渡部亮次郎
新聞報道によれば、9月20日からイギリスを訪問していた民主党幹事長小澤一郎氏は、予定を2日延長して27日成田着の飛行機で帰国した。
小澤氏は空港で記者団から声をかけられたが、無言で少し微笑んだだけだった。何のための微笑みか。テレ笑いか、蔑み笑いか、待ち構えた報道陣はすぐすごと帰った。産経新聞は「小澤氏帰国 ?だらけ英国訪問 報道陣シャットアウト」と報ずるしかなかった(28日)。
わざわざ「実務調査」と謳って、先に菅直人副総理が済ましてきたばかりの英国での「実務調査」にわざわざ幹事長が重ねて出かけていったのだから、発表が嘘である事は自明の理。
民主党役員室に依れば、「実務調査」の項目は@国会審議の方法と議会運営のあり方 A選挙運動の規制と自由化 B企業団体献金のあり方 C公務員制度改革に向けた環境整備。
菅副総理と重複しようが何だろうが、調査が事実なら堂々と「くだらない」発表すればよかったじゃないか。調査も役人面談もしなかったのだから、謎の微笑みを残して逃げるしかなかったのだ。
しかもイギリスで会うのは要人が一切無し、従って記者団の同行も、現地取材も断るというのだから、自民党有力議員が推量するように持病の狭心症の検査か治療だったのではないか。
しかし、産経新聞も、推測をしているものの「具体的な証拠はない」とお手上げだ。
この紙面によると小澤氏は英国訪問が多いことで知られる。初めて狭心症で入院したのは平成3年6月のこと。その2年後の平成5年から5年連続して訪英したほか、少なくとも平成11,12、16年にも訪問している。
また、別の筋からの情報では、アメリカ訪問した時も、そこから極秘にロンドン入りして、病院で『治療』したこともあるという。今回、20日から6日間の日程が2日間延長された理由は「個人的に立ち寄るところがあった」為としているが、立ち寄り先は公表されていない。
かねて「心臓に入れた用具の交換期限が迫っているので、総選挙が終わったらロンドンの病院を訪ねなければならない」との噂は流れていた。空港で「実務調査:」に関する記者会見はせず、謎の微笑みを残して無言で立ち去った実力者。謎は謎を呼び、独り歩きを始めた。
私も心房細動など心臓に問題を抱えて某大学病院に定期的に通院しているので、他人事(ひとごと)ではないのだが。2009・09・28