2009年10月07日

◆保守党再現は20年後



     
渡部亮次郎


議会政治は全治20年と書いたら、何を根拠に言うかと質された。根拠など無いが、選挙制度の改正、政党の再編成などが不可避だから10年以上は絶対掛かると思っただけだ。少なくとも次の総選挙で自民党が政権に復活する事はあり得ない。

来年の参院選挙でも自民党は負ける。そこで自民党は、初めて目が覚める。「これでは永久野党になってしまう」と慌てる。それが始まりだ。自民党崩壊と再生運動の始まりだ。

今回の総選挙について、衆院議員を辞職した後、東京都知事になった石原慎太郎氏が9月7日付の産経新聞に評論「日本よ」を寄せ
「小選挙区制は日本になじまない」と批判していた。

<それにしても今行われている小選挙区制度というのは弊害が多すぎる。かつてこれが取り入れられようとした時、私は与党(自民党)内にあって、守旧派の名に甘んじながら最後まで反対を唱えてきた。

国民が前述したような性情のこの国にあっては、現行の選挙制度は結果の振幅が大きすぎ結果として行政のロスが多すぎることになりかねない。

政権交代の是非といったオールオア・ナッシグの選択ではなしに、選挙も通じてより具体性のある、かつ幅の広い討論が行われるためには2大政党ではなしに、ドイツのように3つの政党が存在しその連立が3通りに行われるような態様が望ましいと思われる。

とにかく今の選挙制度では政治家が日頃選挙に気をとられ大きな発想を行う余裕があり得ない。東京では国会議員の選挙区が区議会議員のそれよりも小さいという奇体な現象をみせてもいる。

その結果野中氏が慨嘆していたが、冗漫な本会議の折には夜の議決までの間選挙区が比較的間近な議員たちは議場を抜け出して選挙区回りをしてまた戻るという空疎な現象が現れているという。

加えて比例代表というシステムは、選挙区を持たず日頃死に物狂いの努力もせず、その名声?だけで当選の相伴に預かるという不合理不公平な結果をもたらしてもいる。

総選挙という国家の命運を決める重大事が、メディアなどが作るヒステリックな風に吹き飛ばされず、幅の広い討論をもたすことで国民が冷静な判断と選択が行えるように、国会議員の数も減らして、例えば全国で定員2人の中間選挙区に改良されるべきと思われる。それは必ず3大政党といった政治体制をもたらすものと思うが。>

「2大政党主義」を主張して已まない民主党が、今直ちに、この論に乗ってくることは無いだろうが、今後3度目ぐらいの選挙で与党たる地位が危機に晒されるようなことが有れば、選挙制度再改革が初めて論議され始めるだろう。

それまでに公明党が、或いは民主党と連立でもしていれば、話はややこしくなるが、公明党はそれでも独自の主張を確保する希望を捨てていなければ複数定員制を目指して論議に加わるはずで、選挙制の再改革はそこで現実味を帯びてくる。

実際には創価学会では、今回の衆院選挙惨敗を機に、昔のように政治活動は参議院に限定すると、衆議院からの撤退論がかなり具体的に論じられているらしいから、これもまた「不透明」である。

肝腎の自民党だが、派閥の領袖たちが束になって推した谷垣氏が圧勝して後任総裁に就任したが、これでは全くの旧態依然たる結束状況であって、組織の躍動化は絶望的である。「みんなの野球」なんてお笑いだ。野球は1人ではできないのだから。弁護士ならもう少し気の利いた科白を吐かんかい。

また谷垣氏の思想は保守的では全く無くて、いわゆるリベラルに属する。これでは目指すところは活性化した自民党ではなく第2民主党でしかない。

民主党が勝利したのは、60年近く、権力に胡坐をかいて来て、もはや血液の浄化を自らの能力では出来なくなった自民党、宗教団体にすがり付く以外に自立能力を失った政党に愛想が尽きたのだ。

自民党は洗濯物を大量に抱え込んだ脳卒中の老人だった。改革が怖いものだから、懸案のすべてを先送りした。魅力のまったくなくなった恋人だった。

その恋人が、厚化粧して復縁を迫っても応じる支持者はいないだろう。さりとて民主党に投票できない支持者は当分、無党派層になるしかない。

勿論、この先、民主党も様々な蹉跌を踏む。役人を使ったことが無いくせに役人を相手にせずというのは馬鹿げた科白。間もなくあちこちで馬脚が現れるだろうし、故人献金問題も、小澤秘書裁判も不利に展開するだろう。

しかし、政権党である。必ず踏みこたえる。来年の参院選挙でも国民は民主党を勝たせ、社民党などとの連立解消に踏みきらせるであろう。これを否定する悪材料は無いからだ。

問題は小澤一郎がその後、どのような動きをするかである。壊し屋の異名どおり、小澤派を率いて理想の新党結成に走るか、或いは
自民党のある層をとりこむか。「不透明」ではあるが。

一方の自民党は来年の参院選でも敗れれば、無用の長物と化するわけだから議員の「逃散」が始まるだろう。それを見て渡辺喜美、河野太郎、中川秀直、亀井静香といった人たちが、内外から自民党をかき乱し、やがて自民党は事実上、消滅するだろう。

そうした中から小選挙区制の再検討論議がはじまり、並行して新しい保守党の立党、民主党の凋落の始まり、各党メンバーの健康問題などが展開するだろうが、そうした中から、無党派層にも支持される新しい保守政権が誕生するまでには10年では足りず、少なくとも20年は掛かるだろうと私は見る。(文中敬称略)2009・10・6



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