2010年03月23日

◆「米パラマウント大阪進出」一歩前進

毛馬一三

<本稿は、3月24日刊の「頂門の一針」1860号に掲載されました>
大阪府の橋下徹知事が、先の府議会で初めて明らかにした「米パラマウント大阪誘致構想」が、いよいよ現実の向かい一歩前進した。

「米パラマウント誘致構想」は、閉鎖した大阪府吹田市の万博記念公園等の跡地に、米大手パラマウント・ピクチャーを誘致して一大テーマパークを作り、それによって税の増収、雇用促進、観光集客等を図り、大阪経済の活性化を推進させようという知事の計画だ。

ところが大きなネックは、テーマパークの予定地となる万博記念公園跡地40ヘクタールのうち、半分に当たる20ヘクタールが国有地で、それを大阪府へ賃貸してくれるか否かだった。

つまりテーマパークの「用地」が決まらなければ、進出への鍵となる「出資」に見通しが立ちにくいと言う、いわば「鶏が先か、卵が先か」と同じ論理が長きにわたって交錯していたのだ。これに目途が付かなければ実現の可能性は見えてこない。

ところが橋下徹知事が21日、枝野幸男行政刷新相と、土地所有者の独立行政法人・日本万国博覧会記念機構をまじえ、東京都内で同「構想」をめぐり意見交換した結果、大阪府に跡地を貸与する方向でほぼ合意したという。「用地」が解決の方向に向かったのだ。

これにより「知事構想」は、実現に向かってが一歩前進したことになる。これを支えるように枝野幸男行政刷新相がこの後記者会見で、「万博跡地は利潤を生む可能性がある。ここにテーマパークが出来れば、大阪のUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)とあわせて、一大エンターテイメント都市になる」と述べているが、この発言の意義は大きい。。

これを受けて大阪府は5月にも、跡地を含むエリアの活用プランをまとめる方針を固めた。

活用プランのまとめは、これまで米大手パラマウント・ピクチャー誘致窓口となってきた大阪の民間投資会社「燦キャピタルマネージメント」と協議しながら「観光客に、感動的で独創的なエンターテインメントを体験してもらう」計画を組み立てる方針。事態は急速に進展しそうだ。

ただ問題が無いではない。財務省・万博機構では、「万博跡地の活性化計画に大阪府が責任を負う」との条件で、跡地貸与を認めることにしたとしているため、事業仕分けで機構が廃止されると、大阪府営とするべきだという意見の浮上の可能性もある。

となると、万博機構からエキスポランド跡地の20ヘクタールを含む40ヘクタールを借りる場合、賃料は年36億円という高額賃料が伴う。これは大阪府にとり高負担となる。

そこで知恵者の橋下知事は、会談した枝野幸男行政刷新相に、「公の財産を有効活用させてほしい。所有は国でいいから、マネジメント権だけ渡してほしい」と、府営に固執しないようにと釘を刺している。

と同時に知事は、誘致後に利益が出たら国に一部を還流させる仕組みも検討していると、国も喜ぶ「アメ」も覗かせている。

ところで、「米パラマウント進出構想」とは、40万平方メートルの万博跡地に、パラマウント映画ブランドを冠する世界的なエンターテインメント・リゾート施設の開発を目指す計画。豪華な造園風景、美しい建築物、革新的「グリーンテクノロジー」を特徴とする、パラマウント映画の伝説的な貯蔵フィルムの感性をちりばめた複合施設を設けるものだ。その姿が見え出してきたのはたしかだ。

昨年7月ごろから府庁と大阪経済界の舞台裏で話題になっていた米パラマウント進出構想は、ついに今回の知事と枝野幸男行政刷新相との会談で、いよいよ道が開けることになり、大手銀行・商社・証券会社などが出資に応じる態勢が確実となってきた。

橋下知事は「国は膨大な資産を持っているので儲かるようにすべきだ。資産の有効活用という視点でいろいろ提案していきたい」と話している。

活気を求める大阪府民の夢を結ぶ知事構想が、今回の会談で大きく前進し出し、1万人の集客を見込んだテーマパークのシュミレーションが5月には示されるというだけに、期待は膨れ上がる一方だ。(了)2010.03.22
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