2009年06月05日

◆息子嫁が「小説宝石」新人賞

                    毛馬一三

<本稿は全国メルマガ「頂門の一針」・本日1567号に掲載されました>


本誌に「山科だより」を寄稿している渡邊好造氏から一通のメールを貰った。

「息子の嫁.・淳子が「小説宝石」の新人賞を貰いました。「小説宝石」6月号(6月1日発行)に掲載されていますから、一度見てやってください」。

子息のお嫁さんが小説を手掛けている話などは、渡邊氏から今まで一度も聞いたことが無かった。そんなお嫁さんが「小説宝石の新人賞」受賞するなんて、ビックリするではないか。 小説に手を染めている筆者も、この知らせに胸躍らせ、早速本屋で「小説 宝石」を買い求めた。

同誌表紙に「第三回小説宝石新人賞決定」と記され、お嫁さんの渡辺淳子ら2名の名前が挙がっていた。

渡辺淳子さんは、「期待の大型新人、デビュー」と紹介され、受賞作「私を悩ますもじゃもじゃ頭」が、井筒りつこさんの挿絵を添えて掲載されている。

受賞作「私を悩ますもじゃもじゃ頭」は、
<市が始めたという無料登録の「結婚相談所」を舞台に主人公・戸倉明美と見合い相手とが絡み合う物語だ。>

筋書きは筆者流に大雑把に記すと、下記のように動く。

<「結婚相談所」で紹介された「もじゃもじゃ頭」の24歳の男性と出会う。かなり太めで、恋愛対象には聊か躊躇う相手に見えるが、人柄は素朴で、好感の持てる男性だった。

いい人だが、年下だし、男性として、結婚相手として見ることができるかどうかは自信がない。明美は迷う。

そんなある日、「結婚相談所」から新たな見合いの相手を紹介されて、会う。35歳、会社員、公認会計士を目指しているという。中々の好男子。うっとりしてしまう。結婚なんてことになったら、最高かもと思う。

ところが無垢な明美にとって、この男は予想もしない食わせ者だった。

その翌日、偶然にも「もじゃもじゃ頭」から電話が来る。そこで「もじゃもじゃ頭」が勤めるクリーニング屋に行き、久し振りに再会する。初回の時と違って心が打ち解け、こんな風に落ち着いて会話したことなんて、今までにあっただろうかと思ったりする。>

物語は、このあといろいろ起伏の展開が広がるが、35歳のインテリ風の男と付き合うのか、「もじゃもじゃ頭」の年下の男と親密になりそうなのか、それとも一切見合い相手を探すのをやめてしまうのか、最終のどんでん返しの結末まで、ハラハラさせられる。
―参照「小説宝石・6月号」

筆者はドキュメント小説の作家で、渡辺さんの作風とは全く異なる。第一、時系列に合わせて正確に物語のコンテンツを組み立てる筆者に対し、渡辺さんは、自在に登場人物を操り、筋書きも多次元に展開している。

その意味では、渡辺さんのこの小説は、題材も今風で新鮮だし、文章の「あや」も巧み、リズムもよく、読者を飽きさせない。特に登場人物の会話も描写も、話の転がしも見事。是非、新人女流小説家の誕生を、購読して確かめてほしい。

話は戻る。この小説を読んだ筆者は、渡邊好造氏に読後感想をメールしたら、返事がきた。

「恐縮です。 このまま本人に転送します。嫁は息子と結婚して14年になります。漫画や絵を描いたりしているとは聞いていましたが、小説は気が付きませんでした。

メールを送信しているこのパソコンは、息子から貰ったもの。もし貰い受けてなかったら、「山科だより」を寄稿出来なかったでしょう。ありがとうございました」。

<・渡辺淳子さんの経歴―
滋賀県生れ。看護師として病院等に勤務。放送大学卒。>

(参照―「小説宝石」6月1日発行 定価780円 発行所株式会社 光文社)

◆メイル・マガジン「頂門の一針」1567号<平成21(年6月5日(金)>
■<同号の目次>            
・「金正雲とは誰か」と中央日報:古澤 襄
・ゴテまくりの邦夫を斬れ:平井修一
・55日延長でどうなる:花岡信昭
・国際水泳連盟の不可解:前田正晶
・嫁が「小説宝石」新人賞:毛馬一三

・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記
◆本誌の購読(無料)申し込み御希望の方は
 下記のホームページで手続きして下さい。
http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm

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