2010年05月04日

◆暗愚で狡猾な鳩山首相

渡部亮次郎

東大のあと米国の大学で何やらの資格を得てきた人を暗愚で狡猾と決め付けるのは矛盾だと言われるかも知れないが、人間特に政治家は、その資質において、学歴とは全く無関係だ。

それが証拠に、高等小学校しか出ていなかった田中角栄は首相に上り詰めたが、その娘は大学を出ながら外務大臣が務まらなかったし、
この先首相を望まれる場面は皆無だ。

日米関係の何たるかを全く弁えずに「対等な関係」などと言ってアメリカを怒らせて仕舞った鳩山。日米安保条約のよって来る所以も分からない。日米安保条約を破棄し、核を備えた自主防衛に踏み切るよういなどまたく無い。

日米安保体制の実態を学ぼうとすれば1分で分かる。学ぼうとしないのだから暗愚としか言いようが無い。

暗愚の帝王といわれた元祖は故・鈴木善幸だが、棚からボタ餅の首相の座だったものの、外交のことこそ十分じゃなかったが、少なくとも内政に関しては合格だった。後継者の選考など見事なものだった。

それまで長い事党内のとりまとめを任務とする総務会長をしていた所為もあってか「老獪」さは感じさせたが、親から貰った十何億ものカネを知らなかった、などという「狡猾」さは全く無かった。

加えて鳩山は「姑息」でもある。

<「愚か」を「愚直」とすり替えた鳩山首相>と論じたのは産経新聞の総理官邸クラブ・キャップの阿比留瑠比。

<2010年3月21日、鳩山由紀夫首相と自民党の谷垣禎一総裁との党首討論が開かれました。訪問者の皆さんもご存じの通り、鳩山氏はこの中で、米軍普天間飛行場移設問題をめぐる米ワシントン・ポスト紙の酷評を受け入れ、「言われるように、私は愚か(loopy)な総理かもしれません」と認めましたね。

会場の参院第一委員会室が一瞬、どよめいたのがテレビの画面を通じても伝わってきました。

現職の首相が「愚か」であるかどうかが国会で議論され、あまつさえそれを首相自身が「その通りかも」と追認するのは、たぶん前代未聞の珍事だろうと思います。

私はその後のやりとりを聞きながら、一見「無防備」に見える鳩山氏は、実は「姑息」な人だなあとしみじみ感じていたのでした。

というのは、党首討論の議論の中で、鳩山氏が巧みに言葉をすり替えているのがありありと分かったからです。この点については、テレビを見ていた国民のかなりの人も気付いたことと思いますが、改めてこの場で指摘しておきたいと思います。

鳩山氏の言葉の変遷をたどると次のようになります。まず最初に認めた言葉が

「私は愚かな総理かもしれません」ですね。この時点では、ワシントン・ポストの指摘通り、「愚か」という言葉しか使っていません。
それが、次の段階では別の言い方と混在します。

「愚かだったから、愚直だったから。あるいはそうかもしれません」

誰も「愚直」なんて言っていないのに、突然こう言い出したのです。
「あれっ」と思って続きを注意して聞いていると、さらに

「少しでもそれ(沖縄の負担)を和らげることができたらと、愚直に思ったのは間違いでしょうか」」

そう、いつのまにか「愚か」が消え、きれいに「愚直」にすり替えられていました。私はああ、こういうところに人の本質が表れるのだろうなと感じましたね。

ちなみに、手元にある小学館の「大辞泉」によると、それぞれの意味はこうあります。

【愚か】(1)頭の働きが鈍いさま。考えが足りないさま(2)ばかげているさま(3)未熟なさま。

【愚直】正直なばかりで臨機応変な行動をとれないこと。また、そのさま。ばか正直。

他の辞書も当たってみましたが、だいたい似たようなことが書いてありました。つまり、「愚か」は文字通り「ばか」であって、「愚直」は、「正直」の程度が甚だしいもの、「正直」を強調したもの、不器用なまでの真っ直ぐさ、というところでしょうか。

愚直は一般的に一定の好意、評価を持って使われる言葉であり、どう考えても両者の意味は全く異なりますね。もちろん、「loopy」に愚直なんてニュアンスは全くありません。

鳩山氏は結局、他者の批判を受け入れる謙虚さを装いながら、自分の都合のいいようにその意味するところをねじ曲げたということでしょう。

実際、その後の記者団のぶらさがりインタビューの際にも、「愚直さを今こそ生かさなきゃならないときだ」などと自己正当化し、
「愚直」という言葉を4回も使用していました。自分はばかなのではなく愚直なだけだと言いたいわけです。>阿比留瑠比のブログ
「国を憂い、我とわが身を甘やかすの記」

どうして、こういう無意味な人間が仕上がるのだろうか。結局は東大に入りさえすれば、最高の大人に育つという親の誤解だろう。世間の荒波は、有り余るほど抱えるブリジストンのカネで守る。

アメリカに留学させれば、私立大学の教授ぐらいにはなれるから安心と親は踏んだのだろう。しかし、本人は、その科学関係の能力の無さを悟り、転職を決意。

転職先に国会議員を選んだのは、弟ですら勤まっているからと安易に考えたのではないか。世渡りの知識も経験も積んでおらず、出来たのは他人の妻を横取りする事だけ。

かくて親は仕方ない、鳩山家の過去の中から北海道の地盤を探し出し、母親の子供手当てで議員を続けていたら、なんとなく首相に就任する「めぐり合わせ」。ご本人は結構「満足」しているのでは無いか。

鳩山と会話を交わした人間は10人が10人とも「いい人」だと思って出てくる。詰まり鳩山は相手の言い分のすべてOKを与えるのだ。したがって1人目と10人目の受けた印象を付き合わせれば、完全に逆の結論になっている。

胡錦濤にはうなづき、オバマにもうなづく。沖縄県民にもいい顔をしたい、国民にも勿論よく思われた。そこに共通する名回答なぞ
あろうわけも無い。待っているのは政治的な地獄だが、理由を理解できない暗愚だ。「愚直がいけなかったとは知らなかった」と幸せに微笑むのではなかろうか。文中敬称略。2010・5・3

■本稿掲載の5月4日刊・全国誌「頂門の一針」1905号のご案内
<目次>
・金総書記が4年ぶりに訪中とロイター:古澤 襄
・暗愚で姑息な鳩山首相:渡部亮次郎
・机の引き出しはなぜ右側か?:馬場伯明
・春宵、ひと時、人生を想う:平井修一
・目指す365日誕生日友達:門 佳之
・話 の 福 袋
・反     響
・身 辺 雑 記

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