オランダが誇るもののひとつにキューケンホフがある。 3月から5月の2ヶ月しか開かれないチューリップの公園だ。
ぼく自身は、この公園の周辺を覆い尽くすチューリップ畑、ヒヤシンス畑の広大な花のじゅうたんが好きなので、公園のなかには入ったことがなかった。
4月20日、一眼レフを持って10年振りに出かけると、花畑のチューリップはほとんどが茎と葉っぱだけになっていた。いい球根を収穫するには、自然に花びらが散るのをまたずに切り取るらしい。
仕方なくキューケンホフに入った。これが予想を遥かに超える美しさ。
見たことのない品種が見事に花を咲かしている。チューリップを取り巻く芝生の緑との対比は眩いばかりだ。
よく見るとひとつひとつの花壇には緑の立て札があり、そこに会社名と村の名前が書いてある。気に入った品種を見つけたらそれをメモして、園内にある店で注文するという仕組みらしい。
それにしても完璧な手入れだ。 枯れた花びら、折れた茎は一切見当たらず、
ほとんどのチューリップが満開状態、かつ背丈も揃っている。
見とれていると作業服の中年の男性が花壇に近づき、腰をかがめてチューリップの根元に落ちているなにかを素早く拾った。それは単なる動作ではなく、いとおしさに溢れる仕草だった。
このとき頭に浮かんだのは「丹精を込めて」という言葉である。
最近は、やったからいいじゃないという、仕事は仕事と割り切るひとにしか
出会わなくなったぼくには驚きだった。
愛情を込めて世話をする人がいるからこそ、見る人を感激させるチューリップができるのですね。嬉しい一日でした。
添付画像 いつくしむようにチューリップの世話をする庭師。 咲き誇るチューリップ2008年4月20日オランダ、キューケンホフ