2010年01月16日

◆楡 (ニレ)の汚い木肌

渡部 亮次郎
死んだ歌手灰田勝彦が歌った。「楡の木に鳥が啼く アルプスの牧場よ・・・」東海林太郎も「楡の花咲く時計台・・・」。さらに舟木一夫は丘灯至夫作詞の「高校三年生」で唄う。

「赤い夕陽が 校舎をそめて ニレの木陰に 弾む声ああ 高校三年生 ぼくら離れ離れに なろうともクラス仲間は いつまでも」

秋田では見たことが無かったので、どんな樹木かとロマンチックな想像を逞しくしていた。なんと!猿江恩賜公園にある実に汚い肌の細い木に札が無造作に掛かっていた。「ニレ」。なんだか、がっかりした。しかも棺(ひつぎ)の材料だというではないか。

ニレ科ニレ属は北半球の温帯と暖帯に約20種を産し,すべて落葉ないし半常緑の高木で葉の基部が左右不整である。

日本でニレというと普通、ハルニレをさすが,ほかにアキニレとオヒョウがある。英語のエルム elm はヨーロッパニレやセイヨウニレをさし,街路樹として植えられる。

北欧神話によれば,神々はニレとトネリコから,人類最初の女エンブラ Embla と最初の男アスク Askr を創造したという。

イギリスなどでは中世以降,ニレにブドウのつるをはわせる習慣が生じ,この取合せを縁物(えんもの)とみなしたところから,結婚や良縁のシンボルともなった。

ギリシア神話では,冥界から妻エウリュディケを連れ戻せなかったオルフェウスが,悲しみに暮れて弾いた竪琴の力でこの世に生じた木とされるほか,ブドウとの関連からディオニュソス(バッコス)の聖木とも考えられた。

また夢の神モルフェウスMorpheus とも結びつけられ,その下で眠る者は悪夢に襲われるという。

ニレ科の高木種には,街路樹,緑陰樹として植えられるものが多い。

楡(ニレ)はシベリアからインドネシア、メキシコ、日本まで北半球の広範囲で見られる。 ニレの実は丸い翼果である。ニレの全ての種は土壌pHに耐性がある。

また多くの属は,木目の美しい有用材となる樹皮の卑皮(じんぴ)繊維が強く,縄などを作る。アツシを作るオヒョウもこの科に属する。

ニレの木材は木目が絡み合っていて、結果的に分割に抵抗がある。主に車輪、椅子のシート、棺に使われる。この木材は腐食にも強いからだ。

世界大百科事典(C)株式会社日立システムアンドサービス及びフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)を参照。2009・12・15


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