岩本宏紀(在仏)
ブランデンブルグ門での式典のテレビ中継を見ていて、
20年前を思い出した。
あの時、アムステルダムに住んでいた。
テレビは毎日、ハンガリーからオーストリアに入国し、隣の西ドイツに入ってくる人が日ごとに増えていると伝えていた。
そのうち、東ドイツのひとがオーストリア経由で西ドイツになだれ込む映像が映し出された。
なにか途轍もないことが起こる予感がして、胸がわくわくした。
そして11月9日、ベルリンの壁が崩壊した。
統合にかかる費用負担は予想以上に大きく、5,6年経っても景気はなかなか回復しなかった。
旧西ドイツのひとに大変ですね、と声をかけたら
「でもね、これまで絶対に会えなかった家族や親戚に自由に会えるようになったのですから、、、」と言われた。
ぼくはそうですね、と頷くしかなかった。(完)