2010年06月05日

◆北国に無い松林檎

渡部 亮次郎

北国にあって南国にない果物はリンゴである。しかし、それだけのことであって、その反対の物が殆どである。代表的な果物はパイナップル(松林檎)であろう。

敗戦した1945年直後、コメの供出促進奨励品として、秋田県の農家にも缶詰が配られ、生まれて初めて甘く加工されたパイナップルなるものを食した。パイナップルの缶詰だった。

降って昭和43年、生まれて初めて沖縄島に旅券を持って渡った。占領後、初の琉球知事選挙取材のためである。本島の各地で栽培されて居たものはサトウキビとパイナップルだったが、1度も食しないまま島を後にした。

パイナップルの原産地はブラジル南部、アルゼンチン北部、パラグアイにまたがる、南緯15〜30度、西緯40〜60度に囲まれた地域とされている。

新大陸で発見された当時(1492年)すでに中部アメリカ、西インド諸島に伝わっていて、新大陸発見後、広く世界へと紹介された。

16世紀には、アフリカ・インド・南洋諸島の各地に分布。17世紀には、ヨーロッパ貴族の温室で品種育成も試みられ、18世紀には、南北緯度30度以内の熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されるようになった。

輸送や貯蔵に弱いパイナップルは、その後は世界への伝播が遅れた。現在、世界の主要栽培品種のスムースカイエン種は、1819年フランス領ギアナから、フランス本国へ渡り、それからイギリスへ。

アメリカはフロリダへ、ハワイへ、ハワイではジョンキドウェルがパイナップル缶詰工場を1892年に設立。一躍大産業の素地が作られた。缶詰用原料として認知されたスムースカイエン種は、1923年には台湾に伝わった。

14世紀から16世紀、琉球王国(沖縄)は大交易時代。地の利を生かし、西の明(中国)、東南アジアのルソン(フィリピン)、シャム(タイ)、マラッカ(マレーシア)との貿易が盛んに行なわれていた。その頃伝わった代表的な物が泡盛である。

だが、パイナップルは比較的遅く、1866(慶応2)年石垣島沖で座礁したオランダ船から、川平湾に漂着したパイナップルの苗が、沖縄に伝来した最初とされている。

沖縄本島では1888年に小笠原から輸入されたものが国頭郡に広がり、1927(大正15)年には、現在の主力栽培品種であるスムースカイエン種が本部町伊豆味に導入された。

石垣島では1930(昭和5)年に台湾からパイナップルの苗が運び込まれ、1935(昭和10)年には林発氏等を中心に、台湾から栽培農家53農家が移住して、本格的なパインの生産が始った。

1938(昭和13)年には石垣市に缶詰工場が建設され、県外移出が始まりまったが、3年後に始まった大東亜戦争で壊滅的な打撃を受けた。

戦後、石垣島では1946(昭和21)年から、沖縄本島では1952(昭和27)年から栽培が再開された。その後、生産は急増し、1960(昭和35)年には、サトウキビと並ぶ2大基幹作物として、沖縄の経済を支えるまでにパイン産業は成長する。

しかし、1970年代に入って、オイルショック、冷凍パイン輸入自由化、経済不況の影響を受け、最盛期1969年(年間10万t)の6割程度までに落込んだ。

その後もパイン産業は、パイン缶詰の需要低迷・安価な外国産パイナップル缶詰の価格攻勢等の影響を受け、ついに1990年には沖縄のパイン生産の需要の大半を占めるパイン缶詰の輸入が自由化された。

ウルグアイラウンドによる、このパイン缶詰自由化により、沖縄のパイン産業は大きな打撃を受けた。

パイナップルの名前の由来は、(PINE)松かさと(APPLE)りんごで、松ぼっくりのような形状とりんごのような酸味のある甘さからきている。

観賞用を含めると世界に2000種類もある。世界中で一番有名な品種がスムースカイエンだ。なぜかと言うと、世界で一番生産されているといわれているのだ.

雪国秋田では到底生産できないパイナップルは、糖質の分解を助け、代謝を促すビタミンB1を多く含み、さらにビタミンB2やC、クエン酸などとの相乗効果により疲労回復や夏バテ、老化防止などに効果がある。

タンパク質分解酵素のブロメリンが含まれているので、肉類を食べた後にデザートにして食べると、肉を柔らかくし消化を助ける。

また、ブロメリンには腸内の腐敗物を分解する作用もあるので、消化不良や腸内のガス発生などの症状にも有効だ(ブロメリンは熱に弱いので、60度以上に加熱するとその効果が失われてしまう)。

ただし、あまり熟していないもの(未熟果)を食べると、(未熟果にはシュウ酸イオンが含有)消化不良を起こしたり、口の中が荒れてしまうことがあるので注意を要する。
http://www.pineapplehouse.jp/menu17.html

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