2008年10月04日

◆世界を席捲即席ラーメン


渡部亮次郎

インスタント(即席)・ラーメンなる食べ物が日本特有のものである事は知っていたが、外務大臣の秘書官になって、大臣の外遊に同行する記者、カメラマンにとって不可欠の「命綱」である事を知って認識を改めた。

熱湯をかけるだけ、もしくは湯で煮るだけなど、簡易な調理法で食べることができる即席の袋・カップ入り、フライ麺・乾麺等。インスタント食品の一種であり、その中でも主にラーメンを指す呼称として用いられる。「最も手軽な日本食」なのである。

社団法人日本即席食品工業協会の統計によれば、2006年度に全世界で消費された量は約916億食(カップ麺を含む)。うち日本の消費分はたった0・05%約53億食だった。

つまり日本での発明品と言っても現在では、世界各地で作られており、ほぼ製造国で消費されるようになったのだ。主な生産・消費地は東アジアおよびアメリカ合衆国である。

「インスタントラーメンの発明者」は安藤百福(あんどう ももふく)とするのが通例である。

安藤百福(あんどう ももふく、1910年3月5日―2007年1月5日)は商業ベースで成功したインスタントラーメンの開発者。日清食品(株)創業者。

「チキンラーメン」や「カップヌードル」の開発により、日本のみならず世界の食文化に変化をもたらしたことで知られる。

日本統治時代の台湾出身(旧名:呉百福)。第2次世界大戦後に中華民国の国籍を選択、のち日本に帰化。1948年に(株)中交総社(後の日清食品)を設立。

安藤は自邸の庭に建てた小屋でインスタントラーメンの研究を始め、1958(昭和33)年8月25日にチキンラーメンを商品化することに成功した(8月25日は即席ラーメンの。どんぶりに入れて湯を注ぐだけでおいしく食べられる簡便な食品は、瞬く間に人気商品となった。

「瞬間油熱乾燥法」(麺を油で揚げて乾燥させる)というもので、初の「チキンラーメン」である。瞬間油熱乾燥法はインスタントラーメンの基本的な製造特許で、安藤の妻が料理をしていたてんぷらがきっかけだった。

1972年、世間を驚かせたあさま山荘事件のテレビジョン中継放送で、厳寒の中、湯気の上がるカップヌードルを食べる機動隊隊員の姿が映され、視聴者は何を食べているのか興味を持った。これが事実上の宣伝となって、爆発的な売れ行きを示した。

チキンラーメンの好評を見て、追随する業者が多く出た。粗悪品や模造品の懸念から、安藤はチキンラーメンの商標や特許を申請・登録し、会社や商品の信用を守ることに努めた。

日清食品は1961年にチキンラーメンを商標登録し、翌1962年には即席ラーメンの製造法の特許を得る。この際、113社が警告を受けた。類似商法を看過しない姿勢を打ち出した安藤であったが、1964年には一社独占をやめ、日本ラーメン工業協会を設立し、製法特許権を公開・譲渡した。

1962年(昭和37年)には、明星食品がでん粉を使ってスープを粉末にするスープ別添技術を開発し、粉末スープを麺と別の袋に入れ添付した製品を発売した。

1990年代にはレトルト化した調理済みの具材や麺を同梱した高級品も登場し、2000年代には人気ラーメン店とのコラボレーションへと進化、それらが付属しない通常の製品と2極化が進んでいる。

日本国外での生産は、明星食品が1963年(昭和38年)に韓国で、三養食品(Samyang)との合弁で製造を始めたのが最初とされる。

1980年代以降にはアジアの広範囲で同種の即席食品が製造され、地域色の豊かな製品も増えている。

欧米人にとっての「Ramen Noodle」は、日本や中国のような生麺を用いたものではなく、インスタントラーメンを指すようになっている。

一方、マグカップ等に乾燥麺を入れて熱湯を注ぐ軽食向き製品も欧米で人気があり、1990年代には、日本でも同様の製品が登場している。

台湾、香港、中国はもちろん、タイのトムヤンクン味や、インドネシアの即席ミーゴレン、フィリピンの即席パンシット、ベトナムの即席フォーなど多様に進化した。

アジア各国で販売されているのは数百種類に及び、日本にも輸入され、コンビニエンスストアで販売される商品もある。

2000年代では、年間約850億食の即席めんが世界で生産されている。国別で最も多く生産しているのは中国で、2007年で498億食である。国民1人当たりの年間消費量では、韓国の約80食が世界最多で、中国が約39食となっている。

日本からの輸出は、2006年度時点での世界ラーメン協会調べによれば年間約8,700万食。中国最大手のメーカーである康師傅(カンシーフ、台湾系)は日本のサンヨー食品、第2位の華龍日清は日清食品と提携する。

韓国でラーミョン(ラーメンの韓国語読み)といえばインスタントラーメンを指し、生麺を使うラーメンはない。販売メーカーは60社で、キムチラーメンなどを輸出している。伝統食のトッポッキにインスタントラーメンを入れた「ラポッキ」という料理も定着している。

タイ、ベトナム、カンボジア、マレーシア、インドネシアでもインスタントラーメンを供する屋台がある。

香港には朝食などにインスタントラーメンを調理して出す茶餐廳というスタイルの喫茶軽食店が多くある。日本でも形態は異なるものの、同様に調理をして食べさせる店が存在する。

メキシコには1980年代に東洋水産がインスタントラーメンの輸出を開始し、マルちゃんが圧倒的なシェアを獲得している。

日清食品と宇宙航空研究開発機構(JAXA)により、無重量空間で飛び散らないよう麺にまぶす程度にスープを減らし、摂氏70度で戻せるようにしたインスタントラーメンが「スペース・ラム」という名で開発され、2005年7月、国際宇宙ステーションで提供された。

日本での現状:
2005年度…生産量 54・4億食(前年度比1・6%減)
2006年度…生産量 53.1億食、1人当たり年間消費量41.3食

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』08・08・22

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック