2008年07月15日

◆飲めない水道水

    渡部亮次郎(全国版電子雑誌{頂門の一針」 主宰)


日本に住んでいる限り,飲めない上水というものは無い。しかし中華人民
共和国ではホテルでも水道の水を飲んではいけない。田中角栄首相につ
いて日中国交正常化交渉の取材に行ったとき(1972年9月)に知った。水に
は飲めない硬水と飲める軟水のあることを。

硬水(こうすい)は、硬度の高い水。北京の水は石灰分が多く、日本人
が飲むと猛烈な下痢を起こす。1度沸かして冷ましたものを飲む。

ヨーロッパ大陸の水ははカルシウムイオンやマグネシウムイオンが多量
に含まれている。逆のものは軟水という。語源については、欧米の hard
water がそのまま和訳されたというもの、物を硬くする成分を含んでい
るため硬水といわれる。

『豆を煮ると豆が固くなる水』、『絹を精錬するとき絹が固くなる水』
というものなのだ。

硬水は含有するイオンによって一時硬水と永久硬水の2種類に分けるこ
とができる。前者は石灰岩地形を流れる河川水、地下水などで、炭酸水
素カルシウムを多く含み、煮沸することにより軟化することができる。
煮沸すると炭酸カルシウムを沈降させるからである。

永久硬水はカルシウムやマグネシウムの硫酸塩・塩化物が溶け込んでい
るもので、煮沸しても軟化されない。以前は飲用できない水であったが、
現在はイオン交換樹脂で容易に軟化できる。

このように硬水は一般に、飲料水に適さないほか、洗濯、染色や工業等
にも適さない。

然らば硬水を飲むとなぜ下痢をするのか。それは、水分子と強く結合
(水和)するマグネシウムイオンは体内に吸収されにくく、これを摂取
すると、大腸に長時間留まり、水の吸収を妨害する。

この結果、腸内に水分が溜まり、下痢を起こすこととなる。このような
理由で、硫酸マグネシウムを多く含む硬水を飲むと下痢をしやすくなる。

しかし硬水の中でも飲用に適しているものも存在し、水に含まれている
ミネラルを栄養として利用するために、飲料として販売されているもの
もいくつか存在する。(例:コントレックスなど)

石鹸は脂肪酸とナトリウムの塩(えん)であるから、硬水のマグネシウ
ムイオンと出会うと不溶性の塩(石鹸かす)を生じるため汚れが落ちに
くい。

また、衣類にその塩(えん)が付着するので色のくすみが生じ、衣料の
保存中にそれが分解して脂肪酸になり異臭を発したりする。染色ではカ
ルシウムイオンが染料と反応し、不溶性の色素が生じ、それが繊維と結び
つくため、色ムラが生じる。

硬水が蒸発すると、含まれていた塩類が析出する。したがって自動車の
洗浄に用いた場合などはすぐに拭き取らないと白い斑点が生じる。

硬水を自動車のエンジンの冷却水として使用するとオーバヒート・水漏
れなどの問題が生じる場合がある。また工業用ボイラーにおいては、加
熱によってスケール(缶石、水垢)が生じるため、熱効率を著しく低下
させる。

蒸気機関車が鉄道の主力であった時代、ヨーロッパ大陸では軟水の確保
は深刻な問題であり、砂漠の中の機関車給水設備には必ず軟水化のため
の施設が付属していた。

生じる炭酸水素ナトリウムをボイラー中で炭酸ナトリウムに変え、て定
期的に排水されて低濃度に保たれるようにしていた。

このように日本は飲み水の美味しい国として昔から有名だった。特に海
外から立ち寄る船は日本での水補給に期待した。特に神戸の水は「神戸
ウオーター」として有名だった。

私は北京での「教育」を後年、上海で忘れたので死の寸前まで行った。
ホテルの部屋でウィスキーを呑んだ。連れの友人に聞くと「ボクは平気
です」というから水割りにした。

そうしたら大変な下痢。以後何を食べても下痢。そこへ血糖値降下剤を
飲んでいたから堪らない。栄養が体内に蓄積されないのに血糖値が下が
る。

下がりすぎて低血糖症。3度も意識不明に陥った。幸い友人が側に居て糖
分を補給してくれたから今生きている。

30年前、東南アジアの某国に出張した。アセアン外相会議。随行した若
い外交官。猛烈な下痢のため,現地残留止む無しとなった。

夜、自室で水割りウィスキーを飲んだ。水は日本から携帯したものを使っ
たのに、氷はホテルの冷蔵庫のものを使ったのだ。あれは硬水ではなく
汚水だったらしい。幸い助かって後年、大使になった。2008・07・10

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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