2009年06月06日

◆自民党の尻叩く橋下知事


                  毛馬一三

■<本稿は、全国版メルマガ「頂門の一針」の本日号に掲載されました>

大阪府の橋下知事が全国的に注目され出したのは、知事就任以来、国に対する「挑戦状」を矢継ぎ早に打ち出し、これに闘う強烈な姿勢と度肝を抜く発言を繰り返してきたからにほかならない。

早い話、「小中学力テストの学校別公開要求」から始まり、今や焦点となっている「国直轄事業地方負担金の廃止」の主張は、石原東京都知事をはじめ全国知事大半の賛同を得て、国交省を震撼させている。

今まで、大阪府は勿論全国の知事から、「霞ヶ関」に向けて公然とこれほどまでに“喧嘩を仕掛けた過去の事例”は、あまり知らない。

こんな中、なんと自民党議員に向かって「このまま総選挙に突入すれば、自民・公明は負けますよ。“ギョエー”というような案を出してほしい」と迫るビックリ発言をし、またまた波紋を呼んでいる。

これは4日、東京都内であった自民党国会議員の勉強会に相次いで招かれた席上でのこと。同知事の発言は、国直轄事業負担金廃止などの地方分権案を打ち出すよう議員に要望した際、これにかこつけたものだが、「地方を無視すると自公は総選挙には負ける」とまで言及した度胸には、胸の痞えが下りた。

知事は更に、若手議員の勉強会でも、「霞が関を変えてくれる期待は民主党にある。民主党以上に強烈なことを言わないと、国民はついてこない」と注文を付けている。

また中川秀直元幹事長や菅義偉選対副委員長らの会合でも、「民主党の『政権交代』にかなうメッセージは『霞が関解体』しかない」と語っている。 <アサヒ.コム>

要は、自民党議員から要請されて初出席した会合だっただけに、ここぞとばかり地方自治体の悲願と有権者の意向を訴え、この実現との引き換えに「カツを入れる作戦」を取ったものと思われる。

事実、橋下知事は会合の後、報道陣に「自民党は物足りない。政権与党で権限があるのだから、すごい案を出してくると期待している」と述べたという。となれば、この「渇!」は案外知事の本音だったといえる。

これには前段がある。
<橋下徹知事は、先日大阪での「地方分権の意見を交わす集会」で、「次期衆院選では霞が関の解体、再編のために一票を投じてほしい」と住民に呼びかけた。

しかも集会終了後に報道陣に対し、地方分権をめぐって民主党が「霞が関の地方支配解体」の党マニフェストをまとめ纏める見通しを念頭に置きながら、「民主党の報告書は筋の通ったもの。今後自民党や公明党も(霞が関解体を求める声に)応えないわけがない」>と、既に胸中を明らかにしていた。<産経ニュース>

知事は、「国直轄事業負担金廃止」に口火を切り、「霞ヶ関の奴隷になるのは真っ平ゴメンだ」と発言して、国民にやる気満々の知事存在を強烈にアピールした。この度肝抜く発言は、どうやら国と地方の関係を見直す国民の目線になりつつあり、迫る総選挙でも与野党の争点になることは必至だ。

だから目の前にいる自民党議員に訴えたのだ。この「渇!」は、勉強会をした自民党議員にとって、地方の「票の動向」を探る生きた情報として映った筈だ。となれば何らかの対応がなされるに違いない。

序でながら言うと、橋下知事が最初に取り組んだ、「全国学力テスト学校別公表」の教育改革の挑戦も、政府の規制改革会議の調査で4日、保護者の67・3%が「学校選択の基本情報」などの理由で公表すべきだとの考えであることが明らかとなった。同知事の訴えは、保護者から大きな支援を得たことになる。

教育委員会を対象に実施した同上調査では、まだ市区の教育委員会の86・7%、都道府県、政令指定都市の教育委員会でも65・1%が公表すべきでないと回答しているという。しかし保護者と教委の意識の差が浮き彫りとなったことにより、文科省は対応を迫られることになる。<共同通信>

橋下知事の国に対する「挑戦」は、見えてきた成果をバックにまた新たなテーマう登場させるといわれているが、過去の自治体首長と違う発想と行動力には、全国から更なる注目を集めていくことは間違いない。(了) 2009.06.05

◆メイル・マガジン「頂門の一針」1568号 平成21年6月6日(土)

<同号目次>
・自民党の尻叩く大阪府知事:毛馬一三
・チャイナビジネスNOW(番外編):平井修一
・金正日ファミリー情報:古澤 襄
・アフリカへの武器輸出が激増:宮崎正弘
・「葱」知らずで不合格:渡部亮次郎
・裁判員は「冤罪」に耐えられるのか:平井修一

・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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