2009年02月09日

◆分析器と推理力

渡部亮次郎

突然の不整脈、高血圧、下肢の浮腫を訴える私に内科医は種々の検査(分析)に基づいて「何でもありません」と言い続けた末、脳外科医の処方した薬の副作用であろう事にようやく気付いて、今のところ一件落着である。

一方、百年に一度の経済不況の中、不人気に苦慮する麻生首相や派閥の領袖たちは、推理力のなさはもともと凡々の2世議員だから当然だが、分析力も想像力も無いから、この国を運転できずにいる。

若い頃からU型糖尿病に悩まされた政治家園田直氏は終いには人工透析を拒否し、腎不全で死んだ。晩節は哀れだった。腎臓が殆ど機能しない(腎虚)から脚も顔も酷く浮腫み、とうとう靴がはけなくなった。両目も網膜症のため失明して死んだ。僅か70歳。昭和59(1984)年4月2日の朝だった。

その3ヵ月後、秘書官だった私が同じU型糖尿病と診断された。勿論、伝染病ではない。糖尿病にかかりやすい体質(DNA)が母親から遺伝していたのである。暴飲暴食が引き金になったのは当然である。園田亡きあとの身の処遇を巡って自暴自棄になっていたらしい。

あれから24年。糖尿病のコントロールは順調に来たようだったが、
2008年11月17日、脳の動脈が詰まる脳梗塞の症状が現れたのでかかりつけの病院に駆け込み、10日間の入院で後遺症は無く事なきを得て安堵した。

ところが退院直後から真夜中に動悸が激しくなって目覚めるようになり、起床直後の最高血圧も130前後だったのが150-160に上昇、さらに両下肢の浮腫が激しくなり、散歩用の運動靴のジッパーが締まらなくなった。「あ、園田さんになっちゃった!」そのショックたるや想像を絶する。

さっそく罹りつけの病院に駆け込む。内科医は血液検査だけで「何ら異常はありません。血圧降下剤を増やします。浮腫は時々机に両足を上げるようにして防いでください」。それでも心臓のCTスキャンをとり、24時間心電図もとった。

その結果、7日の最終診断。「何も出てきません。心臓は特に丈夫です。肝臓、腎臓の機能にも障害はありません」。私も先生もしばし沈黙。突然,内科医曰く「退院後、新たに呑み始めた薬はありますか」「あります、血栓のできるのを防ぐプレタールです」「あ、それの副作用ですね。脳神経外科の先生に相談してみて下さい。私の診察はこれでおしまいです」。

急遽、脳神経外科医へ。「あ、内科でそういわれましたか。そうですね。プレタールは動悸を高める副作用がありますからね。薬を変えましょう」と新処方。帰宅後、プレタールの代わりを服用して就寝。夜中に不整脈は起きなかった。血圧はまだ高いものの浮腫はおさまった。要するに薬の副作用。悪く言えば薬害だったのだ。

今の医師は殆ど聴診器を首から提げていないし、患者の身体に触る事も殆ど無い。コンピュータに連動する様々な検査機械ができて、昔のように聴診器をあてて頭を捻り病名や患部を推測する必要は殆ど不要になったからであろう。

しかし患者の側から言うと医師たちの推理力が落ちる事には大いなる不安がある。たとえば同居していた義母は背中がいたいといったら内科医は「骨ソショウ症」と決め付けて整形外科医まかせにしたが、実のところは胃癌の手遅れで死んだ。

素人知恵では「背中が痛かったら胃癌を疑え」というが、最近の医師は血液検査だけで診断し、推理で想像を逞しくすると言う事をしなくなった。推理力は発揮しても保険の点数は稼げないからだろう。
こうなると患者は常に医師を疑い、薬を疑って疑心暗鬼にしていないと助からない事になる。

引き換えて政界には角さん以後コンピュータ付き分析器がないから日本では2世、3世たちの乏しい頭脳にしか頼るものが無く国民はすがるところが無い、あぁ。 2009・02・08
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック