2009年09月20日

◆きりたんぽ鍋怖い




                 渡部 亮次郎

新米が出回ると「鍋料理、鍋料理は秋田、秋田はきりたんぽ鍋」となるらしく、関係ないはずの秋田県南のみやげ物店からの案内状に「きりたんぽ鍋材料一式」が入ってくる。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』が<きりたんぽ(切蒲英)は、秋田県の郷土料理>と書くからだ。きりたんぽ発祥の地は戊辰戦争以前は南部藩だった北部の「鹿角(かづの)」である。

私の生まれ育った旧八郎潟周辺(県中央部)では、「だまこもち」だ。きりたんぽは、つぶした粳米のご飯を杉の棒に竹輪のように巻き付けて焼き、棒から外して、食べやすく切った物をいう。

鶏がらのだし汁に入れて煮込んだり、味噌を付けて焼いて食べたりする。秋田県内では、冬場に学校給食のメニューとなる。

これに対して「だまこもち」は同じく潰したご飯(新米)をピンポン玉ぐらいの大きさに丸め、きりたんぽと同じく鶏だしの鍋で煮込んで食べる。左党はもちを食べるより、鍋の具を肴に酒を呑む方が主だから、もちは翌朝に、味がよくしみた奴を串刺しにして囲炉裏で焼いたのが却って美味いといったものだ。

最近では全国で食べられているきりたんぽときりたんぽ鍋。たんぽを切る前の段階でのきりたんぽのことを指し、ほとんどの人がこれを「きりたんぽ」と思い込むが、切っていないのは只の「たんぽ」。

「たんぽ」とは本来、稽古用の槍につける綿を丸めて布で包んだものを指し、杉(秋田杉)の棒に、半殺し(半分潰すという意味)のご飯を巻き付けたところがたんぽをつけた槍(たんぽ槍)に似ていることからその名が付いた。

秋田県北部(現在の鹿角市周辺)に住むマタギ(猟師)の料理が起源とされる。マタギが山から帰った際、残した飯を潰して棒につけ焼き、獲物のヤマドリや山菜、キノコとともに煮たり、味噌をつけて食べたりしたとされている。

家庭料理であることから、鍋に入れる鶏肉に決まりはなかったが、比内地鶏(ひないじどり)が有名になったことをきっかけに、比内地鶏の産地である大館市でセットで売り出すことに成功し本場の地位を確立し、その後秋田県の郷土料理として広く親しまれるようになった。

この時大館市が発祥の地として売り出そうとしたため、発祥の地を自負する鹿角市と発祥争いとなったが、現在では鹿角市が発祥、大館市が本場を呼称することで落ち着いた。

22歳から23歳にかけて大館市に記者として駐在した。年末の忘年会はどこも会場は北秋クラブ、料理はきりたんぽ鍋。飽きた。爾来、きりたんぽ怖い、鶏怖い、だ。「だまこもち」も食べたくない。

一方で県北部が起源であるため、由利本荘市、大仙市、横手市、湯沢市周辺の県南部では「きりたんぽ」は北部ほどのなじみはない。

きりたんぽ鍋の作り方。

鶏(比内地鶏)のガラでとっただし汁をベースに、こいくち醤油、酒と砂糖(または味醂)で醤油ベースのスープを作る。煮え難い順に、ゴボウ、(しらたき)、(サトイモ)、(卵巣を含む鷄モツ)、マイタケ(金茸、銀茸)、比内地鶏、(つみれ)を並べ中火で煮立てる。きりたんぽとネギを入れ、味が染みる直前でセリを投入する。セリに火が通ったら完成。(カッコ内はオプションとして好まれるもの)

比内地鶏が品種開発される以前は比内鶏のものを用いていた。比内地鶏が手に入らない場合はブロイラーのトリガラ、もも肉、鳥皮、ネクタイ(首の肉)で代用すると良い味が出る。

基本的に鷄ベースのキリっとした醤油スープ。具材については邪道とされるものがいくつかあり、甘味と水分が多く出る白菜、風味が変わってしまう魚肉(竹輪などの練りもの)、匂いが変わるニンジン、風味が変わるシイタケは入れない。基本はゴボウ、鷄肉、マイタケ、ネギ、たんぽ、セリの6種である。

みそつけたんぽ

焼いたたんぽに味噌を塗って食べるもの。みそたんぽとも呼ばれる。出典:『ウィキペディア』2008・11・11(再掲)
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