2010年03月10日

◆同志も脅す小澤一郎

渡部亮次郎

今年(2010年)の「2・26事件」は民主党幹事長小澤一郎と創価学会幹部との「極秘会談」だった。「事実」は朝日新聞のスクープとして伝わったが、小澤本人は、表向きでは否定している。しかし、朝日だけが特ダネとして報じたという事は、創価学会ではなく、小澤側が漏らしたのが確実である。

沖縄の基地移転をめぐる社民党の「跳ね上がり」を目にするとき、
「社民党と亀井に手を焼いた小澤が、彼らを脅す為に、敢えて創価学会との連立の可能性を見せ付けて牽制した」と見るのが普通だろう。しかし「剛腕」の小澤にしては「並み」の手口。面白くない。

昔、NHKで初代の創価学会、公明党担当記者だった者としてはもう少し別の面から分析する必要を感じる。

創価学会幹部と政府・与党幹部との会合は「暫く」しなければ外部には漏れないものだ。少なくとも創価学会側からは絶対と言っていいくらい漏れない。学会幹部といえども池田大作に睨まれたら最後だからだ。

池田は嘗て竹入義勝公明党委員長を使って日中国交正常化を田中角栄内閣で実現したが、後日、竹入が「自叙伝」で、このことを自慢したら、直ちに竹入を追放してしまった。後任の矢野絢也委員長も同じようにされた。

だから小澤との会談が創価学会から漏れる事はあり得ない。小澤側が、特定の目的を以って漏らした事は確実だろう。或いは同席した輿石東参院議員会長かとも疑われるが、別の側近かもしれない。元参院議員の平野貞夫を使って朝日にだけ漏らした、ということも考えられる。

いずれにしろ、会談の直後、すぐ漏れたという事は、なんらか、素人には分かりにくい別の理由が無ければ理屈が合わない。

創価学会・公明党側の動きを注視すると、公明党の山口委員長(参院議員)は最近、鳩山首相に面談、「協力」姿勢をあからさまにしており、民主党への連立入りは既に何時あってもおかしくない。

山口委員長の動きは民主党との連立について創価学会側から既にゴーサインが出たと見るべきだろう。そのサインなくして鳩山への面談などあり得ないからだ。創価学会と公明党との関係は親子関係だからである。

したがって小澤としては社民党や亀井を牽制する道具としての創価学会はすでに考えていない。しかも会談の漏洩をむしろ急いだという事は、会談を用いて党内の引き締めと自身の求心力向上を図ったと見るべきであろう。

そのような見地から民主党内を観測すれば、小澤に批判的で、幹事長辞任を求めていた渡部恒三らが急に鳴りをひそめてしまった。小澤の狙いは渡部ら一派を牽制することにこそあったと見るべきだろう。

衆院300選挙区の創価学会・公明党票は一選挙区当たり3万票。反小沢議員には創価学会・公明党票は渡らないと裏で脅しをかけたことになる。

この脅しの効果はモロに現れている。反小沢の空気が途端にくすんでいる。今も態度を変えないのは、選挙に自信がある前原国交相ら僅かになった。

小澤の党運営は流石に玄人。プロなのだ。仲間といえども、小澤自身の権力を維持する為には恫喝、脅迫、暇は無い。(文中敬称略)2010・3・9


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック