2009年09月23日

◆小澤幹事長の健康状態について




石岡 荘十

本誌の主宰・渡部亮次郎さんが、小澤幹事長の健康状態に触れ「おそらく太ももの付け根の動脈から器具を使って、心臓内のある種の器具を交換するのではないか、と言っている」と書いている。これについて、私見を述べる。

まず、「太ももの付け根の動脈から器具を使って、---」とすると、それは通常、太腿の付け根(鼠径部)から動脈にカテーテルを挿入して心臓や脳の血管治療を行う治療法のことだろう。

心臓の治療では、心筋梗塞、つまり心臓の筋肉に血液と栄養分を送る冠動脈が詰まった場合、カテーテルを挿入。よくいうフーセンで狭くなったり、詰まったりした部分を広げたり、血管の内部にこびりついたコレステロールを、カテーテルの先端についた小さなドリルで削り取ったりする。

最近では、狭くなったところが再び狭くなる(再狭窄)ことがないようフーセンで拡げた後、金属(チタン)で出来た細い網状の筒(ステント)を狭窄部分に置き去りにする術式が一般的である。ステントを使っても、数年前までは再狭窄が起きた。

そこへ開発されたのが特殊な薬剤を滲みこませたステントで、これを使うと薬剤(シロリムス)が少しずつ染み出して95%以上の確率で再狭窄を防ぐ。

この術式だと患者に対する負担が少ない。循環器内科医が担当する。心筋梗塞だからといって外科医が胸を切り開いてバイパスを行うとは限らない。

この術式は日本国内の専門病院でも広く行われている。入院期間は、長いといわれる日本でも一週間以内、アメリカでは1泊2日というところもある。

だからもし、小澤氏がそのためにわざわざ国外の病院に出かけるとしたら、その理由は、医学的にはない。理由があるとすれば、政治家の健康状態がもたらすであろう政治的な影響を慮ってのことだろう。

次に「心臓内のある種の器具を交換するのではないか、---」ということだが。

大腿部の動脈から挿入されたカテーテルは血流に逆らって心臓を目指す。行き着いたところは大動脈弁である。私は10年前、胸を開けて、この心臓弁をチタンとカーボンで出来た人工弁に置き換える手術(大動脈弁置換手術)を受けた経験がある。

「ある種の器具」というのは弁のことを指しているのかどうか分からないが、このような疾患を治療するには、今の医学では心臓血管外科医による開胸手術をするほかはない。いずれ、カテーテルで弁置換手術も出来るようになりますよという話を聞いたこともあるが、成功症例は世界でもまだ報告されていない。

因みにいうと、橋元龍太郎元首相は国内の大学病院で、大動脈弁からさらに遡った僧帽弁の置換手術を受けている。

「心臓内にある器具」という言い方は医学的にはないが、仮に、心臓周辺の臓器の病気と考えると、例えば大動脈に瘤が出来る大動脈瘤も考えられる。石原裕次郎がそうだったが、この場合も胸を切り開いて、瘤の根元を特殊なクリップで挟んだり、人工血管に置き換えたりする手術法が一般的だ。カテーテルでは対処できない。

余談だが、裕次郎の主治医は後に宇宙飛行士となった向井千秋さんだった。

伝聞情報なので、用語の使い方を含めて不確かなところが多すぎ、これだけでは小澤氏の肉体的、政治的な生命を云々する材料としては今ひとつ判断を躊躇せざるを得ない、というところだろう。

いずれにしても年寄り相手の「現職の政治記者は、政治情報と共に、かなり高度な医学知識を持っていなければならないことが納得できるだろう」という主宰者の見解には、同感である。            20090921

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