2009年09月01日

◆最高裁裁判官の国民審査?

川原俊明


今回の衆議院議員選挙で、「政権交代」が行われることになりました。

しかし、最高裁判所裁判官には「政権交代」はありません。
 
憲法で決められた、最高裁判所裁判官のチェック機能は、現実には、全く果たされていないのです。
憲法第79条2項によれば、最高裁判所裁判官は、任命後、初めて行われる衆議院議員選挙の際、国民審査に付されることになっています。
 
ところが、国民の大半は、最高裁判所の裁判官が誰で、どんな判決に関わり、どんな意見をもっているのか、みんな知らないのです。それもそのはず。最高裁は、判決内容を国民に知らせる努力をしていないのです。

たしかに、最高裁判所のホームページからは、判決全文を見ることができます。しかし、このホームページを「お気に入り」に入れる奇特な方は、法律家を除き,いないでしょう。マスコミも、最高裁判決の結論だけを報道し、個々の最高裁判所裁判官の
意見を報道することはほとんどありません。
 
政治家は、失言を含めて、年中、国民やマスコミから叩かれているのですが、裁判官の意見は、国民から、まったく見えないのです。

でも考えれば、大変なことなのです。司法は、国家の三権の一つです。
 
法律を積極的に制定する立法機関(国会)を構成する国会議員に対しては、選挙という洗礼を受けます。司法機関(裁判所)の属する裁判官は、法律を適用し、具体的事案の解決を目指す役割を有しています。
 
国会で制定された法律を、一定の見解のもとに解釈し、当該事案にあてはめれば、同種事案は、その後、同様に解釈されることになり、一つの指針が生まれます。
 
それぞれの地方裁判所など下級審判例も、最高裁判所判決により、大きな指針が打ち立てられ、下級審の指導判例になるのです。
それが、憲法解釈だったらどうしますか。それは一つの立法と何ら変わらないのです。消極的な立法ともいえるのです。すなわち、裁判所は、立法機関ではないが,司法は、一つの権力機構なのです。

このことを考えたら、現実の国民審査制度は、国民を馬鹿にしている、と思います。

期日前投票においてもそうです。衆議院議員選挙には投票できても、国民審査の投票ができない現実があります。衆議院議員選挙は、公職選挙法により、投票日の12日以上前に公示することが定められています。そのため、公示日の翌日から期日前投票できます。

ところが、国民審査制度は、投票日の7日前からようやく投票できます。これでは、少なくとも4日間のタイムラグが生じ、投票日8日以上前の期日前投票では、衆議院議員選挙にしか投票できないのです。

私の場合もそうでした。それでも、本来の投票日にもう一度、投票所にでかければいいではないか,との意見があります。
しかし、当日にいけないから、期日前投票をするのでしょう。

個々の法律のブレに対しては、場合により,憲法第14条定められた、法の下の平等違反となります。最高裁判所国民審査法を憲法違反で訴え、最高裁判所裁判官に意見を求めたいものです。
 
陪審員制度が始まるなか、国民が、裁判にもっと関心を寄せ、個々の裁判官の動向を意識するようになります。そうであれば、地方裁判所裁判官の国民審査も必要かも知れません。
 
これは決して、できないわけではありません。憲法に規定がないだけで,法律に定めれば,実現可能です。要は、民主主義国家における裁判官は、「国民のための司法」をめざすべきであります。

旧態依然たる国の制度を維持するために国民を犠牲にしてはいけないのです。(完)


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