2008年07月20日

◆殺人事件の増加傾向を憂う

                      川原俊明(弁護士)

最近の警察庁発表によれば、刑法犯の件数は6年連続で減少気味だが、殺人事件は増加傾向にある、とされています。私たちが、現実に体感している日本の社会は、本当に良くなっているのでしょうか。

私には、何となく、逆ではないか、との印象があります。

社会は、人と人のつながりで成り立っています。人それぞれが、互いに相手の存在を認め合い、理解しあう、という気持ちが備わっていれば、たとえ、どのような紛争があったとしても、人を傷つけ、人の命を奪うことまではできないはずです。
 
最近の残虐な無差別殺人事件で、犯人が、「誰を殺しても良かった」と平気で供述しているのは、一体、何が原因なのでしょうか。人間の暖かい心まで失わせてしまった冷たい社会が、これ以上拡大しないことを祈っています。何の恨みもない善良な市民が、犯人のストレス発散のために、命を奪われることは、絶対に許されることではありません。

人の命が、ここまで軽んじられる原因の一つと考えられることがあります。現代の日本の社会の特徴の一つである核家族化です。

大家族制度の下では、老若男女が社会を構成し、互いの立場を理解しながら社会生活をしてきました。大家族制度のもとでは、長たるものは、権威と尊厳を持っていました。そこでは、家庭生活の中で、自然と、互いの人間教育ができていました。

ところが、核家族の下では、親が子供を甘やかし、子供も、自分独りよがりの人間になりかねない環境となっています。

私は、人の気持ちを理解しない人たちが増えることを危惧しています。
法による取り締まり以前の問題です。人に対する思いやり、礼節など、人間としての真の教育が、社会全体に求められているのではないでしょうか。(完)

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