渡邊好造
京都市山科区で一番お勧めの景観は、「山科疎水の道」であろう。
山科疎水は、山科区北にある山の中腹を流れ,その疎水にそって散歩道がある。それが、緑地公園「山科疎水の道」である。
春は桜、秋は紅葉、山科の町が一望でき、途中には神社仏閣、天皇陵などが散在する。山科疎水は,京都市が産業用水力発電所建設をめざして、明治23年(1890年)に完成した”琵琶湖疎水”の途中部分である。
琵琶湖の観音寺、三井寺付近を基点にして、山科を経由し左京区蹴上までの約11キロメートルの疎水のうち3分の2程はトンネルだが、山科あたりはほとんど青天井で、それにそって幅2メートル程の道が造られた。
この「山科疎水の道」は3.3キロメートルのジョギングコースにもなっていて、200メートル毎に距離標識が立てられている。疎水は幅約10メートル、底は半円形、満水になると最深部で2メートル、大抵は1.3メートル位、薄いブルーの水は澄み切っていて底までみえる。
時速4キロメートル位のスピードで流れ、歩く速さと変らない。音をたてて流れる河川と違って、大量の水が静かに流れているのは無気味な感じさえする。
5〜6年前から、毎年1月下旬に始まり3月中旬頃にかけて疎水の水が止められ、花見時期に間に合うように底に溜まった泥やごみが除去される。掃除がいき届かなかった頃は、自転車、バイク、冷蔵庫、掃除機、テレビなどの大型ごみがいっぱい捨てられていた。
そのごみの間をブルーギルやブラックバス、子鮎などの多数の魚の泳いでいるのが見えた。そして5月ごろには、カルガモの親子が2〜3組いて、通行人を和ませてくれた。
ところが毎年定期的に掃除されるようになってからだんだん魚が減り、一昨年、昨年と続けてコンクリート底の改修工事で削岩機が使われ、その大音響でカルガモの親子が現れなくなった。
今年はすでに水抜きを始めているが、改修工事は昨年で終わり掃除だけのはずだから、魚はともかく、カルガモ親子の可愛い姿は見られるかもしれない。
「山科疎水の道」では、ごみ箱を全部撤去してしまってごみの捨て場所がない。ところが撤去以後かえってごみは見かけなくなった。さすがに花見時は山のようなごみが積みあげられるが、これは京都市が1〜2日のうちに片付けてしまう。
疎水の道の通る人は常にごみを落とさないように心掛けているようだし、毎日、袋を片手にごみと煙草の吸殻を拾い続けている人が、私の知る限り4人はいる。
犬の散歩も多いが糞をそのままにして行き過ぎる人はまずない。なかには、3箇所あるトイレを毎日清掃する女性や半年かけて道の雑草をひいている男性もいる。
京都市の管理者だけでなく、住民ぐるみで「山科疎水の道」は守られている。(完)
2009年02月01日
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