毛馬一三
<本稿は、全国版メルマガ「頂門の一針」(12月8日刊・1748号)に掲載されました>
パキスタン北西辺境州およびアフガニスタン北東部で医療活動に取りくんでいる、医師・中村哲氏のことは耳にしたことはあるが、何と同氏が筆者と同じ福岡高校の後輩(17回卒)とは、不覚にも知らなかった。
つい先日の同校同窓会合幹事会の席上、DVD化された「アフガンに命の水を」を同窓会ホームページに転載出来ないかと相談を持ちかけられた時、初めてその事実に接した。驚きと敬服の想いが脳裏を駆け巡った。
中村氏は、福岡高から九州大学医学部を卒業、国内の神経内科の診療所勤務を経て、1984年にパキスタンのペシャワールに赴任。以後アフガン難民の診療に携わり、ペシャワール会現地代表・PMS(ペシャワール会医療サービス)総院長を務めている。
中村氏は当初、主にハンセン病の治療に当たっていた。ところが2000年の大干ばつに遭遇し、これが同氏の運命の岐路となったという。
この大干ばつ状況下での医療では、人々を救えないため、命をつなぐ飲料水確保のためには「井戸掘り」しかないと決意、日本に帰国して義援金を集めに奔走。
集まった2億円の義援金をもとに、アフガンの600箇所に井戸を完成させた。だがこれだけでは難民の生活を支えることは出来ない、そう考えた中村氏は、2003年から農業の復活に要する全長24キロにも及ぶ、とてつもない長い用水路の建設に挑んだ。完成すれば3000ヘクタールの緑が蘇るからだった。
ところがその最中、不運にも米軍とタリバンとの戦争に巻き込まれ、一刻も無駄に出来ない用水路建設は、被弾をさけながら工事敢行を進めざるを得ない、まさに命懸けの闘いを余儀なくさせられた。今は順調に進み完成の目途が付き出しているという。
このDVD「アフガンに命の水を」は、菅原文太の朗読による3部構成(56分)になっている。言葉や文字ですら表現できない“死闘”の様子が、中村氏の述懐を交え、克明に映し出されている。
己の生き方にしか執着固執しない現行社会の中で、自らを省みず「国際貢献に邁進している」同窓生中村氏の死闘の姿を見たとき、感動以外にはなかった。ぜひこのDVD「アフガンに命の水を」をご高覧願いたい。
◆企画 ペシャワール会 制作 日本電波ニュース社
語り 菅原文太
問い合わせ・申し込みは(株)日本電波ニュース社
〒106-0047 東京都港区南麻布1‐5‐10小池ビル3F
TEL 03‐5765‐6810
定価 2500円(税抜き・送料別)
■本稿が掲載された12月8日刊「頂門の一針」1748号の
<目次>は下記の通りです。
◆<目次>
・亡国の連立内閣:前田正晶
・中村哲医師の用水路建設:毛馬一三
・「鳩山さんは誰にもいい印象を」:古森義久
・中国人、10万人が日本に帰化:渡部亮次郎
・馬英九の統一路線に「NO」:宮崎正弘
・話 の 福 袋
・反 響
・身 辺 雑 記
◆上記<目次>の著名人による「卓見」をご覧になりたい方は、
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http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm