2008年07月19日

◆日本独立もはや不可能

                     渡部亮次郎

北朝鮮のテロ支援国家指定解除をめぐるアメリカの独走を恨んで日本の再軍備や独立論が盛んになったが、日本は今や金玉を抜かれた宦官。こんな政治家で、真の独立なぞ出来るわけがない。

日米安全保障条約を読んだ人が何人いるか。国会議員でも読んだことが無いのに賛成したり反対したりしている。あれを読めば日本は独立国なんかではなく、米国の51番目の「州」であることが明確になる。

<第6条
日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。

前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、1952年2月28日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第3条に基く行政協定(改正を含む)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。>

当時の岸信介総理(1956−1960)が、その政治生命を賭した改訂交渉でも、精々ここまでであった。それでも学生ながら反対闘争をした連中が自民党にいる。加藤紘一だ。

このような状況にある限り、米国に押し付けられた憲法を改正することなどで出来るわけがない。安保条約の破棄と核保有の再軍備を米国に認めさせる政治家がどこにいる。主張する政党がどこにある。

<どんな条約を結び,どんな義務を負っても,独立権はそこなわれないとはいえない。弱い主権国家が強い主権国家と保護条約を結んで被保護国となる場合,その独立権は制限され,その国家は,半主権国,不独立国などと呼ばれることになる。>松田 幹夫(平凡社「世界大百科事典」)

弱い主権国家=日本が強い主権国家=アメリカと結んでいる保護条約こそ日米安全保障条約以外の何物でない以上、日本は半主権国、非独立国なのである。

強い主権国家=アメリカに憲法を押し付けられ、再軍備を事実上禁止されている国、日本。北朝鮮に国民を拉致されても、中国、韓国に領土を侵略されても手も足も出ない国を独立国とはいえない。

2008年7月8日の「クライン孝子日記」に「一読者」と称する方が次のような意見を述べておられた。

<米朝緩和は米国が日本に自分で核自衛しなさいといっているのです。未来は過去の延長ではありません。過去を見て将来を考えるのは、バックミラーを見ながら運転するのと同じと言う警句があります。日本人は過去に縛られた頭を切り替える必要があると思います。>

一見、論理的なので説得力があるように見えるが、日本の真の独立と核の所有をアメリカを認める理由がどこにあるだろうか。空論に過ぎない。

翻って国家の現状を見る秋(とき)、統率者たるべき首相(福田康夫)は国家尊厳の志向者足らんとしているや。国家固有の領土についてさえ本来の主張を貫く事をせず、なおかつ隣国の政治情勢を混乱させてテンとして恥じない。

「相手国の厭がることをしないのが福田政治」などと暢気なことをほざいているが、結局それは世界全体に阿(おもね)ることに過ぎない。同盟国に対しては仕方無いにしても中国、韓国、北朝鮮に阿ることが外交の真髄とは聞いて呆れる。

彼は日本を尊厳ある独立国を目指している統率者では断じて無い。むしろ国を敵に売るものの何者でもない。売国者である。売国者を総理に担ぐ国を世界は独立国とは認めない。

戦前、戦後を生きてきて、わが国政党政治の実態をつぶさに観察してきたが、流石に国家を社会主義国会に売ろうとした日本社会党は消滅した。

その対極にあるかに見えた政党こそは自由民主党であった。しかし、
それもいつの間にか一部権力者の私物と化してしまった。だからこそ既に政界引退を密かに決意していた老人を急遽、首相にしてしまったのである。

この演出者は引退して時の経つ京都の野中広務氏と元首相森喜朗氏である。己の恣意的権力発條力維持だけを確保するために両者は妥協したのである。福田氏はそれに含み笑いをしながら乗っただけである。

来るべき総選挙で政権が民主党に移る事は必至である。だが小澤一郎代表が、日本を独立志向の国家に相応しい国家として運営して行く保証は一つも無い。郵政省復活を言い出しているようでは何も期待できない。さりとて、どこへも逃げられないよ、ご同輩。
2008・07・19

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック