2009年01月09日

◆大阪は無法地帯か

川原俊明(弁護士)

大阪で、いま、流行(はや)るもの。
昨年末からの交通事故ひき逃げ事件。今年に入ってタクシー強盗。
ひき逃げ事件は、道路交通法改正による飲酒運転の罰則強化に伴い、処罰を免れようとして、さらに殺人罪の適用など凶悪犯罪に至るものです。

本来、交通事故加害者は、業務上過失傷害・同致死罪だけですむものを、ひき逃げによって、殺人罪(刑法199条 死刑・無期または5年以上20年の懲役)という人生の十字架まで背負ってしまうことになるのです。

今年は、タクシー強盗。
東大阪から始まって、松原、高槻、寝屋川と、タクシー強盗が続発しています。模倣犯まで出てくる始末。タクシー運転手も、今や命がけの仕事となりました。

江戸時代では、「雲助」(くもすけ)といわれた籠かき屋が、人の弱みにつけ込んで法外な搬送代金をせしめる場面があったそうです。現代のタクシー運転手のことを、今でもそんな表現をする御仁もいます。

ところが、今の大阪では、タクシー運転手の方が、乗り込んでくる客を怖がっています。タクシーの狭い密室を利用し、人通りのいない場所にも指示通り連れて行ってくれるタクシー業務の特性を悪用して、強盗を働くのは、絶対に許せない行為です。

だいたい、タクシーの売り上げを想定してみても、多額の現金を車内にストックしておくことはありえません。タクシーを24時間、街中を走行させても、1日の水揚げが何十万円もなるはずがありません。冷静に考えれば、そんなことがすぐわかるのに、それでもタクシー強盗を働いて、刑務所に入りたいのでしょうか。

強盗の罪は重いのです。
単純強盗でも5年以上20年以下の懲役、強盗して人を怪我させた場合は6年以上20年以下の懲役、ましてや人を死に至らせた場合には、強盗致傷罪として死刑もしくは無期懲役となります(刑法第236条 240条)。

計算高い大阪人にしては、強盗を働いて人生を棒に振る代償として、
タクシー運転手のわずかな水揚げを狙うのは、余りにも短絡的です。

一方、タクシー車内の余りにも無防備さにも、改めて驚きです。タクシー車内が撮影できるカメラを搭載して、その映像を乗降時に本社送信したり、本社とタクシー運転手との会話が無線でつながれていること、などを車内表示したり、運転席を透明の遮蔽板で囲ったりなど、改善の余地が多々あるはずです。
 
タクシー会社に値下げ競争させるよりも、その分、車内装備に金をかけさせるべきでしょう。
大阪の汚名返上のためにも・・。


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