2022年02月01日

◆岸田首相の「適切な蛮勇」に期待

【有本香の以読制毒】


弱腰の米国、さらに増長する中国・ロシア「ウクライナ侵攻」を止められ
るのは日本だけか

「ウクライナ危機」が、連日報じられている。しかし、日本の報道では
「よく分からない」と感じる向きも多かろう
そこで、筆者の個人ネット番組「ニコニコ生放送・有本香
CHANNEL」に25日、在日ウクライナ人の評論家、ナザレンコ・ア
ンドリー氏(27)を迎え、現地情勢、背景を詳しく聞いた。このときの
氏の話を踏まえ、「ウクライナ危機と日本」について書いてみたい。

ナザレンコ氏との事前の打ち合わせで、私自身のある誤解を気付かされ
た。2014年、ロシアのクリミア侵攻のときから、日本のメディアが繰
り返し言ってきた、「ウクライナ東部にはロシア派住民が多い」という点
についての誤解である

この「ロシア派」説明のよりどころの1つとして、日本の大新聞などは、
「ロシア語を第一話者とする人の割合」を引き合いに出してきた。

確かに、言語はアイデンティティー形成の要件の1つとなり得る。だから
こそ中国では、民族の言葉が奪われかけているウイグル人らが命がけで抵
抗しているのだが、ウクライナの事情はこれと異なる。

「私もロシア語が第1言語ですよ」

ナザレンコ氏はこう言う。

東部ハリコフ市出身で、クリミア侵攻の際には、10代の身で、前線のウ
クライナ兵に物資を運ぶ活動をしたナザレンコ氏が「ロシア派」なはずが
ない。だが、そんな氏が普段、家族や親しい友人と話す言語はロシア語
で、公用語のウクライナ語ももちろん話せるという。

あえて例えるなら、台湾人の多くが、「普通語(北京語)」を母語としな
がら、「中国人ではない」と自認することに近いといえようか。

帝政ロシア時代、ソビエト連邦時代を通じ、ロシア化の波を受け続けた結
果、人々はロシア語を話すようにはなったものの、アイデンティティーは
ウクライナ人でしかあり得ないという。

つまり、ウクライナで「第1言語がロシア語」の住民が多いことをもっ
て、「ロシア派住民」が「多い」かのように言うのはひどいミスリード
だ。日本の報道の「ロシアバイヤス」ともいえる。ちなみに、ウクライナ
で現在、「親ロシア」の国政政党は一党のみ、支持率は12%強に過ぎない。

一方、ロシアが現在ウクライナ国境付近に集結させた軍の数は約13万。
ロシアの全地上部隊の3分の1から半分近くにも上る。ロシアの要求は
「ウクライナのNATO非加盟」だというが、これを額面通り受ける日本
の報道もナイーブ過ぎる。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の真の狙いは、旧ワルシャワ条約
機構の復活と見て間違いない。

最近の世論調査では、58%ものウクライナ人が、ロシアの侵攻に「自ら
武器を取って戦う」と答えたという。民兵組織を合法化する法律も成立さ
せた。強国ロシアにひるまないウクライナだが、頼みの米国と欧州にはウ
クライナ防衛のためロシアと戦う気がない。

ジョー・バイデン米大統領に至っては12月、「軍事力行使の選択肢はな
い」と発言する体たらくである。

わが日本の岸田文雄首相は、ウクライナ情勢についてこう述べている。

「重大な懸念をもって注視している。G7(先進7カ国)の枠組みなどを
重視し、国際社会と連携して適切に対応していく」

ナザレンコ氏は言う。

「ロシアが国境に集めた13万もの部隊の中には、極東から移動した部隊
が含まれます。日本は絶対に攻めてこないから容易に移せるのです」

仮にここで、岸田首相が「わが国は、地球上のいかなる『力による現状変
更』も許さない」と宣言し、北海道での自衛隊と米軍との軍事演習にでも
言及したら、ロシアはどう出るか。

ウクライナと中国、北朝鮮のつながりを懸念し、「ウクライナに騙される
な」という日本国内の親ロ派の声もあるが、所詮、他国はどこも腹黒い。
日本がいま優先して警戒すべきは、弱腰の米国を見て中国とロシアがさら
に増長することだ。その牽制(けんせい)のためにも、岸田首相の「適切
な蛮勇」を期待する。ウクライナ危機を止めることができるのは日本だけ
かもしれないのだ。

■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生
まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国
際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に
『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬
舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国
紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の
真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本
史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松本市 久保田 康文 

夕刊フジ【zakzak】ニュース採録




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◆雀庵の「開戦前夜/13“不透明戦争”が始まっている」

         “シーチン”修一 2.0

【Anne G. of Red Gables/424(2022/1/28/金】1941年12月8日の日米開戦
は大方の日本国民にとっては驚きだったが、軍事学者や識者は冷静に予測
しており「いよいよ始まった」と嘆息しつつも勝つ方策を考えていたろ
う。暗号が解読されていたことレーダー開発が遅れていたことは致命的な
弱点だったが、それは敗戦後に分かったことである

<「総力戦研究所」の存在を知っているだろうか。1941年=昭和16年4月
に開所式があったばかりの組織である。集められたのは第一線で働いてい
た官僚、軍人、ジャーナリストらエリート36人である。彼らは30代ばかり
で、その平均年齢は33歳だった。

当時の日本において最良にして最も聡明な彼らは模擬内閣を作り、一つの
ミッションを命じられた。「日本とアメリカが開戦した場合、日本はどう
なるのか」――事実に基づく議論を積み重ね、1941年8月16日、一つの結論
に到達する。「日米戦日本必敗」・・・>(石戸諭・ノンフィクションラ
イター「30代は開戦前に敗戦を予測 歴史に埋もれた総力戦研究所から学
ぶこと」2018/8/15)

この記事のベースは猪瀬直樹著『昭和16年夏の敗戦』だが、東條英機は
総力戦研究所のレポートに反論したという。その思いは「3年間踏ん張れ
ば停戦に持ち込める、このままではジリ貧で日本沈没だ、一か八かに賭け
るしかない」だったろう。「3年間」というのは当時の熱戦=ガチンコは2
年で停戦になるのが一般的だったこと、また実際、日清、日露の戦争でも
2年だったから、対米戦=「米国本土が戦場にならないから疲弊しな
い!」戦争がまさか4年になるとは当時の常識からはまず考えられなかった。

日清、日露戦争も余裕があったわけではなく全力投球、必死で戦って辛う
じて勝ったのである。清も露も米も当時の最強国家である、それでも戦わ
ざるを得なかった、諦めて尻尾を巻いて逃げていたら今の日本はあり得な
い、ということは知っておくべきだと思う。

冷戦から熱戦への「第3次世界大戦」・・・小生は「開戦前夜」と思って
いたが、ジョナサン・マーカス氏(元BBC防衛・外交担当編集委員、英エ
クセター大学戦略・安全保障研究所名誉教授)によると既に戦争は始まっ
ているようである。五輪ではないから「よーい、ドン!」で始まるわけで
はないのだ。今の時代は「宣戦布告」という儀式はなく、気がついたら戦
争になっていた、というのが普通のよう。曖昧戦争、アングラ戦争の時
代・・・マーカス氏の「ウクライナでの開戦、どうやって分かるのか」
BBC 2022/1/27から。

<できる限り公平かつ独立した視点で分析すれば、ロシアは報道官が何と
言おうと、ウクライナとの戦争に向けた準備を進めていることになる。

ロシアはまた別の手法を見せる可能性もある。例えば、サイバー攻撃や国
家転覆だ。サイバー攻撃に関しては、ウクライナは間違いなく対象となっ
てきた。つい1週間前にも、政府のいくつものサイトが襲われた。ただ、
攻撃がどこから来たのかは、はっきりしていない。

イギリス政府は最近、ロシアが新たなウクライナ政府を形成するために関
係者を選出していることを示す証拠があると主張した。だが、どんな疑い
があるにしろ、ロシア関係者がそうした活動に従事していることを示す、
決定的かつ公的な証拠は明らかになっていない

海軍分析センターのコフマン氏は、ロシアの攻撃において、サイバー関連
は重要な要素になっていると話す。不可欠なインフラ機能を不全にし、ウ
クライナが軍の動きを調整できないようにできるからだという。

ロシアがクリミアを制圧したとき、「ハイブリッド」「グレーゾーン戦
争」という言葉が飛び交った。軍服は着ていたものの記章は着けていな
かった人々による作戦行動について、否定する言動もあった

しかし、あの部隊がどこのものだったのかは明白だ。クリミアは複雑な策
略ではなく、昔ながらの軍事行動によって制圧された。現在進行している
のは「グレーゾーン戦争」の本質部分だ。平和と戦争の境界があいまいに
されている。西側では普通、そうした物の見方はしない。

だがロシア軍は、戦争と平和はひと続きのものだとする新たな信条を打ち
出している。そうした状況では、段階に応じて異なる兵器が使われる。
順々に使われることもあるし一度に使われることもある。ただ戦略的な目
的は一緒だ。

そしてそのことが、紛争はすでに始まっていることを示す究極の理由だ。
現在の唯一の問題は、プーチンがどこまで「グレーゾーン」を進んでいく
つもりなのかということだ

戦争と平和の曖昧な中での開戦・・・プロでもこの21世紀的“不透明戦争”
に困惑しているようである。「米、ロシアのNATO不拡大など要求拒否 ウ
クライナ情勢、一層不透明」2022/1/27から

<【ワシントン時事】ブリンケン米国務長官は26日、国務省で記者会見
し、ロシアが提案している北大西洋条約機構(NATO)の不拡大について、
拒否する構えを改めて示した。米国は同日、こうした考えをNATOと共に書
面でロシア側に回答。欧米とロシアの主張に深い溝が横たわったまま、ウ
クライナ情勢は不透明感を増している

「NATO(加盟)のドアは開かれており、今後も開いたままだ」。ブリンケ
ン氏は26日の会見でこう強調し、ロシアが求めているウクライナのNATO非
加盟の確約を拒む考えを表明した。書面ではウクライナの主権を擁護する
姿勢を示し、安全保障に関する判断は各国に選択する権利があると主張。
欧州での軍事演習やミサイル配備の制限、新戦略兵器削減条約(新
START)の後継体制に関しては協議の余地があることを伝えた>

プーチン・ロシアの同盟国である習近平・中共も、WinWinだったカザフス
タンをロシアに奪われて困惑しているというから、小生が今の状況を上手
く咀嚼できずにいるのは当然か。以下のナザレンコ・アンドリー氏の論稿
「ウクライナ侵攻:戦争と領土拡大はロシアの“性”」(Daily WiLL
Online2022/1/25)は分かりやすかった。主旨はこうだ。

<ロシアによるウクライナへの大規模侵攻が現実味を帯びている中、英米
などが大使館職員やその家族の退避を始めた。南部のクリミア半島や東部
のドンバス地方での紛争は8年間も続いているものの、今回の危機とは大
きな違いがある

今までロシア政府はロシア軍が直接介入していることを否定し、プーチン
大統領自身、何度も「ロシアは当事者ではない」と言っていた。ウクライ
ナ国境を越える際、ロシア兵は徽章を外し、「正体不明の覆面兵士」(リ
トル・グリーンメンという名前でも知られている)としてウクライナ政府
軍と戦っていた。

もちろん、実際にロシア兵が捕虜に捕られたり、東部の親ロシア派テロ組
織がロシアしか持っていない装備を使ったり、そのテロ組織のトップがロ
シア国籍保有者で元KGB関係者(例:イゴーリ・ギルキン、自称ドネツク
人民共和国元最高司令官)だったりと、ロシア軍による介入の揺るぎない
証拠はあった。

だからこそ、欧米諸国がロシアに対して経済制裁を課していたわけだが、
ロシアは最後まで茶番劇を続け、限定戦争やハイブリッド戦争の範囲を超
える行動を取ること避けていた。ところが今、ブリンケン米国務長官が指
摘したように、その限定戦争が全面戦争になろうとしている。

しかし、私はロシアを批判してもあまり意味がないと思う。あの国はイ
ソップの寓話「サソリとカエル」に出てくるサソリと同じだと考えている
からだ。日本ではどれほど有名な寓話かわからないので、念のため紹介する。

《サソリとカエルが一本の川を前にしています。サソリ「川を渡りたいの
で、背中に乗せてくれないか?」、カエル「そんなことをしたら、その針
で背中をぶすっと刺すんだろう」

サソリ「いやいや、おまえを刺したら、二人とも川に沈んでしまうだろ
う」、カエル「なるほど。たしかに」

カエルは背中にサソリを乗せて川を渡ることにしました。しかし川の中程
まで来たときに、背中に鋭い一撃を感じます。

カエル「何でそんなことを? 二人とも川に沈んでしまうのに」、サソリ
「それがサソリの性(さが)ってものなんだよ・・・」》

古い時代からあらゆる方面に戦争を仕掛け、他民族の領土を奪ってきたお
かげでロシアが世界一広い国になったのは周知の事実だろう。これはロシ
アという国の「性」だと言っても過言ではない。

自分自身がいくら犠牲を払うことになるとしても、自国民の命や経済的繁
栄より領土拡張の野望を優先してきたし、日本から3000億円の支援を受け
取りながら、北方四島に新しい軍事基地をつくったり、そこに日本ではな
く、中韓の資本を呼び込む政策を取ったりした恩知らずでもある。

今さら「やめて」とお願いしても、イソップの寓話にあるように、サソリ
に「針で刺さないで」と願うのと一緒。無防備になったら必ず刺されるこ
とを理解した上で、無駄な説得ではなく、針を使わせない抑止力に力を入
れるべきだった。しかし、西側諸国はそれができなかった。中でも、特に
酷いのはドイツだ。

日本ではなぜかEU諸国、特にドイツを人権先進国たる「弱者の味方」とし
て見る傾向が強い。駐日ドイツ大使館もそのイメージを保つことに必死
で、SNSなどで死刑やジェンダー問題について偉そうに説教している場面
が多く見られる。はっきりいうが「口だけ番長」だ。

ウクライナとロシアの間では圧倒的な戦力の差があり、この8年間で1万
4000人以上が実際に戦争で命を落とした。強者による弱者イジメそのもの
だろう。しかし、こんなことを許さないはずのドイツ政府は、ウクライナ
への武器供与を拒否し、さらにエストニアによるウクライナへの武器供与
を阻止しようと活発な動きを見せている。

つまり(ドイツは)弱者を守りに来てくれないどころか、弱者が自衛をす
る権利まで妨害しているのが実態なのだ。「ウクライナ人の命はロシアの
天然ガスより軽い」とはっきり本音を言えばいいのに、「対話で平和を実
現するのは望ましい」「過去の歴史から学んで武力では何も解決しない」
など、自分の裏切り行為を美談にしようとしている。

民主主義を積極的に守るために動いている英米もドイツの本性を見抜き始
め、先日、ウォールストリート・ジャーナルには「ドイツは信頼できる米
同盟国ではない」(トム・ローガン氏)というタイトルの記事が寄稿され
た。行動を起こすべき時に平気に弱者を見殺しにするような国に他国の人
権を語る資格があるか。私はそう思わない。

日本もウクライナ問題に無関係に見えて、実は大きな影響を与えている。
ロシアは陸軍の3分の1の兵力をウクライナ国境周辺に集結させているが、
多くは極東やシベリアから移動された部隊だ。なぜそれが可能になったの
か。日本が北方領土を取り返しに来ないことがわかっているからだ。

たとえば、ロシアが西の国境に軍隊を集めるのに合わせて北海道に日米の
兵力を集結させ、共同軍事演習を行なえば、それだけでも大きな牽制にな
るだろう。しかし、日本の政治家にはそれだけの決断力がないし、戦後教
育に毒された世論もこうした行動を歓迎しないだろう。

しかし、日本が米国と共にロシアを牽制できず、ロシアが西側で戦争を起
こしたらどうなるか。米英を含めてNATO勢力にとって欧州の前線防衛が最
優先の課題になり、中国に対する圧力が弱まるだろう。そうしたら中国が
台湾や尖閣を侵攻しても、迅速かつ適切対応ができなくなる可能性が高
い。それによって困るのはまた日本だ。

結局、リベラルが崇拝している不戦主義とやら平和憲法とやらは、実際
にはただ力のバランスを崩し、世界平和を脅かしているだけである。核兵
器禁止条約を推奨する団体も、持っていた核兵器を全て廃棄したせいで核
兵器保有国に侵略されたウクライナについては一切触れないし、誰一人助
けに来てくれない。ウクライナの犠牲者は、ロシア軍の犠牲者であると同
時に、綺麗ごと信奉者の犠牲者でもある>

欧米ではプーチンと喧嘩したくないドイツは“ヘタレ”と侮辱されている。
「AFP=時事:ドイツは1月26日、ロシア軍侵攻の懸念が高まるウクライナ
に対し、武器ではなくヘルメット5000個を供与すると発表した。ドイツは
対立を煽るとして、ウクライナへの武器供与を拒否している」


フランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相はロシアに「緊張緩和
のための明確な行動」を取るよう求めた。ただ、ショルツはウクライナや
一部欧州諸国が求めているドイツ製武器のウクライナへの供与は行わない
と改めて明言し、欧米ではドイツを「裏切り者」と罵倒する声が高まって
いる。

日本もいい子ぶりっ子していると世界から「西のドイツ、東の日本、ヘタ
レのダーティペア」とバカにされるに違いない。「ヘルメット5000個では
顰蹙を買う・・・寒い戦場ではカップ麺が喜ばれるのではないか、よし、
カップ麺50万個、大型ヤカン5000個、さらにゲーム機5万台を贈ろう! 
これが新資本主義だ!」と日本はやりかねない

そう言えば日本は湾岸戦争(1990〜91年)で参戦の代わりに1兆円払って
逃げたが、徹底的に軽蔑されバカにされたっけ。第一次大戦では参戦して
国威発揚、大いに感謝されたものだが、今は去勢された銭ゲバ蛙・・・対
ロ、対中戦に汗と血と涙を流さなければ確実に日本沈没だ。ご先祖さまは
泣いているぞ、日本を取り戻せ!

        
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◆バイデン就任から一年

「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和四年(2022)1月29日(土曜日)
     通巻7201号 
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バイデン就任から一年。140日もホワイトハウスに居なかった 45日間を
キャンプディビッド、95日をデラウエアの自宅で
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 ホワイトハウスに居るのは嫌いらしい。ジョー・バイデンが米国大統領
に就任して一年が経過したが、米国は不安に包まれたと回答する人が増
え、バイデン支持率は劇的に低下した。再選をのぞむ声が聞こえなくなった。

 主因は決断力の無さだが、不人気をあおるのは、むしろ無能の副大統領
ハリスで、「ならば私を副大統領にして」と影で動いているのがヒラ
リー・クリントンだという噂がワシントンで立っているという。
 トランプ前大統領とバイデンの共通項はひとつある。二人とも酒を飲ま
ないこと。トランプはコーク愛飲。バイデンはチョコレートアイス。

 この一年間、バイデンは45日をキャンプディビッドで過ごし、95日
間をデラウエア州の自宅で過ごしたことが分かった(ワシントンタイム
ズ、1月28日)。
 首都からかなり近いデラウエア州だから、現職時代は飛行機よりもアム
トラック(鉄道)を愛用した。

 デラウエア州の自宅は豪邸。選挙の最中、2ケ月近くも自宅に籠もっ
て、ズームなどで選挙運動を展開していた。トランプは「バイデン、出て
こい」と呼びかけていた。就任後一度、バイデンの自宅近くで発砲事件が
おきた。

ワシントン生活が38年というベテラン政治家を自認し、上院外交委員長
をつとめて外交は得意と豪語してきたが、就任以後、外遊歴は殆どない。
すべての外国との接触はブリンケン国務、オースチン国防長官らに任せて
きた。
    
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 壬申の乱は皇位争奪戦ではなく国家防衛策をめぐる路線闘争だった
『中央集権国防国家』は内部要因ではなく対外的な状況の変化に促された

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井上和人『日本古代国家と都城・王宮・山城』(雄山閣)
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 重厚な古代史論文集である。
 独自な切り口、古代史の謎を築城、それも水城から山城の謎、都の造営
と度重なる遷都、そしてシナとの軍事緊張のなかから生まれた中央集権国
家の構築という外部要因に促されての歴史過程を、単なる政治抗争を超え
て、地形、築城などの視点から綿密に描かれる。
 通読して瞠目した観点が多く、これまでの古代史論争に大きな石を投じ
た著作ではないかとおもった。
 かねてから評者(宮崎)も、戦後の日本の古代史学者の諸論に大いなる
不満を抱いてきた。左翼学者の古代史論や江上波夫の騎馬民族説や、梅原
猛の妄想的所論などはさすがに影を潜めたが、資料が圧倒的に少ないの
で、文献の解釈を基軸にした推論が多い。また実地照査や考古学との整合
性が見られず、古代史は「一人一党」の世界とまで揶揄されたものだっ
た。(梅原らは太安万侶は藤原不比等だと言っていた。1979年、奈良
市郊外で太安万侶の墓地と墓誌が発見された)。
或いは岩宿の発見、縄文遺跡の典型・三内丸山遺跡の出現で、いや大和で
も平城京の長屋王邸跡の発掘で、古代史は従来の解釈との矛盾に遭遇した。
 これらを著者は地政学、外交、軍事戦略に立脚して、築城の過程、都の
造営に論理を結びつける。地政学というより「地勢学」と言って良いかも
しれない。
 多岐にわたる視角から、天智、天武、持統、桓武天皇の時代的諸相をみ
てゆく。考古学的な考察と足を運んでの現場主義が存文に活かされてい
て、古代史に興味のある評者などは興奮して読んだ。
 本書は旧来の誤謬だらけの歴史観を脱却した、真の古代史像を描き出し
た労作である。

 前置きはこのくらいにして、重要な箇所をピックアップする。
 古代史において六世紀末から八世紀初頭にかけて進展した『中央集権国
防国家』とは、「列島内部での諸政治的、社会的要因などに惹起されたの
では決してなく、もっぱら対外的な状況の変化に促された」
 「歴代遷宮という天皇家の伝統は630年を境に途絶する(のだが、その
主因は)。628年、中国大陸では唐が隋滅亡後の国内の混乱を平定し、華夷
秩序に基づく国家間関係構築のために周辺の諸国家に対する征服事業に着
手した」からである。
 外側の脅威に日本のまつりごとが右往左往するのは、なにもペリー来航
だけではないのだ。
 対応した大和政権は飛鳥に板萱宮を造営する。
これは「異例の造営事態」であって「唐の侵寇に対する危機意識のもと
で、緊急避難的に新王宮の造営が取り急ぎ遂行された」。この宮こそ、乙
巳の変の現場である。
 難波宮を壮大に建築し、やがて廃都となったが、その理由は何か?
 台地のうえに築造された地形、その防御的体形から言っても、「狭小で
高低差の顕著な場所」であり「大阪湾に突出した半島の北端部にあり瀬戸
内海に直面している」。つまり難波宮は「全身を敵軍に晒すことになる。
軍事的にみれば、まったく無防備」だったのである。大阪城の手前、大阪
歴史博物館のまえに難波宮跡地が残るが、現在の大坂は当時の地形ではな
いため、想像するには難しい。
 また度重なる遷都は「中国大陸の周辺地域、とりわけ朝鮮半島における
唐の軍事圧力を軸にした、目まぐるしく変動する国際政治状況と、それに
対する大和政権の対唐、百済、新羅、高句麗外交防衛策の変転の反映」
だったという。
 白村江における海上戦に敗れた日本は近江に遷都し、西日本地域には二
二の体系的な山城を、軍事戦略のもとに築城した。(白村江を著者は「完
敗」とするが、評者は当時のノモンハンのようなもので、後衛部隊は阿倍
比羅夫が率いて2400名の亡命百済人を日本に運んでいる)。
 太宰府の水城は、その築年と位置が考古学的にはまだ定まっていないと
する著者は、しかし当時の山城の最大最強の築城が近畿の高安城であった
とする。天智崩御直後の壬申の乱は不破の関で対立し高市皇子の戦闘力が
ものを言い、瀬田大橋の攻防が表舞台だが、前哨戦では高安城の攻防に重
点が置かれた。大伴吹負が大活躍した。
 この軍事戦略から生まれた体系的な山城築城の一環として備中に築かれ
た山城が「鬼ケ城」であった。(評者も行ってみたが、山奥の奥に立派な
山城がちゃんと残っている)。
 軍事戦略に鋭い大海人皇子(のちの天武天皇)は、山城が唐の侵略を前
にしては無意味と認識した。壬申の乱に勝利した天武天皇は戦略立案に優
れていた。すなわち「天武政権の発足にともなう国防方策の転換」が行わ
れ、中央集権国防国家構築が、急がれた。
 ということは壬申の乱は古代史学者が議論した皇位争奪戦だけではな
く、「国家防衛策をめぐっての必死の路線闘争である。中大兄皇子・天智
政権の推進した西日本要塞化方策では唐の軍事侵略に対して無益であるば
かりでなく、危険性が高いとの判断にたって、大海人皇子側の勢力が(大
友皇子らの)天智政権の排除を断行したのではなかったか」としている。
 以下、藤原京、平城京、恭仁宮、紫香楽宮、後期難波宮、長岡京、平安
京へと論考は進む。蛇足ながら評者がまだ見学したことがないのは高安城
跡。こんど奈良へ行くときは登攀を試みたいと思う。
           
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評  BOOKREVIEW 
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 これは戦争だ。検疫官が発生から五輪、そしてオミクロン蔓延
  成田空港検疫所が戦った600日の記録

  ♪
田中一成『成田空港検疫で何が起きていたのか』(扶桑社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 戦いはまだ続いている。
 圧倒的なマンパワーの不足。周辺住民の説得にかける時間と労力、ホテ
ルの確保。そして激しいクレームの嵐。許し難い「専門家」や「自称有識
者」が垂れ流すデマ。日本の表玄関である成田空港で「武漢肺炎」の流入
との熾烈な戦いが現在も継続されている。
 本書はその現場からの中間報告で、著者は成田空港検疫所所長をつい先
日まで務めた。巻末にマンパワーの充足、法律改正などの提言がなされて
いる。
 さて読後の感想だが、検疫は飛行機の登場によって劇的に変化したとい
うことが第一である。江戸時代にも出島へ入港するオランド船からパンデ
ミックが拡がり、明治になると渡来する人々がふえてコレラが大流行。三
万人が死んだ。
 船の時代は沖合で海上検疫があり、発熱者などがでると検疫官が入港前
に当該船舶に乗り込んだ。飛行機時代となると沖合待ちの時間がなく、潜
伏期間が十日から二週間なので、どうしても入国後、二週間ホテルか自宅
待機となる。
 この措置で海外の知り合いの多くが検疫制度に不満を述べていたが、か
と言って、ちゃんと二週間待機後に飲み会にやってきた(苦笑)。
 本書はそれ以前の日本史の検疫実態については触れていない。
古代からパンデミックは必ず外つ国からやって来た。日本書紀によれば崇
神天皇の御代で国民の半分近くが死んだ記録が、わが国初の伝染病とされ
る。崇神天皇時代に渡来人が夥しかった。伝染病は外国からである。
 遣唐使のころ、帰国した使節団は、太宰府で二が月ほど留め置かれた。
伝染病罹患を懼れたからだ。古代においてもそれだけ検疫は五月蠅かった。
とくに太宰府の羅漢率は高く、聖武天皇の御代にはロックダウンしてい
る。長崎の出島もそうだったが、だからこそ狭い場所にオランダ人らを閉
じこめたのだ。
 藤原全盛の頃にも、長屋王を謀略で追い落として権力を握った藤原四兄
弟は長屋王の祟りで伝染病を罹患し、ばたばたと四人とも死んだ。
 予防策は鎖国でしかないが、それが不可能とあれば戦前のように内務省
への権限一本化だろう。内務省復活が提言されてしかるべきだろうが、誰
もが口ごもっている。
強権発動ができず、システムそのものが危機に即応できない日本。このま
まの趨勢では潜在罹患は増えていくだろう   
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS
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(読者の声1)桜チャンネルの番組「フロント・ジャパン」(1月26日
放映)のユーチューブを御覧下さい。
 宮崎正弘さんの新刊『日本の保守』(ビジネス社)を基軸に、大和魂、
日本の保守思想とは何か、源泉はどこになり、いかなる思想家がいたの
か、どのような著作が展開されたのかをめぐって佐波優子さんとのトーク
番組です。
https://www.youtube.com/watch?v=F_oOJ0KsS3k
 番組の42分あたりから1時間8分まで25分間が「日本の保守」で
す。(日本文化チャンネル桜)


  ♪
(読者の声2)貴誌前号のエヌビディアのアーム社買収を巡るM&A攻防
ですが、米司法省や英国とEUの当該官庁が介入したため、買収は絶望的
になった云々。この解説の後段にある「つぎのGAFAMを探せ」です
が、興味津々なのですが、尻切れ蜻蛉です。追加の予測記事に期待します。
  (JJセブン)


(宮崎正弘のコメント)実は仮題ではありますが、『次のGAFAMを探
せ!』を四月下旬に渡邉哲也さんとの対談本で纏めます。対談の収録は半
分まで終えたところです。
 しばしお待ち下さい。



   ♪
(読者の声3)前回の補足でスターリンの戦争といえば1939年のフィンラ
ンドとの冬戦争がある。
スヴォロフはドイツの軍事指導者たちが、1939年から40年にかけてのフィ
ンランドとの冬戦争におけるソ連軍のパフォーマンスを著しく過小評価し
ていたと主張する。
『ソ連軍は、気温マイナス40度、雪の深さ数フィートという極めて厳しい
冬の環境下で、フィンランドのマンネルヘイムラインの設計された鉄筋コ
ンクリートの要塞や地下施設を相手に戦ったことを強調しておかなければ
ならない。それにもかかわらず、しばしば忘れられているが、赤軍は結
局、フィンランド人に屈辱的な休戦を強いた』と愛国的な亡命ロシア人の
主張になる。
 マンネルヘイム線はマジノ線などに比べると規模が小さく、実際には自
然の地形や倒木などの障害物をうまく利用した防衛陣地を構築したもの
で、大平原の戦い以外ではソ連軍も苦戦するのは後のアフガンや旧ソ連で
の戦いでも明らか。

 フィンランドはカレリアとラップランドの多くを失うも独立を守り通し
た。戦後は長らく「フィンランド化」などとソ連の衛星国同様にいわれ、
EU加盟はソビエト崩壊後の1995年と遅かった。
北欧は長らくイエズス会士の入国もユダヤ人の居住も認めてこなかった。
ロシア帝国崩壊後はユダヤ人の居住を認め、冬戦争から継続戦争ではユダ
ヤ人327人(一般兵242人、下士官52人、将校18人、医務官15人)が参加し23
人戦死している。
 フィンランドで興味深いのはスワスティカ(逆卍)を1918年から使い続け
てきたこと。20世紀初頭は欧米で幸運のシンボルとして飛行士に人気が
あったという。ナチスとまったく関係のないものでフィンランド空軍の国
家記章としては1945年まで使用。現在も空軍士官学校や航空司令部、空軍
通信大隊などで使用されている。
日本で旭日旗が自衛隊で使用されるのと同じこと。ユダヤ人がともに戦っ
たのだから反ナチスのユダヤ人団体も文句のつけようがないのだろう。英
語ページに旗や徽章が紹介されている。
http://www.virtualpilots.fi/feature/articles/honorable_swastika/

https://en.wikipedia.org/wiki/Western_use_of_the_swastika_in_the_early_20th_century#Finland
 (PB生、千葉)
at 10:16 | Comment(0) | 番外編

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