2010年06月16日

◆フォークランド紛争その後

渡部 亮次郎

6月14日は南米の島「フォークランド」の領有権を巡る戦争でイギリス陸軍部隊に対してアルゼンチン軍が降伏した日。 1982年のこと。所謂フォークランド紛争(戦争)の終焉だった。

フォークランド紛争は、イギリス領フォークランド諸島(スペイン語名/アルゼンチン名:マルビナス諸島)の領有を巡り1982年、戦闘はイギリスとアルゼンチン間で3ヶ月にわたって行われた。

日本語では「フォークランド紛争」と表記されることが多いが、世界的には「紛争」よりも「戦争」に該当する呼び名が用いられる。

元々マルビナス諸島は、アルゼンチンの元宗主国であるスペインのフェルナン・デ・マガリャンイスの船団が1520年に発見し、その後自国領土とした。

一方1592年にイギリス人のジョン・デーヴィスが最初に発見したという説もあり、イギリスはこの出来事を根拠として戦後の現在に至るまで領有の正当性を主張している。

一見これといった価値がないこの南大西洋の島で、なぜこのような戦争が起きてしまったのか。既に1930年代のアルゼンチンではマルビナス奪還はアルゼンチン国粋主義者の悲願となっていた。

1976年にイサベル・ペロンを追放して誕生したホルヘ・ラファエル・ビデラ将軍の軍事政権は、当初よりしばしばフォークランド諸島に対する軍事行動をちらつかせてはいたものの、実際に行動を起こすまでには至
らなかった。

だが、軍事政権を引き継いだレオポルド・ガルチェリ大統領(現役工兵中将でもあった)は、民衆の不満をそらすために必然的ともいえる選択肢を選んだ。

既にアルゼンチンの活動家が上陸して主権を宣言するなどの事件も起きており、フォークランド諸島問題を煽ることで、国内の反体制的な不満の矛先を逸らせようとしたのである。

1982年、4月2日にはアルゼンチンの陸軍4000名がフォークランド諸島に上陸、同島を制圧したことで武力紛争化した。

対するサッチャー首相は直ちにアルゼンチンとの国交断絶を通告した。下院で機動部隊派遣の承諾を受け、5日には早くも航空母艦2隻を中核とする第一陣が出撃した。

その後アルゼンチン軍は、巧みな航空攻撃により幾度となくイギリス海軍の艦船を撃沈するなど、地の利を生かして当初は有利に戦いを進めた。

しかしイギリス軍は地力に勝る陸軍、空軍力と、アメリカやEC及びNATO諸国の支援を受けた情報力をもってアルゼンチンの戦力を徐々に削っていき、6月7日にはフォークランド諸島に地上部隊を上陸させた。

同諸島最大の都市である東フォークランド島のポート・スタンレー(プエルト・アルヘンティーノ)を包囲し、6月14日にはアルゼンチン軍が正式に降伏。戦闘は終結した。

この戦争の間にアルゼンチンは国際的な評価を大きく落とし、これは文民政権の課題となったが、文民政権の下で20世紀の初めから続いていたチリやブラジルとの軍事対立も急速に収まっていった。

また敗北した軍は政治力を弱めて大幅に削減され、開戦前には三軍で15万5000人程だったのに2000年には三軍で7万1000人程になった。

一方、多くの艦船を失い、多数の戦死者を出したものの勝利したイギリスでは、戦前不人気をかこっていたサッチャー首相の人気が急上昇、不人気だったのに続投し、戦勝によって勢い付いた新自由主義的な改革は
イギリス経済を復活させた。

また、それまで「2等市民」扱いされていたフォークランド島民もイギリス本土政府から丁寧に扱われるようになり、イギリスとチリからの投資で島の経済やインフラは発展した。

しかしながら本土から遠く離れた小島を「自国領土」として主張し統治するイギリスに対しては、「帝国主義的」、「植民地主義的」という批判が根強く存在した。

戦後の1984年には、長年アジアにおける植民地として統治してきた香港を、1997年に中華人民共和国に返還(一部の永久領土については「譲渡」)することとなる。

その後しばらく、両国の国交断絶状態が続いた。そんな中、1986年6月22日に行われたFIFAワールドカップ・メキシコ大会の準々決勝で、アルゼンチン代表がディエゴ・マラドーナらの活躍によりイングランド代表に2対1で勝利し、敗戦の屈辱が残るアルゼンチン国民を熱狂させた。

1989年10月に、アルゼンチンとイギリスは開戦以来の敵対関係の終結を宣言し、翌1990年2月5日、両国は外交関係を正式に回復した。しかし、現在も互いに自国の領有権を主張し続けている。
(「ウィキペディア」)2010・6・13


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック