2010年02月04日

◆鼻濁音を唄えぬ歌手

渡部 亮次郎

歌謡界の泰斗 谷村 新司(たにむら しんじ)は、東北人の私にとっては、異邦人である。鼻濁音が出ない歌い手なのだ。京都育ちの都はるみもそう。東京弁は基本的に鼻濁音で成り立っている。

鼻濁音(びだくおん)とは、日本語にあって、濁音の子音を発音するとき鼻に音を抜くものを言う。表記の上では濁音同様濁点を以て示されるのが普通であるが、専門分野では鼻濁音であることを強調する。

NHKの「アクセント事典」では「か゜」、「き゜」、「く゜」、「け゜」、「こ゜」のように半濁点で書いてある。

標準の日本語(仮にNHKアナウンサーが訓練を受ける発音をそれとする)では、が行(か行の濁音)、すなわち、が、ぎ、ぐ、げ、ごに見られる(そのためが行鼻音とも呼ばれる)。

基本的には、助詞の「が」すべてと、が行音が文節の頭以外に来たときに鼻濁音化する。例外とし例えば「日本銀行」なでは濁音となる。

谷村新司 作詞/作曲「いい日旅立ち」。

雪どけ真近の 北の空に向かい
過ぎ去りし日々の夢を さけぶとき(過ぎ去りしの「ぎ」に違和感。
かえらぬひとたち 熱い胸をよぎる(よぎるの「ぎ」
せめて今日からひとりきり 旅にでる

ああ 日本のどこかに
わたしを 待ってる人がいるの「が」に違和感。

いい日旅立ち 夕焼けをさがしに(さ「が」しにに違和感。

北の宿から
作詞:阿久 悠 作曲:小林亜星

1、あなた 変わりはないですか
 日ごと寒さ「が」 つのります
 着てはもらえぬセーターを
 寒さこらえて編んでます
 女心(おんな「ご」ころの未練でしょうか
 あなた恋しい北の宿

寒さ「が」が鼻濁音でない。さらに「おんな「ご」ころが3番まで繰り返される。

江戸弁は鼻濁音だが、京都、大阪育ちは出せないようだ。渡 哲也(淡路島)も出ない。

同じ大阪出身でも大月みやこや天童よしみは鼻濁音が出ている。なぜだ。

八代亜紀は九州は熊本県八代市出身だが鼻濁音は出る。福岡県大川市出身の大川栄策も出る。四国、中国でもノー鼻濁音で歌う歌手は知らない。

鼻濁音問題は京都、大阪の問題ということになるだろうか。NHKでも最近は鼻濁音を発音できない人物をアナウンサーとして採用している。採用される方が問題なのか、あるいは採用者が鼻濁音ができなかったりして。

国民(小)学校4年生のとき、親戚を頼って大阪から秋田に疎開してきた、綺麗な女の子が、教科書を読まされて鼻濁音じゃなかった。これが逆に鼻濁音を問題視する始まりだった。

長じて大学でフランス語を習い始めると、フランス語は鼻濁音だらけ。不思議な事に私が教科書を朗読すると、ベトナム帰りの教授はなんだか嬉しそうに私の発音を褒めた。教授は秋田市生まれで、中学生の時にパリに留学、植民地ベトナムで暮らし、引き揚げてきた人だった。

だが、発音を褒められた私は英語よりもフランス語が好きになり、NHKはフランス語で合格した。50年経って忘れてしまったが。
2010・2・1出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』。

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