじまるアメリカの株暴落の影響もまだ出ておらず楽観的と
もいえる論調。筆者の小松緑は1865年生(慶応元年)会津出身の外交官。米
国で8年間政治学を学ぶ。記事ではマルクス主義は過去のもの、ムソリー
ニの政策を礼賛、ドイツの合理性や耐忍と努力と愛国的精神、英国の労働
者の横暴、英国産業の不甲斐なさ、新興アメリカの進取の気性、物価が安
く賃金が高い理想郷を指摘。政治面ではアングロサクソンを高く評価。フ
ランスが出てこないのは日本にとって参考になるところがなかったためか。
歴史は繰り返し現在の政治・社会状況にも当てはまる指摘が多々ある。全
文はリンクを参照。

【神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 政治(41-029) 中外商業新報
1930.1.1-1930.1.4 (昭和5) 欧米に於ける立国方針の変遷】
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=10099124&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

・進歩と変化とは同じな場合もあり、異る場合もある。進歩は必ず向上を
意味するが、変化はそうも限らない、向上する場合もあり、堕落する場合
もある。

・(第一次)世界大戦以前には、政治的対抗時代があり、宗教的紛争時代が
あった。共和と立君と立君の順逆に就いて、また新旧両教の正邪に就い
て、激烈な騒乱さえ起って、無益に金を棄て、無駄に血を流すのを不思議
とも不自然とも感ずる者がなかった。

・一言以て現代の世相を掩えば、産業万能時代といえるであろう。産業だ
に発達すれば、国富み人安く、世界中に平和の春がみなぎり渡るに相違な
い。尤も政治や宗教はどうでもよいというのではない。ただ産業が中心と
なり、政治と宗教とは、ただそれを補助する道具にのみ利用されるように
なったのである。

・今春ロンドンに開かるべき軍縮会議の如きも、その動機は、不生産的軍
備に投ずる資金の幾分を割いて生産事業に振り向け、国民の負担を減じ
て、その生活の安定に資せんとするに外ならぬ。現に我が政府が金輸出の
解禁に腐心し、緊縮節約を政策の一枚看板にしているのも、すべての生産
事業を堅実な基礎の上に建直そうとする趣旨に相違ない。

・産業発達の方策として、資本万能主義を試みた国々もあったそれに反抗
して、ブロレタリアット独裁制度を強行した国々もあった。しかしいずれ
も永久の成功を見ることができなかった。

・産業立国は、現代世界に共通する大勢であるが、そのこれを遂行すべき
手段方法に至っては、国々の特殊事情によって同じからざることはいうま
でもない。尤も今日の文明国中には、資本万能主義とか、ブロレタリアッ
ト独裁制度とかを固守するものはない。取わけ、世界革命や階級闘争など
は過去の迷想として葬られてしまった。よしやマルクス、エンゲルス再生
するとも、こんな理論にも実際にも適応しない理不尽でしかも不自然な主
張を繰返す気遣いがない。現にロシアでさえも、既に純粋な共産主義の失
敗に懲りて、国家資本主義に変化しているではないか。

・極端な社会主義から極端な国粋主義に変化した時勢の傾向を徴象する標
本はイタリーで、そのイタリーを代表するものは、既に七年間政権を握
り、なお今後十年位はその地位を保つ可能性を持っているムソリーニその
人である。

・ムソリーニは、産業における労資関係を、家庭における夫妻関係にたと
え、その間に紛争あるは一時の変態で、協力して家庭の幸福を図るのが常
態である、
夫婦の不和から家庭が乱れるように、労資の闘争から産業が衰えるもので
あるという見地からして、労資間の争議を根絶するために、労働者側と企
業者側との
組合法を制定し、工業商業は勿論農業に至るまで、総べて組合制度とし、
賃銀、時間、待遇等の主要条件は悉く団体協約によることとし、而してそ
の協約は、
組合省において厳正な調査をなし、単に労資両者のみならず、第三者たる
一般公衆の利害関係をも考慮し、いずれにも支障のないことが確められた
上で、宛かも一種の法規の如くに公表され、それより生ずる紛争またはそ
の違反者に対しては、組合裁判所において厳重な制裁を加えることになっ
ている。その結果、今日のイタリーには、閉場(ロックアウト)とか怠業と
か罷業とか、産業の発達に障害を及ぼすような忌わしい現象が悉く消滅し
てしまった。

・ムソリーニの威力の下に産業が制度化されているイタリーよりも一歩を
進めて、国民性に基き、あらゆる産業が学理と実験とで合理化されている
のは、ドイツである。

・ドイツでは、労働組合も企業者組合も全然同じように、職業別又は地方
別に、連合的に又は全国的に、残る隈なく団体組織となって、理想的に整
頓している。

・一時破産を免れまいと危ぶまれたドイツが、戦後僅か十年足らずに、旭
日昇天の勢いを以て、国力を回復し来り、ドーズ案で二十五億マーク、ヤ
ング案で二十億マークという莫大な年額の支払に耐え、なお二十億マーク
の正貨準備を維持して、遠くの昔から金輸出の解禁を実行している現状を
見て、しかして戦勝国の一なる我が日本の不甲斐なき醜態に想い到る時、
吾人は実に無量の感慨に打たれざるを得ない。

・ドイツ人やイタリー人と正反対に、制度の威力を仮らず、規律の拘束を
受けずして、飽くまで国民の自由意思と人格の陶冶とを以てあらゆる事物
の進歩発達を図ろうとするのが、アングロ・サクソン族の特性である。わ
けても、成文法よりも習慣法で押し通そうとするのがイギリスで、アメリ
カは、特殊の急進的気象を持っているが、人格を制度の上に置く点におい
てイギリスと似通っている。

・イギリスでも、昔はビーコンスフィルドとグラッドストンとが、外交問
題について、強硬と穏健の態度を異にし、政略問題に就いて、保守と進取
の意見を異にし、互に火花を散らして相争って内閣を取遣りした時代が
あった。

・若しイギリス以外の国で、労働党が政権を握ったとしたらば如何。久し
ぶりで内閣を乗取ったという勢いに乗じて、どんなに資本家を圧迫するか
知れない、あわよくばブロレタリアット独裁制度まで行くかも知れない。
さすがはイギリス人だけに、節制もあり訓練もあるので、余り突飛な行動
を執らない。

・併しイギリスが労働者の横暴に苦しんでいることは、争うべからざる事
態である。内閣の死命を制する失業問題の如きも、ただ失業者が多いとい
うではなく、実は職業があっても働くことを厭がり、失業手当をうけてた
だ遊んでいる者が百五十万もあるので、その救済費の支出に困るというの
である。

・イギリスの一植民地から独立して僅かに百五十年、藍より出でて藍より
青い国はアメリカだ。労資協調が理想的に出来ているのも、アメリカにお
いて始めて見ることができる。アメリカ人は、あらゆる産業に、新式の経
営法と精巧な機械とを応用しているのと、労資を通じて等しく理解と努力
と情誼が行き渡っているのとで最小の資本と努力とで最大の生産を挙げる
という経済学の原則を実現している。

その生産品が安くて良くて多いというのであるから、利益も自然に増加し
て来る。労働者の能率が、他国のそれに二倍も三倍も増しているから、そ
の給料もそれだけ高くなる訳。アメリカが物価が安くて賃銀が高いという
理想郷となっているのも、決して怪しむに足らない。

・今日のアメリカで、流行言葉となっているのは「従来の収益思想
(Service Principle)に就け」というのである。けだし生産者たるもの
は、労資いずれを問
わず、すべて人類の欠乏を充たすために、必需品を供給するという重い任
務に従事するのであるから、宜しく社会奉仕の精神を以て、自己の収益に
のみ汲々せず、一般公衆の福利を増進することに心掛けねばならぬという
趣旨である

・昨年の後半期にニュウヨークの株式界に大混乱が起って、一時随分世間
を騒がしたことがあった併しそれは投機者個人間の浮沈を語るだけで、耕
地にも鉱山にも工場にも何の影響もなく、各事業とも順調の経営を進め、
鉄鋼、石炭石油、鉄道、電信電話等の大会社より、演劇、活動等の娯楽場
に至る収入統計(昨年十一月までの月報)を見るに、いずれも前年の同期に
比し、平均一割四分方も増加している。株式の暴落が、一般事業に格別関
係のないことが瞭かである。
・日本の海外貿易上、世界最大の顧客であるアメリカが繁栄を永く続けて
行くことは、我国に取って結構なことではないか。

 英国病といわれていた英国の労働者の横暴を抑えるのは1979年のサッ
チャー政権誕生からで失業率の下げ止まりは1986年。英国病を治すには50
年以上もかかっている。アメリカはベトナム戦争以降の疲弊と強くなりす
ぎた労働組合、四半期ごとに利益を求める株主のユダヤ的強欲資本主義で
製造業の多くは海外へ逃げ出した。日本も1990年代以降アメリカの要求に
屈し半導体生産は海外企業へ、小泉改革以降は経産省も財務省もアメリカ
の下請けに見える。
 民主党政権の3年半におよぶ円高政策で日本の製造業もかなりの部分が
海外へ。自動車の半導体不足もワイヤハーネス不足も生産を海外に移した
あとではどうにもならない

しかし自動車向け半導体不足の要因のひとつに自動車メーカーの理不尽と
もいえる買い叩きがあるとされる。中国から製造業を呼び戻そうにもデフ
レマインドが続き電力価格も高くなる一方の日本に戻ってくるだろうか。
せいぜい東南アジアにシフトするくらいだろう。
 バブル崩壊後の中国がどうなるのか、第二の文革・鎖国ならまだまし、
戦争に打って出るかもしれない。
政治家は国防、食料、エネルギーといった安全保障と国民の雇用を守るの
が第一。LGBTなどにかまけている場合ではない。(PB生、千葉)

  ♪
(読者の声5)アジアの民主化を促進する東京集会のお知らせです。
 中国の横暴を阻止し、ウイグル族虐殺の無謀を止めるには何をしなけれ
ばいけないのか。いかにしてアジアの民主活動家と連帯するか。

とき   11月13日(土曜)午後一時半開場。二時開演
ところ  ワイム会議室 赤坂スターゲートプラザA
  (東京メトロ南北線 「山王溜池」駅8番出口向い)
https://www.bing.com/maps?q=%e8%b5%a4%e5%9d%82%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%97%e3%83%a9%e3%82%b6+%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9&FORM=R5FD5

登壇   加瀬英明、酒井信彦、ペマギャルポ他
参加費  お一人千円。
主催   アジア自由民主連帯協議会
問い合わせFAX 0426−83−0566

2021年10月30日

◆【変見自在】朝日は独りで逝け

               高山 正之

 朝日新聞の崩壊はいつ始まったか。正確な日時も場所も分かっている。

 第2次安倍政権発足直前、プレスセンタービルであった日本記者クラブ
主催の党首討論会がその瞬間だった。

 討論会の目玉は記者クラブ側が会見の形で政権党首を吊し上げること。

 因みに質問者は4人で朝毎読日経が独占する。

 これで赤い朝毎が牛耳る懸念もあり、産経を入れる動きも出ていた。

 しかし朝毎日経には支那がついている。その外圧で改組話は止まったとか。

 で、この質疑も従来通り朝日の星浩が仕切った。

 朝日は安倍を恨んでいた。安倍は「諸君」で公然朝日を非難し、安倍を
潰すつもりで書いた「NHK番組改変」も簡単に捏造がバレて酷い目に
遭った。

 「安倍の葬式はウチが出す」と誰かが言ったというほど、安倍は憎かった。

 で、星はまず靖国参拝を質した。支那韓国を敵にするのかと。答えは今
回の高市早苗と同じ。さらり「それが何か」

 星は世界が批判する慰安婦問題を問うた。

 「星さん、あれはあなたの朝日新聞が吉田清治という詐欺師の嘘を広め
たんじゃないですか」

 全国中継で「朝日はフェイクニュースを30年も流し続けた」と返された。

 星も慰安婦話が嘘と知っている。ただ東京裁判史観に合うなら、そう悪
い嘘ではないと考えていた。

 しかし正面から詰問されたのは初めてで星は狼狽(うろた)えて沈黙し
た。朝日の崩壊はこのときに始まった。

 以後順調に崩壊していくが下地はあった。朝日は容赦なく嘘を書きま
くってきた。都城23連隊が南京大虐殺をやったとか、日本軍の煙幕を毒ガ
スだとか。珊瑚に落書きして「日本人」を罵倒もしてきた。

 唯一の良い嘘は北朝鮮を楽園に仕立てて在日の帰国を促したことくら
い。あとは棘のあるいやらしい嘘ばかりだった。

 購読数が半減するのは当たり前だが、ただ、反省はない。好きに嘘を書
きたい。そして苦境に追い込んだ安倍を潰したい。

 で、過去の嘘を検証して発見があった。全くの嘘を「これが事実だ」と
書いたから責められた。

 ならば事実と書かなければいい。疑惑があると書けば事実でなくても誤
報にはならない。それに安直だ。

 かくて根本清樹論説主幹のもと安倍の「疑惑」糾弾が始まった。

 第一弾は森友学園。安倍夫人が講演し、財務省が学園の土地購入で値引
きした。どうも疑わしいと書ける。

 しかし隣の豊中市の公園は森友より格安だし、おまけに公金横領の前科
のある辻本清美が絡む。そっちの方が疑惑は濃い。

 「それは書くな。安倍を潰す疑惑を書くのであって事実報道とは違う」

 加計学園も安倍の友達に獣医師会の反対を押し切って認可した。怪しい。

 でも怪しさでは獣医師会に近い石破の方だ。

 「我々は事実を報道しない。石破は放っとけ。安倍が怪しいとだけ書け」

 そんな中、党首討論会があった。星の後釜の坪井ゆづるが加計学園問題
で安倍を糺(ただ)した。

 安倍は「朝日は加戸県知事の証言を報じなかった」と逆に朝日が事実報
道をやめたことを指摘した。

 口ごもるゆづるに安倍は重ねて「胸を張って事実報道したと言えるか」
と問う。ゆづるは真っ赤になって気張る。

 「会場から失笑が漏れた」と阿比留瑠偉のコラムにあった。

 朝日の崩壊はそれで勢いを増した。しかし、根本は挫けない。森友で自
殺した財務省職員の妻に「赤木メモを公開しろ」と騒がせる。

 公開したら本人が「不当な値引きはしていない」と疑惑をもろ否定して
いた。

 むしろ朝日の疑惑報道に乗って騒いだ小西洋之ら野党議員らの圧力が自
殺の遠因のように見えた。

 その疑惑報道は衆院選でもまだ使い回され、安倍批判が紙面に躍る。

 野党も野党で朝日お気に入りの夫婦別姓推進を政策の柱に据える。死に
ゆく朝日にそこまで付き合う愚直さが微笑ましい。



高山正之氏の本紙連載が、文庫になりました。

『変見自在 習近平は日本語で脅す』(定価605円)絶賛発売中。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 採録

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◆雀庵の「常在戦場/102「読書と毒書と独書の秋
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/382(2021/10/28/木】久し振りに文教堂書店を
訪ねてみたら、「外交・国際関係」の書籍、それも「戦争前夜だ!」と危
機感をあおるタイトルのものがずいぶん増えた印象だ。メモを取ろうと
思ったがあまりにも多いので諦めた。

武漢発コロナ菌との戦争本も20〜30冊並んでいたが、喉元過ぎれば熱さを
忘れるで、まあブームは終わった感じ。今度は北京発習近平菌との戦争に
関心は移りつつあるようで、習近平が除菌されるまでの1、2年(?)は
「中共叩くべし!」「目覚めよ日本!」系の本は売れ筋になると出版社は
皮算用しているはずだ。直近を含めて近年発行されたその手の本には、例
えば以下がある。

石平 「中国共産党 暗黒の百年史 なぜ日本は中国のカモなのか」「中国
五千年の虚言史 なぜ中国人は嘘をつかずにいられないのか 」「石平の新
解読・三国志 愚者と智者に学ぶ生き残りの法則」「なぜ論語は善なの
に、儒教は悪なのか 日本と中韓 道徳格差の核心」「私はなぜ中国を捨
てたのか」「なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか」「なぜ日本だ
けが中国の呪縛から逃れられたのか 脱中華の日本思想史」、宮崎正弘・
石平「中国が台湾を侵略する日」

櫻井よしこ「赤い日本」「亡国の危機」、門田隆将「なぜ女系天皇で日本
が滅ぶのか」「新・階級闘争論 暴走するメディア・SNS」、杉山大志
「脱炭素は嘘だらけ」、上念司「日本分断計画 中国共産党の仕掛ける保
守分裂と選挙介入」、楊海英「独裁の中国現代史 毛沢東から習近平ま
で」、花田紀凱編集「習近平vs.櫻井よしこ」、山口敬之「中国に侵略さ
れたアメリカ」、馬渕睦夫「ディープステート 世界を操るのは誰か」、
青山繁晴「誰があなたを護るのか 不安の時代の皇(すめらぎ)」

福島香織「ウイグル人という罪─中国による民族浄化の真実」「習近平 
文革2.0の恐怖支配が始まった」、近藤大介「台湾vs中国 謀略の100年史
なぜ中国共産党は台湾を支配したがるのか?」、黄文雄「ジェノサイドの
中国史 中国人も知らない歴史のタブー」、山岡鉄秀「vs.中国(バーサ
ス・チャイナ) 第三次世界大戦はすでに始まっている!」、篠原常一郎
「中国が仕掛けるシン・共産主義革命工作」、井上和彦「封印された日本
軍戦勝史」、掛谷英紀「学者の暴走」、江崎道朗「緒方竹虎と日本のイン
テリジェンス―情報なき国家は敗北する」

E.ルトワック「自滅する中国―なぜ世界帝国になれないのか」「中国4.0
暴発する中華帝国」「戦争にチャンスを与えよ」「日本4.0 国家戦略の新
しいリアル」「ルトワックの日本改造論」「ラストエンペラー 習近平」

F. ディケーター「毛沢東の大飢饉:史上最も悲惨で破壊的な人災
1958-1962」「文化大革命」、R.D. エルドリッヂ「オキナワ論 在沖縄海
兵隊元幹部の告白」「危険な沖縄 親日米国人のホンネ警告(共著)」

K. ギルバート「まだGHQの洗脳に縛られている日本人」「米国人弁護士だ
から見抜けた日本国憲法の正体」「儒教に支配された中国人と韓国人の悲
劇」

H.S. ストークス「大東亜戦争は日本が勝った」「世界は中国に対峙でき
る日本を望んでいる」「英国人記者だからわかった日本が世界から尊敬さ
れている本当の理由」「英国人記者が見抜いた戦後史の正体」「戦争犯罪
国はアメリカだった! 英国人ジャーナリストが明かす東京裁判70年の虚
妄」・・・

いやはや、何というか、タイトルを追っただけで「お腹いっぱい、もう十
分です、ご馳走さまでした」と言いたくなるほどのパンデミック。先日、
地元の新興宗教(と言っても大正元年、1912年開基だから100年以上の歴
史がある)「新明国上教会」を訪ねて色々資料を頂いたが、季刊誌にス
トークス著「世界に比類なき日本文化」が取り上げられていたのには驚い
た。敗戦後に占領軍とアカに駆逐されてきた「日本らしさ、日本人らし
さ」を取り戻そうという王政復古、令和維新、アンシャンレジームみたい
な流れが強まってきた感じがする。

この流れを遡れば福田恒存や江藤淳、大宅壮一、高坂正堯、三島由紀夫あ
たりまで辿れそうだが、直近では小生が尊敬する加瀬英明先生などの奮闘
努力が奏功したようである。Newsweek 2018/10/29「出版業界を席巻する
ケント・ギルバート現象の謎」から(同誌は当時はリベラル、今はアカモ
ドキでそのうち自滅するだろう)。

<ギルバートは過去の「外タレ」時代から、日本社会の矛盾点を歯に衣着
せず指摘するタイプではあった。だが、現在のような言論を開始したのは
2013〜14年頃からだ。

ギルバート現象はいかなる事情で生まれたのか。彼の第2の人生が始まっ
た背景には、日本の保守系論壇における2人の大物の存在があった。

「2013年10月に私が編集・刊行した『不死鳥の国・ニッポン』(日新報
道)は、ケントの『転向』の大きなエポックメイキングだった。一時期低
迷していた彼に、第2の出発点を準備できたと自負している。私は彼に
『これからのあなたは芸能人ではなく文化人だ』と伝え、背中を押した」
――そう話すのは、同書を手掛けたフリー編集者で実業家の植田剛彦(73)
である。


植田には別の顔がある。出版社「自由社」の代表として、保守系市民団体
「新しい歴史教科書をつくる会」が編纂した中学生向け教科書や、杉田水
脈、藤岡信勝、倉山満といった保守系言論人の著書を多数刊行しているの
だ。彼はこうも言う。「『不死鳥』刊行時のケントには理解不足な面があ
り、政治的発言を行う覚悟が不十分だった。だが、私が特攻隊についての
英文資料を渡したり、勤勉なケント自身が勉強して理解を深めたことで、
彼は完成していった」

加えてもう1人、「転向」に影響を与えた人物がいる。保守論壇の重鎮で
外交評論家の加瀬英明(81)だ。90年代に植田がギルバートを引き合わ
せ、共著を出して以来の縁である。「長年、ケントに忍耐強く説いていっ
た。彼は真面目なので、話を聞いてくれた。われわれがケントを変えたん
だ」

加瀬は安倍政権とも関係が深い「日本会議」の代表委員や「つくる会」の
顧問、歴史問題の否定を訴える「慰安婦の真実」国民運動や「南京事件の
真実を検証する会」などの保守系市民団体の会長も務める。彼はこうも言
う。

「バテレン(戦国時代のキリシタン)を改宗させたようなものだ。最初は
ストークスを10数年かけて『調教』したのだが、ケントはその次だった。
最初はいずれも、慰安婦や南京の問題について、日本が(悪事を)やった
と考えていたんだ」

ストークスは、フィナンシャル・タイムズやニューヨーク・タイムズの東
京支局長も歴任した知日派のイギリス人ジャーナリストだ。近年は靖国参
拝を行ったり、加瀬との共著や『大東亜戦争は日本が勝った』といった著
書を刊行するなど保守派寄りの姿勢が目立つ。

「高齢で体調がすぐれないストークスに代わって、最近のケントは著書を
多く出して頑張っている。『転びバテレン』だからこそ、彼は自分でしっ
かり勉強をしているみたいだ」(加瀬)>

そして習近平・中共発狂の“後押し”もあって文教堂書店の「外交・国際関
係」の棚を右派がほぼ占拠するに至ったわけだ。もっとも多くの書店は巨
大な取次店(カネ貸しでもある)にとっては小売店(返品自由、仕入れリ
スクなしだからただの棚!)でしかなく、書店とともに「売れる本がいい
本」であり、中身なんぞドーデモイイのが普通であるが・・・

ベストセラーのほとんどは一過性で、まずロングセラーにはならない。
「学び」を目的にした読書なら初版から2、3年後に読んでも中身はちっ
とも古臭くなっていない。福翁の「学問のすゝめ」なんぞ明治のベストセ
ラーだが、今でもロングセラーで人気がある。「人間は平等に生まれたわ
けじゃない、身分制が無くなったと言っても勉強しないと重い仕事に就け
ないよ、いい給料を稼げないぜ、国民が上を目指して努力しなければ国家
は列強の後塵を拝する二流国、三流国になってしまうよ」という、ごく当
たり前の話で、国民の発奮を促したわけだ。

先輩たちが読んで「良書だ、人生の指針になった」という教学(教養学
問)系の本、特にロングセラーや古典を優先的に読んだ方がいいと思う
(かじっただけでも周囲は一目を置く!)。疲れたら歴史小説とか随筆、
ノンフィクションを読む。話題のベストセラーばかり読んでいる友人夫婦
がいたが「人生を面白おかしく楽しく過ごせればいい」という
Happy-Go-Lucky で、子供もつくらなかった。寂しくないのかなあ、次代
にバトンを繋ぐのは大事ではないかと思うのだが・・・余計なお世話か。

国家を多少なりとも良い国にし、後人に引き渡す、それが国民の、あるい
は生物の義務、天命だと思う人は、いずこの先進国でも減っているようで
ある。80年も平時が続くと、行き過ぎたような個人主義や福祉の進展とと
もに人間は野性というか天命を軽視しがちになるのだろう。

温室のような環境に慣れ過ぎると本来の生命力や耐性が劣化する・・・五
輪のように大規模な世界大会“大戦”は時々あった方が健康ではないか。人
類は戦争で今の秩序を創った、次の秩序も戦争の中から生まれる、と考え
るのは正論だろう。


ソ連は熱戦の前に「冷戦」という包囲戦、特に食糧不足で民から見放され
て消滅した。今は“悪の帝国”中共の「国内矛盾による内戦危機を外戦に転
化する」という暴発を抑え込むために中共包囲戦=冷戦を進める時だろう。


熱戦に備えつつ冷戦で締め付けていく・・・中共は軍事優先で民生は疎か
になり、今年は豪州いじめの代償で石炭不足、電力不足で寒い冬を迎えよ
うとしている。サイエンスポータル2021/10/21はこう報じている。

<中国東北部の黒竜江省で最大の石炭生産業者、竜煤鉱業集団はエネル
ギー需要の高まりに対応するため、四つの新しい炭鉱の建設を開始した。
中国の発電は火力が約70%を占めている。北部では暖房シーズンには電力
供給圧力が増す。最近、一部地域で停電し、工場の操業停止や家庭への影
響が出たため、国は電力供給に全力を挙げている>

習はやることなすこと裏目に出る。冷戦下でやがては財政難になり、食糧
不足から窮民革命に火が付き、中共政権は倒れる、自滅する・・・

あるいは一点突破、全面展開で台湾、日本に侵攻して勝利し、習近平・中
共政権の求心力を高める可能性はあるが、日台はこれという資源のない山
だらけの国(70〜80%が山岳地帯)で奪えるものはあるのか。「勝利し
た」と言ってもロシア以外の世界中から総スカンを喰らうから経済的なメ
リットはないだろう。一時的に習近平は人民から称賛されても、人民のす
きっ腹が改善されるわけではない。

習近平は毛沢東風の清く貧しく美しくの“清貧思想”に憧れているようだ。
それなら一人で勝手に引き籠ればいいのに14億を道連れにしようとするか
ら世界中から嫌われる。習を引きづり降ろしてまともな国にしようとする
人材はいるのかどうか・・・経済が下降気味の今は「貧乏くじを引くだ
け」と、火中の栗を拾う人材はいないようだ。

阿片戦争で頑張った林則徐は、イギリス軍を目前にして朝廷内で和平論が
高まると「戦争挑発者」として罷免された。「大義とは私利私欲」、強者
に従うという「事大主義」「長いものには巻かれよ」が支那人の初期設定
なのだろうか。窮民革命、維新に期待したい。




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◆アリババの馬雲が欧州で農業研修

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月27日(水曜日)弐
通巻第7095号  

ビルゲーツに続き、アリババの馬雲が欧州で農業研修
スペインの休暇村からオランダの農業研究機関に出現した

 アリババの創業者・ジャック・マー(馬雲)はスペイン滞在を伝えら
れ、一説にマヨルカ島で長期休暇に入ったとされた。
 ところが、10月25日、オランダに出現した。

 温室技術の研究機関を訪問し、農業技術への関心をしめす訪問となって
公表された。
馬雲はヨーロッパで、農業インフラ、植物繁殖などの研究機関ならびにア
グリビジネスを展開中の欧州企業で研修旅行を続け、中国の農業近代化に
大きな可能性を探るという。先月も馬雲は浙江省のハイテク農場を訪れて
いる。

中国は依然として農業国家である。農村の比率は49%とされるが、近年
の都市化による農地面積の激減に加えて天然災害、とくに干ばつ、洪水、
豪雨などの砂漠化、そして同時に農村人口の激減という境遇のなかで、明
日の農業安全保障のための農業インフラ建設ならびに農業の安全保障とい
う自給体制の確立が急がれている。
 
 アリババを習近平政権が目の仇としており、傘下の金融子会社「アン
ト」の上場延期に加えて2021年四月には「独占禁」に違反したなどと
して3000億円もの罰金を科せられた。馬雲はアリババの経営を離れた
とはいえ、中国の今後の農業技術は、クラウドコンピューティング、人工
知能、ビッグデータ分析が必要であり、如何にしてハイテクを農業の核心
に結びつけるかが、大きな課題である。

 ところで世界一の財閥、マイクロソフトのビル・ゲーツは、全米一の農
地保有者である。
 ビル・ゲーツの農業投資が注目されているが、日本でも穀物や野菜、果
物等の種子(タネ)を買い漁っていることがわかっ手いる。

これらをビル・ゲーツは、ノルウェーの氷山であるスピッツベルゲン島に
「世界最大の種子貯蔵庫」を建設、維持している。
何が目的なのか
ゲーツの持論は「世界的に人口増加が続き、まもなく90億人に達する。と
なれば、食糧不足から戦争が起こる。人口抑制を急ぐ必要があるのではな
いか」。 

     
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム  
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樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2291回】   
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港173)

   △
 証拠隠滅もそこそこに、後は強奪した大金を湯水のように使うばかり。
しょせん趙大は小狡い小悪党である。豪邸を建て、きらびやかな衣装を身
に纏い、夫婦揃って身の丈に合わない贅沢三昧の日々。
 あっという間に3年の時が過ぎた。
 草履代金を取り立てに草履職人の張別古がやって来るが、以前の見慣れ
た廃屋同然の旅籠が見当たらない。
モノは試しである。旅籠のあった場所に建つ豪邸に向かって「おーい、
おーい、趙大はいるか〜」と声を掛けた。すると大旦那の態をした趙大が
現れて、大仰に口を開く。「貧乏人風情が、趙大と呼び捨てするとは失礼
千万と言うもの。頭が高い。趙大人(ちょうのおおだんなさま)と呼べ」と。
 張が草履代金を請求すると、趙大は切り刻んだ劉世昌の死体を捏ね混ぜ
て焼きあげた烏盆(黒い鉢)を指さして、「はした金じゃないか。ツベコ
ベぬかすな。草履代はこれで十分だ。これでも持って、トットと失せろ」
と、冷たい限り。
 
どうも割が合わずに納得がいかないが、ここは我慢しいて引き下がるしか
ない。そこで烏盆を手に、張は家路を急ぐ。街角で一休み。すると烏盆に
宿った劉世昌の霊魂が「張別古、老張(張さん、張じいさんよ)」と呼び
掛け、3年前の雨の日に起こした事の顛末を語り出す。京劇は歌劇(オペ
ラ)だから、正しくは唱い出すと言うべきだろう。

 ここからが、この演目の山場となる。とは言え烏盆が唱い出すわけでは
ない。劉世昌に扮した役者が真っ黒の外套のような衣装を身につけ、霊魂
を表す「紙穂」と呼ばれる白い短冊状の紙を両頬から垂らして登場し、烏
盆の脇にソッと立ち3年前の雨の日に趙大夫婦から受けた残忍極まりない
仕打ちを切々と唱い、訥々と語る。
 するとそこへ折良く県衙(県役所)の下っ端役人が「地方、地方(みな
のしゅう、みなのしゅう)・・・オカミに向かって不満や要求がオアリな
ら、どうか遠慮なく申し出られマショウゾ」と声を掛けながらやって来た。

 官に対する不平不満や要望、さらには納得のいかない問題があったら直
接訴え出よというのだから、形の上からだけは直接民主制とも言えなくも
ない。
共産党政権の現在でも「信訪(「人民来信来訪」の略称)」と呼ばれる制
度があり、個人であれ民間組織であれ、請願・陳情・苦情などを政府に直
接訴えることが出来る。信訪を受け付ける部署は、中央・地方を問わず官
庁の付近に設けられている。これまた形の上では、封建王朝時代の「地
方、地方・・・」を踏襲したものと言ってもよさそうだ。しょせんは中国
の共産党と言うことか。

 中国社会では古くから「只許州官放火、不許老百姓点灯」と言い慣わさ
れているように、役人が勝手に放火しても罪は問われないが、老百姓(じ
んみん)は灯りを点すことも許され頭に罪になる。このように官(役人。
共産党政権下では幹部)の横暴は極まりなかった。権力を振り回し、庶民
を泣かせ、私服を肥やすことが役人の『作法』だったわけであり、かくし
て役人=貪官汚吏という図式が一般化していた。
 ところが時として伝統に逆らって役人社会の「空気」を読まない、ある
いは「同調圧力」に屈することなく、清廉潔癖・破邪顕正・悪事厳罰を体
現したかのような絶滅危惧種級の役人が生まれるらしい。

 これを「清官」と呼んで称え、史書に功績を書き留める。その代表が海
瑞であり包公(包丞)だった。これを裏返せば圧倒的多数は貪官汚吏と言
うことだ。
 かくして張別古の手に抱かれた烏盆は包公の前で自らの身に降りかかっ
た不幸と趙大夫婦の悪行を訴え、積年の恨みを晴らすのであった。もちろ
ん趙大夫婦は処刑となった。
 なぜ、この演目が好まれるのか。現実には存在しないにも等しい清官が
登場し、悪を懲らしてくれるからだ。
だが共産党は、なぜか率先して禁戯措置を講じてしまった。
 
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 どくしゃのこえ 読者之声 
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   ♪
(読者の声1)以前の投稿で紹介したブログにアメリカ共産党について書
かれたものがある。
【共産主義とNWO :ウォール・ストリートのユートピア詐欺 By Henry
Makow Ph.D. March 16, 2003】
https://satehate.exblog.jp/10630063/
・ベラ・ドッドは、1930 年代と1940年代にアメリカ共産党(CPUSA)の指
導者だった。
彼女の本「闇の学校」(1954)は、共産主義は「普通の人間を支配するた
め」そして世界の専制政治を進めるために金融家たちによって実行された
ひとつの詐欺(でっち上げ)であることを明らかにしている。
・ドッドは、共産主義をその目標が西洋(つまりキリスト教)文明の破壊
である「一つの奇妙な秘密カルト教団」として記述している。
・共産党は、教会、学校、マスメディアや政府のような社会制度に浸潤し
腐敗させることにより活動している。その目的は「彼らが支配することを
確固として期待していた世界の青写真に従うだろう新しい型の人間を作り
出す」ことだった。
・たとえば、ドッドは、 CPUSA は1930年代に、1100 人のメンバーをカト
リックの司祭にしていたことを明らかにしている。
・それはまた、教師の労働組合と学術団体を乗っ取ることにより、アメリ
カの教育制度を腐敗させた。
・一冊の新しい本(アメリカ共産主義の秘密の世界[The Secret World of
American Communism])は、新たに公開されたクレムリン文書に基づい
て、CPUSAはモスクワの操り人形で、ルーズベルトとトルーマンの政権は
実質的にはソ連のエージェントによって運営されていたことを確認してい
る。少数名をあげれば、アルジャー・ヒス、ハリー・ホプキンスとハ
リー・デクスター・ホワイト等である。

 ヘレン・ミアーズは「アメリカの鏡・日本」という本を書きましたが共
産主義、男女平等、フェミニズム、新自由主義とアメリカの流行が数年遅
れで日本にやってくるのは戦前からの流れでまさに「日本の鏡、アメリ
カ」です。
 1930年ころといえばアメリカではタバコの広告でラッキーストライクが
「自由のたいまつ」キャンペーンを行い、女性の喫煙は売春婦や不道徳に
つながるマイナスイメージを転換させた。いかにイメージ戦略が重要かわ
かります。
「 当時女性は指定された場所での喫煙のみ許可されており、違反者は逮
捕されていた。これに対し、バーネイズは1929年にニューヨークで行われ
たイースター行進においてラッキーストライクのタバコを「自由の松明」
と題して女性モデルたちに持たせ、タバコを持つ女性と自由の女神のイ
メージを重ねて想起させる戦略を行った。実際にはニュースにあたるもの
ではないが、バーネイズはこの行事を宣伝ではなくニュースとして取扱う
ことで、怪しまれずに大衆にメッセージを投下することに成功した 」
(ウィキペディア)
 1970年代末には女性解放の名分でノーブラがもてはやされ、日本では一
年間限定で一日に3人くらいはノーブラの女性を見かけた。目のやり場に
困りましたが当時の女性の胸の形はあまりいいものではなかった印象。
2000年代のバンコクでは白人のオバちゃんがノーブラで見たくもないもの
を見せられる逆セクハラでした。

 極左の根城というか「反日の巣窟」である西早稲田 2-3-18には韓国キ
リスト教団体から反原発、フェミニズムまで各種団体があるのは有名。
キリスト教への共産主義の浸透は朝鮮の1919年の三一独立運動のころから
新聞にも取り上げられていた。
 神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 政治(17-063) 京城日報
1919.12.24 (大正8)
【暴露されたる一部基督教徒の独立運動 一部宣教師も関係あり 見よ!
動かす可らざる証拠書類 赤池警務局長談】
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=10101217&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

韓国内耶蘇教会祈祷題目(訳文第一号)
礼拝第一日 特に我国に於ける教会の情状に付祈祷すること
同 二日 大韓民国臨時政府、議政院及其他各団体の為に祈祷する事
同 三日 復興事業に付全国人民の統一を永久ならしむる為祈祷すること
同 四日 独立運動に殉節せし者の遺族及獄中にて苦難を甞められつつあ
る者及其家族の為に祈祷すること
同 五日 我が自由独立を速に完成せしむる為に祈祷すること
同 六日 国際連盟を神意に依り完全に組織する為に祈祷すること

 昔も今も韓国系キリスト教は反日があたりまえ。今やキリスト教団体だ
けではなく仏教のお寺まで乗っ取りが進んでいる。
戦前の少年雑誌の小説では中国のキリスト教宣教師はアメリカのスパイで
あり教会の地下には武器が隠されているといった描写がありますが事実
だったのかも。 習近平の宗教弾圧にもそれなりの理由があるのかもしれ
ません。
  (PB生、千葉)

  ♪
(読者の声2))MMT信者の意見、矢野次官の擁護、がありましたので、
以下、GOOGLE社の自動翻訳にお願いしましたら、瞬時で、タダ。
もう暫くすれば、人間の翻訳より良くなるだろう。原文は、
https://www.oftwominds.com/blogoct21/risk10-21.html 
つまり、シートベルトをしめたぐらいでは、ダメだ、という。
あなたは, ほろ酔いの飲み騒ぐ人の間に挟まれた後部座席にいます。運転
手は酔って、時速90マイルでデッドマンズカーブに向かっています。
ドライバーが墜落(事故をおこ)したことがないので、誰も心配していま
せん。彼らが陶酔感のある矛盾に陥る前に、他の乗客は、運転手が「事故
を起こしたことがないことを示す統計ときれいなチャートで」あなたの疑
問に答えたので、心配することは何もありませんでした。
彼らはまた、「連邦政府が事故防止装置を車両に装備」していたので、衝
突は不可能だったと言った。ある乗客は、Goldy Sacks(ゴールドマン・
サックス)という名前の仲間が、運転手は簡単に「溶けて」(市場が上
がって)、時速120マイルで問題なくデッドマンズカーブを取ることがで
きると言った、(意気地が無いと)と不満を漏らしました。
ここに問題があります。
クラッシュして期限切れになるリスクは急上昇していますが、目がくらむ
ような居住者はリスクがないことを完全に確信しており、この自信が危険
の原因です。連邦準備制度理事会の装置が車両を衝突から保護できると確
信しているなら、時速90マイルでデッドマンズカーブを利用してみませんか?
そして、Goldy Sacksが、実際に時速120マイルでそれをとることができる
と言った場合、90 MPHでそれをとることは、実際には非常に慎重で慎重です。
この自信は途方もないリスクテイクを引き起こし、最終的にはすべての飲
み騒ぐ人にとって非常にひどく終わります。
自信が大きければ大きいほど、リスクが大きくなり、リスクが大きくなる
ほど、クラッシュの可能性が高くなります。とられるリスクが大きければ
大きいほど、クラッシュがすべての居住者にとって致命的となる可能性が
高くなります。
連邦準備制度理事会の安全装置に対する信頼は、テストされたことがない
ため、妄想的です。
ドライバーがクラッシュしていないという事実は、リスクが低いことや、
連邦準備制度理事会のデバイスが完全に機能していることを意味するので
はなく、単にドライバー側に運があったことを意味します。
またドライバーがリスクなしに時速90マイルでデッドマンズカーブをとる
ことができるという意味でもありません。それは単に、ドライバーが今ま
で処理できる以上のリスクを負っていないことを意味します。
(事故後の)残骸が回復したとき、目撃者はなぜ彼らがそのような不注意
で愚かな危険を冒したのか不思議に思うでしょう。彼らが知ることができ
なかったのは、乗員は皆、どんなに大きなリスクがあっても衝突は不可能
であると喜んで自信を持っていたということです。では、もっとリスクを
冒してみませんか?
 それはそう。これは完全に理にかなっています。クラッシュが不可能な
場合は、必ず時速120マイルでデッドマンズカーブを使用してください。
(在米のKM生)

2021年10月29日

◆怪しさとは未来を変える可能性のこと

轟 晃成(とどろき・あきなり)の人間社会考察

「怪しい」という言葉を聞いたときにどのような印象を受けられるでしょ
うか?

普通はネガティブなイメージを抱かれると思います。しかし、良い意味で
の怪しさというものもあるように感じます。怪しさの本質は「未来を変え
る可能性があること」だと思います。

例えば高級な枕の広告なんか非常に怪しいと感じました。しかし、なぜか
気になってしまうのです。そして、買うかどうかを迷い、最終的に購入を
しました。また、コンサルティングやカウンセリングなどのホームページ
にも怪しいものがあります。

しかし、それらは必ずしもネガティブなだけの印象ではないのも事実で
す。実際、その怪しい枕は結局購入に至りました。

自分の経験では想像ができないものを人は「怪しい」と感じるのではない
でしょうか。未来に対する不確実性があるということです。ここで重要な
のは、不確実性とは必ずしもネガティブなものではないということです。
金融商品の「リスク」とは、リターンの振れ幅が大きいことを意味し、収
益にしても損失にしてもその幅が大きいということですが、そのイメージ
です。(※注)

怪しいモノは、リスクすなわち不確実性が大きいので、良くも悪くも自分
の未来を変えてしまう可能性があります。怪しい枕は、もしかしたら非常
に良いモノであるかもしれません。怪しいコンサルティングも、もしかし
たら非常に良い結果になるかもしれません。

当然、逆に悪い未来を導く可能性があるものも、悪い意味で怪しいです。
挙動が怪しい人は、突然暴れだしたりして自分に危害が加わるリスクがあ
るので、警戒が必要です。

怪しいモノを避け続けているとどうなるかというと、自分の未来を良く変
えてくれる可能性も見過ごしていることがあり得ます。当然、怪しい枕を
購入して失敗してしまう可能性もあります。しかし、金融商品と同じで、
ある程度のリスクを取らなければ良い未来が手に入らない側面もあります。

良い意味で「怪しい」モノは、時々は近付いてみてもいかがでしょうか。

※注
「リスク」という言葉の定義は分野によって異なります。例えば、環境分
野における「リスク」とは、悪い影響の大きさ×その発生確率で定義され
ています。すなわち、悪い事象の期待値です。この定義では、リスクは必
ず悪いものとして考えます。




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◆石原兄弟は揃って「討ち死に」も
高野孟

予測つかぬ衆院選“激戦区”の行方

麻生太郎の暴言に「史上空前のバカ大臣やべぇ…」国民ドン引き。「景気
は悪くない」うそぶき史上空前の税金カツアゲ、“必殺仕事人待望論”まで
飛び出す事態に
立民支持者ですら批判。「所得税ゼロ」枝野代表ぶち上げも効果疑問視、
“票集め施策”に国民は辟易、変わらぬ野党体質

史上初めて「野党共闘」が現実のものとなり、多くの選挙区で野党候補の
一本化が実現した第49回衆議院議員総選挙。31日の投開票を控え全国で激
しい戦いが繰り広げられていますが、識者はその行方をどのように読むの
でしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャー
ナリストの高野孟さんが、当選挙の見所を挙げその各々について詳細に解
説。さらに「次世代のリーダー」の具体的な名を記しています。


プロフィール:高野孟(たかの・はじめ)
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告
会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経
ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイ
ダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授
に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県
鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

野党共闘の効果で自公は辛うじて過半数維持程度か?/しかし接戦区が多
くまだまだ分からない最終盤
公示直前になって立憲民主党と共産党を軸とする5野党共闘態勢がかなり
進展したため、289の小選挙区のうち74%に当たる213区で野党の候補者一
本化が実現、そのうち142区が与野党2極対決、71区が自公・5野党・維新
などの三つ巴という、これまでにない総選挙の様相となった。

バラ付きが大きすぎる各紙誌の予測
そのため、毎日新聞10月21日付の分析では、2極対決の142区のうち33区、
三つ巴の71区のうち24区、その他を含めて合計で289小選挙区の2割に当た
る63区で「接戦」が演じられている。結果として同紙の20日段階の「推定
当選者数」も、

自民 224〜284
公明 26〜30
〔与党計〕 230〜314
立憲 88〜146
共産 16〜 18
国民 5〜 9
社民 1
れいわ 1〜 2
〔野党共闘計〕111〜176
維新 30〜 35
その他 4〜 14
と幅が大きすぎて、余り参考にならない。読売新聞10月21日付や毎日新聞
22日付は全選挙区について情勢を短評しているが、これでも多くは「互
角」「接戦」「横一線」「激しく競り合う」「デッドヒート」「しのぎ削
る」といった表現が繰り返されていて、大きな流れを判断する材料とはな
りにくい。

今週の週刊誌も、野党共闘の進展を計算に入れて先週までの各誌よりも与
党に厳しい予測を出しているが、それでもバラ付きが大きい。「週刊現
代」10月23・30日合併号では、4人のプロ筋の予測とそれらを総合調整し
た評価を出しているけれども、その4人の間でも自民党の獲得議席予測は
40議席も差があるという有様である。

C氏は大手紙政治部デスク、D氏はテレビ局政治部デスクである。

いずれにしても、自民党が最悪の場合、現有に比べて44議席以上を減らし
て単独過半数233を切る可能性さえあるけれども、その場合も公明党の30
議席程度があるので、自公で過半数割れを起こすことはありそうにないと
いうのが大方の見るところである。とすると、野党第1党としての立憲は、

今回は150前後、出来れば155=3分の1を超える議席を占めて存在感を示し
それが達成できなくとも、せめて共産などと合わせた野党共闘勢力として
3分の1以上を占め与野党伯仲に近い状態を作り出して、自民党のやりたい
放題に歯止めをかけ
攻勢を保って来年参院選に臨み、自公に123の過半数を割らせて衆参のネ
ジレ状態を現出し
次の総選挙で本当の政権交代を果たす
――という段取りを目指すのだろう。

以下、選挙戦の見所をいくつか挙げておこう。



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◆またまたユニコーン中国企業

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月26日(火曜日)
通巻第7093号  

またまたユニコーン中国企業、上場を一年以上延期へ
  アリババ傘下の「アント」は事実上、上場は不能。習近平は何を考え
るのか?

 バイトダンス傘下のTIKTOK(動画アプリでユーチューブより大
手)の上場が延期となった。一年以上先へ「無言の圧力」で延期された。
アリババ傘下「アント」に次いで、中国証券界の謎である。

 バイトダンス(中国名「字節跳動」)の時価総額は3250億ドルから
4500億ドルの間を乱高下している。上場によって4000億ドルをか
き集める予定だった。

 バイトダンスは2012年に創設された若い会社であり、本社はケイマ
ン島にある。幾多の子会社のうち、米国に本社を登記している企業もあ
り、海外での活動は、中国当局が把握できないばかりか、トランプの
TIKTOK使用禁止に対して、米国の会社が訴訟にもちこみ、
TIKTOK禁止という行政命令は葬られた。

 恒大集団の経営危機が伝わっているが、土壇場の綱渡りが続いている。
これを切っ掛けに中国株式市場は下落、不動産市場は崩落気配だ。
2015年8月15日に上海暴落が起きた。株式大暴落寸前に「株を売る
な」「悪質な空売りは処罰する」として急ブレーキをかけたように、こん
どは「15%以上の値引きをするな」という命令である。

 習近平を支える中間層は、マンションを二軒、三軒とローンを組んで購
入してきた。不動産下落は彼らの投資の構造を根底的に破壊する。となれ
ば習近平への無言の支持は失われる。それどころか、暴動が惹起されるこ
とになるだろう。
 六全中会直前まで、この綱渡りは続くとみられる。
     
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)「ソ連とマルクス主義の誤解」
 プーチンが西側世界にマルクス主義を止めるように忠告したというが、
これは正しい。
 世界では今でもソ連をマルクス主義を実験した政権と誤解している。し
かし崩壊してみると事実は全く違っていた。
 1. マルクス主義とは
 我々が知っておくべきなのは、マルクス主義は共産主義が歴史の原理
(唯物史観)により必然的に到来するという終末論系の信仰で、誰も実現
することはできないということだ。そしてマルクスは共産主義社会を「能
力に応じて働き、欲望に応じてとる社会」としか述べていない。楽園の到
来だ。社会主義は楽園を建設する話だが、本来ユートピア系の別の思想だ。
 2. ソ連の実態
 ではスターリンは何をしたのか。マルクスを神棚に飾り、その無謬の権
威を借りて個人独裁を実行したのである。彼の政策はすべて個人独裁のた
めである。思想運動ではない。 
だから軍事を強化したが、普通の国では大切な経済、農業、文化を意図的
に抑圧した。これらは個人独裁の邪魔になるからである。独ソ戦ではあれ
ほど禁止していたロシア民族主義を引っ張り出した。マルクス主義では戦
争は出来ないからである。
 3.マルクス主義は無用の思想
 ソ連崩壊後思想の最高権威者のA・ヤコブレフは、ハーバード大学の講
演で、ソ連成立後、政権は特別のマルクス主義の研究所を作り、世界中の
左右の資料を集めて調査した。
その結果はマルクス主義は役に立たない思想と判明した。しかし否定も出
来ないので「裸の王様」扱いしていた、と述べた。
 4.共産主義を知る必要
 ソ連は1991年に崩壊し、その暴政の悲劇は広く知られている。最近
でもウクライナで数千の処刑遺体が見つかっているという。世界も日本人
も共産主義は何か本格的に知る必要がある。(落合道夫)
    
at 05:42 | Comment(0) | 番外編

2021年10月28日

◆雀庵の「常在戦場/101「孫文、魯迅、中共の大失敗」

(下)

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/381(2021/10/26/火】小生はこのところ竹中労
著「水滸伝 窮民革命のための序説」を枕頭において時々読んでいるが、
大本の「水滸伝」は未読である。毛沢東は「水滸伝」を座右の書にしてい
たが、彼は「インテリではなく窮民こそが中国革命の原動力になる」と信
じていた。

竹中労によると1926年1月、毛は「中国農民の各階層の分析およびその革
命に対する態度」の論稿でこう書いている。

<ルンペンプロレタリアート(ルンプロ)とは、帝国主義と軍閥地主階級
の搾取と抑圧を受けたり、ないしは水害・干ばつなどの天災にみまわれて
土地を手放した農民と、働く機会を失った手工業労働者を指して言う。

彼らは兵士、匪賊、盗人、乞食、娼妓であり、社会の評価も様々だが、彼
らが人間であり、五感四肢を持っている点では同じだ。

彼らが生計を立てる道は、兵士なら「戦争」、匪賊なら「略奪」、盗人な
ら「窃盗」、乞食なら「物乞い」、娼妓なら「媚び」で、それぞれ異なる
が、メシのタネを得ようとしている点では同じである。彼らは人類の中で
最も生活の不安定な人々である。

彼らは各地で秘密の組織を作る。例えば福建・広東の「三合会」、湖南・
湖北・貴州・四川諸省の「可老会」、安徽・河南・山東などの「大刀
会」、直隷及び東三省の「在理会」、上海の「青幣」のごとくである。こ
れらの会(ホエ)は、彼らの政治・経済闘争のための互助機関となってい
る。

中国のルンプロの人数は驚くなかれ2000万人以上である(修一:当時の人
口4億人の5%)。それらの人々は勇敢に戦うことができるから、指導よろ
しきを得れば“革命勢力”に変えることが可能である。

ルンプロに対しては、彼らが農民協会(=革命派)の側に立ってそれを助
けるよう、革命の大運動に加わるように促すべきで、断じて彼らを敵側へ
走らせ、反革命派に加担させてはならない>

この“水滸伝式窮民革命論”は1851〜1864年の「太平天国の乱」の研究から
「あり得る戦略だ」と既に1921年には張太雷(中共コミンテルン代表)が
指摘していたが、実戦で活用したのは毛沢東が最初だろう。教条主義的な
インテリ共産主義者は「ルンプロはカネ次第で右にも左にも動くから革命
から排除せよ」というのが原則だったから、毛沢東は一時的だが中共中枢
からパージされたのである。

毛の愛読書「水滸伝」は窮民・豪傑が梁山泊に結集するまでの「20回本」
らしく、ついこの間まで中共では読まれていたが、石平氏の「中国はなぜ
何があっても謝れないのか」によると「水滸伝」は今や何と中共の「悪書
追放」のターゲットになっているようである。

<2014年3月12日に閉幕した中国の全国政治協商会議の席上、委員の李海
浜は「維穏」つまり「社会穏定(安定)の維持」という政治的視点から、
古典小説の『水滸伝』を題材にした映画やドラマの放映禁止を提案して波
紋を呼んだ

近年、民衆による暴動や騒動が多発する中、中央政府は口癖のようにこの
「維穏」のスローガンを唱えるようになっている。要は「維穏」とは、政
権に対する民衆の反発や反抗を抑えて社会の安定を保とう、という意味に
他ならない。

李海浜委員の理解も同じである。彼は政権側の立場に立って、下からの反
乱を描いた『水滸伝』を目の敵にしたのだろう。しかし『水滸伝』は明代
の中国で書かれた長編小説で、舞台は千年も以前の北宋時代であり、そん
なたかが小説がこうも恐れられているということは、現在の共産党政権が
「維穏」にどれほど神経質になっているかの証拠である。

現に、10年ほど前から(習近平)政権は「維穏」を最重要な政治任務と位
置づけ、全力を挙げてそれにあたる構えを示してきた。国内の治安権限を
牛耳る政法委員会は、全国津々浦々の町や村のすべてを「維穏」の第一防
衛線と位置づけた。各地に「維穏弁」(安定維持統括事務所)を設置し、
民衆の中の不穏分子を徹底的に監視しているのである>

2、3年ほど前まで中共では官製メディアでもアンチ太子党=反習近平派の
記事が時々見られたが、今は完全に駆逐されたか、面従腹背でバカバカし
いほど習近平を讃えているようだ。いわゆる“ヨイショ”。持ち上げて、持
ち上げ尽くして、やがてドスンと落とすつもりだろう。石平氏によると
2013年7月8日の人民日報ネット版には「維穏」を批判する以下の記事が
あったという。

「各級政府は最大限の時間と労力を『維穏』に投入しているが、その効果
は一過性のものに過ぎない。抑え付けられた人々の不満は結局蓄積してい
くことになるから、維穏に励めば励むほど社会の安定が崩れる危険性はむ
しろ高まってくるだろう」

実際、「社会の安定」はいつ崩れてもおかしくない。李克強首相によると
14億の人口のうち1日2ドル(230円)、1年730ドル(8万4000円)で暮らす
貧しい民は6億もいる。渋谷司アジア太平洋交流学会会長の試算では――

「下層」:無収入とか1日2ドルにも達しない人を加えると9億6393万人、
全人口の68.85%となる。つまり、中国人の3人に2人以上は「下層」に属
する。

「中間層」:月収2000〜3000元(約3万1300円〜4万6950円)で2億0735万
人、全人口の14.81%。

「上層」:月収3000〜2万元で2億2807万人、全人口の16.29%。

「最上層/富裕層」:月収2万元以上は、全体の0.05%で70万人。「紅2代
/紅3代」(日中戦争や国民党との内戦に参加し、建国に貢献した共産党の
元高級幹部の子弟)、あるいは「官2代/官3代」(新中国成立後、貢献し
た元高級官僚の子弟)らが中心とみられる。(以上)

中共の民の6〜7割は「農村戸籍」で、長男夫婦はキャッシュを求めて都会
へ出稼ぎ、ドヤ街に住み、低学歴、どうにか暮らしているが夢も希望もな
いまさしく「ルンプロ、窮民」そっくりのよう。絶望がいつ怒りに転じる
か・・・

習近平・中共はルンプロの爆発を抑えるためには、1)経済を盛んにして
ルンプロの生活向上を最優先で促進する、2)少なくとも上層階級以上の
富を減らしてルンプロに還元する、3)あるいはみんな貧乏で人民服を着
て痩せていた毛沢東時代の“清貧”に戻る――の3択しかないだろう。

しかし、高度成長の時代は終わったから1)は難しい、2)も中共の支持基
盤を敵に回すようだから激しい抵抗に遭う、となれば一番手っ取り早いの
は3)だろう。人は易きに流れる。

福島香織氏の論稿「来たる6中全会で『歴史決議』、懸念される習近平の
歴史観 トウ小平を否定し文化大革命を再評価か?」(JBプレス
2021.10.21)から。

<習近平は「歴史決議」でトウ小平の改革開放路線が過ちであった、と再
評価することはあり得るだろうか。たとえば、トウ小平は中国を豊かにし
たが、腐敗や格差を生んだとして、トウ小平の改革開放路線に修正の必要
あり、と主張するとか。

それもないことはないが、それに党中央の多数が賛同するだろうか? 党
中央幹部のほとんどが改革開放の恩恵を受けてきた。改革開放のおかげ
で、彼らは富裕層、資本家の仲間入りができたのだ。

習近平の経済路線を振り返ると、実際のところ失敗であった部分が多々あ
る。2015年の上海株大暴落事件しかり、「一帯一路」戦略が各国各地で受
けているネガティブな評価や資金ショート問題しかり。「中国製造2025」
は事実上見直しに迫られている。半導体国産率を2025年までに70%にする
など逆立ちしても達成できない。

さらに、今進行中の不動産バブル圧縮政策やインターネットプラット
フォーム企業の独禁法違反取締強化などに代表される民営金業いじめや、
「3060目標」(2030年までにCO2排出ピークアウト、2060年までにカーボ
ンニュートラルを実現)達成に向けた厳しいCO2排出規制を産業界に課す
環境政策などによって、経済成長が鈍化している状況が誰の目にも明らかだ。

これを「共同富裕」の美名のもとにごまかそうとしているが、実際はトウ
小平の改革開放40年の果実をわずか10年で食いつぶそうとしている

トウ小平の改革開放など過去の経済路線について再評価すれば、習近平の
姉夫婦なども含め習近平ファミリーは改革開放の恩恵を受けているのに、
改革開放の成果を台無しにしかねない経済政策の失敗には反省しないの
か、という話になりかねない>

改革開放が大成功したのは「努力すれば豊かになれる」と支那の民の本能
を刺激したからである。習近平は上層階級の富を奪って、それを下層階級
の慰撫に回そう、そうしないと中共独裁体制はもたない、と考えているの
だろう。が、低成長時代に入りつつある今、それを強行すれば、高度成長
をもたらした野心的で有能な人々のヤル気は衰え、大後退を招きかねな
い。1億の中共党員を守るために「改革開放=中共流資本主義」を止めて
昔の国営企業による非効率の経済を目指す・・・最悪手。

その先にあるのは「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋し
き」だろう。白河は習近平、田沼はトウ小平、胡錦涛、江沢民、今と比べ
れば遥かにマシである

14億の人民を結束させるには、毛沢東が建国後の国際的孤立状態から脱す
るためにアピールした「世界の農村(後進国)から都市(先進国)を包囲
せよ」という戦争だと習近平は心得ているはずだ。

しかし、今の中共は「三農問題」に苦しんでいる。生産性の低下=「農業
問題」、農村の疲弊=「農村問題」、農家所得の低迷=「農民問題」だ。
農村人口は3億4000万で、うち農業に従事しているのは2億。農業経営体1
戸当たりの耕地面積は日本の3分の1、純農業の平均月収は952元(1万4300
円)、上海のホワイトカラーの平均月収と比べると10%以下だ。

農村人口のうち1億4000万は都市部への出稼ぎである。経済低迷で出稼ぎ
需要は細っているようで、国に帰っても農地が売却や立ち退きなどでない
ケースもあり、無頼漢、ルンプロ化が進んでいると聞く。中共により習近
平が今さら「農村から都市を包囲せよ」と号令を掛けたところで、「お前
ら共産党が農村を荒らしたのだ!」と反発されるだけだ。

習近平は戦争で台湾制覇をし、勢いがあればさらにアジア制覇へ向かう腹
づもりだろう。自己崩壊寸前の己と中共が生き残るためには戦争で存在感
を示すという、イチかバチかに欠けるしかない。

パールハーバー・・・これは窮鼠猫を噛むバクチ的自衛戦争、習の戦争は
己と党の生き残り、自己都合、自己保身、私利私欲のための身勝手な侵略
戦争。世界の先進国とNATO、QUAD、AUKUSなどの同盟国が猛然と中共に対
峙し、包囲すれば、恐らく中国国内では「敵は中南海にあり! 戦争を内
乱へ転化せよ」と窮民革命が勃発するのではないか。

窮民革命になるように世界は中共経済包囲網で習近平一派を弱体化させ
る、人民の独裁政権駆逐の戦いを支援する、といった運動を強化する必要
がある。

中共はこうした世界的な中共バッシングに相変わらず無意味な反論を繰り
返すだけである。新華社10/19はこう報じた。「汪文斌(ワン・ウェンビ
ン)外務省報道官は『米国は中国が軍拡競争を激化させたと言う。米国は
中国脅威論の誇大宣伝を止め、責任ある態度をとり、大国の正当な役割を
体現し、国際社会とともに、戦力のバランスと安定を維持し、すべての国
の共通の安全保障を実現するべきである』と主張した」。

10/14〜23の日米台豪を威嚇する中露合同軍事演習「海上連合ー2021」の
最中にあって、イケシャアシャアと居直っている。



1911年の辛亥革命で清朝(満洲族の帝国)から中華民国に移行したが、そ
の際に孫文ら革命勢力が理想としたのは支那人国家の明朝(1368〜1644
年)だった。ドイツの支那研究家、R.ウィルヘルムは明朝の揺籃期につい
てこう書いている。

<明朝は当初から絶対王朝の成立には付き物の残虐さと流血で悪名を馳せ
ていた。少しでも疑わしいところがあれば一族郎党が虐殺された。処刑も
しばしば行われ、その数は数万回にも上っている。人々が明朝の旗下に集
まったのは、彼らが憎むべき外国人(元朝の蒙古人支配)を一掃しつつ
あったからである。しかし、絶対王政の圧政が計り知れないほど悪化の一
途を辿っていることは、すぐに分かった>

中共は見事に「第2明朝」になった。スターリンは毛沢東・中共に食指を
向けず距離を置いていたが、関わるとろくなことにならない、と知ってい
たからだろう。スターリンは3000万人を殺したが、自分も殺されるのでは
ないかと脅えていた。恐怖で腰を抜かすこともあった。彼は青少年時代は
ギリシャ正教の神父を目指していたから神や天を畏怖する心が多少はあっ
たのかもしれない。

一方で毛沢東は8000万〜1億人を殺してまったく平然としていたし、気に
も留めなかった。なぜなら彼自身が神だった、神を演じていたからだ。習
近平はそれを一所懸命に真似ている。所詮はただのエピゴーネン、真似っ
乞食。

そう言えば明国は秀吉による朝鮮出兵(文禄・慶長の役、1592〜98年)に
反発して属国・朝鮮を支援した。小生は西欧によるキリスト教拡散=植民
地化への秀吉の反発、警鐘だと朝鮮出兵を肯定的に理解しているが、それ
はさておき、明の国力は軍事費の負担のために衰え、明朝衰退の一因と
なったという。カネが無くなる=人心が離れる=敗戦が重なる、やがて国
家は消滅する。

中共が一日永らえば世界の一日の不幸である。ソ連は冷戦で金庫が空っ
ぽ、瓦解した。中共も西側が固く結束して包囲戦を続ければ自壊するので
はないか。今は燃料不足、電気不足、そのうち食糧不足にドル不足・・・
今冬は震えながら冬季五輪か。習近平が世界制覇の妄想的野望を捨てれ
ば、そこそこ安定した国になるのに・・・雉も鳴かずば撃たれまい、自業
自得、残念な生き物である。




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◆ベーシックインカムは日本を壊したい誰かの妄言

鈴木傾城

「働き損」で貧困層だけの国になると気づけ

かなり精密かつ徹底的な税制改革でベーシックインカムを実現したとして
も、そもそもそれで国は成長し、豊かになり、未来は明るいのだろうか。
ベーシックインカムを実現したら、国富が増えるのだろうか。国民は勤勉
で、意欲溢れるようになっていくのだろうか。私は、そう思わない。
(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)


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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を
取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブ
ラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フ
ルインベスト」を運営している。

ベーシックインカムは日本人のためになるのか
最近、多くの人が「ベーシックインカム」を口にするようになっている。

ベーシックインカムとは、政府がすべての国民に対して「毎月一定額を無
条件に配る」という政策を指す。たとえば、毎月8万円なり10万円なりが
誰の口座にも振り込まれるということだ。

最低限の生活資金が振り込まれたら、国民は知的で有意義な生活ができる
はずだという思想がこのベーシックインカムの中に込められている。

多くの仕事を掛け持ちするワーキングプア層や、低賃金を余儀なくされて
いる非正規雇用者や、ブラック企業で死ぬまで働かされている労働者に
とって、ベーシックインカムはとても魅力的な政策に見える。

日本でもベーシックインカムを説く識者もたくさんいるし、それを望んで
いる人も大勢いる。

しかし、本当にベーシックインカムが日本と日本人のためになるのかと言
われれば、私は疑問を感じている。

フィンランドとカナダは「財源の問題」で断念
財源はどうするのかという問題もある。

フィンランドとカナダは実験的にベーシックインカムを取り入れたのだ
が、早期で継続を断念している。もちろん財源の問題だった。

「いや、日本は大丈夫だ。今は問題ない」と主張する人もいるのだが、こ
れから日本は超高齢化が極度に深刻化し、税収が減り、GDP成長も期待で
きず、人口増大も期待できず、萎縮していくのである。

そんな中で政府が莫大な国債を発行しながら国民に金を配りまくる。普通
に考えて、将来に禍根を残すのは目に見えている。
         


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◆中国株、証券投資をやめない

「宮崎正弘の国際情勢解題」
 
令和三年(2021)10月25日(月曜日)
通巻第7092号  

それでもウォー ル街は、中国株、証券投資をやめない
  GS(ゴールドマンサックス)は中国「高盛高華証券」を100%子
会社化

 米国は貿易、技術、軍事方面で中国と衝突を繰り返しながらも、ビジネ
スはまるで別の顔。ウォール街は中国べったりである。
 証券界の王者、GS(ゴールドマンサックス)は、10月21日に、合 弁
企業だった「高盛高華証券」を100%子会社化とした。中国当局がモ ルガ
ン・スタンレーにつづき、弐番目の100%現地法人を認めたことに なる。

 中国は外国企業の進出に対して、これまでは49%の合弁しか認めて来
なかったが、米国との通商軋轢に深化にともない、証券など分野に限って
100%現地邦人を認める方針に切り替えていた。

 また世界最大のファンド「ブラック・ロック」も、従来方針通りに中国
投資を「制限の範囲内で筒一杯、中国株、証券投資を継続する」としている。
 ブラック・ロックは、世界で7・4兆ドルを運用し、支店は世界各地
24ヶ国。日本の現地邦人だけでも350人のスタッフを抱える。

 禿鷹ファンドといわれたブラックストーン系で、REIT商品などで業
績を伸ばしてきた。筆頭株主はメリルリンチ、バークレー銀行など。

 恒大集団のドル建て社債を組み込んだ金融商品を取引しているのも、こ
れら米系のファンド筋や証券である。
恒大集団が10月22日償還日のきたドル建て社債の金利を支払ったと報 じ
られたが、金利のドル送金先はウォール街のシティバンクだった。

 それにしても、政治、外交面でバイデン政権は中国に強硬姿勢を崩して
いないが、筆者には次なる言葉が空しく聞こえるのだ。

 バイデン政権で駐日大使に指名されたエマニュエル(前シカゴ市長)は
10月20日に、上院の指名承認公聴会に臨んだ。
席上、エマニュエルは「同盟国と共通の利益を推進し、同盟関係を深め、
共通の課題に立ち向かう」とし、日米同盟に言及した。

「日米間のパートナーシップは60年以上に及び、自由でひらかれたイン
ド太平洋の平和と繁栄の礎である。最も親密な同盟である日本との絆を深
めることは重要であり、一方、中国は分断を策しており、インド太平洋に
おける米国外交が岐路に立たされている。日本は大きな役割と担うととも
に大きな脅威に晒されている。重要なことは日米と韓国の同盟強化であ
る」として、日本と韓国のささくれだった関係への憂慮も述べた。

 同日、中国大使に指名されたニコラス・バーンズも証言して、「中国の
台湾に対する軍事的恐喝は不当であり、同時にウイグル、チベットにおけ
る人権侵害にも触れた。
「中国とは競争を管理して、偶発的な紛争のリスクを軽減し、中国政府と
は効果的な
意思疎通のチャンネルを求める。しかし米国は信頼できるパートナーがい
るが中国にはいない」と指摘した。

 バーンズは外交官キャリア組で国務次官の経験があり、国際情勢を広範
に把握している強みから香港問題にも言及し「中国に返還された香港を
50年自治を維持するとしたが、中国は約束をことごとく反古にしてき
た」と批判した。

 指名を得るために用意したペーパーを読み上げただけで、本心は別のと
ころにあるのだろう。うつろな響きが脳裏をかすめたのだった。
    
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)トランプ氏が独自SNSを立ち上げました。
「新会社のトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ
(TMTG)は来月にソーシャルメディア「TRUTH Social」
のベータ版の試験運用を始め、2022年第1・四半期から一般の利用を 開始
する計画を明らかにした。」
https://jp.reuters.com/article/usa-trump-socialmedia-spac-idJPKBN2HC026
 トランプ氏をバンした、フェイスブック、ツイッターの株価は下落です。
Facebook チャート:https://www.tradingview.com/x/i9qb5kEA/
Twitter チャート:https://www.tradingview.com/x/UyAaFKEc/
 大手メディアが1984的に国民を支配するなか、トランプ派が息を吹き返
すきっかけ、さらには日本にも影響を与えればと思います。トランプ氏は
アメリカ人に寄付を募っていましたが、反撃返しですね。
 デジタルワールドトランジションのチャート。
https://www.tradingview.com/x/CNdEm8bW/
来年前半には新SNSスタートだそうです。
https://www.fool.com/investing/2021/10/21/why-digital-world-acquisition-stock-skyrocketed-35/
  (R生、逗子)

  ♪
(読者の声2)歴史学者のニアール・ファーガソンンが、2024年トラ
ンプが戻ってくると予測しています。ファーガソンは左翼的な論調で知ら
れますが、つまり左派も警戒しているということでしょうね。
   (DJ生、熊谷市)


(宮崎正弘のコメント)ファーガソンのみならず多くの人が、トランプ再
選を待ち望んでいます。現時点では50%の可能性があるということでしょ
う。なにしろバイデンがあまりにも酷いですから。

  ♪
(読者の声3)近年急速に政治問題化されているいわゆるLGBTです
が、ロシアのプーチン大統領が今起きていることは1917年の革命中にロシ
アで起こったことと何ら変わりはないと発言している。英語サイトですが
WEB翻訳でも十分理解できる。
https://www.dailywire.com/news/putin-warns-wokeness-is-destroying-the-west-it-happened-in-russia-its-evil-it-destroys-values

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は11日の演説で、極左思想が西
欧諸国の社会問題を引き起こしているとし、「1917年の革命時にロシアで
起きたことと変わらない」と非難しました。
プーチン大統領は、ソチで開催されたヴァルダイ国際討論クラブの第18回
年次総会で、「21世紀のグローバルシェイクアップ」というテーマで発言
しました。プーチンの発言は通訳によって翻訳され、その映像はロシア政
府のウェブサイトにアップロードされた。
プーチンは、欧米諸国にはやりたいことをやる権利があるが、「ロシア社
会の圧倒的多数」はこうした新しい考え方を拒否していると述べた。
「いわゆる社会的進歩の準備は、人類に新しい良心、新しい意識、より正
しいものをもたらすと信じている」とプーチンは語った。
「しかし、一つだけ言っておきたいことがある。彼らが考え出すレシピは
何も新しいものではない。逆説的に思われるかもしれませんが、これはロ
シアで見られたことなのです。1917年の革命の後、ボリシェヴィキはマル
クスとエンゲルスの教義に従った。彼らはまた、伝統的なライフスタイ
ル、政治的、経済的なライフスタイル、さらには道徳の概念、健全な社会
のための基本的な原則を変えることを宣言しました。彼らは、時代や世紀
を超えた価値観を破壊しようとしていました。
「ちなみに、ボリシェヴィキは、自分たちの意見とは異なる他の意見には
絶対的に不寛容だった」とプーチンは続けた。
「このことは、何かが起こっていることを思い出させると思います。西洋
諸国で何が起こっているかを見ると、ロシアがかつて持っていて、遠い道
のりに置き去りにしてきた慣習を目の当たりにして困惑します。平等と差
別に対する戦いが、不条理の瀬戸際にある攻撃的な教条主義に変わり、
シェークスピアのような過去の偉大な作家が、性別や人種の重要性を理解
していない後進的な古典として発表されたために、学校や大学で教えられ
なくなっています」。
「ハリウッドでは、映画館で、映画の中で何をすべきか、何人の人格や俳
優がいて、どんな色をしていて、どんな性を持っているかを思い出させる
ビラがあり、時にはソ連共産党中央委員会のプロパガンダ局が行ったこと
よりもさらに厳しく、厳格なものになっています」と述べた。
そして「高い目標である人種差別との戦いは、新しい文化、キャンセル文
化、そして逆差別、裏の人種差別へと変わっていきます。真の市民の権利
のための闘士たちは、そのような違いをなくそうとしていたのに。私には
夢があります。私の4人の小さな子供たちが、いつの日か、肌の色で判断
されるのではなく、その人の人格の中身で判断される国に住むことです」。
それこそが真の価値である。
「ご存知の通り、ボルシェビキは財産だけでなく、女性も国有化しようと
話していました」
プーチンは続けます。
「新しいアプローチの提案者は、男と女の概念をすべて排除しようとする
ほどで、男と女が存在し、これは生物学的な事実であるとあえて言う人
は、すべて追放されてしまうのです。親1号、親2号、あるいは産んだ親、
あるいは母乳の代わりに人間の乳と言う。そして、そのすべてを言うのだ
から、自分の性的意図がはっきりしない人も不幸にはならない」
「そして、これは新しいことではなく、20年代、1920年代には、ソビエト
のクチュールタゴールがいわゆる「ニュースピーク」を考え出し、それに
よって新しい意識を築き、新しい価値観を打ち出していると考えていまし
たが、それが行き過ぎて、今に至るまでその結果を感じています」と、こ
の問題について結論付けました。
幼い頃から「男の子は簡単に女の子になれる」と教え、その選択を子供た
ちに強要することは、非常に恐ろしいことです。親を押しのけて、子供に
人生を狂わせるような決断をさせるのです。これは、人類に対する犯罪に
近いものであり、進歩の旗の下に行われているが、一部の人々はそれを望
んでいる。

 ロシア革命では婚姻の自由化が行われ、女性の国有化まで検討された。
実際には離婚の増大と父親不明な子供の激増、社会を維持することも困
難、結局は旧来の婚姻が復活するのですが、ソ連を真似た中国共産党支配
下の婚姻制度についての新聞記事がある。

 神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 思想問題(8-073) 台湾日日新
報(新聞) 1934.10.9 (昭和9) 【紅軍に重要役割の共産区の婦女子 妻
のため生きて帰れぬ戦場へ 中華共産区の婚姻制度】
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=10071567&TYPE=IMAGE_FILE&POS=1&LANG=JA

 男子二十歳、女子十八歳以上、婚姻は登記所において登記、婚姻書を領
収することを正式となす、聘金(結納金)・持参金を全廃し人身売買を厳
禁、など当時の中国としては画期的な内容。ところが女尊男卑の共産区で
は性の乱れどころではない。
「共産区は女尊男卑であるだけに風紀は異常に乱れて居る『由老公』『由
老婆』と言う言葉があるが之は『自由にされた夫』『自由にされた妻』と
言う意味で、他人の妻を自由にする事が容易である代りに自分の妻も容易
に他人に自由にされる『我的老婆和姉妹都給人家由去了』と言う者が沢山
いる、即ち自分の妻と姉妹は皆他人に自由にされ、連れて行かれたと言う
のである」
1976年の唐山地震を経験した女性の手記には博打で持ち金がなくなると妻
を担保にしたとあるので農村部では当たり前だったのかも。
 文革では横暴な地主を打倒する紅色娘子軍という劇がありましたが、共
産区では紅色ならぬ好色娘子軍が大活躍

「女子は紅軍にとっては重大な役割を演じて居る、紅軍は至る処に『紅軍
に入らざる男子に嫁せず』『紅軍に入らぬ夫を持つは恥である』等の宣伝
ビラを貼って居るので女子は泣く泣く愛しき夫を戦場に送り、男子は美し
き妻の為に生きて帰れぬ戦いに出るのである、某慰安隊隊長某女史は演説
して曰く
 某独立営の兵士を募集して居た当時、我が慰安隊は独立営に至って数夜
も続いて勇敢なる兵士に順番に添え寝したので数日を出でずして十万近く
の大兵が集まったのではないか、之実に我が慰安隊の光栄であり女性の光
栄でもある、と言って聴衆を感心さした由である」
 国民党軍でも女優・歌手・看護婦などによる慰安隊は将校の愛人兼用、
下級兵士は村人を襲ったりするのは当時の小説にでてきます。
 今に至るも結婚難の中国男子、土地バブルがはじけて結婚に必須のマン
ションは夢と消える。はてさてどうなることやら。(PB生、千葉)

  ♪
(読者の声4)衆議院選挙の投票日まであと一週間。ネットを見る限り自
民党の獲得議席数は厳し目も予想が多いようですが安倍晋三、高市早苗、
菅義偉といった大物の応援演説はかなりの賑わい。
とくに高市氏の応援演説は力が入っていた。自民党の衆院選特設サイトに
は直近の応援日程が載っており、25日には松戸・柏に高市氏が応援に来る
ので聴きに行くつもり。
https://special.jimin.jp/speech/
 安倍元総理は19日に YouTubeに「あべ晋三チャンネル」を開設。初日で
登録10万人、24日で23万人の人気ぶり。
https://www.youtube.com/channel/UCvTUlYhJ6p_O0SpvNSyEgKQ

 一方、立憲民主党はチャンネル登録から4年たっても登録は2万人と安倍
氏の十分の一以下。10年前の「悪夢の民主党」と同じ顔ぶれでは期待でき
るはずもない。麻生太郎に「立憲共産党」と指摘されるや演説会で共産党
の志位委員長とのツーショットから逃げ出し、テレビの討論番組では日米
同盟を基軸とする外交は自民党と変わらない、とブレブレの枝野党首。
トヨタ労組は立憲支持を取り止めトヨタ出身議員も出馬できなかった。
 連合新会長の芳野友子氏は「共産の閣外協力あり得ない」と立憲に不快
感を示し、岸田総理肝いりの「新しい資本主義実現会議」のメンバーにも
選ばれている。
連合千葉の新会長は電力総連出身でこれまた立憲に不利な情勢。自民党の
議席減は当初いわれていたほどではないかもしれません (PB生、千葉)

2021年10月27日

◆バイデンの対中政策に異変あり

櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第971回

米国の対中政策が変化している。「中国とは強い立場」から交渉すると
言ってきたバイデン米大統領が、必ずしもその強さを維持できていない。
日本にとっては切実な問題である。岸田新政権はこの米中関係の変化を見
てとり、全ての面で日本の地力を強める手立てを急がなければならない。

振り返れば、ブリンケン国務長官は上院での指名承認公聴会で、中国によ
るウイグル人の扱いを「ジェノサイド」と認めた。その厳しい対中姿勢は
3月18日、アラスカにおける米中会談での楊潔篪国務委員との烈しいやり
とりにつながった。

ブリンケン氏の中国に対する姿勢の厳しさは、バイデン氏の対中姿勢と一
致しているはずだ。現にアラスカ会談のひと月前、2月10日に行われた米
中首脳電話会談でも、バイデン氏の強気は明らかだった。

米中首脳の初の電話会談は2時間も続いた。双方が発表した情報から、習
近平氏が「両国関係の改善」を熱望し、米中協力の必要性を訴えることに
時間を割いたことが見てとれる。

習氏が特に強調したのが米中対話の枠組み再構築だった。バイデン政権が
人権問題などで強く出てくることは織り込み済みだ。中国は状況が不利な
時は時間稼ぎをする。それがハイレベル対話の再開であろう。意思疎通の
機会を増やすことで、リスクを管理しやすい状況を作る思惑があったと考
えるべきだ。

一方、バイデン氏は、習氏の求める「対話」や「協力」とは距離を置く姿
勢をとり、中国が中国封じ込めの枠組みと見て強く反発している「自由で
開かれたインド太平洋」戦略の維持が政権の優先事項だと明言した。香
港、台湾に対する中国の圧政に関しても、米国の「根本的な懸念」を伝え
ている。

中国側は米中関係について、「協力」や「対話」という言葉を両首脳の発
言として強調したが、米側は「関与」というより控え目な表現にとどまっ
ており、中国の方が米中関係の維持に前のめりだった。

こうした中、4月14日、バイデン氏が重要演説をした。9月までにアフガニ
スタンから撤退、軍事力を中東からアジアに移し、中国の脅威に対処する
方針を明確に語った。そのために、日本を含む同盟諸国の協力拡大を求めた。

2日後の16日に、バイデン氏は就任以来初めての対面首脳会談にわが国の
菅義偉首相(当時)を招いた。米国の要請に応える形で菅氏は、自衛隊を
強化し、日米同盟をさらなる高みに引き上げ、日米間の協力で抑止力を強
化すると語った。国土、文化など主権に関わることについては絶対に譲歩
しないとも語った。これらすべては中国を念頭にした発言で、日本政府は
ルビコン河を渡ったと評価されたゆえんである。

だが、バイデン氏のアフガン撤退作戦はこれ以上ない程、拙劣だった。7
月2日、アフガン全土を監視できるバグラム空軍基地を捨てて、米軍は文
字どおり夜陰にまぎれて撤退した。タリバンは勢いづき、一気に全土制圧
に向かった。

負の効果

丁度この頃、米国務副長官のシャーマン氏が中国の天津を訪れ、王毅国務
委員兼外相と会談した。王毅氏は高圧的とも言える対応に終始し、中国側
はファーウェイ副会長、孟晩舟氏の釈放を含む対米要求事項の数々を長い
リストにして渡した。

米軍のアフガン敗走は、明らかに米国の威信を傷つけ、その負の効果は中
国による米国への侮りとなって外交交渉に影を落としている。9月1日、
ジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)が天津を訪れた。相手は
ベテランの解振華氏である。ケリー氏はCO2を削減しなければ地球が滅
びるとでも考えているような人物だ。米中関係には多くの懸案事項がある
が、それらに関わりなく、「世界2大CO2排出国は純粋に協力しなければ
ならないと、中国に懇願した」(9月2日、ウォール・ストリート・ジャー
ナル紙)。

CO2のことなどほとんど気にしていないのが中国の本音であろう。彼ら
にとってケリー氏のような環境問題が全てだと思い込んでいる人物はカモ
である。CO2削減に協力するか否かで条件闘争ができるからだ。予想ど
おり、中国側は気候変動問題のみを特別扱いにはできない、中米関係全体
の中で考える、と冷たく言い放った。このとき中国側は米国に提出済みの
「二つのリスト」に回答せよと求めたという。

二つのリストとは、1米国が必ずやめなければならない誤った言行のリス
ト、2中国が重大な関心を持つ重点個別案件のリストである。

前者は、中国共産党員およびその家族のビザ制限、中国の指導者・政府高
官・政府部門への制裁、中国人留学生へのビザ制限、中国企業や孔子学院
への圧力などについてだ。先述の孟晩舟氏の引き渡し要求も入っている。
後者は、中国人留学生の訪米ビザ申請の拒絶などを解除すること等だ。

「貿易戦争で米国に勝利した」

国際社会で米国への信頼が揺らぐ中、9月9日、バイデン氏は習近平氏と2
度目の電話会談に臨んだ。中国側は「米国側の求めに応じて」会談したと
報じた。会談に応じてやったと言わんばかりだ。

WSJ紙によると、約90分の会談で、習氏はもっぱら米国批判に終始した
が、2大国は共に働けるとの楽観的見通しも示した。同紙はバイデン氏は
特別の目的を定めて会談に臨んだわけではないが、中国からの輸入品に対
する懲罰的関税の削除を交渉してほしいと、米国経済界が圧力をかけてい
ると報じた。バイデン氏の国内政治における立場は苦しく、氏は中国が要
求した二つのリストを丸呑みしたと、批判されている。

現に、孟晩舟氏は9月24日に解放された。ファーウェイは中国政府とは無
縁の民間企業だという主張だったが、孟氏は中国共産党のシンボルカラー
である真っ赤なドレスで深圳の空港に舞い降りた。テレビ局は帰国の模様
を生中継し、人民日報は「中国は貿易戦争で米国に勝利した」と狂喜の社
説を掲げた。

バイデン政権発足10か月目にして、米中関係は変わりつつある。10月4
日、米通商代表部のキャサリン・タイ代表が「米中貿易関係の新戦略」に
触れ、翌5日にはシンクタンクでの講演でこう語っている。

「米中の経済切り離し(ディカップリング)は非現実的だ。より建設的な
リカップリングが必要だ」

8日、タイ氏は劉鶴副首相とリモートで話し、両者は、米中貿易はより強
化されるべきだと合意した。年内に米中首脳会談がリモートで行われるこ
とも発表された。

米中の動きを時系列で辿れば、バイデン政権が徐々に後退しているのが明
らかだ。中国の無法やジェノサイドは許さない、という米国の気概が失わ
れつつある。日本よ、岸田首相よ、しっかりしなければ国を守れないぞ。

     


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◆米は中国の攻撃から台湾を守る
北野幸伯


バイデンが歴史的発言の衝撃度

先日掲載の「追い詰められた習近平。米英豪のAUKUS設立で世界に広がる
中国包囲網」等の記事でもお伝えしているとおり、各国の中国に対する姿
勢が厳しさを増している中にあって、バイデン大統領の住民対話集会での
「台湾防衛宣言」とも言うべき発言が大きな注目を集めています。今回の
無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナ
リストの北野幸伯さんが、その発言の「歴史的意義」を解説。さらに現役
米国大統領がたった一言で世界をより平和にし、「バランスオブパワー」
を回復させたと絶賛しています。


バイデンの【歴史的】発言、「アメリカは中国の攻撃から台湾を守る!」
の効果は?
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロは、歴史の転換点でした。このこ
とは、みんな知っています。

しかし、世界には、「あまり知られていない転換点」もあります。たとえ
ば、2003年3月20日。イラク戦争がはじまった日です。アメリカは、「フ
セインは大量破壊兵器を保有している」「アルカイダを支援している」と
いうウソの理由でイラク戦争をはじめた。国連安保理の承認を得ず。私は
当時、「これがアメリカ没落の原因になる」と書きましたが、実際そうな
りました。


表歴史では、06年の「米不動産バブル崩壊」、07年の「サブプライム問題
顕在化」、08年の「リーマンショック」で「100年に1度の大不況」がはじ
まり、「アメリカは没落した」ことになっています。

しかし、裏歴史では、ドイツ、フランス、ロシア、中国を中心とする「多
極主義陣営」と呼ばれる勢力が、ドル基軸通貨体制を攻撃することで、ア
メリカを没落させたのです「多極主義陣営」はイラク戦争に反対していま
した。


2012年11月14日、中国がロシアと韓国に「反日統一共同戦線」創設をよび
かける
2015年3月「AIIB事件」
イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、オーストラリア、イス
ラエル、韓国などいわゆる親米諸国がアメリカを裏切り、中国主導AIIBへ
の参加を決める。アメリカはこれで、中国を「最大の脅威」と認識2018年
10月4日、ペンス演説から「米中覇権戦争」がはじまる

などなど、普通の人たちがあまり「歴史的」と自覚していない「歴史的で
きごと」もあります。そんな「歴史的できごと」が、また起こりました。
なんでしょうか? 
台湾有事の際、アメリカは、中国から台湾を守る宣言
バイデン大統領が、「台湾が中国に攻撃されたら、アメリカは台湾を防衛
する」と宣言したのです。ブルームバーグ、10月22日を見てみましょう。


バイデン米大統領は21日、米国には台湾を守るコミットメントがあり、台
湾が中国から攻撃を受けた場合には米国は防衛に向かうと表明した。

もう少し詳しく。

バイデン大統領はCNNがメリーランド州ボルティモアで開いたタウンホー
ル集会で、「中国は米国が世界最強の軍を有することを知っている」と述
べ、懸念するのは中国が深刻な間違いを犯しかねない活動に従事している
ことだと付け加えた。


中国が台湾を攻撃しようとした場合、台湾防衛に向かうのかと強く問われ
た大統領は、「イエスだ。われわれにはそうするコミットメントがある」
と明言した。

私はこの発言を【歴史的だ】と考えています。なぜでしょうか?アメリカ
はこれまで「台湾有事の際、アメリカが中国から台湾を守る」と宣言した
ことがなかったからです

アメリカは1970年代、ソ連に対抗するため、中国と事実上の同盟関係にな
る選択をしました。1979年、アメリカは台湾と断交し、中国と国交を正常
化させた。アメリカは以後、中国が台湾に侵攻した際どう動くのか、はっ
きりした態度を示さなかったのです。もし「守る」といえば、米中関係は
悪化し「対ソ連同盟」が機能しなくなるでしょう


1991年末、ソ連は崩壊しました。だから、米中関係は「対ソ連同盟」では
なくなった。しかし、1993年から米中関係は、「金儲け同盟」に転化。ア
メリカを牛耳る「国際金融資本」は、世界一の人口を持ち、なおかつ極貧
の中国を育てることで、「大儲けできる」と考えた。そして、実際彼らは
大儲けしたのです。

では、70年代末から現在に至るまで、なぜ「台湾を守らない」と断言しな
かったのでしょうか?そうなると、中国は安心して台湾に侵攻し、武力に
よって強制併合を成し遂げるでしょう。アメリカは、地政学的に重要な位
置にある「民主主義国家」台湾を、完全に捨てることもできなかったので
す。それで「あいまい戦略」でこれまで来た。

ところがバイデンは、この「あいまい戦略」を捨て去り、台湾有事の際、
「アメリカは中国から台湾を守る」と宣言した。だから【歴史的】です。

この宣言の効果は?
バイデン歴史的宣言の効果は、どうでしょうか?

台湾にとって、非常に大きな抑止力になることは間違いありません。中国
は、1970年代に入ってから尖閣の領有権を主張しはじめました。そして、
2010年から「尖閣は固有の領土で核心的利益だ」と宣言しています。しか
し、11年経っても、尖閣に侵攻していません。なぜでしょうか?唯一の理
由は、「米軍が怖いから」です。

バイデン政権の高官は、しばしば「尖閣は日米安保の適用範囲だ」といい
ます。この言葉が、「抑止力」になっている。習近平は、「尖閣に侵攻し
ようかな」と考えます。「海上保安庁、海上自衛隊はなんとかなりそう
だ」と考える。しかし、唯一の懸念材料は、米軍の動向です。米軍が出て
きたら負ける可能性が高い。そこで彼は、側近に問います。「尖閣に侵攻
したら、米軍は動くかな?」側近は、「バイデンもブリンケンもオース
ティンもサリバンも、『尖閣は日米安保の適用範囲」と明言しています。
動く可能性が高いでしょう」と答えるでしょうそれで習近平は、「では、
やめておこう」となる。

今回、バイデンは、「台湾を中国から守る」と宣言した。この歴史的宣言
によって、習近平は、台湾に侵攻する決断を下すのが難しくなるでしょう。



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◆バイデン、対中輸出規制を大幅に緩和

令和三年(2021)10月23日(土曜日)弐
通巻第7091号  

バイデン、対中輸出規制を大幅に緩和
  またも中国へハイテク輸出を連続して許可

 米国のメーカーが中国の輸出に際して、商務省がブラックリストに掲載
した相手先には逐一の許可が必要だった。
 トランプ前政権が中国を締め上げるための政治的な措置だったが、バイ
デン政権になって、この許可件数は鰻登りとなり、法は大きなザルのよう
な「抜け穴」だったことが判明した。

 米国の半導体企業などに米商務省はファーウェイ向け輸出案件で申請の
あった113件の輸出許可を与え、610億ドルのビジネスを展開してい
た。(2020年11月〜2021年4月速報)。
 SMIC向けには188件、420億ドル(同)。

 しかもファーウェイは米国グーグルと組んで、海外でHONOR50シ
リーズの生産を海外で行うと発表している。

 9月24日にファーウェイの副社長兼CFOの孟晩舟がカナダから釈放
となり、深センに凱旋帰国した。バイデンはトランプ政権の「引き渡し」
を忘れたかのように、「これはカナダの司法の独立である」として一切の
追加措置を講じなかった。背景に米国実業界の親中派の商行為があったこ
とになる。

 実際には米国司法省が、カナダの頭越しに中国との司法取引に応じ、ま
たカナダは中国で人質となっていたカナダ国籍の二人の釈放との交換とい
う条件に応じた。つまり中国の人質外交が成功したことになる。
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜書評 しょひょ
う BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  サイバー戦
争の究極の目標は相手の脳幹の造り替えだ
  ロシアと中国のサイバー工作の実態と、その効果ならびに未来 

  ♪
佐々木孝博『近未来戦の核心 サイバー戦』(育鵬社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 著者の佐々木氏は元ロシア駐在武官、海将補。サイバー戦争の専門家で
ある。
 ロシアにはハッカー攻撃部隊が幾つかあるが、その「証跡(攻撃に遣わ
れたIPアドレスなどの帰属、プログラムに遣われた言語、攻撃の行われ
た時刻帯、過去の同種の攻撃行動との比較など)から分析すると、
GRU、FSB、SVRと関係が深いとみられる組織が対外的な任務を
担っている」(135p)
 代表例が五つ。
 IRA(インターネットリサーチエージェンシー)
 APT28(ファンシー・ベア)
 APT29(COZY・ベア)
 ベノモウス・ベア
 ブードオ・ベア
 なかでもIRAは常時3〜400名の24時間態勢。「偽のアカウント
を取得するため、実在の米国市民の社会保障番号などを用いてなりすまし
を行い,PAYPALに口座をひらき、フェイスブックに政治広告を掲載
していた」。
2016年の主戦場は、ヒラリー攻撃だった。
 APT8と29はファイブアイズの命名分類であり、ほかの二つの組織
も、宇宙航空、科学技術など極めて特殊な知識をもちエネルギーなど重要
なインフラを狙う。
 しかもロシアは中国の「超限戦」を深く研究しているという。
 トランプの「ロシアゲート事件」なるものは民主党がでっち上げた「事
件」だ。実際にはロシアが「ボランティア」のハッカー部隊を組織 し
て、ヒラリー陣営に不利となるフェイクニュースを流していた。
 ロシアの情報機関はヒラリーの落選を企図していたらしい。そうした活
動をトランプ陣営は知らなかった。ただしロシアの代理人が複数回、トラ
ンプ陣営の幹部に接触していた事実はある。
いずれにしても、あれほど力瘤を入れたロシアゲート捜査だったが、何ひ
とつ証拠が挙がらず、トランプ弾劾は成立しなかった。其れはそうだろ
う、民主党と左翼メディアが仕組んだでっち上げだったのだから。
以前にも書いたが、ロシア政治の暗黒部分を仕切る「戦争請負業」(ロシ
ア版ブラックウォーター)の最高幹部はプーチンのお友達、ロシアが展開
するハイブリッド戦争とは、中国の展開する「超限戦」である。
 プーチンがハイブリッド戦争を世界戦略の基軸においた動機は、ロシア
の軍事的劣勢を認識したからである。
ロシアはたしかに核大国だが、アメリカの核戦力と比較すれば、嘗ての優
位は崩れた。あまつさえ宇宙空間では中国が優位に立った。
「火種がなければ火をおこせない」状況に陥ったロシアは諸外国の政治に
経済支援や軍事援助などの露骨な介入ができず、影響力の行使もままなら
ず、しかし選挙や政府への抗議行動がおきた国では、ハイブリッド戦争を
仕掛けてロシア の対外能力を発揮する。
ロシアに戦争請負会社は20社近くあり、アフリカ各地へ数百名単位で派
遣されている。あの絶体絶命に追い込まれたベネズエラのマドロゥ体制
が、その後も独裁を維持できているのはロシアの支援である。
 げんにウクライナで米国が仕掛けた民主化の東進を防いだ。
 シリア内戦ではアサド体制維持で勝利した。ジョージアの対露戦争で
勝った。ドイツやチェコにもサイバー攻撃を仕掛けて、かなりの成果をあ
げた。なにしろNATOの結束に亀裂を入れ、マクロン仏大統領は欧州軍
の設立を言い出すまでに欧米関係が信頼を損ねる状況を造りだしたから。
 本書も参考文献にあげている廣瀬陽子『ハ イブリッド戦争 ──ロシア
の新しい国家戦略』(講談社現代新書)は、ハイブリッド戦争を定義して
こう言う。
「政治的目的を達成するために軍事敵脅迫とそれ以外のさまざまな手段、
つまり、正規戦、非正規戦が組み合わされた戦争 の手法である。いわゆ
る軍事的な先頭に加え、政治、経済、外交、プロパガンダを含む情報、心
理戦などのツールの他、テロ や犯罪行為なども公式、非公式に組み合わ
されて展開される。ハイブリッド戦争は、2013年11月の抗議行動に
端を発するウクライナ危機でロシアが行使したものとして注目されるよう
になった」
ロシアの新思考が軍事戦略に適用された。
 「新しい戦争の形態や方法を再考すべきであり、21世紀の戦争ルール
は大幅に変更される。とりわけ非軍事敵手段は、特定の場合には軍事力行
使と比較してはるかに有効であること」(ゲラシモフ・ドクトリン)。
 ロシアと中国はお互いがサイバー攻撃を仕掛けないと約束したのも、西
側へのサイバー攻撃と謀略に忙しく、「仲間同士」で、エネルギー をす
り減らすようなことはやめようというわけである。
ただし筆者はロジャーズ前サイバー軍司令官と対談した際にこう言われた
という。
「中国の影響工作の目標・ツールは、ロシアと異なる。中国は自国の評
価、プレゼンス、立ち位置を高めようとしている。一方、ロシアは自国の
ことはさておき、相手国の国力を貶めるため、相手国の社会情勢の不安定
化、分断、民主主義の信頼度の崩壊選挙の民主プロセスの崩壊などを企図
している。また政治指導者の意思決定をロシアにとって有利な状況に導く
という『認知領域』での戦いをおこなっている」(210p)
 とどのつまり、ロシア、中国が狙うのは認知領域における戦争である。
 偽情報を大量に流し、陽動などの情報をリークし、情報を操作して世論
を動かす。
 すなわち「影響工作の主眼は、これらの手法を使って人間の脳内をコン
トロールすることである」(185p)。
 もっとも深刻な、ほとんど無防備なのが日本である。
世界で一番サイバー攻撃に脆弱な国、なにしろ国民に国防意識が希薄なう
え、国防予算は微々たる額、自主防衛が不可能な、 主権を半ば放棄した
かたちの日本が、サイバー攻撃を防衛するにはどうすればよいのか。
        
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)仮想・暗号通貨、その5 ビットコインの政治性
 もう遥かな昔、2019年7月に当時(実は今も)米国大統領・トランプ氏
がシェルトン氏(Judy Shelton)を連邦銀行FRSの理事に推薦した。この
人選は極めて異例で重要だったが、米国でも日本でもほとんど無視された。
氏は近年稀に見る「金本位制通貨」の積極的な支持者。更に昔、1999年ご
ろ、シリコン・ヴァレー、I T起業家には珍しい虎さん支持者であるピー
ター・ティール氏(Peter Thiel)が既に、仮想・暗号通貨などの開発状
況、その利点、なぜ必要か、という演説をしている。
  米国の政治政党は主に2つ、3番目はリベテリアン党
(Libertarian)。社会主義という語は、悪い印象があるので、彼らは勝
手に自分達を「リベラル」だと言い始め、それが受け入れられてしまった
ので、リべテリアンは名前を盗まれて迷惑している。
しかし本来は、かつては、ほとんどの米国人の価値観を代表していた。つ
まり「個人の自由を保障し、それを阻害する政府は最小限に抑える」=共
産主義の真逆。   
 ロシアから逃れてきた思想小説家故アイン・ランド氏(Ayn Rand)が
1943年に書かれた「ファウンテン・ヘッド」はいまだに聖書に次ぐベス
ト・セラーだという。
更に余談、上院議員ランド・ポール氏の父ロン・ポール氏は息子の名前を
尊敬するランド氏に因んでつけた。両者とも医師、であり全く主義主張の
ぶれない稀有の政治家。武漢菌問題でも、政府に迎合することなく、論理
的医学的立場から強く政府に反論している。彼らは妥協して共和党と組ん
でいるが、本来は、そのうちに、リベテリアン党に属す。
 最小限の政府がすべき事として、正しい通貨の発行、運営。遺憾ながら
ほぼ全ての政治家はドコモ、利己的、短期的な思考を持ち、常に躊躇なく
通貨を乱発し、財政を危うくしインフレで国民の富を破壊する。それを防
いでいたのが歴史的に有効だとされている「金本位制に元ずく通貨」で
あった。
そんな背景があって、フィアット(Fiat、無から有)の通貨ではなく、有
(金など又は、裏ずけの資産など)に元ずく、種々の暗号通貨も発行され
ている。
 国家、政府の権力は、かつては主に武力、戦争能力に因ったが、富がな
くては賄えない。故に、経済力、金が最大の必要条件になる。「富国強
兵」とは今も昔も簡潔に正しい。
故に、ビットコインの挑戦とは、世界の全ての国家からその権力を奪う、
根源的な氾濫・百姓一揆であり、極めて政治的な大きな意義を持つ。2019
年、武漢菌が始めた「世界同時独裁政治化」が始めて世界の人民に、真の
政府の凶暴な「裸の王様」姿を見せた。
これが起爆となって、世界の人民の自由が回復されるのならば、武漢菌人
体実験で亡くなられた方々も、英霊として大義を得られる。
失敗すれば、世界が暗い悍ましい北朝鮮になる。
(在米のKM生) 

2021年10月26日

◆雀庵の「常在戦場

100「孫文、魯迅、中共の大失敗」    (上)

            “シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/380(2021/10/24/日】孫文(孫中山)は「大清
帝国を亡ぼし中華民国を起こした偉人」と小生は少年の頃から思っていた。

中2の1964年、東京五輪の頃に世界史の授業で学んだのかもしれない。五
輪の最中に毛沢東が核実験をしたことを知らなかったのは、世界史の先生
が日教組支持で内心は岩波社員の如く「やったーっ、万歳!」と思ってい
たのかもしれないが、これは他の教員や父兄から苦情が出るからなのか、
教えてもらわなかった。五輪の熱狂の中で隠蔽された不都合な真実・・・

当時、孫文は亡くなってから半世紀たっていて「過去の歴史の偉人」とし
て授業で触れてもいい、しかし毛沢東は評価が定まらない「今の人」だか
ら授業では触れない、というルールがあったのだろう。今も昔も同じか?

歴史の授業は「今現在」から始めてはどうか。例えば中学の「日本近代
史」なら明治維新→ 幕末→ 江戸幕府成立→ 戦国時代・・・と過去に遡った
方が俄然興奮し興味津々、知的刺激になるのではないか。現在のように
300万年前の間氷期から石器時代、縄文時代、弥生時代、倭国、大和国と
かやっていたら「ハラハラドキドキ」の明治維新に到達する前に白髪三千
丈、少年老い易く学成り難しになってしまいそう。

高校の授業なら「日本現代史」で2001年9.11テロ→ バブル経済→ GDP大国→
60年安保→ 敗戦→ 大東亜戦争・・・とかに遡及する。愚息は大学生時代に
「オヤジ、日本はアメリカと戦争していたんだって?!」と興奮してい
た、嗚呼。今の教育では話にならん、福田恒存曰く「教育の普及は浮薄の
普及なり」、まったく嘆かわしいと小生は思うが、老いのタワゴトか。

それはそれとして、孫文(1866 - 1925)。気になる存在である。中共で
は国父のように崇敬されて、あちこちに「中山公園」があるが、実際に何
をしたのか、小生はほとんど知らない。魯迅についても同様である。無知
を自覚したら、それなりに納得できるまで調べたい、多動性老人は夢中に
なって1週間を過ごしてまとめたのが以下のレポートである。ご笑覧くだ
され。・・・・・・・・・・・・・・・

10月10日は小生にとっては「1964年東京五輪の日」だが、支那では「中華
民国」誕生を祝う「双十節」。「中華民国を成立させた辛亥革命(辛亥=
しんがい、かのとい、干支の一つ、1911年を示す)の導火線としての武昌
蜂起が起った宣統3 (1911) 年8月19日が太陽暦で10月10日にあたり、10が
2つ重なるところから双十節と呼ばれる。中華民国では国祭日と定めた
が、中華人民共和国では辛亥革命記念日と呼ばれている」(ブリタニカ)

満洲族による清朝統治から支那人による統治へ辛亥革命は「無血革命」の
ように移行したが、孫文は革命現場にはいなかった。痛恨のミス! 内戦
必至とみて軍資金調達で外遊していたそうだが、清朝の想定外の「禅譲」
で肩透かしを食ったようでパッとしない、どうも彼は運が悪い。日本大百
科全書から(カッコ内は修一)。


<孫文は1911年10月に軍資金の募集でアメリカにいた。辛亥革命の勃発を
知り、列強の援助を期待して(さらに)西欧を巡り(2か月後の12月25日
に上海に)帰国。臨時大総統に推されて1912年1月1日、中華民国を発足さ
せた>

遅れて来た青年・・・どころか当時の孫文は45歳の大人、「四十にして惑
わず、不惑」を過ぎている。当時の日本では50歳で初老、隠居が一般的で
あったから、勢いとかオーラ、生臭さが薄らいで神輿に担ぐには丁度い
い、象徴的な看板だったのではないか。

「中華民国を発足させた」とは言っても実態は清帝国から中華民国への政
権移行期であり、行政機構の多くは清帝国のままだったろう。「ラストエ
ンペラー」こと宣統帝=愛新覚羅溥儀の母である隆裕皇太后は溥儀に代わ
り、1912年2月12日、宣統帝の退位を決定し清王朝に幕を引く「詔勅」を
発布した。溥儀の家庭教師、ジョンストンの訳(一部)から引用する。

<今や全国民が共和制政府に傾いている。南部と中部の諸州が、まずこの
意向をはっきりと表明し、続いて北部諸州の軍部指導者も、同様の理想を
支持すると約束した。人々の願望の本質を観察すれば「天命」が分かる。
単に我ら自身の帝室の栄誉だけを思って、国民の欲求に逆らうことは当を
得たことではない。

私は時代の兆候を知り、国民全体の意見の趨勢を吟味した。そこで私は皇
帝の同意を得て、ここに主権を国民に賦与し、共和国の基礎の上に立憲政
府を樹立することを宣言する


私はこの決定を下すにあたり、政治的混乱の終息をひたすら待ち望む我が
臣民に対し、慰めを与えたいと希望するのみならず、政治的主権が究極に
は人民にあることを教えた古の聖賢の訓言に従いたいという思いにも駆ら
れるのである>

哀愁を帯びた名文だ。慶喜も戦線離脱、蟄居する前に一筆、書いておけば
良かったのに・・・

詔勅にある「古の聖賢の訓言」とは、古くは孔子・儒教の「博(ひろ)く
民に施して能(よ)く衆を済(すく)う」政治家は仁者どころか聖人だ、
という教えや、1700年代後期の米国独立戦争やフランス革命で始まった
「国民主権」の思想などだろう。日本が列強に危機感を持って明治維新で
幕藩体制(封建時代)から西洋風の近代国民国家=資本主義経済へ舵を
切ったように、列強に蚕食されるばかりの清帝国も近代化を進める必要を
痛切に感じていたわけだ。

かくして孫文を頭に戴いて中華民国がスタートしたが、孫文ら中国国民党
は議会選挙で過半数を得られず、また統治能力もないために、間もなく政
権を袁世凱に渡した。

袁世凱は清朝の軍人政治家、ナポレオンのように混乱を終息させると期待
されたのだろうが、逆に帝政を目指した。私利私欲で自由に生きるのが大
好きな支那人をまとめて列強に抗する強国にするには、それしかないと
思っていたのだろう。


<孫文は社会改革を志向したが、第二革命に敗れて日本に亡命。宋慶齢と
再婚したのも、この間のことである(宋慶齢は米国留学中の資産家のご令
嬢で、妹は蒋介石夫人の宋美齢)。第三革命で袁世凱が倒れたあとの軍閥
混戦状態の下で三たび広州を中心に政権の樹立に努めた。

孫文は幾多の挫折を経て、軍閥の背後に帝国主義があり、人民と結合して
反帝反軍閥の戦いを進めねばならないことを知り、ロシア革命に学んだ。
1924年1月、中国国民党を改組して、中国共産党と提携(国共合作)し、
労働者、農民の結集を図って国民革命を推進することとした>(日本大百
科全書)

「軍閥」とは何か。WIKIなどではこう説明している。

<軍閥時代:1916〜1928年にかけて中華民国が内戦状態となっていた時期
を指す。袁世凱の死を契機に北京政府の統制が失われ、各地の軍閥が集合
離散を繰り返す軍閥割拠の時代となった


軍閥は、列強の後ろ盾を持ち、地主階級と結びつき、自勢力拡大を最優先
する個人の首領に従う私兵集団であり、中央の統制を受けず、各地に自己
の王国を形成していた。その後、蒋介石の北伐によって各軍閥が国民政府
の統制下に入る形で一応は平定された。


清朝の正規軍は満洲族で構成された「八旗」と漢族で構成された「緑営」
だったが、やがていずれも形骸化して役に立たなくなったので、反乱など
が起こると義勇兵を募ったり(郷勇)、地方の有力者の私兵を動員したり
(団練)して、臨時に軍隊を編成して対応するようになった。この臨時の
軍隊がやがて常設されるようになり、さらに自立化して独立勢力のように
なったのが軍閥である。

清朝の末期の軍隊はこの軍閥の寄り合い所帯のようで、兵隊は中央政府の
命令よりも、直属の軍閥の長の命令に従った。

例えば、袁世凱(1859 - 1916年)は軍閥の長で清王朝の将軍でもあった
が、義和団の乱(北清事件、1900年)の時には動かずに自己の勢力の保全
に勤め、辛亥革命では革命側に付いて清朝を崩壊させた。革命後に孫文が
亡命すると袁は中華民国の大統領に就任、圧倒的な勢力になり、他の軍閥
も大人しく従っていたが、袁が急病死して政権が混乱すると従わなくな
り、中国は軍閥の群雄割拠状態になっていく>

まったく支那の近現代史は波乱万丈、今でも軍閥・派閥が覇権争いをして
いる。永久革命的戦国時代、つける薬なしか? せめてドンパチは支那大
陸内でやってくれ。

作家であり革命を求めていた魯迅(1881 - 1936年、「狂人日記」「阿Q正
伝」で有名)は辛亥革命最中の1911〜12年に小説「懐旧」を書いている。
小生は「懐旧」は未読だが内容は「多くの人民は奴隷であるがために愚か
になった、いつわりの伝統で(歴史や現状、自己を)欺き、革命家を理解
せず、また援けもしない、人民の事業のために死んでいった人びとはあい
かわらず人民からは遠い」(ロシアの魯迅研究家・翻訳者のバズネーエワ
女史)というもので、魯迅のマルクス共産主義あるいは赤い自由主義への
傾倒を示しているようだ。

1848年にマルクスとエンゲルスによる「共産党宣言」が発行され、その共
産主義思想が1905年と17年のロシア革命で世界に拡散していった。当時の
日本でも自由民権とか大正デモクラシーとして同様な主張が盛んになって
いった。

正義感に溢れ、かつ理想的、科学的な革命思想に見え、世事に疎いインテ
リ、特に若者は“新思潮”に引き付けられたのだ。「流行り病 昔マルクス
 今コロナ」。昨今の米国では時代錯誤のようなマルクス病感染者が増え
ているが、自覚がないからどうなるものやら・・それはさておき

そのマルクスボーイのリーダー格的な魯迅は1912年に孫文の口利きなのか
中華民国の教育部(教育宣伝部門?)に招かれ、軍閥混戦状態の中にあっ
ても1926年まで役人生活を送りながら革命を煽る主要な作品を発表してい
く。そこに北京で行われた民衆の請願デモに対して段祺瑞(北洋軍閥の親
日派、北京政府のトップ)の衛兵が発砲して多数の死傷者を出した「3.18
事件」が起きた。

<1926年3月18日に学生、市民など約5000人が北京の天安門前で国民大会
を開き、列国の最後通牒に反対し「帝国主義打倒」「段祺瑞打倒」「8ヵ
国公使を追放せよ」などのスローガンを掲げてデモを行い、執政府に陳情
しようとして国務院に到着したが、軍警に阻止され、段祺瑞の命令で軍警
が民衆に発砲、約50人の死者と多数の負傷者が出た。

魯迅は政府を激しく批判した。これに対し軍閥政府は魯迅を含め50数名を
指名手配、彼は、日本人やドイツ人が経営する病院に潜伏を余儀なくされ
た。避難生活は5月には終わるが、その年8月北京を離れ、福建省にある厦
門大学の中国文学の教授として迎えられた。翌1927年1月に広州に移り、
中山大学文学系の主任兼教務主任の職に就いたが、4月に国民党による反
共クーデターが起こり、嫌疑を受けて監視され、中山大学の職を辞した。

10月に上海に脱出し、以来、1936年に55歳で没するまで許広平夫人と上海
で暮らした>(コトバンク、WIKIなど)

1925年、59歳で没した孫文、11年後に追った魯迅・・・辛亥革命以降、中
国革命に殉じた、あるいは殺された人々は、中共帝国建国後の8000万〜1
億人を含めると数億になるだろう。孫文や魯迅などは今の習近平・中共を
見て、あの世でどう思っているのか、霊能者とか恐山のイタコに聞きたい
ものだ。(つづく)



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◆ビットコインの総崩れに要警戒
今市太郎

日本が無視するウォン安と韓国デフォルト危機。“助け舟”なく為替・ビッ
トコインの総崩れに要警戒


対ドルで韓国ウォン安が急速に進んでおり、韓国銀行が介入を示唆してい
ます。日本市場はまったく関心がないように見受けられますが、いよいよ
デフォルトに直面するのではないかといった悲観的な見方が広がっていま
す。さらには、韓国国民の個人負債破綻リスクへも警戒が必要です。
(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

止まらぬウォン安に“デフォルト危機”再燃
ドル建ての債務を大量に保有する韓国ではウォンが大幅に下落し、とうと
う危険水域と言われた1ドル1,200ウォンを突破する勢いになっており、い
よいよデフォルトに直面するのではないかといった悲観的な見方が広がっ
ています(編注:原稿執筆時点2021年10月14日)。

韓国銀行(中央銀行)の総裁は、「必要に応じて市場の安定を図る」とし
て介入意向を示していますが、そんなことで制御できるとは到底思えません。

1,200超えから一気に1,700ドル、1,900ドルと上昇することになれば、デ
フォルトもありうる状況になってきています。

直近の市場で、ウォン安に大きな影響を与えているのは原油価格の上昇で
す。この価格上昇はまだまだ続く可能性が高いことから、ウォン安もさら
に継続するリスクが高まっています。

ただ、この手の話は本邦市場ではまったく関心がないようで、もちろん米
国市場でもほとんど無視されたままの状態

実際に韓国が突然デフォルトになって、はじめて騒ぎになりそうな嫌な予
感がしてなりません。
      


━━━━━━━━━━━━━━━


◆米国のメジャーなメディアは黙殺

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月23日(土曜日)
通巻第7090号  <前日発行>

惚け老人の失言なのか、米国のメジャーなメディアは黙殺
    バイデン「台湾が中国に攻撃されたら米国は防衛責任を負う」

 バイデン米大統領は、2021年10月21日にメリーランド州ボル
ティモアで開催された集会で演説し、「もし台湾が中国から攻撃された
ら、米国は防衛責任を負う」と従来の米国が謳ってきた「曖昧戦略」から
大きく逸脱して発言した。
CNN、サウスチャイナ・モーニングポスト、多維新聞網、大紀元などが
大きく伝えた。

補佐官たちは慌てて修正し、従来の台湾概念から逸脱していないとバイデ
ン発言の否定に躍起だった。「惚け老人」の暴走発言を火消ししたという
ことだ。

 米国の台湾関与は、1979年に制定された「台湾関係法」に明記され
ており、台湾の安全を確保するために武器供与をするというもので、防疫
義務は謳っていない。クリントン政権は「そのときに決めるのであり、そ
れまでは曖昧な立場だ」と戦略的曖昧性を全面に押し出していた。

 尖閣諸島防衛に関しても同様であり、「尖閣諸島は日米安保条約第五条
の適用範囲である」とは述べているが、「防衛する」とはひとことも言っ
ていない。
 トランプ政権と雖も、台湾は友人だ。価値観を共有しているとして、台
湾との関係強化、閣僚の訪問も自由としたが、防衛責任については言及し
たことはなかった。

 中国語メディアは「如果中国攻撃台湾、美国将有責任保衛台湾」と報じた。
 如果は「もし」、美国は「米国」である。
 しかし、惚け老人の失言とばかり、米国の大手メディアは、この重大な
政策変更を意味するバイデン発言を黙殺している。
    
     
読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声1)21日に遼寧省瀋陽でおきたガス爆発事故は4人の死者、
47人負傷の由ですが、これってテロの可能性はないですか?(JJセブン)

(宮崎正弘のコメント)瀋陽の繁華街が一瞬にして廃墟。ガス爆発の元凶
となった焼き肉レストランは跡形もなく消えてしまっていますね。ガス管
工事中の事故らしく、もしテロなら報道管制を加えていたでしょう。

2021年10月25日

◆ベンガジとアフガン失敗の真相?

             Andy Chang

AC 論説No.866
前の記事「バイデンを操っているのは誰か」を配信した3時間後にテレビ
のFoxnewsでJudge Jeanine
の番組でバイデンを操っているのはオバマではないかと言って詳しく分析
してみせた。

Jeanine女史はまず選挙運動の当初からバイデンがボケで無能なことが
ハッキリしていたし、副大統領に
選ばれたハリスは人気が無かったのに、オバマが推薦した、おかげでバイ
デンが当選したと説明した。
つまりオバマが闇の帝国で政治をとるためボケで無能なバイデンを当選さ
せたのである。

バイデンは記者会見の時にテレプロンプターを読み上げるだけである。し
かも最新は透明で記者たちに
見えないテレプロンプターを使っている。バイデンが一人で喋った映像を
ホワイトハウスの一室の背景に
取り入れたバーチャル記者会見を配信している。テレプロンプターを使え
ない場所もある。オバマが
Stephen Colbertの記者会見で説明したのは「耳のなかに入れた補聴器」
を使えば野外の演説でもバイ
デンを野外に立たせ、私が部屋の中で喋る言葉を聞きながら喋る、誰も気
が付かない」と話した。つま
りオバマは本当の黒幕であり人形使いである、バイデン政権は闇のオバマ
政権である。

バイデン政権の閣僚たち、Ron Klain首席補佐官、John Kelly気象担当移
動大使、Jake Sullivanと
Susan Rice外交問題補佐官、Blinken国務長官、Austin国防部長などはみ
んなオバマの閣僚である。
もっと詳しく言えば「オバマとヒラリーのベンガジ失敗」の時の閣僚である。

ベンガジ事件でスティーブンス大使が殺害された事件はオバマとヒラリー
が真相を隠しているので
国会の上院と下院の諮問会報告書も曖昧模糊とした報告に終わった。真相
は民間の記事にたくさんある
が、決定的な証拠がない。POLITICOの「Final Benghazi Report Details
Administration Failures」
には「真相の鍵」がいっぱいあるけど彼らが必死に隠している真相を暴く
ことはできなかった。

以下は巷間の伝聞に私の憶測を加えたベンガジ事件である。
オバマとヒラリーはアル・カイーダに武器を提供して中東の独裁者を倒し
て民主国家を作り上げようとし
た。チュニジアの革命に成功した後、取り戻した武器をリビアのカダフィ
を倒したあと、アル・カイーダ
から武器を返してもらってシリアのアサドを倒すつもりだった。武器をテ
ロに提供したこと、ベンガジ
で武器を返してもらうことは極秘だから、ヒラリーはスティーブンス大使
をトリポリからベンガジに少
数の護衛だけで派遣した。ところがアル・カイーダは武器を返す約束を
破ってベンガジの領事館を攻撃
したのだった。攻撃を受けたスティーブンス大使はホワイトハウスに緊急
電話を入れて救援を要請した。
しかしヒラリーは援軍を派遣しなかった。結果として大使と護衛の四人が
殺害された。事件の後でオバ
マはスーザン・ライス国連大使を使ってアル・カイーダの攻撃は「あるイ
ンタネットのビデオが原因だっ
た」と嘘の発表をしたが、嘘がバレても真相を隠し続けた。

民間に伝わる「ある記事」によると、ヒラリーが援軍を派遣しなかったの
は「武器をアル・カイーダに
提供した事実」を隠滅するためだった。アル・カイーダの攻撃を受けた
時、スティーブンス大使は秘密の
部屋に隠れたためアル・カイーダは彼を発見できず退去した。ところが彼
らが領事館を離れて間もなく
アル・カイーダ側に秘密の電話があり「領事館の秘密の部屋の在処と開け
方を教えた」と言うのである。
密電を受けた彼らは急いで領事館に引き返して秘密の部屋を開けてス
ティーブンス大使を殺害したのだ。
つまりアル・カイーダが裏切ったのでヒラリーの「反乱分子に武器を提供
して独裁者を倒す計画」が失敗
し、ヒラリーが武器をアル・カイーダに提供した真相を隠すため、ヒラ
リーはアル・カイーダに密電を送っ
てスティーブンス大使を殺害したと言うのである。だからヒラリーは国会
の真相調査諮問会で10時間
以上も嘘を突き通したし、オバマは諮問会の調査を避けた。

自分の敵を倒すために別の敵に武器を与えたというとんでもない計画がバ
レたらオバマDeep Stateは壊
滅する。だから秘密に加担したスティーブンス大使を殺したのである。恐
ろしい話だ。

次に話題を今のアフガンの失敗に向けてみよう。
昨日21日ののワシントンタイムスは「アメリカはアフガンを失ったので
『Plan Z』に似た計画でタリ
バンを援助して彼らの敵を倒すと言うテロとの戦いを考えている」と言う
タイトルの記事を発表した。

「Plan Z」とは第一次世界大戦のあと、ポーランドやフランスと戦うため
海軍の艦隻を増やす計画の名
前である。この計画はヒットラーが命令して一年で失敗した。
ワシントンタイムスの記事によると、バイデンのアフガン撤退の大失敗で
アメリカが20年も続けてきた
「テロとの戦い」の基地を失った。そこでペンタゴンの将軍たちはタリバ
ンとパートナーシップを組ん
でアル・カイーダやISIS-Kとの戦いを行うことを考えていると言う。加え
てロシアのプーチンとも交渉し
てロシア国内の軍事基地を使い、「地平線の彼方」からドローンやミサイ
ルを飛ばしてテログループを攻
撃することも考えていると記事は書いている。このとんでもない計画につ
いてトランプ時代の国務省のテ
ロ対策責任者だったNathan Salesは「英国のような(信頼できる)国はな
い。しかし私はタリバンとか
ロシアのような敵をパートナにして別の敵を倒すというPLan Zのような計
画は考えたことがなかった」
と述べた。

バイデン政権の黒幕であるオバマやヒラリーにとってアル・カイーダはタ
リバンよりも憎い敵である。
でも、つい先日バイデンを裏切ったタリバンとパートナシップを組んで
(恨み重なる)アル・カイーダと
(タリバンの敵)ISIS-Kを撃滅する計画は一体誰が考え出したのかと誰し
も呆れるはずだ。

でも、もう一度ベンガジの真相を思い出してみれば、オバマとヒラリー、
バイデンとバイデンの部下の
サリバン、ブリンケン、ライス、オースチンなどの計画ならありうるかも
しれないと気付くはずだ。

アフガン撤退は大失敗だった。バイデンは多数のアメリカ人と家族を救出
せずアフガンから撤退した。
しかも850億ドルの武器弾薬も残したのである。850億ドルの武器は密約に
よってタリバンとともにア
ル・カイーダを撃滅するはずだった。それでもバイデンは様々な批判を受
けても満足できる説明、謝罪
をしていないし、全ての批判に対し沈黙している。ベンガジの失敗と同じ
である。

バイデンにはタリバンに武器を提供してアル・カイーダを攻撃する密約が
あったのではないか。けれども
タリバンに裏切られたのでアメリカの歴史で最悪の無様な撤退をした。そ
れでもベンガジの時と同じく
敵に渡した武器が残っている。だからバイデンと部下たち(黒幕も)は再
びタリバンを説得してタリバ
ンとパートナーシップを組むことを考えている。これがアフガン撤退の真
相であると思う。彼らは決して
喋るはずがない。ベンガジと同じく真相は永久に明らかにされないだろう。
読者の皆さんはどう思いますか?

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◆ 這ってでも選挙へ行け

      鈴木 傾城

クーデターや暴動より「一票」で国は変わる、間違った政党・議員が当選
すれば亡国一直線

選挙で国は確実に変わるのは実証されている。国を変えたければ、別に暴
動やクーデターやテロを起こさなくてもいい。権力者に賄賂を払わなくて
もいい。私たちは国を変えるための手段を与えられている。それが選挙に
行って、重い一票を投じるということなのだ。(『鈴木傾城の「ダークネ
ス」メルマガ編』)

【関連】迫る消費税11%超えと日本衰退富裕層・大企業だ

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を
取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブ
ラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フ
ルインベスト」を運営している。

日本のために立ち上がってくれる政治家に入れ替える
日本の野党は売国と反日の政党ばかりであり、だからこそ日本の政治は中
国・韓国・北朝鮮に弱腰に終始しているのだと言える。自民党も私から見
ると保守中道でも何でもなく、ただのリベラル政党である。



自民党が本当の保守政党であるならば、もうとっくの前に日本はアメリカ
から自主独立しているはずだし、改憲して自衛隊は日本軍になっているは
ずだし、中国・韓国・北朝鮮に対しては外交でやられたらやり返している
はずだし、日本共産党は消滅しているはずだ。

そうなっていないということは、自民党は「本当の保守政党」ではなかっ
たということでもある。そもそも、自民党が本物であれば、中国・韓国・
北朝鮮が傲慢に振る舞うのを許していない

2015年の日韓合意をまとめたのは当時外相だった岸田文雄氏だが、この日
韓合意もひらすら反故にされてしまっている。にも関わらず、まとめた岸
田文雄はまったく韓国に対して批判の言葉を浴びせたことはない。

日本の議員の弱腰にイライラしている人も多いはずだ。なぜ、日本の政治
家はもっと強く出ないのかと歯がゆい思いをしている人も多いはずだ。こ
の現状を変えるにはどうしたらいいのか。

合法的で確実な方法がある。選挙のたびに「弱腰の政治家を排除し、日本
のために立ち上がってくれる政治家に入れ替える」のである。

選挙で、弱腰の政治家、売国の政治家、反日の政治家を排除する。選挙
で、政治家を淘汰していく。選挙で、日本のためになる政治家を登場させ
る。日本を変えるのに、これほど合理的で効果的なやり方は他にない。日
本人は、日本を変えようと思ったら一瞬で変えられるのである。

「どうせ誰に入れても同じ」という冷めた気持ち
日本の投票率は50%を切ることが多い。場合によっては40%台のこともあ
る。半分の国民は選挙にいかない。

なぜ、選挙に行かないのか。以前、東京都選挙管理委員会事務所がまとめ
た資料によると、人々が選挙に行かない理由として以下のものが挙げられ
ていた。

「仕事が忙しく、時間がなかったから」
「適当な候補者がいなかったから」
「病気、または体調が悪かったから」
「選挙によって政治や暮らしが良くなるわけでないから」
「候補者の人柄や政策が分からなかったから」
「自分一人が投票しなくても選挙の結果に影響はないから」
「政治や選挙に関心がないから」
「投票所へ行くのが面倒だったから」
「旅行に出かけていたから」
「投票日を忘れていたから」
「投票所が遠かったから」
「その他」
「分からない、忘れた」

「仕事が忙しくて時間がなかった」「適当な候補者がいなかったから」と
いう理由だけで約6割を占めているのだが、この2つの理由は「どうせ誰に
入れても同じ」という冷めた気持ちがあるからではないか。

「どうせ誰に入れても同じだ。仕事も忙しいから選挙は棄権しよう」
「どうせ誰に入れても同じだ。適当な候補者もいなさそうだ」

後に続く「選挙によって政治や暮らしが良くなるわけでない」「自分一人
が投票しなくても選挙の結果に影響はない」というのも、やはり「どうせ
誰に入れても同じ」という諦観のようなあきらめのような気持ちがこもっ
ている。
           
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◆習近平肝いりの新都心「雄安都市」

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月22日(金曜日)
通巻第7089号  

習近平肝いりの新都心「雄安都市」は、ゴーストタウンに?
  雑草が生い茂り、人の出入りは殆どなく、コンクリート残骸
**************************

 2017年、習近平は新都心「雄安都市」建設を高らかに宣言した。ま
た一つゴーストタウンを増やそうというわけでもなかったが、河北省の僻
地、アクセスが悪い上に水利に問題があると指摘された。
案の定、いまでは雑草が生い茂り、人の出入りは殆どなく、コンクリート
残骸の山が築かれた。

 政府機関の一部や社会科学院などを強制移転され、雄安新都心は輝かし
い中国の未来をしめす新しい都市として無人バスなどの実験も行われた。
大型トラック、クレーンが林立し、建物はあちこちに出現したのも束の間
に現象だった。

 習近平の狙いは、上海浦東、深セン特区につづく、三番目の大規模な新
都心だった。予算が付けば業者は潤う。
コンクリート・ミキサー、ブルドーザが集中し、労働者も夥しく集まり、
建設現場は活況を見せつけた。2020年から武漢肺炎という疫病のた
め、多くの工事が中断した。

 日本では「副都心」として、難波宮が造成されたことがある。しかし難
波宮は不運の都市だった。副都として機能したのは僅かの期間だった。

 前期難波宮は「乙巳の変」(645年〉)直後、孝徳天皇が遷都を決断
され、白雉3年(652年)に完成した。孝徳天皇崩御のあと、飛鳥にい
た皇極天皇は、斉明天皇として重姐され、飛鳥板蓋宮に戻った。その後、
天武天皇が複都制の詔をだされ、難波を副都とするも朱鳥元年(686)
に難波宮室は全焼した。

 持統天皇が建てた藤原京は、宏大な敷地が残り、一部レプリカで宮殿の
台座が再現されている。
早々と藤原京は捨てられた。湿地帯で水はけが悪く、首都機能を果たせな
いと判明したからだ。

 乙巳の変から100年後の744年、聖武天皇は難波宮遷都の詔を出さ
れた。この後期難波宮を聖武天皇が再造営に着手し平城京の副都とした。
ところが、翌年に難波京から紫香楽宮へ遷都がなされる。そして延暦3年
(784)、桓武天皇は長岡京に遷都された。
 

 ▼遷都の目的は防疫、旧体制一斉、裏に陰湿な権力闘争

 たびたびの遷都は旧体制の桎梏から、権力闘争から逃れての新政が目的
だったが、疫病の防御という別の目的もあった。

 延暦3年(784)政務を担当していた藤原種継は山背国乙訓郡長岡へ
遷都を建議した(長岡京は継体天皇の乙訓宮の跡地)。
 同年、藤原種継は桓武天皇から長岡京造宮使に任命され、遷都プロジェ
クトの責任者となるが、延暦四年九月に矢で射られ、暗殺された。

桓武天皇が留守中の事件で、「犯人」として大伴一族ら多数が斬首となっ
た。直前に死去していた大伴家持にまで累が及んだ。
真犯人は分からないが、ほかにいたはずである。

この時代は王宮と豪族と坊主たちの陰湿な権力闘争が展開されており、長
屋王、穴穂部皇子、大津皇子、早良親王らの暗殺が連続した。
遷都に反対する勢力が放火など露骨な妨害をした。

 その後、長岡京は廃止され、平安京へ遷都したのも、早良親王の怨霊が
原因とされる。京への遷都は和気清麻呂が建議した。地政学的に京都のほ
うが守りやすいからでもあった。
 
 習近平政権が狙った雄安都市という副都心計画の目的は防疫、旧体制一
斉、裏に陰湿な権力闘争が絡んでいる筈である。11月8日から北京で開
催される六全中会で、この問題への追及がなされる可能性は少ない。
     
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
BOOKREVIEW 
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 石平さんの新刊は石原莞爾現代版? ついに最終段階に入った米中対決
  世界は習近平を絶対に許さない姿勢。けれども実態は?

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石平『中国 vs 世界最終戦争論』(清談社)
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 世界秩序を乱暴にアトランダムにかき荒らす中国。
 善意で世界秩序を構築していると錯覚して悦にいっているのだから中国
共産党幹部の脳幹は、私たちと仕組みが異なるのだろう。
 とはいえ、習近平政権の世界戦略なるものの基底に一貫した戦略は不在
で、マスク外交、ワクチン外交を展開したかと思えば、戦狼外交であり、
台湾と尖閣の領空、領海侵犯を繰り返し、インドの国境ではドンパチ。
 ずっと敵対してきたアフガニスタンのタリバンとは気味悪い笑みを浮か
べて握手。頼みの綱のEU諸国もドイツのような親中国さえ南シナ海に軍
艦を派遣した。リトアニアは中国をジェノサイド国家と規定し、台湾と
「事実上の外交関係」を形成した。
孤立無援を知覚したか、中国は突如おもいつきでTPPに加盟申請した
が、これは、嫌がらせなのか。
「誰が見ても悪い冗談でしかない。TPPというのはそもそも独裁的全体
主義国家の中国を排除したうえでの自由貿易圏であって、まさに経済領域
での中国封じ込めを強く意識したものである」と石平さんの舌鋒は鋭い。
とは言え、TPPは米国が言いだしたのだ。
ある日、突如としてTPPを抜けると言い出し、アメリカもまた戦略に一
貫性が欠落している。日本は二階に上がって梯子を外された。だから
TPP11となって、米国の変身を待っている構図。ただし台湾の加盟に
日本は歓迎とした。
台湾に関して言えば、石平氏は「台湾独立」ではなく「台湾建国」とした
ほうが良いとも提言されている。
なにはともあれ、米中戦争は世界最終戦だから、西側世界の運命を決する
戦いであり「史上最悪のファシズム国家中国とのこの戦いの結果によっ
て、生きるか死ぬかの岐路に立たされる」と、深刻な現状認識を述べる。
だが局面が変わった。
以下は評者(宮崎)の中国情勢分析も加える。 
「貿易カード」のトランプから「人権カード」のバイデンに米国政治の主
人公が替わり、バイデンがやったことはアフガニスタン撤退の大失敗、米
中会談では中国の大声による米国非難とつづき、孔子学院の閉鎖は中断、
あまつさえFBIは中国人スパイの摘発をやめ、むしろ反中の保守派の監
視をつよめるというあべこべ。留学生ヴィザの緩和、関税品目の見直し
(高関税を近く取り下げる怖れがある)。
挙げ句の果てが、ファーウェイの孟晩舟の釈放ときた。バイデンは「カナ
ダの司法の独立」とかなんとか、そもそもカナダに圧力をかけて、孟晩舟
を拘束させたのは米国じゃなかったのか。

この劇的な対中戦略の後退は、米中戦で西側の勝利を予測させることはむ
ずかしいのではないか。
島田洋一(福井県立大学教授)によれば、バイデン政権は側近に大物がお
らず、むしろ隠れ親中派の大物、ジョン・ケリーがしゃしゃり出てきた。
ケリーは気象担当移動大使とかの役目だが、やっていることは中国とのボ
ス交であり、楊傑チ国務委員とはお互いにスマホで情報交換をしていると
いう。
他方、中国経済は満身創痍の悪状を露呈している。
13億人がすめるほどのマンションが空室。
一説に6500万戸が誰も住んでいないマンション、住宅投資は日本の
50倍の金額。あまつさえ、そのマンションは農民工が建てたお粗末な工
事ゆえに、倒壊事故もあとを絶たない。
メインテナンスは、想像を絶する手抜き。挙げ句の果てに、高層マンショ
ンが地震もないのに揺れるという恐怖の実話がよく耳にはいるのである。
 韓国では日本が建てた橋梁は百年以上、びくともしないが、となりに韓
国企業が立てた橋梁は落ちた。デパートは自ら崩壊した。
このようなケースが中国で夥しく発生しているが、情報が伏せられている。
 中国の現状を把握するに良書である。
     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     
読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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   ♪
(読者の声1)毎日新聞(21日)の報道です。(引用開始)「非営利団
体「言論NPO」(東京都)と中国国際出版集団は20日、第17回日中共同世
論調査の結果を発表した。中国側の回答で、日本の印象を「良くない」
(「どちらかといえば」を含む、以下同)とした人は前年比13・2ポイン
ト増の66・1%で、「良い」とした人は13・2ポイント減の32・0%となっ
た。日中関係を「悪い」とした人も20ポイント増の42・6%だった。一
方、日本側の回答では、中国の印象を「良くない」とした人が5年ぶりに
90%を超えた」(引用止め)。
 日本でまだ中国の印象が良いとする人が残存しているという事実が信じ
られませんね。
 この調査、作為的なのか、質問設定が微温的なのか。いずれにしても、
小生の周辺に中国が好きという友人、知己は皆無です。(DI生、横浜)


  ♪
(読者の声2)仮想・暗号通貨、その4 BITCOIN vs CBDC
「支那が嫌がることは、日本、世界にとって良い。逆に、支那から褒めら
れたりする政治家、企業家、学者は日本の敵だ」が正しい公理とすれば、
ビットコインは良い、CBDC(中央銀行によるデジタル通貨)は悪、となる。
来年の北京五輪に支那はCBDCを世界に向けて先頭を切って施行する。
既に深セン市で試験的に配っている。この通貨には「賞味期限」がついて
いて、使わないと消えるので、90%の人民は急いで買い物をした。

 この期限は、今月中、とか1年間、とか決めることによって通貨の「速
度」を変え、インフレを上下操作する事も容易い。
「イジゲン緩和、ザイセイ出動」も簡単簡略。税金なども、本人が面倒な
申告などせずとも、政府が「正しい」金額を瞬時に巻き上げる、こともで
きる。逆に、良い人民、良い行動・言動にはご褒美が送られる。つまり、
政府主導の秘密の賄賂。すべての通貨に「しるし」がついているので、金
の動きが完全に把握でき、どこからの収入か、どこで使ったか、貯金はい
くらあるか、などなど、すべての記録が政府によって保持される。
更に、顔認証などで行動場所の確定、SNSなどの個人情報と見比べて、反
政府的な態度、言動などのある「好ましからざる人民」には、更なる税
金、罰金などを徴発する、こともやるだろう。そんな悪者には、同然自宅
から1キロ以内でしか金が使えないようにしたり、飛行機、汽車の切符な
どを買えないようにする。いわば、独裁国家、支那、北朝鮮などのための
究極の理想的な通貨なのである。
 
 ところが、それゆえに、世界の中央銀行の8割が、シナを羨み、遅れて
なるものか、と急いでいる。日銀も米国FRSも、ドコモ。1917年に始まっ
た、共産主義協賛運動が、100年かけてとうとう世界を制覇する、通貨に
関しては。人民はますます弱くなり、政府は傲慢に常に肥大しつずける。
これに反して、共通の技術的な性能、性格、利点が多いが、基本的に「真
逆」なのがビットコインである。上記のような政府による不法な卑怯な反
人権的な奴隷運営的な「個人の金の操作」を不可能にしたのが$B。人民
の唯一の防衛兵器。

 武漢菌騒動にかこつけ、世界中の言論、思想、行動の封鎖が恒常化し
た。本来は、ホントの国家の危機状態でのみ許される、超法的、反人権
的、出鱈目な政府の行動である。つまり、現在のほぼ全ての政府は「信用
できない、信頼すべきでない」「無実の人民を皆殺している」と自ら証明
している。
そんな輩が、日銀総裁、財務省、総理、NHK, 朝日、テレビ、みんなで
揃って、「支那に倣って、デジタル円を、よろしくね。」
そして来年あたりには、「開店祝いに、1万円入ったデジタル財布を皆さ
んにタダで差し上げま〜す。」 
未来の予測は難しいが、CBDCの未来は明るいと杞憂する。
 (在米のKM生)

  ♪
(読者の声3)橋下徹を初めとした維新勢力は、保守の仮面をかぶった革
命思想です。立憲共産党、れいわ共産党、社民共産党などなど、第二・第
三の共産党が存在していると考えた方が良いでしょう。
 新自由主義を崇拝する維新と、共産党とは相容れないように見えます
が、資本家が富を独占したいか、独裁者が富を独占したいかの違いです。
 伝統や文化の破壊、革命、天皇制反対、家族解体という点では同類で
す。家族解体の第一歩は、選択制夫婦別姓です。結婚して名字を変えたく
ないなら、通称使用で事足りるし、それを企業が認めないなら、認めるよ
うに促せば良いです。
 職業にもよるでしょうが、別に本名で働かなくても、本人が識別できれ
ば良いわけです。だから、水商売とか風俗とかでは、源氏名が使われてい
ます。コンビニのバイトが本名を晒す必要は無いのです。
 また、婚姻でなく内縁を選んだ場合、相続問題が論点になりますが、仮
に婚姻関係でなくとも、遺言で相続(遺贈)できます。解決できないのが
遺留分という厄介なもので、私はこれは憲法違反(被相続人の財産権侵
害)と思っていますが、誰もこの辺を言わないので、法的に問題無いので
しょうね(SA生)


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重 要 情 報
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身 辺 雑 記
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25日

渡部亮次郎わたなべりょうじろう85歳。

元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。

仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち
寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。


外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
 
秋田県生まれ1936年1月13日。どこといって故障個所は無いから100位まで
は生きるだろう。このメルマガの届かなくなった日が私の死亡日です。

兄は81で、姉は91で死んだ。遺伝の話をすれば、 父親は60代に死んだが
母親は98まで生きた。

渡部 亮次郎
at 06:29 | Comment(0) | Andy Chang

2021年10月24日

◆立共がつなぐ共産の夢

         【阿比留瑠比の極言御免】
 
令和3年10月22日


 各党の衆院選公約を読んで改めて思う。「健全な日米同盟を基軸とし」
と掲げる立憲民主党と、「日米安保条約を廃棄」と主張する共産党の候補
者一本化と政権奪取後の「閣外協力」の合意は、やはり納得できない。虚
無的、背徳的だとすら感じる。これでどうやって国民の生命、財産、自由
を守るというのか。

 この問題をめぐっては、17日のNHK番組でこんなやりとりがあった。

 自民党・甘利明幹事長「政府の意思決定に(自衛隊や皇室制度に否定的
な)共産党の意思が入ってくるということだ。日本の政治史上、一度もな
かった。(立民、共産党は)考え方が全く違う。体制選択選挙だ」

 立民・福山哲郎幹事長「自民党は(自民、社会、新党さきがけの自社さ
政権で)自衛隊は違憲だと言っていた社会党と組んだことがある。われわ
れは現実的で、安全保障に関しては日米安保を基軸としている。安心して
もらいたい」

 甘利氏「政権を構成する際、社会党は自衛隊は合憲と宣言した」


自衛隊合憲と認めず


 実際、自社さ政権で首相となった社会党出身の村山富市氏は就任直後の
平成6年7月、自衛隊は違憲だとする社会党の基本政策を転換し、合憲だ
と言い切った。村山氏は後にインタビューでこう述べている。

 「社会党が政権をこれから担っていく政党になるためには、この『自衛
隊合憲・違憲』の問題は超えなきゃならん問題だった」(『元内閣総理大
臣 村山富市の証言録』)

 「(憲法9条と自衛隊の存在が)矛盾をはらんでいる現状を政治がどう
受けとめるかと考えた場合、『自衛隊が憲法違反だ』と言って、論外とい
う扱いをしたんじゃ政治にならない」(『そうじゃのう・・・』)

 これに対し、共産の田村智子政策委員長は17日のフジテレビ番組で
「(衆院議員任期4年間は日米安保の廃棄、自衛隊の解消について)それ
を政権に求めることもしない」と述べたものの、自衛隊を合憲と認めるこ
とはしなかった。

 共産をめぐっては、平成28年の参院選時に、当時の藤野保史政策委員長
がNHK番組で防衛予算について「人を殺すための予算」と言い放ったこ
とが記憶に新しい。自衛隊に差別的ともいえる対応をとってきた共産が、
合憲へのかじを切れるとは考えられない。

 また、共産との限定的な閣外協力について福山氏は簡単に「安心して」
というが、日米安保を「基軸」とする政権に「廃棄」を唱える政党がどん
な形で影響力を行使していくかは分からず、不安にかられる。

静かに社会主義移入


 この点をめぐっては、元外務省主任分析官の佐藤優氏が月刊
『Hanada』9月号で次のように指摘している。

 「革命政党である共産党と立憲民主党が選挙協力を進めるということに
なれば、政権交代が起きた場合、体制変更につながる危険がある」

 「立憲民主党は、明確な価値観を持っていない。対して、共産党は科学
的社会主義(マルクス・レーニン主義)という強固な価値観を持ってい
る。共産党支持者の票が欲しいばかりに立憲民主党が選挙協力を進める
と、マルクスレーニン主義の価値観も静かに立憲民主党に移入されていく」

 共産の志位和夫委員長は18日の日本記者クラブ主催の討論会で、将来的
に社会主義、共産主義社会を築く希望を語っていた。立民は現実主義を標
榜(ひょうぼう)しつつ、知ってか知らずか共産の夢の先棒を担いでいるの
ではないか。
(産経新聞論説委員兼政治部編集委員)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

松本市 久保田 康文 採録



━━━━━━━━━━━━━━━━


◆日大背任事件「モリカケ桜」超えも
原 彰宏


日本大学付属病院の建て替え工事をめぐり2億2,000万円を不正流出させた
事件で、日大理事の井ノ口容疑者と、大阪の医療法人「錦秀会」前理事長
の籔本容疑者が逮捕されました。この籔本氏が安倍元首相の長年の友人で
ある“アベ友”だと報じられ物議を醸しています。さらには捜査の過程で
「政治家に渡した裏金」なるキーワードも飛び出し、岸田政権でも「モリ
カケ桜」に続く“アベ友”爆弾が炸裂する可能性があります。(『らぽー
る・マガジン』原彰宏)

大学をめぐる資金不正は後を絶たない

日本一のマンモス大学「日本大学」の理事らが逮捕されました。大学の資
金2億2,000万円を不正に流出させた背任の疑いが持たれています。

大学をめぐる資金の不正は、過去にもたくさんの事例があります。文部科
学省ホームページの「研究機関における不正使用事案」というページに掲
載されています。

架空取引、架空請求、カラ出張と、請求額の水増しなどにより、数十万円
から100万円前半ぐらいの金額が多いですが、中には約1,000万円の旅費重
複請求というのがあります。7年かけて積み上げた金額のようです。

また2019年12月に約5億円の架空取引等による不正がありますが、これも3
年かけて、どちらかというと研究を維持させるための不正のように思えます。

直近では、近畿大学医学部で、経費不正受給の容疑で、法医学教室主任教
授が、詐欺と有印私文書偽造・同行使の容疑で、大阪府警に逮捕されてい
ます。

この教授は、大阪府警の要請で、死因究明のための司法解剖を約 4,000件
手がけていて、今年2月には、警察庁長官による民間人表彰では最 高位の
「警察協力章」も受けていたそうです。これが今年6月のことです。

億超えという大きな金額では、今年1月に、過去にあった事件の判決がく
だされています。学校法人明浄(めいじょう)学院(大阪府熊取町)の土
地売却の手付金21億円を着服したもので、業務上横領の罪に問われた法人
元理事長の大橋美枝子被告に対する判決です。

坂口裕俊裁判長は「業務上横領の事案において最も高額な部類」と述べ、
大阪地検は、懲役5年6カ月(求刑懲役7年)の実刑を言い渡しました。

判 決によると、被告が法人理事長に就任した翌月の2017年7月、明浄学院
高 校の土地の売買契約を大阪市の地場不動産大手プレサンスコーポレー
ショ ン側と結び、プレサンスコーポレーション社側が法人口座に支払っ
た手付 金21億円を別口座に移して横領したものです。

判決は、被告が法人の経営権を得るために、プレサンスコーポレーション
社元社長の山岸忍被告らと共謀したと認定されています。

マンションの用 地として学院の土地を取得したがっていた山岸被告から
私的に資金を借り 入れ、経営権を握った後、手付金を返済にあてる枠組
みを発案して犯行を 主導したとのことです。

政治家が関与?東京地検が動いた日本大学の資金不正流出問題そして、い
ま話題になっているのが日本大学医学部附属板橋病院老朽化に よる建て
替えにおける2億2,000万円の不正流出問題です。

さきほどの近畿大学の問題は、大阪府警捜査2課が動きましたが、日本大
学の件では、東京地検特捜部が動いているのです。

東京地検特捜部は、政財界を巻き込む大きな汚職や不正、脱税などの事件
を専門に捜査する東京地方検察庁の部署とされています。

かつて特捜部に勤務していたことがある弁護士の先生に聞いたことがある
のですが、政治家が絡むと金額に関係なく動くそうで、特定の政治家を狙
うというよりも、調べているうちに政治家にたどり着いたら、気合を入れ
て動くものだということだそうです。


テレビなどで見られるような、正義感から政治案件を追いかけているわけ
ではないそうですが、それでも政治家がからむ案件は、必死になると言っ
ていました。

日本大学の資金不正流用という、一見、関係者の個人的な私用のように思
えますが、9月8日、東京地検特捜部が、日大の本部、そして最高権力者で
ある田中英寿理事長の自宅などを、背任容疑の関係先として家宅捜索した
ことに対して、田中理事長が「俺が逮捕されるようなことがあれば、今ま
で政治家に渡した裏金のことも全部ぶちまけてやる」と発言したことで、
この問題の空気が一気に変わってきたのです。
      
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◆あの広東交易会に外国人バイヤー

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月21日(木曜日)
通巻第7088号  

あの広東交易会に外国人バイヤーの陰もなく
  注文の劇的な後退、商談が蒸発していた

 第130回「広東交易会」は2021年10月15日から19日まで広
州市で開催され、淋しく終了した。
宏大な会場に7500社が出店し、見学に来るのは中国人ビジネスマン。
一般も有料で入場できる。
 
「広交世界、互利天下」と銘打たれ、主力商品はグリーン、つまりエコ関
連が多かった。ところが会場には展示する中国企業のスタッフがめだった
だけで、外国人バイヤーの陰はほとんどなく、コロナ災禍が原因と対外的
な要因としているが、オンライン商談会でも注文が殆どないことが判明した。

 用意された広東交易会のヴィデオは英語、スペイン語、ロシア語、ポル
トガル語、アラビア語などが用意されたが、日本語はなかった。つまり日
本人バイヤーはもはや見向きもしていないからだろう。

 かつて広東交易会といえば、鎖国時代の中国が唯一外国に開放したト
レードフェアである。日本の鎖国時代のおける出島のような雰囲気があった。

 広東交易会は1952年から毎年、春と秋に開催されてきたが、過去二
年間はコロナ蔓延のため、開催されず、今回が130回目。
日本の商社、とりわけ日中友好商社など、嘗てはこの交易会だけが目的で
広東省広州に連絡事務所を置いた。大学の後輩で大倉商事に入社したM君
は一年間滞在し「何もなかった。呑むところも遊びに行くところもなかっ
た」と不満をぶちまけたことがある。
     
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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【知道中国 2290回】       
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港172)

    △
 自らが金科玉条として掲げる歴史観と全く相反する立場で描かれている
わけだから、共産党政権が「鉄公鶏」を禁戯としても当然であり、別にと
やかくケチをつけても仕方がない。ただ、「鉄公鶏」の筋運びからして、
「太平天国=善、清朝=悪」とする共産党正統歴史観とは異なる考えが、
この演目の根底に流れていることを知るのみだ。

 清朝軍の司令官である向栄の暗殺に向かったが清朝軍に寝返り、あまつ
さえ向栄に認められ、その娘婿に収まった張家祥が太平天国軍を打ち破る
大勲功を立てる。

 張家祥に扮した役者が見せる人間ワザとは思えないような激しい立ち回
りの連続に、客の少ない第六劇場でも客席から「叫好(ッてました。だい
とうりょう。タップリ!)」が連発され、舞台と客席が渾然一体となり熱
気ムンムンの空間が立ち現れるから不思議だ。

 とどのつまり芝居は絵空事の世界であるがゆえに戯作者なり役者は自分
の感性・感情が向かうが儘に芝居の筋運びを自在に操れる。悲劇で幕にす
ることも、ハッピーエンドに終わらせることも。その背景には興行として
のソロバン勘定があることはもちろんだが。

 それが世相のド真ん中を射抜き、客の趣味嗜好と噛み合った時、その芝
居は大入りとなる。これが流行というものだろう。
こう考えると、太平天国誕生から共産党政権が禁戯措置するまでの1世紀
ほどの間、中国の庶民は清朝側を是とし、太平天国軍に打撃を与えた張家
祥を、少なくとも舞台の上では英雄として迎えていたことになるのではな
いか。

 この演目は台湾でも禁戯扱いになってはいない。ならば舞台の上で演じ
られる絵空事の世界に限られたことであったにせよ、「太平天国=善、清
朝=悪」との図式は共産党政権だけが持つ「特殊な」歴史観と見なすこと
も出来るはずだ。

こう考えるとやはり第六劇場で過ごした至福の時は、また共産党正統史観
への疑問を持つ機会を与えてくれたわけだから、やはり大いに感謝すべき
だろう。
 
 続いて紹介したいのが「奇冤報」(「烏盆記」)である。この演目も飽
きるほど見た──あるいは「見せられた」と言えるかもしれない──が、「大
劈棺」と同じように舞台の上ではさほど残酷・残忍な演技が展開されるわ
けではない。ただ、別の演目名の由来である「烏盆」(分厚い黒い鉢)の
意味するところは相当に残忍で残酷だ。
「奇冤報」の種本は元代雑劇「丁丁当当盆児鬼」で、これに明代小説
『三侠五義』の「第五回:包公奇案烏盆子」が加味されている。

 時は宋代。舞台は定遠県の外れ。悲劇の人が南陽城の緞通商人の劉世昌
で、敵役は貧乏旅籠の亭主である趙大夫婦。しがない草履職人の張別古が
狂言回しで、主人公は中国文化圏では永遠の正義の味方であり、庶民の救
世主とされている「清官」の代表格とも言える包公である。
貪官汚吏とは真反対の正義厳正の役人で、中国では歴史的に超稀少であった。

 年末の集金周りから帰路に就く劉世昌の登場で舞台は始まる。思わぬ雨
に祟られ困り果てた彼は、前方の寂れた旅籠に宿を取ることにした。貧乏
極まりない旅籠の主人・趙大は劉が手にした大金に目が眩む。かくて女房
と図って大金を奪い取り、劉の死体を切り刻んで土に捏ね混ぜて竈で焼き
上げ黒い鉢(烏盆)にしてしまう。

 もちろん死体を切り刻む、土に捏ね混ぜる、竈で焼くといった凄惨な演
技をするわけではないが、想像するだけでも十分に恐ろしい。だが同じ殺
人でも、たとえば三遊亭円朝の『真景累ケ淵』が醸し出すヌメッとした
禍々しさ、オドロオドロしさに較べ、なぜかカラッと感じさせるところが
不思議なほどに印象深い。

 殺人と死体遺棄と窃盗で貧乏を脱し大金持ちとなった趙大夫婦に対する
烏盆に宿った劉世昌の霊魂。草履職人の張別古の身を借りて、霊魂が恨み
を語り復讐を始める。
 ここからが「奇冤報」の山場だが、霊魂による復讐を共産主義倫理道徳
が認めるはずもない。
   
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)いま発売中の『週刊エコノミスト』(10月26日号。毎
日新聞社発行)の書評欄に芥川賞作家の楊逸女史が、宮崎さんの『日本人
が知らない 本当の路地裏中国──乗って歩いた!  全33省旅遊記』(啓文
社書房)を取り上げています。
 元中国人の彼女も行ったことがない中国の奥地の探検譚がよほど面白
かったようです。老生も拝読し、いつか中国が自由になった日に、宮崎さ
んの行かれた甘粛省の酒泉とか、奥地を訪れたいとは思っております
(FF生、栃木)


  ♪
(読者の声2)貴誌前号、アリババのジャック・マーがスペイン亡命か、
の記事ですが、すでにマはスペインに到着しているとのニュースがありま
す。(JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)多維新聞網などは、16日に香港を離れており、
19日にはスペインに入国しているとする情報を掲載しています。
ただし目撃者も写真もないので、推測記事が氾濫していますが、なんだ
か、ゴーンの脱出劇に似ていますね。


  ♪
(読者の声3)先日の宮崎さんと島田洋一福井県立大学教授との劇談『宮
崎正弘の生インタビュー』をユーチューブで拝見しました。
そして書棚から、宮崎さんの『バイデン大統領が世界を破滅させる』(徳
間書店)を取り出して再読しましたが、多くの予測が、その通りになって
いますね。親中派バイデンが、トランプ路線の対中強行路線を継承すると
言いつつ、裏ではすっかり規制や禁止事項を弛緩させています。
まさに宮崎さんがバイデン就任前から予測されていた通りです。
  (HG生、茨城)

 ♪
(読者の声4)ご好評いただいております未来ネット「宮崎正弘の生イン
タビュー」、11月はカナダ在住の近現代史家、渡邉惣樹氏をお招きします。
 さきの話ですが、11月22日午後四時から。テーマは未定。一年前の
番組では、カナダからのオンライン中継が最初の数分間、ケーブル故障な
どがあったのですが、今回は東京のスタジオからです。
近くなりましたが予約サイトの告示をさせていただきます(未来ネット)

2021年10月23日

(読者の声1)仮想・暗号通貨、その3、通貨の倫理性。



民主主義制度が機能するには、すべての参加者の「倫理・理性が高く」な
ければならない。
 50年ほど前には「汚染公害」という概念すらなく、空気、水の汚染が当
たり前になっていた。石炭産業は当時花形で、東大の卒業生が喜んで入社
していた。都市の空気は煤煙でどす黒く、川や海には生物に有害な薬物が
廃棄され、多くの人の命、健康が害されていたが、目くじらを立てる事も
なかった。石炭を使うロンドンの空も、だから気にしない。「美しい自然
を誇る」日本人が、である。
 しかし現在使われている「通貨、貨幣、カネ」についても同様の大規模
の被害、公害が常に発生している、と認識する者は少ない。世界最古の職
業、売春、日本で進化した少女の「援助交際」も通貨がなければ機能しな
い。百姓のおじさんから100本の大根のお礼を頂いても、ルイヴィトンは
手に入らない。
 イラク戦争の主な原因は、石油をドルを使わずに勝手に売る、という犯
罪。(米国はサウジなどの産油国と反自由資本主義的な自分勝手な契約を
結んだ。「石油はドルで売ること」。故にドルは常に必要とされ、価値は
維持される。お礼として、アラブ諸国の防衛を助け、かつ非人道的な行動
を容認する。つまり、米国はカネのために多くの現地人の基本的人権を長
くにわたって犠牲にした。)
 イラクの「間違い」は「基軸通貨」の基盤を揺らがす、という危険な行
動を取った。故に、米国の敵と決められ、証拠が捏造され、世界中が洗脳
され、大規模な攻撃を受け、そのために多くの無実な人命、財産が破壊さ
れた。自衛隊までも参加させられた。
 つまりは国防のためではなく「通貨発行権防衛」のために国家を世界の
世論を動かし戦争をする。それほどまで通貨は強い権力を持つ。あらゆる
権力は、常に非倫理であり腐敗し、かつ肥大化する。

 最も基本的な発生期の制度、法律、仕組みの「作り方」は、存在しな
い。常に、無から有が産まれる。誰が、どんな根拠で、「基軸通貨権利」
を認証するのか。1944年戦後、たまたま米国が勝ち残ったから、その地位
を手に入れたが、「全世界の安定安心安全な通貨の運営の重要性の責任を
深く認識し、基軸通貨を濫用しません。ここに誓います。」などという宣
言も誓約書もない。
しかし1944年から1971年までは、「きん兌換性」という制約があったた
め、ドルの信用が落ちると、外国のドルが金と交換され、国家の金塊が
減ってしまうので、慎重であった。基軸通貨国として正しくその義務を果
たし、ドルの価値は変わらす、故に他の通貨との変換率も変わらず、「通
貨の先物」などを使う必要もなく、安定した金融世界がつずいた。この期
間、米国は最も栄え世界の最新最高の科学、経済、技術を誇り、かつ巨大
な豊かな中流階級を産んだ。
ところが、ヴィトナム戦争などで、税金に頼らず通貨を発行することで戦
費などを賄ったために、信用が落ち、「ドルを金と換えてくれ」と外国が
要求し、金が流失し、1971年8月15日、日曜日の午後、ニクソン大統領に
よって「金とドルは無関係」と宣言された。(ちなみに同年7月15日に
は、米中関係が、「敵から友」に氏によって変換された。この二つの事件
は、日本には事前の通達がなく、極めて遅延性の長い巨大な爆弾に点火さ
れた、と歴史は知ることになる。その2つの爆弾が今同時に、という状態
にある。)

 長い前置きと余談になったが、要は「政府による通貨の運営」は極めて
イイカゲンで利己的であり、仮に理想的・倫理的な政府が現れても、いず
れは腐敗し、その通貨の信用、価値が失われ、人民は苦しむという世界の
歴史が証明している。
 そのような視点から見ると、サトシ・ナカモト氏の発明であるとされる
ビットコインの意義・莫大な価値が正しく認識される。

それは人類初の「人民主権の通貨」であり、当然世界のあらゆる政府の
敵、と当分は批難されるが、やがては、当然で正当な評価になるだろう。
これによって
まず救われるのは世界の人口の大半を占める独裁国家に虐められている人
民である。ノーベル平和・科学・経済学賞10回分ぐらいの貢献になる。
メートルは
1791年に、地球の北極点から赤道までの子午線弧長の「1000万分の1」と
定義され、初めて世界中の科学・技術の発展が可能になった。約200年遅
れて、通貨の単位の統一が始まる。ネットの普及、計算費用の激減がこれ
を可能にした。(私事、かなり前に予約していたSTARLINK社の小さなアン
テナが配達され、高速のネット配信を享受している。最終的には4万の小
さな衛星を低軌道に網の目のように配置し、地球上あらゆる場所で使え
る。これもSPACE X社の配下。イロン・マスク氏のおかげ。日本でも始
まっている。
(在米のKM生)

◆【変見自在】ノーベル賞的詐欺 

               高山 正之

 ネブラスカは昼は暑く夜は寒い。天気も変わりやすく、だから育つ人間
も気分屋が多い。その代表アンナ・ルィーズ・ストロングと言われる。

 シカゴ大で共産主義を知ると、頭からのめり込んで、思い立つままソ連
に飛んでいってしまった。

 颯爽としたアメリカ女は使える。スターリンも彼女の好きに任せた。

 当時、ウクライナの大飢饉やら粛清やらが大流行りだったが、彼女には
それが見えない。モスクワで英字紙を出して共産主義万歳を唱え続けた。

 気分屋アンナはそのうち支那の毛沢東にも興味を持ち、重慶で周恩来に
会い、延安も訪れている。

 最前線を見たいという彼女に、毛がケ小平宛てに「いい宣伝になる。丁
重にもてなせ」と命じた文書が今に残る。

 そんな待遇が気に入ったのか1958年、アンナはソ連を捨てて北京に
棲みついてしまう。

 支那こそ理想の共産主義国家と信じてのことだろうが、その年、毛は
3000万人を餓死させる「大躍進」を始動する。

 同時にチベットでは支那侵攻に抵抗する数万の民を殺戮するよう命じた。

 彼女は血糊がまだ乾かぬラサを旅しながら「支那では罪を犯した者を処
刑せず追放もしない」と毛を持ち上げる発言をしている。

 嘘に躊躇いを見せない共産主義者らしい口ぶりだが、そう言い切るのは
彼女の甥のモーリス・ストロングのためと言われる。

 おかげでカナダ生まれの甥は叔母を通して支那の支配階級に深く食い込
んだ。

 アンナが亡くなった2年後、モーリスは国連に入ったばかりの支那の後
押しで国連環境会議の事務局長に就任する。

 彼はこのときから支那と組んで「環境保護を口実に先進国の産業を弱体
化させ、環境でカネ儲けする」作戦を始めた。

 きっかけになったのは当時、プリンストン大で発表された「放射収支」
理論。

 地球が太陽から受ける熱量と地球が発散する熱量を測ってみたら驚くな
かれ、地球の放出量が多くて地球は平均零下17度になる。

 それが平均15度に保たれているのは大気中に僅か0・03%含まれる
CO2のおかげだという話。

 そこから導かれる結論に、もしCO2が増えれば温暖化が急速に進むだ
ろうという想定があった。

 支那人とモーリスはそれだけで詐欺話をプロットした。多量のCO2を
出す先進工業国は後進国から排出権を買うがいい。

 ただし世界の3分の1を出す支那は後進国扱いで適用から外した。詐欺
立案国の特権だった。

 モーリスはアル・ゴアを仲間に入れ、温暖化はもはや現実だ。北極海の
シロクマは死滅し、キリマンジャロの雪は消えると『不都合な真実』で映
像化した。

 すかさずモーリスと支那は第二弾を出した。「車はCO2を出さない電
気自動車(EV)の時代だ」がそれだ。

 EVは電池で走る。それに欠かせないのがレアメタルのネオジウムで、
それは内モンゴルにしか産しない。支那の独り儲けになる。

 「でもEVにしたら大量の電気がいる」には「支那製太陽光パネルを用
意しています」と。

 トヨタを筆頭とする日本の精緻な内燃機関はもう必要ない。レアメタル
と安いモーターで支那が世界を牛耳ろうという戦略だ。

 しかしアル・ゴアの予言から随分経つが、シロクマはむしろ増え、キリ
マンジャロの雪は降り続く。

 みんなが首を捻り出したころ、モーリスは国連を舞台にした別件の詐欺
で手配され、叔母と同様、支那に逃げ込んだ。

 そして環境をネタにしたまま詐欺師は何も語らないまま鬼籍に入ってし
まった。

 プリンストン大上席研究員の真鍋淑郎氏がノーベル物理学賞を受賞した。

 授賞理由が「気候変動の予測」と聞かされて「そっちですか。驚きで
す」と正直に語っていた。

 氏は気候モデルを作ったつもりが、それを詐欺のネタにされたことが
ちょっと割り切れない風に見えた。


高山正之氏の本紙連載が、文庫になりました。

『変見自在 習近平は日本語で脅す』(定価605円)絶賛発売中。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

松本市 久保田 康文 採録 


         

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◆「最期は日本人として死にたい」
黄 文雄

日本国籍を奪われた台湾人の深い悲しみ

台湾が親日な理由は彼らにあった。台湾の発展に尽くした日本人列伝
日本と台湾の「仰げば尊し」な関係を生んだ、教育家・伊沢修二の半生
「毛穴は絞らないで」9割がお風呂でしてない角栓がびゅるびゅる出る裏ワザ
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わずか1年でオーナーが手放す車ランキング あの日本車も
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日本の統治を経験した台湾の人々の我が国に対する思いと「日本人」とし
ての誇りは、私たちが思うより遥かに強いもののようです。今回のメルマ
ガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では
台湾出身の評論家・黄文雄さんが、第2次世界大戦後に日本国籍を失った
ことを不当だとして3名の台湾人男性が起こした訴訟を取り上げ、彼らに
このような声を上げさせた「深い思い」を紹介。さらに我々に対して、
「日本人として死にたい」という台湾人が多くいる事実を知ってほしいと
の訴えを記しています。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学
院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、
評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国
人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

中国と台湾の真実を最もよく知る黄文雄先生のメルマガ詳細・ご登録はコチラ


日本人に知ってもらいたい「突然、日本人でなくなった」台湾人の悲哀
● 「台湾に日本国籍復帰願う人がたくさんいる」 国籍確認訴訟結審

かつて日本人として、日本のために働き、戦った3人の台湾人男性が、戦
後に日本国籍を喪失したことは不当だとして、日本国籍があることの確認
を求めた訴訟での口頭弁論が10月12日に東京地裁で開かれました。

原告は、楊馥成(ようふくせい)さん(99歳)、許華杞(きょかき)さん
(89歳)、林余立(りんよりつ)さん(94歳)の3人。楊さんは軍属とし
て食料確保に従事され、また、林さんは日本海軍の航空廠工員や整備兵と
して活躍されたそうです。また、許さんは終戦時は小学生だったというこ
とです。現在、「台湾人日本国籍確認支援の会」という団体が、3人の訴
訟を支援しており、御三方の経歴やプロフィールが掲載されています。

● 台湾人日本国籍確認請求事件を支援する会(通称;台湾人日本国籍確認
支援の会)

とくに楊さんは、このメルマガでも何度か紹介している、甲子園大会に出
場して準優勝を果たした嘉義農林学校(現在の国立嘉義大学)のご出身だ
そうです。嘉義農林の活躍を描いた永瀬正敏氏主演の映画『KANO 1931 
海の向こうの甲子園』は、日本でも有名ですね。

戦後の1952年4月にサンフランシスコ平和条約が発効すると、同年8月に日
本は蒋介石の中華民国と日華平和条約を結び、これにより台湾系日本人は
日本国籍を失ったとされました。しかし、3人は、国連の世界人権宣言が
「何人も本人の意思に反して国籍を剥奪されることはない」と規定してい
ることなどを理由に、日本国籍を喪失していないことを確認する訴訟を、
2019年10月に起こしたのです。当時は、台湾でもそのことが話題となりま
した。

● 3台灣人控告日本政府 要求承認恢復日本籍

そして2021年10月12日に結審となりました。判決は来年2022年1月11日だ
そうです。

楊さんは、「最期は日本人として死にたい」と言います。そして、帰化で
はなく国籍の確認を求めている理由については「台湾で日本がしてきたこ
とを知ってほしい。そうすれば日本を誇りに思えるはず」としています。
あくまでも自分は日本人として生きてきたという矜持なのでしょう。台湾
に「日本精神」を伝え続けてきたのも、こうした台湾人たちでした。


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◆(馬雲、アリババ前会長)スペインへ「亡命」か?

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)10月20日(水曜日)
通巻第7087号  

 (速報)
 ジャック・マ(馬雲、アリババ前会長)、スペインへ「亡命」か?
 保有する『サウスチャイナ・モーニングポスト』が報道

 表向きの理由はスペインへ長期の農業研修という。バルセロナには、豪
華ヨットを所有し家族での長期休暇も兼ねると『サウスチャイナ・モーニ
ングポスト』がつたえた(10月20日)。

 農業?
 マイクロソフトのビルゲーツは、全米の農地を買いまくり、現在最大の
農地保有者として知られる。馬雲もそれを真似る?

 一年近く、公の場から姿を消していた馬雲は、先週、香港に現れたこと
が確認された。現在、家族、友人らと過ごし、近日、スペインへ出国する
と事情通が、ポスト紙に漏らした。このメディアはジャック・マが、買収
した新聞社である。

 長期の海外研修とは、事実上の亡命に繋がるケースが多く、嘗ても新華
社の許家屯が米国に長期滞在、事実上の亡命だった。

 
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読者の声 READERS‘OPINIONS どくしゃのこえ 読者之声
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