2022年02月08日

◆福島苦しめる菅(カン)直人氏ら5元首相

【阿比留瑠比の極言御免】

 石原慎太郎元東京都知事の死去に関する2日付本紙社会面の記事は、平
成23年の東京電力福島第1原発事故で、当時の菅(かん)直人内閣の要請で
放水作業のため現地に赴いた東京消防庁ハイパーレスキュー隊とのエピ
ソードを振り返っていた。

 石原氏が任務を終えた隊員に対し、涙声で「本当にありがとうございま
した」と感謝の気持ちを表明する場面である。会員制交流サイト
(SNS)上でも、多くの人がこのシーンを感慨深く回想していた。

 だが、実は石原氏は首相官邸からの隊派遣要請をいったん断っている。
菅氏に隊員を預けると、どんな危険で無謀な任務を強いられるのか分から
ないと判断していたのだった。

事務方の相談受け


 このときは結局、菅政権では物事を動かせないとの事務方の相談を受け
た安倍晋三元首相が、石原氏の長男である自民党の石原伸晃幹事長(当
時)を介して説得し、石原氏も最終的に派遣要請を受け入れた。当時、事
情を知るある官僚にこう言われた。

 「菅首相に調整経緯を知られると、へそを曲げて何をするか分からない
から、書かないでおいてほしい」

 ただあの時代から11年がたっても、菅氏の不規則な言動は変わらない。
いや菅氏だけでなく、小泉純一郎、細川護熙、鳩山由紀夫、村山富市の各
氏も合わせた5人の首相経験者が原発事故をめぐり行っていることが現
在、岸田文雄内閣から強く否定される異例の事態となっている。

 環境省は1日、山口壮環境相名で5人が連名で欧州連合(EU)欧州委
員会に出した原発肯定方針の撤回を求める書簡の内容への反論文「福島県
における放射線の健康影響について」を明らかにした。

 それは5人の書簡の中に「(原発事故により)多くの子供たちが甲状腺
がんに苦しみ」との表現がある問題を取り上げ、次のように指摘している。

 「福島県の子供に放射線による健康被害が生じているという誤った情報
を広め、いわれのない差別や偏見を助長することが懸念されます」

不適切行為と断罪

 また、政府が風評の払拭に取り組んできたことを記し、福島県の甲状腺
検査見つかった甲状腺がんについて、県民健康調査検討委員会や原子放射
線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)などの専門家会議
で、放射線の影響とは考えにくいと評価されたことを紹介した。その上
で、書簡の表現は「適切でない」と断じた。

 つまり、5人を名指しで差別や偏見を助長し、科学的知見に基づかない
風評を広げる不適切な行為をしていると断罪したのである。

 この問題をめぐっては、菅(かん)内閣で首相補佐官と原発事故担当相を
務めた自民党の細野豪志氏も、かつての上司らを厳しく批判する。

 「菅直人元総理は非難範囲の決定をした責任者だ。原発事故により甲状
腺がんが増えたと主張するなら自らの政治責任をどう取るのか。反原発を
言うのとは次元が違う重たい問題だ」(1月30日ツイッター)

 福島県の子供の甲状腺がんに関しては、日本学術会議も「地域や外部被
ばく線量が違う場合でも、発見頻度に意味のある差は見られない」と報告
している。

 元首相たちはいったい、何をやっているのか。自分たちの反原発イデオ
ロギーのためなら資料を無視し、10年以上かけて風評被害の払拭を図って
きた福島県の努力が水泡に帰しても構わないとでもいうのか。

 いたずらに福島県を苦しませるだけで何も生まない軽率な行為を、恥ず
かしいと思わないのか。

(産経新聞論説委員兼政治部編集委員)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  松本市 久保田 康文 

  産経新聞 採録


            
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◆雀庵の「開戦前夜/17 男の契り:石原慎太郎と見城徹」
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/428(2022/2/4/金】2月2日の産経新聞は久し振
りに30ページあり、おお、広告が増えたのか、ヂヂババは通販の恰好の
ターゲットだからなあ・・・なんて思いながら読み始めたらナ、ナント、
“ジャイアン”石原慎太郎大往生の記事が6ページも! すごいなあ、まる
で国家元首並みの扱い。産経は慎太郎が大好きなのだ。「国民よ、ニッポ
ンを取り戻せ! 慎太郎同志に続け!」と煽っているよう。

小生が小5、11歳の1962年、床屋へ行って「シンチャン刈りにして」と
注文したら亭主からハハハと笑われた。「慎太郎刈り」と言えば良かった
のかと思ったが、なんだかバカにされたようで以来、その店には行かなく
なった。叩き上げの苦労人から見ると慎太郎は良家のお坊ちゃま、偉っそ
うに何言ってやがる、という反発、侮蔑があったのかも知れない。

慎太郎は知性と野生味に溢れた人である。と言っても小生が読んだ作品
は「太陽の季節」「生還」「わが人生の時の時」くらいしかないが、「わ
が―」の中の弟・裕次郎を看取った「虹」と題するエッセイにはすこぶる
引き付けられた。知性と野生、大胆不敵な大人と繊細な少年が混じった稀
有の“ジャイアン”だなあ、凄いなあ、次元が違うと圧倒される。

作家とか政治家とかを超えた存在、血と汗と涙を流す教祖とか哲学者の
ような、破壊と再生、暴力と救い、威嚇と愛嬌、突き放しと安らぎが混
じったような・・・上手く言えないが不思議な、圧倒的な存在感、カリス
マ性と言うのか、これが多くの人を引き付けているのかもしれない。

確固とした主義、主張、思想、宗教を持った人、あるいはその手のもの
を持たない人、すなわち夏彦翁の言う「健康な人」は“ジャイアン”に近寄
らないだろう。近寄るのは「生きるとは何なのか、俺はこのままでいいの
か、もっと優れた生き方があるのではないか」というストレイシープ的な
人かもしれない。

角川書店を経て幻冬舎を創業した見城徹氏はブント(共産主義者同盟)
挫折派のようで、そのモヤモヤを編集・出版の“天職”で止揚、癒している
ような方だ。去年、何気なく本屋を覗いたら著書の「読書という荒野」が
こう呼びかけてきたのは面白かった。「おい、お前だよ、お前、この本読
めよ」。同書で以下の話が綴られている。

<石原慎太郎さんの小説は僕の中で燦然と輝いている。短編はほとんど
暗唱できるくらい読み込んでいる。「太陽の季節」「処刑の部屋」「完全
な遊戯」・・・若い頃の僕にとって生きる糧となった。共同体と折り合い
がつかない自分がどうしようもなくなった時、慎太郎さんの小説は救済を
与えてくれた。彼の作品ほど、社会が付与する価値観をぶち壊して出てき
た小説はない。

共同体の一員としてではなく、何ものにも冒されない剥き出しの個体と
して生きようとした人間の、肉体の生と死が根底に流れている・・・

学生時代から、出版社に入ったら何よりもまず慎太郎さんと仕事をした
いと願っていた僕は手紙を書いた。一度会ってくれるという。当時の慎太
郎さんは衆議院議員である。会うだけでも大変なことだった。

初めて会うことが叶った日、「この面会が勝負だ」と、24歳の僕は慎太郎
さんの年齢、43〜44歳に近い本数のバラの花束を持って行った。慎太郎さ
んは「男にバラをもらったのは初めてだな」と照れたような苦笑いをし
た。僕は、自分がいかに慎太郎さんの小説が好きかを話し始めた。この機
会を逃したら、もう二度と会えないかもしれない。ここが勝負だ。僕は最
終兵器を用意していた。「太陽の季節」と「処刑の部屋」を一言一句、暗
唱できるようにしていたのだ。


「僕は全文暗唱できます」、「え?」と慎太郎さん。「太陽の季節」を暗
唱し始めたら3、4分で「わかった、わかった、お前と仕事するよ」と言っ
てくれた。「君は酒は飲めるかね」、「飲みます」と答えると、その場で
ドライマティーニを作ってくれた。僕と慎太郎さんの関係が始まった。

慎太郎さんの逗子の自宅は圧倒的にカッコいい家だった。部屋からは海
を180度見渡せた。毎月その家に原稿をもらいに行くのが楽しみだった。
そんな夏のある夜、慎太郎さんが「散歩しよう」と逗子の海岸に誘ってく
れたことがある。

そこで彼は、自分が今、何に苦しみ、何に挑み、何に劣等感を感じ、何
に空しさを覚え、何に苛立っているのか、そんな内面を25歳の僕に打ち明
けた・・・

角川を辞め「幻冬舎」設立後、すぐに慎太郎さんから電話が入った。
「今近くにいる。これから寄るぞ」、10分後に慎太郎さんは現れた。四谷
の雑居ビルの中で5、6人しか社員がいない小さな会社だったが、社員を前
に慎太郎さんは「未熟な社長だが、見城をよろしく頼む」と言ってくれ
た。そして僕の方へ向き直り、「もし俺にまだ役に立てることがあるのな
ら、何でもやるぞ」と勇気づけてくれた。

僕はその場で、「裕次郎さんを書いてください」と頼んだ。私小説を一切
書いてこなかった慎太郎さんに、最も血のつながりの濃い弟を書いてもら
うことによって、読者の知らない、もう一つの石原慎太郎像が浮かび上が
るのではないかと思っていたからだ。周囲から見れば「編集者にとってだ
け美味しそうな」話でもある。しかし慎太郎さんは嫌な顔一つせず、「俺
もずっと裕次郎のことは気になっていた。いつか書こうと思ってメモ書き
してある。お前が言うんだったら書くよ」と言って社を後にした。


「弟」は裕次郎さんの十回忌の日に発売され、あっという間にミリオンセ
ラーとなった・・・>


週刊文春電子版2/2にはこうあった。<「死ぬまでにどうしても短編小説
全集を出したい」、それが老作家の願いだった。昨年12月9日。長年向き
合ってきた幻冬舎社長の見城徹は、立派な装丁が施された2冊の短編全集
を携え、闘病中の彼のもとを訪れた。その人は、2冊の全集を抱きしめる
と、涙を流したという。作家・石原慎太郎、2月1日逝去。享年89>

見城徹は立派に恩返しした。慎太郎の「わが人生の時の時」は大往生で幕
を下ろした人生はそんな風でありたいね


           
        
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◆(読書特集)中国四千年の策略大全

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月6日(日曜日)
     通巻7208号 
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(読書特集)
長谷川静男『中国四千年の策略大全』(ビジネス社)
樋泉克夫のコラム【知道中国 2325回】 
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
BOOKREVIEW 
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 中国古代の智慧は現代日本人にどれほど役に立つか、立たないか
   悪智慧は悪者だけが駆使するのでないというのが日中間の認識の差違だ

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長谷川静男『中国四千年の策略大全』(ビジネス社)
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 『孫子』は誰でも知っている。武田信玄も徳川家康も愛読した。
 王陽明も比較的しられた名前で「知行合一」を唱えた軍略家である。こ
れらは日本人がみごとに誤解して日本に伝わった。孫子は吉田松陰が訳注
したほどで、批判的に吸収し、この吉田松陰訳注を乃木希典は私家本にし
て明治大帝にも献呈した。乃木は松下村塾後期生である。
 陽明学は大塩平八郎が信じて実践し、幕末の志士らが回覧して読み、三
島由紀夫は「革命の哲学としての陽明学」を書いた。だが、『智嚢』をし
る日本人は一握りである。
 『智嚢』とは何か?
 説明の前に或る映像を思い出した方が早い。
 2015年の大晦日、CCTV(中国中央電視台)は習近平のメッセー
ジを放映したが、スタジオからではなく、習の執務室からの映像で、背景
に書架があり、『詩経』などの古典と並んで、さりげなく『智嚢』が写っ
ていた。もちろん、演出であり、側近が舞台装置を作ったのだろうが、毛
沢東の愛読書だったことは確かなのである。
 『智嚢』は騙すこと、欺くことを「悪」とは位置づけないで「智慧」と
して、中国人に生きのびるノウハウを教えている書物である。
 日本人のように策略、悪略、詐術、騙しは「悪人」が行うという勧善懲
悪的二元論の立場を取らない。善人も又、いや善人であればこそ、策略に
も長けているのであり、このようなメンタリティを日本人が理解すること
はたいそう難儀である。
 『智嚢』は明代に出版されたもので、以後、何回も版を重ねて現代に読
み継がれている策略集である。
 たとえば宗の太祖、趙匡胤は敵国を滅ぼすために仏教を武器とした。仏
教普及に高僧を南唐に派遣し、仏教を諄々と説かせた。南唐王は、以後、
仏心がついて、国境警備の手を緩めたため、宋は簡単に唐の残党を滅ぼす
ことができた、という具合で、智嚢に書かれた逸話から多くを選んで紹介
しているのが本書だ。
 天下の奇書ではあるが、中国人のメンタイリティを理解するには格好の
入門書でもある。
             
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樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2325回】            
 ──英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港207)

  △
 ネズミの話に戻るが、数日が過ぎるとネズミの鳴き声は絶えた。だが、
相変わらず列車は窓枠を震わせる。だが、慣れれば疾走する列車の轟音も
リッパな「睡眠導入装置」だ。

 半月ほどが過ぎたある夜のこと。夢か現か。足先に不思議な違和感があ
る。足の辺りを覆う毛布の上をゴソ、ゴソ、モゴ、モゴと何かが動く。さ
てネズミはとうに退治したはずだが、ネズミでなかったら、はて、何だろ
う。相変わらずゴソ、ゴソ、モゴ、モゴと動きを止めない。

 そこで、やおら毛布を蹴り上げた。するとどうだ。次の瞬間、ソイツは
私の身体を包む毛布の上を、足の方から腹部を経て胸を目掛けて駆け上
がって来たではないか。

 そこまでは我慢するが、これからは断固として許せない。胸を過ぎるや
勢いよく顔に飛び乗ってきた。前足が眉を引っ掻き、後足の爪が唇を蹴
り、尻尾が鼻の穴を打つ。顔面上を2回ほど素早く走り回るや、頭の方か
らヒョイと床に飛び降り、漆黒の闇に消え去った。

 ネズミに駆け回られた顔を撫でながら、ヒョッとして日本製高性能ネズ
ミ捕りに殺された仲間の仇討ちではなかったか、と考えてみた。だとする
なら、香港ではネズミまでもが反日の「激情」に怒りを滾らせているよう
だ。油断禁物である。次回の襲撃を覚悟し備えておくべきか。

 だが、それは杞憂だった。この時を境にして幸いにもネズミは2度と現
れることはなくなり、ガサガサもチューチューもない静かな夜になった。
もっとも、列車の騒音が止むことはなかったが。

 反日ネズミ」に襲撃された翌日、買い物に手伝えという曽妹に連れられ
て沙田駅前に広がる墟市(マーケット)に向かった。歩きながら曽妹に昨
夜の一件を話すと、彼女は腹を抱えて笑っていた。その笑い顔は「景園
(ウチ)のネズミは、日本仔(アンタ)より好犀利(リコウ)」とでも言
いたげに見えた。

 墟市からの帰り道、引っ越しの挨拶代わりにと飲茶に誘った。
「いいよ、いいよ」などと遠慮していたが、強引に招待したのである。す
ると数日が過ぎた日曜日、豚の脳ミソのスープを作って食べさせてくれ
た。飲茶のお礼だそうだ。

 台所で料理を始めた。
薄いピンクの脳ミソの表面には毛細血管が走っているが、「これを丁寧に
取らないとマズイ」と言いながら、マッチ棒に綿を巻いた自家製綿棒で丁
寧に取り除く。綿棒に毛細血管の先端を巻き付けてクルクルと回すと、面
白いように綺麗に取れる。「やってみるかい」。なんでも経験である。手
伝うことにした。

 毛細血管が綺麗に取り除かれると、次は沙鍋(どなべ)に張った水の中
に浮かべ、色々な調味料を加えながら、トロ火でジックリと煮込んだ。初
めて口にする豚のノーミソのスープは淡い醤油味であり、ユックリと火の
通った豚の脳ミソはまるで白子のような食感であり、口の中でトローッと
溶けた。

 料理好きの曽妹の得意料理の1つに正式な料理名は聞き忘れたが、豚の
頭蓋骨の内側の皮の甘露煮があった。シワシワで固い皮に粗塩をタップリ
振りかけ、力を入れてゴシゴシと揉む。塩分を水で流して鼻先に。「まだ
臭いな」と同じ作業を繰り返す。物見高いは何とやらで、この料理も手
伝ったが、豚の頭蓋骨の内側の皮がこんなにも固く臭いものと初めて知っ
たことになる。

 揉んでは洗い、また塩を掛けて揉む。繰り返すこと数回。曽妹の鼻先に
持って行くと「ウン、まあいいか」。
これを沙鍋に入れ、醤油に砂糖、それに何種類かの香辛料を加え、トロ火
でジックリと煮込む。テカテカと黒光りするソレは、箸で挟んで切れるほ
どに柔らかく、口に入れた途端に溶けだすほどだった。
 白飯が進む。空前絶後級の絶品だった。
      
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読者の声  どくしゃのこえ   READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)「未来ネット」(旧「林原チャンネル」の「宮崎正弘の生
インタビュー」放映予定のお知らせです。

2月16日(水曜) 午後四時〜五時(後半の20分、視聴者の質問にお答
えします)。
ゲスト  福山隆(元陸将)
テーマ  「日本のインテリジェンスと陸軍中野学校」
 これまでのゲストは高山正之、乾正人(産経論説委員長)、渡邉惣樹
(近現代史家)、近藤大介(チャイナウォッチャー)、許世偕(前台湾大
使)、加瀬英明、廣瀬陽子(慶応大学教授)、中村彰彦(直木賞作家)、
門田隆将、三浦小太郎、楊逸(芥川賞作家)、楊海英(静岡大教授)、室
谷克実(時事元ソウル特派員)、島田洋一(福井県立大学教授)、濱本良
一(元読売新聞北京総局長)、青山学院大の福井義高教授でした。
ご参考までに直近の番組は下記アーカイブでご覧頂けます
https://www.youtube.com/watch?v=OxZllPpdEUI
   (未来ネット

  ♪
(読者の声2) 2月4日放映のFRONT JAPANのユーチューブは
下記です。
https://www.youtube.com/watch?v=h6Xs0p0hh2M
葛城奈海さんの「石原慎太郎元都知事の遺志を無にしない」
 宮崎正弘さんの「さようならGAFAM、こんにちはメタバース」
 二本立てです。珍しい写真も紹介されました。
   (日本文化チャンネル桜)
   ♪
(読者の声3) 貴誌通巻7196号(読者の声1)と同7198号(読者の声3)
と7203号(読者の声3)通巻7206号(読者の声4)の続き。7206号の拙文
で、「「バブル世代」以降の世代には、ハロウィンやサッカー騒動に違和
感を感じる」という箇所は、正しくは「「バブル世代」以上の世代」で、
「京都のエスタブリッシュメントが、真言宗や天台守など密教(や山王神
道)と関係深い」の箇所は、「真言宗や天台宗など密教」の間違い。
 (第二十六代)継体天皇の宮殿「樟葉の宮」跡(『交野天神社』)訪問
の記憶から、日没を惜む惟喬親王が『日置天神社』を建てる平安の皇族狩
場「禁野」の交野ヶ原への夢想と続き、意識は古代日本で戦略上重要な男
山(『石清水八幡宮』)上空を彷徨い、いにしえの八幡太郎義家を想いつ
つ、正月二日の「臨在宗鎌倉五山の旅」へと少し無理に話を繋げる。
 江戸時代まで「初詣で」は無く、江戸は正月に、上方は節分に、それぞ
れ「恵方参り」を行った古来の習慣が、明治以降に商業主義の鉄道会社カ
ルテルにより破壊され、(デコレションケーキやチョコレートを嫌々食わ
され(笑)、伝統的味覚を失ったのと同様に)日本人本来の方角感覚を、
麻痺させる状況に、少しでも抗わんと欲す為に、節分の日にスーパーで
買った恵方巻を、「北北西」を向き黙って食べる(笑)。(尤も「日本古
来の伝統的方角感覚ウンチャラ」と、偉そうに言っても、おらの方向音痴
は一向に直らぬ、苦笑)。
 方向音痴ついでに、(竹田恒泰氏もそうだが)おらはスマホを持ち歩か
ない。PCやタブレットのカメラには、最低必要以外は緑色丸形シールを貼
り遮る。遠隔操作で覗かれ監視されない為である。以前アマゾンサイト
で、PCの有る部屋に、置いてる物の広告が急に増えた。訝しく思うと、ど
うもPCカメラの向きの方角に、それが有る事に気が付く。偏執病ぽいが、
Facebook創設者マーク・ザッカーバーグも個人用PCのカメラにシールを貼
る(原始的方法だが最も有効)。Googleがスマホ使用者を欺き、位置情報
を取る報道もある。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022012500358&g=int

 アップルのiPhone以外の、スマホのOS(オペレーションシステム)はア
ンドロイド、つまりGoogleの開発である。(興味のある方は、「犯罪捜査
にも使われるスマホの位置情報機能、記者の7年間の行動が丸裸に 自宅
や職場、趣味まで特定される」と入力して検索)。阿呆な陰謀論信者に
限って、現実の個人情報駄々洩れには無防備である(苦笑)。PCなどで、
「広告ブロッカー」や「トラッカー対策」ソフトを使うと、自分の見るサ
イトと全然関係無いのに、Google、Facebook、Twitter、などが執拗に追
跡する状況が分かる。特にGoogleはかなりしつこい。
 Googleは検索履歴をIPと結び付け、位置情報を取る。IPを変えても、個
人特性判別「フィンガープリント」を作り世界中追跡。それは、デバイス
(端末)や使用ブラウザ、拡張機能、入力場所、検索内容の傾向、入力個
人情報からだが、特にスマホを使うと丸裸。GAFAなど商業ベースでそうな
ら、米英露や中朝など国家は、スパコンで相当個人情報を蓄積。先月テレ
ビ出演した、サイバーセキュリティ─専門家は、(地下では)旅券、運転
免許書、マイナンバーなど、個人情報が日々ダークウェブで売買されてお
り、何と自分の個人情報も発見したという(笑)。
 (「ディープステート」を仮定すると、ディープステートや示唆する言
葉をネットで書けば、家族を含め全て個人情報を、スパコンで特定、サー
バーに蓄
積、徹底的監視される。一度書くと絶対消せない。もしそうでないなら、
所詮は暇人の娯楽「陰謀ごっこ」である。おらは「陰謀(現実の諜報工
作)」と「(初めに陰謀ありきの)陰謀論」を分ける。陰謀工作は、具体
的で、実行集団、期間、予算があり無駄が無い。諜報機関はその専門家で
ある。逆に陰謀論は、真偽混じり、無責任で、内容を無限に書き換え可能
な「文学」である。露助は陰謀論文学の天才である)。

 とは言え、個人情報取られても面白くない。「脱Google」をする向きに
は、ブラウザに「Google chrome」を使わない事。替りは「Microsoft
Edge」で良いが、オープンソースの「Firefox」や「Brave browser」、
ダークウェブにもアクセス出来る「Tor browser」が有る。検索エンジン
は「Google検索」の替りは多数有るが、検索履歴を残さない為に
「DuckDuckGo」や「Startpage」や「(欧州IPが必要な)Qwant」がある。
電子メールで「Gmail」は便利だが、Googleアカウントがオンで「Google
検索」や「YouTube」を使うと、個人情報が紐付けられ永久に残る。 
 方向音痴ながら、本題へ戻る(笑)。
巡礼は、無人駅北鎌倉駅から。一番目の(鎌倉五山序列第二位)『円覚
寺』で「神仏の使い」台湾リスを見て、二番目の(同序列第四位)『浄智
寺』、三番目の敷居の高い(同序列第一位)『建長寺』へと続く。大勢行
列の『鶴岡八幡宮』を横目で見て、(バスで向う)四番目の(同序列第五
位)『浄妙寺』で、「期せず」熱いほうじ茶を頂く。浄妙寺からは、再び
京急バスで(交通規制の)鶴岡八幡宮近くのバス停で降り、第三鳥居の前
を通ると、食堂で冷たい蕎麦と天丼の昼食を食べる。鎌倉蕎麦は有名らし
いが、すぐ三時を過ぎる。
 閉門の四時までに、最終地点に間に合うかと重い足で歩く。第五番目は
(鎌倉五山序列第三位で)臨済宗建長寺派『寿福寺』である。元々源頼朝
の父である源義朝の旧邸跡に建てられた。北条政子の墓が在り参ろうとし
たが、崖崩れで通路が塞がれ、迂回したが墓の場所が分からず。北条政子
は霊になっても気難しい(笑)。全ての「臨済宗の鎌倉五山」を回り達成
感に満ちたので、鶴岡八幡宮に戻る。五時閉門までに何とか間に合う。機
嫌良く第三鳥居に向かうと、「奴ら」が居る。糞耶蘇共である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BF%E7%A6%8F%E5%AF%BA
 「奴ら」は、初詣で賑わう各地の有名寺社に集団出没。「悔い改めよ」
「地獄に落ちるぞ」「死後に裁きに遭う」「イエス以外に救いは無い」な
ど、不気味で異様な黄色いプラカードを何本も掲げメガホンで喚く。神道
や仏教という、日本古来の多神教に対し侮蔑した、明らかな「ヘイトス
ピーチ」である。だが、交通規制や警備する警官らは、全く取締らず見て
見ぬふり。どこの国の警察か。在特会が朝鮮学校前で同じ事を行うと、警
察は実力阻止するが、神仏信仰に対する糞耶蘇共のヘイトは「表現の自
由」か。明治神宮正門前の原宿駅近辺でも見た。
https://yukashikisekai.com/?p=79515

 耶蘇教は、「ユダヤ人が創り、ユダヤ人が広め、しかもユダヤ人耶蘇を
神とする」世界最大の邪教である。糞耶蘇共は秀吉が磔刑にし、徳川がマ
リア像や絵を散々踏ませたが執拗に湧く(笑)。それにしても、何も寺社
前でこれ見よがしにヘイトせずとも、布教なら渋谷か新宿でやれと怒りが
起こる。大体耶蘇共は皆死んだ魚の様な目をして直ぐ分かる(笑)。だ
が、少し冷静に見ると、嬉々として振袖で着飾る女性らなど若者も、子連
れで幸福一杯の家族も、信心深いお年寄り達も、糞耶蘇共が「透明人間」
の如く全く視界に入らぬ(爆笑)。
 流石多神教の懐の深さは、一神教の糞耶蘇共の偏狭で卑しい心性に動じ
ない。それにしても、連中は靖国神社前に良く居るエホバの証人(非耶蘇
国イスラ
エルでは集会禁止)かな、統一教会、あるいは在日韓国人のカルトだろう
か。まともな日本人に耶蘇は居ない筈だが(笑)。調べると、宮城県の米
国系福音派の「聖書配布協力会」と分かる。寒い中で、誰にも相手にされ
ず、無視どころか「透明人間」扱いで、いくら日本の神仏と非耶蘇国民を
呪ってもノルマのパンフを受け取って貰えない(失笑)。人の好いおら
は、哀れに思い日英訳の新約聖書を受け取ってあげる(笑)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%96%E6%9B%B8%E9%85%8D%E5%B8%83%E5%8D%94%E5%8A%9B%E4%BC%9A
 三十年以上前に膨大な寄付を集めた「酒池肉林」のテレビ伝道師が問題
になったが、米国福音派はメディアを効果的に活用する。現在も衛星放送
やネットを
利用して国外でも、世俗化した欧州や南米や韓国などアジア諸国で信者を
急増する。東日本大震災後しばらくして、ある国でおらが遇ったニュー
ヨーカーは得意げに、「何で日本が大地震に遭ったか知ってるかい?理由
は(神罰という含みで)日本政府がイスラエル国に対し冷淡だからだよ」
と断言。おらが怒ると当惑したが、別の場所で、全く同じ話を豪州人から
聞かされる。おらは「どこか司令塔が有る」と感じた。
 福音派有力説教師が衛星放送かネット番組で主張したのか。また、おら
はオランダ人やドイツ人など、世俗化欧州を批判する米国流福音派にも遇
う。彼ら
は毎年キリスト教徒が増える韓国を非常に評価する。逆にキリスト教の全
然増えない、日本に非常に批判的である(米国保守派と韓国宗教界のパイ
プは奥深く侮れない)。聖書根本主義の福音派は、旧約聖書のエゼキエル
書や新約聖書の黙示録の預言を絶対起こる事と確信し、ロシア大統領プー
チンを「神に叛くマゴグの地のゴグ」と見做す。ウクライナ危機でも「キ
リストの再臨近し!ロシアを撃て!」とイケイケである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B0%E3%81%A8%E3%83%9E%E3%82%B4%E3%82%B0

 また、本題に戻す(笑)。
鶴岡八幡宮で閉門直前まで行列に並ぶと、参拝出来そうで来た甲斐が有
る。上空を見上げると、鷹が優雅に上空を舞う。流石に頼朝創建の鶴岡八
幡宮。鷹を放し飼いかと夢想。目前にはベビーカーを引く外国人夫婦が居
る。夫は頭に被り物を巻く。故アラファト大統領と同色カフィアだ。パレ
スチナ人だ。イスラム教徒かクリスチャンアラブか謎だが、(彼らの忌み
嫌う偶像崇拝の)神社で何だろう。まさかテロとか。むむむ。ドキドキす
ると彼らの順番が来る。夫はベビーカーを持ち上げ階段を上がる。夫婦は
そのまま本殿で賽銭を入れ拝礼。何だ?
 日本在住者に見えるが、まさか一神教を捨て背教し神道に改宗とは考え
難い。夫婦はおみくじに消えて行く。交換留学生か招聘学者で、日本滞在
中に(正月
に家に居ても退屈だし)日本文化を理解する為に日本人と同じ行動を取っ
たと想像。子供は小さいが、経験であり、アトラクションである。良い意
味で多文化主義だろう。おらも拝礼を終え御札を買い、巫女さんに「鶴岡
八幡宮では(神の使いの)鷹を放し飼いしてるの」と聞くと、「あれは鳶
ですね。三浦半島に多い害鳥です」と言われ、またへこむ(笑)。八幡宮
を第三鳥居から出て参道を歩き鎌倉駅へ向かう。(終)
  (道楽Q)

2022年02月07日

◆岸田文雄内閣が国際社会に果たす歴史的使命

               加瀬 英明
 
 10月に、岸田文雄内閣が発足した。

 同じ10月に、ワシントンにある著名なシンクタンクの上級研究員で、
ジョンズ・ホプキンズ大学国際政治学科のハル・ブランズ教授が、『世界
の眠れる巨人である日本が目覚めつつある』という論文を発表して、米国
で注目を浴びた。

 教授は「日本はこれまでも世界史の進路を大きく変えてきたが、前大戦
後貪ってきた惰眠から覚醒しようとしている」といって、安倍晋三内閣を
継いだ菅義偉内閣と岸田文雄内閣が、「これまでと変わらない(モア・オ
ブザ・セイム)と見るのは 誤りで、日本は脱皮しようとしている」と説いた。

 この大きな要因が、深刻化する中国の脅威と、米国にいたずらに依存す
ることができなくなったためであり、安倍首相が「開かれた自由なインド
太平洋」戦略を提唱したことを賞讃している。

 そして、日本が「普通(ノーマル)の国としてよみがえることによって、
米国にとって地理的な条件と、経済、軍事、技術力、民主的な価値観を共
有しており、英国と並ぶ重要な同盟国となろう」と予想している。

 日本はこのところ「台湾有事」という言葉が、重くのし掛かっている。

 日本を城にたとえれば、台湾は城門にあたる。城門を破られれば、落城
する。日本と台湾は一蓮托生の関係にる日本は二百十数年ぶりに、第二
の幕末≠迎えている。

 幕末には日本の岸辺に米英仏、ロシアなどの白人帝国主義の外夷が、大
津浪のように押し寄せ、国論が尊王攘夷か、開港かに分裂した。

 中国の習近平主席は機会あるごとに、台湾を「回収」すると、野望を露
わにしている。

 日本は中国が台湾に侵攻した場合に、現行憲法の解釈のもとでは、自衛
隊は後方支援を行うことしかゆるされない。そうなれば、日米安保体制が
崩壊してしまおう。台湾有事は、日米有事となる。

 日本は第2次大戦に敗れて、米国の保護下に置かれてから、江戸260年を
再現したような泰平を貪ってきた。

 “平和呆け”と呼ばれてきたが、戦後、日本の周辺が平和であったこと
は、一度もなかった。
米国による“保護呆け”を、患ってきたのだ。
平和呆けと保護呆けは、まったく違うものだ。

 岸田首相は就任すると、安全保障、憲法改正に意欲を示して、防衛計画
を改定するかたわら、防衛費を増額し、それまでタブーとされてきた敵基
地攻撃の能力の保有を検討することを指示し、党本部に置かれていた「憲
法改正推進本部」を「憲法 改正実現本部」と改 するなど、矢継ぎ早や
に打ち出した。脱兎のごとく 走り出したが、息切れしないだろうか。

 自民党も、日本が危機に直面していることを、認識している。先の衆議
院選挙で、公約としてGDP1%以内に留まっていた防衛費を、2%まで増や
すことを掲げた。
いまや、岸田首相の双肩に日本の安危がかかっている。

 果敢な指導力を発揮することを、大いに期待したい。
首相は歴史的な使命を担っている。
中国の脅威が、日本の存立を危くしているのではない。
何よりも現行の日本国憲法が、日本の存立を脅かしてる。

 現行憲法は非常識な最高法規だ。放置しておけば、日本は内部から瓦壊
しよう。首相と政府は声を大にして、国民に憲法改正を訴えるべきである。

 人間は最強の肉食獣として、食物連鎖の頂点に立っている。それだけで
はなく、途方もない浪費癖にとりつかれているために、戦闘と略奪を生業
としてきたが、同じ人間を天敵としている唯一つの生物だ。

 米国が日本占領下で無理強いした「日本国憲法」は、このような人類の
歴史を貫いてきた真理から、眼をそむけさせてきた。狂った憲法だとしか
いえない。

 私たちは日本を取り巻く国際環境が大きく変化して、第2の幕末≠ノ
直面していることを、覚らなければならない。

 もし、幕末に攘夷にこだわっていたとしたら日本は滅びて西洋植民地勢
力によって支配されていただろう。

 ところが、護憲派は戦後76年にわたる米国の軍事保護による、徳川時
代と同じ泰平の世にすっかり馴れて、いまだに日本国憲法を「平和憲法」
と呼んでいる。現行憲法は日本の平和を脅かす憲法だ。

 動物園で育った飼育動物や、野生動物の保護センターで育てられた幼獣
にたとえたい。野生を忘れ、天敵を知らないのに、よく似ている。

 護憲派は、幕末の頑迷無知な攘夷論者の生まれ変わりだ
吉田松陰(1830年〜1859年)は幕末の代表的な志士だった

 松陰は嘉永6(1853)年に、米国のペリー艦隊が浦賀に現れて、1年後に
戻るといって去ると「来春には必定一戦に及ぶべし」と予想した。

「しかるに泰平の気習(きならい)として、戦(いくさ)は万代の後迄も無き
ことの様に思ふもの多し。豈(し)(おろかの意)に嘆ずべきの甚だしさに
非ずや」と、慨嘆している


 松陰は幕府が「時代が翔(とぶ)が如く」激しく動いているのに、史上稀
にみる泰平の世が続いたために、具体的な対策をとろうとしなかったの
で、「一日の安を偸(ぬす)むの論盛んにして、君臣将子必戦の覚悟未だ定
まらず」と悲憤慷慨した。安 政の大獄によって投獄され、明治元年の9年
前に刑死した。

 松陰の言葉は、今日の日本にそのまま当てはまる。
いま、日本を囲む事態が翔ぶがごとく、激しく動いている

 松陰は西洋諸国の圧倒的な武力を前にして、「血気の勇のみ」をもって
対抗できないことを覚って、攘夷から開国へ転向して、嘉永8年に「航海
通市(開国)こそ国家の大計」であり、「鎖国は末世の幣政なり」と断じ
ている

 護憲派の平和の願いは、松陰がいう無謀な「血気の勇」に当たるだろう。

 護憲派は日本国憲法を、権現様(徳川家康のこと)が鎖国を定めた祖法
と同じように崇めており、いささかも改めてはならないと主張している。

 自衛隊をしぶしぶ認めているが、政府も「必要最小限の防衛力を整備す
る」という建前をとってきた。

 だが、愛する家族が重い病気にかかった時に、病院に「必要最小限の治
療をして下さい」と求めるだろうか。

 杉田玄白(1733年〜1817年)といえば蘭医学者で、『解体新 書』に
よって学校教科書にのっている。

 玄白は先人の優れた儒学者の荻生徂徠(1666年〜1728年)が、人体を戦
場にたとえて「地に嶮易あり、兵に強弱あり、備を立て勝敗を論す」と、
医学が兵学と同じだと説いているのに、国と人体は同じだと、目を開かれ
たと述べている。

 護憲派の男女に、玄白や、徂徠の著書を読んでほしい。
私たちは第2の幕末によって、試されている。
岸田首相は「聞く」よりも、国民に何をすべきか、「語りかける」指導者
となってほしい。

 まさか、我儘な国民に媚びる御用聞きの政治によって、政権を浮揚させ
ようと思っているのではあるまい。

 英国の知識人週刊誌『エコノミスト』が、12月に日本特集を組んで、
日本が再び「世界へ(イントウ・ザ・ワールド)」という見出しを組んで、
日本が世界の舞台に復帰
しようとしていると、論じている。日本が鎖国から、国を開こうと感じ
取っている。

 自民党の河野太郎氏広報本部長と公明党の山口那津男代表が、「敵基地
攻撃能力を保有」することを、「時代遅れの発想だ」といって反対してい
るが、軍事の常識から大き
く逸脱しており、理解することができない。

 2人は先の戦争末期に、「本土決戦」「一億玉砕」を絶叫していた、狂
信的な軍人に憧れているにちがいない。


            
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◆「屈辱だけは我慢できない」

【有本香の以読制毒】「屈辱だけは我慢できない」石原慎太郎さんが遺し
た言葉 大功績のタブー破りに触れないメディア 豊洲移転巡り糾弾した
小池都知事、何を思う 

「石原慎太郎氏逝去」の一報から、2日過ぎた。

いまから5年前、石原さんに初めてお目にかかって以来、私は多くの得難
い経験をさせていただいた。この場をお借りして、偉大な政治家、文士で
あった石原慎太郎さんに衷心からの感謝を申し上げ、ご家族の皆さまへの
お悔やみを申し上げたい。

一つ私的なことを明かすと、石原さんは幾度か夜中に電話をくださった。
大概、重要な用件はなく、政局や文学、世界史などの雑談をさせていただ
いた。親子ほど歳の違う私を「あなた」と呼んで(=不思議と『きみ』と
は呼ばれなかった)、「博識だなあ」「ちょっと相談したいんだけど」と
立ててもくださった。

石原さんを「女性差別主義者」などと罵(ののし)る人々がいるが、私に
はまったくピンとこない。

ところで、石原氏の功績を振り返るメディア報道を見ていて、妙なことに
気づいた。多くのメディアが「東京五輪招致」には触れるが、その財源の
始点となった「都の万年赤字財政健全化」の大功績には触れず、「朝鮮総
連施設への固定資産税課税」というタブー破りにも触れないのだ。これ
は、どういうわけだろう。

そして、もう一つ、メディアが触れないことがある。

私が石原さんに初めて会ったのは、2017年2月。仲介してくださったの
は、石原さんと付き合いの長い、幻冬舎社長の見城徹氏だった。面会の理
由は、前年夏からの「小池劇場」にあった。

16年夏、東京都知事に初当選した小池百合子氏は、唐突に、3カ月後に
迫っていた「築地市場の豊洲への移転」を延期すると宣言。その後、「3
代前の元職、石原慎太郎氏の豊洲移転決定に重大な疑義あり」と烈しく責
め立てていた。

当時のメディアは「小池応援」一色だった。「小池アゲ、石原サゲ」のた
めに、科学的にも法的にも安全そのものだった豊洲新市場をも、根拠なき
ネガキャンにさらした。やれ、「地下水の汚染」がどうの、「柱が曲がっ
ている」「土地購入の利権が…」と、連日ガセネタで、元都知事の石原さ
んを大罪人であるかのように糾弾し続けた。

小池都知事小池都知事


その結果、脳梗塞の後遺症に苦しんでいた石原さんは、「罪状」すらはっ
きりしないまま、17年3月、都議会の百条委員会(=地方議会の裁判と呼
ばれる)にまで引っ張り出されることとなる。

私は騒ぎの当初から、「小池氏の移転延期の決定の方が誤りであり暴挙、
石原さんの移転の裁可は英断だった」と主張し続けた。しかし、当時出て
いたテレビのワイドショーで石原擁護をしたのは、ほぼ私一人。常に完全
アウェーだった。そんなある日、石原さんと面会が実現したのである。

当時、この経緯の一切を、私は拙著『「小池劇場」が日本を滅ぼす』(幻
冬舎)にまとめたが、不思議といま、石原氏を振り返る番組などで、数カ
月間に及んだあの「バカ騒ぎ」に触れる局はない。あれから5年がたち、
豊洲移転延期の判断ミスも、「東京五輪の会場見直し」の混乱の責任も問
われず、小池氏は楽々再選を果たした。その彼女が、カメラの前で神妙な
調子でこう述べていた。

豊洲市場豊洲市場

「(石原氏の)多くの都政における功労に対して敬意を表し、また謹んで
お悔やみを申し上げたい」

2日には、安倍晋三元首相ら政界の重鎮が石原邸を弔問する様子が報じら
れるなか、小池氏の姿もあった。元職逝去にあたり、現職が悔やみの言葉
を述べ弔問するのは当たり前のことだが、私は正直、違和感を覚える。あ
のすさまじく執拗(しつよう)な個人攻撃が、まるでなかったかのように
振る舞う小池氏とメディアはいま、一体何を思うのか

くしくも、石原さんが旅立った日、国会では、中国における人権問題に関
する「決議」が衆院で可決された。もともと、「対中非難決議」と略称さ
れていたものだが、文中に「中国」という国名も「非難」の単語もなく
なった文書を、もはやどう呼ぶべきかも分からない。

「私は屈辱というのだけは我慢できないんだよね」

5年前の初対面の日、絞り出すようにこう言った石原さんの表情が脳裏に
蘇る。闘う政治家、石原慎太郎がこの世を去り、日本の政治中枢に残った
のが「骨抜き文書」1枚。国会がダメなら、在野の私たちが闘いを継いで
いかねばなるまい。


有本香  ジャーナリスト
著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の
真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本
史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

夕刊フジ【zakzak】ニュース採録
           
        
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◆米国と距離を置き始めた湾岸諸国

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月4日(金曜日)
     通巻7207号 

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米国と距離を置き始めた湾岸諸国。欧米から中国へ乗換え
  米はアジアピボット、欧州は原油節約し、EVとガス重視へ
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 米国が中東重視からアジア重視へ基軸を転換させたのは、米国内の
シェールガス開発などが勢いづいたため中東石油への依存度を減らし、輸
出国となったからだ。
 ちなみに2000年の米国とサウジの貿易額は206億ドルだった。2020年
に、それは210億ドルと二十年間に微増しただけだった。

 対称的にサウジアラビアと中国の統計を見ると、中東、とくに湾岸諸国
全体から中国は826億ドルの原油を買い付けていることが世銀統計から 判
明している。
 2000年は僅かに31億ドルだった
 2020年には671億ドルに撥ねあがっていた。およそ、20倍である。

 2022年初頭、サウジアラビア、バーレン、カタール、オーマンの政 府
高官が北京を訪問した。湾岸諸国首脳が米国より中国を重視している姿
勢があらわになった。
 一方で米国はサウジアラビアに対してイエーメンとの戦闘をやめるよう
勧告し、またハウシをテロリストリストから外した。サウジは静かに怒っ
たようだ。

 中国は監視カメラやハイテクの通信機器、防諜装置などを湾岸諸国に提
供し、彼らの反政府運動監視に全面協力をなし、ますます米国との関係に
楔を打ち込んできた。
    
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  書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
BOOKREVIEW 
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 自由とは保守与党に組みすることではない
  権力と最後まで闘ったジャーナリストの猛者がいた

  ♪
小野耕資『陸褐南 (筆一本で権力と闘いつづけた男)』(K&Kプレス)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 国粋主義、福沢の論敵、自由主義を日本流に解釈し、身を粉にして唱え
つづけ、他方では子規や佐藤紅緑や、長谷川如是閑を育てた陸褐南(くが
かつなん)は赤貧に死す。
 有名な逸話は正岡子規を預かり、生活から療養費、葬儀まで面倒を見た
ことだろう。天才の俳人、その才能を見出したのは夏目漱石だが、その活
躍の紙面を与え、自由に書かせたのは陸褐南(褐は「羊」篇)だった。子
規は終生恩人として敬愛した。
 陸褐南の名を現代日本人で知る人は少ないだろう。
かつては丸山真男も司馬遼太郎も注目した。同期には志賀重昂、中江兆
民、杉浦重剛、三宅雪嶺ら錚々たる明治の言論人がおり、後輩には山路愛
山、佐藤紅緑ら、最後まで生活の面倒を見たのが正岡子規。
 論敵は福沢諭吉だった。西洋かぶれと誤解したのだろう。
 政治家で支援者は谷千城、品川弥次郎、近衛篤麿、三浦悟楼らが居た。
とくに谷千城ほど波瀾万丈の豪傑は稀だが、軍人から政治を志し、陸の
『日本』を強く支援した。谷が国粋主義に転じたのは西欧を見て、自らを
反省したからで、軍人生活から政治に人生を変えた。貴族院議院、学習院
院長を拝命した。この国粋主義の風雲に、陸褐南と知り合って、胴元の一
人となった。
陸褐南が主催した新聞「日本」が、最初に社会認知されたのは条約改正に
反対の言論だった。
明治二十二年、大隈重信系といわれた『郵便報知新聞』が改正を是とする
キャンペーンを始め、『東京公論』(星亨系)と『東雲新聞』(主筆・中江
兆民)が反対論。「日本新聞」には反対派の論客・活動家が集結する一大
ロビィとなった。
その甲斐あって(?)日本新聞は八回も発行禁止処分となった。結局は来
島恒喜の大隈外相爆殺未遂事件で、条約は流れ、内閣は総辞職となった。
来島は、その場で自刃した。
在野には頭山満、内田良平ら壮士たちが大活躍していた。
執筆の動機を著者の小野氏が言う。
「世は小泉純一郎内閣で構造改革の嵐が吹き荒れていた。(中略)弱肉強食
的新自由主義路線にはどこかモヤモヤした違和感があった。これが正しい
日本の方向性とはどうしても思えなかった。そんな時に陸褐南を知り、雷
に打たれたような衝撃を受けた。今後の日本の目指すべき政治、言論の在
り方を示して貰ったような気がしたのだ。褐南の同胞愛の精神、それこそ
が現代日本人にかけている精神ではないだろうか」。(114p)。

陸褐南は詠んだ。

真弓にも 征矢にもかえて とる筆の あとにや我は 引き返すべき

『梓弓』ではなく真弓である。
 梓弓は神事儀式に用いられ、和歌では枕詞。真弓は戦闘用の箭に転用で
きる。
新聞『日本』は明治二十二年から八年間で三十回、合計二百三十日もの発
行停止処分をうけるほどの反権力ジャーナリズムであった。国粋主義、自
由主義だが、政府に絶対に阿らなかった。だが停刊は収拾源を直撃するか
ら経営は至難の技となり、あちこちに借金を重ねた。
この反権力の姿勢が甦った。
陸褐南の精神を継続せんとして、南丘喜八郎氏が『月刊日本』を創刊し
て、はや四半世紀。その発行元のK&Kプレスが本書を刊行したのも陸褐
南のもつ磁力に引きよせられた縁だろう。
          
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読者の声  どくしゃのこえ   READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)クリスマスの商業化はアメリカに始まったというが、昭和
30年代の子供の頃は靴下のプレゼントとクリスマスケーキの日だった。当
時の大人にとっては銀座で大騒ぎする時代だったらしい。
 アジアでもフィリピンなど10月ともなればクリスマスを考えソワソワ
し、12月にはクリスマス一色。タイでも12月にはショッピングモールにツ
リーが飾られデパートからコンビニまでサンタの衣装であふれることにな
る。日本と違うのはツリーが年が明けても撤去されず、たいていは2月の
中国正月まで使われる。それでもお祭り騒ぎ(バカ騒ぎ)では4月のソンク
ラーン(タイ正月)に到底かなわない商業イベントにすぎない。
 ユダヤ系金融の総本山とも言うべきロンドン。ディケンズの小説「クリ
スマス・キャロル」は1843年に書かれた。1970年のミュージカル映画
(Scrooge)は中学時代。単なる強欲な守銭奴と思っていたがどう考えても
ユダヤ人の話。英語サイトを見たらエベニーザ・スクルージ(Ebenezer
Scrooge)という名前が典型的なユダヤ人とある。
 改めて見直したがやはり面白い。
クリスマスイブの夜に商店や露天商、人形芝居にまで借金を取り立てに行
く。原作では共同経営者であるジェイコブ・マーレイ(こちらもユダヤ人
名)の葬儀に
おいても、彼への布施を渋り、まぶたの上に置かれた冥銭を持ち去るほど
の強欲ぶり。欧州には冥銭や地中海地方の邪眼などキリスト教と関係ない
迷信・習俗も多いが、キリスト教は欧州各地の土俗を取り入れたから聖書
と矛盾することも多いし矛盾の塊ともいえる。映画は強欲を戒め慈善と隣
人愛と感謝の気持ちで人生を謳歌することを強調するが、改心したスク
ルージが山のようなプレゼントを用意するところなど商業主義でもある。

 戦前のユダヤ研究家の本によるとユダヤ教の寺院では重要な宗教行事と
もなると座席は入札で金持ちが前列に座ることになる。
航空会社の座席が繁忙期に高くなるのと同じ、一種のオークションだが、
何ごとも金力がものをいう。商業的ユダヤ人としてはクリスマスで儲け、
宗教的ユダヤ人としてはクリスマスに反対する。スクルージは19世紀の改
宗ユダヤ人として映画では1860年の設定になっている。南北戦争と明治維
新が同時期なのは武器商人の視点にたつとリビアや中央アジアの革命さわ
ぎが同時期なのと同じかもしれない。強欲な金貸しのスクルージをロス
チャイルドを筆頭とするユダヤ金融の暗喩として描いた映画と見るのは勘
ぐりすぎかもしれない。
 20世紀後半の映画なのでクリスマスツリーも赤い服のサンタもでてく
る。三人の幽霊に導かれ、過去・現在・未来の自分の姿を見せられ改心す
るが、英国のクリスマスらしく飲んで歌って踊ってと賑やか。あの世の描
かれ方が日本人にとってまったく違和感がない。オスカー・ワイルドの
「幸福な王子」も日本で人気があるが、ツバメが王子とともに天に召され
るとかキリスト教としておかしくはないか、などと考えるのは野暮という
もの。
欧米では今でもペットに遺産を残す金持ちがいるしスコットランドやアイ
ルランドは妖精で有名。英国はオカルト好きでもありハリー・ポッターの
国なのだ。

 貧困にまみれた少年時代を過ごしたディケンズ。産業革命期のロンドン
を描いたこの小説が書かれた時代のアメリカ、清教徒の末裔がつくった
ニューイングランドでは1856年にクリスマスが合法化されるまでクリスマ
スの日に仕事を休むと罰金だったという(連邦政府の祝日になったのは
1870年)。
こうした土壌でユダヤ人がつくったエホバの証人だとかユダヤ人団体はク
リスマスに反対し、公立図書館から反ユダヤ的と勝手にレッテルを貼った
書籍の撤去を要求する。アメリカは面倒な国になったものですが、LGBTに
汚染されることのなかった時代の映画を見るのも良いものです。
 蛇足ですが、映画では大きな七面鳥がでてくる(グーグル翻訳でター
キー:トルコを七面鳥と訳すのは改善してほしい)。
英国は慢性的なCO2不足(医療・食品・産業用)で夏はビールの消費が増え
ればCO2が足りず、冬は天然ガスが高騰し、肥料工場が操業停止、副産物
のCO2不足から七面鳥(CO2で気絶させる)もクリスマス用の花 (温室でCO2
を使う)も高値となった。欧州圏は人権擁護から動物の権利擁護まで進
み、オーストラリアやスイスではロブスターを生きたまま茹でるのが禁止
された。
屠殺において眉間を打つ方法や喉を掻き切るのは禁止の国がふえた。なの
でイスラムのハラールやユダヤのコーシャ肉も北欧圏での屠畜は禁止とさ
れている。
 食文化の違いは面白いもので、ウイグルでは肉の鮮度を示すために店頭
に屠畜した頭を掲げる(羊頭狗肉の意味がわかる)のはさすがに少なかった
が、脚を掲げる店は多かった(屠畜用の生きた羊が店の前にいる)。日本の
大きな水槽を備えた活魚・活造りの店と思えばいいのかもしれない。
 基本的に内蔵肉や馬肉を食べない英国(イングランド)では馬肉入コン
ビーフが大問題になった。
食文化の違うスコットランドは羊の内蔵肉であるハギスが有名。アメリカ
でも牛タンなどブロックでは売っている店もあるが基本的に食材と見なさ
ない。ハラール肉は日本では冷凍肉で輸入されているが、動物の権利を盾
にした政策は、欧州での合法的なイスラム・ユダヤの原理主義者排除政策
なのかもしれない。(PB生、千葉)

  ♪
(読者の声2) 本日(2月4日)午前1100−1200の生番組「フロ
ント・ジャパン」は、葛城奈海さん「石原慎太郎氏の再評価」。宮崎正弘
さん「さようならGAFAM、こんにちはメタバース」でお送りします。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651
  (日本文化チャンネル桜)

2022年02月06日

◆【変見自在】未だ戦争中

                高山 正之 

 米軍の沖縄攻略戦は昭和20年4月に始まった。
本土を爆撃するB29の発進基地としてだけではなく、米国は戦後の極東戦
略の拠点としてここを確保する気だった

 米国領に沖縄インディアンは要らない。制圧は徹底していた。米軍は戦
艦10隻を含む177機による艦砲射撃で島の形を変えてから18万殺戮部隊が
上陸した。

 敵は日本軍だけではなかった。生き物はすべて殺していった。浦添や島
尻では女も子供も関係なしに村民の3分の2を殺した。

 国吉では生き残った村民のうち男は並べて片端から銃殺していった。

 激戦地の宜野湾市では国際法で禁じられていたイベリットを大量に使用
した。毒ガスは防空壕にも流れ込んで女子供も死んだ。

 イ・イ戦争の折にこの糜爛(びらん)剤を浴びた将兵を野戦病院で見たこ
とがある。

 被爆した部位は大きく水膨れし、はじけると赤く爛れた肉が剥き出しに
なる。吸い込むと喉も気管支も爛れる。

 苦しんだ末に肺浮腫で死ぬか肝臓の壊死で死ぬか。最も残酷な毒ガスだ。

 49万島民のうち12万人が死んだ。4人に一人が殺された計算だ。

 蛮行は終戦後も続く。彼らは1万人以上の女を犯した。6歳の永山由美
子まで犯され、殺された。

 沖縄県人は身内の誰かを殺され、妻か娘を犯された。

 その慟哭も聞こえないようにトルーマンは「太平洋及び極東戦略を鑑
み、沖縄を米国領に編入する」大統領令を出した。

 沖縄県民は鬼畜にも劣る連中を同胞として、ともに「おoh say can you
see」と歌えというのか。

 日本は悪い国だから東京で10万を焼き殺し、広島長崎に原爆を落とした
のは正しいと思えというのか。

 そんな偽善の国の民になるなんて真っ平御免だ。俺たちは日本人だ。

 米側はそんな思いに頓着なく、まず焼け野原に立派な都市づくりを始めた。

 名古屋に100メートル道路を作った田淵寿郎を呼んだが、島民は「街中に
滑走路を作る気か」と拒んだ。

 三代目高等弁務官のポール・キャラウェイは十分な予算を組んで、ハワ
イやグアムに勝る「豊かで魅力的な米軍基地の島」の建設を企図した。

 沖縄政財界はそれも拒んだ。企業助成や新規投資に下し置かれた金は
プールして仲間内で処理した。簡単に言えば使い込んだ。

 最新の医療機器やストレプトマイシンなどの高価な医薬品は本土に横流
しした。

 いつまで待っても成果が出ないのを怪しんだキャラウェイが査察を入
れ、その不届きを知って激怒した。

 琉球銀行の頭取以下全役員をクビにしたが、それでも腹の虫は治まらな
かった。「沖縄の自治など神話だ」と島民への愛想尽かしを公言した。

 この顛末がニクソンをして沖縄の米国領化を諦めさせた。「戦略拠点は
必要だが出来悪の民はいらない」

 かくて民だけを返す施政権返還が実現した。
島民の思いは半分じつげんしたが、まだ基地は残る。
で、宜野湾市民が立ち上がった。普天間基地に隣接して小学校を置いた。

 ある市民は滑走路の先に40メートルの鉄塔を建てた。米軍機が引っかかれば
大事故になる。小学校は燃え、国際非難が集中する。

 我が子ですら沖縄奪還の殉教者に供する。民は家族ぐるみで米国と戦っ
ている。

 ただ問題はある。本土の連中は未だマッカーサー憲法を墨守し、戦力不
保持を補う安保に縋る。沖縄の米軍基地の存在を正当化する根拠にされて
いる。

 押し付け憲法を捨て、戦前の強い日本軍の再興を図れ。そして罪深い米
国の基地を追放したときに、沖縄の民の戦いは終わる。

 しかし支那も手先の在日もそれは望まない。彼らは沖縄の民の味方を
装って「米軍基地出ていけ」を叫ぶが、アホな憲法は守れという。それに
朝日新聞も立憲共産党も乗っかる。

 両者が乗った「オール沖縄」が惨敗した。民の思いを勝手に歪めたからだ。


〈新潮社編集部より〉

高山正之氏の本紙連載が、文庫になりました。

『変見自在 習近平は日本語で脅す』(定価605円)絶賛発売中。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 採録





            
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◆開戦前夜/16 習近平独裁で先が見えない中共の危うさ

“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/427(2022/2/3/木】多摩川べりのサイクリング
コースでは空に毎日のように銀色の飛行体を見る。長さは1mほど、小さ
な飛行船みたいで、一般的なドローンとは違う。交通情報でも収集してい
るのかなあと思ったが、川べりには大した道路はない。趣味で誰かが飛ば
しているのかもしれない。しかし趣味で毎日飛ばすか?

国交省京浜河川事務所のサイトをのぞいたら「多摩川上空でドローンを飛
ばせる場所は少ない」とあった。一方でユーチューブには多摩川上空から
のドローン撮影映像が結構紹介されている。小さな“飛行船”がゆっくり飛
んでいるのは東名高速の橋、国道246の橋、大山街道の橋(旧246)、第3
京浜の橋などがあるところだから、川の上空を飛ぶドローンが万一橋の上
に墜落したら大事故になりかねないので、それを抑止するため監視してい
るのかもしれない

監視=抑止・・・国防のイロハ、一丁目一番地だろう。備えあれば患いな
し。日本は十分に備えているか? 中近東ではドローン戦争も当たり前に
なってきた。欧州ではプーチン・ロシアが威嚇し、アジアでは習近平・中
共が虎視眈々と覇権を狙っている。激動期だ。日本の当面の主敵は戦狼餓
狼の中共である

中国を拠点に主に日系企業の法務・労務・税務などに当たっている国際弁
護士、村尾瀧雄氏の論稿「中国憲法前文を読み、現在の中国の行動を理解
する」2022/1/29はなかなか刺激的だった。氏は熱烈な中国ファンである
が、主な顧客は日系企業だろうから、クライアントの日系企業には「中国
の今」を正確に伝え、アドバイスするのも当然の仕事になる。氏曰く

<おそらく中国憲法前文を1回も読んだことがないままに、マスコミ諸氏
が「先富論」から「共同富裕論」への歴史的転換の意味を曲解して報道し
ているように思われ、何時も強烈な違和感を覚えます。そこで、この問題
に関しては、論文も書こうと思う一方で、論文を書いても、その種の難解
な文章は読んでくれない方々も多いので、以下、昨年11月に実施したセミ
ナーのレジュメを共有しますので、ご興味のある方は是非、ご一読くださ
い。「先富論」から「共同富裕論」への歴史的転換は1982年憲法前文に組
み込まれた既定路線であり、そこまで大騒ぎするほどのものか、と思う次
第です>

中国憲法の上に絶対的権力者として中国共産党が君臨しているから、人民
支配を目的とした憲法を読んだところで少なくとも小生には「タダの紙っ
切れ」としか思えなかった。曰く、

<中国は、独立自主の対外政策を堅持し、主権と領土保全の相互尊重、相
互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵及び平和共存の5原則を堅持して、
諸国家との外交関係及び経済・文化交流を発展させる。また、帝国主義、
覇権主義及び植民地主義に反対することを堅持し、世界諸国人民との団結
を強化し、抑圧された民族及び発展途上国が民族の独立を勝ち取り、守
り、民族経済を発展させる正義の闘争を支持して、世界平和を確保し、人
類の進歩を促進するために努力する>

書いていることとやっていることが真逆。つまり村尾氏は「中国は表と裏
がある、私のセミナーのレジュメも現状をストレートには書けない、そん
なことをすれば罰せられる、そこを忖度して読んでくれ」と言っているわ
けだ、小生の解釈では。

氏のレジュメをざっくり読んだが、確かに「罪を問われないように曖昧な
表現」が多く、分かりにくい。以下は氏の論稿の一部だけだが、分かりや
すく日本語に“翻訳”してみた

<1992年、中国は計画経済を廃止し、社会主義市場経済を採用、翌年には
米国に経済発展への支援を求めた。この時代は「自力更生」どころかアメ
リカ及びその他の外資への全面依存という「他力本願」に依存した時代
だった。

前年の1991年にソ連が崩壊し、米ソ冷戦が終わったことを受け、米国は、
中国経済を発展させれば、いずれ中国は西欧型民主主義を希求する、とい
う期待があったのだろう。2001年のWTO加盟効果もあり、習近平政権にな
る2012年までの20年間、アリババやテンセントなど民営企業の躍進により
中国経済は急速な大発展を遂げた。福祉目標も「小康水準」から「小康社
会の全面建設」に切り替わった。

その結果、1人当たりの名目GDPは1万ドルを超えた程度ではあるが、国家
としての名目GDPは米国の4分の3に至り、2027、28年には米国を超えると
予想されている

「小康社会の全面建設」が達成されると、なぜこれ以上(西側との)妥協
の産物である資本主義による「先富論」を続けるのか?という疑問が生じ
てくる。これが社会主義的な「共同富裕」への歴史的な転換を促した。ち
なみに「共同富裕」と「先富論」はセットになっており、いずれもトウ小
平が打ち出したものであり、真新しい概念ではない。


中国が国力を増すにつれ(習近平政権は)、米国など外資に依存する「他
力本願」的モデルから、毛沢東由来の「自力更生(自力本願)」、外交で
は妥協的な「韜光養晦」から「戦狼外交」へと大きく舵を切り、本来の社
会主義的な「共同富裕」を並行的に進めるようになった。共産党を唯一の
指導政党とするシステムの堅持、内政引き締めこそが目標であり、外から
内政に干渉させない、というのが西側から見れば(威嚇的な)「戦狼外
交」に映っている。

「米中摩擦」の本質は何か。アメリカは中国経済の大発展に助力したが、
中国の政治システムが(民主化に向かわず)中共一党独裁を堅持したまま
であることに失望し、1992年以降「中国=異質な国家」との認識を高め
た。アメリカに匹敵しつつある強大な国力を持つ中国は、衝突こそ望まな
いが、貿易面では激烈な競争を繰り広げるべきライバル国家と位置づけざ
るを得なくなった、ということだ

トランプ政権下(2017〜2021年1月)で始まった「米中摩擦」は、この認
識が米国議会でも共有され、それが長期にわたるだろうことは中共も認識
していると思われる。シナリオは概ね以下である。

1)嫌中派のシナリオ:中共が人民の信頼を失い、動乱が起き、(複数の国
家に分裂し)欧米と価値観を共有する国家群を形成する。

2)親中派のシナリオ:中共が「共同富裕」化を達成し、人民の信頼を強
化、国力を増大させる。米中衝突を避け、中国は極東を含めたアジアの盟
主に、米国は南北アメリカと欧州の盟主になるという、2大国による分割
統治が現実化する。

外資に依存して発展するという他力本願の「先富論」(豊かになれる者か
ら豊かになれ)から伝統的な「自力更生」へ回帰する「共同富裕」の流れ
の中で見ると、「米中摩擦」は日系企業、現地企業にとって貿易面での影
響は無視できず、中国国内でも懸念する見方はある。

本質的懸念は、「先富論」の勝者である民営企業とその創業者に限らない
反対勢力があることだ。彼らは「共同富裕」の動きに対して一見、従順を
示しつつも、その実は面従腹背、本音では強烈な反対に回りかねない。外
国からは決して見えないが、北京における伝統的な権力闘争を超えた、
「先富論」堅持派と「共同富裕」推進派の闘争が、国内不安を惹起する恐
れがある。

習近平が集団指導体制から離れ、強い一人のカリスマリーダー型モデルに
転換を図ろうとするように見えるのも、既得権益を守ろうとする「先富
論」堅持派の強烈な反対をものともせず「共同富裕」の推進を図るためで
あるかもしれない。

もっともこのプロセスでは、政策決定と実行までに猶予期間を設けると、
反対勢力に付け込まれる隙を作る懸念があり、政策決定があると直ちに実
行するという、これまでとは根本的に異なる拙速すぎる動きが見られる。

従来は、政策公表→ 法律法規への反映→ 施行後の十分な周知期間の確保ま
たは一部地域での試験的実施の先行→ 全国レベルでの本格的施行、という
透明性があったが、今ではそれとは違う動きが顕著になっている。このた
め企業は予見可能性のある複数年度にわたる事業計画立案が困難になって
いる。

このように行く先に霧が立ち込め、視界が悪くなっている時期の鉄則とし
て「積極的な投資は抑制し、既存の投資回収速度を速め、中国に対する投
資エクスポージャー(リスク)を可能な限り絞る」ことを心掛けるべきで
あろう、との教訓が導かれる

“翻訳”したものの、それでも奥歯に物が挟まったような物言い。幕末の江
戸では湯屋にも岡っ引きがいて、世間話で「ご政道が乱れているようで
困ったものです」と言っただけでしょっ引かれたというが、中共は文革時
代の時から凄まじい監視国家になり、中共から日本に逃げてきたハーフ女
性(父親がフランス人)は365日、24時間、家の出入りを監視されていた
という。今の中共は完全な監視国家に“進歩”した。嫌な国である。

中共とビジネスをしている在中外国人は常に言動に注意していないと拘束
や収監の恐れがある。そんな国と商売するのは「母国を捨てても中共命」
という思想のためか、あるいはカネ儲けのためか。日本を赤化したいの
か、それともカネを貯めて贅沢をしたいのか。強権独裁の習近平一派を排
除して14億が安心して暮らせる国にしてやろう、アジアから圧政を一掃
し、それなりにのんびり穏やかに暮らせるように応援しようとは思わない
のか?

日本の暴力団は警察の地道な努力で激減している。<警察庁のまとめによ
ると、全国の暴力団構成員や準構成員らの2020年末時点の人数は、前年比
2300人減の2万5900人。16年連続で減少し、統計が残る1958年以降では過
去最少となった>(nippon.com)

暴力団的な国家も周辺国が結束して封じ込めば必ずこける。ソ連は消え、
ロシアと北は最後の悪あがきをしている。「暴力を 追い出す力 みんなの
輪」「団結し みんなで排除 暴力団」「暴力団 恐れず追い出せ 地域の
輪」。マルクス系毛沢東組習近平一家を潰すべし。

           
        
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◆中国は名指しもされていないのに

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月3日(木曜日)
     通巻7206号 
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  日本の鈍すぎる政治 人権への懸念決議は空疎
中国は名指しもされていないのに、「深刻な挑戦だ」
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 国会衆議院は2月2日、中国の人権状況に懸念を示す決議を採決した。
ところが、中国を名指しせず、非難もしていない。「深刻な人権状況につ
いて説明責任を果たすよう強く求める」とあるだけ
これって、何か意味があるのかな。

 決議の表題は「新疆ウイグル等における深刻な人権状況に対する決議案」。
本文では、少数民族や民主派に対する弾圧が伝えられるウイグルとチベッ
ト、「南モンゴル」(内モンゴル自治区)、香港を列挙し、「国際社会か
ら懸念が示されている。人権問題は一国の内政問題にとどまらない」と指
摘している。
小学生が読んでも中国を指弾していることは了解できるだろう。

 ところが、決議は日本政府に対して、情報収集に努めるよう要請し、
「国際社会と連携して監視し、救済するため包括的な施策を実施すべき
だ」と訴えだだけの微温的なもので、「中国」「人権侵害」の文言がない。
 
 決議文を、これほど空疎で無内容にしたのは何党か、誰々か? 自民党
は連立相手を間違えているのではないのか。

 ところが、迅速な反応をしたのが北京だった。
中国は名指しもされていないのに、「深刻な挑戦だ」とした。外交部の趙
立堅副報道局長は採択が確定的となった2月1日の談話で早くも、「乱暴
に内政干渉し極めて悪質だ」と批判し、対抗措置を仄めかした。
    
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 吉田ドクトリン、永井陽之助、そして岸田政治を論ずる
  珍しい鈍感さをしめす岸田政権は本当に大丈夫なのか?

田久保忠衛 v 櫻井よしこ『宿命の衝突 ニクソンショックから50年』
(ビジネス社)
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 痛快な内容、爽快な読後感。読む前から結論が分かっているような錯覚
もあるが、討論内容は濃く、豊富で示唆に富むばかりか、今後の日本の運
命を考える上での基本的な考えかたが何かを懸命に探っている姿勢である。
 主要なテーマは勿論、わが国最大の脅威チャイナについてだ。
 中国はアメリカを騙し続けたが、日本を騙すのは極めつきに簡単だっ
た。中国が一を言えば、十やってくれる中国の第五列がメディア、学界ば
かりか、国策を決める国会議員に山のようにいるからだ。
 したがって中国にものを言った安倍晋三や高市早苗を高く評価し、「め
ずらしい鈍感男」と言われる岸田政権を、軟らかく、しかし辛辣に批判す
る。そもそもこの首相には、自分の言葉がない。信念がない。エリート意
識しかない。憲法改正に消極的であり、核武装には距離を置くセイジヤで
ある。
 日本の運命をこの小心翼々で貴公子のような政治家に任せて本当に大丈
夫なのか。
 外交を司る外務省も問題で、バイデンを歓迎しているというのだ。田久
保氏が関係者をまわって聞いたところ、バイデンに「不安を言った人は、
ひとりもいません」
 米国も分裂状態は悲惨で、歴史はズタズタにされ「白人が悪い」という
自虐的な左翼史観が蔓延しだしたことに櫻井氏は強い懸念を表明している。
 本書の要諦は「百年に一度」の世界潮流の大変化をいかに認識するかで
あり、日本は中国利権を捨て、自由と民主主義を守る戦いのため、決然と
しなければいけないとする覚悟を説く。
 過去五十年、アメリカが揺らいで大きく衰退し、その隙に中国が立ち上
がった。日本は、その恐ろしさに気づくことさえできれば、道が開ける。
自らの運命を切り拓くことが可能になると訴えるのである。
 本書の中で所謂「吉田ドクトリン」の主唱者となった永井陽之助に、奇
しくもふたりが時を同じくしてインタビューしたという箇所があって、
えっと小声をあげた。実は評者(宮崎)も、永井氏が北海道から東工大教
授となって東京にこられた時に、すぐにインタビューに行った。
そのときの秘話をひとつ。永井教授は表では決して口にしなかったが、じ
つは核武装論者だった。
 さて。御二人の討論にも二回出てくるうえ、大河ドラマにもなっている
鎌倉武士が元寇をしりぞけたことは知られている。ところが武士の戦いぶ
りはスルーされ、「神風」が伝説化した。
これは事実とは異なって、「神話」のたぐいであり、嵐が来たのは壱岐、
対馬までモンゴル軍が撤退したときに台風並みの嵐に遭遇し、多くの船が
沈没したというのが実態。
 博多から西海岸に上陸した蒙古兵を鎌倉武士は、弓と武闘で迎撃し、敗
退させた軍事作戦の妙があった。
 その五百年も前に筑紫から唐津、松浦半島にいたるまで防塁を築き、太
宰府の前衛に水城を突貫工事でやりとげ、一貫し防衛に邁進した防衛のシ
ステムが大いに役立ったのである。
 それは白村江の敗戦によって日本が挙国一致でなした防衛システムの構
築であり、天智天皇と天武天皇の国策であった。元寇を敗退できたのは、
その恩恵システムが残っていたことも裨益した。
 ついでに言えば白村江は、当時のノモンハンと比喩できるかも知れず、
勝敗は五分五分。日本は負けたと感じたが、新羅も唐も局地戦では日本の
水軍を敗退させたものの全体で勝利したという意識はなく、日本が必ず報
復にくると恐れ、戦後、新羅は何回も日本に朝貢し、唐も外交使節団を玄
界灘に派遣して様子をさぐりに来た。
 というのも、後衛部隊を率いた阿倍比羅夫は、2400名の百済の王
族、官僚、匠をのせて帰国したからである。つまり日本で百済亡命政権を
作ったと、新羅と唐は判断した。それは国際政治の常識というものだろ
う。ちょっと脱線でした。
        
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読者の声  どくしゃのこえ   READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)貴誌前号、石原慎太郎さん関連です。石原さんはヨット乗
りで、たしか、アメリカ本土とハワイ間のトランスパックというレースに
参加されたはずです。
私もある年代、結構ヨットに乗っており、海上で石原さんのヨットとすれ
違ったことも何回かありました。
今、あまりその面で何かを書く人がないので筆を執りました。
(関野通夫)



  ♪
(読者の声2)過日、貴誌で紹介のあった「中国牛鬼蛇神録」(楊小凱
著、集広舎)の感想です。
 この本の題を見るとおどろおどろしいが、内容は深い。中共批判の本は
いろいろあり、被害者の立場から見たものは、「上海の長い夜」、「ワイ
ルド・スワン」などがある。この本は著者(楊小凱)の回想で支配階級出
身の高校生の若者が、文革の大混乱の中で、必死に状況を理解しようと考
え行動し、当初は毛沢東やマルクスを読むが、政治の実態が違っているこ
とに気づいてゆく。
これは毛沢東は初めから共産主義者では無く大盗賊だったという見方を知
ると解決する。毛沢東は冷酷狡猾な現実主義者だった。
文革は共産党内部の権力闘争だった。平等な社会をつくる共産党など存在
しておらず、共産主義思想や毛沢東思想は妄想、共産党は思想を看板にし
た虚構、そして統治の実態は私利私欲の暴力犯罪だったのである。
 著者は若くして牢屋に入れられ、いろいろな人に会う。この人物回想は
本書の魅力であろう。中共の国民も普通の人間であり、正しい政治を望ん
でいるのだ。
著者はその後米国に渡り経済の専門家として学識を深めるが、濠州で肺ガ
ンで死去した。優秀な人であった。
   (落合道夫)



   ♪
(読者の声3)早速、御新刊の室谷克実さんとの共著『なぜ韓国人は国を
捨てるのか』(ビジネス社)を拝読しました。
類似韓国論のなかで、まったくユニークで文化と国民性を掘り下げておら
れ、半分は吹き出しながら、なんという国かと驚きながら、さてはて、こ
れが韓国の真実の姿であるとすれば、哀れみの感情さえ湧いてきました。
 韓国政治や経済を正面から批判する本が沢山並んでいますが、大上段か
らではなく、裏側から、横合いから観察した韓国論ですので、意表を突か
れるばかりでした。
   (KR生、さいたま市)



  ♪
(読者の声4)貴誌通巻7196号(読者の声1)と同7198号(読者の声3)
と7203号(読者の声3)の続き。7203号の拙文で、「他に江戸の霊的守護
なのが、鬼門の『浅草神社』と、裏鬼門の『増上寺』である」という箇所
は、正しくは「他に江戸の霊的守護なのが、鬼門の『(東京都台東区)浅
草寺』及び『(東京都千代田区)神田明神』と、裏鬼門の『増上寺』であ
る 」の間違い。
 (第二十六代)継体天皇の宮殿「樟葉の宮」跡のある『交野天神社』訪
問の記憶から、失意の惟喬親王が日没を惜んで『日置天神社』を建てた平
安の皇族狩場「禁野」の交野ヶ原への夢想と続き、意識は古代日本の戦略
上重要位置に在る、男山の『石清水八幡宮』上空を彷徨う。
そして古(いにしえ)の武士(もののふ)八幡太郎義家を想いつつ、正月
二日の「臨済宗鎌倉五山巡礼の旅」へと、やや無理やりに話を繋げる(笑)。
 破壊と復興・繁栄の昭和から、「世紀末」と「ミレニアム末」を経た、
二十一世紀日本で流行るもの。渋谷のハロウィン狂騒とサッカーサポー
ターの跳梁跋扈だが、地味に節分の日の恵方巻きがある。最近はコンビニ
でなくスーパーでも見かける。
「恵方」とは、陰陽道で年の福徳を司る神「歳徳神(としとくじん)」の
居る方角である。鉄道の発達する明治時代まで、日本には(方角無視の)
「初詣」は無く、江戸時代の正月は居住地から、恵方の社寺に参詣するの
が「恵方詣り」という習わしである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%B3%E5%BE%B3%E7%A5%9E
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%B5%E6%96%B9%E8%A9%A3%E3%82%8A

 (「バブル世代」以降の世代には、ハロウィンやサッカー騒動に違和感
を感じる向きもある。だが、バブル時代でも耶蘇誕生祭前夜には、高級ホ
テルのフレンチは予約満員で、余興に讃美歌コーラスを聞き快い気分に
浸っても、「クリスマスって何だっけ?」が普通で(苦笑)、聖バレンタ
インの日に女性からチョコレートを貰うと、ホワイトデーでマシュマロを
返すとか、訳の分からぬ習慣に乗れる人と乗れない人が居るのは、世代差
の所為だけでも無い(「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら、なんちゃ
ら」とは名言である)。
 これらは全部、ケーキ会社、チョコレート会社、マシュマロ会社など、
日本人の伝統的味覚の西洋化・国際化を推し進めんと欲す、資本主義者の
陰謀である。
同様に「初詣」の習慣も伝統的方角感覚を失わせんと欲す、鉄道会社カル
テルにより「作られた」、デコレーションケーキ同様の「日本文化破壊計
画」だと、陰謀論を説く者なら是非見抜いて欲しい(笑)。独占的製菓会
社カルテルなどの背後には、きっと国際金融資本の影がある「かもしれな
い(爆笑)」)。
 江戸で恵方詣りが正月に行われたのに対し、上方では恵方詣りは節分で
ある。関西の人が正月参りに行くのは明治以降の話なのだ。(因みに、キ
リスト教圏では耶蘇生誕祭よりも、耶蘇磔刑後の「復活祭」の方が遥かに
重要である。12月24日の夜に聖地エルサレム旧市街は(二つ理由が有る
が)人の気が全く無い、もぬけの殻である)。
 前回、京の都の(表)鬼門の霊的守護の比叡山延暦寺(と坂本日吉大
社)、裏鬼門の霊的守護の男山の石清水八幡宮の構図を、(現東京の)江
戸にも移植
して、表鬼門の霊的守護の東叡山寛永寺と裏鬼門の霊的守護の赤坂日枝神
社(に加えて、表鬼門の神田明神と浅草寺、裏鬼門の増上寺)という構図
が在る。さらにその背景に天台宗と山王神道が有ると書いた。また、江戸
の表鬼門の延長の日光東照宮の本殿から参道を真っ直ぐ伸ばすと、寛永寺
に届くという「仕掛け」もある。ここまでは良いが、「武士の都」鎌倉で
鬼門・裏鬼門の霊的守護の寺社の話は聞かない。
 
 整理すると、(上方)比叡山延暦寺→東叡山寛永寺、(上方)坂本日吉
大社→川越日枝神社→赤坂日枝神社、(上方)日吉東照宮→日光東照宮、さ
らに(九州)宇佐神宮→(上方)石清水八幡宮→鶴岡八幡宮と、需要な寺社
は上方から下方(関東)へ一方的に移植。
英国から植民地の米国東部ニューイングランドに、プリマス
(Plymouth)→ニュープリマス(New Plymouth)、ハンプシャー
(Hampshire)→ ニューハンプシャー(New Hampshire)、ジャージー
(Jersey)→ニュージャージー(New jersey)、など母国の地名を付けた
のと似ている。
 つまり京都の朝廷や公家の意識からすれば、東国は「植民地」なのであ
る。実際に(初代)神武天皇東征以来、(第百二十一代)孝明天皇まで、
歴代天皇は関東に足を踏み入れた事は無い。
(第百二十二代)明治天皇ですら、東京行幸後に京都に「お帰り」にな
る。東京に御陵が在るのは、(第百二十三代)大正天皇と(第百二十四
代)昭和天皇のみである)。宗教的に鎌倉時代の「坂東武士達」は、臨済
宗や曹洞宗など簡素な禅宗を好んだが、京都のエスタブリッシュメント
が、真言宗や天台守など密教(や山王神道)と関係深いのと対照的である。

 年始のテレビで、本郷和人東京大学史料編纂所教授が、(京都大学出身
の)国際文化研究センターの井上章一所長と歴史論争をした。本郷は鎌倉
幕府は京都朝廷とは「別政権」という「二つの王権論」を主張。井上に鼻
で笑われる。調べると、鎌倉幕府を(西日本を中心とする王朝国家)朝廷
から独立した別個の中世国家と見なす学説である「東国独立国家論」が、
故佐藤進一東大史料編纂所教授に提唱されている。対して、京大出身の学
者らは朝廷や公家、寺社勢力、武家の相互補完関係の「権門体制論」とい
う学説で反論して現在に至る経緯がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%9B%BD%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E8%AB%96
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A9%E9%96%80%E4%BD%93%E5%88%B6

 本題に戻る。巡礼は、駅員の居ない北鎌倉駅から始まる。最初は(鎌倉
五山序列第二位)臨済宗円覚寺派大本山『円覚寺』で、飛び回る「神仏の
使い」の台湾リスを見る。次に(同序列第四位)同円覚寺派『浄智寺』、
三番目に敷居の高い(同序列第一位)同宗建長寺派の大本山『建長寺』へ
と続く。間に禅寺と対照に大勢行列の『鶴岡八幡宮』を見て、(バスで向
う)四番目の(同序列第五位)同建長寺派の『浄妙寺』で、「期せず」熱
いほうじ茶を頂く。(7198号で「古いタイプの大きな湯沸かしポットが二
つ」と書いたが、正しくは「魔法瓶が二つ」で訂正)。
 7198号の宮崎先生のコメントで、恩師故林房雄氏の墓が鎌倉に在ると
あった。
調べると、生前の住所が(神奈川県)鎌倉郡鎌倉町浄明寺宅間ヶ谷(現在
の鎌倉市浄明寺二丁目八番地)とある。おらが訪れた『浄妙寺』の場所で
ある。川端康成も隣人である。彼らもモダンな京急バスに乗り、浄妙寺で
ほうじ茶を啜っただろうかと夢想(笑)。地名「浄明寺」が『浄妙寺』と
字が違うのは、格の高い寺に住民が敬意を払ったかららしい。
  (道楽Q)

2022年02月05日

◆現下日本は“第2の幕末”に直面している

                加瀬 英明

  昨年は中国が台湾を「回収」すると叫び、「台湾有事」が流行言葉(は
やりことば)となるなかで、オミクロン株の出現によって重苦しい歳末と
なった。

 中国の海警船が日常のように尖閣諸島の領海を侵犯するなかで、中国の
脅威が日本に重くのしかかっている。だが中国の脅威が日本の平和を危ふ
くしている、最大の要因ではない。

 日本国民は現行の日本国憲法こそ、日本の平和を危ふくしている、もっ
とも深刻な脅威であることを認識しなければならない。

 改憲論者は米国が占領下で日本が主権を失っていた時に、現行憲法を強
要したのは国際法に違反しているとか、多くの欠陥があると糾弾している。

 私には日本が対日講和条約によって独立を回復して以来、69年も一言
一句改めないできたのか、どうしてなのか説明できない。私は幼いころか
ら動物好きだったから、世界の生物のさまざまな特徴や習性に、関心をい
だいてきた。

 読者諸賢は「地上最強の肉食獣」といえば、きっとライオンや、虎を連
想されることだろう。この答えは間違っている。人間が最強の肉食獣とし
て、食物連鎖の頂点に立っている。

 私たちは毎日のように牛豚鶏羊肉や、魚介類に舌鼓をうっている。その
うえ人間は途方もない浪費癖にとりつかれているために、戦闘と略奪を生
業としてきた。
人間は同じ人間を天敵としている、唯一つの生物である

現行の日本国憲法は、鎧(よろい)に当たる軍の保有を禁じることによっ
て、このような人類の歴史を貫いてきた真理から眼をそむけさせている。
狂った憲法だとしかいえな
い。現行憲法は国家の基本法に価いしない。国際法に違反しているより
も、自然法に違反している。

 米国のレーガン大統領は、米ソ対決の冷戦下で、ソ連のゴルバチョフ書
記長と4回にわたって首脳会談を行った。当時の発言録によれば、両巨頭
がアイスランドの首都レイ
キャビクで会談した時に、レーガン大統領が「もし、いま宇宙人が地球に
攻めてきたとしたら、われわれはきっと全ての対立を忘れて、団結して戦
うだろう」と軽口を叩いた
ところ、ゴルバチョフ書記長が「もちろん、そうする」と答えて、笑った
と記録されている。

 だが、コロナウィルスによるパンデミックの大襲来にもかかわらず、ア
ジア、ヨーロッパにおける対立は、いっそう激化するようになっている。

 私たちは国をあげてコロナウィルスと戦うのとともに、わが国に仇(あ
だ)なす外国勢力の脅威を斥けなければならない。仇なすは敵対して害を
加えることを意味している

 私たちは、“第二の幕末”に直面している。幕末に隙あれば日本を支配し
ようとする、西洋帝国主義諸国の船が近海に出没し、国論が攘夷か、開港
か、真二つに分かれた。

 攘夷派は「権現様」と呼ばれた、徳川家康公が慶長8(1603)年に江戸
幕府を開いた時に定めた国法を、祖法と崇めて攘夷に固執した。今日の護
憲派に当たる。

 吉田松陰は危機が刻々と募るのに、国民が徳川二百数十年の泰平の世に
慣れて、「太平の気習(きならい)として、戦(いくさ)は万代の後迄もなき
との様に思ふもの多し」と、憤っている。

        
       
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◆雀庵の開戦前夜/15 岐路の中国:習近平排除か亡国か
“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/426(2022/2/1/火】1、2か月に1度ほど大型書
店「文教堂」の政治・外交ジャンルの棚をチェックし、世間の動きを知る
ようにしている。本のタイトルと著者を見れば大体、右巻き、左巻き、中
間の区別ができるが、左巻きの本は佐高信と岩波(日共)の各1冊がある
くらいで、左派≒アカの凋落は予想以上に著しい。日台侵略を狙う中共の
暴政にまったく異を唱えない立憲共産党が支持を失っているのと同様で、
GHQや共産主義に洗脳された団塊世代と共に左派は消えていくだろう。そ
れは多分、先進国、民主主義国の潮流ではないか。

毛が搗き 小平捏ねし 天下餅 一人で腐らす 習近平

毛沢東曰く「戦争は別の手段による政治の継続である。政治が一定段階ま
で発展し、もうそれ以上従来通りには前進できなくなると、政治の途上に
横たわる障害を一掃するために戦争が勃発する。障害がすっきり一掃され
ないうちは、目的を貫くために戦争は継続されるべきである。従って、政
治は血を流さない戦争であり、戦争は血を流す政治である」。

習近平は夕べもこの一節を読みながら眠りについたのだろう。あるいは
レーニンの「革命党の規律はプロレタリア前衛の献身、忍耐、自己犠牲、
英雄主義による。勤労大衆に接し、結びつき、必要に応じて溶け合い、正
しく導かねばならない。まずは運動と実践の苦しい経験を重ねて党内の規
律を固めるべし」も読んだか。

中坊というか「正義、純粋大好き」の赤色青少年、習近平は長じてますま
す病膏肓、諫める人を次から次へと粛清しまくったから、最早ブレーキが
利きそうもない。キチ〇イに権力・武力・・・一人で勝手に自爆してくれ
と世界中が思っているのではないか。まったく悩ましいことである。

中国は共産党一党独裁の「資本主義半分、共産主義半分」の経済である。
ガチガチの共産主義独裁経済では国力が発展しない、とトウ小平が資本主
義を導入した。「建国の父」が毛沢東なら、GDP世界2位に導いた「発展の
父」はトウ小平である。関 志雄 (C. H. Kwan)野村資本市場研究所シニ
アフェローは「トウ小平氏が描いた共同富裕への道筋」でこう書いている。

<「一部の人、一部の地域が先に豊かになれ」というトウ小平氏の「先富
論」は有名だが、これは「最終的に(国民が)共に豊かになる」ことを目
指す「共同富裕論」の一部にすぎない。

実際、トウ小平は1992年初頭に湖北省・広東省・上海など、南部地域を視
察した際に行われた「南巡講話」において、「先富」から「共同富裕」へ
の道筋について、次のように述べた。

「社会主義の道を歩むのは、ともに豊かになることを逐次実現するためで
ある。その構想は次のようなものである

すなわち、条件を備えている一部の地区が先に発展し、他の一部の地区の
発展がやや遅く、先に発展した地区が後から発展する地区の発展を助け
て、最後にはともに豊かになる、ということである。もし富めるものがま
すます富み、貧しいものがますます貧しくなれば、両極分化が生じるだろう。

社会主義制度は両極分化を避けるべきであり、またそれが可能である。解
決方法の1つは、先に豊かになった地区が利潤と税金を多く納めて貧困地
区の発展を支持することである。もちろん、それを急ぎすぎたら失敗して
しまう。いまは発展地区の活力を弱めてはならず、『大釜のメシ(悪平
等)』を奨励してもならない。

いつこの問題をとりたてて提起し、解決するか、どのような基礎の上で提
起し解決するかは検討する必要がある。今世紀(20世紀)末にまずまずの
水準に達したとき、この問題をとりたてて提起し、解決することが考えられる

その時になれば、発展地区は引き続き発展し、利潤と税金を多く納め、技
術を移転するなどの方式で未発達地区を大いに支持すべきである。未発達
地区はたいてい資源に恵まれており、発展の潜在力は極めて大きい。要す
るに、全国的範囲に考えて、われわれは必ず沿海と内陸部の貧富の格差と
いう問題を一歩一歩スムーズに解決できる」>

共産主義の規律と資本主義の効率性を一歩一歩上手く塩梅すれば格差是正
はできる、とトウ小平は諭しているわけだ。関 志雄氏はこれを受けて
「共同富裕を目指す中国 カギとなる農村所得の向上と二次分配改革」で
こう論考を進めている(一部)。

<計画経済の時代の平等主義に伴う弊害を打破すべく、トウ小平氏は「先
富論」を旗印に、平等よりも効率を優先させる「改革開放」政策を推し進
めた(上記の南巡講話)。40年余り経った今、総じて国民生活は改善され
てきたが、所得格差は拡大してしまった。格差の是正を目指して、2012年
11月の中国共産党第18回全国代表大会を経て誕生した習近平政権は、「共
同富裕」を経済発展の目標として前面に掲げるようになった。

同政権の下で、中国は貧困人口約1億人を全て貧困から脱却させ、国際連
合の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の貧困削減目標を10年前
倒しで実現した。しかし、都市部と農村部の間、地域の間、各所得層の間
の三つの格差は依然として大きい。中でも、都市部と農村部の間の格差
は、他の二つの格差の原因にもなっているだけに、農村所得の向上が、政
府にとって最優先課題となっている。

2021年8月17日に習近平総書記が主宰した中国共産党中央財経委員会第10
回会議では、「共同富裕は、社会主義の本質的要求であり、中国式現代化
の重要な特徴である」と位置付けられ、「人民全体の共同富裕の促進を、
人民のために幸福を図る力点とし、党の長期執政の基礎を不断に打ち固め
なければならない」としている。

共同富裕を実現するために、「市場主導の一次分配」、「政府主導の二次
分配」、そして「道徳に誘導される三次分配」(民間による寄付、公益事
業)の果たすべき役割が強調されている。中でも、財政と社会保障制度改
革を通じた「二次分配」の強化に寄せる期待が大きい。

2020年の中国における1人当たり可処分所得は、全国では32,189元(1
元=18円として58万円)に達しているが、農村部では17,132元(31万円)
と、都市部の43,834元(79万円)の39.1%にとどまっている。

中国では、所得格差以上に、資産格差が大きい。中国人民銀行がまとめた
調査報告によると、中国における都市部の世帯平均資産残高は317.9万元
(5700万円)、主に実物資産で、住宅がその7割近くを占めており、住宅
の所有率は96.0%である。

農村部については家計資産に関する信頼できるデータがないが、農村部で
は住宅の転売が厳しく規制されており、住宅価格が都市部より遥かに低い
ことを考えれば、都市部と農村部の間の資産格差は、同所得格差以上に大
きいと見られる。

中国経済は、これまで平等よりも効率を重視した結果、高成長を遂げた一
方で格差が拡大してしまった。今後、効率よりも平等を重視することによ
り、格差が縮小する一方で成長は鈍化するだろう。特に警戒すべきは、行
き過ぎた再分配政策の実施が、人々の労働と投資の意欲を抑え、経済の停
滞と「共同貧困」を招きかねないことである。

これらの課題を克服し、共同富裕という目標を達成するために、市場の活
力を最大限に生かしながら、公平かつ透明なルールの下で各階層の利害関
係を調整し、政策運営に当たってうまく効率と平等の間のバランスを取る
ことが求められる>

「市場の活力を最大限に生かしながら、公平かつ透明なルールの下で各階
層の利害関係を調整」・・・習近平が今盛んにやっていることは「市場の
活力を削ぐ」「金持ちを恫喝して委縮させる」、さらに「自由民主主義、
人権の圧殺」「周辺国への軍事威嚇」である。結果的に国民は委縮し、世
界も「つける薬なし」と距離を置き始めた。

小生はこのところ農業に詳しい川島博之氏の著作「戸籍アパルトヘイト国
家・中国の崩壊」を読んでいるが、氏は50回以上も訪中して中国の農村の
実態を観察している。著書には「“食糧危機”をあおってはいけない」
「“作りすぎ”が日本の農業をダメにする」などがある。現在はベトナムを
代表する財閥企業「ビングループ」のMartial Research & Management 主
席経済顧問を務めているが、論文サイトのJBプレスにも寄稿している。

<「バブル崩壊から台湾侵攻へ、中国が描きかねない悪夢のシナリオ 中
国の分断から見る恒大集団問題の深層」JBプレス2021/10/13:中国の不動
産大手である恒大集団が崖っぷちに立たされている。9月23日と29日にド
ル建て社債の利息の支払いを見送ったとされ、中国では30日間の猶予があ
るとされるが、デフォルトは避けられないと思われる。

中国政府はこの問題にどのように対処するのであろうか。それを考える一
助として戸籍制度が作り出した中国の分断について説明したい。

中国人は都市戸籍を持つ人と農民戸籍を持つ人に二分されている。原則と
して農民戸籍を持つ者は都市に住居を持つことはできない。このことは日
本でもよく知られているが、実は、地方都市の戸籍を持っていた人が北京
や上海などの大都会に移り住んでも、マンションを購入することは現実的
には困難だ。もし購入しようと思えば、北京や上海などで働いてかなりの
額の税金を納める必要がある。それには、高収入の職を得たとしても10年
程度の時間が必要と言われる。

中国は大都市に不動産を所有する階層と持っていない階層に分断されてい
る。現在、中国政府は都市人口を8.5億人、農村人口を5.5億人としてお
り、都市人口は全人口の61%である。だが中国が改革開放路線に転じた
1978年の時点では、人口が9.6億人であるのに対して都市人口は1.7億人に
過ぎなかった。その割合は18%である・・・>

それが2011年あたりには逆転して都市人口が増える一方で、農村人口は減
る一方になった。川島氏は2022/1/14の「中国不動産バブルの定量的研究
(1)中国に『空きマンションが1億戸ある』は本当か?」でこう続ける。



<中国の不動産バブルの背景に戸籍問題がある。現在中国人は、都市 戸
籍を持つ人と農民戸籍を持つ人に二分されている。農村から都市に出て
きた人々は「農民工」と呼ばれて、二流市民扱いされている。彼らは子供
の就学や年金、保険などにおいて差別的な扱いを受けている。この十数年
で、このような差別的な制度はかなり改善されたとされるが、それでも都
市戸籍と農民戸籍の間には大きな隔たりがある。

都市の人口は1998年に4億人だったが、2020年には9億人になった。5億人
の増加である。一方、農村の人口は8億人から5億人に減少した>

都市化進み、農村が疲弊する・・・そう言えばBRICS(ブラジル、ロシ
ア、インド、中国、南アフリカ)の新興国が大きく注目されたのは2000年
頃だったが、今ではインド以外はなにやら「中所得国(中進国)の罠」に
陥ったような印象だ。「中所得国の罠」とは、多くの途上国が経済発展に
より一人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターン
や戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷するこ
とを指す(内閣府)。内田茂男・千葉学園理事長(元日経論説委
員)2020/11/27はこう解説する。

<開発経済学の分野で「中所得国(中進国)の罠」ということが言われてい
ます。一人当たりGDPが1万ドルを超えて2万ドルに到達する国は極めて少
ない、というのです。1万ドルを超えたあたりから人々の豊かな生活への
意欲が低下し、生産性の上昇が鈍化するからです。世界銀行によります
と、中国の一人当たりGDPは2019年でほぼ1万ドル(10,522ドル)です。ちな
みに日本は40,256ドル、アメリカ65,254ドルです。習近平指導部はこの罠
を突破するという目標を掲げているのですが、ハードルはかなり高いので
はないかと思います。

一人っ子政策は2015年に事実上廃止されたにもかかわらず出生率は上がる
どころか顕著に低下傾向にあるのです。所得水準の上昇によって女性の高
学歴化が進んだことなどが原因とみられています。労働力人口はすでに
2012年から減少に転じているという統計もあり、これらが経済成長の足か
せとなることは間違いないと思われます。

高齢化が進めば社会保障関連費が確実に増加します。中国の社会保障関連
費(教育、医療、年金)は2007年にはGDPの6.3%でしたが、2016年には
11.6%と倍増しています。国防費よりも速いスピードで膨張しているので
す。中国の前途はかなり厳しいと見るべきではないでしょうか>

マンションデベロッパーの恒大集団の破綻危機は、不動産開発や投機的な
不動産投資、需要を無視した道路、鉄道など公共インフラ事業によって牽
引してきた中国経済のバブル的危うさを象徴しているように見える。富め
る者と貧しい者の所得格差は10倍(中国統計年鑑2021)もあり、戸籍差別
の是正や税制改革などで徐々に中間層を育てていく必要があるだろう。

そんなことは毛沢東時代の「清く貧しく美しく」への拙速な回帰を夢見て
いるような習近平以外のテクノクラートは十分知っているはずだ。ボディ
ガードに囲まれた習近平一人を排除するだけで14億の明日は「普通の国」
へ大きな一歩を踏み出すことになる。しかし私利私欲、蓄財畜妾美酒美食
にどっぷりつかった民族にできるかどうか・・・そもそも骨のある政治家
や軍人がいるのか? 考えただけで溜息が出る。やはり包囲戦で弱体化さ
せ、内戦を促すしかないか。

        
━━━━━━━━━━━━━


◆デジタル通貨を取りやめ

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月2日(水曜日)
     通巻7205号 
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メタ(旧フェイスブック)がデジタル通貨を取りやめ
主要国中央銀行、「暗号通貨は主権国家の通貨発行権を脅かす」
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 メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)が主導したデジタル通
貨「ディエム」は取りやめることとなった。
 1月31日、ディエム協会は資産をシルバーゲート・キャピタルに1憶8200
万ドルで売却し、デジタル通貨の発行計画から撤退した。関与した役員も
殆どがメタを退社した。

2019年、フェイスブックはデジタル通貨「リブラ」の構想を発表し、
各国の通貨当局の反対に遭遇、とくに通貨発行は主権侵害になりかねず、
また利用者のプライバシー侵害にもつながると中央銀行から強い抵抗に
あった。

 フェイスブックは会社名をメタに改称したうえ、デジタル通貨の名称を
「ディエム」に、決済処理の電子財布も「ノビ」に変えて、 計画を大幅
に縮小したうえ、拠点をスイスから米国に移していた。

 メタのCEOマーク・ザッカーバーグは、仮想空間「メタバース」が
「モバイルインターネットの後を継ぐ」としたが、ディエムの資産を売却
したため、以後、どのような取引形態となるのか、すでにメタバースで
は、デジタル製品・サービスの売買の多くは暗号通貨でなされている。

 またグーグル(アルファベット)も司法当局から独禁法違反、プライバ
シー侵害などで提訴され巨額の罰金を支払ったが、2021年第三四半期の売
り上げを予測より増大させ、753億ドルだったと発表した。主として検索
エンジンへの広告、クラウドコンピュータが伸び、オンラインショッピン
グと結びついたそうな。
 GAFAMの一角で対称的な動きが出た。
     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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【知道中国 2324回】                 
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港206)

       △
 その瞬間が曽妹との初の顔合わせであり、それから3年ほど続くことに
なる沙田での、いま振り返って見ても長閑で珍妙としか言いようのない
日々の始まりであった。

 初めての沙田での夜である。昨日までのネオン耀く九龍市街とは違い、
文字通り漆黒の夜空にキラキラと星が瞬いている。電気を消すと、そんな
夜空と同じように部屋の中も真っ暗になった。九龍では味わうことの出来
なかった暗く静かな夜にシンミリしたのも束の間、暗闇のアチコチからガ
サ、ガサ、ガサと異な音がする。はて何事か。

耳をすますと、我が部屋のみならず家全体がガサ、ガサ、ガサ。そのう
ちにチュー、チュー、チュー・・・まさしくネズミである。その気配から
察して、どうやら1匹や2匹ではないらしい。

そう分かると薄気味が悪くなってきて、身体を覆っていた毛布を慌てて頭
の先まで引き上げ、身体全体をスッポリと包み込んだ。ネズミの襲来に備
えるためだ。

 ガサ、ガサ、ガサは続く。ネズミが毛布の中に入ってくるかもしれな
い。とにかく気になって仕方がない。仕方がないと諦め気味になったが、
やはり眠れるわけがない。「日本仔歓迎」の儀式にしては些か手荒すぎな
いか。それにしても迷惑千万な歓迎振りだ。

 とはいえ、なんとか眠ろうと努める。やがて・・・ウト、ウト、ウト。
するとどうだ。こんどは窓もベッドも震わせるかのようにガタゴト、ガタ
ゴト、ピーーーッ。けたたましい音を立てて列車が疾駆する。九広鉄路の
貨物列車である。
ネズミに負けず劣らずの凄まじいばかりの歓迎振りだ。じつは庭の外れの
10メートルほどを線路が走っているわけだから、大袈裟ではなく枕木の隣
で寝ているような心地である。タマッタものではない。

 ガサ、ガサ、ガサ。チュー、チュー、チュー・・・ウト、ウト、ウ
ト・・・。ガタゴト、ガタゴト、ピーーーッ。
 
沙田での、そんなけたたましい一夜が明けた。
睡眠不足の眼をこすりながら洗面所へ。すると、どうしたことか昨日置い
ておいた新品の石鹸が鋭く削り取られている。ネズミの仕業である。ネズ
ミに食べられたのである。

そこで早速、イチバン強力なネズミ捕りを送ってくれるように、父親に
手紙を書いた。
待つこと半月ほど。待望のネズミ捕りが届いた。するとどうだ。効果はバ
ツグンである。ガサ、ガサ、ガサが次の日にはガサ、ガサに減り、数日で
チューとも言わなくなった。

ネズミ退治に取りかかって数日が過ぎた頃、曽妹が怪訝そうに「おい、
日本仔、こっちに来て見ろ!」と。彼女の部屋を覗くと、ネズミの死体が
ゴロゴロしている。「昨日も今日も、この有様だ。いったい、なにを、ど
うしたんだ」。そこで拙い広東語で事情を説明すると、「そんなに効く薬
なら使わせろ」である。

これが彼女に日本製品を取り上げられた最初だった。住み始めてから2 か
月ほど経った頃のことだ。「おい、日本仔、大きな爪切りはないか」と
「ご所望」である。
たしか日本から持ってきた大型があったはず。そこでアチコチ探している
と、曽妹は机の引き出しを指差して、「ここにあるじゃないか」。確かに
爪切りはそこにあった。部屋の入り口の大型南京錠を掛けていたはずだか
ら、彼女が入れるわけはないのだが。どうやら彼女は合鍵を持っていて、
私の不在時に部屋に入って日本仔の所持品を点検していたらしい。油断も
隙もあったものではないが、ここでカーッとしたら負け。

 かくして、その時から部屋の入り口だけではなく、机もタンスもカギを
掛けないことにしてノーガード。「使いたいモノがあったら自由にどう
ぞ!」であった。

 些細なことに目くじら立てて小にしては曽妹との、大にしては日本と香
港との「友好関係」に波風立てるのは、やはり得策ではない。爪切りやハ
サミなど持参した日本製日用雑貨は、いつしか曽妹の管理下に置かれるよ
うになっていた。損して得取れ!
     
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
読者の声  どくしゃのこえ   READERS‘ OPINIONS
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1)国内政治は野党の酷さばかりが目立ち、自民党が相対的に
マシという立ち位置。
菅直人元首相は維新にヒトラー発言で喧嘩を売ったはいいが、維新から
抗議をうけるや大阪都構想に理解を示すかのような発言。学生時代は4列
目(すぐ逃げられる)の男といわれ、政治家としては第5列(裏切り者)、も
うそろそろ葬列だろうと揶揄されている。

戦前のユダヤ問題研究家の本では大正時代の欧州で日本が普通選挙を導
入したことに落胆するフランス人の話がでてくる。普通選挙が金権その他
で特定勢力に利用されることが明らかだった。大正生まれの父の話では選
挙で投票所から開票所までの途中で投票箱を奪うなど当たり前だったという。

アメリカの選挙も表向きは二大政党制だが、実質はどちらが勝っても裏
を仕切る大資本家などのいいなり、逆らえば暗殺されかねない。軍産複合
体の危険性を指摘したアイゼンハワーは大統領就任式で人気俳優によるカ
ウボーイの投げ縄をかけられた。単なる就任式のショーに見えて実は縄か
ら逃げられないとの暗喩だったのかもしれない。

アメリカのネットを見ていたら面白い指摘があった。日本がアメリカの
ポチといわれるようにアメリカはイスラエルのプードルだという。

アメリカの軍人がイスラエルのために中東で命を落とすことに反対する論
調。さらに言えばウクライナ問題など東欧系ユダヤ人の私怨にすぎない、
アメリカを巻き込むなとなる。イスラエルをつくったのはロスチャイル
ド、大株主の意見に逆らえない英米メディア。日本国内の論調だけでは見
えない世界がある。

世界の政治家の頭の中は日本の政治家がお花畑で異質なだけで100年前 の
列強が角逐していた時代と変わらない。

クリミア半島の歴史や露土戦争を見てもわかるが、実際にトルコはロシア
からミサイルを購入しながらウクライナに無人攻撃機を売り新オスマン主
義で中東・中央アジアに影響力を及ぼそうとしている。アラブ諸国はアメ
リカの弱体化を見てアメリカ離れ。

 
ロシアはロシア帝国に回帰しつつあり、中国は大清帝国復活を目指して
沿海州を取り戻そうとするかもしれない。
人口で圧倒する中国が移民でロシアを侵蝕しているのは明らかで50年、
100年単位で見れば中国が拡大する可能性が大きい。あるいは便宜上の漢
族である満洲族が復活して満洲から沿海州まで独立国家をつくることさえ
あり得る。ある意味、面白い時代かもしれない。
   (PB生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)ウラジオストックは、いまでも中国の地図には
「海参威」(ハイサンウェイ)と明記されています。日本語は「浦塩」で
すが。。



  ♪
(読者の声2) 石原慎太郎さんに感謝と尊敬と哀悼の誠を捧げます。あり
がたうございました。(KM生、豊島区)
 日本のために戦った石原さんの冥福を祈ります。(HK生、神戸)他多数。


(宮崎正弘のコメント)浪漫にいたころ、最初の仕事は石原氏と賀屋興宣
元法務大臣との対談、ついで青嵐会結成前夜から都知事選、藤島泰輔氏が
青嵐会系候補として衆院出馬などが重なり、たぶん週に二、三回は会って
いましたね。いろいろな用事があり、議員会館か、赤坂の氏の事務所(真
革新倶楽部)、青嵐会事務所など。「青嵐会の詩」を書いたらどうかと薦
めたら一晩で仕上げた想い出がよみがえりました。拙篇の『青嵐会 血判
と憂国の論理』はベストセラーとなりました。
 
氏は悪筆で有名で、小生はなんとか読みこなせたものの、ワープロに一
番先に飛びついた理由はよく理解できます。当時、原稿は手書きでしたか
ら、各雑誌社には、書いた原稿をテープに吹き込んでセットで渡していた
ものです。
 書き出せば忽ち二十枚ほどになりますが、濃密な付き合いが四年ほど続
き、最後は三島由紀夫論を巡ってぷっつんでした。数年前に「中国問題で
意見を聞きたい」というので日時も設定していたのですが、石原氏の都合
で流れたことがありました。いずれ追悼記を綴るかも。

  ♪
(読者の声3) 「朝日新聞」の作文。

およそ全ての芸術作品は、作者が全知全能・全感情を傾けて作られる。
50年前の朝日新聞の記者は、「捏造・偏向・意図的な洗脳」記事を書くつ
もりではなく、涙を流して心から感謝・感激していたようだ。

夢見る16歳の少女の文学作品を日本の言論界を支配していた新聞が採用し
ていた。中共やロシアにとって「有益なバカ」が日本の崩壊に貢献してい
た、という証拠。洗脳とは心・感情を操作し、「賎脳」する。
以下、外交評論家の加瀬英明氏の1月27日のブログからの引用。

「朝日新聞は田中角栄首相が日航機から降りて周恩来首相と握手を交し
た時に、「『日中いま握手』と大見出しを組んで、「その時の重く、鋭い
静寂を、何と表現したらいいだろう。

広大な北京空港に、いっさいの音を 失ったような静けさがおちてきた。
1972年9月25日午前11時40分、赤い じゅうたんを敷いた飛行機のタラッ
プを、黒い服の田中首相がわずかにか らだを左右に振りながら降りてき
た」(略)と報じた。

「これは夢なのか。いや夢ではない。間違いなく日中両国首相の手がかた
く握られたのである。」「実際には、その時間は一分にも満たなかったは
ずであった。記者団の群れにまじった欧米記者たちの無遠慮な声もしてい
たかもしれない。しかし、その時間はもっと長く感じられた。なんの物音
もしなかったと思う。四十年も続きに続いた痛恨の時間の流れは、このと
きついにとまった。その長い歳月の間に流れた日中両国民の血が涙が、あ
ふれる陽光のなかをかげろうのようにのぼってゆく──ふと目まいにさそわ
れそうな瞬間のなかでそんな気がした。」
  (在米のKM生)


(宮崎正弘のコメント)日本に当時、まだ僅かに残っていた威厳が、崩れ
去った一瞬でもありました。

2022年02月04日

◆ウクライナ問題はバイデンの失敗

                     Andy Chang

いたようにウクライナの緊張はバイデンが作り出したといえる。 バイデ
ンは中間選挙に向けて
世界のリーダーであることを見せようとして、米軍を派遣する意図がある
とか、ロシアがウクライナに
侵攻するからアメリカは軍隊を派遣すると述べた。ところがロシアはウク
ライナに侵攻する意図はない
と言い、アメリカの軍部も戦争はしないと主張している。戦争しないなら
軍隊を派遣する必要はない、
ウクライナに武器弾薬を提供する必要もない。

先月27日、ウクライナのゼレンスキー大統領は売電を電話で一時間ほど討
論した。ホワイトハウスは電
話会談は友好的で有益だったと発表したが、CNNはゼレンスキー大統領が
バイデンの軍隊派遣やロシア
の脅威宣伝に反対したと報道した。ゼレンスキーはウクライナに明らかな
戦争の脅威はない、キエフの
町に戦車が走って居るわけでもないと述べたと書いた。ゼレンスキーは米
露の覇権闘争の生贄になるの
反に対である。ゼレンスキーは戦争になったらウクライナが戦場になって
大損傷を受ける。バイデンが
でっち上げたウクライナ緊張は迷惑だと言ったのである。

それでもバイデンは31日に国連安保理でロシアがウクライナ国境付近に12
万の軍隊を配置して軍事訓練
を行なって居るのは「危険」だと主張して諸国の同意を求めた。国連安保
理でロシアのウクライナ侵攻
の「可能性」に同意してロシアの撤兵をを求め、経済制裁に同意させよう
としている。

安保理でロシア側はバイデンの軍隊派遣を無謀な恫喝と譴責し、ロシアは
NATOの東方進出に反対する、
ウクライナのNATO加盟に反対だがウクライナに侵攻しないと述べた。ロシ
アもアメリカも戦争はしない
と言って居るのにアメリカは軍隊を派遣すると言って居る。安保理がロシ
アを譴責してもロシアの原油
とガスに依頼しているEU諸国は経済制裁に同意できない。アメリカはロシ
アと戦争はできないし、経済
制裁もできないのだ。

国民に強いリーダーを示すつもりでも国内の反応はかなり冷淡だ。上院は
バイデンの軍隊派遣を議会で
討論するとしている。アメリカ大統領は国会の同意なく戦争を始めること
はできない。バイデンには軍
隊を派遣する大義名分がないからウクライナの「要請」が必要だがゼレン
スキーは拒否した。米軍は
NATOの軍隊として派遣しなければならない。ウクライナはNATOに加盟して
いないからNATOがウクラ
イナに派兵する大義名分がない。

バイデンは8500人を東欧に派遣すると言ったけれど実際に派遣したのでは
ない。ペンタゴンはバイデン
の軍隊派遣に反対である。ペンタゴンのJohn Kirby報道官は「バイデンの
命令は待機命令であって派遣命
令ではない。軍隊を派遣する前に色々な方法を検討する必要がある」と述
べた。ミリー参謀長もバイデ
ンの軍隊派遣に反対で「戦争になったら双方の損害は途方もなく甚大なも
のになる。ウクライナ問題は
政治的に解決すべきである」と述べてバイデンの先っぱしりを批判した。
オースチン国防部長も戦争に
なる理由がないと述べた。

ロシアは自国の領内に軍隊を集結させている。それに引き換えバイデンは
自国と関係のない所に8500人
の軍隊を派遣すると恫喝したのだ。バイデンはウクライナの大統領に圧力
をかけてウクライナに軍隊を
駐屯させたいがゼレンスキーは拒否した。アメリカには軍隊を派遣する大
義名分がない。殊にバイデン
はすでに駐ウクライナ大使館を撤去したからウクライナのアメリカ国民を
保護すると言う大義名分も無
くなった。

アメリカはこれまで一貫してNATO名義で軍隊派遣をしてきたのである。
NATOの存在意義がなくなった
後もNATO名義でネオコンの民主主義侵略を続けしてきたのである。

そもそもNATOは1949年のスターリンの時代に作られた欧州と米国の連合軍
である。NATOの目的とは
「第二次大戦のあとに起きた、強力な共産主義連盟の増大と拡張から同盟
国の自由を保護するため」に
設置されたものである。あの時から70年も経ってスターリンはすでに死亡
し、ゴルバチョフのおかげで
ソ連は解散した。そして旧ソ連の国々が独立を果たし、東西ドイツも統一
した。

この時点でNATOは解散すべきだったのにNATOは解散しなかった。NATOと
言っても主力は米軍であ
る。そしてアメリカはソ連が崩壊した後、「民主主義を諸国に広めると言
う目的」で解体されたソ連の
近隣諸国を民主化させ、ポーランド、バルト3カ国、ルーマニア、バルカ
ン半島諸国などがNATOに加盟
してロシア包囲網を完成させたのである。この上にウクライナとグルジア
がNATOに加盟すればロシア包
囲網は完成する。だからプーチンにとってはウクライナのNATO加盟は絶対
に譲歩できない。

誰が「民主主義を使った侵略者」であるかは明らかである。自国の権益で
もなく自国の安全保障問題で
もないアメリカがウクライナ民主化に固執する必要な全くない。EU諸国は
ロシアの侵略を恐れる必要は
ないし、最近は脱炭素や温暖化が進んでEU諸国はロシアのエネルギー源に
頼る必要がある。つまりEUは
ロシアとの戦争も経済制裁も反対である。つまりバイデンののウクライナ
恫喝は国内の賛成も得られな
いしEU諸国も反対である。

トランプ時代の国防部副長官だったRobert Wilkieはロシアに対する経済
封鎖は予期した効果はないし、
ロシアへの経済制裁は中露友好を推進させて中国とロシアを敵に回すこと
になると述べた。アメリカと
EUがロシアに経済制裁を強行すればロシアは欧州に向けるはずだった石油
とガスを中国に売るからロシ
アにとって損はない、もしも金融取引禁止を実施すればロシアは中国を経
由した金融取引を進めるから
損害はほとんどない。その代わり米国、日本と諸国が取引禁止で受ける影
響は大きいと述べた。

アメリカはポーランドやバルト3カ国など旧ソ連の連邦国を民主化させた
が、それらの国々をNATOに加
盟させてロシア包囲網を作る必要は全然ないのだ。ロシアが旧ソビエト諸
国を取り返して新ソビエト連
邦を作ることはない。強引に民主化した国をNATOに加盟させて米軍を駐留
させ、ロシアを監視する必要
はどこにもない。イソップの北風と太陽である。ロシアを敵視するよりも
友好関係を作ってロシアと共
に中国の覇権拡張に対処すべきだ。

中国のGDPはロシアの十倍である。中国の脅威はロシアの十倍以上なのに
バイデンはウクライナ問題で
ロシアと敵対して中露友好を促進する愚策を続けている。アメリカが旧ソ
ビエト連邦諸国を民主化させ
て居る間に、中国は「戦狼外交」でアジアに進出し、台湾の武力侵攻を主
張し、南シナ海のセイシェル
諸島を占領して軍事基地を作り、一帯一路で鉄道をアジアから欧州まで伸
ばし、アジア諸国から中南
米、中東諸国、アフリカ諸国に軍事基地を確保したのである。

中国はなぜ米露のウクライナ緊張に沈黙を守って居るのか。中国がバイデ
ンの失策を見逃すはずはな
い。あと数日すれば北京で冬季オリンピックが開催され、プーチンが北京
で習近平と会談する。この会
談の後ロシアと中国が友好条約を締結して軍事外交両面で合作を強化さ
せ、アメリカに敵対するのはほ
ぼ確実だろう。


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◆韓国「強制労働」放置なら禍根残す 

阿比留瑠比

 24日の衆院予算委員会での自民党の高市早苗政調会長の質問を聞いてい
て、政府が何と答弁するか耳をそばだてた場面があった。高市氏が昭和34
年の外務省記事資料の内容について現在も政府の公式見解か否か問うたと
ころである

強制的に連れてきた?


 高市氏は資料の内容について具体的に触れなかったので、国会中継を見
ていてもよく分からなかった人もいることだろう。そこで補足すると、資
料にはこう記されている

 「現在日本に在住している朝鮮人の大部分は、日本政府が強制的に労働
させるためにつれてきたものであるというような誤解や中傷が世間の一部
に行われているが、右は事実に反する」

 「現在登録されている在日朝鮮人の総数は約61万人であるが、最近、関
係省の当局において、外国人登録票について、いちいち渡来の事情を調査
した結果、右のうち、戦時中に徴用労務者としてきたものは245人にす
ぎないことが明らかになった」

 「現在日本に居住している者は、前記245人を含みみな自分の自由意
志によって日本にとどまった」

 また、昭和14年から20年の終戦直前までに約100万人も増加した内地
の朝鮮人のうち、@約70万人は自ら職を求めてきた個別渡航と出生による
自然増加A残り30万人の大部分は鉱工業、土木事業などの募集に応じて自
由契約に基づき渡来したB国民徴用令により導入された徴用労働者の数は
ごく小部分であり、所定の賃金などが支払われている・・・とも明記され
ている。

 この資料は高市氏が「そんな資料はもうない」と渋る外務省に探させた
ところ、「昭和35年の『外務省発表集10号』の中にあった」と提出してき
たものである。記事資料とは「外務省の正式発表のうち、外務報道官とし
ての公式見解などを表明するもの」と位置づけられている。

不可解な曖昧答弁

 高市氏は12年前、民主党の鳩山由紀夫内閣当時の平成22年3月の衆院外
務委員会で、岡田克也外相に同じ質問を投げかけている。岡田氏の答弁は
こんなそっけないものだった。

 「ちょっと今、急に聞かれても私、把握しておりませんので分かりません」

 そこで岸田文雄内閣の答弁を注目したところ、林芳正外相はこう答えて
いた。

 「ご指摘の記事の資料の存在について承知している。数字などが正確で
あるかどうかについては、それを否定する客観的な情報はないということ
だが、現時点で詳細について確認することができないため、お答えするの
が困難だ」

 なぜわざわざこんな曖昧な答弁をするのかよく分からないが、「否定す
る客観的な情報はない」のだったら、現在も政府の公式見解だということ
になる。

 高市氏が国会でこの問題を最初に取り上げたのは、もともと民主党政権
が永住外国人への地方参政権付与を目指していたことが背景にある。

 例えば、当時の原口一博総務相は「自分の意思に反して(日本に)連れ
てこられた人が、地方で投票の権利を持つのは日本の国家として大事なこ
とだ」と主張していた。この認識自体が大間違いなのである。

 ただ、悪貨が良貨を駆逐するように、悪意ある誤情報が事実を覆い隠し
見えなくすることは少なくない。在日韓国人・朝鮮人は強制連行されたか
ら日本にいるわけではない

問われる戦う姿勢

「佐渡島の金山」(新潟県)の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界
文化遺産への推薦に関しても、一番重要なのは登録の可否ではないのでは
ないか。韓国が「韓国人の強制労働の被害現場だ」と虚偽に基づく宣伝戦
を仕掛けていることに対し、受けて立つか立たないかこそがまさに問われ
ている。

岸田首相自身も24日の衆院予算委で、昨年4月に閣議決定した「『募
集』、『官斡旋(あっせん)』及(およ)び『徴用』による労務については、
いずれも強制労働に関する条約上の強制労働には該当しない。これらを
『強制労働』と表現することは適切ではない」との政府の立場を踏襲する
と答弁しているではないか。

「いわれなき中傷には毅然(きぜん)と対応していく」

 岸田首相はくしくも、昭和34年の外務省記事資料と同じ「中傷」という
言葉を用いてこうも述べた。中傷とは、「ありもしないことを言って他人
の名誉を傷つけること」であり、高市氏のいう「国家の名誉にかかわる事
態:を座して見過ごしてはならない。

 韓国による中傷を放置すれば禍根を残す。

 当コラムは平成25年4月に始まり、今回で計400回を迎えました。ご
愛読に深謝します。

(産経新聞論説委員兼政治部編集委員)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 
産経新聞 採録




        
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◆スロバニアが台湾代表処設置

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)2月1日(火曜日)
     通巻7204号 
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 「リトアニア・ドミノ」、バルカン半島へ
  スロバニアが台湾代表処設置へ準備中とヤンシャ首相
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 スロベニアのヤネス・ヤンシャ首相はリトアニアに引き続き、国内に台
湾代表処を設置する方向にあると語った(1月30日)。
「台湾の代表機関設置について台湾政府と協議中である。我々がより強力
な連合を組んでいたなら、とうの昔に貿易代表事務所は設立されていた」

 名称についてはいきなり台湾を用いず「台北」をする。
しかしヤンシャ首相は台湾が主権国家であり、台湾が「中国の『正統な後
継者』だ」との認識を示しつつ個人的見解として「台湾の独立を支持す
る」とした。

 リトアニアから始まった台湾への外交接近は『リトアニア・ドミノ』と
も言われ、中国が旧東欧諸国を基軸に、影響力拡大を狙った「1+17」
からもリトアニアは脱退している。
北京のリトアニア大使館は大使不在のまま、首都ビリニュスの中国大使館
にも、召喚されて北京に戻ったため、大使不在となっている。

 バルカン半島で中国が承認していない国はコソボだが、とくに旧共産圏
だった東欧諸国が、中国のやり方に不満を抱き、米欧の動きを見ながら、
台湾とのアプローチを顕著に活発化させている。
 この新しい波、どこまで広がるか?

     
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 ──700万人の国民が韓国を捨てた現実が意味することは何か?
 ──韓国はサヨクが支配するバクチ経済、いずれ悲惨な結末がやってくる
──「日本を上回った」など、とんでもない。インチキな「韓数字」で作り
出した虚構。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 イーグルとパンダは助け合い、憎しみあい、そして対立へ到った
  米国は中国の何が許せないのか

  ♪
竜口英幸『グッバイ、チャイナドリーム』(集広舎)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 四百年の歴史パノラマを背景に中国と、アメリカ、ロシア、日本の立ち
位置、関与の変貌を物語風に追った異色作だ。
 国家安全保障の専門家らしく、国防と軍備の具体的なデータからも、中
国の軍事能力を客観的に評価し直している。政治を論じているのだが、歴
史と文化が、軍事と掻き混ざって混沌とした全体像を描いている。
中国海軍のアキレス腱は宮古海峡だと指摘し、また中国の空母はわが護衛
艦「加賀」にも劣るシロモノと実態を抉り出す。
ソ連時代に空母は九隻造られ、いずれも役立たずだった。現ロシア唯一の
空母「クズネツォフ」は黄昏にあり、そのコピィでしかない中国空母「遼
寧」と「山東」は、まもなく役立たずの廃棄物に化そうと著者は示唆する。
 そしてこう言われる。
 「アメリカは、独立前の植民地時代からほぼ四百年にわたり、一貫して
極東の大国チャイナに憧れを抱いてきた」
 黒人奴隷とクーリー貿易が対比的にでてくるが、黒人奴隷が払底する
と、かわりの「奴隷として」中国から労働力を輸入した。その数、およそ
150万人とも言われる。
 資産を成して故郷に錦を飾ったクーリーはすくなく、大方が米国のあち
こち、中米諸国、カリブ海から南米にかけても輸出され、そこで朽ち果て
るか、チャイナタウンを形成して住み着いた。
 さて日本はと言えば「アメリカの親チャイナ路線に翻弄されてきた」と
総括する。
まさにその通りだろう。
カネに目が眩んで日本の外交を曲げた田中角栄以後、日本の政治は北京に
操られてきた。
ニクソン以後のアメリカも、みごとに騙された。
トランプ以降、そのアメリカの親中路線は劇的に変貌した。米中は「新冷
戦」に突入したが、それなら日本はこのまま親中路線の舵取りを替えなく
て良いのか?と訴えている。
           ◎◎◎◎◎◎◎◎
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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  ♪
樋泉克夫のコラム 
@@@@@@@@

【知道中国 2323回】    
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港205)

   △
 ほどなく、九広鉄路の沙田駅から歩いて10分ほどの所に格好の物件──住
所は香港新界沙田下禾■(■=山の下に大、大の中に車を記す)9号景園──
が見つかった。

 屋根は切妻式で、レンガを積み上げた壁に穿たれた窓は極端に少ない。
家の横幅は20メートルほどで、奥行きは10メートルほどだっただろうか。
新界の農村集落で普通に見かける典型的な民家で、左右に分けられてい
た。私が住むことになったのは向かって右半分の右端の角部屋であり、左
半分に住む家族とは、挨拶する程度の付き合いだった。

 長い間使われていなかったらしく、小汚いうえに部屋には悪臭が漂って
いた。だがステキな庭が気に入った。
当時、香港にどれほどの邦人が住んでいたかは不明だが、庭付き生活を満
喫できたのは須磨弥吉郎香港総領事を除いたら、おそらく私くらいではな
かったか。

 大幅に下がった家賃分を第六劇場通いに回すことが出来るわけだが、距
離的に遠くなっただけに往復に大幅に時間を取られてしまう。
だが、そこは「棄児行」である。京劇のために敢えて「斯の身飢ゆ」の道
を選んだワケだから、四の五の泣き言を口にはできまい。

 引っ越し当日は日曜日。佐敦道渡船街から窩打老道への前回の引っ越し
と同じで李さん、黄さん、梁さんがトラックを調達してきて手伝ってくれ
た。寝具、高さ1メートルほどの折りたたみ式木製本立て、3段ほどの小引
き出し、京劇レコード観賞用の小型ステレオ、カセット、それになにより
の宝であった大量の京劇レコードを積み込んで景園に向かった。

数少ないがゆえに貴重な家財道具を部屋に運び入れた後、沙田駅近くのレ
ストランで冷えたビール──多分、「生力(サンミゲル)」だったろう──の
栓を抜いて、先ずは乾杯。今回も李さんが払いを済ませてくれて解散。み
んなはトラックで九龍に帰っていった。

景園に戻り1人になって改めて部屋の中を見回す。
 部屋の真ん中には背の高いベッドが1つ。4本の足にはゴロが付いていて
移動可能だ。おそらく病院で使われていたものだろう。鉄枠に塗られた白
いペンキはそこここで剥がれ、ヤケにサビが目立つ。ベッドの左は隣の部
屋との壁で、その壁を背に頑丈そうな4段ほどの横幅の広いタンスが置か
れている。長いこと使われていなかったらしく、ガタピシャと音を立てて
簡単には引き出せない。

 天井がないから、見上げると瓦の裏側が丸見えだ。瓦を支える梁の1本
から土色に薄汚れた蚊帳が垂れ下がっている。いつ取り付けたのか解らな
いが、長い間使っていなかったのだろう。蚊帳には蜘蛛の巣が絡みつき、
湿気を含んで不気味だ。

 ベッドの頭の先に窓があり、窓の外側は集落の中心部にある廟に通じる
石畳の路地だった。
窓は縦横1メートルほどの観音開きで部屋側がガラス窓、中間が鉄格子、
外側が鉄板の三重構造。湿気が多いのに、なぜ、こんなに厳重にするの
か。もちろん泥棒対策である。ベッドに向かって右手の窓は庭側を向いて
いて少し大きいが、構造は同じく三重だ。ベッドの足の方の部屋の角に
は、戸の開かない大型の洋服ダンスがデーンと置かれていた。

 1週間前から大量の芳香剤を置いていたのに悪臭が消えず、憂鬱さは増
す。さて、いつまでこの部屋に住むことになるのか。考えるほどに「斯の
身飢ゆ」の感慨は募るばかり。
 錆び付いた鉄格子の窓の向こうに目を転ずると、庭の端には大きな楊桃
(ジャック・フルーツ)の木が1本。黄色く熟れた星形の実を、枝もたわ
わに稔らせていた。

 その時、ドアがトントンと叩かれた。開けてみると、上着もズボンも絹
製で白髪交じりのおかっぱ頭の60歳代後半と思しきバーさんだ。自分を指
差し「日本仔、ニィ好、我係曽妹(ヤッポンチャイ、ネイ・ホー、ンゴー
ハイツォンムイ)」と続けた。敢えて訳すなら「おい、日本アンちゃん、
やあ、どうも。ツォンムイさんですよ」と言ったところか。
 おいバーさん、藪から棒にトボケているんじゃないよ・・・些かムカつ
いた。

     □☆●□☆●□☆●☆□☆●□☆●□
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読者の声  どくしゃのこえ   READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)貴誌、前号の書評中にあった元寇と鎌倉武士との戦い、
YouTube に面白い解説動画あった。15分ほどの動画で元寇が2本、欧州方
面の戦いが5本、総合解説が2本のもの。
https://onl.la/A2RLXzK
『モンゴルから日本を救え!武士の壮絶な戦い【元寇・文永の役】世界の
戦術戦略』
https://www.youtube.com/watch?v=zWxTCVDX0Zg
『武士とモンゴルの運命の最終決戦!【元寇・弘安の役】世界の戦術戦略』
https://www.youtube.com/watch?v=roNxXutMmD4

 地形も描かれていて解説がとにかくわかりやすく学説・解釈の一つとし
て楽しめる。戦法・戦術についても武士は重装弓騎兵だったとか、弓の威
力も日本の方が強かった、蒙古兵が弓を放つ絵も後の描き足しだなど、ず
いぶん学説も変化したものです。
 中央アジアは1219年からのバトゥ・スブタイの西征ではまずホラズム
(サマルカンド、ブハラなど)からカスピ海方面へ。スブタイはアメリカの
パットンとドイツのロンメルが師と呼んだほど機動力に優れていた。グル
ジアを破りキプチャクを懐柔したあとで壊滅させる。スブタイはクリミ
ア、ジェベはドニエプル河へと進みルーシ・キプチャク連合軍とぶつか
る。ちょうどウクライナが舞台の戦い。モンゴルは9日間の撤退戦で敵を
おびき寄せカルカ河畔の戦い(1223年)で撃破した。
https://www.youtube.com/watch?v=1yURS8FeNas&list=RDCMUC5dzkTCM0Jxnc5widb8arDw&index=10

 欧州方面は1236年からのバトゥ・スブタイの西征ではルーシは簡単に落
とし、ポーランド・ハンガリーへ。1241年のリーグニッツ(ワールシュ
タット)の戦いとモヒの戦い。
https://www.youtube.com/watch?v=y1BjzGNEFEA
https://www.youtube.com/watch?v=qIoiX4uyhic
 世界史的にチンギスハンのモンゴルは陸において別格の強さだったと改
めて理解できます。(PB生、千葉)
  ♪
(読者の声2)日本文化チャンネル桜からの番組のお知らせです。
2月4日(金曜日)午前1100からの生番組「フロントジャパン」は葛城奈
海さんと宮崎正弘さんでお送りします。
http://ch-sakura.jp/
テーマは「さようならGAFAM」の予定です。
   (日本文化チャンネル桜)



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重 要 情 報
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身 辺 雑 記
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4日の東京湾岸は。

渡部亮次郎わたなべりょうじろう86歳。

元NHK政治部記者。当時「文芸春秋」に「赤坂太郎」で
政治評論を書いた。1字10円だった。

仙台、盛岡局勤務の後、東京の政治部へ。河野一郎を
担当。河野先生は酒 を一滴も飲めなかった。毎夜、赤坂の料亭に立ち
寄っていたが、お膳を前にお茶を飲んでいたとは。呑み助の私には想像も
できない。
外務大臣秘書官。その後、社団法人の理事長を18年間。
現在は年金生活者。メルマガ「頂門の一針」主宰者。
at 10:23 | Comment(0) | Andy Chang

2022年02月03日

◆中国擁護の公明党、自民への悪影響

櫻井よしこ

日本ルネッサンス 第984回

1月15日、都内で「ウイグルジェノサイドに日本がどう向き合うべきか」
という集会が開催された。主催は非営利団体(NPO)の日本ウイグル協
会である。会場にはウイグルの人達も含めて数百人が集った。1時間余り
にわたって6人の在日ウイグル人の皆さんが自身と家族の置かれている状
況を語った。どの人も親や兄弟姉妹、家族の誰かが行方不明になってい
る。殺害を疑わざるを得ない事例もある。情報が徹底して遮断されている
ために、肉親の生死の確認さえ容易ではない。

習近平政権が2期目に入った2017年以降、ウイグル人であるという理由だ
けで弾圧、殺害する政策が強化されている。

会の冒頭、自民党衆議院議員で「人権外交を超党派で考える議員連盟」共
同会長の齋藤健氏が挨拶し、1月17日開会の通常国会冒頭で中国政府に対
する非難決議の採択を目指すと語った。私たち日本人がウイグル人問題に
どう向き合うかは、中国共産党による人権侵害の本質をどうとらえるかと
いうことでもある。

習主席は、人類の持つ最新技術を駆使して全人民個々人への監視網を築き
上げた。街の至るところに設置されている監視カメラは中国全土で2億
台、間違いなく世界トップだ。だがウイグル人などに対する情報収集はカ
メラによる24時間の監視だけではない。調査報道ジャーナリストのジェフ
リー・ケイン氏が上梓した『AI監獄ウイグル』(新潮社)には、ウイグ
ル人の家族全員が地元警察によって「健康検査」を強要され、採血から
DNAサンプルまでありとあらゆる身体検査で、考えられる限りの個人
データをとられる様子が描かれている。個人データは全て中国政府に管理
され、行動監視、反政府活動取り締まり、臓器調達などに活用される。国
民を徹底的に監視し、コントロールし、中国共産党及び習氏による独裁体
制の安定を図るのである。この徹底した一党独裁、専制政治体制を、国内
のみならず世界規模で実現するのが習氏の意図だと見て間違いないだろう。

ウイグル人問題はそれにとどまらないということだ。チベット人、モンゴ
ル人問題であり、香港、台湾、沖縄、日本問題なのだ。

埋め難い価値観の相違

習氏は17年10月の中国共産党第19回全国人民代表大会で、建国100年まで
に中華民族は世界諸民族の中に聳え立つ、人類運命共同体を築き全民族の
幸福をはかると語った。

14年には世界インターネット大会を中国主導で開催した。インターネット
こそ人民を監視し、取り締まる最強の武器だと見抜き、監視網の構築を急
ぐ狡猾さが見てとれる。

20年9月8日には王毅外相が、「グローバルデータ安全イニシアチブ」を提
起し、中国政府が地球上のデジタルデータのガバナンスを主導すると発表
した。

その1年後、習氏は中国で開催された世界インターネット大会への祝辞
で、「中国はデジタル文明によって人類運命共同体の構築を推進する」と
表明した。人間、企業、全ての組織、民族、諸国全てに対して、より正確
により厳しく監視・管理の網を張るというのだ。全人類が中国共産党の考
え方、その秩序の実践を迫られるということであろう。

私たちは香港の民主主義があっという間に消されたのを目撃した。チベッ
ト人、モンゴル人が厳しい弾圧を受け、国を奪われ、言語、文化、宗教の
みならず、多くの人々が拷問で死に、民族自体が消されつつあることも目
撃している。ウイグル人も同じ暴圧の真っ只中だ。中国共産党の暴虐をい
ま止めなければ、日本を含む周辺国は彼らの考える「人類運命共同体」の
下で支配されかねない。

米国も欧州各国も、中国共産党とのこの埋め難い価値観の相違に危機感を
抱き、本気で批判の矢を放ち始めた。ウイグル人弾圧をジェノサイド(大
量虐殺)と認定したのも、そのひとつである。

日本の国会も中国政府に抗議する段階にきたというのが、冒頭で紹介した
齋藤氏の挨拶だった。しかし、状況をつぶさに見ると、わが国の動きは恥
ずかしい限りだ。国会は、中国にウイグル人などへの人権侵害に関して抗
議し非難するはずだったが、それが実現せずに流れたのが昨年までの動きだ。

この非難決議案が公明党によって徹底的に骨抜きにされた。各党が合意し
た元々の原案そのものが「新疆ウイグル、チベット、南モンゴル、香港、
ミャンマー等」での「人権侵害」を「非難」するとなっており、非難され
る国として明記されたのはミャンマーだけで、中国は記載されなかったの
だ。このこと自体が理解し難いが、公明党はこれでも足りずに、中国に気
兼ねした恥ずかしいばかりの文章を出してきた。

百十数種の名誉称号

自民党政務調査会長代行の古屋圭司氏は、昨年12月半ば、公明党の竹内譲
氏が修正を入れた縦書きの紙一枚を出してきたと語る。それを私は別のと
ころから入手した。噴飯物である。公明党は「人権」と「平和」の党だと
自称しているが、国民を欺いている。

まず、決議文のタイトルを公明党がどのように修正したか。元々のタイト
ルは「新疆ウイグル等における深刻な人権侵害に対する非難決議案」だっ
たが、公明党は「人権侵害」を「人権状況」に変えた。「非難決議」から
非難の二文字を削除してただの「決議」に修正した。

本文で「深刻な人権侵害が発生している」と断定した部分は「深刻な人権
状況への懸念が生まれている」と柔らかい表現に直された。

「弾圧を受けている人々からは」支援を求める声が上がっているという件
りは、「弾圧を受けていると訴える人々」と変えられた。弾圧を受けてい
ると訴えているけれども、その訴えが本当かどうかはわからないという意
味にうすめられたのだ。

原案には以下のように、衆議院としての決意も書きこまれていた。「(人
権侵害や力による現状変更を)強く非難するとともに、深刻な人権侵害行
為を国際法に基づき、国際社会が納得するような形で直ちに中止するよ
う」強く求める。「立法府の責任において、深刻な人権侵害を防止し、救
済するために必要な法整備の検討に速やかに取り掛かる決意である」。

この二つの文章が全て削除された。公明党は中国の手先かとさえ思う。な
ぜこんなにしてまで、ジェノサイドと断罪されている中国政府の犯罪行為
をボカさなければならないのか。池田大作氏は中国政府や中国の大学など
から百十数種もの名誉称号を受けている。日本国民への裏切りはそうした
称号と引き換えなのか。

自民党はこんな情けない政党に引きずられている。まるで内容のないこん
な決議を国際社会に発表することこそ日本の恥だろう。日本は道徳を重ん
じ、人道主義を大事にするもっと立派な国だったはずだ。自民党よ、そん
な日本を取り戻すために、いま死に物狂いになれ。
        


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◆高市氏による事実究明

伊勢雅臣

在日朝鮮人の総数は約61万人はみな自分の自由意思によって日本にとど
まった


24日の衆院予算委員会での自民党の高市早苗政調会長の質問を聞いてい
て、政府が何と答弁するか耳をそばだてた場面があった。高市氏が昭和
34年の外務省記事資料の内容について、現在も政府の公式見解か否かを
問うたところである。

「現在日本に居住している朝鮮人の大部分は、日本政府が強制的に労働さ
せるためにつれてきたものであるというような誤解や中傷が世間の一部に
行われているが、右は事実に反する」

「現在登録されている在日朝鮮人の総数は約61万人であるが、最近、関
係省の当局において、外国人登録票について、いちいち渡来の事情を調査
した結果、右のうち、戦時中に徴用労務者としてきたものは245人にす
ぎないことが明らかになった」

「現在日本に居住している者は、前記245人を含みみな自分の自由意思
によって日本にとどまった」

また、昭和14年から20年の終戦直前までに約100万人も増加した内
地の朝鮮人のうち、(1)約70万人は自ら職を求めてきた個別渡航と出生
による自然増加、(2)残りの30万人の大部分は鉱工業、土木事業などの
募集に応じて自由契約に基づき渡来した、(3)国民徴用令により導入され
た徴用労働者の数はごく小部分であり、所定の賃金などが支払われている
−とも明記されている。

この資料は高市氏が「そんな古い資料はもうない」と渋る外務省に探させ
たところ、「昭和35年の『外務省発表集10号』の中にあった」と提出
してきたものである。

高市氏が国会でこの問題を最初に取り上げたのは、もともと民主党政権が
永住外国人への地方参政権付与を目指していたことが背景にある。

例えば、当時の原口一博総務相は「自分の意思に反して(日本に)連れて
こられた人が、地方で投票の権利を持つのは日本の国家として大事なこと
だ」と主張していた。この認識自体が大間違いなのである。

「佐渡島の金山」(新潟県)の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界
文化遺産への推薦に関しても、一番重要なのは登録の可否ではないのでは
ないか。

韓国が「韓国人の強制労働の被害現場だ」と虚偽に基づく宣伝戦を仕掛け
ていることに対し、受けて立つか立たないかこそがまさに問われている。
        



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◆苛立つ中国、米国議会には「台湾防衛」

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月31日(月曜日)
     通巻7203号 
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 頼清徳副総統、ホンジュラスでハリス副大統領、米国でペロシ議長等と会談
  苛立つ中国、米国議会には「台湾防衛」が共通語となっていた
*****************************

 2022年1月27日、ホンジュラスで新大統領の就任式が開催された。
左派与党連合のシオマラ・カストロが女性初の大統領となり、日本からは
宇都隆史参議院議員も就任式に駆けつけた。式典にはスペイン国王、コス
タリカ大統領、アルゼンチン副大統領、ベリーズ副首相等も参列した。

カストロ大統領は中国との関係を重視しているため、台湾は頼清徳副総統
を送り込んだ。米国はハリス米副大統領を派遣し、ホンジュラスでは頼清
徳副総統と会談した。
ホンジュラスは台湾と外交関係を維持する14ヶ国の一つ。人口僅か一千万
人、そのうちの一割は米国で働き、家族へ送金している。この米国への出
稼ぎによる本国送金だけでホンジュラスGDPの25%を占める。

 さて焦点は台湾である。米国は政治演出を凝らしたのだ。在台湾の「米
国在台湾協会」(事実上の米大使館)ジェームズ・モリアーティ会長はカ
リフォルニアで頼副総統を出迎えた。

頼は英文名でウィリアム・ライを名乗り、次期台湾総統の最有力候補でも
ある。米国は経由便であれ、乗換であれ米国ビザを必要とする。入国審査
には2時間かかることは日常茶飯だが、頼一行はすぐにホテルに入った。
最初の経由地のロサンゼルスでは米上下両院の議員らとオンラインで話し
合いをもった。

このオンライン会議には、民主党のエド・マーキー上院議員、議員団を率
いて台湾を訪問したマーク・タカノ下院議員ら計17人が同席した。
蕭美琴駐米代表(駐米大使)は、「オンライン会議に出席したすべての議
員が台湾問題を懸念している。台湾支持が、米議会の共通言語になってい
る」と強調した。

頭に血が上ったのは中国だ。
中国外外交部の趙立堅副報道局長は、「中国はいかなる形でも米台の公的
交流に断固反対だ」とし、米側へ厳正に申し入れたとした。

 まだ続きがあった。
帰国に際して頼清徳副総統は、こんどはサンフランシスコを経由した。就
任式翌日の1月28日に空港に近いハイヤットホテルに陣取り、ペロシ米
下院議長と30分のオンライン会談。ペロシ議長は台湾の武漢肺炎対策を評
価し、またWHOテドロス事務局長に「台湾が(WHOに)参加すべき
だ」と訴えたことを明らかにした。

ペロシはまた「台湾海峡の安全を強く懸念し、台湾との友好政策を推進す
る」とした。
米国が与野党を問わず、ここまで台湾支援を政治的に演出し、世界にア
ピールしたことは瞠目に値するだろう。
頼の6日間に及んだ外遊は絶好の外交宣伝となった。

     
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読者の声  どくしゃのこえ   READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)佐渡金山の世界遺産申請を巡って、テレビで橋下徹が「僕
が韓国の立場なら『佐渡金山を進めるなら慰安婦の記憶遺産も進めてく
れ』と主張する。片方だけ進めるのは世界が受け入れない」と発言した。
 化けの皮がはがれたというか、やはりこの人物は三流の左翼ですね。
   (SI生、奈良市)



  ♪
(読者の声2)米国での2021年度の高級車売上台数、上位10社で、1位
と2位はほぼ同数、bmw(独)と tesla(米),3位は lexus(トヨタ),
以下、 m.benz(独), audi(独), accura(ホンダ), cadillac(米),
volvo(中国), lincoln(米), land rover(印)。テスラは年間50%
の急成長をしているので、来年度には大きく差をつけて1位になると予想
される。
購買者は裕福で、車に対する知識も経験もあり、かつ米国人であるにも関
わらず、自国のGMやFORD社の人気は下がった。両社とも多額の負債、年金
の支払いなどのため、3年以内に倒産すると予想される。とても新規にEV
に切り替える予算も準備もできていない。
 かつて戦後の日本の製鉄所は、全て新規であり、他国に比べて最新、最
効率、最高品質、であったためたちまち世界最強になった。
同じ理由で、テスラの最新の工場はすでにトヨタを抜いて、生産台数で全
米一位になった。あまりにも多くの予約が入っているため値上げをしている。
全自動運転のアプリは100万円から120万円に値上げした。これを使った運
転手無しのタクシーを運営すると、その価値がわかる。
現在の自家用車の使用時間は5%ほどで、95%は無駄に待機している。こ
の余力を使い、共有すれば、1台で5台分ほどの仕事をこなし、かなりの
収入になる。車が眠っている駐車場も必要なくなり、都市の効率も上が
る。既にテスラの交通事故率は平均値の1/10であり、しかも運転の全
ての記録が把握されているので、テスラ専用の保険会社を始めた。現在毎
年米国で4万人ほどの交通事故死が繰り返されているが、その原因の殆ど
がヒトであるため、テスラが広まるにつれ被害者も減る。
そのうち運転免許も、シートベルト、保険、病院、医師の数なども減って
いく、だろう。

 最新の公表によると、待たれていた新型車の生産は来年に遅らせる。し
かし、冗談だと思われていたAI ロボット(名前;OPTIMUS ) を来年にも
始める
この世で最も価値のあるものとは価値を生む、富を産む、役に立つ人間で
ある。
故にかつては費用をかけて奴隷(ヒト)を捕まえてきた。ロボットとは進
化した効率的な奴隷、であり高い価値を産む。テスラの車は既に必要なAI
機能を備えているので、車輪の代わりに手足をつければ、出来上がる。
ヒトがやりたくない「3K労働」、単調なつまらない仕事、介護などを引
き受け、いずれは、「知的な関係」をも持つらしい。
可愛いだけが取り柄の、「SONYのアイボ犬」が、立派な大人に進化したよ
うな、友人、親子、保母さん、配偶者的な機能も果たせば、その価値は計
り知れないほど大きい。
マスク氏は「ワビ・サビ」を少しの不完全さ、劣化と認識し、それが人間
関係にも有用だろうと言っている。つまり全知全能完璧なロボットでは、
ヒトは困惑
し敬遠してしまう。だから意図的にヘマをしたり、物忘れ、自虐性、冗
談、などの「人間らしさ」が組み込まれる。一人暮らしの年寄りには全遺
産を相続させるほど価値がある。相続権を巡り子、孫はテスラを提訴する
が、本人の希望、深い感謝、愛情を無視はできまい。ところが、そんなロ
ボットを引き継いだ子供は、親の記憶をも相続し、より深い関係を結ぶこ
とになるだろう。その家専属の歴史家にもなる。病気になると医師はロ
ボットの観察、意見を聞くことになる。
 早ければ5年、遅くとも10年以内にヒトを火星に送る、と言ってい
る。10万人ほどの移民が住む街を作るために計画している。全ての資材を
地球から運搬せねばならない。最初の1万人ほどは、酸素も飯も睡眠も必
要のない奴隷ロボットなのだろう。全世界的に閉鎖的、独裁的、反自由、
反言論、反科学・医学的な悍ましい社会が形成されていく中、テスラの社
員は断乎として黙々と夢の社会の実現を図っている。
FACEBOOKとは対照的に、全て物理的に工場で「ものづくり」された商品。
日本、ドイツ、米国などの製造業にとっては脅威であるが、他の国民に
とっては大変ありがたい。かつてのトヨタもホンダもSonyも、世界中に迎
えられていた。
キャデラックもリンカーンも、ベンツやレクサスが攻めて来る前には羨望
の的だった。
(在米のKM生)



  ♪
(読者の声3)貴誌通巻7196号(読者の声1)と同7198号(読者の声3)
の続き。(第二十六代)継体天皇の宮殿「樟葉の宮」跡の有る『交野天神
社』訪問の記憶から、平安の皇族狩場「禁野」の交野ヶ原への夢想と続
き、意識は古代日本に於き地政学的に見て戦略上重要位置に在る、(京都
府八幡市)男山の『石清水八幡宮』上空を彷徨う。そして、古(いにし
え)の武士(もののふ)八幡太郎義家を想いつつ、正月二日の「臨済宗鎌
倉五山巡礼の旅」へと、半ば無理やりに話を繋げる(笑)。
 少し逸脱すると、(清和天応の御代の)859年に九州の宇佐神宮から勧
請された石清水八幡宮のサイトには、「男山は(京の)都からみて裏鬼門
(南西の
方角)に位置し、鬼門(北東の方角)に位置する比叡山『延暦寺』と共に
都の守護、国家鎮護の社として篤い崇敬を受けてきました」とある。鬼の
出入口「鬼門」の思想は、平安遷都以降に陰陽師達が広める。元々は古代
シナの信仰だが、おらは「古代シナ≠現代中国」の立場を取り、近視眼的
な短期的政治利害から歴史を歪める中国共産党のプロパガンダや(ある意
味でカウンターパートの低レベルな)一部保守に与しない。
http://iwashimizu.or.jp/about/history.htm
https://kotobank.jp/word/%E8%A3%8F%E9%AC%BC%E9%96%80-441777

(腹立たしいのは、公共放送NHKや文部省認定の中高歴史教科書から歴史
学専門の大学教授まで、古代シナの事を「古代中国」の秦や漢王朝などと
出鱈目な表現を使う。それは古代ヨーロッパを「古代EU」と呼ぶ様なもの
で、誰でも「古代EU」のマケドニアやローマ帝国と聞けば、出鱈目だと理
解出来るのに、「古代中国」という表現にはもう違和感を感じない。ま
た、「中国三千年の歴史」という嘘表現はメディアで平気で流れるが、も
し誰かが「EU三千年の歴史」と言えば袋叩きだ。ここだけの話だが、実は
「中国」も「EU」も共に二十世紀に創られた(爆笑)。
 京の都の鬼門(北東)には、「都富士」と呼ばれた(京都府と滋賀県の
府県境に位置する)比叡山(ひえい・ざん)、裏鬼門(南東)には男山が
ある。古事
記には比叡山は「淡海(おうみ)の日枝(ひえ)の山」と記され、古代か
ら山岳信仰の対象である。また、古事記に依ると、「日枝の山」の山頂に
現在の『(滋賀県大津市『日吉大社(ひよし・たいしゃ)』の原型が記さ
れるが、(第十代)崇神天皇の御代の七年目に日吉社(ひえ・しゃ)は比
叡山の山頂から東麓の現在地に移る。空の山頂には、788年に最澄が延暦
寺を建立。日吉大社は延暦寺の鎮守府となる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AF%94%E5%8F%A1%E5%B1%B1

 整理すると、日枝(ひえ)は日吉(ひえ)で比叡(ひえい)である。さ
らに、日吉(ひえ)は日吉(ひよし)と読みを変える。同例として、(大
阪大阪市)住吉大社(すみよし・たいしゃ)の読みは、元々は住吉(すみ
のえ)で、住吉(すみよし)と変化した事が有る。競艇場の有る(同市)
住之江(すみのえ)は読みの当て字である。
 日吉大社は(全国三千八百社有る)日吉・日枝・山王(さんのう)の総
本社である。山王権現と呼ばれる同社は、猿を神の使いの「神猿(まさ
る)」とする。そこから連想するは幼名が日吉丸(ひよし・まる)の豊臣
秀吉が「猿」と呼ばれた話である。通説では秀吉は猿顔とされるが、果た
してそれだけか。(因みに、延暦寺の在る比叡山焼き討ちを嫌々行った秀
吉と共に、戦闘に参加した明智光秀の居城となったのは、大津市坂本にあ
る日吉大社と目と鼻の先の(滋賀県大津市)坂本城である)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E5%90%89%E5%A4%A7%E7%A4%BE

 平安時代の京都の鬼門・裏鬼門の思想は、後に徳川幕府の拠点である江
戸に移植される。京都の鬼門(北東)の霊的守護は比叡山の延暦寺(と、
日吉大社)で、裏鬼門(南東)の霊的守護は男山の石清水八幡宮だが、江
戸幕府は開幕に当たり京都の先例に倣う。(初代将軍)徳川家康・(第二
代将軍)秀忠・(第三代将軍)家光の三代が帰依した(天台宗の)天海大
僧正が、江戸城の鬼門を霊的守護する寺院として、1625年に上野山王山に
『寛永寺』を建立。(第四代将軍)家綱以降は徳川将軍家の菩提寺ともなる。
http://kaneiji.jp/about
 京都の鬼門を守る(天台宗の)比叡山に倣い、江戸の鬼門を守る(同じ
天台宗の)寛永寺は、「東の比叡山」の意味で山号を「東叡山」とする。
(同寺では
幕末の江戸無血開城後に、(第十五代将軍)慶喜を慕う彰義隊が立て籠も
り、「東征大総督」有栖川宮熾仁親王麾下の大村益次郎率いる官軍と、
「上野戦争」で徹底抗戦するが壊滅。その後、徳川家菩提寺の寛永寺の広
大な敷地の多くは、新政府に没収されるが、明治天皇の恩賜という形で、
飛鳥山と共に桜名所の『上野恩賜公園』は日本初の公園となる。同内の有
名な西郷隆盛像の裏側にはひっそりと彰義隊の墓標が有る)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E9%87%8E%E6%88%A6%E4%BA%89

 江戸の裏鬼門の霊的守護だが、赤坂に『(東京都千代田区)日枝神社
(ひえ・じんじゃ)』が在る。ややこしいが、830年に「入唐八家」で第
三代天台座主の慈覚大師・円仁が『(埼玉県川越市)喜多院』を創建した
折に鎮守として、860年に坂本の日吉大社を勧請したのが『(同市)川
越・日枝神社(ひえ・じんじゃ)』。1478年に太田道灌が江戸城築城の際
に、川越日枝神社から分祀したのが赤坂日枝神社である。日吉・日枝・山
王など山王神道と天台宗は、神道と仏教の壁を越えて相性が良い様である。
https://www.hiejinja.net/about/index.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9E%9D%E7%A5%9E%E7%A4%BE_(%E5%B7%9D%E8%B6%8A%E5%B8%82)

 他に江戸の霊的守護なのが、鬼門の『(東京都台東区)浅草神社』と、
裏鬼門の『(東京都港区)増上寺』である。増上寺は、寛永寺と並び徳川
将軍家の菩提樹でもある。方角とは関係無いが、家康は遺言で「遺体は久
能山に納め、一周忌が過ぎたら、日光山に小さな堂を建てて勧請し神とし
て祀ること。八州(日本全土の平和の守り神の)鎮守となろう」と残す。
秀忠は遺言通り、家康の亡くなる1616年に『(静岡県静岡市)久能山東照
宮』を建立。翌年の1617年に『(栃木県日光市)日光東照宮』を建立。同
年に秀忠は天海に家康の改葬を命じる。
 その際に吉田神道と山王神道のどちらで祀るか論争となるが、天海は山
王を主張し神仏習合で祀る。1623年に天海は日吉大社近くに、『(滋賀県
大津市)日吉東照宮』を建立するが、1634年の家光の「日光社参」後の
「寛永の大造替」に影響する。山王神道など神仏習合は、(西洋一神教の
影響を受けた)明治維新の廃仏毀釈まで千年続いた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E7%8E%8B%E7%A5%9E%E9%81%93
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E5%90%89%E6%9D%B1%E7%85%A7%E5%AE%AE
 新政府は西洋列強の圧倒的な産業力と文化力の前に、日本語の代わりに
フランス語の国語化や、白人女性と日本男性の混血化による体格の向上、
などと共に、国家宗教としての神道の疑似一神教化、も模索したのだろう。
また「少し逸脱した」まま長くなったので、改めて。
   (道楽Q)

2022年02月02日

◆【変見自在】TK生の嘘

高山 正之 

 日本人にとって韓国の大統領はみな禄でもない人のように見える。

 初代の李承晩は日本が占領下で手出しができないのをいいことに漁船員
を拘束し、竹島まで盗った。

 吉田茂が切れて在日の追放と韓国艦船の実力排除を下知すると、李承晩
は慌てて「日米韓三国平和条約」を提案し米国のスカートの中に逃げ込ん
だ。実に卑劣な男だった

 金泳三は人気回復のために日本が建てた朝鮮総督府を爆破した。山ほど
爆薬を仕掛けたのにドーム部分にぽこり穴が空いただけだった。

 それでも支持率は80%を越えた。以来、人気回復は反日が常套になっ
た。ただ日本には碌でなしでも、韓国の為政者としては評価される者はい
る。例えば朴正熙だ。

 彼が政権を取ったころの韓国は「分裂と腐敗と因循姑息に塗れ、工業化
など神話」(米経済学者W・ロストウ)でしかなかった。

 朴はそれを承知していたので「韓国人ではなく日本人にやらせよう」と
考えた。彼は血書で日本人を感動させ、満洲軍官学校に裏口入学した過去
がある。日本人の操り方を知っていた。

 で、ライシャワーに頼んで日韓会談を再開させ、日本人を怒らせた「謝
罪」の文言を引っ込めた。そして「我々は共産主義の防波堤になって日本
を守っている」「自衛隊 の代わりにベトナム戦争にも参戦する」と言った。

 日本人はころり騙された。5億ドルの経済援助に加え、半島に残した7
兆円の日本資産から工業化のノウハウまでくれてやった。かくて韓国人が
一切関与しない「漢江の奇跡」ができあがった。

 朴正熙に次ぐのは彼の暗殺後に出た全斗煥と盧泰愚の軍人コンビになる
か。全もただわあわあ騒ぐだけの民の性状を知っていたから戒厳令で黙ら
せ、まともさを教え込んだ

 漢江の奇跡は一時の徒花(あだばな)に終わらず、一人前の工業国家に育
て上げられた。盧泰愚はそれを受け、ソウル五輪を成功させ、国連加盟も
果たした。

 ロストウの見立てたダメな国は三人の軍人大統領によって大きく化け
た。しかしそこはごねる民情の国だ。勝手を言っては暴れる。北朝鮮が支
援して光州市で火を噴いた

武装した市民が警官と衝突し、国軍も制圧に出る血みどろの騒ぎとなっ
た。 厳重な報道管制下だ。何も聞こえてこないときに現地の「T・K
生」が「貴重な真実」を雑誌「世界」に報じ続けた。

「全斗煥は空挺部隊員に覚醒剤を飲ませ、全羅道市民の皆殺しを始めた」
「タクシー運転手も殺され、女子高生は裸に剥がれて銃剣で刺された」
「妊婦を刺し、胎児を投げ捨てた」「虐殺された市民は2000人にの ぼった」

 T・K生の報告に、例えば西岡力も全斗煥の政治に眉を顰めたと『日韓
「歴史認識問題」の40年』にある。
日本人はもっと初(うぶ)だから金大中みたいなのをいい人と思い、「ま
だ北のほうがまし」風の空気も生まれた。

 現場の韓国はもっと酷い。二人の大統領は光州市大虐殺の廉(かど)で裁
かれ、後に減刑されるが、全は死刑、廬も無期が宣告された。そして何年
かして元在日の池明観が「私がT・K生です」と志村けん風 に名乗り出た。

 彼は東京女子大で先生をしながら見て来たかのようなお話を書いていた
のだ。それが事実ならまだしも後の検証でT・K生の話はほぼ嘘。市民の
死者数は10倍も誇張され裸に剥がれた女子高生も、殺された妊婦もいな
かった。

 連載は本多勝一より酷いデマと嘘の塊だった。

 池の嘘は日本にも影響があった。「北の方がまし」論のせいもあって拉
致問題は朝日が一笑に付し、吉田康彦が大声で否定して、被害者救出は大
きく遅れた。

 嘘つき池が先日、死んだ。ベタの亡者記事でも勿体ないのに、朝日は評
伝に加え天声人語で池の嘘の数々をあたかも真実かのようになぞって見せた。

 そんなのを子供に書き写させて楽しいか。

〈新潮社編集部より〉

高山正之氏の本紙連載が、文庫になりました。

『変見自在 習近平は日本語で脅す』(定価605円)絶賛発売中。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 採録



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◆開戦前夜/14 21世紀版“独ソ不可侵条約”の怪しさ」

雀庵の“シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/425(2022/1/30/日】自由主義圏にとって現在の
最大の脅威は中露+イラン・北だが、このところドイツが急速に警戒され
るようになった。ドイツ民族はヒトラー・ナチス的な「私は優秀である、
正義である」という思い込みが激しいようで、欧州に散らばっていたドイ
ツ民族を結束させドイツ国家を創った(1871年、明治3年)宰相ビスマル
クも随分苦労した。

ビスマルクは“遅れてきた青年”明治日本に多大な影響を与えたが、日本は
片想いが過ぎたようで、結果的には日本はドイツと共に沈没し、米国のク
ビキを受けることになって今に至っている。それも何となく終わりそうな
気配だが・・・

「外語スペシャリスト」という月刊誌を編集していた時、大手ドイツ企業
の日本支社長(ドイツ人)にインタビューしたことがあるが「これからの
目標は?」と聞いたら、「やるべき仕事はし終えたから・・・」と困惑し
ていたことを思い出す。通訳してくれた秘書が取材後に「彼は優秀だった
からご褒美と慰労のために日本支社長として赴任して来たのよ」と説明し
てくれた。言わば老後の物見遊山での日本滞在であり、実務は副社長など
がこなしているわけだ。

日本人は経営者であれ社員であれ仕事を「天職」と思う人が珍しくない
が、どうもドイツ人は「仕事=労働は生活のための手段、苦痛」というの
が初期設定のよう。労働=搾取というマルクス主義の土壌はドイツ人の民
族性そのもののようである。夏彦翁は「国家とは言語である」と言ってい
るが、ドイツ語ガイド&哲学徒の宮城保之氏は「ドイツ語」についてこう
説いている。


<フランス、イギリスにおけるパリやロンドンのような政治的・文化的中
心を持たなかったドイツ語圏では、言語に関しても各方言が分立した状況
で、統一された正書法もなく、いわゆる「標準ドイツ語」と認められるも
のがなかったのです。

また特に学術分野での著述は、概念の未熟から教養人の言語としてのラテ
ン語やフランス語で行われざるを得ない状況が18世紀までも続きました。
ドイツ語の歴史とは、民族意識の高揚と共にそのような状況から脱却し、
自らの言語が参照すべき規範を結実させてゆく発展過程とも言えるでしょう>

日本語は西暦500年頃には成立していたろうが、ドイツ語は1700年(日本
の江戸時代)あたりから標準語になっていったようだ。言語=国家とすれ
ば、ドイツという国はまだまだ若いというか青年というか、英仏のような
“老練=狡猾”ではないとは言えるだろう。何となく危なっかしい感じで、
フランスのマクロンが後見人みたいにいつも保護≒監視しているのも青年
の暴走を抑えるためのようだ。本人が自覚していないのがどうも問題のよ
うである(小生の痛い経験による)。

共に“青年”新興国であるドイツとソ連が結んだ「独ソ不可侵条約&秘密議
定書」が第2次世界大戦の火元になった、という説は現在では多くの国で
共有されている。

<独ソ不可侵条約は1939年8月、ドイツとソ連との間に結ばれた条約。
ミュンヘン会談(1938)でのイギリス・フランスのドイツに対する宥和政
策に不信感を強めたスターリンと、ポーランド侵略をもくろむヒトラーの
間で結ばれた。この条約は、日独防共協定を結び、ノモンハンでソ連と紛
争中であった日本政府に大きな衝撃を与え、平沼騏一郎内閣は方向性を失
い、「欧州情勢は複雑怪奇」との声明を出して総辞職した

またポーランド、バルト3国の分割が「付属秘密議定書」において取決め
られた。この条約の発表後、ドイツはポーランド侵攻を開始、9月にはイ
ギリス、フランスがドイツに宣戦布告を行い、第2次世界大戦が勃発。 41
年6月22日、ドイツ軍によるソ連攻撃が開始され、条約は破綻した>(WIKI)

在独評論家の川口 マーン 惠美氏「ドイツ海軍トップの『不適切発言』で
可視化された、ウクライナ危機の残念な背景 だからドイツはロシアに強
く出られない」現代ビジネス2022/1/28は、未だに大人になりきれない“青
年”ドイツの未熟さ、危うさを実に丁寧に説いている。怪しい“乳母”メル
ケルに育てられた“赤色青年”ドイツにつける薬はあるのかどうか・・・

<ドイツ海軍のシェーンバッハ司令官が1月22日、ロシアとウクライナ
について不適切な発言をしたため、即日、任を解かれた話は日本でも報じ
られた。シェーンバッハ氏は海軍中将で、事実上はドイツ海軍のトップで
ある。

ただ、氏の辞任によって、この事件が終わったわけではない。それどこ
ろか、ウクライナ問題に対するドイツの特殊なスタンス、また、ロシアと
の海底ガスパイプライン「ノルトストリーム2」への固執などが、突然、
可視化されてしまった。

当然、ウクライナやNATO同盟国の間からは、ドイツは信用できるのかとい
う声が上がり始め、ドイツ政府にとって極めて難しい事態に発展しつつある。

▼西側が口が裂けても言わなかったことを・・・:まず、1月22日、いった
い何が起こったのか? その日、シェーンバッハ氏は、インドのデリーで
開かれたシンクタンクの会合に出席していた。会議室のような部屋で大き
なテーブルを囲んで数人が座っており、その中の一人であるシェーンバッ
ハ氏が英語で力説しているシーンが、ユーチューブにアップされている。

内容はというと、「ロシアがウクライナの一部を占領しようとしていると
いうのはナンセンス。プーチン大統領が真に求めているものは、対等な目
線による敬意だ」「彼に敬意を表するには、ほとんど一銭もかからない、
まったくかからない」「もし、自分が訊かれればこう答える。プーチンに
敬意を持って接することは簡単だ。しかも、彼はそれに値すべき人間だ」
等々。

西側では、2014年のロシアのクリミア併合以来、プーチン大統領は国際法
違反の極悪人扱いなので、まず、この発言が完全にNGである。

さらにシェーンバッハ氏は現在、西側がとり続けているロシアに対する制
裁は「間違った方向に行っている」とし、ロシアとの連帯を促す。なぜな
ら「中国の脅威が迫っているから」。氏は、自分は敬虔なカトリック信者
だと述べており、中国に対抗するためには、キリスト教国のロシアを味方
に付けることが良策であるとする

プーチンが無神論者でも「それはどうでもよい」。「ロシアはドイツとイ
ンドにとって大切な国で」「たとえロシアが民主主義でないとしても、こ
の大国をパートナーとすればロシアを中国から離しておくことができる」。

シェーンバッハ氏のこの発言からわかるのは、親露というよりも、彼が中
国の脅威を非常に深刻に捉えていることだ。彼にとっての最悪のシナリオ
は「ロシアと中国の結託」であり、しかし、西側がこれ以上ロシアを敵に
回せば、必ずそれが起こると確信している。西側の対ロシア制裁が間違っ
た方向に行っているというのはそういう意味だ。

インドと中国は長年に亘り敵対する問題を多く抱えているため、中国の脅
威を強調すれば、対ロシア宥和政策へのインドの支持を得られると考えた
のではないか。

シェーンバッハ氏はさらに決定的なことも言っている。「クリミヤは失わ
れた。2度と戻ってはこない」。これこそ、西側が口が裂けても言わな
かったことだ。クリミア半島はウクライナ領であり、国境は元に戻されな
ければならない。そのためウクライナへの支援が不可欠であるというの
が、西側の正論である

▼ウクライナとドイツの温度差:要するに、この日のシェーンバッハ氏の
発言はすべて(政治的に)間違っており、当然、ベルリンは蜂の巣を突い
たような騒ぎとなった。国防省の報道官は、「シェーンバッハ氏の発言内
容、および使われている言葉は、我が省の取っているポジションとはまっ
たく違う」と火消しにおおわらわ

また、当のシェーンバッハ氏もツイッターで、自分の発言を「明らかな誤
り」と認め、「思慮の浅い発言が、これ以上ドイツ海軍、陸軍、とりわけ
ドイツ政府に損害を与えないため」、その日のうちに辞表を提出。それが
瞬く間に受理された。お役所仕事に時間のかかるドイツにしては、異例の
早さだった。

しかし、すでにその間に、ウクライナではドイツ大使がキエフで外務省に
呼び出されて説明を求められ、一方、ベルリンではウクライナのメルニッ
ク大使が、ディ・ヴェルト紙の取材に答えて、思い切り咆哮していた。

彼曰く、このスキャンダルは「ドイツの国際的な信用度と責任感に大いな
る疑念を生じさせるもの」で、「この軽蔑的な言動は、我々に、ナチに占
領され、ウクライナ人が下等人間として扱われていた頃の恐怖を無意識の
うちに彷彿とさせる」と

ナチを持ち出されると反論できなくなるのがドイツ人だが、ここから先が
さらにすごい。「ドイツ国防軍の最高幹部の一人が、ドイツの傲慢と狂気
で、戦争犯罪者プーチンと聖戦連合を組み、中国相手に現代の十字軍を派
遣することを夢見ている

ウクライナは何だかんだと言いながらも、現在、NATOの援助で急速に軍事
力を増強している。英国とは共同で軍艦の建造、トルコとは戦闘用ドロー
ンのライセンス製造の話が進んでいる。また、米軍からは2億ドル分の軍
備の出荷が決まっており、エストニアはすでに昨年、2400丁のピストルを
送ったという

どれもこれも、国境のところに集結している10万以上のロシア兵がまもな
くウクライナに侵攻するという前提の下での対策だ。ウクライナは当然、
ドイツにも武器の協力を要請したが、ドイツ政府はそれに応じていない。
それどころか、エストニアがドイツ製の武器をウクライナに送ろうとした
のを妨害したほどだ。

新政府のベアボック外相は緑の党ということもあり、紛争地域への武器の
輸出など、たとえ防御用の武器であっても御法度で、その代わりに提案し
た援助は傷病兵の治療や野戦病院の整備だった。温度差は激しい。

▼ウクライナ側に募っていたイライラ:ただ、真相は少し違う。実はドイ
ツ政府は、ロシアに強い態度で出られない事情がある。ロシアのガスへの
依存が強すぎるのだ。

しかも、昨年の大晦日に予定通り3基の原発を止めたため、今後、さらに
ガスの輸入を増やさなければ停電の危険もあるという瀬戸際だ。だから
EU、およびNATOの一員として、対ロシア政策を共有しているはずといえ、
その態度は煮え切らない。

ロシアに逆らってガスの供給が滞っただけで、ドイツ産業は壊滅状態に陥
る。つまりドイツ政府は現在、あたかも罠に落ちたような八方塞がりの只
中にいる

そのため、ロシアからドイツへ直結する海底ガスパイプライン「ノルトス
トリーム2」の存在が、日に日に重要度を増している。ドイツ政府として
は、1日も早く稼働させたい。ところが、米国、およびEU各国が挙って反
対しており、いまだに稼働できない。しかも、一番強硬に反対しているの
がウクライナなのである。

ノルトストリーム2が開通すれば、ウクライナ経由の陸上パイプラインが
ほぼ不要になり、ウクライナは膨大なトランジット料を失う。つまり、国
の浮沈のかかった問題だ。強硬に反対するウクライナを、保障までつけて
宥めようとしているドイツだったが、ウクライナのドイツに対する不信感
は大きかった

1月17日、ベアボック独外相はウクライナの首都キエフを訪れ、武器は輸
出しない代わりに、水素プロジェクトを持ち出した。


以前より、未来のエネルギーである水素のパイオニアになると豪語してい
たドイツだが、新政府はそれを早急に実行に移すため、キエフに水素外交
事務所なるものを創設すると宣言。将来は、ドイツ・ウクライナ両国で再
エネ発電を拡大し、その電気で水素を製造する。それが商業ベースに乗っ
た暁には、既存のガスパイプラインを水素の輸送のために活用しよう!と
いう遠大な計画である。

これを聞いて、ウクライナのクレバ外相の堪忍袋が切れたかどうかはわ
からない。しかし、ウクライナが緊急に必要としているのは、いつできる
かわからないグリーン水素ではなく、今、使える武器である。

そして、そのわずか5日後、この不協和音がまだ鳴り止んでいない時
に、シェーンバッハ氏の失言事件が起こった。その途端、ウクライナ側が
総出で言いたい放題になった背景には、ドイツに対するこういうイライラ
があったわけだ

ドイツでは、家庭用の電気代やガス代は、今年から平均6割も値上がりし
ている。パイプラインはどうしても稼働させたい。ただ、ナチとの比較ま
で持ち出されたドイツが、今後、どうすればそれを稼働させられるのかは
不明だ。ショルツ首相は、ノルトストリーム2は民間事業であり、政治と
は無関係という苦しい言い訳をしているが、ドイツが次第に孤立し始めて
いることは否めない。


▼日本は自国を守る算段を:さて、シェーンバッハ海軍中将の失脚は、実
は日本と無関係ではない。対中包囲網の一環としてアジア方面に派遣され
ていたドイツのフリゲート艦を率いていたのも彼だ。そして、昨年11月、
東京に寄港した際、艦上で日本のメディアのインタビューに応じ、法に基
づく平和と秩序に貢献するため、「可能ならば2年に1度は艦船を派遣した
い」と語っている。

今思えば、この発言にも氏の対中防衛の思いが色濃く出ていたのである。
EUに、中国を世界平和の真の危機と見ている政治家はあまりいない。そん
な中、シェーンバッハ氏の脱線と脱落は、世界の力学を微妙に変えてしま
うかもしれない。もちろん、日本にとっては不幸な方向に。

一番の懸念は、氏が恐れていた「ロシアと中国の結託」だ。私たちは今、
ものすごく危うく、きな臭い歴史の曲がり角にいるのかもしれない。日本
は無駄な感染対策や、蜃気楼のように実態のない論争ばかりしていない
で、自国を守る算段に本気で取り掛かるべきではないか

そんなまともな政治家は“USAハイスクール”の日本にはほとんどいないよ
うな感じがする。ドイツ人哲学者・ボン大学教授のマルクス・ガブリエル
は「日本はテクノロジーに関するイデオロギーを生み出すのが抜群にうま
い」とヨイショするが・・・

<昔流行った「たまごっち」は、機械に愛情を投影することで人間として
の欲望が置き換えられるものだった。日本はこうしたモデルを受け入れる
傾向が他の地域よりあると思う。

ドイツで起きた反GAFA運動について思うのは、ドイツは長い期間、テクノ
ロジーと独裁主義、イデオロギーとの関りを味わってきた。ドイツは自動
車を発明したが、ドイツが行った人類滅亡への多大な“貢献”だ。ドイツの
イデオロギーとか発明は人類史上最悪である。

ドイツは二度の世界大戦で重大な役割を果たした。あれは人間を破壊する
ためにテクノロジーが使われた戦争だった。ドイツ人はテクノロジーとは
「壊滅という悪の力」だと思っているから、テクノロジーで利益を上げて
いる一部の人を除き、ドイツ人はデジタルテクノロジーに強い抵抗を示
し、「これは独裁だ」と本能的かつ直観的に反発する>(著書「世界史の
針が巻き戻るとき」から要約)

彼はテクノロジー、最先端技術に対するドイツ人の危惧を共有しているよ
うだ。原発反対、風力・太陽光発電、カーボンニュートラル、プーチン印
の天然ガス大好きという、いささか妄想性暴走族のドイツ人から見れば、
それに異議を唱える野党のAfD(ドイツのための選択肢)に同情し、新し
いもの好きで軽薄、その上、お行儀だけは良いタマゴッチ日本は「異端、
邪教」ということになる。だからガブリエルは「日本は非常に柔和で優し
いが、完璧に滑らかな機能性には暗黒面(ダークサイド)があり、まるで
ソフトな独裁国家のようだ」と評している

お前に言われたくないよ、とは思うが、軽佻浮薄、付和雷同の陰に何をし
でかすか分からない「不気味さ」が日本にあるのは否定できない。逃げな
いで吶喊する・・・勇武と言えば聞こえはいいが、狂気と言えば狂気のよ
う。しかし、督戦隊がないと兵士(ほとんどが農村戸籍らしい)が逃げて
しまうという中共以外は似たようなものではないか。松陰先生曰く「狂の
一字を忘れるな、我、二十一回猛士たらん」。

(ここだけの話だが、病識のある小生は常に再発狂しないように自分で自
分を監視している。誰よりも自分を恐れている。ここまではまあいいが、
「誰よりもクリエイティブではない狂者の真似っ乞食的無差別殺傷を激し
く憎んでいる」というのはいささか物騒か。この手の無差別殺人狂をキチ
〇イの風上におけぬゲス野郎と軽蔑しており、罪のない人を1人でも殺し
たら原則即効で死刑にしろと思っている。殺された本人、家族、被害者に
寄り添うどころか、犯人の人権を云々する人非人、心神喪失だからと不起
訴にする法匪を、犯人ともども処刑したい気分だ。人殺しに甘い社会、こ
れが文化文明か? 人権を錦の御旗にしながら中共の人権無視には知らん
ぷり・・・こういう似非人権派を如何にせん、最低でも研究助成費を断つ
べきではないか。閑話休題)

フランスはドイツ担当の刑務官、噛み癖のあるシェパードを訓練している
担当官みたいだが、フランス人の歴史人口学者エマニュエル・トッドによ
ると、ドイツが親ロシアになったのは米国の歴史無視のソ連=ロシア叩き
だったという

<フランスの「反米」はドイツの「反米」に比べれば冗談の類だ。私見に
よれば、ドイツ人は第2次世界大戦の米国勝利を正当なものとは見做して
いない。というのも、真の勝利は地上戦における勝利であり、その勝利は
ロシアのものであったということ、ナチス・ドイツと熾烈に戦った連合国
軍の90%がロシア人だったということを、ドイツ人は知っているからだ。

ソ連ブロック瓦解後にアメリカがロシアにとった過酷な政策は、戦略的に
とてつもない過ちだった。アメリカは冷戦の勝利に酔いしれて、自らがド
イツを不安定な、危なっかしい状態へと促していることに気付かなかった

アメリカはナチス・ドイツに対する真の勝者であったロシアに屈辱を味わ
わせた。それはある意味で、第2次世界大戦がなかったかのような仕打ち
だった。勝者も敗者もないという歴史無視だった。その結果、(戦端を開
いた)ドイツは自国の過去(原罪)から解放された。つまり、米国は反ロ
シア政策をとったことで、ドイツに対するコントロール力を失ったのだ>
(著書「問題は英国ではない、EUなのだ」から要約)

プーチンのウクライナ侵略=NATO加盟阻止に、根っこが親露、親中、反
米、共産主義志向のドイツは目をつぶるのだろう。それは暗黙ながらも
「21世紀版の独ソ不可侵条約」みたいで、プーチンと習近平は喜んでいる
だろうが、ドイツは米国陣営から総スカンを喰らうことになるのは間違い
ない。

英国は「大英帝国の偉大なる復興」を目指しているのだろう、ウクライナ
防衛戦を準備しており、狡猾なドゴール主義のフランスが主導権を持つEU
は米国と距離を置き、調停役を務めるつもりのようである。NATOが同盟国
ではないウクライナのために動くかどうかも怪しい。

当のウクライナのゼレンスキー大統領は「報道機関そのものがパニックを
作り出している。尊敬される複数の国家指導者でさえ、明日にも戦争にな
ると言ってくる。これはパニックだ。そのせいで我々の国家にどれほどの
犠牲を払えというのか」と非難している(キエフ共同1/28)。ウクライナ
自身が「NATO加盟を巡って戦争になるよりはプーチンと妥協した方がマシ
だ」と腰が引けてきたよう。プーチンの勝ちか? またも負けたかバイバ
イ・バイデン? それなら習近平は大喜びして台湾・日本に襲いかかるだ
ろう。


日本はウクライナ在留邦人の退避を進めているが、国内ではコロナと佐渡
金山の大問題で「ウクライナってなーに?」の感じ、次元が違うという
か・・・小生が妄想性イカレポンチなのか、岸田政権がボンクラなのか、
間もなく分かるだろう。


    
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◆ロシア軍のウクライナ侵攻は準備完了

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月30日(日曜日)
     通巻7202号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ロシア軍のウクライナ侵攻は準備完了
  米英は増派、マクロンは一時間にわたりプーチンと電話会談
**************************

 ウクライナの戦雲、戦争回避の見通しは視界不良。
 ポーランドはベラルーシとの国境186キロに、高さ5・5メートルの
高い壁を作り始めた。2月10日から始まるロシアとベラルーシの軍事訓
練を前に、難民が集中する可能性が高いからだ。
ベラルーシの独裁者ルカチェンコ大統領は「ロシアがもし攻撃されれば、
戦うだろう」と豪語し、ロシアとの同盟の絆を強調した。

 バイデン米大統領は8500人の米兵派遣を発表して準備に入ったが、
さらに「若干プラスする」と1月29日に述べた。
英国ジョンソン首相は英国軍の東欧派遣を声明した(現在、英軍はエスト
ニアに900,ポーランドに150人が駐屯)。
ミリー米統幕議長は「戦争となれば甚大な被害が出るだろう」とし、オー
スティン国防長官は「まだ戦争を回避できる可能性がある」。2004年
のオレンジ革命から二十年近い歳月が流れたが、最大の軍事的緊張状態が
さらに深刻化している。

こうした中、フランスのマクロン大統領はプーチンと一時間にわたっての
電話会談を行い戦争回避の道を探った。
プーチンは「われわれは戦争を望んでいない。NATOが東方拡大をしな
いとした約束を守り、NATOは東欧諸国から撤退するべきだ」と語った
という。

すでにウクライナ周辺に十万以上のロシア兵を配置し、黒海艦隊は20隻
がウクライナ南部海岸を遊弋している。またロシア軍は武器弾薬、燃料な
ど兵站を拡充させており、後方支援システムもまもなく準備完了の状態と
みられる。

 肝心のウクライナだが、ゼレンスキー大統領は発足時に73%あった支
持率が陥落。昨年12月の世論調査で、支持率25%。民意はNATO加
盟、EU加盟のほうが強い。
 米大使館職員、家族のキエフからの引き揚げにゼレンスキー大統領は
「かえってパニックを煽る」と批判した。米国の演出と踏んでいるようで
ある。

 他方、米国の世論は軍事介入に消極的な上、バイデンの無様なアフガニ
スタンからの撤退ぶりに失望した経緯もあって、その戦争指導力を根底か
ら疑っている。
 共和党のなかには「ウクライナは欧州の問題であり、いま米国が同盟国
と一緒に取り組むべきは中国の軍事的脅威である」という見解が強く支持
されている。

     
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 戦前の歴史教科書はかくも健全で客観的だった
  戦後の左翼史観の堕落と腐敗にはあきあきした

  ♪
『(復刻版)中等歴史 東亜及び世界篇』(三浦小太郎解説。ハート出版)
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 戦前のわが国で、これほど正しい歴史教育が行われていたことを私たち
は76年間も忘れていた。
 このたび復刻された歴史教科書は昭和十九年のもので、大東亜戦争中だ
からと言って、敵国を決して侮らず、格調高く、学ぶべきことは、正確に
筆も曲げず客観的に記述している。
 アジアを侵略し、過酷な支配、略奪、搾取を行っていた英・仏・独、そ
して米国。この欧米列強(戦勝国)に不都合な真実は、GHQにとっては
知られてはまずいことだった。
 占領政策の根幹は日本人から大和魂を奪うことにあり、歴史教科書など
は真っ黒に墨を塗られ、やがて回収され、廃棄された。
ところがこんど復刻された教科書を読むと、偏向にみちた内容ではなく、
当時の日本の知識人と文部省は理性と公正な目で歴史を見ていたことが判る。
 中国古代史もちゃんと支那と書かれ、「土地が広く、統一が困難なの
で、国家というよりも、寧ろ社会といった感じが濃厚である。随って、こ
れを治めるには、主権を尊大にする必要がある。君主が、天の命令により
政治を代行するものとして、古来、天子と言われた」。
 じつに分かりやすい説明である。
 謎の国、ツーグース系といわれた渤海の興起に関してもこういう記述で
ある。
 「渤海は、わが奈良時代の初め、今の渤海の地に興り、二百余年間続い
た王国で、上京を首都とし、諸制度を設けて海東の盛国といわれた。まさ
に高句麗の後を承けた、満州民族による堂々たる独立国家である。この国
は頼りに唐の文化を輸入するとともに、高句麗の先例にならい、わが国を
慕って、聖武天皇の御代から約三十回も朝貢した。わが朝廷では、その使
節を優遇せられ、又、答礼使をお遣わしになった」(因みに拙著『葬られ
た古代王朝高志国と継体天皇』にも渤海使の一覧を掲げておいた)。
 問題は蒙古の企図した日本侵略戦争、すなわち元寇である。戦前の教科
書はどう教えていたのか。
 「(モンゴルの)第5代の君主となったのは、クビライ即ち世祖であ
る。かれは、都をカラコルムから大都(北京)に遷し、国号を元と定め、
南宋の討伐に向かった。南宋では、忠臣文天祥らが防戦に努めたが、それ
も空しく遂に滅びて、ここに北方民族最初の支那全土支配が実現した。し
かし蒙古人は、どこまでも陸の王者であった。海上の進軍では、二回にお
よぶわが国への元寇が、神州の威武によって撃壌されたばかりでなく、
ジャワへの侵攻もまた不成功に終わった」
 驚くべし。元寇の記述は、この数行だけ。鎌倉武士の勇敢な防戦ぶり、
防人の強さ、防塁、水城などに関しては記述がない。さらりと書くに留め
ているのだ。逆に言えば自信の表れだろう。
 ならば秀吉の朝鮮征伐は、いかにまとめられていたか。
 「秀吉の雄心壮図は、一種の新東亜建設をめざしたものである。惜しく
も中途にたおれたため、その抱負は実現されなかったが、この頃開始され
た朱印貿易は、江戸初期に至って益々発展し、ヨーロッパ人がまだ南方に
はびこらぬ時、既に各地方で著しい活躍ぶりを示していた」。
 秀吉は切支丹伴天連の日本侵略をまえに予防戦争を仕掛けたのが実情
だったが、時の大東亜戦争の目標が東亜新秩序だったから、秀吉の戦略を
重ねたのだろう。
 本巻解説は三浦小太郎氏が担当している。
            
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 

【知道中国 2322回】            
 ─英国殖民地だった頃・・・香港での日々(香港204)

  △
 曹操の逃避行にかかわる物語は千変万化し、やがて正史が記した姿とは
趣の異なった佇まいの曹操として「捉放曹」の舞台に立ち現れる。
このような変化は、なぜ起こるのか。おそらく創り手である戯作者や役者
は自分の思い描いた性格を備えた曹操を創造し、舞台に送り出すのであろ
う。そんな曹操に観客は熱狂する。
かくて正史が描き出す曹操ではなく、舞台の上に躍動する曹操こそを、民
衆は「真の曹操」として受け止めるのではないか。

 民衆は王朝公認の正史なんぞ知らない。であればこそ舞台の上に描き出
される英雄群像が織りなす人間模様が、民衆にとっての歴史となる。そこ
ら辺りに、娯楽は民衆教育の手段であるという芝居の持つ効用が秘められ
ているように思える。

 極めて生硬で回りくどい話になってしまったが、要するに実際は極めて
優れた軍略家・政治家・文学者とされるものの、やはり物語や芝居──民衆
にとっての中国史──では曹操は飽くまでも「大悪人」として性格づけられ
ている、ということだ。
この場合の「悪」はワルではなくツヨイを意味するが、では、なぜ民衆に
とっての中国史の中で曹操は「悪」の大英雄として振る舞わねばならない
のか。史書などが伝える歴史上の人物や出来事が京劇の舞台に移された末
に、いったい、どのように変貌を遂げているのか。

 ──こんな視点から京劇を見直してみたいと思うが、それには稿を改める
しかなさそうだ。
それにしても、である。多種多様な楽しみの『タネ』をもたらしてくれた
第六劇場、それに春秋戯劇学校に半世紀の時を超えて、改めて感謝するば
かりである。

 さて京劇に対する些か、いや過度の偏愛ぶりに我ながら呆れ返るしかな
いのだが、こ辺で京劇を切り上げ軌道修正し、再び香港での日々に戻るこ
とにしたい。

 第六劇場通いが順調に続いている一方で、我が生活は突如として異常事
態に見舞われてしまった。
大家が突然に「家賃に関し価格調整をしたい」と言い出したのだ。もちろ
ん家賃を低い方に「調整」するわけがない。高額の方に「調整」、つまり
値上げである。それにしても直截に「値上げ」と言わず、婉曲に「調整」
とは言い得て妙だ。流石に「文字の民」ではある。だが、そう言って感心
ばかりしてもいられない。それというのも予想外に大幅な「調整」が突き
つけられたからである。

「おいおい突然に、余りにも理不尽じゃないか。アンタのトイレ長時間
占拠に文句を言うこともなく付き合ったではないか」と抗議の一つもした
いところだったが、冷静に考えれば、一般の家賃相場に較べて安かったこ
とも事実だった。加えて大家には大家の事情があったのだろう。大家は貧
乏留学生を追い出し、新しい借り手を探そう。いや、すでに次の借り手の
見当は付いていたのかもしれない。いや、きっとそうだ。そうに違いない。

 だが、だからと言って大家の言いなりになったら、粒々辛苦して築き上
げた京劇中心の快適な生活が完全に狂ってしまうことになる。ここは思案
のしどころだ。
 快適な居住環境か、それとも第六劇場漬けの生活か。
 その時の思いを幕末・維新期の梟雄で知られる雲井龍男が詠じたとされ
る「棄児行」(「斯の身飢ゆれば 斯の児育たず 斯の児棄てざれば 斯
の身飢ゆ 捨つるが是か 捨てざるが非か 人間の恩愛 斯の心に迷
う」)に託すなら、さながら「斯の身飢ゆれば 京劇育たず 京劇棄てざ
れば 斯の身飢ゆ 捨つるが是か 捨てざるが非か」だろう。相当に芝居
がかってはいるが、そこで敢えて「斯の身飢ゆ」の道を選ぶことにした。

 そうと決まったら、なによりも新しい下宿だ。
だが当時の家賃相場から考えるなら、九龍の街中で窩打老道の冠華園で味
わっていたような快適な生活環境を確保することは至難だ。そこで思い
切って繁華な九龍を離れ、田園豊かな新界に転居することにした。
      
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜読者の声 ど
くしゃのこえ READERS‘ OPINIONS
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1)「日本のグレタちゃん」=ゆたぼん君。
在米なので、知らないことが多い。10歳のユーチューバ─少年革命家、
「ゆたぼん」aka 中村逞珂(ゆたか)氏を発見した。
「なんで不登校になったかというと、周りの子たちがロボットに見えたか
らです」「人生は冒険や」「不登校は不幸じゃない」「いやいや学校へ
行ってる子たちの方が不幸だと思う」など、文科省の教育を、解析、批判
するばかりでなく、現場で「悪と戦う」と言う行動をとる。ほぼ99.9%の
児童、学生は6+3+3+4=16年間を恐らく世界で最も劣化した高価な教育
を受け、親もそれを過去半世紀当然の事として感受してきた。
抗議し、我が子を「救い出す」行動に出るものはいなかった。無関心、無
責任、無情の極み。そのツケが、世界最高の自殺、援助交際、非日本人
化、学力の劣化、無気力、貧困化、少子化、「絶望」。
                
そもそも公共、公立学校とは、その時代、政府にとって都合の良い人材を
大量生産するための仕組みである。
現在の仕組みは明治時代に設計され、当時の雇用に適した能力を備える任
務をいまだに受け継いでいる。言わばEV車の代わりに蒸気機関車を強要す
る。幼い子供は、いつの時代でも大人に利用されることは、かつてのナ
チ・ドイツでも文化大革命中共でも、繰り返され、優秀な大人が、洗脳さ
れた子供たちによって処刑された。グレタ氏、ゆたぼん氏はどんな革命
を、誰を何を糾弾するのか。誰がそれを利用するのか。
子供の夢、素晴らしい自由の未来。恐らくダヴォス会議で決められるよう
になるのだろう。恐らく投票権は18歳から12歳位に直す。
ゆたぽん氏の発言、行動は大人によって、支持されたり、非難されるが、
根本の「腐敗、荒廃した究極の独占、賎脳、反日、弱日本化共同体」。文
科省を直ちにぶっ潰せ、と言う有識者はいない。
というところに日本の深い危機的な状況を散見する。   
 (在米のKM生)


(宮崎正弘のコメント)トランプは2016年立候補声明と同時に刊行し
た『身体障害のアメリカ』のなかで、「文部省は不要だ」と主張していた
ことを思い出しました。

   ♪
(読者の声2)宮崎正弘先生の新刊『日本の保守』(ビジネス社)を基軸
に、大和魂、日本の保守思想を論じた番組(下記サイト)を二回、みました。
じつに平明に印章深く頭の中に刻まれました。日本の保守思想の原点は神
武天皇以来ということも初めて知りました。
https://www.youtube.com/watch?v=F_oOJ0KsS3k
日本文化チャンネル桜という局は、じつに有益な番組を提供しているので
すね。(DD生、前橋)

  ♪
(読者の声3)ウクライナ危機とフィンランド戦争
 1.「一寸の虫にも五分の魂」現在の危機に1939年のフィンランド冬戦
争を重ね合わせる人が多いだろう。当時人口350万のフィンランドは人口
1.5億のソ連の恫喝に抵抗して戦った。まさに一寸の虫にも五分の魂だ。
最終的には広大な領土を奪われたが偉いものである。この戦争はノモンハ
ン事件の直後であることが重要だ。
 2.「ノモンハンの教訓」というのは、1939年のソ連赤軍はスターリン
の独ソ戦に備えた幹部大粛清でガタガタになっていた。そこでスターリン
はノモ
ンハンで実戦訓練を行わせたが日本の関東軍により大打撃を受けてしまっ
た。このため軍内部で反省が行われたが、その報告書をジューコフが保身
のために握りつぶし、現地シュテルン司令官の責任にしたので司令官は処
刑された。そしてこの組織的な混乱を引きずったまま戦争に入ったのが、
フィンランド冬戦争だったのである。このため赤軍は再び大打撃を被って
しまった。厳冬のフィンランドの森の中で冬装備の不十分なソ連兵が大量
に凍死したが、フィンランドの司令官は我々の責任ではない、と述べたと
いう。
 ヒトラーはこのソ連の大損害を見て、対ソ戦を軽く見たという意見もあ
る。またこの緒戦の大敗はヒトラーを油断させるスターリンの罠という意
見もある。
 3.「現代の解決」現代は核兵器が発達しているので、小国でも古典的
な大国と五分に渡り合える時代だ。ウクライナも核兵器を少しでも保存し
ていればこんな侵略を受けなかった。
日本も核不拡散などと世迷い言を言っている時代ではない。国家の自由と
独立はすべてに優先する。
  (落合道夫)

2022年02月01日

◆岸田首相の「適切な蛮勇」に期待

【有本香の以読制毒】


弱腰の米国、さらに増長する中国・ロシア「ウクライナ侵攻」を止められ
るのは日本だけか

「ウクライナ危機」が、連日報じられている。しかし、日本の報道では
「よく分からない」と感じる向きも多かろう
そこで、筆者の個人ネット番組「ニコニコ生放送・有本香
CHANNEL」に25日、在日ウクライナ人の評論家、ナザレンコ・ア
ンドリー氏(27)を迎え、現地情勢、背景を詳しく聞いた。このときの
氏の話を踏まえ、「ウクライナ危機と日本」について書いてみたい。

ナザレンコ氏との事前の打ち合わせで、私自身のある誤解を気付かされ
た。2014年、ロシアのクリミア侵攻のときから、日本のメディアが繰
り返し言ってきた、「ウクライナ東部にはロシア派住民が多い」という点
についての誤解である

この「ロシア派」説明のよりどころの1つとして、日本の大新聞などは、
「ロシア語を第一話者とする人の割合」を引き合いに出してきた。

確かに、言語はアイデンティティー形成の要件の1つとなり得る。だから
こそ中国では、民族の言葉が奪われかけているウイグル人らが命がけで抵
抗しているのだが、ウクライナの事情はこれと異なる。

「私もロシア語が第1言語ですよ」

ナザレンコ氏はこう言う。

東部ハリコフ市出身で、クリミア侵攻の際には、10代の身で、前線のウ
クライナ兵に物資を運ぶ活動をしたナザレンコ氏が「ロシア派」なはずが
ない。だが、そんな氏が普段、家族や親しい友人と話す言語はロシア語
で、公用語のウクライナ語ももちろん話せるという。

あえて例えるなら、台湾人の多くが、「普通語(北京語)」を母語としな
がら、「中国人ではない」と自認することに近いといえようか。

帝政ロシア時代、ソビエト連邦時代を通じ、ロシア化の波を受け続けた結
果、人々はロシア語を話すようにはなったものの、アイデンティティーは
ウクライナ人でしかあり得ないという。

つまり、ウクライナで「第1言語がロシア語」の住民が多いことをもっ
て、「ロシア派住民」が「多い」かのように言うのはひどいミスリード
だ。日本の報道の「ロシアバイヤス」ともいえる。ちなみに、ウクライナ
で現在、「親ロシア」の国政政党は一党のみ、支持率は12%強に過ぎない。

一方、ロシアが現在ウクライナ国境付近に集結させた軍の数は約13万。
ロシアの全地上部隊の3分の1から半分近くにも上る。ロシアの要求は
「ウクライナのNATO非加盟」だというが、これを額面通り受ける日本
の報道もナイーブ過ぎる。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の真の狙いは、旧ワルシャワ条約
機構の復活と見て間違いない。

最近の世論調査では、58%ものウクライナ人が、ロシアの侵攻に「自ら
武器を取って戦う」と答えたという。民兵組織を合法化する法律も成立さ
せた。強国ロシアにひるまないウクライナだが、頼みの米国と欧州にはウ
クライナ防衛のためロシアと戦う気がない。

ジョー・バイデン米大統領に至っては12月、「軍事力行使の選択肢はな
い」と発言する体たらくである。

わが日本の岸田文雄首相は、ウクライナ情勢についてこう述べている。

「重大な懸念をもって注視している。G7(先進7カ国)の枠組みなどを
重視し、国際社会と連携して適切に対応していく」

ナザレンコ氏は言う。

「ロシアが国境に集めた13万もの部隊の中には、極東から移動した部隊
が含まれます。日本は絶対に攻めてこないから容易に移せるのです」

仮にここで、岸田首相が「わが国は、地球上のいかなる『力による現状変
更』も許さない」と宣言し、北海道での自衛隊と米軍との軍事演習にでも
言及したら、ロシアはどう出るか。

ウクライナと中国、北朝鮮のつながりを懸念し、「ウクライナに騙される
な」という日本国内の親ロ派の声もあるが、所詮、他国はどこも腹黒い。
日本がいま優先して警戒すべきは、弱腰の米国を見て中国とロシアがさら
に増長することだ。その牽制(けんせい)のためにも、岸田首相の「適切
な蛮勇」を期待する。ウクライナ危機を止めることができるのは日本だけ
かもしれないのだ。

■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生
まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国
際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に
『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬
舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国
紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の
真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本
史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

夕刊フジ【zakzak】ニュース採録




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◆雀庵の「開戦前夜/13“不透明戦争”が始まっている」

         “シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/424(2022/1/28/金】1941年12月8日の日米開戦
は大方の日本国民にとっては驚きだったが、軍事学者や識者は冷静に予測
しており「いよいよ始まった」と嘆息しつつも勝つ方策を考えていたろ
う。暗号が解読されていたことレーダー開発が遅れていたことは致命的な
弱点だったが、それは敗戦後に分かったことである

<「総力戦研究所」の存在を知っているだろうか。1941年=昭和16年4月
に開所式があったばかりの組織である。集められたのは第一線で働いてい
た官僚、軍人、ジャーナリストらエリート36人である。彼らは30代ばかり
で、その平均年齢は33歳だった。

当時の日本において最良にして最も聡明な彼らは模擬内閣を作り、一つの
ミッションを命じられた。「日本とアメリカが開戦した場合、日本はどう
なるのか」――事実に基づく議論を積み重ね、1941年8月16日、一つの結論
に到達する。「日米戦日本必敗」・・・>(石戸諭・ノンフィクションラ
イター「30代は開戦前に敗戦を予測 歴史に埋もれた総力戦研究所から学
ぶこと」2018/8/15)

この記事のベースは猪瀬直樹著『昭和16年夏の敗戦』だが、東條英機は
総力戦研究所のレポートに反論したという。その思いは「3年間踏ん張れ
ば停戦に持ち込める、このままではジリ貧で日本沈没だ、一か八かに賭け
るしかない」だったろう。「3年間」というのは当時の熱戦=ガチンコは2
年で停戦になるのが一般的だったこと、また実際、日清、日露の戦争でも
2年だったから、対米戦=「米国本土が戦場にならないから疲弊しな
い!」戦争がまさか4年になるとは当時の常識からはまず考えられなかった。

日清、日露戦争も余裕があったわけではなく全力投球、必死で戦って辛う
じて勝ったのである。清も露も米も当時の最強国家である、それでも戦わ
ざるを得なかった、諦めて尻尾を巻いて逃げていたら今の日本はあり得な
い、ということは知っておくべきだと思う。

冷戦から熱戦への「第3次世界大戦」・・・小生は「開戦前夜」と思って
いたが、ジョナサン・マーカス氏(元BBC防衛・外交担当編集委員、英エ
クセター大学戦略・安全保障研究所名誉教授)によると既に戦争は始まっ
ているようである。五輪ではないから「よーい、ドン!」で始まるわけで
はないのだ。今の時代は「宣戦布告」という儀式はなく、気がついたら戦
争になっていた、というのが普通のよう。曖昧戦争、アングラ戦争の時
代・・・マーカス氏の「ウクライナでの開戦、どうやって分かるのか」
BBC 2022/1/27から。

<できる限り公平かつ独立した視点で分析すれば、ロシアは報道官が何と
言おうと、ウクライナとの戦争に向けた準備を進めていることになる。

ロシアはまた別の手法を見せる可能性もある。例えば、サイバー攻撃や国
家転覆だ。サイバー攻撃に関しては、ウクライナは間違いなく対象となっ
てきた。つい1週間前にも、政府のいくつものサイトが襲われた。ただ、
攻撃がどこから来たのかは、はっきりしていない。

イギリス政府は最近、ロシアが新たなウクライナ政府を形成するために関
係者を選出していることを示す証拠があると主張した。だが、どんな疑い
があるにしろ、ロシア関係者がそうした活動に従事していることを示す、
決定的かつ公的な証拠は明らかになっていない

海軍分析センターのコフマン氏は、ロシアの攻撃において、サイバー関連
は重要な要素になっていると話す。不可欠なインフラ機能を不全にし、ウ
クライナが軍の動きを調整できないようにできるからだという。

ロシアがクリミアを制圧したとき、「ハイブリッド」「グレーゾーン戦
争」という言葉が飛び交った。軍服は着ていたものの記章は着けていな
かった人々による作戦行動について、否定する言動もあった

しかし、あの部隊がどこのものだったのかは明白だ。クリミアは複雑な策
略ではなく、昔ながらの軍事行動によって制圧された。現在進行している
のは「グレーゾーン戦争」の本質部分だ。平和と戦争の境界があいまいに
されている。西側では普通、そうした物の見方はしない。

だがロシア軍は、戦争と平和はひと続きのものだとする新たな信条を打ち
出している。そうした状況では、段階に応じて異なる兵器が使われる。
順々に使われることもあるし一度に使われることもある。ただ戦略的な目
的は一緒だ。

そしてそのことが、紛争はすでに始まっていることを示す究極の理由だ。
現在の唯一の問題は、プーチンがどこまで「グレーゾーン」を進んでいく
つもりなのかということだ

戦争と平和の曖昧な中での開戦・・・プロでもこの21世紀的“不透明戦争”
に困惑しているようである。「米、ロシアのNATO不拡大など要求拒否 ウ
クライナ情勢、一層不透明」2022/1/27から

<【ワシントン時事】ブリンケン米国務長官は26日、国務省で記者会見
し、ロシアが提案している北大西洋条約機構(NATO)の不拡大について、
拒否する構えを改めて示した。米国は同日、こうした考えをNATOと共に書
面でロシア側に回答。欧米とロシアの主張に深い溝が横たわったまま、ウ
クライナ情勢は不透明感を増している

「NATO(加盟)のドアは開かれており、今後も開いたままだ」。ブリンケ
ン氏は26日の会見でこう強調し、ロシアが求めているウクライナのNATO非
加盟の確約を拒む考えを表明した。書面ではウクライナの主権を擁護する
姿勢を示し、安全保障に関する判断は各国に選択する権利があると主張。
欧州での軍事演習やミサイル配備の制限、新戦略兵器削減条約(新
START)の後継体制に関しては協議の余地があることを伝えた>

プーチン・ロシアの同盟国である習近平・中共も、WinWinだったカザフス
タンをロシアに奪われて困惑しているというから、小生が今の状況を上手
く咀嚼できずにいるのは当然か。以下のナザレンコ・アンドリー氏の論稿
「ウクライナ侵攻:戦争と領土拡大はロシアの“性”」(Daily WiLL
Online2022/1/25)は分かりやすかった。主旨はこうだ。

<ロシアによるウクライナへの大規模侵攻が現実味を帯びている中、英米
などが大使館職員やその家族の退避を始めた。南部のクリミア半島や東部
のドンバス地方での紛争は8年間も続いているものの、今回の危機とは大
きな違いがある

今までロシア政府はロシア軍が直接介入していることを否定し、プーチン
大統領自身、何度も「ロシアは当事者ではない」と言っていた。ウクライ
ナ国境を越える際、ロシア兵は徽章を外し、「正体不明の覆面兵士」(リ
トル・グリーンメンという名前でも知られている)としてウクライナ政府
軍と戦っていた。

もちろん、実際にロシア兵が捕虜に捕られたり、東部の親ロシア派テロ組
織がロシアしか持っていない装備を使ったり、そのテロ組織のトップがロ
シア国籍保有者で元KGB関係者(例:イゴーリ・ギルキン、自称ドネツク
人民共和国元最高司令官)だったりと、ロシア軍による介入の揺るぎない
証拠はあった。

だからこそ、欧米諸国がロシアに対して経済制裁を課していたわけだが、
ロシアは最後まで茶番劇を続け、限定戦争やハイブリッド戦争の範囲を超
える行動を取ること避けていた。ところが今、ブリンケン米国務長官が指
摘したように、その限定戦争が全面戦争になろうとしている。

しかし、私はロシアを批判してもあまり意味がないと思う。あの国はイ
ソップの寓話「サソリとカエル」に出てくるサソリと同じだと考えている
からだ。日本ではどれほど有名な寓話かわからないので、念のため紹介する。

《サソリとカエルが一本の川を前にしています。サソリ「川を渡りたいの
で、背中に乗せてくれないか?」、カエル「そんなことをしたら、その針
で背中をぶすっと刺すんだろう」

サソリ「いやいや、おまえを刺したら、二人とも川に沈んでしまうだろ
う」、カエル「なるほど。たしかに」

カエルは背中にサソリを乗せて川を渡ることにしました。しかし川の中程
まで来たときに、背中に鋭い一撃を感じます。

カエル「何でそんなことを? 二人とも川に沈んでしまうのに」、サソリ
「それがサソリの性(さが)ってものなんだよ・・・」》

古い時代からあらゆる方面に戦争を仕掛け、他民族の領土を奪ってきたお
かげでロシアが世界一広い国になったのは周知の事実だろう。これはロシ
アという国の「性」だと言っても過言ではない。

自分自身がいくら犠牲を払うことになるとしても、自国民の命や経済的繁
栄より領土拡張の野望を優先してきたし、日本から3000億円の支援を受け
取りながら、北方四島に新しい軍事基地をつくったり、そこに日本ではな
く、中韓の資本を呼び込む政策を取ったりした恩知らずでもある。

今さら「やめて」とお願いしても、イソップの寓話にあるように、サソリ
に「針で刺さないで」と願うのと一緒。無防備になったら必ず刺されるこ
とを理解した上で、無駄な説得ではなく、針を使わせない抑止力に力を入
れるべきだった。しかし、西側諸国はそれができなかった。中でも、特に
酷いのはドイツだ。

日本ではなぜかEU諸国、特にドイツを人権先進国たる「弱者の味方」とし
て見る傾向が強い。駐日ドイツ大使館もそのイメージを保つことに必死
で、SNSなどで死刑やジェンダー問題について偉そうに説教している場面
が多く見られる。はっきりいうが「口だけ番長」だ。

ウクライナとロシアの間では圧倒的な戦力の差があり、この8年間で1万
4000人以上が実際に戦争で命を落とした。強者による弱者イジメそのもの
だろう。しかし、こんなことを許さないはずのドイツ政府は、ウクライナ
への武器供与を拒否し、さらにエストニアによるウクライナへの武器供与
を阻止しようと活発な動きを見せている。

つまり(ドイツは)弱者を守りに来てくれないどころか、弱者が自衛をす
る権利まで妨害しているのが実態なのだ。「ウクライナ人の命はロシアの
天然ガスより軽い」とはっきり本音を言えばいいのに、「対話で平和を実
現するのは望ましい」「過去の歴史から学んで武力では何も解決しない」
など、自分の裏切り行為を美談にしようとしている。

民主主義を積極的に守るために動いている英米もドイツの本性を見抜き始
め、先日、ウォールストリート・ジャーナルには「ドイツは信頼できる米
同盟国ではない」(トム・ローガン氏)というタイトルの記事が寄稿され
た。行動を起こすべき時に平気に弱者を見殺しにするような国に他国の人
権を語る資格があるか。私はそう思わない。

日本もウクライナ問題に無関係に見えて、実は大きな影響を与えている。
ロシアは陸軍の3分の1の兵力をウクライナ国境周辺に集結させているが、
多くは極東やシベリアから移動された部隊だ。なぜそれが可能になったの
か。日本が北方領土を取り返しに来ないことがわかっているからだ。

たとえば、ロシアが西の国境に軍隊を集めるのに合わせて北海道に日米の
兵力を集結させ、共同軍事演習を行なえば、それだけでも大きな牽制にな
るだろう。しかし、日本の政治家にはそれだけの決断力がないし、戦後教
育に毒された世論もこうした行動を歓迎しないだろう。

しかし、日本が米国と共にロシアを牽制できず、ロシアが西側で戦争を起
こしたらどうなるか。米英を含めてNATO勢力にとって欧州の前線防衛が最
優先の課題になり、中国に対する圧力が弱まるだろう。そうしたら中国が
台湾や尖閣を侵攻しても、迅速かつ適切対応ができなくなる可能性が高
い。それによって困るのはまた日本だ。

結局、リベラルが崇拝している不戦主義とやら平和憲法とやらは、実際
にはただ力のバランスを崩し、世界平和を脅かしているだけである。核兵
器禁止条約を推奨する団体も、持っていた核兵器を全て廃棄したせいで核
兵器保有国に侵略されたウクライナについては一切触れないし、誰一人助
けに来てくれない。ウクライナの犠牲者は、ロシア軍の犠牲者であると同
時に、綺麗ごと信奉者の犠牲者でもある>

欧米ではプーチンと喧嘩したくないドイツは“ヘタレ”と侮辱されている。
「AFP=時事:ドイツは1月26日、ロシア軍侵攻の懸念が高まるウクライナ
に対し、武器ではなくヘルメット5000個を供与すると発表した。ドイツは
対立を煽るとして、ウクライナへの武器供与を拒否している」


フランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相はロシアに「緊張緩和
のための明確な行動」を取るよう求めた。ただ、ショルツはウクライナや
一部欧州諸国が求めているドイツ製武器のウクライナへの供与は行わない
と改めて明言し、欧米ではドイツを「裏切り者」と罵倒する声が高まって
いる。

日本もいい子ぶりっ子していると世界から「西のドイツ、東の日本、ヘタ
レのダーティペア」とバカにされるに違いない。「ヘルメット5000個では
顰蹙を買う・・・寒い戦場ではカップ麺が喜ばれるのではないか、よし、
カップ麺50万個、大型ヤカン5000個、さらにゲーム機5万台を贈ろう! 
これが新資本主義だ!」と日本はやりかねない

そう言えば日本は湾岸戦争(1990〜91年)で参戦の代わりに1兆円払って
逃げたが、徹底的に軽蔑されバカにされたっけ。第一次大戦では参戦して
国威発揚、大いに感謝されたものだが、今は去勢された銭ゲバ蛙・・・対
ロ、対中戦に汗と血と涙を流さなければ確実に日本沈没だ。ご先祖さまは
泣いているぞ、日本を取り戻せ!

        
━━━━━━━━━━━━━━━━


◆バイデン就任から一年

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月29日(土曜日)
     通巻7201号 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バイデン就任から一年。140日もホワイトハウスに居なかった 45日間を
キャンプディビッド、95日をデラウエアの自宅で
**************************

 ホワイトハウスに居るのは嫌いらしい。ジョー・バイデンが米国大統領
に就任して一年が経過したが、米国は不安に包まれたと回答する人が増
え、バイデン支持率は劇的に低下した。再選をのぞむ声が聞こえなくなった。

 主因は決断力の無さだが、不人気をあおるのは、むしろ無能の副大統領
ハリスで、「ならば私を副大統領にして」と影で動いているのがヒラ
リー・クリントンだという噂がワシントンで立っているという。
 トランプ前大統領とバイデンの共通項はひとつある。二人とも酒を飲ま
ないこと。トランプはコーク愛飲。バイデンはチョコレートアイス。

 この一年間、バイデンは45日をキャンプディビッドで過ごし、95日
間をデラウエア州の自宅で過ごしたことが分かった(ワシントンタイム
ズ、1月28日)。
 首都からかなり近いデラウエア州だから、現職時代は飛行機よりもアム
トラック(鉄道)を愛用した。

 デラウエア州の自宅は豪邸。選挙の最中、2ケ月近くも自宅に籠もっ
て、ズームなどで選挙運動を展開していた。トランプは「バイデン、出て
こい」と呼びかけていた。就任後一度、バイデンの自宅近くで発砲事件が
おきた。

ワシントン生活が38年というベテラン政治家を自認し、上院外交委員長
をつとめて外交は得意と豪語してきたが、就任以後、外遊歴は殆どない。
すべての外国との接触はブリンケン国務、オースチン国防長官らに任せて
きた。
    
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 

 壬申の乱は皇位争奪戦ではなく国家防衛策をめぐる路線闘争だった
『中央集権国防国家』は内部要因ではなく対外的な状況の変化に促された

   ♪
井上和人『日本古代国家と都城・王宮・山城』(雄山閣)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 重厚な古代史論文集である。
 独自な切り口、古代史の謎を築城、それも水城から山城の謎、都の造営
と度重なる遷都、そしてシナとの軍事緊張のなかから生まれた中央集権国
家の構築という外部要因に促されての歴史過程を、単なる政治抗争を超え
て、地形、築城などの視点から綿密に描かれる。
 通読して瞠目した観点が多く、これまでの古代史論争に大きな石を投じ
た著作ではないかとおもった。
 かねてから評者(宮崎)も、戦後の日本の古代史学者の諸論に大いなる
不満を抱いてきた。左翼学者の古代史論や江上波夫の騎馬民族説や、梅原
猛の妄想的所論などはさすがに影を潜めたが、資料が圧倒的に少ないの
で、文献の解釈を基軸にした推論が多い。また実地照査や考古学との整合
性が見られず、古代史は「一人一党」の世界とまで揶揄されたものだっ
た。(梅原らは太安万侶は藤原不比等だと言っていた。1979年、奈良
市郊外で太安万侶の墓地と墓誌が発見された)。
或いは岩宿の発見、縄文遺跡の典型・三内丸山遺跡の出現で、いや大和で
も平城京の長屋王邸跡の発掘で、古代史は従来の解釈との矛盾に遭遇した。
 これらを著者は地政学、外交、軍事戦略に立脚して、築城の過程、都の
造営に論理を結びつける。地政学というより「地勢学」と言って良いかも
しれない。
 多岐にわたる視角から、天智、天武、持統、桓武天皇の時代的諸相をみ
てゆく。考古学的な考察と足を運んでの現場主義が存文に活かされてい
て、古代史に興味のある評者などは興奮して読んだ。
 本書は旧来の誤謬だらけの歴史観を脱却した、真の古代史像を描き出し
た労作である。

 前置きはこのくらいにして、重要な箇所をピックアップする。
 古代史において六世紀末から八世紀初頭にかけて進展した『中央集権国
防国家』とは、「列島内部での諸政治的、社会的要因などに惹起されたの
では決してなく、もっぱら対外的な状況の変化に促された」
 「歴代遷宮という天皇家の伝統は630年を境に途絶する(のだが、その
主因は)。628年、中国大陸では唐が隋滅亡後の国内の混乱を平定し、華夷
秩序に基づく国家間関係構築のために周辺の諸国家に対する征服事業に着
手した」からである。
 外側の脅威に日本のまつりごとが右往左往するのは、なにもペリー来航
だけではないのだ。
 対応した大和政権は飛鳥に板萱宮を造営する。
これは「異例の造営事態」であって「唐の侵寇に対する危機意識のもと
で、緊急避難的に新王宮の造営が取り急ぎ遂行された」。この宮こそ、乙
巳の変の現場である。
 難波宮を壮大に建築し、やがて廃都となったが、その理由は何か?
 台地のうえに築造された地形、その防御的体形から言っても、「狭小で
高低差の顕著な場所」であり「大阪湾に突出した半島の北端部にあり瀬戸
内海に直面している」。つまり難波宮は「全身を敵軍に晒すことになる。
軍事的にみれば、まったく無防備」だったのである。大阪城の手前、大阪
歴史博物館のまえに難波宮跡地が残るが、現在の大坂は当時の地形ではな
いため、想像するには難しい。
 また度重なる遷都は「中国大陸の周辺地域、とりわけ朝鮮半島における
唐の軍事圧力を軸にした、目まぐるしく変動する国際政治状況と、それに
対する大和政権の対唐、百済、新羅、高句麗外交防衛策の変転の反映」
だったという。
 白村江における海上戦に敗れた日本は近江に遷都し、西日本地域には二
二の体系的な山城を、軍事戦略のもとに築城した。(白村江を著者は「完
敗」とするが、評者は当時のノモンハンのようなもので、後衛部隊は阿倍
比羅夫が率いて2400名の亡命百済人を日本に運んでいる)。
 太宰府の水城は、その築年と位置が考古学的にはまだ定まっていないと
する著者は、しかし当時の山城の最大最強の築城が近畿の高安城であった
とする。天智崩御直後の壬申の乱は不破の関で対立し高市皇子の戦闘力が
ものを言い、瀬田大橋の攻防が表舞台だが、前哨戦では高安城の攻防に重
点が置かれた。大伴吹負が大活躍した。
 この軍事戦略から生まれた体系的な山城築城の一環として備中に築かれ
た山城が「鬼ケ城」であった。(評者も行ってみたが、山奥の奥に立派な
山城がちゃんと残っている)。
 軍事戦略に鋭い大海人皇子(のちの天武天皇)は、山城が唐の侵略を前
にしては無意味と認識した。壬申の乱に勝利した天武天皇は戦略立案に優
れていた。すなわち「天武政権の発足にともなう国防方策の転換」が行わ
れ、中央集権国防国家構築が、急がれた。
 ということは壬申の乱は古代史学者が議論した皇位争奪戦だけではな
く、「国家防衛策をめぐっての必死の路線闘争である。中大兄皇子・天智
政権の推進した西日本要塞化方策では唐の軍事侵略に対して無益であるば
かりでなく、危険性が高いとの判断にたって、大海人皇子側の勢力が(大
友皇子らの)天智政権の排除を断行したのではなかったか」としている。
 以下、藤原京、平城京、恭仁宮、紫香楽宮、後期難波宮、長岡京、平安
京へと論考は進む。蛇足ながら評者がまだ見学したことがないのは高安城
跡。こんど奈良へ行くときは登攀を試みたいと思う。
           
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 これは戦争だ。検疫官が発生から五輪、そしてオミクロン蔓延
  成田空港検疫所が戦った600日の記録

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田中一成『成田空港検疫で何が起きていたのか』(扶桑社)
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 戦いはまだ続いている。
 圧倒的なマンパワーの不足。周辺住民の説得にかける時間と労力、ホテ
ルの確保。そして激しいクレームの嵐。許し難い「専門家」や「自称有識
者」が垂れ流すデマ。日本の表玄関である成田空港で「武漢肺炎」の流入
との熾烈な戦いが現在も継続されている。
 本書はその現場からの中間報告で、著者は成田空港検疫所所長をつい先
日まで務めた。巻末にマンパワーの充足、法律改正などの提言がなされて
いる。
 さて読後の感想だが、検疫は飛行機の登場によって劇的に変化したとい
うことが第一である。江戸時代にも出島へ入港するオランド船からパンデ
ミックが拡がり、明治になると渡来する人々がふえてコレラが大流行。三
万人が死んだ。
 船の時代は沖合で海上検疫があり、発熱者などがでると検疫官が入港前
に当該船舶に乗り込んだ。飛行機時代となると沖合待ちの時間がなく、潜
伏期間が十日から二週間なので、どうしても入国後、二週間ホテルか自宅
待機となる。
 この措置で海外の知り合いの多くが検疫制度に不満を述べていたが、か
と言って、ちゃんと二週間待機後に飲み会にやってきた(苦笑)。
 本書はそれ以前の日本史の検疫実態については触れていない。
古代からパンデミックは必ず外つ国からやって来た。日本書紀によれば崇
神天皇の御代で国民の半分近くが死んだ記録が、わが国初の伝染病とされ
る。崇神天皇時代に渡来人が夥しかった。伝染病は外国からである。
 遣唐使のころ、帰国した使節団は、太宰府で二が月ほど留め置かれた。
伝染病罹患を懼れたからだ。古代においてもそれだけ検疫は五月蠅かった。
とくに太宰府の羅漢率は高く、聖武天皇の御代にはロックダウンしてい
る。長崎の出島もそうだったが、だからこそ狭い場所にオランダ人らを閉
じこめたのだ。
 藤原全盛の頃にも、長屋王を謀略で追い落として権力を握った藤原四兄
弟は長屋王の祟りで伝染病を罹患し、ばたばたと四人とも死んだ。
 予防策は鎖国でしかないが、それが不可能とあれば戦前のように内務省
への権限一本化だろう。内務省復活が提言されてしかるべきだろうが、誰
もが口ごもっている。
強権発動ができず、システムそのものが危機に即応できない日本。このま
まの趨勢では潜在罹患は増えていくだろう   
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)桜チャンネルの番組「フロント・ジャパン」(1月26日
放映)のユーチューブを御覧下さい。
 宮崎正弘さんの新刊『日本の保守』(ビジネス社)を基軸に、大和魂、
日本の保守思想とは何か、源泉はどこになり、いかなる思想家がいたの
か、どのような著作が展開されたのかをめぐって佐波優子さんとのトーク
番組です。
https://www.youtube.com/watch?v=F_oOJ0KsS3k
 番組の42分あたりから1時間8分まで25分間が「日本の保守」で
す。(日本文化チャンネル桜)


  ♪
(読者の声2)貴誌前号のエヌビディアのアーム社買収を巡るM&A攻防
ですが、米司法省や英国とEUの当該官庁が介入したため、買収は絶望的
になった云々。この解説の後段にある「つぎのGAFAMを探せ」です
が、興味津々なのですが、尻切れ蜻蛉です。追加の予測記事に期待します。
  (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)実は仮題ではありますが、『次のGAFAMを探
せ!』を四月下旬に渡邉哲也さんとの対談本で纏めます。対談の収録は半
分まで終えたところです。
 しばしお待ち下さい。



   ♪
(読者の声3)前回の補足でスターリンの戦争といえば1939年のフィンラ
ンドとの冬戦争がある。
スヴォロフはドイツの軍事指導者たちが、1939年から40年にかけてのフィ
ンランドとの冬戦争におけるソ連軍のパフォーマンスを著しく過小評価し
ていたと主張する。
『ソ連軍は、気温マイナス40度、雪の深さ数フィートという極めて厳しい
冬の環境下で、フィンランドのマンネルヘイムラインの設計された鉄筋コ
ンクリートの要塞や地下施設を相手に戦ったことを強調しておかなければ
ならない。それにもかかわらず、しばしば忘れられているが、赤軍は結
局、フィンランド人に屈辱的な休戦を強いた』と愛国的な亡命ロシア人の
主張になる。
 マンネルヘイム線はマジノ線などに比べると規模が小さく、実際には自
然の地形や倒木などの障害物をうまく利用した防衛陣地を構築したもの
で、大平原の戦い以外ではソ連軍も苦戦するのは後のアフガンや旧ソ連で
の戦いでも明らか。

 フィンランドはカレリアとラップランドの多くを失うも独立を守り通し
た。戦後は長らく「フィンランド化」などとソ連の衛星国同様にいわれ、
EU加盟はソビエト崩壊後の1995年と遅かった。
北欧は長らくイエズス会士の入国もユダヤ人の居住も認めてこなかった。
ロシア帝国崩壊後はユダヤ人の居住を認め、冬戦争から継続戦争ではユダ
ヤ人327人(一般兵242人、下士官52人、将校18人、医務官15人)が参加し23
人戦死している。
 フィンランドで興味深いのはスワスティカ(逆卍)を1918年から使い続け
てきたこと。20世紀初頭は欧米で幸運のシンボルとして飛行士に人気が
あったという。ナチスとまったく関係のないものでフィンランド空軍の国
家記章としては1945年まで使用。現在も空軍士官学校や航空司令部、空軍
通信大隊などで使用されている。
日本で旭日旗が自衛隊で使用されるのと同じこと。ユダヤ人がともに戦っ
たのだから反ナチスのユダヤ人団体も文句のつけようがないのだろう。英
語ページに旗や徽章が紹介されている。
http://www.virtualpilots.fi/feature/articles/honorable_swastika/

https://en.wikipedia.org/wiki/Western_use_of_the_swastika_in_the_early_20th_century#Finland
 (PB生、千葉)
at 10:16 | Comment(0) | 番外編

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