2009年05月22日

◆「世襲議員」論議に欠けてるもの


                  大谷 英彦

解散、総選挙が近づいて「世襲議員論議」が、喧(かまびすし)い。議員が言い出したのだから世間もマスコミも議員の側からだけの論議に終始している。

これを候補者を選ぶ選挙民の側から見ると、どうなるか。

私の郷里は福岡県の田川で選挙区は福岡県第11区。住んでいる千葉の選挙区より選挙情勢に関心を持っているし、詳しいと自負している。

隣は峠1つで麻生首相の福岡県第8区。そこで仮定してみる。いま喧伝されている「世襲禁止論」により麻生さんの縁者、いわゆる世襲候補は9区からは出られないから、峠1つ隣の11区に移るるとしよう。

県会議員か何かから国政を目指していた地元の「新人」は公認を得られず断念させられ、麻生さんの世襲議員が当選となる。

8区の有権者にとって、どっちが国会議員になった方が「幸せ」か?役に立つか?私は100%地元に軍配をあげる。よく言われるイギリスとは国の成り立ちが違うのだ。

例えば麻生さんの8区は筑前。11区は豊前。言葉の訛さえ違う。

現役時代、選挙情勢の取材で現地に行くと、同じ選挙区でもあの町は昔は何々で「くに」が違うからと、よく聞かされた。

現に数年前、福岡県知事に北九州市の市長をと画策した人がいた。相談を受け福岡財界の世話人だった九州電力の人に持ちかけてみた。「北九州は豊前、福岡・博多は筑前。豊前の知事さんでは筑前は納得せんばい」と一蹴された。

第一、世襲禁止は憲法上無理がある。マスコミや論者は法律にはできないから政党のマニフェストで禁止を掲げるという。でも、そうまでして選挙民に「幸せ」をもたらさない制度を作る必要があるのか。

今の政界を見回して世襲議員の多さに焦燥感を感じるのはわかる。世襲でも、無縁の新人候補とお互い対等の条件で戦えるようにしてはどうだろう。

世襲候補の強さのひとつは、親の政治団体から寄付という形で「無税」で相続できる資金にある。無税を改め、世間の財産相続と同じ扱いで相続税を課す。同じ条件で戦わせれば優秀な方が勝つ。それが世襲議員であっても私は納得する。

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