2008年06月13日

◆今度は大阪地下鉄で「使い回し」


                     毛馬 一三

老舗高級料亭「船場吉兆」が客の食べ残しを別の宴席に「使い回し」して廃業に追い込まれたばかりの大阪で、今度は乗客の使用済みの地下鉄「磁気式乗車券」(プリペードカード式乗車券)を元通りに再生し「使い回し」していた市交通局職員らの不祥事が出た。

市営地下鉄駅員の「使い回しとは何?」といいたいところだが、なんと「船場吉兆」と同類の「倫理感の低さの公務員版」と云えるものだけに、開いた口が塞がらない。

この「使い回し」の発覚は、意外な発端だった。この5月、大阪市営地下鉄御堂筋線の難波駅の改札機に、プリペイド式カード乗車券の忘れものを駅員が発見。確認したところ、乗車券の乗車記録が不正に消去されていたのがわかったのだ。

驚いたことに、このカード乗車券の持ち主が、大阪市交通局の出資会社「交通サービス株式会社」の臨時駅員(65)の持ち物とわかり、同臨時駅員を追求したところ、本人だけでなく同僚の臨時駅員(66)とともに自分たちの乗車記録情報を駅長室内の処理機でを使って不正に消去したり、乗客の使用済みのカード乗車券を持ち出して再生させ、「使い回し」し計6万6000円余りの運賃を支払っていなかった。

それだけでは収まらなかった。大阪市交通局の50歳と52歳の駅員2人も、使用済みのカード乗車券の乗車記録情報を不正に消去して、計2万円余り地下鉄のタダ乗りをする「使い回し」をしていたのである。4人は不正を認めているという。

カード乗車券には、1000円、2000円、3000円の3種がある。乗客がこの使用済みのカード乗車券を改札室横のプラスチック箱に遺棄すると、駅員が回収して駅長室で保管し、サイクル業者に引き取らせる仕組みになっているが、この使用済み乗車券の管理状況は十分とは云えないと関係者は指摘する。

カード乗車券の磁気情報は、乗客が間違って改札を通った場合など、情報を正常に戻す処理機として駅長室や改札事務所に備えているもので、カードの磁気情報を簡単に消したり、再生して利用できることを駅員なら、誰でも承知していると関係者はいう。

その磁気情報の消去と管理不充分に目に付けて不正を行ったのが、今回の市地下鉄「使い回し」だったのだ。しかも「交通サービス株式会社」とは、市交通局のOBの天下り先で、名称は派遣社員でも、「磁気情報のカード乗車券」操作には全員が精通しているという。

大阪市交通局と「交通サービス株式会社」では、全ての駅員と臨時駅員、約2000人を対象とした調査を進め、7月末までには結果をまとめ、関係者の処分を行う方針だそうだ。不正に関与した駅員は、4人だけには止まらず、さらに拡大する可能性があるとの見方がつよい。

大阪市では、部局内の「裏金の総額」が8億円に達し、公金に対する市職員のモラル低下が厳しく問われているが、今回発覚した地下鉄磁気乗車券の「使い回し」も、駅員しか知り得ない操作を駆使して「無賃乗車」の不正行為が組織内では常套化していたのではないかとの懸念も出始めている。

廃業に追い込まれた老舗高級料亭「船場吉兆」の倫理観の欠如になんら変わらないといわれても仕方の無い事態だ。ましてや「公務員の不正行為」だけに、余計に腹が立つ。(了)    20008.5.12

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